JPH09302321A - アクリル系粘着剤組成物 - Google Patents

アクリル系粘着剤組成物

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JPH09302321A
JPH09302321A JP11907796A JP11907796A JPH09302321A JP H09302321 A JPH09302321 A JP H09302321A JP 11907796 A JP11907796 A JP 11907796A JP 11907796 A JP11907796 A JP 11907796A JP H09302321 A JPH09302321 A JP H09302321A
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JP
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polyether
meth
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JP11907796A
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English (en)
Inventor
Junichi Shimaoka
淳一 島岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿下における耐発泡性及び耐剥がれ性
に優れているだけでなく、一旦接着した後に糊残りを生
じることなく容易に再剥離することができるアクリル系
粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】 アルキル基の炭素数が2〜12のアルキ
ル(メタ)アクリレートを主成分とし、重量平均分子量
Mwが70万〜200万、Mw/Mnが1.5〜4の範
囲であるアクリル系ポリマー100重量部と、それぞれ
がカルボキシル基と架橋結合を形成し得る官能基を複数
有する、有機化合物、有機金属化合物及び金属塩の少な
くとも1種である架橋剤0.001〜5重量部と、特定
のポリエーテル変成シリコーンオイル0.01〜5重量
部と、少なくともアルコキシシリル基を分子中に有する
ポリエーテル0.1〜10重量部とを含むアクリル系粘
着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系粘着剤
組成物に関し、より詳しくは、合成樹脂よりなる偏光板
や位相差板などの光学部材を、例えばガラスなどの透光
性支持体に固定するのに用いられ、高温・高湿下におけ
る耐久接着性が改善されたアクリル系粘着剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置や、液晶表示セルを有する
表示部が構成された各種電子機器においては、液晶表示
セルのガラス面にポリビニルアルコール等からなる偏光
板を積層したものや、延伸ポリカーボネート等からなる
位相差板と上記偏光板を順次積層したものが用いられて
いる。また、積層を容易とするために、位相差板や偏光
板自身に粘着剤層を設けたものが提案されている。
【0003】上記粘着剤層を構成する接着剤としては、
主としてアクリル系粘着剤が用いられているが、表示性
能を損なわないためには、粘着剤層は充分な透光性を有
するだけでなく、高度な耐久接着性を有することが求め
られる。ところが、長期間使用しているうちに、粘着剤
層と、位相差板や偏光板あるいは液晶表示セルのガラス
面との界面において、剥がれや気泡が発生するという問
題があった。
【0004】上記のような問題を解決する粘着剤とし
て、エポキシ基を有するシラン化合物を配合してなるア
クリル系粘着剤が提案されている(特開平4−2234
03号公報)。
【0005】特開平4−223403号公報では、偏光
フィルムの両面にセルロース系保護膜を設けた部材を液
晶セル面に接着するにあたり、上記エポキシ基含有シラ
ン化合物を含むアクリル系粘着剤組成物が用いられてお
り、それによって、高温高湿度環境の下における粘着剤
層の耐発泡性及び耐剥がれ性が高められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表
示セルのガラス面に上記偏光板などを貼り付けるに際
し、空気や塵埃などの巻き込みがあったり、位置ずれ等
の不具合があったりした場合には、粘着剤層が設けられ
た偏光板などをガラス面から剥離し、新たな粘着型偏光
板を接着しなければならない。
【0007】ところが、液晶セル面に粘着型偏光板が貼
り合わされた構造を高温下で一定時間保管したり、長期
間保管したりしていた場合には、粘着剤層のガラス面へ
の接着昂進が起こり、液晶表示セルのガラス面から粘着
型偏光板の剥離が不可能になることがあった。また、剥
離が可能であったとしても、液晶表示セルのガラス面に
糊残りが生じることもあった。
【0008】本発明の目的は、高温・高湿下における耐
発泡性及び耐剥がれ性に優れているだけでなく、一旦接
着した後の剥離が容易であり、かつ剥離後に被着面にお
ける糊残りが生じ難いアクリル系粘着剤組成物を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、下記の特定のアクリル
ポリマーを主成分とするアクリル系粘着剤組成物を用い
れば上記課題を達成し得ることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、アルキル基の炭素数
