JP2001181594A - 粘着剤組成物とその粘着シ―ト類 - Google Patents

粘着剤組成物とその粘着シ―ト類

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JP2001181594A JP36778499A JP36778499A JP2001181594A JP 2001181594 A JP2001181594 A JP 2001181594A JP 36778499 A JP36778499 A JP 36778499A JP 36778499 A JP36778499 A JP 36778499A JP 2001181594 A JP2001181594 A JP 2001181594A
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Waka Hikosaka
和香 彦坂
Masahiko Ando
雅彦 安藤
Tatsumi Amano
立巳 天野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコ―ン処理を施していない剥離ライナを
用いて十分な剥離性が得られ、そのためにシロキサンガ
スが発生せず、これと残存モノマ―その他の揮発性成分
や酸成分による電子機器内部の腐食や誤動作がなく、か
つ良好な粘着特性を発揮する、とくに初期粘着性を満足
する粘着剤組成物を得る。 【解決手段】 A)脂肪族系ポリカ―ボネ―トジオ―ル
を必須のポリオ―ル成分としたポリエステル系重合体
と、B)(b1)式:CH2 =CR1 COOR2 (式中、R
1 は水素またはメチル基、R2 は直鎖状または分枝状の
アルキル基で、R1とR2 の炭素数の和は2〜8であ
る)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
(b2)水酸基を含有するモノエチレン性不飽和単量体とを
必須とした単量体混合物をアゾ系重合開始剤により共重
合させてなる、酸成分を実質的に含有しないアクリル系
重合体とからなることを特徴とする粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系重
合体とアクリル系重合体を含有する粘着剤組成物とその
粘着シ―ト類(シ―ト、テ―プなど)に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着シ―ト類は、様々な用途に利用され
るため、高タツク、高接着性、凝集性を有するものが設
計されている。とくに近年では、電子機器内部に粘着シ
―ト類を利用するようになつている。このような用途で
は、上記の粘着特性に加えて、気密性の維持、揮発性の
ガス成分の低減なども求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】粘着シ―ト類では、粘
着面の保護や取り扱い性の点より、シリコ―ン処理を施
した剥離ライナを使用する場合があり、この粘着シ―ト
類を電子機器内部に用いると、粘着面に移行したシリコ
―ンによりシロキサンガスが発生し、電子機器の腐食や
誤動作を引き起こす問題がある。また、酸成分を含む粘
着剤を用いると、酸成分が直接腐食の原因となる場合も
ある。通常、アクリル系粘着剤は、アクリル酸などのカ
ルボン酸成分を含まないと接着性に劣り、酸成分を実質
的に含まなくても粘着特性に良好なものが求められてい
る。また、電子機器内部は高気密性となるため、粘着剤
中の残存モノマ―やその他の揮発性成分も問題となる。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑み、ポリエチレ
ンフイルムなどのシリコ―ン処理を施していない剥離ラ
イナを使用して、十分な剥離性が得られ、上記剥離ライ
ナの使用によりシロキサンガスの発生がなく、しかも粘
着剤中の残存モノマ―やその他の揮発性成分も少なく、
これらの揮発性成分や酸成分による電子機器内部の腐食
や誤動作を回避でき、しかも良好な粘着特性を発揮す
る、とくに初期粘着性を満足する粘着剤組成物とその粘
