JPH0720314A - 偏光板固定構造物 - Google Patents

偏光板固定構造物

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JPH0720314A
JPH0720314A JP16076193A JP16076193A JPH0720314A JP H0720314 A JPH0720314 A JP H0720314A JP 16076193 A JP16076193 A JP 16076193A JP 16076193 A JP16076193 A JP 16076193A JP H0720314 A JPH0720314 A JP H0720314A
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JP
Japan
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weight
polarizing plate
average molecular
molecular weight
fixing structure
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JP16076193A
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English (en)
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Takamaro Kakehi
鷹麿 筧
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温・高湿下における再発泡性及び耐剥がれ
性に優れた偏光板固定構造物を提供する。 【構成】 粘着剤層を介して偏光板を透光性被着体に固
定してなる偏光板固定構造物であって、上記粘着剤が、
アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸系
アルキルエステルを主成分とするアクリル系ポリマーで
あり、その重量平均分子量Mwが50万以上であり、重
量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnが4以下で
あるアクリルポリマー100重量部に対し、片末端にエ
ポキシ基を有するシランカップリング剤0.001〜5
重量部を配合してなるアクリル系粘着剤組成物により構
成されている偏光板固定構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばガラス等の透光
性被着体に粘着剤層を介して偏光板を固定してなる偏光
板固定構造物に関し、特に、高温もしくは高湿下におけ
る粘着剤層の発泡や剥離が生じ難い偏光板固定構造物に
関する。
【0002】
【従来の技術】光学機器や表示装置においては、偏光を
得るために偏光板が汎用されている。例えば、液晶表示
装置においては、液晶セル面(主にガラス板からなる)
に粘着剤層を介して偏光板を固定してなる偏光板固定構
造物が用いられている。上記粘着剤層を構成する粘着剤
としては、主としてアクリル系粘着剤が用いられてい
る。
【0003】しかしながら、汎用のアクリル系粘着剤を
用いた場合、高温もしくは高湿下において、粘着剤層に
発泡が生じたり、接着部分に剥離が生じるといった現象
が生じがちであり、十分な品質の偏光板固定構造物を得
ることができなかった。
【0004】また、液晶セル面に偏光板を接着するに際
しエアーや粉塵を巻き込むことがあり、このような場合
液晶セル面から偏光板を一旦剥離し、新しい偏光板を貼
付しなおさなければならないことがあった。しかしなが
ら、最初の貼付が加圧下もしくは加温下において行われ
ていたり、あるいは貼り付けられてから液晶セルを長期
間保管していたりした場合には、粘着剤層の液晶セル面
への接着昂進が起こり、その結果、上記のように偏光板
を剥離する際の剥離強度が高くなり、液晶セル面上に糊
残りが生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透光
性被着体に粘着剤層を介して偏光板を固定してなる偏光
板固定構造物において、上記粘着剤層が、高温及び高湿
下における耐発泡性及び耐剥がれ性に優れている偏光板
固定構造物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題を達成すべく鋭意検討した結果、透光性被着体に粘着
剤層を介して偏光板を固定してなる偏光板固定構造物に
おいて、上記粘着剤層を、下記の特定のアクリルポリマ
ーを主成分とする粘着剤を用いればよいことを見出し、
本発明を成すに至った。
【0007】すなわち、請求項1に記載の発明では、上
記粘着剤層が、アルキル基の炭素数が1〜12の(メ
タ)アクリル酸系アルキルエステルを主成分とするアク
リル系ポリマーであり、その重量平均分子量(Mw)が
50万以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下であるアク
リルポリマー100重量部に対し、片末端にエポキシ基
を有するシランカップリング剤0.001〜5重量部を
配合してなるアクリル系粘着剤組成物により構成されて
いることを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、アルキ
ル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸系アルキ
ルエステルを主成分とするアクリル系ポリマーであり、
重量平均分子量(Mw)が50万以上であり、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が4以下であるアクリルポリマー100重量部に