が2〜12のアルキル(メタ)アクリレートを主成分と
し、カルボキシル基含有ビニルモノマーをモノマー組成
中0.5〜15重量%を含むモノマー組成物を重合して
なり、重量平均分子量Mwが70万〜200万、重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが
1.5〜4の範囲であるアクリル系ポリマー100重量
部と、それぞれがカルボキシル基と架橋結合を形成し得
る官能基を複数個有する、有機化合物、有機金属化合物
及び金属塩からなる群から選択された少なくとも1種の
架橋剤0.001〜5重量部と、下記の一般式(1)で
表されるポリエーテル変成シリコーンオイル0.01〜
5重量部と、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシ
リル基を有するポリエーテル0.1〜10重量部とを含
むことを特徴とするアクリル系粘着剤組成物である。
【0011】
【化2】
【0012】なお、上記式(1)中、m,nは1〜10
0の範囲の整数であり、a,bは0または1〜200の
範囲の整数でありかつ何れか一方が1以上であり、Rは
水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。
【0013】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて使用するアクリル系ポリマーは、炭素数2〜12
のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、これに
カルボキシル基を有するビニルモノマーを共重合したも
のである。
【0014】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イ
ソノニル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、デシル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0015】上記カルボキシル基を有するビニルモノマ
ーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレ
イン酸、(無水)フマル酸、イタコン酸、クロトン酸の
他、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキ
シプロピル(メタ)アクリレート等のカルボキシアルキ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】上記ビニルモノマーの含有量が、少なくな
ると、アクリル系粘着剤の凝集力が低くなり、十分な耐
熱性が得られにくく、また多くなるとアクリル系粘着剤
の凝集力が高くなり、貼付時に空気を巻き込み易くなる
ため、上記ビニルモノマーの含有割合は、モノマー成分
の合計の0.5〜15重量%である。
【0017】上記アクリル系ポリマーでは、上記モノマ
ーに加えて、さらに他の極性ビニルモノマーあるいは他
の非極性ビニルモノマーが共重合されていてもよい。上
記他の極性ビニルモノマーとしては、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、カプロラクトン変成(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸
基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N
−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−
ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホ
リン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマー;
酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
スチレン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0018】上記極性ビニルモノマーは、主たるモノマ
ー(すなわち、上記アルキル(メタ)アクリレート及び
カルボキシル基を有するビニルモノマーの合計)100
重量部に対して20重量部以下の範囲で用いることが望
ましい。20重量部を超えると、凝集力が高くなり十分
な感圧接着性を得られないことがある。
【0019】上記非極性ビニルモノマーとしては、例え
ば、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等
の炭素数13以上のアルキル基を有する、アルキル(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
【0020】上記非極性ビニルモノマーは、主たるモノ
マー(すなわち、上記アルキル(メタ)アクリレート及
びカルボキシル基を有するビニルモノマーの合計)10
0重量部に対して20重量部以下の範囲で用いることが
望ましい。20重量部を超えると凝集力が高くなり十分
な感圧接着性を得られないことがある。
【0021】上記モノマーを重合する方法としては、例
えば溶液重合、塊状重合、乳化重合等のラジカル重合法
が挙げられ、重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾ
