JP2013221106A - 光学部材用粘着シート、カバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、及び、入力装置 - Google Patents

光学部材用粘着シート、カバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、及び、入力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができ、更に、貼り合わせ不良等が生じた際の被着体のリワークが容易な光学部材用粘着シートを提供する。
【解決手段】再剥離可能な粘着剤層を有し、前記再剥離可能な粘着剤層は、アクリル共重合体と、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するアジドポリマーとを含有する粘着剤組成物からなる光学部材用粘着シート。
[化1]
Figure 2013221106

一般式(A)中、Rは炭素数1の置換されていてもよいアルキル基を表し、あってもなくてもよく、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、少なくとも一方はZNで表されるアジド含有基(Zは二価のアルキル基を表す)を表し、アジド含有基ではないX及びXは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、pは整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができ、更に、貼り合わせ不良等が生じた際の被着体のリワークが容易な光学部材用粘着シートに関する。また、本発明は、該光学部材用粘着シートを用いて製造されるカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体及び入力装置に関する。
携帯電話、携帯情報端末等の画像表示装置においては、例えばアクリル系粘着剤等の透明性の高い粘着剤又は粘着テープを介して、ディスプレイパネルモジュール上に表面のカバーパネルが貼り合わされている。また、入力装置においても、同様の粘着剤又は粘着テープを介して、ディスプレイパネルモジュール上にタッチパネルモジュールが貼り合わされ、更に、タッチパネルモジュール上に表面のカバーパネルが貼り合わされている。
しかしながら、従来、アクリル系粘着剤は、高温高湿下に曝された後室温に戻されると、吸湿した水分が結露することによって白化し、視認性の低下をもたらすことが問題となっている。このような白化による視認性の低下は、画像表示装置又は入力装置にとっては致命的な欠陥となりうる。
特許文献1には、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなるABA型トリブロック共重合体と、水酸基を有する樹脂とをポリマーブレンドしてなるアクリル系透明粘着剤組成物が開示されている。特許文献1には、同文献に記載のアクリル系透明粘着剤組成物は、高温多湿環境、温水浸漬環境、煮沸環境等の環境下に長時間曝されても、白化することがなく透明性を維持することができると記載されている。しかしながら、特許文献1に記載のアクリル系透明粘着剤組成物は、ブレンドされる水酸基を有する樹脂が低分子量であることから、粘着剤又は粘着テープに本来必要とされる粘着物性、耐熱性等の面で充分とはいえない。
一方、ディスプレイパネルモジュール、タッチパネルモジュール、カバーパネル等の光学部材は高価であることから、画像表示装置又は入力装置の製造工程において貼り合わせ不良が生じた際、或いは、製品完成後の性能検査において不具合が確認された際には、装置を解体し、被着体を再利用(リワーク)する必要がある。このため、粘着剤又は粘着テープには、必要なときには糊残りすることなく容易に剥離できる再剥離性も求められている。
再剥離性の改善のためには、例えば接着強度を調整すること等が検討されている(例えば、特許文献2、3)。しかしながら、特許文献2及び3に記載の再剥離型両面粘着テープは、被着体をひねって歪ませたり、引っ張ったりすることによって剥離させるものであることから、剥離操作が煩雑であるうえ、被着体を損傷する可能性もある。
特開2009−102467号公報 特開2003−268325号公報 特開2005−275053号公報
本発明は、高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができ、更に、貼り合わせ不良等が生じた際の被着体のリワークが容易な光学部材用粘着シートを提供することを目的とする。また、本発明は、該光学部材用粘着シートを用いて製造されるカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体及び入力装置を提供することを目的とする。
本発明は、再剥離可能な粘着剤層を有する光学部材用粘着シートであって、前記再剥離可能な粘着剤層は、アクリル共重合体と、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するアジドポリマーとを含有する粘着剤組成物からなる光学部材用粘着シートである。
Figure 2013221106
一般式(A)中、Rは炭素数1の置換されていてもよいアルキル基を表し、あってもなくてもよく、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、少なくとも一方はZNで表されるアジド含有基(Zは二価のアルキル基を表す)を表し、アジド含有基ではないX及びXは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、pは整数を表す。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、アクリル共重合体と、特定の構造のアジドポリマーとを含有する粘着剤組成物からなる粘着剤層は、高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができ、更に、貼り合わせ不良等が生じた際には、刺激の付与により糊残りすることなく容易に剥離できることを見出し、本発明を完成させるに至った。このような再剥離可能な粘着剤層を有する粘着シートは、光学部材を貼り合わせるために好適に用いることができる。
本発明の光学部材用粘着シートは、再剥離可能な粘着剤層を有する。
上記再剥離可能な粘着剤層は、アクリル共重合体と、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するアジドポリマー(本明細書中、単に、アジドポリマーともいう)とを含有する粘着剤組成物(本明細書中、再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物ともいう)からなる。
Figure 2013221106
一般式(A)中、Rは炭素数1の置換されていてもよいアルキル基を表し、あってもなくてもよく、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、少なくとも一方はZNで表されるアジド含有基(Zは二価のアルキル基を表す)を表し、アジド含有基ではないX及びXは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、pは整数を表す。
上記アジドポリマーはアクリル共重合体との相溶性が良好であり、光学部材用粘着シートの透明性を低下させることがない。また、上記アジドポリマーは親水性が高いため、高温高湿下に曝された後室温に戻された場合に水を微分散させることができる。このため、上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物が上記アジドポリマーを含有することで、アクリル共重合体の組成によらず、高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができる。