対し、片末端にエポキシ基を有するシランカップリング
剤0.001〜1重量部と、片末端にエポキシ基を有さ
ず、分子内に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有
するシラン化合物0.1〜10重量部とを配合してなる
アクリル系粘着剤組成物により構成されていることを特
徴とする。
【0009】以下、請求項1,2に記載の偏光板固定構
造物において用いられる各粘着剤の詳細を説明する。請求項1に記載の発明で用いられるアクリル系粘着剤組
成物 請求項1に記載の発明において使用されるアクリル系ポ
リマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)
を主成分とし、これに極性モノマー(b)を共重合した
ものであり、(a)のモノマーとしては、例えば(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)
アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸オクチル、
(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル等のモノマーが使用され
る。
【0010】極性モノマー(b)としては、(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸等のカルボン酸含有モノマーであり、後述の架橋剤
と反応して粘着剤の凝集力を向上させるものが好適に用
いられる。さらに、上記のようなモノマーに加えて、酢
酸ビニル、スチレン、N−ビニルピロリドン、アクリロ
ニトリル等の高Tgモノマーや、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル等の−OH基含有モノマーや、テトラフルフ
リルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレー
トといった低Tgモノマーも、極性モノマー(b)とし
て用いられる。極性モノマー(b)は、主モノマー
(a)100重量部に対して1重量部〜60重量部の範
囲で用いることが望ましい。1重量部未満では接着力が
不足し、60重量部を超えると粘着性が損なわれる。
【0011】さらに、本発明に必要な耐熱性を得るため
に、アクリル系粘着剤組成物の重量平均分子量(Mw)
は50万以上必要であり、重量平均分子量Mwと数平均
分子量Mnとの比、すなわち分子量分布は4以下である
ことが必要である。重量平均分子量が50万未満であっ
たり、分子量分布が4より大きい場合は耐熱特性が劣る
ことになる。
【0012】請求項1に記載の発明のアクリル系粘着剤
組成物のラジカル共重合方法としては、任意の方法を採
用することができ、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化
重合等が挙げられる。
【0013】重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾ
イル等の過酸化物系、アゾ系化合物等、従来公知の任意
のものを使用し得るが、光重合開始剤を介在させて光を
照射して光重合したり、放射線等を照射して重合したり
してもよい。
【0014】さらに、凝集力及び/または耐熱性を高め
るために、得られた共重合体に架橋剤を配合しておいて
もよく、このような架橋剤としては、ポリイソシアネー
ト化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、多価金属塩、
金属キレート、アジリジン化合物等が用いられる。これ
ら架橋剤の添加割合は、主モノマー100重量部に対し
て0.001〜5重量部である。
【0015】また、分子量を調整するために、適当な連
鎖移動剤、例えば、ドデシルメルカプタン等を使用して
もよい。また、本発明のアクリル粘着剤には、ガラスに
対する接着性を向上させるために、片末端にエポキシ基
を有するシランカップリング剤が添加される。このよう
なシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等が用いられる。これら
は、単独あるいは2種以上併用して使用してもよく、添
加する量は、アクリルポリマー100重量部に対し、
0.001重量部〜5重量部の範囲とされる。0.00
1重量部未満では接着性が低下し、5重量部より多いと
耐熱性が低下する。
【0016】請求項2に記載の発明で用いられるアクリ
ル系粘着剤組成物 請求項2に記載の発明において用いられるアクリル系ポ
リマー及び片末端にエポキシ基を有するシランカップリ
ング剤については、請求項1に記載の発明と同様のもの
が用いられるため、上記請求項1に記載の発明について
の説明を援用することにより省略する。
【0017】請求項2に記載の発明では、上記アクリル
ポリマー100重量部に対し、片末端にエポキシ基を有
するシランカップリング剤0.001重量部〜1重量部
に加えて、片末端にエポキシ基を有さず、分子内に少な
くとも1個のアルコキシシリル基を有するシラン化合物
0.1〜10重量部が配合されてアクリル系粘着剤組成
物が構成されている。なお、上記シランカップリング剤
の配合割合の上限が1重量部とされているのは、1重量
部を超えるとガラスに対する再剥離性が低下するからで
ある。
【0018】上記片末端にエポキシ基を有さない、分子
内に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するシラ
ン化合物は、透光性被着体、特にガラスに対する再剥離
性を高めるために添加されている。このようなシラン化
合物としては、特に制限はないが、テトラメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサ
デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメトキ
シメチルシラン、ステアリルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2
−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、特に
好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ンが用いられる。これらのシラン化合物は、単独または
2種以上併用して使用してもよく、添加量はアクリルポ
リマー100重量部に対し、0.1重量部〜10重量部
である。0.1重量部未満ではガラスからの再剥離性が
低下し、10重量部より多いと耐熱性が低下する。
【0019】
【作用】請求項1に記載の発明の位相差板固定構造物で
は、透光性被着体と偏光板との間が少なくとも上記特定
のアクリル系粘着剤により貼り合わされており、該アク
リル系粘着剤が、その重量平均分子量が50万以上であ
り、かつMw/Mn比が4以下とされているため、高温
における粘着剤の貯蔵弾性率や損失弾性率の低下が抑制
される。従って、高温下における粘着剤の流動を抑制す
ることができ、かつ高温下においても発泡や剥がれが生
じにくくされている。
【0020】さらに、上記アクリルポリマー100重量
部に対し、片末端にエポキシ基を有するシランカップリ
ング剤0.001〜1重量部が配合されているため、透
光性被着体、特にガラスに対する接着力が高められてい
る。
【0021】請求項2に記載の発明では、上記請求項1
に記載の発明におけるアクリルポリマー及びシランカッ
プリング剤の作用に加えて、さらに、片末端にエポキシ
基を有さず、分子内に少なくとも1個のアルコキシシリ
ル基を有する上記シラン化合物が0.1〜10重量部配
合されているため、粘着剤層の透光性被着体、特にガラ
ス面への接着昂進現象を抑制することができ、ガラス面
からの再剥離を容易に行うことが可能とされている。
【0022】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0023】〔実験例1〕実験例1は、下記の配合例
1,2(請求項1に記載の発明の実施例)及び配合例3
〜6(比較例)の各アクリル系粘着剤組成物を用いて行
った。
【0024】(1)アクリル系ポリマーの重合配合例1〜4 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入口を備えた五つ口フラスコに、2−エチルヘキシル
アクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸、及び
連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタンを表1に記載
の所定の部数と、溶剤としての酢酸エチル80重量部と
を、合計1kgとなるように仕込み、攪拌し、溶解した
後、窒素ガスで約30分間パージしてモノマー溶液中に
溶存している酸素を除去した。その後、窒素ガスでフラ
スコ内の空気を置換し、攪拌しながら、溶液を昇温し、
これを70℃に保持し、熱重合開始剤としての過酸化ベ
ンゾイル0.03重量部を3ccの酢酸エチルに溶解し
たものを、滴下ロートにより滴下した。重合開始剤投入
から70℃で15時間保持し、粘着剤ポリマー溶液を得
た。
【0025】配合例5,6 ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、
及び溶剤としての酢酸エチル150重量部を、攪拌機、
還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入口を
備えた五つ口フラスコに合計1kgとなるように仕込
み、攪拌溶解した後、窒素ガスで30分間パージしてモ
ノマー溶液中に溶存する酸素を除去した。
【0026】その後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置
換し、攪拌しながら昇温し、これを70℃に保持し、熱
重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.03重量部を
3ccの酢酸エチルに溶解したものを、滴下ロートによ
り滴下した。3時間の反応の後、反応系の温度を沸点
(約85℃)まで上昇させ、その後、酢酸エチル還流下
で7時間反応させ、粘着剤ポリマー溶液を得た。
【0027】上記のようにして生成された配合例1〜6
の各粘着剤ポリマーについて、重量平均分子量(M
w)、及び数平均分子量(Mn)を測定した。結果を表
1に示す。なお、測定は、ゲル透過クロマトグラフィー
により、標準架橋ポリスチレンを基準とし、テトラヒド
ロフランを溶離剤とし、屈折計を用いて検出することに
より行った。
【0028】(2)アクリル系粘着剤組成物の調製 上記各アクリル共重合体溶液を固形分が40重量%とな
るように酢酸エチルで希釈した後、該共重合体の固形分
100重量部に対し、シランカップリング剤としてγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、またはγ−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを後述の
表4に示した所定量だけ添加し(配合例3,6は添加せ
ず)、また、架橋剤としてアジリジン系化合物(N,N
´−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカ
ルボキシアミド)を、表4に示した所定量添加・攪拌
し、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
