JP2006213790A - 金属面貼付用感圧性接着シート類及び金属面を有する物品 - Google Patents

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Kazutaka Sakaitani
和香 堺谷
Shinji Iguchi
伸児 井口
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Abstract

【課題】 金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる金属面貼付用感圧性接着シート類を提供する。
【解決手段】 粘着剤層が下記のa〜c成分を下記の割合で含み且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含まない単量体混合物の共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物からなることを特徴とする金属面貼付用感圧性接着シート類。
a:下記式(I)
CH2=C(R1)COOR2 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基を示す)で表されるアクリル系単量体50〜98重量%
b:下記式(II)
【化1】
Figure 2006213790

(式中、R3は水素原子又は1価の有機基を示す)で表されるマレイミド化合物2〜50重量%
c:上記a成分及びb成分と共重合可能な他の単量体0〜30重量%
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属面貼付用感圧性接着シート類および金属面を有する物品に関し、より詳細には、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる金属面貼付用感圧性接着シート類、および該金属面貼付用感圧性接着シート類が貼付された金属面を有する物品に関する。
近年、電子ディスプレイ等の光学機器や、デジタル万能ディスク等の光学的記録ディスク(光学的記録媒体)などの光学的製品の普及が著しく、その構成中には感圧性接着シート類(粘着シート類)を用いた部分が多く使用されるようになってきている。例えば、プラズマディスプレイなどでは、前面板に電磁波シールド層が装着されており、この電磁波シールド層に粘着シートが直接貼付されている。また、デジタル万能ディスクの場合、データを含んだディスク(基板)部分が光学読み取り装置で読めるようになっており、このディスクは金属被覆面を有しており、これらのディスクを接合する際に粘着剤を利用することがある(特許文献1参照)。しかしながら、このような金属被覆面に粘着剤を適用する場合、従来の粘着剤を用いると、時間の経過と共に粘着剤のベースポリマーの構造単位に含まれるカルボキシル基等の酸性基によって金属面の腐食が発生する場合がある。このように金属面が腐食すると、電磁波遮断や光学的記録等の本来の機能に悪影響が及ぶことになる。また、カルボキシル基等の酸性基を含まないベースポリマーを主成分とする粘着剤組成物を用いると、熱が加わった条件や高湿度下では接着強度の低下によって剥がれが生じたり、接着自体が不可能になる場合がある。
また、最近、無線LANなどの普及に伴い、窓材に電磁波シールド層を設けるケースも表れてきている。この電磁シールド層の装着には、貼り合わせ時に水貼りを行う場合もある。また、結露なども生じる可能性もある。そのため、窓材に電磁波シールド層を装着する際に用いる感圧性接着シートとしては、水が介在した際にも粘着力が低下しないという特性を有していることが望まれる。
特開2003−501296号公報
従って、本発明の目的は、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる金属面貼付用感圧性接着シート類、および該金属面貼付用感圧性接着シート類が貼付された金属面を有する物品を提供することにある。
本発明の他の目的は、金属面に対して直接に貼付しても、経時で変色や変質が生じず、透明で粘着特性が良好な金属面貼付用感圧性接着シート類、および該金属面貼付用感圧性接着シート類が貼付された金属面を有する物品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、加熱及び加湿の条件下でも、優れた粘着特性および光学特性を保持することができる金属面貼付用感圧性接着シート類、および該金属面貼付用感圧性接着シート類が貼付されている金属面を有する物品を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、感圧性接着シート類を構成する粘着剤層を、アクリル系単量体と特定構造のマレイミド化合物とを特定の割合で含む単量体混合物の共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物で形成すると、該ベースポリマー中にアクリル酸等のカルボキシル基含有共重合性単量体に対応する構造単位が含まれていなくても、粘着特性、光学特性及び耐熱耐湿性に優れ、しかも金属面に直接貼付しても金属面の腐食を長期間にわたり生じさせないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、金属面に直接貼付するための感圧性接着シート類であって、該感圧性接着シート類を構成する粘着剤層が、下記のa〜c成分を下記の割合で含み且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含まない単量体混合物の共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物からなることを特徴とする金属面貼付用感圧性接着シート類を提供する。