イル等の過酸化物系、アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ系化合物等の従来公知の任意のものを使用し得る。
また、光重合開始剤を介在させて光を照射して光重合し
たり、放射線を照射して重合したりしてもよい。
【0022】また、分子量を適切に調節するために、適
当な連鎖移動剤、例えばドデシルメルカプタン等を添加
してもよい。上記のようにして得られたアクリル系ポリ
マーの重量平均分子量Mwは70万〜200万の範囲で
あることが必要であり、重量平均分子量Mnとの比Mw
/Mn、すなわち分子量分布は1.5〜4の範囲である
ことが必要である。重量平均分子量が70万未満であっ
たり、分子量分布が4より大きい場合には耐熱性が低下
し、高温、高湿度下における凝集力の低下により、耐発
泡性が低下することになる。200万を超えると、凝集
力が大きくなりすぎて耐剥離性が低下する傾向となる。
【0023】架橋剤 本発明では、粘着剤層の凝集力及び耐熱性を高めるため
に、アクリル系ポリマーは、架橋剤により架橋されてい
る。このような架橋剤としては、多官能基を有する有機
化合物、有機金属化合物及び金属塩が用いられる。
【0024】有機化合物架橋剤としては、例えばN,N
´−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカ
ルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β
−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−
1−(2−メチルアジリジン)等のアジリジン化合物;
トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシア
ネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシア
ネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート等のイソシアネート化合物;ビスフェ
ノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、
ジグリシジルアミン、N,N,N´,N´−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N
´−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等のエ
ポキシ化合物、その他アミノ樹脂、メラミン樹脂等が挙
げられる。
【0025】有機金属化合物架橋剤としては、アルミニ
ウム、鉄、銅、錫、亜鉛、チタン、ニッケル、アンチモ
ン、マグネシウム、クロム、バナジウム、ジルコニウム
等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル
の配位化合物が挙げられる。
【0026】金属塩架橋剤としては、塩化第二銅、塩化
アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、硫酸
銅、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネ
シウム、酢酸クロム、酢酸銅が挙げられる。
【0027】上記架橋剤は、少なくとも1種または2種
以上添加される。添加量は、アクリル系ポリマー100
重量部に対し、0.001〜5重量部である。0.00
1重量部未満では耐熱性が劣り、5重量部を超えると耐
湿剥がれ性が低下する。
【0028】ポリエーテル変成シリコーンオイル 本発明で使用されるポリエーテル変成シリコーンオイル
は、上述した一般式(1)で表されるものであり、ポリ
エーテル部分のポリオキシエチレン基とポリオキシプロ
ピレン基との割合は任意であるが、ポリオキシプロピレ
ン基の割合がポリエーテル部分中15重量%以上である
ことが望ましい。
【0029】上記ポリエーテル変成シリコーンオイルの
添加量は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対
し、0.01〜5重量部である。0.01重量部未満で
はガラス面からの剥離性が低下し、5重量部を超えると
耐熱性が悪くなり、耐湿剥がれ性が低下することがあ
る。
【0030】ポリエーテル 本発明に使用されるポリエーテルは、各々分子内に1個
以上のアルコキシシリル基を有するものであり、例えば
ガラス等の高極性表面への接着力を向上させる目的で添
加されている。
【0031】上記ポリエーテルは、詳しくは炭素数2〜
4のアルキレンオキシドの重合体を主鎖とし、メトキシ
シリル基を分子内に1個以上有するものであり、例えば
ジメトキシシリル基含有ポリエチレンオキシド、トリメ
トキシシリル基含有ポリエチレンオキシド、ジメトキシ
シリル基含有ポリプロピレンオキシド、トリメトキシシ
リル基含有ポリプロピレンオキシド等が挙げられる。
【0032】上記ポリエーテルの添加量は、上記アクリ
ル系ポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部
の範囲であることが必要である。0.1重量部未満では
耐湿剥がれ性が低下し、10重量部を超えると再剥離性
が低下する。
【0033】その他の成分 本発明で用いられるアクリル系粘着剤には、本発明の目
的を達成し得る限り、幅広い粘着物性を得るために、必
要に応じて可塑剤や粘着付与樹脂を加えてもよい。
【0034】上記粘着付与樹脂としては、例えばテルペ