【0029】(3)アクリル粘着剤ラミネート体の作成 (2)で調製したアクリル系粘着剤組成物を、シリコン
処理した38μm厚のポリエステルフィルム上に、乾燥
後の糊厚が25μmになるようにアプリケーターで塗工
し、オーブン中で4分間乾燥させた後、それぞれ、15
0μm厚の偏光板にラミネーターで貼り合わせ、アクリ
ル粘着剤ラミネート体を作成した。
【0030】(4)物性の測定発泡・剥離の外観試験 (3)で調製したアクリル粘着剤ラミネート体を一週間
放置後、75mm×150mmの大きさに切断し、シリ
コン処理したポリエステルフィルムを剥離した。次に、
図1に示すように、100mm×200mmのガラス板
1に粘着面に気泡が入らぬようにラミネーターで貼り合
わせ試験片とした。なお、図1において、2は粘着剤
層、3は偏光板を示す。
【0031】発泡の評価は、該試験片をステンレススタ
ンドに立て、80℃の恒温槽中に500時間放置した
後、発泡による外観の変化を肉眼で観察することにより
行った。剥離の評価は、試験片を60℃×相対湿度90
%の恒温槽に500時間放置した後、剥離による外観の
変化を肉眼で観察することにより行った。
【0032】表2及び表3に示した外観の変化に対する
評価点を基準として、結果を表4に示した。
【0033】
【表1】
【0034】なお、表1において、各成分の略号は以下
の内容を示す。 2EHA…2−エチルヘキシルアクリレート BA…ブチルアクリレート AAc…アクリル酸 EtAc…酢酸エチル DDM…ドデシルメルカプタン
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】なお、表4において、Aはγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランを、Bはγ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシランを示す。表4から明
らかなように、配合例3〜6では、高湿度下において5
00時間経過した後に、剥離が認められていたのに対
し、配合例1,2ではこのような環境の下において剥離
が認められなかった。また、発泡についても、配合例4
〜6では20〜40μmの気泡が認められていたのに対
し、配合例1,2ではこのような気泡は認められなかっ
た。
【0039】従って、上記特定のアクリルポリマーに対
し上記シランカップリング剤を配合したことにより、実
施例にあたる配合例1,2では、高温高湿下にて長期間
保存されたとしても発泡や剥離が生じ難いことがわか
る。
【0040】〔実験例2〕実験例2は、請求項2に記載
の発明の粘着剤組成物の実施例にあたる配合例7,8及
び比較のための配合例9〜11,12の粘着剤組成物に
ついて行った実験結果である。
【0041】(1)アクリル系ポリマーの重合配合例7〜10 2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、アクリル酸及び連鎖移動剤としてのドデシルメルカ
プタンを後述の表5に示す割合(表5中の配合割合は全
て重量部)で配合し、その他の点については配合例1と
同様にして、アクリル粘着剤ポリマー溶液を得た。
【0042】配合例11,12 ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部及
び溶媒としての酢酸エチル150重量部を用い、実験例
1の配合例5,6と同様にして重合を行い、配合例1
1,12に用いる粘着剤ポリマー溶液を得た。
【0043】また、上記のようにして生成された配合例
7〜12の粘着剤ポリマーについて、実験例1と同様に
して、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定
した。結果を下記の表5に示す。なお、測定は、実験例
1の場合と同様にして行った。
【0044】(2)アクリル系粘着剤組成物の調製 上記のようにして得た配合例7〜12の各アクリル共重
合体溶液を用い、固形分が40重量%となるように酢酸
エチルで希釈した後、該共重合体の固形分100重量部
に対し、シランカップリング剤として3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシランを表6に示す所定量だけ添加し、
かつ、架橋剤としてアジリジン系化合物(N,N´−ヘ
キサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキ
シアミド))を表6に示した所定量添加し、攪拌し、ア
クリル系粘着剤組成物を調製した。
【0045】(3)アクリル粘着剤ラミネート体の作成 (2)で調製した各アクリル系粘着剤組成物を用い、実
験例1と同様にして、アクリル粘着剤ラミネート体を作
成した。
【0046】(4)物性の測定 上記のようにして用意した配合例7〜12のアクリル粘
着剤ラミネート体を用い、実験例1と同様にして発泡・
剥離外観試験を行った。また、下記の要領でガラス再剥
離試験を行った。結果を下記の表6に示す。なお、表6
における発泡・剥離試験の評価点記号の意味内容は、実
験例1における表2及び表3に示した評価点記号と同じ
である。 ・ガラス再剥離試験…(3)で調製したアクリル粘着剤
ラミネート体を一週間放置後、25mm×150mmの
大きさに切断し、シリコン処理したポリエステルフィル
ムを剥離した後、図2に示すように、40mm×100
mmのガラス板1に粘着面に気泡が入らぬようにラミネ
ーターで貼り合わせ試験片とした。なお、図2におい
て、ガラス板1の端部から、粘着剤層2がはみ出してい
る部分の距離Aは、50mmとした。
【0047】再剥離の評価は、該試験片をステンレスス
タンドに立て、90℃の恒温槽中に2時間放置した後、
さらに室温で3日間放置した後、ガラス板から180度