また、上記アジドポリマーはアジド含有基を有するため、光照射等の刺激の付与により気体を発生し、発生した気体は、粘着剤から接着界面に放出され接着面の少なくとも一部を剥離する。このため、上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物が上記アジドポリマーを含有することで、貼り合わせ不良等が生じた際には、刺激の付与により光学部材用粘着シートを糊残りすることなく容易に剥離することができ、被着体のリワークが容易となる。
なお、上記アジドポリマーは、例えば特定波長の光照射等の特別な刺激を付与しなければ安定であることから、完成後の製品(画像表示装置、入力装置等)に含まれていても、製品の性能に悪影響を及ぼすことはない。
上記一般式(A)で表される繰り返し単位において、アジド含有基は、ZNで表される。Zは二価のアルキル基を表し、具体的には、メチレン基が好ましい。上記一般式(A)で表される繰り返し単位として、下記一般式(A−1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2013221106
上記アジドポリマーは、上記一般式(A)で表される繰り返し単位を有していれば特に限定されず、更に、他の繰り返し単位、他の構造等を有していてもよい。他の構造として、例えば、一価アルコール、ジオール、トリオール等が挙げられる。
また、上記アジドポリマーにおいて、上記一般式(A)で表される繰り返し単位は、全て同一の繰り返し単位であってもよいし、異なる複数の繰り返し単位を含んでいてもよい。
上記アジドポリマーのうち、市販品として、例えば、グリシジルアジドポリマーGAP4006、GAP5003(以上、日油社製)等が挙げられる。
上記アジドポリマーの含有量は、アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。含有量が1重量部未満であると、アジドポリマーを添加する効果が充分に得られず、高温高湿下で生じる白化を抑制できなかったり、光学部材用粘着シートを容易に剥離できなかったりすることがある。含有量が50重量部を超えると、アジドポリマーが光学部材用粘着シートの着色等の原因となることがある。含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記アクリル共重合体は特に限定されないが、通常、混合モノマーを重合することにより得られる。
上記混合モノマーは特に限定されないが、下記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー(本明細書中、単に、(メタ)アクリル酸エステルモノマーともいう)を含有することが好ましい。上記混合モノマーがこのようなモノマーを含有することで、光学部材用粘着シートの凝集力、初期接着性、密着性等が向上する。
Figure 2013221106
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数3〜14のアルキル基を表す。Rのアルキル基の水素原子は、シクロアルキル基に置換されていてもよい。
上記Rのアルキル基の炭素数が2以下又は15以上であると、アクリル共重合体のガラス転移温度が高くなり、光学部材用粘着シートの被着体に対する密着性が低下して、信頼性が低下することがある。上記Rのアルキル基の炭素数は4〜12であることが好ましい。
上記Rのアルキル基の水素原子は、シクロアルキル基に置換されていてもよい。上記シクロアルキル基は特に限定されず、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは特に限定されず、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、低温弾性率が低く、初期のぬれ性が高い光学部材用粘着シートが得られることから、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記混合モノマーにおける上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合は、好ましい下限が30重量%、好ましい上限が80重量%である。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合が30重量%未満であると、光学部材用粘着シートの低温弾性率が高くなって初期のぬれ性が低下し、被着体に対する密着性が低下して、信頼性が低下することがある。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合が80重量%を超えると、光学部材用粘着シートの凝集力が低下して加工性が低下することがある。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合は、より好ましい下限が40重量%、より好ましい上限が65重量%である。
上記混合モノマーは、更に、ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーを含有することが好ましい。上記混合モノマーがこのようなモノマーを含有することで、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力が劇的に向上する。このような粘着力の向上は、被着体がポリカーボネート板又はアクリル板である場合に特に優れた効果を発揮する。
ポリカーボネート板及びアクリル板は水分を吸収しやすく、高温条件下では水分が気化して、アウトガスが生じることが知られている。そのため、被着体がポリカーボネート板又はアクリル板である場合、高温条件下では、アウトガスのガス圧によって気泡が成長し、ポリカーボネート板又はアクリル板と光学部材用粘着シートとの界面には浮き剥がれが生じやすい。上記混合モノマーが上記ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーを含有することで、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力が劇的に向上し、被着体がポリカーボネート板又はアクリル板である場合にも被着体と光学部材用粘着シートとの界面に発生する浮き剥がれを抑制することができる。
なお、ポリカーボネート板及びアクリル板は、例えば、携帯電話、携帯情報端末等の画像表示装置、入力装置等に用いられている。
上記ビシクロ環構造は特に限定されず、上記ビシクロ環構造を有する官能基として、例えば、ビシクロ[1.1.0]ブチル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.0]ペンチル基、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル基、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル基、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[3.3.0]オクチル基、ビシクロ[4.1.1]オクチル基、ビシクロ[4.2.0]オクチル基、ビシクロ[5.1.0]オクチル基、ビシクロ[3.2.2]ノニル基、ビシクロ[3.3.1]ノニル基、ビシクロ[4.2.1]ノニル基、ビシクロ[4.3.0]ノニル基、ビシクロ[5.1.1]ノニル基、ビシクロ[5.2.0]ノニル基、ビシクロ[6.1.0]ノニル基、ビシクロ[4.3.1]デシル基、及び、これらの水素原子の一部を鎖状アルキル基又は環状アルキル基で置換した構造を有する官能基等が挙げられる。なお、上記置換は1箇所であってもよく、複数箇所であってもよい。なかでも、上記ビシクロ環構造を有する官能基として、ノルボルニル基、イソボルニル基が好ましく、イソボルニル基が特に好ましい。
