JPH0980230A - 偏光板固定構造物 - Google Patents

偏光板固定構造物

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JPH0980230A
JPH0980230A JP23521995A JP23521995A JPH0980230A JP H0980230 A JPH0980230 A JP H0980230A JP 23521995 A JP23521995 A JP 23521995A JP 23521995 A JP23521995 A JP 23521995A JP H0980230 A JPH0980230 A JP H0980230A
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JP
Japan
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weight
polarizing plate
adhesive layer
polyether
sensitive adhesive
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JP23521995A
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English (en)
Inventor
Junichi Shimaoka
淳一 島岡
Norio Numata
憲男 沼田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温・高湿度下における耐発泡性及び耐剥が
れ性に優れており、糊残りを生じることなく容易に偏光
板を剥離し得る偏光板固定構造物を得る。 【解決手段】 粘着剤層を介して偏光板を透光性支持体
に固定してなる偏光板固定構造物において、上記粘着剤
層が、重量平均分子量が80万以上、重量平均分子量と
数平均分子量との比が4.0以下であり、アルキル基の
炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートを主
成分とするアクリル系ポリマー100重量部に対し、特
定のポリエーテル変性シリコーンオイル、シラザンまた
はシリルアミンを0.01〜5重量部と、架橋剤0.0
01〜5重量部とを配合してなるアクリル系粘着剤組成
物により構成されている偏光板固定構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばガラス等の
透光性支持体に粘着剤層を介して偏光板を固定してなる
偏光板固定構造物に関し、より詳しくは、固定後に剥離
したとしても透光性支持体における糊残りが生じ難く、
かつ高温・高湿下における粘着剤層の発泡や剥がれが生
じ難い偏光板固定構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置においては、例えば
ガラス板からなる液晶セル面に、粘着剤層を介して偏光
板が固定されている。上記粘着剤層を構成する粘着剤と
しては、アクリル系粘着剤が一般的に用いられている。
【0003】しかしながら、偏光板を粘着剤層を介して
液晶セル面に固定してなる偏光板固定構造物を、高温・
高湿度下で放置した場合、粘着剤層において気泡が発生
したり、粘着剤層が液晶セル面から剥離したりするとい
う問題があった。
【0004】上記のような問題を解決するために、ガラ
ス面により強固に接着し得る粘着剤として、エポキシ基
を有するシラン化合物含有アクリル系粘着剤が提案され
ている(特開平4−223403号公報)。
【0005】すなわち、特開平4−223403号公報
では、偏光フィルムの両面にセルロース系保護膜を設け
た構造を液晶セル面に接着するにあたり、エポキシ基含
有シラン化合物を含むアクリル系粘着剤層が用いられて
おり、それによって高温高湿度環境の下における粘着剤
層の耐発泡性及び耐剥がれ性が高められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液晶セル面
に粘着剤層を介して偏光板を貼り付ける際に、空気や塵
埃の巻き込みがあった場合、液晶セル面から偏光板を剥
離し、新たな偏光板を貼り直す工程を実施する必要があ
る。ところが、上記剥離及び貼り直しに至るまでの間に
偏光板を液晶セル面に貼り合わせてなる積層体を高温下
で一定時間保管したり、あるいは長期間保管したりした
場合には、粘着剤層の液晶セル面への接着昂進が起こ
り、偏光板を液晶セル面から剥離することが困難になる
ことがあった。加えて、偏光板を液晶セル面から剥離し
得たとしても、液晶セル面上に糊残りが生じることもあ
った。
【0007】本発明の目的は、透光性支持体に偏光板を
接着した後に、透光性支持体から偏光板を透光性支持体
に糊残りを生じることなく容易に剥離することができ、
かつ高温・高湿度下における耐発泡性及び耐剥がれ性に