の角度で剥離テストを行い、剥離強度及び糊残りの程度
を測定することにより行った。結果を表6に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】表6において、A〜Dは、それぞれ下記の
略号である。 A…3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン B…3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン C…3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン D…3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン 表6から明らかなように、配合例10〜12では、発泡
試験及び剥離試験において20μm以上の気泡が存在し
かつ一部において剥離が見られていた。これに対し、配
合例7,8では、このような10μm以上の発泡が生じ
ておらず、高湿下においても剥離が認められなかった。
【0051】また、再剥離力についても、配合例9,1
0,12では2800g/25mm以上とかなり大きい
のに対し、配合例7,8では1100g/25mm以下
と小さく、従って無理なく被着体から再剥離し得ること
がわかる。また、再剥離後の糊残りについても、配合例
12では認められたのに対し、配合例7,8では認めら
れなかった。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載の発明にかかる偏光板固
定構造物では、上記特定のアクリルポリマーに対し上記
特定のシランカップリング剤が上記特定の割合で配合さ
れているため、透光性被着体、特にガラス板に対する接
着性に優れており、耐熱性及び耐湿性も高められてい
る。従って、高温高湿下において保存されたとしても、
発泡や剥離の生じ難い偏光板固定構造物を提供すること
が可能となる。
【0053】請求項2に記載の発明では、上記請求項1
に記載の発明と同様に、透光性基板、特にガラスに対す
る接着性に優れており、耐熱性及び耐湿性が高められて
おり、高温高湿下における発泡や剥離の生じ難い偏光板
固定構造物において、上記特定のシラン化合物が配合さ
れているため、さらに、粘着剤層の透光性被着体、特に
ガラス面への接着昂進現象を抑制することが可能とされ
ており、それによって糊残りを生じることなく、滑らか
に再剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実験例1で用意された偏光板固定構造
物の構成を説明するための断面図。
【図2】ガラス再剥離試験に用いたものであり、偏光板
を粘着剤層により被着体に貼り合わせた構造物を示す断
面図。
【符号の説明】 1…ガラスからなる被着体 2…粘着剤層 3…偏光板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性被着体に粘着剤層を介して偏光板
    を貼り合わせて固定してなる偏光板固定構造物におい
    て、 前記粘着剤層が、 アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸系
    アルキルエステルを主成分とし、重量平均分子量(M
    w)が50万以上であり、重量平均分子量(Mw)と数
    平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下であ
    るアクリルポリマー100重量部に対し、 片末端にエポキシ基を有するシランカップリング剤0.
    001〜5重量部を配合してなるアクリル系粘着剤組成
    物により構成されていることを特徴とする偏光板固定構
    造物。
  2. 【請求項2】 透光性被着体に粘着剤層を介して偏光板
    を貼り合わせて固定してなる偏光板固定構造物におい
    て、 前記粘着剤層が、 アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸系
    アルキルエステルを主成分とし、重量平均分子量(M
    w)が50万以上であり、重量平均分子量(Mw)と数
    平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下であ
    るアクリルポリマー100重量部に対し、 片末端にエポキシ基を有するシランカップリング剤0.
    001〜1重量部と、 片末端にエポキシ基を有さず、分子内に少なくとも1個
    のアルコキシシリル基を有するシラン化合物0.1〜1
    0重量部とを配合してなるアクリル系粘着剤組成物によ
    り構成されていることを特徴とする偏光板固定構造物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212526A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Nitto Denko Corp 粘着型光学フィルム
JP2005189437A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Nitto Denko Corp 感圧性接着シート付き偏光板
JPWO2006009250A1 (ja) * 2004-07-22 2008-05-01 綜研化学株式会社 偏光板用粘着剤組成物および偏光板
KR20230159542A (ko) 2021-03-24 2023-11-21 닛토덴코 가부시키가이샤 광학 적층체, 화상 표시 장치 및 점착제 조성물

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