上記オレフィン性二重結合は特に限定されず、上記オレフィン性二重結合を有する官能基として、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。なかでも、上記オレフィン性二重結合を有する官能基として、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーとして、具体的には例えば、イソボルニル基と(メタ)アクリロイル基とを有するイソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記混合モノマーにおける上記ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合は、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が60重量%である。上記ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合が10重量%未満であると、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力が低下して、信頼性が低下することがある。上記ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合が60重量%を超えると、アクリル共重合体のガラス転移温度が高くなり、光学部材用粘着シートの被着体に対する密着性が低下して、信頼性が低下することがある。上記ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合は、より好ましい下限が15重量%、更に好ましい下限が25重量%、より好ましい上限が55重量%、更に好ましい上限が40重量%である。
上記混合モノマーは、更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート1〜25重量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1〜25重量%、N−ビニルピロリドン1〜25重量%、4−ヒドロキシブチルアクリレート1〜25重量%、4−ヒドロキシブチルメタクリレート1〜25重量%、下記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー0.5〜30重量%、及び、下記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマー0.1〜30重量%からなる群より選択される少なくとも2つを含有していてもよい。
Figure 2013221106
一般式(2−1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数3未満のアルキル基を表し、nは8〜45の整数を表す。
Figure 2013221106
一般式(2−2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数3〜30のアルキル基を表し、mは8〜45の整数を表す。
上記混合モノマーが2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー、及び、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマー(本明細書中、これらをまとめて、親水性基を有するモノマーともいう)からなる群より選択される少なくとも2つを含有することで、光学部材用粘着シートの白化を抑制する効果が向上する。上記親水性基を有するモノマーは、上記アクリル共重合体のガラス転移温度を必要以上に上昇させることがなく、光学部材用粘着シートの信頼性に悪影響を及ぼすこともない。
また、通常、ITO等の金属又は金属酸化物を含有する金属薄膜を被着体とした場合にアクリル系粘着剤の白化は顕著となるが、上記混合モノマーが上記親水性基を有するモノマーを含有することで、金属薄膜を被着体とした場合にも高温高湿下で生じる白化を抑制することができる。
なお、上記親水性基を有するモノマーのほかにも、白化を抑制する効果を有し、かつ、信頼性に悪影響を及ぼすことのない高親水性モノマーとして、例えば、3−ヒドロキシプロピルアクリレート(3−HPA)、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート(6−HHA)等が挙げられる。上記混合モノマーは、これらの高親水性モノマーを含有してもよい。
上記親水性基を有するモノマーのなかでも、初期接着性が高く、かつ、時間が経過しても高い接着性を維持できる光学部材用粘着シートが得られ、更に、金属薄膜を被着体とした場合に高温高湿下で生じる白化をより効果的に抑制することができることから、上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマーが好ましい。
また、上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合には、上記親水性基を有するモノマーが2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び4−ヒドロキシブチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つであると、架橋剤の種類又は量によっては粘着剤層のゲル化が急激に進行してしまい、取扱性が低下することがある。従って、架橋剤の種類及び量を充分制御する必要がある。これに対し、上記親水性基を有するモノマーが上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー、及び/又は、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマーであることで、架橋剤の種類又は量によって粘着剤層のゲル化が急激に進行することを抑制することができ、架橋剤の種類及び量の制御が容易となる。
上記一般式(2−1)及び(2−2)において、エチレンオキサイドの繰り返し数は、下限が8、上限が45である。繰り返し数が8未満であると、高温高湿下で生じる白化を抑制できないことがある。繰り返し数が45を超えると、高温高湿下で生じる白化を抑制できないことがあり、また、上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー、又は、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマーと他の主成分となるモノマー等との相溶性が低下し、光学部材用粘着シートの粘着力が低下することがある。高温高湿下で生じる白化をより効果的に抑制することができることから、繰り返し数の好ましい下限は13、好ましい上限は40であり、30であることが特に好ましい。
なお、上記エチレンオキサイドの繰り返し数は、上記一般式(2−1)においてはnで表され、上記一般式(2−2)においてはmで表される。
上記一般式(2−1)において、ポリエチレンオキサイド鎖の末端基は水素原子又は炭素数3未満のアルキル基である。なかでも、より高温高湿の条件でも白化を抑制できることから、炭素数3未満のアルキル基が好ましい。上記ポリエチレンオキサイド鎖の末端基は、上記一般式(2−1)においてはRで表される。
上記一般式(2−2)において、ポリエチレンオキサイド鎖の末端基は炭素数3〜30のアルキル基である。なかでも、より高温高湿の条件でも白化を抑制できることから、炭素数18のアルキル基であることが好ましい。上記ポリエチレンオキサイド鎖の末端基は、上記一般式(2−2)においてはRで表される。