ンフェノール等のテルペン系樹脂、不均一ロジン等のロ
ジン系樹脂、C5系やC9系の石油樹脂などが挙げられ
る。上記粘着付与樹脂の添加量は、アクリル系ポリマー
100重量部に対し30重量部以下が好ましく、またそ
の軟化点は100℃以上のものが望ましい。添加量が3
0重量部より多いと凝集力が低くなり、十分な耐熱性が
得られにくくなることがあり、また軟化点が100℃未
満のものでは耐熱性が低下し易い。
【0035】作用 本発明のアクリル系粘着剤組成物では、上記アクリル系
ポリマーの重量平均分子量が70万〜200万であり、
かつMw/Mn比が1.5〜4の範囲であり、さらに架
橋剤により架橋されているので、粘着力を低下させるこ
となく、高温における粘着剤の弾性率の低下が抑制され
る。従って、高温下において発泡や剥がれが生じ難い。
【0036】さらに、上記式(1)で表される特殊な反
応性ポリエーテル変成シリコーンオイルが添加されてい
るため、高湿度下での接着性が高められると共に剥がれ
が生じ難い。
【0037】また、特殊なアリコキシシリル基含有ポリ
エーテルが添加されているため、粘着剤層とガラス面の
接着昂進がある程度までに抑制されるので、ガラス面か
らの剥離を容易に行うことができ、糊残りも生じ難い。
【0038】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明す
る。 1)アクリル系ポリマーA〜Dの調製 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素ガス
導入口を備えた5つ口フラスコに、下記の表1に示した
配合組成に従って、n−ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、アクリル酸、連鎖移動剤とし
てドデシルメルカプタン及び溶剤として酢酸エチルを、
合計重量が1kgとなるように、それぞれ所定部数(表
1の部数は重量部)ずつ仕込み、攪拌し、溶解した。
【0039】しかる後、窒素ガスで約30分間パージ
し、モノマー溶液中に溶存している酸素を除去すると共
に、窒素ガスで、フラスコ内の空気を置換し、70℃に
昇温し、保持した後、熱重合開始剤として過酸化ベンゾ
イル0.03重量部を3ccの酢酸エチルに溶解し、滴
下ロートにより滴下し、開始剤投入から70℃の温度で
15時間保持し、アクリル系ポリマーを得た。
【0040】上記のようにした得たアクリル系ポリマー
の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。すな
わち、標準架橋ポリスチレンを基準とし、テトラヒドロ
フランを分離剤として使用し、屈折計を用いて検出する
ことによりMw及びMnを求め、かつ分子量分布Mw/
Mnを算出した。結果を下記の表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】2)アクリル系粘着剤組成物の調製 上記のようにした得たアクリル系ポリマーA〜Dのそれ
ぞれを用い、固形分が40重量%となるように酢酸エチ
ルで希釈した後、アクリル系ポリマーの固形分100重
量部に対し、下記のポリエーテル変成シリコーンオイ
ル、下記のアルコキシシリル基含有ポリエーテル、架橋
剤としてのアジリジン系化合物(N,N´−ヘキサメチ
レン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)、相互薬工社製)を後述の表4に示した所定量(重
量部)を添加し、実施例1〜4及び比較例1〜8のアク
リル系粘着剤組成物を調製した。
【0043】なお、上記ポリエーテル変成シリコーンオ
イルとしては、下記の2種類のポリエーテル変成シリコ
ーンオイルを表4に示すように適宜用いた。 ポリエーテル変成シリコーンオイルα…ポリエーテル部
分のポリオキシプロピレン基の割合が0重量%のもの。
信越化学社製、商品名:KF−353。
【0044】ポリエーテル変成シリコーンオイルβ…ポ
リエーテル部分のポリオキシプロピレン基の割合が50
重量%のもの。信越化学社製、商品名:KF−352
A。 また、上記アルコキシシリル基含有ポリエーテルとして
は、下記の2種類のポリエーテルを下記の表4に示すよ
うに適宜用いた。
【0045】ポリエーテルα…ジメトキシシリル基及び
メトキシシリル基含有ポリプロピレンオキシド、鐘淵化
学社製、商品名:S−203。 ポリエーテルβ…ジメトキシシリル基含有ポリプロピレ
ンオキシド、鐘淵化学社製、商品名:SAT−200。 また、比較のために用いたシラン化合物として、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社
製)を表4に示すように用いた。
【0046】3)偏光板粘着シートの作製 上記のようにして得た実施例1〜4及び比較例1〜8の
各アクリル系粘着剤組成物の溶液を、表面がシリコーン
処理された厚さ38μmのポリエステルフィルム上にア
プリケーターを用いて塗布し、乾燥し、厚さ25μmの
粘着剤層を形成した。次に、上記粘着剤層に、厚さ15
0μmの延伸ポリビニルアルコール系偏光板をラミネー
ターを用いて貼り合わせ、偏光板粘着シートを得た。
【0047】4)物性測定用試験片の作製 3)で得られた偏光板粘着シートを、室温下で1週間放
置した後、75×150mmの平面形状を有するように
切断し、シリコーン処理したポリエステルフィルムを剥
離し、図1に示すように100×200mmの寸法のガ
ラス板1に粘着面に気泡が入らないようにラミネーター
で貼り合わせ試験片Aとした。なお、図1において、2
は粘着剤層、3は偏光板を示す。