優れた粘着剤層を備えた偏光板固定構造物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、透光性支持体に粘着剤
層を介して偏光板を固定するにあたり、上記粘着剤層と
して、下記の特定のアクリル系ポリマーを主成分とする
粘着剤を用いればよいことを見出し、本発明をなすに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、透光性支持体に粘着
剤層を介して偏光板を貼り合わせて固定してなる偏光板
固定構造物において、粘着剤層として、それぞれ、下記
のアクリル系粘着剤組成物を用いたことを特徴とする。
【0010】本発明では、上記粘着剤層が、(A)アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートを主成分とし、その重量平均分子量Mwが80万以
上、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/
Mnが4.0以下であるアクリル系ポリマー100重量
部と、(B)各々、多官能基を有する有機化合物、有機
金属化合物及び金属塩からなる群より選択された少なく
とも1種の架橋剤0.001〜5重量部と、(C)下記
の一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーン
オイルであり、ポリエーテル部分におけるポリオキシプ
ロピレン基の割合が15重量%以上であるポリエーテル
変性シリコーンオイル、シラザン及びシリルアミンのう
ち少なくとも1種を0.01〜5重量部含むアクリル系
粘着剤組成物により構成されている。
【0011】
【化2】
【0012】以下、本発明の詳細を説明する。アクリル系ポリマー 本発明において用いられるアクリル系ポリマーは、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(a)を主成分とし、
これに極性モノマー(b)を共重合したものである。
(a)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシ
ルなどを挙げることができる。
【0013】また、上記(b)極性モノマーとしては、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン
酸、(無水)フマル酸、イタコン酸、カルボキシエチル
アクリレートなどのカルボキシアルキル(メタ)アクリ
レート類等のカルボキシル基含有ビニルモノマー;(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−
ヒドロキシブチル、カプロラクトン変性(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートな
どの水酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニト
リル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイ
ルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素含有ビニル
モノマー;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、スチレン、イソボルニル(メタ)アクリレー
トなどを挙げることができる。
【0014】上記極性モノマー(b)は、上記(メタ)
アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)100重量
部に対し、1〜20重量部の範囲で用いることが望まし
い。極性モノマーの上記配合割合が1重量部未満の場合
には粘着剤の凝集力が低下し、充分な剪断強度が得られ
難くなり、20重量部を越えると凝集力が高くなりす
ぎ、充分な感圧接着性を得られないことがあるからであ
る。
【0015】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
モノマー(a)と、極性モノマー(b)とを共重合する
方法は特に限定されず、例えば、溶液重合、塊状重合、
乳化重合などの適宜の重合方法を用いることができる。
【0016】また、重合に際しては、重合開始剤として
は、例えば、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物系化合物
やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物など
の従来公知の任意の重合開始剤を用いることができる。
【0017】また、光重合開始剤を用い、光を照射して
光重合したり、放射線を照射して重合したりしてもよ
い。また、上記アクリル系ポリマーの分子量を適切に調
節するために、適当な連鎖移動剤、例えばドデシルメル
カプタンなどを添加してもよい。