a:下記式(I)
CH2=C(R1)COOR2 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基を示す)
で表されるアクリル系単量体50〜98重量%
b:下記式(II)
Figure 2006213790
(式中、R3は水素原子又は1価の有機基を示す)
で表されるマレイミド化合物2〜50重量%
c:上記a成分及びb成分と共重合可能な他の単量体0〜30重量%
粘着剤層としては、60℃、95%RHで500時間の加熱・加湿処理の前後において、全光線透過率が何れも90%以上、ヘイズ値が何れも10%以下であり、且つ前記加熱・加湿処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下である粘着剤層であるのが好ましい。
本発明は、また、金属面に、直接、前記の金属面貼付用感圧性接着シート類が貼り合わせられていることを特徴とする金属面を有する物品を提供する。
前記金属面貼付用感圧性接着シート類が貼り合わされる金属面は金属薄膜層表面であってもよい。また、金属面を有する物品として、例えば、金属薄膜層を有する電子ディスプレイ、デジタル万能ディスク又は窓材が挙げられる。
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類によれば、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる。具体的には、金属面に対して直接に貼付しても、経時で変色や変質が生じず、透明で粘着特性が良好である。しかも、加熱及び加湿の条件下でも、優れた粘着特性および光学特性を保持することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類(金属面貼付用粘着シート類)においては、該感圧性接着シート類を構成する粘着剤層(感圧性接着剤層)が、前記a〜c成分を前記特定の割合で含み且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含まない単量体混合物の共重合体(アクリル系ポリマー)をベースポリマーとする粘着剤組成物により構成されている。前記金属面貼付用感圧性接着シート類は、粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤のベースポリマーを構成する単量体成分中に、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルに対する共重合性単量体成分として、特定構造のマレイミド化合物が含まれ、且つカルボキシル基含有単量体(好ましくは、酸性基含有共重合性単量体)が含まれていないので、金属面に対して腐食(変色、変質等)を生じさせることなく、優れた粘着特性を発揮することができ、しかも、光学特性も良好とすることができる。
a成分はアクリル系粘着剤のベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーを構成する単量体主成分である。a成分において、式(I)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基を示す。炭素数2〜14のアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、テトラデシル基などが挙げられる。R2の炭素数が2未満となると、ガラス転移温度(Tg)が高くなり、粘着剤(感圧性接着剤)としての濡れ性が低下し、初期接着性(タック性)が悪くなる。また、R2の炭素数が14を超えると粘着力が劣り好ましくない。
a成分である(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシルなどが挙げられる。
a成分は単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。a成分の量は単量体全体の50〜98重量%であり、好ましくは60〜97重量%である。a成分の量が50重量%未満では、Tgの低い成分の含有量が少なくなり、粘着剤としての性能を発揮できなくなる。a成分の量が98重量%を超えると、その分、b成分の絶対量が不足して、接着性能及び耐湿特性を両立させることができなくなる。
前記b成分において、式(II)中、R3は水素原子又は1価の有機基を示す。1価の有機基としては、重合性や粘着特性等を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ラウリル基等のアルキル基(例えばC1-14アルキル基等);シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(例えば3〜12員のシクロアルキル基等);フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基などが含まれる。前記置換基としては、例えば、メチル基等のアルキル基(C1-4アルキル基等)、メトキシ基等のアルコキシ基(C1-4アルコキシ基等)、塩素原子等のハロゲン原子、ニトロ基などが挙げられる。置換基を有する炭化水素基の代表的な例として、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基などが挙げられる。
b成分であるマレイミド化合物の代表的な例として、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−(2−エチルヘキシル)マレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが挙げられる。