着シ―ト類を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、分子内にカ―ボ
ネ―ト結合を有する特定のポリエステル系重合体と、酸
成分を実質的に含有しない特定のアクリル系重合体と
を、特定量組み合わせて使用したときに、良好な粘着特
性を発揮する、とくに初期粘着性を満足する粘着剤組成
物とその粘着シ―ト類が得られ、上記特定のポリエステ
ル系重合体の働きで、シリコ―ン処理を施していない剥
離ライナを用いても十分な剥離性が得られ、そのために
シロキサンガスの発生がみられず、またこのポリエステ
ル系重合体はもちろん、上記特定のアクリル系重合体に
も、未反応物としての残存モノマ―やその他の揮発性成
分がほとんど含まれておらず、しかもこのアクリル系重
合体には酸成分が実質的に含まれていないため、シロキ
サンガスや残存モノマ―などの揮発性成分に起因した気
密性の低下がないうえに、上記揮発性成分や酸成分によ
る電子機器内部の腐食や誤動作を回避できるものである
ことを知り、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、A)脂肪族系ポリカ
―ボネ―トジオ―ルを必須のポリオ―ル成分としたポリ
エステル系重合体50〜98重量%と、B)(b1)式:C
2=CR1 COOR2 (式中、R1 は水素またはメチ
ル基、R2 は直鎖状または分枝状のアルキル基で、R1
とR2 の炭素数の和は2〜8である)で表される(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルと、(b2)水酸基を含有
するモノエチレン性不飽和単量体とを必須とした単量体
混合物をアゾ系重合開始剤により共重合させてなる、酸
成分を実質的に含有しないアクリル系重合体50〜2重
量%とからなることを特徴とする粘着剤組成物(請求項
1)に係るものである。
【0007】また、本発明は、上記B成分のアクリル系
重合体が、(b1)成分の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル70〜99.8重量%と、(b2)成分の水酸基を含有
するモノエチレン性不飽和単量体10〜0.2重量%
と、(b3)成分として酸性基を含有しない沸点が180℃
以下であるモノエチレン性不飽和単量体29.8〜0重
量%とからなる単量体混合物を、この単量体混合物10
0重量部あたり、アゾ系重合開始剤0.02〜0.5重
量部を使用して、共重合させてなるものである上記構成
の粘着剤組成物(請求項2)に係るものである。
【0008】さらに、本発明は、支持体の片面または両
面に上記構成の粘着剤組成物からなる層を有することを
特徴とするシ―ト状やテ―プ状などの粘着シ―ト類(請
求項3)に係るものであり、とくに粘着面にシリコ―ン
処理を施していない剥離ライナ、たとえばポリエチレン
フイルムなどのポリオレフイン系フイルムが貼り合わさ
れてなる上記構成の粘着シ―ト類(請求項4)に係るも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるA成分のポリエス
テル系重合体は、脂肪族系ポリカ―ボネ―トジオ―ルを
必須のポリオ―ル成分としたポリエステル、つまり、脂
肪族系ポリカ―ボネ―トジオ―ルを50重量%以上、好
ましくは60重量%以上含有するポリオ―ル成分と、多
塩基酸成分とのポリエステルである。このようなポリエ
ステルの分子量は、粘着力などの粘着特性上、重量平均
分子量が1万〜20万、好ましくは2万〜15万、より
好ましくは3万〜12万であるのがよい。
【0010】脂肪族系ポリカ―ボネ―トジオ―ルとは、
つぎの式; (式中、Rは炭素数2〜20の脂肪族の炭化水素基であ
る)で表される繰り返し単位を有するジオ―ルで、市販
品としては、ダイセル化学工業(株)製の商品名「PL
ACCEL CD220PL」、「同CD210P
L」、「同CD205PL」、「同CD220」、「同
CD210」などがある。ポリオ―ル成分としては、上
記のジオ―ル以外に、エチレングリコ―ル、プロピレン
グリコ―ル、ブタンジオ―ル、ヘキサンジオ―ル、オク
タンジオ―ル、デカンジオ―ル、オクタデカンジオ―ル