上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー、又は、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマーのうち、市販品として、例えば、ブレンマーPME−1000(エチレンオキサイドの繰り返し数=23、末端メチル基、日油社製)、ブレンマーPME−400(エチレンオキサイドの繰り返し数=9、末端メチル基、日油社製)、ブレンマーPME−2000(エチレンオキサイドの繰り返し数=45、末端メチル基、日油社製)、NKエステルAM−130G(エチレンオキサイドの繰り返し数=13、末端メチル基、新中村化学工業社製)、ライトエステル041MA(エチレンオキサイドの繰り返し数=30、末端メチル基、共栄社化学社製)、ブレンマーPSE−1300(エチレンオキサイドの繰り返し数=30、末端オクタデシル基、日油社製)、ブレンマーAE−400(エチレンオキサイドの繰り返し数=10、末端水酸基、日油社製)、ブレンマーANE−1300(エチレンオキサイドの繰り返し数=30、末端ノニルフェニル基、日油社製)等が挙げられる。
上記混合モノマーにおける上記親水性基を有するモノマーの割合が少なすぎると、高温高湿下で生じる白化を抑制できないことがある。上記混合モノマーにおける上記親水性基を有するモノマーの割合が多すぎると、光学部材用粘着シートの初期のぬれ性が低下し、被着体に対する密着性が低下して、信頼性が低下することがある。
上記混合モノマーにおける2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び4−ヒドロキシブチルメタクリレートそれぞれの割合は、より好ましい下限が5重量%、更に好ましい下限が8重量%であり、より好ましい上限が20重量%、更に好ましい上限が15重量%である。
上記混合モノマーにおける上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー、及び、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマーそれぞれの割合は、より好ましい下限が1重量%、更に好ましい下限が2重量%、より好ましい上限が20重量%、更に好ましい上限が15重量%である。
上記混合モノマーは、更に、カルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーを含有していてもよい。上記混合モノマーが上記カルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーを含有することで、アクリル共重合体の分子間相互作用が増大し、光学部材用粘着シートの凝集力が向上する。
上記カルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーは特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル酢酸、(メタ)アクリロイルプロピオン酸、(メタ)アクリロイル酪酸、(メタ)アクリロイルペンタン酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
上記混合モノマーにおける上記カルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合は特に限定されないが、2重量%以下であることが好ましい。上記カルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合が2重量%を超えると、金属薄膜を被着体とする場合に、該金属薄膜を劣化させやすくなることがある。上記カルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーの割合は、1重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%以下であることが更に好ましい。
上記混合モノマーを重合させる方法は特に限定されず、例えば、重合開始剤の存在下にてラジカル重合させる方法等が挙げられる。上記重合方法は特に限定されず、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の従来公知の重合方法が挙げられる。
上記溶液重合に用いる溶媒は特に限定されず、例えば、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらの溶媒の配合量は特に限定されないが、混合モノマー100重量部に対する好ましい下限が25重量部、好ましい上限が300重量部である。配合量が25重量部未満であると、アクリル共重合体の分子量分布が広くなることにより、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力及び凝集力が低下して、信頼性が低下することがある。配合量が300重量部を超えると、光学部材用粘着シートを製造する際に溶媒を除去する手間が必要となることがある。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。なかでも、金属薄膜を被着体とする場合に該金属薄膜に与える影響を考慮すると、アゾ化合物が好ましい。
上記過硫酸塩は特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の配合量は特に限定されないが、混合モノマー100重量部に対する好ましい下限が0.02重量部、好ましい上限が0.5重量部である。配合量が0.02重量部未満であると、重合反応が不充分となったり、重合反応に長時間を要したりすることがある。配合量が0.5重量部を超えると、アクリル共重合体の重量平均分子量が低くなりすぎたり、分子量分布が広くなりすぎたりすることにより、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力及び凝集力が低下して、信頼性が低下することがある。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量は、好ましい下限が20万、好ましい上限が150万である。重量平均分子量が20万未満であると、光学部材用粘着シートの高温弾性率が低下して、信頼性が低下することがある。重量平均分子量が150万を超えると、アクリル共重合体の流動性が低下することにより、光学部材用粘着シートの被着体に対する密着性が低下して、信頼性が低下することがある。重量平均分子量のより好ましい下限は30万、更に好ましい下限は40万であり、より好ましい上限は120万である。
なお、本明細書において重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定しポリスチレン換算により求めた値を意味する。具体的には例えば、アクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)により100倍に希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液をカラム(例えば、Waters社製の「2690 Separations Model」等)を用いてGPC法により測定しポリスチレン換算によって重量平均分子量を求めることができる。
上記アクリル共重合体を含有する溶液は、低粘度の溶液となる。そのため、このような溶液を用いて粘着剤層を形成する際には、塗工のために必要とされる溶剤の量が少なく、取扱性に優れる。また、厚い粘着剤層を作製しやすく、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力を高めることができる。
上記アクリル共重合体を含有する溶液の粘度は特に限定されないが、B型粘度計(「B8U型粘度計」、東京計器社製)を用いて温度25℃の条件で測定した粘度の好ましい下限が500mPa・s、好ましい上限が100000mPa・sである。
