JP2010217227A - 感圧接着剤組成物及び光学部材表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 反応性水酸基を有するアクリル系共重合体(A)、有機チタニウムオキサイド化合物(B)およびイソシアネ−ト化合物(C)を含むアクリル系感圧接着剤組成物及び概アクリル系感圧接着剤組成物を粘着層としてなる光学部材表面保護フィルムにより前記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
(a1) 下記一般式(1)、
H2C=CHCOOR1
(1)
(ここでR1は、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル〔以下、アクリル酸エステル(a1)又は単に単量体(a1)ということがある〕、及び
(a2) 分子内に水酸基を有する単量体 〔以下、水酸基含有単量体(a2)又は単に単量体(a2)ということがある〕、及び
99.9重量%、好ましくは90.0〜99.5重量%の範囲であるのがよい。アクリル酸エステル(a1)の共重合量が該上限値以下であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行った場合でも光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなく表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましく、一方該下限値以上であれば、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
下記一般式(2)で示される単量体である請求項1または請求項2記載のアクリル系感圧接着剤組成物が好ましい。
(a2) H2C=CHCOO(CH2)nOH (2)
(n=2〜5)
具体例としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、などを挙げることができ、これらの中でも、高速剥離の時の剥離力が上がり過ぎない点から、特に4-ヒドロキシブチルアクリレートの使用が好ましい。これら単量体(a2)は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
ガラス転移温度(Tg)
下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1) アクリル系共重合体溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状のアクリル系共重合体を得る。
(2) 厚さ約0.05mmアルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型のセルに (1)で得た試料約10mgを秤量したものを測定試料とする。
(3) セイコー電子工業(株)製SSC−5000型示差走査熱量計(Differential
Scanning Calorimeter)を用い、−150℃から昇温速度10℃/minで測定する。
なお本明細書における上記重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の値には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、定法に従って測定された値が用いられる。
このような有機過酸化物としては、例えば、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ-i-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシビバレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-α-クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられ、アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビス-i-ブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリルなどを挙げることができる。
このような連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、p-ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノンなどのベンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘導体;四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-クロロ-1-プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒドなどのアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレンなどのテルペン類;などを挙げることができる。
アルコキシチタン化合物とは、たとえばテトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ-n-プロポキシチタン、テトラ-i-プロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テトラ-i-ブトキシチタン、テトラ-t-ブトキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム-i-プロポキシオクチレングリコレートが、チタンキレート化合物とは、たとえばジ-i-プロポキシチタンビス(アセトネート)、ジ-i-プロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジ-n-ブトキシチタンビス(アセトネート)、ジ-n-ブトキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジ-i-プロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などが上げられる。