などの直鎖状のジオ―ルや、3−メチルペンタンジオ―
ルなどの分枝状のジオ―ルなどが用いられる。
【0011】このようなポリオ―ル成分と反応させる多
塩基酸成分には、炭素数が2〜20の脂肪族または脂環
族の炭化水素基を分子骨格としたジカルボン酸などがあ
り、上記の炭化水素基は直鎖状であつても分枝状であつ
てもよい。具体的には、マロン酸、コハク酸、メチルコ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン
二酸、1,14−テトラデカン二酸、n−ヘキシルアジ
ピン酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロフタル酸などや、これらの酸無水物やエステルな
どの誘導体が用いられる。
【0012】本発明において、上記A成分のポリエステ
ル系重合体は、すぐれた粘着特性を付与する成分であ
り、また粘着面にシリコ―ン処理を施していない剥離ラ
イナ、たとえばポリエチレンフイルムなどのポリオレフ
イン系フイルムを貼り合わせたとき、この剥離ライナの
剥離性に好結果を与えるものである。さらに、このポリ
エステル系重合体は、ポリオ―ル成分と多塩基酸成分と
の縮重合物のため、アクリル系重合体などに比べて、本
来、未反応成分が残りにくく、これが粘着剤組成物中の
残存モノマ―の低減にも好結果を与えるものである。
【0013】本発明におけるB成分のアクリル系重合体
は、上記の粘着特性や剥離ライナの剥離性を損なうこと
なく、初期粘着性を改善するための成分であり、とくに
酸成分を実質的に含有しないアクリル系重合体を使用す
ることにより、酸成分による電子機器などの腐食を防ぐ
ようにしたものである。ここで、酸成分を実質的に含有
しないとは、単量体成分としてアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸を
使用しないことを意味する。また、アクリル系重合体
は、付加重合物のため、通常では、未反応モノマ―が残
りやすいが、本発明においては、この残存モノマ―を低
減するために、下記のような特定の単量体混合物を使用
し、かつこれをとくにアゾ系重合開始剤を用いて共重合
させるようにしたものであり、このような特定のアクリ
ル系重合体を使用することにより、残存モノマ―やその
他の揮発性成分を低減して、電子機器の気密性を維持
し、また電子機器の腐食や誤動作を防ぐようにしたもの
である。
【0014】本発明では、上記の観点から、B成分のア
クリル系重合体として、(b1)式:CH2 =CR1 COO
2 (式中、R1 は水素またはメチル基、R2 は直鎖状
または分枝状のアルキル基で、R1 とR2 の炭素数の和
は2〜8である)で表される(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルと、(b2)水酸基を含有するモノエチレン性不
飽和単量体とを必須とした単量体混合物をアゾ系重合開
始剤により共重合させてなる、酸成分を実質的に含有し
ないアクリル系重合体を使用する。
【0015】上記(b1)成分の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルは、付加重合性および乾燥による揮散除去性
のために、式中のR1 とR2 の炭素数の和が2〜8の範
囲にあるものが選択される。具体的には、ブチルアクリ
レ―ト、2−エチルヘキシルアクリレ―ト、イソブチル
アクリレ―ト、エチルアクリレ―ト、ヘキシルアクリレ
―ト、メチルメタクリレ―ト、イソブチルメタクリレ―
ト、ブチルメタクリレ―ト、ヘキシルメタクリレ―トな
どが用いられる。この(b1)成分は、アクリル系重合体を
得るための主単量体として、単量体混合物中、70〜9
9.8重量%、好ましくは75〜99.5重量%の割合
で使用される。
【0016】上記(b2)成分の水酸基を含有するモノエチ
レン性不飽和単量体は、上記(b1)成分の主単量体と共重
合可能な単量体であつて、水酸基の導入により架橋剤と
の反応による架橋点を付与して凝集力などの粘着特性を
改善するために使用される。具体的には、ヒドロキシエ
チルアクリレ―ト、ヒドロキシエチルメタクリレ―ト、