上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物は、アクリル共重合体及びアジドポリマーのほかに、架橋剤を含有してもよい。上記架橋剤を含有することで、アクリル共重合体に架橋構造を形成することができる。また、上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することで、粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、耐熱性及び耐久性等の性能を発現しやすいことから、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤は特に限定されないが、脂肪族イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記脂肪族イソシアネート系架橋剤のうち、市販品として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン社製)等が挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤は特に限定されないが、脂肪族エポキシ系架橋剤が好ましい。上記エポキシ系架橋剤のうち、市販品として、例えば、デナコールEX212、デナコールEX214(いずれもナガセケムテックス社製)、E−5C(綜研化学社製)等の脂肪族エポキシ系架橋剤、E−AX(綜研化学社製)等のその他のエポキシ系架橋剤等が挙げられる。
上記架橋剤の配合量は特に限定されないが、アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。配合量が0.1重量部未満であると、アクリル共重合体の架橋が不充分となり、光学部材用粘着シートの凝集力が低下して加工性が低下することがある。配合量が10重量部を超えると、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力及び初期接着性が低下して、信頼性が低下することがある。配合量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は3.0重量部である。
上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物は、更に、粘着付与樹脂を含有してもよい。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、例えば、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、キシレン樹脂が好ましく、キシレン樹脂のアルキルフェノール反応物がより好ましい。
また、上記粘着付与樹脂として、水素添加された樹脂が好ましく、このような水素添加された樹脂を用いることで、光学部材用粘着シートの透明性が高まる。
上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物は、光学部材用粘着シートの被着体に対する密着性が向上することから、更に、シランカップリング剤を含有してもよい。
上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物は、更に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて従来公知の添加剤を含有してもよい。上記添加剤は特に限定されず、例えば、充てん剤、老化防止剤等が挙げられる。
上記再剥離可能な粘着剤層の厚みは、好ましい下限が3μm、好ましい上限が50μmである。厚みが3μm未満であると、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力が低下して、信頼性が低下することがある。厚みが50μmを超えると、刺激を付与しても接着界面よりも粘着剤の内部で発泡が生じ、光学部材用粘着シートを容易に剥離できないことがある。また、粘着剤成分の染み出し等が生じ、取扱性が低下することがある。厚みのより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は30μmである。
上記再剥離可能な粘着剤層のゲル分率は特に限定されず、光学部材用粘着シートの用途に合わせて適宜調整することができるが、好ましい下限は30重量%、好ましい上限は95重量%である。ゲル分率が30重量%未満であると、光学部材用粘着シートの加工性が低下することがある。ゲル分率が95重量%を超えると、光学部材用粘着シートの初期のぬれ性が低下し、被着体に対する密着性が低下して、信頼性が低下することがある。ゲル分率のより好ましい下限は40重量%、より好ましい上限は90重量%である。
なお、本明細書においてゲル分率は、下記の方法により測定することができる。
まず、光学部材用粘着シートを50mm×25mmの平面長方形状に切断して試験片を作製する。得られた試験片の粘着剤層をスプーンを使ってかきとって粘着剤の塊を作製し、粘着剤の塊を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、200メッシュのステンレスメッシュを介して酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の粘着剤の塊の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×(W)/(W
式中、Wは浸漬前の粘着剤の塊の乾燥した状態での重量を表し、Wは浸漬し乾燥した後の粘着剤の塊の重量を表す。なお、必要に応じて試験片の粘着剤層をスプーンを使ってかきとる前に、試験片を溶剤に浸して粘着剤層を膨潤させておいてもよい。
本発明の光学部材用粘着シートは、再剥離可能な粘着剤層を有していれば特に限定されないが、再剥離可能な粘着剤層に対して、更に、別の粘着剤層が積層されていてもよい。
なお、別の粘着剤層が積層されている場合、光学部材用粘着シートは、再剥離可能な粘着剤層側を、貼り合わせ不良等が生じた際にリワークの必要がある被着体側に貼り合わせて用いられる。
上記別の粘着剤層は特に限定されず、再剥離可能な粘着剤層と同様の組成、同様のゲル分率とすることができるが、上述した親水性基を有するモノマーを含有する混合モノマーを重合することにより得られるアクリル共重合体を含有する粘着剤組成物からなることが好ましい。
即ち、上記別の粘着剤層は、2−ヒドロキシエチルアクリレート1〜25重量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1〜25重量%、N−ビニルピロリドン1〜25重量%、4−ヒドロキシブチルアクリレート1〜25重量%、4−ヒドロキシブチルメタクリレート1〜25重量%、上記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー0.5〜30重量%、及び、上記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマー0.1〜30重量%からなる群より選択される少なくとも2つを含有する混合モノマーを重合することにより得られるアクリル共重合体を含有する粘着剤組成物からなることが好ましい。
このような粘着剤組成物を用いることで、別の粘着剤層にはアジドポリマーを添加しなくても、光学部材用粘着シート全体として、高温高湿下で生じる白化を抑制する効果が向上する。
上記別の粘着剤層の厚みは、好ましい下限が5μm、好ましい上限が1000μmである。厚みが5μm未満であると、光学部材用粘着シートの被着体に対する粘着力が低下して、信頼性が低下することがある。厚みが1000μmを超えると、粘着剤成分の染み出し等が生じ、取扱性が低下することがある。厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は500μmである。
