JP5403859B2 - 金属面貼付用感圧性接着シート類 - Google Patents
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(a)成分:下記式(1)で表されるアクリル系単量体
CH2=C(R1)COOR2 (1)
(式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数が2〜14のアルキル基を示す。)
(b)成分:下記式(2)で表されるマレイミド系化合物
(c)成分:カルボキシル基を含有しておらず、且つ(a)成分および(b)成分と共重合が可能なヒドロキシル基含有共重合性単量体
(d)成分:カルボキシル基を含有しておらず、且つ(a)成分、(b)成分および(c)成分と共重合が可能な他の単量体
尚、本明細書には上記発明の他に、金属面に直接貼付するための感圧性接着シート類であって、該感圧性接着シート類を構成する粘着剤層が、上記の(a)成分を、単量体成分全量に対して50〜97.99重量%の割合で含み、上記の(b)成分を、単量体成分全量に対して2〜49.99重量%の割合で含み、上記の(c)成分を、単量体成分全量に対して0.01〜5重量%の割合で含んでいるとともに、カルボキシル基含有共重合性単量体を含まない単量体混合物による共重合体をベースポリマーとし、且つ架橋剤としてイソシアネート系化合物および金属キレート系化合物を含有している粘着剤組成物により形成されていることを特徴とする金属面貼付用感圧性接着シート類についても記載する。
(a)成分:下記式(1)で表されるアクリル系単量体
CH2=C(R1)COOR2 (1)
(式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数が2〜14のアルキル基を示す。)
(b)成分:下記式(2)で表されるマレイミド系化合物
(c)成分:カルボキシル基を含有しておらず、且つ(a)成分および(b)成分と共重合が可能なヒドロキシル基含有共重合性単量体
(a)成分は、前記式(1)で表されるアクリル系単量体(「アクリル系単量体(a)」と称する場合がある)である。前記式(1)において、R2に係る炭素数が2〜14のアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基などが挙げられる。R2の炭素数が2未満であると、得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)が高くなり、それにより、粘着剤(感圧性接着剤)としての濡れ性が低下し、初期接着性(タック性)が悪くなる。また、R2の炭素数が14を超えると、粘着剤の粘着力が劣り好ましくない。
(b)成分は、前記式(2)で表されるマレイミド系化合物(「マレイミド系化合物(b)」と称する場合がある)である。前記式(2)において、R3に係る1価の有機基としては、重合性や粘着特性等を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基などが挙げられる。炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基等のアルキル基(例えば、炭素数が1〜14のアルキル基等);シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(例えば3〜12員環のシクロアルキル基等);フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基などが含まれる。前記置換基としては、例えば、メチル基等のアルキル基(例えば、炭素数が1〜4のアルキル基等)、メトキシ基等のアルコキシ基(例えば、炭素数が1〜4のアルコキシ基等)、塩素原子等のハロゲン原子、ニトロ基などが挙げられる。置換基を有する炭化水素基の代表的な例として、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基などが挙げられる。
(c)成分は、カルボキシル基を含有しておらず、且つアクリル系単量体(a)およびマレイミド系化合物(b)と共重合が可能なヒドロキシル基含有共重合性単量体(「ヒドロキシル基含有共重合性単量体(c)」と称する場合がある)である。具体的には、ヒドロキシル基含有共重合性単量体(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシイソプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールビニルアルコール、アリルアルコール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル;クロトン酸2−ヒドロキシエチル等のクロトン酸ヒドロキシアルキル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−エチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
本発明では、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物に係るベースポリマーとしての共重合体における単量体混合物が、アクリル系単量体(a)、マレイミド系化合物(b)およびヒドロキシル基含有共重合性単量体(c)とともに、さらに、下記の(d)成分を含んでいてもよい。
(d)成分:カルボキシル基を含有しておらず、且つアクリル系単量体(a)、マレイミド系化合物(b)およびヒドロキシル基含有共重合性単量体(c)と共重合が可能な他の単量体(「共重合性単量体(d)」と称する場合がある)
粘着剤層を形成するための粘着剤組成物におけるベースポリマーとしての共重合体は、前記単量体成分[アクリル系単量体(a)、マレイミド系化合物(b)、ヒドロキシル基含有共重合性単量体(c)、必要に応じて共重合性単量体(d)]を所定の割合で含んでいる単量体混合物の重合(共重合)により得られるアクリル系共重合体である。このようなベースポリマーとしての共重合体(「アクリル系共重合体」と称する場合がある)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着剤層を形成するための粘着剤組成物は、ベースポリマーとして、前記単量体成分[アクリル系単量体(a)、マレイミド系化合物(b)、ヒドロキシル基含有共重合性単量体(c)、必要に応じて共重合性単量体(d)]を所定の割合で含んでいる単量体混合物の重合(共重合)により得られるアクリル系共重合体を含有している。粘着剤組成物には、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、公知乃至慣用の粘着付与樹脂(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤が挙げられる。これらの添加剤の使用量は、いずれも粘着剤に適用される通常の量でよい。
本発明の金属面貼付用感圧性接着シート類は、前記粘着剤組成物により形成された粘着剤層(「金属面貼付用粘着剤層」と称する場合がある)を有している。金属面貼付用粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。金属面貼付用粘着剤層の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、1〜200μm(好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは1〜50μm)の範囲から適宜選択することができる。