有機チタニウムオキサイド化合物(B)がチタン(Ti)重量換算で0.001重量部以上であれば養生時間を短縮することができ、0.05重量部未満であれば感圧接着剤組成物の乾燥・硬化により有機チタニウムオキサイド化合物が析出することなく、透明性に優れる光学部材表面保護フィルムが得られる。
本発明で使用することのできるイソシアネート化合物(C)としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、該芳香族ポリイソシアネート化合物の水素添加物等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート;それらポリイソシアネートの2量体もしくは3量体又はそれらポリイソシアネートと、トリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体などの各種ポリイソシアネートに由来するポリイソシアネート化合物を挙げることができるが、これらのイソシアネート化合物の中では、なじみ性の点からヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI系イソシアネート)が好ましく、中でも架橋速度の点からHMDI系のイソシアネートのトリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体が特に好ましい。
すなわち、光学部材に対する23℃での180度ピールの接着力は、剥離速度0.3m/min(低速剥離)において接着力(剥離力)が0.05N/25mm以上、好ましくは0.08N/25mm以上特に好ましくは0.10N/25mm以上であるのがよく、低速剥離の接着力が0.05N/25mm未満であるとめくれやずれが発生しやすいので好ましくない。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名;E5001;東洋紡績(株)製〕上に乾燥後の塗工量が20g/m2となるように、感圧接着剤組成物を塗布し、100℃で60秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥して感圧接着剤層を形成した後、シリコーン系離型剤で表面処理されたPET上に、該感圧接着剤層面が接するように載置し、加圧ニップロールを通して圧着して貼り合わせた後、23℃、50%RHで10日間養生を行って試験用表面保護フィルムを得た。
前(1)項により作製した試験用表面保護フィルムの透明性を目視により評価した。
(評価基準)
○ :フィルムは透明である
× :むら、
にごり等が認められる。
前(1)項により作製した試験用表面保護フィルムを25mm×150mmにカットしたのち、この表面保護フィルム片を、卓上ラミネート機を用いて、アンチグレア処理された偏光フィルム〔商品名;SQ−1852AP−AG6;住友化学工業(株)製〕に圧着して試験サンプルとした。このサンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間放置(コンディショニング処理)した後、180゜剥離における接着力を剥離速度0.3m/min(低速剥離条件)及び30m/min(高速剥離条件)でそれぞれ測定した。
前(3)項で試験した試験サンプルの剥離後の偏光フィルムの表面状態を観察した。
○:表面に糊残り等の異常は観察されない。
×:表面に糊残り等の異常が観察される。
前(1)項により作製した試験用表面保護フィルムを200mm×150mmにカットしたのち、アンチグレア処理された偏光フィルム〔商品名;SQ−1852AP−AG6;住友化学工業(株)製〕に23℃、50%RHの条件下で中心部分より貼り合せ、自然重力により濡れ広がる時間を測定した。
○:端部まで完全になじむ時間が45秒以内である。
△:端部まで完全になじむ時間が45−60秒以内である。
×:端部まで完全になじむ60秒以上または、端部まで完全になじまない。
前(1)項により作製した試験用表面保護フィルムを60mm×80mmにカットしたのち、この表面保護フィルム片を、前(3)項と同様にして同じ2種の偏光フィルムに圧着した。次に、市販の感圧接着剤組成物〔ニッセツQ−1851:日本カーバイド工業(株)製〕を用いて前(1)項と同様にして離型紙上に厚さ約25μmの感圧接着剤層を形成し、この感圧接着剤層をそれぞれの偏光フィルムの背面に転写させた後、これらを、卓上ラミネート機を用いて厚さ約2mmのガラス板に圧着して試験サンプルとした。このサンプルを、23℃、50%RHでの条件下で1週間放置した後、オートクレーブ処理(70℃、490kPa 、30分)を行なった後、この試験サンプルの表面保護フィルム側の表面から目視観察により、表面保護フィルムの感圧接着剤層の、気泡の発生、剥がれの状態を評価した。評価基準は次の通りである。
(評価基準)
◎ :気泡の発生が全く認められない。
○ :試験サンプルのワク部分(幅約5mm)に気泡発生が多少認められる。
△ :試験サンプルのワク部分(幅約5mm)に気泡発生が認められるが、剥がれはない。
× :試験サンプルの全面に気泡発生が認められる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名;E5001;東洋紡(株)製)上に乾燥後の塗布量が20g/m2となるように、粘着剤組成物を塗布し、70℃×5m/秒×1分間熱風乾燥機にて乾燥して粘着剤層を形成した後、シリコーン系剥離剤で表面処理された離型フィルム(PET)上に該粘着剤層が接するように載置し、加工ニップロールを通して圧着、貼り合わせて接着試験試料を作成した。
23℃×65%RHで養生を行い、養生1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後の接着力を測定した。当回の接着力と次回の接着力の差が当回の接着力の5%以内となった日数を必要養生時間とした。
なお。養生時間測定時の接着力測定は以下の方法で実施した。