本発明の光学部材用粘着シートは、基材を有さないノンサポートタイプであってもよいし、基材の両面に粘着剤層が形成されたサポートタイプであってもよい。
上記基材は、透明性を有する基材であれば特に限定されず、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が2μm、好ましい上限が200μmである。厚みが2μm未満であると、光学部材用粘着シートの強度が不足し、破れたり、取り扱いが困難になったりすることがある。厚みが200μmを超えると、基材の腰が強すぎて、光学部材用粘着シートの段差への追従性が悪くなることがある。厚みのより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の光学部材用粘着シートを製造する方法は特に限定されない。ノンサポートタイプの光学部材用粘着シートを製造する方法として、例えば、再剥離可能な粘着剤層用の粘着剤組成物を離型紙又は離型フィルムの離型処理面に塗工することによって粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型紙又は離型フィルムを重ね合わせて積層体を得た後、得られた積層体をゴムローラ等により加圧する方法等が挙げられる。別の粘着剤層を積層する場合には、同様にして作製した再剥離可能な粘着剤層と、別の粘着剤層とを、面同士で貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明の光学部材用粘着シートの用途は特に限定されず、携帯電話、携帯情報端末等の画像表示装置、入力装置等の製造に好適に用いることができる。なかでも、携帯電話、携帯情報端末等の入力装置を製造する際に、表面を保護するためのカバーパネルとタッチパネルモジュールとを接着するのに好適に用いることができる(図1参照)。とりわけ、上記カバーパネルがポリカーボネート板又はアクリル板である場合に好適である。
また、本発明の光学部材用粘着シートは、2枚の金属薄膜付フィルムの金属薄膜面同士の接着にも好適に用いることができる(図1参照)。
本発明の光学部材用粘着シートを介して、カバーパネルとタッチパネルモジュールとが接着されているカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、及び、このようなカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体を有する入力装置もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができ、更に、貼り合わせ不良等が生じた際の被着体のリワークが容易な光学部材用粘着シートを提供することができる。
本発明の光学部材用粘着シートを用いて、表面を保護するためのカバーパネルとタッチパネルモジュールとを接着した携帯電話、携帯情報端末等の入力装置を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(アクリル共重合体(1)の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート49.5 重量部と、イソボルニルアクリレート35重量部と、アクリル酸0.5重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート15重量部と、これらモノマーの混合物100重量部に対して酢酸エチル100重量部とを加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。30分間後、t−ヘキシルパーオキシピバレート5重量部を酢酸エチルで希釈して得られた重合開始剤溶液(モノマーの混合物100重量部に対して0.2重量部)を上記反応器内に2時間かけて滴下添加した。その後、70℃にて、重合開始剤の添加開始から8時間還流させて、樹脂固形分50%のアクリル共重合体(1)を含有するアクリル共重合体溶液を得た。
(アクリル共重合体(2)の製造)
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート59.5重量部と、イソボルニルアクリレート35重量部と、アクリル酸0.5重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部とを用いたこと以外はアクリル共重合体(1)と同様にして、樹脂固形分50%のアクリル共重合体(2)を含有するアクリル共重合体溶液を得た。
(アクリル共重合体(3)の製造)
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート59.3重量部と、イソボルニルアクリレート35重量部と、アクリル酸0.5重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部と、ブレンマーPSE−1300(エチレンオキサイドの繰り返し数=30、末端オクタデシル基、日油社製)5重量部とを用いたこと以外はアクリル共重合体(1)と同様にして、樹脂固形分50%のアクリル共重合体(3)を含有するアクリル共重合体溶液を得た。
(実施例1)
<光学部材用粘着シートの製造(単層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)20重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ25μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型ポリエチレンテレフタレートフィルムをゴムローラにより加圧圧着し、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例2)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ95μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)20重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ5μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例3)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ95μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(2)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)10重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ5μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例4)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(3)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ70μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(2)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)10重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で4分間乾燥し厚さ30μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