b成分のマレイミド化合物は単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。b成分の量は単量体全体の2〜50重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。b成分の量が2重量%未満では高温多湿の雰囲気下での接着特性の改善効果が得られない。また、b成分の量が50重量%を超えると、粘着剤として望まれる低いTgを保持し得なくなり、初期の接着性が不十分となる。
本発明においては、上記のa成分及びb成分のほかに、これらと共重合可能な他の単量体をc成分として使用することもできる。c成分としてはカルボキシル基を含有しておらず(より好ましくは酸性基を含有しておらず)、前記a成分及びb成分と共重合可能な単量体であれば特に制限されず、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等のヒドロキシル基含有共重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有共重合性単量体;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のアルコキシ基含有共重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミド類等のアミド基含有共重合性単量体;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル窒素含有複素環化合物;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有共重合性単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系共重合性単量体;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのα−オレフィン系共重合性単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有共重合性単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系共重合性単量体;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系共重合性単量体;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の複素環含有(メタ)アクリル酸エステル;フッ素(メタ)アクリレート等のハロゲン原子含有共重合性単量体;シリコーン(メタ)アクリレート等のケイ素原子含有共重合性単量体;(メタ)アクリル酸メチル等のa成分以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーなどが挙げられる。
c成分としては、ヒドロキシル基含有共重合性単量体、エポキシ基含有(特にグリシジル基含有)共重合性単量体、ビニルエステル系共重合性単量体を好適に用いることができ、特に、ヒドロキシル基含有共重合性単量体が好適である。
c成分は、単量体全体の30重量%以下、好ましくは25重量%以下の範囲で、その1種又は2種以上が用いられる。c成分の量が30重量%を超えると、アクリル系ポリマーとしての性能が発現しにくくなったり、粘着剤としての特性のバランスを取りにくくなる。
本発明においては、共重合体(アクリル系ポリマー)を形成するための単量体混合物はカルボキシル基含有共重合性単量体(より好ましくは酸性基含有共重合性単量体)を含まない。本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、粘着剤のベースポリマー構造中にカルボキシル基を有しないので、金属面が腐食されず、被着体の電磁波遮断機能や光記録等の機能を損なわない。また、粘着剤のベースポリマー構造中にカルボキシル基を有しなくても、前記a成分及びb成分に対応する構造単位を特定量有しているため、十分な粘着特性及び湿熱特性が発揮される。
なお、カルボキシル基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基含有共重合性単量体以外の酸性基含有共重合性単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イコタン酸などのカルボキシル基含有共重合性単量体の無水物;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有共重合性単量体;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有共重合性単量体などが挙げられる。
共重合体(アクリル系ポリマー)を得るための重合方法としては、例えば、アゾ系化合物(アゾ系開始剤)や過酸化物(過酸化物系開始剤)などの重合開始剤を用いて行う重合方法(溶液重合方法、エマルジョン重合方法や塊状重合方法など)、光開始剤を用いて光や放射線を照射して行う重合方法などを採用することができ、アゾ系開始剤を用いて行う重合方法が好適である。なお、重合開始剤において、アゾ系開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどが挙げられ、過酸化物系開始剤としては、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなどが挙げられる。また、光開始剤として、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系開始剤;ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル系開始剤;ベンジルジメチルケタール等のケタール系開始剤;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどが挙げられる。