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロート、攪拌装置を備えた反応容器に、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部、溶媒として酢酸エチル:100重量部、単量体成分としてアクリル酸n−ブチル:85重量部、N−シクロヘキシルマレイミド:15重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート:1重量部を入れ、窒素環流を室温にて1時間行った。その後、反応容器内の単量体成分を含むモノマー組成物溶液の温度を60℃に昇温し、窒素気流中で、5.5時間重合を行い、アクリル系共重合体の溶液を得た。このアクリル系共重合体の溶液に、架橋剤として、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製;表1中「架橋剤A」と称する)を0.4重量部(固形分)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(商品名「アルミキレートA(W)」川研ファインケミカル社製;表1中「架橋剤C」と称する)を0.1重量部(固形分)、それぞれ、添加して、粘着剤組成物(「粘着剤A」と称する場合がある)とした。
表1に示されるように、架橋剤として、イソホロンジイソシアネート(商品名「タケネートD−140N」三井武田ファインケミカル社製;表1中「架橋剤B」と称する)を0.4重量部(固形分)用いるとともに、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(商品名「アルミキレートA(W)」川研ファインケミカル社製;表1中「架橋剤C」)を0.1重量部(固形分)用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤B」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸n−ブチル:90重量部、N−シクロヘキシルマレイミド:10重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート:1重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリル系共重合体の溶液を調製した。
表1に示されるように、架橋剤として、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製;表1中「架橋剤A」)を0.3重量部(固形分)用いるとともに、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(商品名「アルミキレートA(W)」川研ファインケミカル社製;表1中「架橋剤C」)を0.1重量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤D」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
表1に示されるように、架橋剤として、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製;表1中「架橋剤A」)を0.4重量部(固形分)用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤E」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Eを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
表1に示されるように、架橋剤として、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(商品名「アルミキレートA(W)」川研ファインケミカル社製;表1中「架橋剤C」)を0.1重量部(固形分)用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤F」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Fを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
実施例1〜4及び比較例1〜2で作製された粘着シートに関して、作製した直後の粘着シートと、作製後に50℃で1日間保存した後の粘着シートとについて、下記のゲル分率測定方法により、粘着剤層のゲル分率を求め、粘着特性を評価した。また、実施例1〜4及び比較例1〜2で作製された粘着シートについて、下記の腐食性評価方法により、腐食性を評価した。測定結果又は評価結果は表1に示した。
剥離ライナー上に粘着剤組成物を塗布し、130℃で3分間乾燥して粘着剤層(厚さ:25μm)を形成した後、粘着剤層上に剥離ライナーを貼り合わせて作製した直後の粘着シートを評価用サンプルAとする。また、評価用サンプルAを、50℃で1日間保存した後の粘着シートを評価用サンプルBとする。
ゲル分率(重量%)=[(C−A)/B]×100
粘着シートの一方の側の剥離ライナーを剥がして、透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm)に貼り合わせ、さらに、他方の側の剥離ライナーを剥がして、銅箔(厚さ:80μm)に貼り合わせた後、60℃×95%RHの雰囲気下で250時間保存した。その後、目視で、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から銅箔の表面を観察して、粘着シートが貼り合わせられている銅箔の表面の腐食の有無(変色の有無)を確認し、変色しておらず腐食がない場合を「○」とし、変色しており腐食がある場合を「×」として評価した。
Claims (3)
- 金属面に直接貼付するための感圧性接着テープ又はシートであって、該感圧性接着テープ又はシートを構成する粘着剤層が、下記の(a)成分を、単量体成分全量に対して50〜97.99重量%の割合で含み、下記の(b)成分を、単量体成分全量に対して2〜49.99重量%の割合で含み、下記の(c)成分を、単量体成分全量に対して0.01〜5重量%の割合で含んでいるとともに、カルボキシル基含有共重合性単量体を含まない単量体混合物による共重合体をベースポリマーとし、且つ架橋剤として前記ベースポリマーとしての共重合体100重量部に対して0.01〜15重量部のイソシアネート系化合物および前記ベースポリマーとしての共重合体100重量部に対して0.05〜0.2重量部の金属キレート系化合物を含有している粘着剤組成物により形成されていることを特徴とする金属面貼付用感圧性接着テープ又はシート。
(a)成分:下記式(1)で表されるアクリル系単量体
CH2=C(R1)COOR2 (1)
(式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数が2〜14のアルキル基を示す。)
(b)成分:下記式(2)で表されるマレイミド系化合物
(c)成分:カルボキシル基を含有しておらず、且つ(a)成分および(b)成分と共重合が可能なヒドロキシル基含有共重合性単量体 - 粘着剤層を形成するための粘着剤組成物に係るベースポリマーとしての共重合体における単量体混合物が、(a)成分、(b)成分および(c)成分とともに、さらに、下記の(d)成分を、単量体成分全量に対して30重量%以下の割合で含んでいる請求項1記載の金属面貼付用感圧性接着テープ又はシート。
(d)成分:カルボキシル基を含有しておらず、且つ(a)成分、(b)成分および(c)成分と共重合が可能な他の単量体 - 金属面が、金属箔表面または金属薄膜層表面である請求項1又は2記載の金属面貼付用感圧性接着テープ又はシート。
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