例5)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(3)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工、110℃で5分間乾燥し厚さ80μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(3)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP5003(日油社製)10重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ20μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例6)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(3)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ90μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(3)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP5003(日油社製)20重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ10μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例7)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ95μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)30重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ5μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例8)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ80μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)3重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ20μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(実施例9)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ65μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(2)の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマーGAP4006(日油社製)10重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ35μmの再剥離可能な粘着剤層(粘着剤層A)を形成した。
粘着剤層Aと粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(比較例1)
<光学部材用粘着シートの製造(単層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ25μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型ポリエチレンテレフタレートフィルムをゴムローラにより加圧圧着し、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(比較例2)
<光学部材用粘着シートの製造(単層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ100μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型ポリエチレンテレフタレートフィルムをゴムローラにより加圧圧着し、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(比較例3)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ80μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(2)の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(和光純薬工業社製、VAm−110)20重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ20μmの粘着剤層(粘着剤層A’)を形成した。
粘着剤層A’と粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
(比較例4)
<光学部材用粘着シートの製造(2層)>
アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)0.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で5分間乾燥し厚さ80μmの粘着剤層(粘着剤層B)を形成した。
次いで、アクリル共重合体(1)の樹脂固形分100重量部に対して、ビステトラゾールジアンモニウム塩(永和化成工業社製、セルテトラBHT−2NH3)20重量部と、架橋剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン社製)2.0重量部とを添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、110℃で3分間乾燥し厚さ20μmの粘着剤層(粘着剤層A’)を形成した。
粘着剤層A’と粘着剤層Bとを面同士で貼り合せ、40℃で3日間養生して光学部材用粘着シートを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた光学部材用粘着シートについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)耐白化性試験
光学部材用粘着シートの粘着剤層A側(再剥離可能な粘着剤層側)又は粘着剤層A’側(単層の場合は一方の粘着剤面)をスライドガラス(「S−1214」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせて、試験片を作製した。この試験片を80℃85%RHの高温高湿下に放置し、放置開始直後及び24時間後の試験片のヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(全自動ヘーズメーター「TC−HIIIDPK」、東京電色社製)を用いて測定し、下記式によりΔヘーズ値を算出した。
Δヘーズ値(%)={24時間後のヘーズ値(%)}−{放置開始直後のヘーズ値(%)}
(2)ガラス板からの再剥離性
光学部材用粘着シートの粘着剤層B側(単層の場合は一方の粘着剤面)の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、粘着剤面を露出させた。この粘着剤面に対し、コロナ処理を施した厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理を施した面を貼り合せ、片面粘着シートを得た。得られた片面粘着シートの離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、粘着剤層A側(再剥離可能な粘着剤層側)又は粘着剤層A’側(単層の場合は他方の粘着剤面)を露出させた。この粘着剤面を厚さ0.8mmのアルカリガラス板に貼り合せ、オートクレーブに投入し、25℃、0.5MPa、30分間の条件で加圧し、試験片を作製した。この試験片に対し、アルカリガラス板側から高圧水銀灯で紫外線を10J/cm照射し、照射後にガラス越しに接着界面を観察した。