重合開始剤の使用量は、特に制限されず、例えば、単量体成分の総量100重量部に対して、0.01〜2重量部(好ましくは0.02〜1重量部)程度である。
本発明では、前記単量体成分を用いて重合させて得られたアクリル系ポリマーはそのまま乾燥させて用いてもよく、また、アクリル系ポリマーを架橋させることにより硬化させて用いてもよい。アクリル系ポリマーを架橋させることにより、剥離ライナーの剥離性および粘着性に加えて、耐熱性等の耐久性にも好結果が得られる。アクリル系ポリマーの架橋方法としては、特に制限されず、任意の架橋方法を利用することができるが、いわゆる架橋剤を用いる方法が望ましい。なお、アクリル系ポリマーの架橋は粘着剤層の形成の際や、形成後に行うことができる。
前記架橋剤としては、従来公知のものを用いることができるが、ポリイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物、メラミン系化合物が好ましく、特にポリイソシアネート系化合物が好適である。また、前記多官能モノマーを内部架橋剤として利用することもできる。架橋剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。なお、ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの二重体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネート系化合物の使用量は、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部(好ましくは0.05〜15重量部)程度である。
粘着剤層を形成するための粘着剤(アクリル系粘着剤)は前記アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有している。粘着剤には、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、公知乃至慣用の粘着付与樹脂(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤が挙げられる。これらの添加剤の使用量は、いずれも粘着剤に適用される通常の量でよい。
アクリル系粘着剤としては、その調製過程でいかなる形態も取りうるが、取り扱い性の面で、溶剤系、エマルション系、ホットメルト系、光重合系などの形態で用いることが好ましい。アクリル系粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、前記アクリル系粘着剤により形成された粘着剤層(以下、「金属面貼付用粘着剤層」と称する場合がある)を有している。この金属面貼付用粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。金属面貼付用粘着剤層の厚みとしては、高透明性等を損なわない範囲であれば特に制限されないが、例えば、1〜200μm(好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは1〜50μm)程度の範囲から選択することができる。
なお、金属面貼付用粘着剤層の形成方法は、特に制限されない。例えば、慣用のコーター(グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いて、アクリル系粘着剤を所定の面(例えば、剥離ライナーの剥離面や基材表面など)に塗布することにより該粘着剤層を形成することができる。
金属面貼付用感圧性接着シート類としては、前記金属面貼付用粘着剤層を有していれば、その構成は特に制限されない。具体的には、金属面貼付用感圧性接着シート類としては、例えば、(1)金属面貼付用粘着剤層のみから形成された構成の基材レス両面感圧性接着シート類、(2)基材の少なくとも一方の面に金属面貼付用粘着剤層が形成され且つ基材の両面側に粘着面が形成された構成の基材付き両面感圧性接着シート類、(3)基材の一方の面に金属面貼付用粘着剤層が形成された構成の基材付き感圧性接着シート類などが挙げられる。
なお、金属面貼付用感圧性接着シート類が基材付き両面感圧性接着シート類である場合、基材の両面の粘着剤層が何れも金属面貼付用粘着剤層であってもよく、基材の一方の面の粘着剤層が金属面貼付用粘着剤層であり、基材の他方の面の粘着剤層が金属面貼付用粘着剤層以外の粘着剤層(以下、「非金属面貼付用粘着剤層」と称する場合がある)であってもよい。