ヒドロキシブチルアクリレ―ト、ヒドロキシヘキシルア
クリレ―トなどが用いられる。この(b2)成分の使用量と
しては、単量体混合物中、10〜0.2重量%、好まし
くは8〜0.5重量%であるのがよい。
【0017】単量体混合物には、上記(b1)および(b2)成
分のほか、必要により、(b3)成分として、上記(b1)およ
び(b2)成分と共重合可能な他の単量体として、酸性基を
含有しない沸点が180℃以下であるモノエチレン性不
飽和単量体が含まれる。酸性基を含有しないとは、アク
リル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸を含まな
いことを意味し、また沸点が180℃以下であると規定
しているのは、乾燥による揮散除去を容易にするためで
ある。具体的には、メチルアクリレ―ト、スチレン、酢
酸ビニルなどが用いられる。この(b3)成分は、単量体混
合物中、29.8〜0重量%、好ましくは24.5〜0
重量%の割合で使用される。
【0018】上記のアゾ系重合開始剤としては、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビ
ス−2−メチルブチロニトリル、4,4′−アゾビス−
4−シアノバレリアン酸、2,2′−アゾビス(2−メ
チルプロピオン酸)ジメチルなどが用いられる。このよ
うなアゾ系重合開始剤を用いたラジカル重合により付加
重合を行うと、その付加重合性や残存モノマ―の低減に
好ましい結果が得られ、また、過酸化ベンゾイルのよう
な有機過酸化物やその他のラジカル重合開始剤を用いて
付加重合を行つたときよりも、開始剤の分解物が加熱発
生ガス成分として粘着剤中に残留しにくいという利点が
ある。このアゾ系重合開始剤の使用量としては、単量体
混合物100重量部あたり、0.02〜0.5重量部、
好ましくは0.03〜0.3重量部とするのがよい。
【0019】本発明の粘着剤組成物は、通常は、上記
A成分のポリエステル系重合体と上記B成分のアクリル
系重合体を別々に合成したのち、両者を塊状または溶液
状で混合することにより、調製することができる。しか
し、場合によつては、一方の重合体中で他方を重合さ
せるといつた方法で調製してもよいし、また、両者を
同時に重合するといつた方法で調製してもよい。
【0020】これらの調製方法において、A成分のポリ
エステル系重合体とB成分のアクリル系重合体とは、両
者の合計量中、A成分のポリエステル系重合体が50〜
98重量%、好ましくは60〜90重量%であり、B成
分のアクリル系重合体が50〜2重量%、好ましくは4
0〜10重量%となるようにするのがよい。A成分のポ
リエステル系重合体が98重量%を超える、つまりB成
分のアクリル系重合体が2重量%未満となると、初期粘
着性が悪くなり、B成分のポリエステル系重合体が50
%未満となる、つまりB成分のアクリル系重合体が50
重量%を超えると、粘着特性や剥離ライナの剥離性の低
下を招くことになる。
【0021】本発明の粘着剤組成物は、上記A成分のポ
リエステル系重合体と上記B成分のアクリル系重合体と
を主成分とし、通常はこれを架橋処理して、粘着特性に
すぐれたものとすることができる。架橋処理は、架橋剤
として、ポリイソシアネ―ト化合物、エポキシ化合物、
アジリジン化合物などを加えて、これと上記の両重合体
に含まれる水酸基などの官能基と反応させればよい。架
橋剤としては、ポリイソシアネ―ト化合物が最も好まし
い。また、本発明の粘着組成物には、必要により粘着付
与剤、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などの粉
体、粒子状物、箔状物などの従来公知の各種の添加剤を
含ませることができる。
【0022】本発明の粘着シ―ト類は、ポリエステルフ
イルムなどの各種のプラスチツクフイルム、紙、不織
布、発泡体、金属箔、これらの積層物などを支持体とし
て、この支持体の片面または両面に上記の粘着剤組成物
からなる層を片面で通常10〜150μmの厚さに設け
て、シ―ト状やテ―プ状などの形態としたものであり、
その粘着面、つまり上記粘着剤組成物からなる層の表面
には、表面保護や取り扱い性の点より、剥離ライナが貼
