JP2005325250A - 金属面貼付用感圧性粘着シート類および金属面を有する物品 - Google Patents

金属面貼付用感圧性粘着シート類および金属面を有する物品 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付できる金属面貼付用感圧性粘着シート類を提供する。
【解決手段】 金属面貼付用感圧性粘着シート類は、金属面に直接貼付するための感圧性粘着シート類であって、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルと、窒素原子含有共重合性単量体を含有し且つカルボキシル基含有共重合性単量体(特に、酸性基含有共重合性単量体)を含有していない共重合性単量体成分とにより構成されたアクリル系ポリマーをベースポリマーとしているアクリル系感圧性粘着剤による感圧性粘着剤層を有していることを特徴とする。金属面は金属薄膜層表面であってもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属面貼付用感圧性粘着シート類および金属面を有する物品に関し、より詳細には、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる金属面貼付用感圧性粘着シート類、および該金属面貼付用感圧性粘着シート類が用いられている金属面を有する物品に関する。
近年、電子ディスプレイ等の光学機器や、デジタル万能ディスク等の光学的記録ディスク(光学的記録媒体)などの光学的製品の普及が著しく、その構成中には感圧性粘着シート類を用いた部分が多く使用されるようになってきている。例えば、プラズマディスプレイなどでは、前面板に電磁波シールド層が装着されており、この際、電磁波シールド層に粘着シートが直接貼付されている。また、デジタル万能ディスクの場合、データを含んだディスク(基板)部分が光学読み取り装置で読めるようになっており、このディスクは金属被覆面を有しており、これらのディスクを接合する際に、粘着剤を利用する事がある(特許文献1参照)。
特開2003−501296号公報
しかしながら、このような金属被覆面に粘着剤を適用する場合、従来の粘着剤を用いると、時間の経過と共に酸による金属面への腐食が発生する場合がある。このように、金属面が腐食されると、電磁波遮断や、光学的記録等の本来の機能に悪影響が及ぼされることになる。なお、例えば、特開2003−501296号公報には、実質的に金属層を腐食しない粘着剤が提案されているが、そのための条件等については何ら記載がない。
また、特開2002−332468号公報には、モノマー成分として窒素含有モノマーが用いられたコポリマーを備える粘着剤組成物が、開示されているが、該粘着剤組成物は、可塑剤を含有する被着体に対して良好な粘着特性を示す耐可塑剤性粘着剤組成物であり、表面が金属面となっている被着体に対する粘着特性については、何ら記載されていない。
従って、本発明の目的は、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる金属面貼付用感圧性粘着シート類、および該金属面貼付用感圧性粘着シート類が用いられている金属面を有する物品を提供することにある。
本発明の他の目的は、金属面に対して直接に貼付しても、経時で変色や変質が生じず、透明で粘着特性が良好な金属面貼付用感圧性粘着シート類、および該金属面貼付用感圧性粘着シート類が用いられている金属面を有する物品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、加熱及び加湿の条件下でも、優れた粘着特性および光学特性を保持することができる金属面貼付用感圧性粘着シート類、および該金属面貼付用感圧性粘着シート類が用いられている金属面を有する物品を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、粘着剤中に、カルボキシル基含有化合物等の酸成分などが含まれていると、金属面が腐食され、そこで、単純に酸成分のない粘着剤組成物を用いると、熱や湿度が加わった状況下では、接着強度の低下によって、剥がれが生じ、接着自体不可能になる場合があることを見出した。そこで、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、感圧性粘着シート類における感圧性粘着剤層を、特定の組成によるアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系感圧性粘着剤により形成すると、該感圧性粘着シート類は、粘着特性および光学特性が良好であり、しかも、金属面に直接貼付しても金属面の腐食を長期間にわたり生じさせないことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、金属面に直接貼付するための感圧性粘着シート類であって、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルと、窒素原子含有共重合性単量体を含有し且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含有していない共重合性単量体成分とにより構成されたアクリル系ポリマーをベースポリマーとしているアクリル系感圧性粘着剤による感圧性粘着剤層を有していることを特徴とする金属面貼付用感圧性粘着シート類を提供する。
前記アクリル系ポリマーを構成する共重合性単量体成分としては、さらに、カルボキシル基含有共重合性単量体以外の酸性基含有共重合性単量体を含有していないことが好ましい。また、金属面は金属薄膜層表面であることが好ましい。
さらにまた、アクリル系感圧性粘着剤により形成された感圧性粘着剤層は、80℃で500時間の加熱処理、60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理の前後で、全光線透過率が、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後ともに、90%以上であり、また、ヘイズが、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後ともに、10%以下であり、さらに、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下であることが好ましい。
前記窒素原子含有共重合性単量体としては、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体、イミド基含有単量体およびアミノ基含有単量体から選択された少なくとも1種の窒素原子含有共重合性単量体を好適に用いることができる。
前記金属面貼付用感圧性粘着シート類は、感圧性粘着テープ又はシートであることが好ましい。
本発明は、また、金属面を有する物品であって、金属面に、直接に、前記金属面貼付用感圧性粘着シート類が貼り合わせられていることを特徴とする金属面を有する物品を提供する。該金属面を有する物品において、金属面貼付用感圧性粘着シート類が貼り合わせられる被着体が、金属面を有する物品が、少なくとも部分的に金属面を有している窓材、または、金属薄膜層により形成された電磁波シールド層を有する光学的製品を好適に用いることができる。
なお、本発明では、「アクリル・・・」、「メタクリル・・・」を「(メタ)アクリル・・・」として総称する場合がある。従って、例えば、「(メタ)アクリル酸」には、アクリル酸、メタクリル酸が含まれ、「(メタ)アクリル酸エステル」には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが含まれる。また、例えば、「(メタ)アクリルアミド」には、アクリルアミド、メタクリルアミドが含まれ、「(メタ)アクリロニトリル」には、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが含まれる。その他の「(メタ)アクリル」が用いられている化合物名についても同様である。