また、金属面貼付用感圧性接着シート類は、ロール状に巻回された形態で形成されていてもよく、シートが積層された形態で形成されていてもよい。すなわち、本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、シート状、テープ状などの形態を有することができる。なお、金属面貼付用感圧性接着シート類がロール状に巻回された感圧性接着テープは、例えば、金属面貼付用粘着剤層などの粘着剤層を、セパレータや基材の背面側に形成された剥離処理層により保護した状態でロール状に巻回することにより作製することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、前処理、各種製造プロセス段階、製品使用中などで高温高湿度下にさらされても、高透明性を維持することができる。具体的には、金属面貼付用感圧性接着シート類における金属面貼付用粘着剤層としては、60℃且つ95%RHで500時間の加熱・加湿処理の前後において、全光線透過率が何れも90%以上、ヘイズ値が何れも10%以下であり、さらに、前記加熱・加湿処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下である特性を有することができる。金属面貼付用粘着剤層が、このような特性を有していると、高温・高湿度の熱・湿度履歴を受けても、優れた光学特性を効果的に保持することができる。具体的には、金属面貼付用粘着剤層は、高温、高湿度下に晒されても、黄変がなく透明性が維持(保持)されており、また色相の変化が少ないという特性を発揮することができる。
具体的には、金属面貼付用粘着剤層は、60℃且つ95%RHで500時間の加熱・加湿処理の前後において、全光線透過率が何れも90%以上(好ましくは95%以上)という特性を有することができる。また、60℃且つ95%RHで500時間の加熱・加湿処理の前後において、ヘイズが何れも10%以下(好ましくは5%以下)という特性を有することができる。
さらに、金属面貼付用粘着剤層は、60℃且つ95%RHで500時間の加熱・加湿処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下(0〜0.5)[好ましくは0.3以下(0〜0.3)]という特性を有することができる。前記色差(ΔE*ab)が0.5以下であるということは、色の変化が極めて少なく色が僅かに異なる程度のレベルであることを意味している。
なお、本発明において、金属面貼付用粘着剤層の全光線透過率、ヘイズ、色差(ΔE*ab)は、以下の測定方法により測定される値である。
(全光線透過率・ヘイズの測定方法)
感圧性接着シート(粘着シート)[例えば、面積:40mm×40mm]の粘着剤層(例えば、厚み25μm)の一方の粘着面をスライドガラス(商品名「スライドガラス白縁磨」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせ、他方の粘着面を露出した状態で、濁度計(装置名「ヘーズメーターHM−150」、村上色彩技術研究所製)を用い、JIS K7361、JIS K7136に準じて、全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定する。
(色差(ΔE*ab)の測定方法)
感圧性接着シート(粘着シート)の粘着剤層の一方の粘着面をスライドガラス(商品名「スライドガラス白縁磨」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせ、他方の粘着面を露出した状態で、積分球式分光透過率測定器(装置名「DOT−3」、村上色彩技術研究所製)を用いて、L***表色系で、L*、a*、b*を測定する(光源:ハロゲンランプ、波長:390〜730nm)。この測定を、加熱・加湿処理前と、加熱・加湿処理後の各サンプルについて行い、得られたL*、a*、b*の値から、加熱・加湿処理の前後の色差(ΔE*ab)を、下記式を用いて算出する。
ΔE*ab=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
(ここで、ΔL*は加熱・加湿処理の前後のL*値の差を意味している。Δa*は加熱・加湿処理の前後のa*値の差を意味している。Δb*は加熱・加湿処理の前後のb*の値の差を意味している)
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、前記構成(1)の金属面貼付用感圧性接着シート類、すなわち、金属面貼付用粘着剤層のみから形成された構成の基材レス両面感圧性接着シート類が好適である。このような基材レス両面感圧性接着シート類は、剥離ライナー上に金属面貼付用粘着剤層が形成された形態を有していることが好ましい。
前記剥離ライナーとしては、粘着テープ又はシート用の剥離ライナーとして用いられているものであれば特に制限されず、公知乃至慣用の剥離ライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、両面が剥離面となっているものであってもよく、何れか一方の面のみが剥離面となっているものであってもよい。
剥離ライナーの具体例としては、例えば、剥離処理剤からなる剥離処理剤層が剥離ライナー用の基材(例えば、和紙、洋紙、グラシン紙などの紙類;不織布、布などの繊維質材料による基材;ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、金属蒸着プラスチックフィルムなど)の表面に形成された剥離ライナー、それ自体が剥離性の高いプラスチックフィルム[例えば、ポリエチレン(線状低密度ポリエチレン等)、ポロプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体(ブロック共重合体またはランダム共重合体)の他、これらの混合物からなるポリオレフィン系樹脂によるポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなど]による剥離ライナー、前記剥離性の高いプラスチックフィルムの素材(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂や、テフロン(登録商標)など)を、各種基材(例えば、金属箔、プラスチックフィルムなど)にラミネート又はコーティングして得られる剥離ライナーなどが挙げられる。