ステンレス板に25mm×200mmの接着力試験試料を2kgローラー1往復で貼り合わせ、0.3m/minの剥離速度で、JIS Z0237粘着テープ・粘着シート試験方法に準じて粘着力を測定した。
[製造例1]
単量体として2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)95.0重量%、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)5.0重量部の割合で2EHA及び4HBAの単量体を計量して、混合し、単量体混合液Aを400重量部作成した。
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反応器内に、計量した単量体混合液Aの17%、酢酸エチル440重量部、トルエン120重量部及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル0.8重量部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら酢酸エチルの還流温度まで加熱し、還流状態で20分反応を進める。その後、残りの単量体混合液の全量、酢酸エチル400重量部及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル0.9重量部を均一に混合した混合液を、90分かけて酢酸エチルの還流状態で反応器内に等速度で逐次添加した。更に120分間還流状態に温度を維持した後、トルエン300重量部及びアゾビスイソブチロニトリル3.0重量部を均一に混合した混合液を60分かけて酢酸エチルの還流状態で反応容器内に等速度で逐次添加した。更に90分間還流状態に温度を維持した後、酢酸エチル225重量部とトルエン620重量部を反応容器内に添加して、アクリル系共重合体Aを得た。
アクリル系共重合体A及びBの物性値を表1に示す。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
AA : アクリル酸
[製造例1]
有機チタニウムオキサイド化合物としてナーセムチタン(日本化学産業(株)製:Tiを8.9重量%含む)を2重量部をトルエン98部を加え、触媒溶液C(ナーセムチタンのトルエン溶液)を得た。
ジブチルスズジラウレート(DBTDL)0.1部をトルエン9.9部に溶解した溶液10部にアセチルアセトン30部を加え、触媒溶液D(ジブチルアセチルアセトン錫錯体溶液)を得た。
不揮発分を35%に調整したアクリル系共重合体溶液A 100重量部に触媒溶液C 3重量部(Ti重量換算で0.0053重量部)を加えた。これに架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを1.86重量部加え、これらの混合物をよく攪拌して、均一にして感圧接着剤組成物の溶液を得た。
上記感圧接着剤組成物の溶液を用い、前記の試験用感圧接着シートの作成方法に従って試験用表面保護フィルムを作成し、前記の各種物性試験を行った。得られた結果を表2に示す。
表1に示すアクリル系共重合体を用い、表2に示す量の触媒溶液Cとヘキサメチレンジイソシアネートを加えて得られた感圧接着剤組成物の溶液を、前記の試験用感圧接着シートの作成方法に従って試験用表面保護フィルムを作成し、前記の各種物性試験を行った。得られた結果を表3に示す。
実施例1において、触媒溶液Cの代わりに触媒溶液Dを3重量部(DBTDLとして0.0075重量部)用いた以外は実施例1と同様にして感圧接着剤組成物の溶液を得た。
実施例1において、有機チタニウムオキサイド化合物を用いない以外は実施例1と同様にして感圧接着剤組成物の溶液を得た。
Claims (8)
- 反応性水酸基を有するアクリル系共重合体(A)、イソシアネ−ト化合物(B)および有機チタニウムオキサイド化合物(C)を含むアクリル系感圧接着剤組成物及び概アクリル系感圧接着剤組成物を粘着層としてなる光学部材表面保護フィルム。
- アクリル系共重合体(A)が下記単量体(a1)〜(a3)、を共重合してなるものである請求項1記載のアクリル系感圧接着剤組成物。
(a1) 下記一般式(1)、
H2C=CHCOOR1 (1)
(ここでR1は、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル70.0〜99.9重量%
(a2) 分子内に水酸基を有する単量体0.1 〜10重量%、
(a3) 上記単量体(a1)〜(a2)と共重合可能で、該単量体(a1)〜(a2)
以外の共単量体 0〜20.0重量%、〔但し、単量体(a1)〜(a3)の合計を100重量%とする〕
- 水酸基を含有する単量体(a2)が、下記一般式(2)で示される単量体である請求項1または請求項2記載のアクリル系感圧接着剤組成物。
(a2) H2C=CHCOO(CH2)nOH (2)
(n=2〜5) - アクリル系共重合体(A)の固形分100重量部に対してチタン(Ti)重量換算で0.001重量部以上0.05重量部未満の有機チタニウムオキサイド化合物(C)を含む請求項1〜請求項3いずれかに記載のアクリル系感圧接着剤組成物。
- アクリル系共重合体(A)の反応性水酸基の合計を1当量とした時、イソシアネート化合物(C)のイソシアネート基が0.2〜3.0当量の範囲である請求項1〜請求項4いずれかに記載のアクリル系感圧接着剤組成物。
- イソシアネート化合物(C)がHMDI系のイソシアネート化合物である請求項1〜請求項5いずれかに記載のアクリル系感圧接着剤組成物。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の感圧接着剤組成物をポリエチレンテレフタレート基材に塗布した光学部材表面保護フィルムであって光学部材に対する23℃での180度ピールの接着力において、剥離速度0.3m/分における接着力が0.05N/25mm幅以上である光学部材表面保護フィルム。
- 光学部材に対する23℃での180度ピールの接着力において、剥離速度30m/分における接着力が3.0N/25mm幅未満である請求項8に記載の光学部材表面保護フィルム。
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