り合わされる。
【0023】剥離ライナには、シリコ―ン処理していな
い剥離ライナを使用でき、とくに、ポリオレフイン系フ
イルムが好ましく用いられる。ポリオレフイン系フイル
ムには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテン、エチレン−プロピレン共重合体またはこれらの
混合物からなるフイルム、表面が上記同様のポリオレフ
インで加工されたフイルムなどを使用することができ
る。
【0024】このように作製される本発明の粘着シ―ト
類は、すぐれた粘着特性を発揮し、初期粘着性にもすぐ
れているため、通常の粘着用途はもちろんのこと、瞬間
的な接着が必要な用途、たとえば、高速連続接着作業や
接着後ただちに応力がかかるような用途に対しても、十
分に使用できる。また、ポリエステル系重合体とともに
使用するアクリル系重合体が酸性基を実質的に含まず、
しかも両重合体に含まれる残存モノマ―やその他の揮発
性成分が少なく、さらに粘着面に貼り合わせる剥離ライ
ナがシリコ―ン処理を施していない剥離ライナであつて
も、良好な剥離性が得られるため、粘着面へのシリコ―
ンの移行の心配もなく、したがつて、酸成分、残存モノ
マ―やシロキサンガスなどの揮発性成分による影響のな
い接着材料として、電子機器用途などにも、問題なく使
用することができる。
【0025】
【実施例】つぎに、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明の範囲は以下の実施例によりなんら
制限を受けるものではない。なお、以下において、部と
あるのは重量部を意味するものとする。
【0026】実施例1 撹拌機、温度計および水分離管を付した四つ口セパラブ
ルフラスコに、液状のポリカ―ボネ―トジオ―ル〔ダイ
セル化学工業(株)製の商品名「PLACCEL CD
220PL」、水酸基価:56.1KOHmg/g〕25
0部、セバシン酸26.6部、触媒としてチタニウムテ
トライソプロポキシド(以下、TPTという)0.1部
を仕込み、反応水排出溶剤としての少量のトルエンとキ
シレンの存在下、撹拌を開始しながら180℃まで昇温
し、この温度で保持した。しばらくすると水の流出分離
が認められ、反応が進行し始めた。約25時間反応を続
けて、重量平均分子量が3.8万のポリエステル系重合
体A1を得た。
【0027】これとは別に、冷却管、窒素導入管、温度
計および撹拌装置を備えた反応容器に、トルエン100
部を溶媒として、アクリル酸2−エチルヘキシル40
部、アクリル酸ブチル47部、メタクリル酸メチル9
部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル4部、2,2−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部を入れ、窒素気流中
で重合し、重量平均分子量が40万のアクリル系重合体
B1の溶液を得た。
【0028】つぎに、上記ポリエステル系重合体A1の
溶液と、上記のアクリル系重合体B1の溶液とを、ポリ
エステル系重合体A1(固形分)80部あたりアクリル
系重合体B1(固形分)20部となるように、混合し、
これにさらに架橋剤としてトリメチロ―ルプロパンのト
リレンジイソシアネ―ト付加物(日本ポリウレタン社製
の商品名「コロネ―トL)3部(固形分)を加えて、混
合し、粘着剤組成物の溶液とした。この粘着剤組成物の
溶液を、アプリケ―タ―にて、厚さが38μmのポリエ
チレンテレフタレ―トフイルム(以下、PETフイルム
という)上に塗布し、120℃で3分間乾燥して、厚さ
が30μmの粘着剤組成物の層を形成した。その粘着面
に、剥離ライナとして厚さが150μmのポリエチレン
フイルムを貼り合わせて、粘着テ―プを作製した。
【0029】実施例2 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反
応容器に、酢酸エチル150部を溶媒として、アクリル
酸2−エチルヘキシル40部、アクリル酸ブチル48
部、エチルアクリレ―ト8部、アクリル酸4−ヒドロキ
シブチル4部、2,2アゾビスイソブチロニトリル0.