前記剥離処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤などの公知の剥離処理剤が挙げられる。これらの剥離処理剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。なお、剥離ライナーの両面が剥離処理剤により形成されている場合、両剥離面を形成するための剥離処理剤は、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
なお、基材を有する感圧性接着シート類の粘着剤層表面を前記剥離ライナーで被覆、保護することもできる。
金属面貼付用感圧性接着シート類が基材を有している場合[すなわち、前記構成(2)の基材付き両面感圧性接着シート類や、前記構成(3)の基材付き感圧性接着シート類である場合]、基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。基材としては優れた透明性を有しているものを用いることが望ましい。
基材の厚さは、例えば、1〜1000μm(好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm)程度であるが、これらに限定されない。基材は単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
基材の表面は、金属面貼付用粘着剤層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤や剥離剤等によるコーティング処理等が施されていてもよい。
また、金属面貼付用感圧性接着シート類は、金属面貼付用粘着剤層以外の粘着剤層を有している場合[すなわち、前記構成(2)の基材付き両面感圧性接着シート類において、非金属面貼付用粘着剤層が用いられている場合]、非金属面貼付用粘着剤層は、公知の感圧性粘着剤(例えば、他のアクリル系感圧性粘着剤、ゴム系感圧性粘着剤、ビニルアルキルエーテル系感圧性粘着剤、シリコーン系感圧性粘着剤、ポリエステル系感圧性感圧性粘着剤、ポリアミド系感圧性粘着剤、ウレタン系感圧性粘着剤、フッ素系感圧性粘着剤、エポキシ系感圧性粘着剤など)を用いて、公知の感圧性粘着層の形成方法を利用して形成することができる。また、非金属面貼付用粘着剤層の厚みは、特に制限されず、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、前記構成を有しているので、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる。従って、金属面を有する被着体における金属面に直接貼付するための感圧性接着シート類として好適に用いることができる。
本発明の金属面を有する物品は、金属面を有しており、該金属面に、直接に、前記金属面貼付用感圧性接着シート類が、少なくとも部分的に(部分的に又は全面的に)貼り合わせられている。このような金属面を有する物品において、金属面貼付用感圧性接着シート類が貼り合わせられる被着体(「金属面含有被着体」と称する場合がある)としては、少なくとも部分的に金属面を有していれば特に制限されない。このような金属面含有被着体において、金属面が形成されている部位は、感圧性接着シート類を直接貼付することが可能な部位であれば特に制限されず、外側の面であってもよく、また、内側の面などであってもよい。なお、1つの金属面含有被着体に金属面が複数形成されている場合、これらの複数の金属面は同一の金属材料により形成された面であってもよく、異なる金属材料により形成された面であってもよい。
前記金属面含有被着体における金属面は、金属材料により形成された金属面含有被着体の表面であってもよく、また、各種材料により形成された基材(又は構造体)の表面に形成された金属層表面(特に、金属薄膜層表面)であってもよい。金属面は、いずれにせよ、金属材料による表面であればよい。
前記金属薄膜層等の金属層は、各種材料により構成された基材(又は構造体)の表面の所定の部位に形成することができる。このような金属層において、金属薄膜層の厚みとしては、金属面含有被着体の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1μm以上であってもよい。なお、金属薄膜層の厚みの上限としては、一般的に薄膜層とみなされる厚みであれば特に制限されない。
金属面を形成するための金属材料としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、鉄、チタン、白金、ニッケルなどの金属単体による金属材料;金合金(例えば、金−銅合金など)、銅合金(例えば、銅−亜鉛合金(真鍮)、銅−アルミニウム合金など)、アルミニウム合金(例えば、アルミニウム−モリブデン合金、アルミニウム−タンタル合金、アルミニウム−コバルト合金、アルミニウム−クロム合金、アルミニウム−チタン合金、アルミニウム−白金合金など)、ニッケル合金(例えば、ニッケル−クロム合金、銅−ニッケル合金、亜鉛−ニッケル合金など)、スズ合金、ステンレス等の各種合金による金属材料などが挙げられる。金属材料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、金属材料は、金属元素のみを含有する金属材料であってもよく、金属元素とともに非金属元素を含有する金属材料[例えば、金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物(塩化物など)、オキソ酸塩(硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩など)等の金属系化合物]であってもよい。