【0018】上記のようにして得られたアクリル系ポリ
マーの重量平均分子量Mwは80万以上、重量平均分子
量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn、すなわち
分子量分布は4以下であることが必要である。重量平均
分子量Mwが80万未満であったり、上記分子量分布M
w/Mnが4より大きい場合には、粘着剤の耐熱性が低
下し、高温・高湿度下における凝集力の低下により、耐
剥がれ性が低下することになる。
【0019】架橋剤 本発明では、粘着剤層の凝集力及び耐熱性を高めるため
に、上記アクリル系ポリマー(A)は、架橋剤(B)に
より架橋される。上記架橋剤としては、多官能基を有す
るものが用いられ、すなわち、各々、多官能基を有する
有機化合物、有機金属化合物及び金属塩からなる群から
選択した少なくとも一種が用いられる。
【0020】上記有機化合物系架橋剤としては、例え
ば、N,N’−ヘキサメチレン−1,6ビス(1−アジ
リジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−
トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタ
ロイル−1−(2−メチルアジリジン)等のアジリジン
化合物、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジ
イソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジ
イソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシ
アネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、ビ
スフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹
脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリグリシ
ジルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m
−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリ
シジルアミノメチル)シクロヘキサン等のエポキシ化合
物、その他、アミノ樹脂、メラミン樹脂等を用いること
ができる。
【0021】また、上記有機金属化合物架橋剤として
は、アルミニウム、鉄、銅、錫、亜鉛、チタン、ニッケ
ル、アンチモン、マグネシウム、クロム、バナジウム、
ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト
酢酸エステルの配位化合物を挙げることができる。
【0022】上記金属塩架橋剤としては、塩化第二銅、
塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、硫
酸銅、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグ
ネシウム、酢酸クロム、酢酸銅等が挙げられる。
【0023】上記架橋剤は、少なくとも1種または2種
以上添加され、その添加量は、アクリル系ポリマー10
0重量部に対し、0.001〜5重量部である。なお、
2種以上の架橋剤を添加する場合には、その合計が、上
記0.001〜5重量部の範囲とされる。架橋剤の添加
割合が0.001重量部未満の場合には、粘着剤層の耐
熱性が劣化し、高温・高湿度下における耐剥がれ性が低
下することがあり、5重量部を越えると耐湿剥がれ性が
低下する。
【0024】ポリエーテル変性シリコーンオイル 本発明で用いられる上記ポリエーテル変性シリコーンオ
イルは、上述した一般式(1)で表されるものであり、
ポリエーテル部分はポリオキシエチレン基とポリオキシ
プロピレン基とからなり、ポリオキシプロピレン基の割
合がポリエーテル部分中15重量%以上を占める。この
割合が、15重量%未満では耐湿剥がれ性が低下する。
【0025】上記ポリエーテル変性シリコーンオイルの
添加量は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対
し、0.01〜5重量部の範囲であることが必要であ
る。0.01重量部未満の場合には、透光性支持体から
の耐剥離性及び耐湿剥がれ性が低下し、5重量部を越え
ると粘着剤層の耐熱性が劣化することになる。
【0026】シラザンまたはシリルアミン 上記シラザンまたはシリルアミンとしては、ヘキサメチ
ルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オク
タメチルシクロテトラシラザン、サイクリックシラザン
混合物、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、
N−トリメチルシリルアセトアミド、ジメチルトリメチ