2部を入れ、窒素気流中で重合し、重量平均分子量が6
0万のアクリル系重合体B2の溶液を得た。
【0030】つぎに、実施例1で得たポリエステル系重
合体A1の溶液と、上記のアクリル系重合体B2の溶液
とを、ポリエステル系重合体A1(固形分)80部あた
りアクリル系重合体B2(固形分)20部となるよう
に、混合し、これにさらに架橋剤としてトリメチロ―ル
プロパンのトリレンジイソシアネ―ト付加物(日本ポリ
ウレタン社製の商品名「コロネ―トL」)3部(固形
分)を加えて、混合し、粘着剤組成物の溶液とした。こ
の粘着剤組成物の溶液を用いて、以下、実施例1と同様
にして、粘着テ―プを作製した。
【0031】比較例1 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反
応容器に、トルエン100部を溶媒として、アクリル酸
イソノニル40部、アクリル酸ブチル47部、メタクリ
ル酸メチル9部、アクリル酸2−ヒドロキシブチル4
部、過酸化ベンゾイル0.2部を入れ、窒素気流中で重
合し、重量平均分子量が45万のアクリル系重合体Cの
溶液を得た。
【0032】つぎに、実施例1で得たポリエステル系重
合体A1の溶液に、上記のアクリル系重合体Cの溶液
を、ポリエステル系重合体A1(固形分)80部あたり
アクリル系重合体C(固形分)20部となるように、混
合し、これにさらにトリメチロ―ルプロパンのトリレン
ジイソシアネ―ト付加物(日本ポリウレタン社製の商品
名「コロネ―トL」)3部(固形分)を加えて、混合
し、粘着剤組成物の溶液とした。この粘着剤組成物の溶
液を用いて、以下、実施例1と同様にして、粘着テ―プ
を作製した。
【0033】比較例2 実施例1で得たポリエステル系重合体A1の溶液と、同
アクリル系重合体B1の溶液とを、ポリエステル系重合
体A1(固形分)40部あたりアクリル系重合体B1
(固形分)60部となるように、混合し、これにさらに
架橋剤としてトリメチロ―ルプロパンのトリレンジイソ
シアネ―ト付加物(日本ポリウレタン社製の商品名「コ
ロネ―トL」)3部(固形分)を加えて、混合し、粘着
剤組成物の溶液とした。この粘着剤組成物の溶液を用い
て、以下、実施例1と同様にして、粘着テ―プを作製し
た。
【0034】比較例3 実施例1で得たポリエステル系重合体A1の溶液に、ポ
リエステル系重合体A1(固形分)100部あたり、架
橋剤としてトリメチロ―ルプロパンのトリレンジイソシ
アネ―ト付加物(日本ポリウレタン社製の商品名「コロ
ネ―トL」)3部(固形分)を加えて、混合し、粘着剤
組成物の溶液とした。この粘着剤組成物の溶液を用い
て、以下、実施例1と同様にして、粘着テ―プを作製し
た。
【0035】上記の実施例1,2および比較例1〜3の
各粘着テ―プについて、以下の方法により、初期(貼り
付け10秒後)および常態(貼り付け30分後)での粘
着力、剥離ライナの剥離力、加熱発生ガス量の測定を行
つた。これらの測定結果は、下記の表1に示されるとお
りであつた。
【0036】<粘着力の測定>粘着テ―プを20mm×1
00mmの大きさに切断し、23℃,65%RHの雰囲気
中で、粘着テ―プから剥離ライナを引き剥がして、被着
体としてのアルミ板に2kgロ―ラ1往復の条件で圧着し
た。10秒後(初期)および30分後に、剥離速度30
0mm/分の条件で、180°剥離粘着力(N/20mm
幅)を測定して、それぞれ、初期粘着力および常態での
粘着力とした。
【0037】<剥離ライナの剥離力の測定>粘着テ―プ
を50mm×100mmの大きさに切断し、支持体であるP
ETフイルム側を両面テ―プによりステンレス板に固定
したのち、23℃,65%RHの雰囲気中で、粘着テ―
プから剥離ライナを引張り速度300mm/分の条件で剥
離したときの剥離力(N/50mm幅)を測定した。
【0038】<加熱発生ガス量の測定>粘着テ―プの剥
離ライナを取り除き、秤量後、バ―ジ&トラツプヘツド
スペ―スサンプラにより、試料を120℃で10分加熱
し、このとき発生したガスを、−120℃でコ―ルド・
トラツプした。このトラツプ(発生ガス)成分について
ガスクロマトグラフ/質量分析計による測定を行つた。
【0039】
【0040】上記の表1の結果から明らかなように、本
発明の実施例1,2の両粘着テ―プは、初期および常態
での粘着力が大きく、しかも剥離ライナの剥離性を満足
し、残存モノマ―やその他の揮発性成分に起因した加熱
発生ガスが少ないものであることがわかる。また、これ
らの両粘着テ―プは、アクリル系重合体が酸性分を実質
的に含まず、さらにシリコ―ン処理を施していない剥離