具体的には、金属面含有被着体としては、例えば、少なくとも部分的に金属面(金属薄膜層面等)を有している窓材又は該窓材を構成するための部材や、金属薄膜層により形成された電磁波シールド層を有する光学的製品又は該光学的製品を構成するための部材などが挙げられる。電磁波シールド層を有する光学的製品としては、例えば、電子ディスプレイ(プラズマディスプレイなど)等の光学機器や、デジタル万能ディスク等の光学的に記録可能なディスク(光学的記録ディスク)などが挙げられる。
前記光学的記録ディスクとしては、いわゆる「DVD」、「CD」などが挙げられる。このような光学的記録ディスクにおいて、DVDには、いわゆる「DVD−ROM」、「DVD−RAM」、「DVD−R」、「DVD−RW(「DVD−RW+」、「DVD−RW-」を含む)」、「DVR」などの形態のDVDが含まれる。また、CDには、いわゆる「CD−ROM」、「CD−RAM」、「CD−R」、「CD−RW」などの形態のCDが含まれる。なお、これらの光学的記録ディスクでは、電磁波シールド層である金属薄膜層の厚みは、一般的に5〜50μm程度であるが、100μm程度となっているものもある。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロート、撹拌装置を備えた反応容器に、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部、溶媒として酢酸エチル:100重量部、単量体成分としてアクリル酸n−ブチル:80重量部、N−シクロヘキシルマレイミド:20重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート:1重量部を入れ、窒素還流を室温にて1時間行った後、反応容器内の単量体成分を含むモノマー組成物溶液の温度を60℃に昇温し、窒素気流中で、4時間重合を行った。その後、80℃に昇温して2時間熟成を行い、アクリル系重合体の溶液を得た。このアクリル系重合体の溶液に、架橋剤として、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートアダクト体(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製)を2重量部(固形分)添加して粘着剤組成物とした。この粘着剤組成物をアプリケーターを用いて、シリコーン系剥離剤による剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム(剥離ライナー;厚さ38μm)の剥離面上に塗布し、130℃で3分間乾燥して、厚さが25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、シリコーン系剥離剤による剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム(剥離ライナー;厚さ38μm)を貼り合わせて粘着シートを得た。
実施例2
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸n−ブチル:80重量部、N−フェニルマレイミド:20重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート:1重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例1
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸n−ブチル:80重量部、N−ビニルピロリドン:20重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート:1重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例2
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸n−ブチル:95重量部、アクリル酸:5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
評価試験
実施例1〜2及び比較例1〜2で作製された粘着シートについて、下記の腐食性評価方法、粘着力測定方法、全光線透過率及びヘイズの測定方法、色差の測定方法により、腐食性、粘着性、透明性(全光線透過率、ヘイズ、色差)を評価した。評価結果は表1に示した。
(腐食性評価方法)
粘着シートの一方の側の剥離ライナーを剥がして、透明なポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ:25μm)に貼り合わせ、さらに、他方の側の剥離ライナーを剥がして、銅箔(厚さ:80μm)貼り合わせた後、60℃×95%RHの雰囲気下で5日間保存した。その後、目視で、ポリエチレンテレフタレート製フィルム側から銅箔の表面を観察して、粘着シートが貼り合わせられている銅箔の表面の腐食の有無を確認した。
(粘着力測定方法)
粘着シートの一方の側の剥離ライナーを剥がして、ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ:25μm)に貼り合わせ、幅20mm、長さ100mmに切断した後、他方の側の剥離ライナーを剥がして、ガラス板に貼り合わせた。ガラス板に貼付してから30分後、180°ピール粘着力を測定した。また、ガラス板に貼付してから60℃×95%RHの雰囲気下に120時間保存したものについても、180°ピール粘着力を測定した。なお、180°ピール粘着力の測定条件は、剥離角度:180°、引張速度:300mm/分、温度:23℃、湿度:50%RHであり、ガラス板より、ポリエチレンテレフタレート製フィルムに貼り合わせられた粘着シートを剥離することにより、180°ピール粘着力を測定した。