光学部材用粘着シートをガラス板から容易に剥離することができた場合を「◎」と、光学部材用粘着シートの接着力はやや強かったものの、糊残りすることなくガラス板から剥離することができた場合を「○」と、一部糊残りが発生した場合を「△」と、光学部材用粘着シートの接着力が強く、剥離が困難であった場合を「×」とした。
(3)耐発泡性試験
光学部材用粘着シートを45mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された光学部材用粘着シートの粘着剤層B側(単層の場合は一方の粘着剤面)の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出した面を、厚みが0.18mmのITOフィルム(非晶質ITO膜、SNCT社製)のITO面上に貼り合わせた。更に、光学部材用粘着シートの粘着剤層A側(再剥離可能な粘着剤層側)又は粘着剤層A’側(単層の場合は他方の粘着剤面)の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出した面を、厚みが1.0mmのポリカーボネート(PC)板(三菱レーヨン社製、MR58)に貼り合わせることにより、PC板上に、光学部材用粘着シートとITOフィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを得た。その後、得られた積層サンプルを23℃、0.5MPaのオートクレーブにて15分間処理を行った後、温度85℃の条件、又は、温度60℃かつ相対湿度(RH)90%の条件で240時間静置し、試験サンプルを得た。得られた試験サンプルの接着界面における気泡発生状態を目視により観察した。
0.01mm以上の大きさの気泡が全く観察されなかった場合を「〇」と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり1〜5個観察された場合を「△」と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり6個以上観察された場合を「×」とした。
Figure 2013221106
比較例1及び2では、粘着剤層がアジドポリマーを含有していないため、ガラス板からの再剥離性評価が「×」となった。比較例3では、気体発生剤としてVAm−110を使用したため、粘着剤層(粘着剤層A’)の親水性が低くなり、耐白化性試験でΔヘーズ値が高くなった。また、気体発生剤の耐熱性が低いため、85℃の耐発泡性試験が「×」となった。比較例4では、気体発生剤であるビステトラゾールジアンモニウム塩が粘着剤に溶解せず、粘着剤層(粘着剤層A’)が白化してしまったため、他の評価は行わなかった。
本発明によれば、高温高湿下で生じる白化を抑制して高信頼性を実現することができ、更に、貼り合わせ不良等が生じた際の被着体のリワークが容易な光学部材用粘着シートを提供することができる。また、本発明によれば、該光学部材用粘着シートを用いて製造されるカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体及び入力装置を提供することができる。
1 携帯電話、携帯情報端末等の入力装置
2 本発明の光学部材用粘着シート
3 カバーパネル
4 タッチパネルモジュール
5 ディスプレイパネルモジュール
6 金属薄膜付フィルム
7 本発明の光学部材用粘着シート
8 支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)
9 金属薄膜付フィルム積層体
10 タッチパネルモジュール

Claims (7)

  1. 再剥離可能な粘着剤層を有する光学部材用粘着シートであって、
    前記再剥離可能な粘着剤層は、アクリル共重合体と、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するアジドポリマーとを含有する粘着剤組成物からなる
    ことを特徴とする光学部材用粘着シート。
    Figure 2013221106
    一般式(A)中、Rは炭素数1の置換されていてもよいアルキル基を表し、あってもなくてもよく、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、少なくとも一方はZNで表されるアジド含有基(Zは二価のアルキル基を表す)を表し、アジド含有基ではないX及びXは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R及びRは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、pは整数を表す。
  2. 一般式(A)で表される繰り返し単位を有するアジドポリマーの含有量が、アクリル共重合体100重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする請求項1記載の光学部材用粘着シート。
  3. 再剥離可能な粘着剤層に対して、更に、別の粘着剤層が積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学部材用粘着シート。
  4. 別の粘着剤層は、2−ヒドロキシエチルアクリレート1〜25重量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1〜25重量%、N−ビニルピロリドン1〜25重量%、4−ヒドロキシブチルアクリレート1〜25重量%、4−ヒドロキシブチルメタクリレート1〜25重量%、下記一般式(2−1)で表される構造を有するモノマー0.5〜30重量%、及び、下記一般式(2−2)で表される構造を有するモノマー0.1〜30重量%からなる群より選択される少なくとも2つを含有する混合モノマーを重合することにより得られるアクリル共重合体を含有する粘着剤組成物からなることを特徴とする請求項3記載の光学部材用粘着シート。
    Figure 2013221106
    一般式(2−1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数3未満のアルキル基を表し、nは8〜45の整数を表す。
    Figure 2013221106
    一般式(2−2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数3〜30のアルキル基を表し、mは8〜45の整数を表す。
  5. ノンサポートタイプであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光学部材用粘着シート。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の光学部材用粘着シートを介して、カバーパネルとタッチパネルモジュールとが接着されていることを特徴とするカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体。
  7. 請求項6記載のカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体を有することを特徴とする入力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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