ルシリルアミン、ジエチルトリメチルシリルアミン、ト
リメチルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルフ
ェニルウレアなどを挙げることができる。
【0027】上記シラザンまたはシリルアミンの添加量
は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対し、0.
01〜5重量部の範囲とすることが必要である。この添
加割合が、0.01重量部未満では、透光性支持体から
の再剥離性及び耐湿剥がれ性が低下し、5重量部を越え
ると耐熱性が劣化する。
【0028】なお、上記ポリエーテル変性シリコーンオ
イル、シラザン及びシリルアミンは併用してもよく、こ
れらのうち少なくとも1種が合計で上記アクリル系ポリ
マー100重量部に対し、0.01〜5重量部の割合で
配合される。
【0029】その他の成分 本発明で用いられる上記アクリル系粘着剤組成物には、
本発明の目的を阻害しない範囲で、幅広い粘着物性を得
るために、必要に応じて可塑剤や粘着付与樹脂を添加し
てもよい。
【0030】上記粘着付与樹脂としては、例えば、テル
ペンフェノールなどのテルペン系樹脂、不均化ロジンな
どのロジン系樹脂、C5系やC9系の石油樹脂などを例
示することができる。
【0031】粘着付与樹脂の添加量は、アクリル系ポリ
マー100重量部に対し、30重量部以下であることが
望ましく、かつ粘着付与樹脂の軟化点は100℃以上で
あることが望ましい。粘着付与樹脂の添加量が30重量
部より多い場合には、粘着剤の凝集力が低くなり、充分
な耐熱性を得ることができなくなる。また、軟化点が1
00℃未満の粘着付与樹脂を用いた場合には、粘着剤層
の耐熱性が低下し易くなることがある。
【0032】偏光板固定構造物の構造 本発明は、上記特定の粘着剤層を用いて透光性支持体に
偏光板を貼り合わせて固定してなる偏光板固定構造物で
あるが、上記透光性支持体及び偏光板については、従来
より公知の任意の部材を用いることができる。すなわ
ち、透光性支持体は、例えば液晶表示装置の液晶セル面
を構成しているガラス基板であってもよく、あるいは他
の形式の表示装置のセル面を構成するガラス基板であっ
てもよい。さらに、本発明の偏光板固定構造物におい
て、透光性支持体は表示装置の一部を構成するものでな
くともよい。すなわち、本発明にかかる偏光性固定構造
物は、液晶表示装置などの表示装置と一体に構成される
必要は必ずしもなく、例えば偏光装置のような、それ自
体独立の光学部品として構成されているものであっても
よく、その場合においても、上記透光性支持体として
は、ガラス板などの適宜の透光性材料よりなる部材で構
成され得る。また、上記偏光板についても、ポリビニル
アルコールなどの合成樹脂よりなる偏光フィルムや、他
の材料からなる適宜の偏光板を用いることができる。
【0033】作用 本発明にかかる偏光板固定構造物では、透光性支持体と
偏光板とが上記特定のアクリル系粘着剤により貼り合わ
されている。このアクリル系粘着剤は、重量平均分子量
Mwが80万以上であり、Mw/Mn比が4以下であ
り、さらに上記特定の架橋剤により架橋されているた
め、粘着力を低下させることなく、高温下における粘着
剤の貯蔵弾性率や損失弾性率の低下が抑制され、高温下
において発泡や剥がれが生じ難い。
【0034】さらに、本発明では、上記一般式(1)で
表される特殊なポリエーテル変性シリコーンオイル、シ
ラザンまたはシリルアミンの少なくとも1種が添加され
ているため、該ポリエーテル変性シリコーンオイル、シ
ラザンまたはシリルアミンの作用により、高湿度下にお
ける接着性が高められ、従って、高湿度下においても剥
離が生じ難く、しかも粘着剤層と透光性支持体との間の
接着昂進現象がある程度までに抑制されるため、透光性
支持体からの剥離を容易に行うことが可能となり、糊残
りも生じ難い。
【0035】
【実施例】以下、発明の非限定的な実施例を説明するこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0036】アクリル系ポリマーA1〜A8の調製 攪拌機、環流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入口を備えた五口フラスコに、下記の表1に示した配
合組成に従って、n−ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクルリレート、アクリル酸、連鎖移動剤とし
てのドデシルメルカプタン及び溶剤としての酢酸エチル
を合計重量が1Kgとなるように、それぞれ、所定部数
ずつ仕込み、攪拌し、溶解した。
【0037】次に、得られたモノマー溶液を窒素ガスで
約30分間窒素置換し、モノマー溶液中に溶存している
酸素を除去した。しかる後、窒素ガスでフラスコ内の空
気を置換し、70℃に昇温し保持した後、熱重合開始剤
として過酸化ベンゾイル0.03重量部を3ccの酢酸