(全光線透過率及びヘイズの測定方法)
粘着シートを40mm×40mmに切断し、一方の側の剥離ライナーを剥がして、スライドガラス(商品名「スライドガラス白縁磨」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせて、加熱・加湿処理を行わずに測定するための処理前用評価サンプルを作製した。その後、他方の側の剥離ライナーを取り除き、濁度計(装置名「ヘーズメーターHM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準じて、全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定した。
また、粘着シートを40mm×40mmに切断し、一方の側の剥離ライナーを剥がして、スライドガラス(商品名「スライドガラス白縁磨」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせて、加熱・加湿処理を行ってから測定するための加熱・加湿処理後用評価サンプルを作製した。加熱・加湿処理後用評価サンプルについては、60℃×95%RHの雰囲気下で500時間保存した後、他方の側の剥離ライナーを剥がし、濁度計(装置名「ヘーズメーターHM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準じて、全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定した。
なお、処理前用評価サンプル、および加熱・加湿処理後用評価サンプルの各評価サンプルは、スライドガラス/粘着剤層の層構成を有しており、測定された全光線透過率(%)及びヘイズ(%)の数値には、スライドガラスの全光線透過率(%)やヘイズ(%)も含まれている。
(色差の測定方法)
粘着シートを、前記全光線透過率及びヘイズの測定方法と同様にして、加熱・加湿処理を行わずに測定するための処理前用評価サンプルを作製した。その後、他方の側の剥離ライナーを取り除き、積分球式分光透過率測定器(装置名「DOT−3」、村上色彩技術研究所製)を用いて、L***表色系で、L*、a*、b*を調べた(光源:ハロゲンランプ、波長:390〜730nm)。
また、粘着シートを、前記全光線透過率及びヘイズの測定方法と同様にして、加熱・加湿処理を行ってから測定するための加熱・加湿処理後用評価サンプルを作製した。加熱・加湿処理後用評価サンプルについては、60℃×95%RHの雰囲気下で500時間保存した後、他方の側の剥離ライナーを取り除き、処理前用評価サンプルと同様にして、L***表色系で、L*、a*、b*を調べた。
得られたL*、a*、b*の値から、加熱・加湿処理前後の色差(ΔE*ab)を、下記式を用いて算出した。
ΔE*ab=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
(ここで、ΔL*は加熱・加湿処理の前後のL*の値の差を意味している。Δa*は加熱・加湿処理の前後のa*の値の差を意味している。Δb*は加熱・加湿処理の前後のb*の値の差を意味している。)
Figure 2006213790
表1より明らかなように、実施例の粘着シートは粘着特性に優れ、光学特性が良好である。特に、加熱・加湿下で保存しても粘着力が低下しないという特性を有する。また、粘着剤層を構成するベースポリマー中にカルボキシル基含有単量体の構造単位を含まないので、金属面(特に金属薄膜層表面)を腐食させない。

Claims (5)

  1. 金属面に直接貼付するための感圧性接着シート類であって、該感圧性接着シート類を構成する粘着剤層が、下記のa〜c成分を下記の割合で含み且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含まない単量体混合物の共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物からなることを特徴とする金属面貼付用感圧性接着シート類。
    a:下記式(I)
    CH2=C(R1)COOR2 (I)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基を示す)
    で表されるアクリル系単量体50〜98重量%
    b:下記式(II)
    Figure 2006213790
    (式中、R3は水素原子又は1価の有機基を示す)
    で表されるマレイミド化合物2〜50重量%
    c:上記a成分及びb成分と共重合可能な他の単量体0〜30重量%
  2. 粘着剤層が、60℃、95%RHで500時間の加熱・加湿処理の前後において、全光線透過率が何れも90%以上、ヘイズ値が何れも10%以下であり、且つ前記加熱・加湿処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下である粘着剤層である請求項1記載の金属面貼付用感圧性接着シート類。
  3. 金属面に、直接、請求項1又は2記載の金属面貼付用感圧性接着シート類が貼り合わせられていることを特徴とする金属面を有する物品。
  4. 金属面貼付用感圧性接着シート類が貼り合わされる金属面が金属薄膜層表面である請求項3記載の金属面を有する物品。
  5. 金属面を有する物品が金属薄膜層を有する電子ディスプレイ、デジタル万能ディスク又は窓材である請求項3又は4記載の金属面を有する物品。
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