【0048】また、別途、3)で得られた各偏光板粘着
シートを、室温下で1週間放置した後、25×150m
mの寸法に切断し、シリコーン処理されたポリエステル
フィルムを剥離し、図2に示すように、40×100m
mの寸法のガラス板4に粘着面に気泡が入らないように
ラミネーターで貼り合わせ、試験片Bを作製した。な
お、図2において、2は粘着剤層、3は偏光板を示す。
【0049】5)耐発泡性、耐剥離性及びガラス板に対
する粘着力並びに糊残り性の評価 耐発泡性を評価するために、試験片Aをステンレス製ス
タンドに立て、100℃の恒温槽内に500時間放置し
た。しかる後、発泡による外観の変化を表2に示す評価
点に従って評価した。
【0050】耐剥離性の評価に際しては、試験片Aを、
60℃及び相対湿度90%の恒温槽中に500時間放置
した後、剥がれによる外観変化を、下記の表3に示す評
価点に従って評価した。
【0051】ガラス板に対する粘着力及び糊残りの評価
のために、試験片Bをステンレス製スタンドに立て、9
0℃の恒温槽中に2時間放置した後、さらに室温で3日
間放置し、引張試験機を用い、ガラス板1から180°
の角度の方向に引張速度300mm/分で剥離し、剥離
強度(g/25mm)を測定するとともに、剥離後のガ
ラス面への糊残りの程度を目視により確認した。
【0052】上述した各評価結果を表4に併せて示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】なお、表4において、ポリエーテル変成シ
リコーンオイルの配合割合の下のα,βは、それぞれ、
前述したポリエーテル変成シリコーンオイルα及びβを
用いたことを示し、また、ポリエーテルの配合割合の下
のα,βは、それぞれ、前述したポリエーテルαあるい
はポリエーテルβを用いたことを示す。
【0057】表4から明らかなように、比較例5〜7で
は、耐発泡性の評価において、20μm以上の気泡が多
数存在しており、比較例1,4では、耐剥離性試験にお
いて剥離が認められた。
【0058】これに対して、実施例1〜4では、このよ
うな発泡や剥離は認められなかった。また、ガラス板か
らの剥離力についても、比較例1,2,3,8では28
00g/25mm以上とかなり大きかったのに対し、実
施例1〜4では1010g/25mmと小さく、従っ
て、被着体から無理なく剥離し得ることがわかる。剥離
後の糊残りについても、比較例2,3,8では認められ
たものの、実施例1〜4では糊残りは認められなかっ
た。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかるアクリル
系粘着剤組成物では、上記特定のアクリル系ポリマー
が、重量平均分子量Mw70万〜200万であり、Mw
/Mn比が1.5〜4の範囲であり、さらに上記特定の
架橋剤により架橋されているため、高温下における発泡
や剥がれが生じ難い。さらに、上記式(1)で表される
特定のポリエーテル変成シリコーンオイルが上記特定の
割合で添加されているため、高湿度下における接着性が
高められ、かつ耐剥離性も高められるとともに、アルコ
キシシリル基含有ポリエーテルが特定の割合で添加され
ているので接着昂進現象もある程度の範囲までに抑制さ
れる。
【0060】よって、本発明にかかるアクリル系粘着剤
組成物を用いて例えば偏光板などをガラスなどの透光性
支持体に接着した場合、粘着剤層の耐熱性及び耐湿性が
高められ、発泡や剥離が生じ難いだけでなく、貼り直し
が必要な際にも糊残りをほとんど引き起こすことなく、
ガラス面などから容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の評価において用意された試
験片Aを示す断面図であり、ガラス板に粘着剤層を介し
て偏光板を固定した構造を示す図。
【図2】実施例及び比較例の評価において用意した試験
片Bを示す断面図であり、ガラス板上に粘着剤層を介し
て偏光板を接着した構造を示す図。
【符号の説明】
1…ガラス板 2…粘着剤層 3…偏光板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が2〜12のアルキ
    ル(メタ)アクリレートを主成分とし、カルボキシル基
    含有ビニルモノマーをモノマー成分中0.5〜15重量
    %を含むモノマー組成物を重合してなり、重量平均分子
    量Mwが70万〜200万、重量平均分子量Mwと数平
    均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.5〜4の範囲にあ
    るアクリル系ポリマー100重量部と、 それぞれがカルボキシル基と架橋結合を形成し得る官能
    基を複数個有する、有機化合物、有機金属化合物及び金
    属塩からなる群から選択された少なくとも1種の架橋剤
    0.001〜5重量部と、 下記の一般式(1)で表されるポリエーテル変成シリコ
    ーンオイル0.01〜5重量部と、 1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有す
    るポリエーテル0.1〜10重量部とを含むことを特徴
    とするアクリル系粘着剤組成物。 【化1】 (式中、m,nは1〜100の整数、a,bは0または
    1〜200の範囲の整数であり、何れか一方が1以上で
    あり、Rは水素または炭素数1〜8のアルキル基を示
    す。)
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