エチルに溶解したものを、上記滴下ロートから滴下し
た。重合開始剤投入から70℃で15時間保持し、アク
リル系ポリマーを得た。
【0038】上記のようにして得たアクリル系ポリマー
A1〜A8の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mn
をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標
準架橋ポリスチレンを基準とし、テトラヒドロフランを
分離剤として用いて、屈折計を用いて検出することによ
り測定した。結果を下記の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】なお、表1における配合組成の単位は全て
重量部である。アクリル系粘着剤組成物の調製 上記のようにして得た各アクリル系ポリマー溶液を、固
形分が40重量%となるように酢酸エチルで希釈した
後、該アクリル系ポリマーの固形分100重量部に対
し、下記のポリエーテル変性シリコーンオイル、シラザ
ン、シリルアミンまたはシラン化合物、架橋剤としての
アジリジン系化合物(相互薬工社製、N,N’−ヘキサ
メチレン1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド))を後述の表4に示した割合で添加し、実施例1〜
6及び比較例1〜11のアクリル系粘着剤組成物を調製
した。
【0041】上記ポリエーテル変性シリコーンオイルと
しては、下記の3種類のポリエーテル変性シリコールオ
イルを適宜用いた。 ポリエーテル変性シリコーンオイルα…ポリエーテル部
分のポリオキシプロピレン基の割合が0重量%のもの。
信越シリコーン社製、商品名:KF−353。 ポリエーテル変性シリコーンオイルβ…ポリエーテル部
分のポリオキシプロピレンの割合が25重量%のもの。
信越シリコーン社製、商品名:KF−615A。 ポリエーテル変性シリコーンオイルγ…ポリエーテル部
分のポリオキシプロピレンの割合が50重量%のもの。
信越シリコーン社製、商品名:KF−392A。
【0042】また、上記シラザン及びシリルアミンとし
ては、以下のものを用いた。 シラザン…ヘキサメチルジシラザン、東芝シリコーン社
製、商品名:TSL8802。 シリルアミン…ジメチルトリメチルシリルアミン、東芝
シリコーン社製、商品名:TSL8831。 また、比較のために用いたシラン化合物としては、γ−
グリシドキシプロピルトリメキシシラン(信越シリコー
ン社製)を用いた。
【0043】アクリル系粘着剤組成物ラミネート体の作
上記のようにして得た各アクリル系粘着剤組成物溶液
を、表面がシリコーン処理された厚み38μmのポリエ
ステルフィルム上に、アプリケータで塗布・乾燥し、乾
燥後の厚みが25μmの粘着剤層を形成した。
【0044】次に、上記粘着剤層に、両側をトリアセチ
ルセルロースで挟みこまれたポリビニルアルコールより
なる厚さ150μmの偏光板をラミネーターで貼り合わ
せ、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。
【0045】物性測定用試験片の作製 上記のようにして得た各アクリル系粘着剤ラミネート体
を、室温下で1週間放置した後、75×150mmの大
きさに切断し、表面がシリコーン処理されたポリエステ
ルフィルムを剥離し、図1に示す100×200mmの
ガラス板1上に粘着面に気泡が入らないようにラミネー
ターを用いて貼り合わせ、試験片Xとした。なお、図1
において、2は粘着剤層を、3は偏光板を示す。
【0046】別途、前述のようにして得た各アクリル系
粘着剤ラミネート体を、室温下で1週間放置した後、2
0×150mmの大きさに切断し、シリコーン処理され
た上記ポリエステルフィルムを剥離し、図2に示すよう
に、40×100mmのガラス板4に粘着面に気泡が入
らないようにラミネーターで貼り合わせ試験片Yとし
た。なお、図2において、5は粘着剤層を、6は偏光板
を示す。
【0047】耐発泡性、耐剥がれ性、ガラス板に対する
粘着力及び糊残り性の評価 上記のようにして得た試験片X,Yを用いて下記の評価
を行った。耐発泡性試験…試験片Xをステンレス製スタ
ンドに立て、100℃の恒温槽内において500時間放
置した後、発泡による外観の変化を目視により評価し
た。なお、この評価は、下記の表2に示す評価点に従っ
て行った。
【0048】
【表2】
【0049】耐剥がれ性試験…試験片Xを、60℃、相
対湿度90%の恒温槽中に500時間放置した後、剥が
れによる外観の変化を、目視により観察して評価した。
なお、この評価は、下記の表3に示す評価点に従って行
った。
【0050】
【表3】
【0051】ガラス板に対する粘着力及び糊残り性の評
価…試験片Yをステンレス製スタンドに立て、90℃の
恒温槽中に2時間放置した後、さらに室温で3日間放置
し、引っ張り試験機を用い、ガラス板から180℃の角
度の方向に、引っ張り速度300mm/分で剥離し、剥