ライナを使用しているために、粘着面へのシリコ―ンの
移行のおそれがなく、酸成分による悪影響やシロキサン
ガスの発生による問題も全くないものであることが確認
された。
【0041】これに対し、単量体組成およびラジカル重
合開始剤が本発明のものとは異なるアクリル系重合体を
使用した比較例1の粘着テ―プは、加熱発生ガスが多く
なつている。また、本発明のポリエステル系重合体とア
クリル系重合体とを用いているが、両者の使用割合が本
発明の範囲外である比較例2の粘着テ―プは、剥離ライ
ナの剥離性に劣つている。さらに、本発明のポリエステ
ル系重合体のみを使用した比較例3の粘着テ―プは、初
期粘着性が不十分となつている。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、分子
内にカ―ボネ―ト結合を有する特定のポリエステル系重
合体と、酸成分を実質的に含有しない特定のアクリル系
重合体とを、特定量組み合わせて使用したことにより、
良好な粘着特性を発揮する、とくに初期粘着性を満足す
るとともに、上記特定のポリエステル系重合体の働きに
より、ポリエチレンフイルムなどのシリコ―ン処理を施
していない剥離ライナを用いても十分な剥離性が得ら
れ、そのためにシロキサンガスの発生がみられず、しか
もこのポリエステル系重合体はもちろん、上記特定のア
クリル系重合体にも、未反応物としての残存モノマ―や
その他の揮発性成分がほとんど含まれておらず、またこ
のアクリル系重合体には酸成分が実質的に含まれていな
いことから、シロキサンガスや残存モノマ―などの揮発
性成分に起因した気密性の低下が起こりにくい、また上
記揮発性成分や酸成分による電子機器内部の腐食や誤動
作の心配のない粘着剤組成物とその粘着シ―ト類を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 立巳 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA02 AA10 AA15 AB01 CA02 CA06 CA08 CB01 CB02 CB03 CB04 CC02 DA02 DB02 EA05 FA05 4J040 DF041 DF042 DF051 DF052 ED051 GA05 HC18 JA09 JB09 KA12 LA06 NA19 QA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)脂肪族系ポリカ―ボネ―トジオ―ル
    を必須のポリオ―ル成分としたポリエステル系重合体5
    0〜98重量%と、B)(b1)式:CH2 =CR1 COO
    2 (式中、R1 は水素またはメチル基、R2 は直鎖状
    または分枝状のアルキル基で、R1 とR2 の炭素数の和
    は2〜8である)で表される(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステルと、(b2)水酸基を含有するモノエチレン性不
    飽和単量体とを必須とした単量体混合物をアゾ系重合開
    始剤により共重合させてなる、酸成分を実質的に含有し
    ないアクリル系重合体50〜2重量%とからなることを
    特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 B成分のアクリル系重合体は、(b1)成分
    の(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.8
    重量%と、(b2)成分の水酸基を含有するモノエチレン性
    不飽和単量体10〜0.2重量%と、(b3)成分として酸
    性基を含有しない沸点が180℃以下であるモノエチレ
    ン性不飽和単量体29.8〜0重量%とからなる単量体
    混合物を、この単量体混合物100重量部あたり、アゾ
    系重合開始剤0.02〜0.5重量部を使用して、共重
    合させてなるものである請求項1に記載の粘着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 支持体の片面または両面に請求項1また
    は2に記載の粘着剤組成物からなる層を有することを特
    徴とする粘着シ―ト類。
  4. 【請求項4】 粘着面にシリコ―ン処理を施していない
    剥離ライナが貼り合わされてなる請求項3に記載の粘着
    シ―ト類。
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