離強度(g/25mm)を測定するとともに、剥離した
後のガラス面への糊残りの程度を目視により確認した。
【0052】上述した各評価結果を、表4に併せて示
す。
【0053】
【表4】
【0054】なお、表4中、ポリエーテル変性シリコー
ンオイルの配合割合の下のα,β,γは、それぞれ、前
述したポリエーテル変性シリコーンオイルα,ポリエー
テル変性シリコーンオイルβ,ポリエーテル変性シリコ
ーンオイルγであることを示す。
【0055】また、シラザンまたはシリルアミンの配合
割合の下のα,βは、それぞれ、αがヘキサメチルシラ
ザン、βがジメチルトリメチルシリルアミンであること
を示す。
【0056】表4から明らかなように、比較例2,4及
び5では、耐発泡性試験において20μm以上の気泡が
多数存在し、比較例1,3では、耐剥がれ性試験におい
て大きな剥がれが認められた。
【0057】これに対し、実施例1〜3では、粘着剤層
において上記のような発泡や剥がれが認められなかっ
た。また、貼付後の剥離力についても、比較例1,6で
は2900g/25mm以上とかなり大きいのに対し、
実施例1〜3では、1250g/25mm以下と小さ
く、従って被着体から無理なく剥離し得ることがわか
る。また、剥離後の糊残りについても、比較例6では認
められたのに対し、実施例1〜3では認められなかっ
た。
【0058】また、表4から明らかなように、比較例8
〜10では、耐発泡性試験において20μm以上の気泡
が多数存在し、比較例7では、耐剥がれ性試験において
剥がれが認められた。これに対して、実施例4〜6で
は、このような発泡や剥がれは認められなかった。
【0059】また、貼付後の剥離力についても、比較例
7,11では2900g/25mm以上とかなり大きい
のに対し、実施例4〜6では1250g/25mm以下
と小さく、従って被着体から無理なく剥離し得ることが
わかる。また、剥離後の糊残りについても、比較例11
では認められたのに対し、実施例4〜6ではこのような
糊残りは認められなかった。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる偏光板固
定構造物では、粘着剤層が、上記特定のアクリル系ポリ
マーに対し上記特定のポリエーテル変性シリコーンオイ
ル、シラザン及びシリルアミンのうち少なくとも1種を
特定の割合で配合してなる粘着剤組成物により構成され
ているため、透光性支持体、特にガラス板に対する接着
性が高められており、かつ粘着剤層の耐熱性及び耐湿性
も高められている。従って、高温・高湿度下において
も、発泡や剥がれが生じ難い偏光板固定構造物を提供す
ることが可能となる。
【0061】加えて、上記ポリエーテル変性シリコーン
オイル、シラザンまたはシリルアミンの作用により、透
光性支持体、特にガラス面への接着昂進がある程度の範
囲に抑制されるため、貼り直しが必要な際にも、糊残り
を引き起こすことなく透光性支持体から偏光板を容易に
剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐発泡性及び耐剥がれ性を評価する試験に用い
た偏光板固定構造物の構成を説明するための断面図。
【図2】ガラスから剥離する試験に用いられた構造であ
り、偏光板を粘着剤層により被着体に貼り合わせた構造
体を示す断面図。
【符号の説明】
1…ガラス板 2…粘着剤層 3…偏光板 4…ガラス板 5…粘着剤層 6…偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09J 183/06 JGH C09J 183/06 JGH

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性支持体に粘着剤層を介して偏光板
    を貼り合わせて固定してなる偏光板固定構造物におい
    て、 前記粘着剤層が、 (A)アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル
    (メタ)アクリレートを主成分とし、重量平均分子量M
    wが80万以上、重量平均分子量Mwと数平均分子量M
    nの比Mw/Mnが4.0以下であるアクリル系ポリマ
    ー100重量部と、 (B)各々、多官能基を有する、有機化合物、有機金属
    化合物及び金属塩からなる群より選択された少なくとも
    1種の架橋剤0.001〜5重量部と、 (C)下記の一般式(1)で表されるポリエーテル変性
    シリコーンオイルであり、ポリエーテル部分におけるポ
    リオキシプロピレン基の割合が15重量%以上であるポ
    リエーテル変性シリコーンオイル、シラザン及びシリル
    アミンのうち少なくとも1種を0.01〜5重量部含む
    アクリル系粘着剤組成物により構成されていることを特
    徴とする偏光板固定構造物。 【化1】
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