本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類によれば、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる。具体的には、金属面に対して直接に貼付しても、経時で変色や変質が生じず、透明で粘着特性が良好である。しかも、加熱及び加湿の条件下でも、優れた粘着特性および光学特性を保持することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類は、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルと、窒素原子含有共重合性単量体を含有し且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含有していない共重合性単量体成分とにより構成されたアクリル系ポリマーをベースポリマーとしているアクリル系感圧性粘着剤による感圧性粘着剤層を有している。このような金属面貼付用感圧性粘着シート類としては、前記アクリル系ポリマーを構成する共重合性単量体成分が、さらに、カルボキシル基含有共重合性単量体以外の酸性基含有共重合性単量体を含有していないことが好ましい。前記金属面貼付用感圧性粘着シート類は、感圧性粘着剤層を形成するアクリル系感圧性粘着剤中に、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルに対する共重合性単量体成分として、窒素原子含有共重合性単量体が含まれ、カルボキシル基含有共重合性単量体(好ましくは、酸性基含有共重合性単量体)が含まれていないので、金属面に対して腐食を生じさせることなく、優れた粘着特性を発揮することができ、しかも、光学特性も良好とすることができる。このように、本発明では、感圧性粘着剤層を形成する感圧性粘着剤として、アクリル系感圧性粘着剤が用いられているが、アクリル系感圧性粘着剤のベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーを構成する単量体成分(モノマー成分)として、(メタ)アクリル酸などカルボキシル基含有共重合性単量体(特に、酸性基含有共重合性単量体)を用いていないため、金属面に変色や変質等の腐食を生じさせず、しかも、単量体成分として、窒素原子含有共重合性単量体が用いられているため、優れた粘着特性および光学特性を発揮することができる。
なお、カルボキシル基含有共重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基含有共重合性単量体以外の酸性基含有共重合性単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イコタン酸などのカルボキシル基含有共重合性単量体の無水物;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有共重合性単量体;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有共重合性単量体などが挙げられる。このような酸性基含有共重合性単量体において、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有共重合性単量体は、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルと共重合が可能な共重合性単量体として広く用いられており、特に、金属面に対する粘着特性を向上させるための改質用モノマーとして広く用いられている。
[(メタ)アクリル酸エステル]
前記金属面貼付用感圧性粘着シート類における感圧性粘着剤層を形成するアクリル系感圧性粘着剤において、ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーを構成する単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル]などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルが挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、カルボキシル基を含有していないカルボキシル基非含有(メタ)アクリル酸エステル[なかでも、酸性基を含有していない酸性基非含有(メタ)アクリル酸エステル]であることが重要である。また、前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、窒素原子を含有していない窒素原子非含有(メタ)アクリル酸エステルであることが重要である。
[窒素原子含有共重合性単量体]
前記窒素原子含有共重合性単量体は、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルと共重合が可能な共重合性単量体として用いられている。窒素原子含有共重合性単量体としては、窒素原子を含有し、前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合が可能な単量体であれば特に制限されないが、例えば、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体、イミド基含有単量体、アミノ基含有単量体などが挙げられる。窒素原子含有共重合性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、窒素原子含有共重合性単量体は、カルボキシル基(特に、酸性基)を含有していないことが重要である。
アミド基含有単量体としては、エチレン性不飽和結合及びアミド基(アミド結合を有する基)を有する共重合性単量体であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、アミド基含有(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。前記N−置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−s−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(s−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n―ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド;N,N−ペンタエチレン(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。前記アミド基含有(メタ)アクリル酸エステルには、例えば、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミド)エチル等の(メタ)アクリル酸(N−置換アミド)アルキルなどが含まれる。アミド基含有単量体としては、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド[特に、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド]を好適に用いることができる。
窒素系複素環含有単量体としては、エチレン性不飽和結合及び窒素系複素環(窒素原子を環構成元素として有する複素環)を有する共重合性単量体であれば特に制限されないが、例えば、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル系化合物;N−(メタ)アクリロイルモルホリン等のN−(メタ)アクリロイル系化合物などが挙げられる。窒素系複素環含有単量体としては、N−(メタ)アクリロイル系化合物[特に、N−(メタ)アクリロイルモルホリン]が好適である。
シアノ基含有単量体としては、エチレン性不飽和結合及びシアノ基を有する共重合性単量体であれば特に制限されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
イミド基含有単量体としては、エチレン性不飽和結合及びイミノ基を有する共重合性単量体であれば特に制限されないが、例えば、マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系単量体;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系単量体などが挙げられる。イミド基含有単量体としては、マレイミド系単量体を好適に用いることができる。
アミノ基含有単量体としては、エチレン性不飽和結合及びアミノ基(無置換又は置換アミノ基)を有する共重合性単量体であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノイソプロピル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルや、(メタ)アクリル酸(N−置換)アミノアルキルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸(N−置換)アミノアルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸N−(t−ブチル)アミノエチル等の(メタ)アクリル酸N−アルキルアミノアルキル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルなどが挙げられる。アミノ基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルを好適に用いることができる。
窒素原子含有共重合性単量体としては、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体、イミド基含有単量体が好適であり、なかでもアミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体が好適である。
[改質用共重合性単量体]
本発明では、窒素原子含有共重合性単量体以外の共重合性単量体として、カルボキシル基含有共重合性単量体(特に、酸性基含有共重合性単量体)を除く共重合性単量体(「改質用共重合性単量体」と称する場合がある)を用いることができる。改質用共重合性単量体を用いることにより、アクリル系感圧性粘着剤の各種特性やポリマーの構造などをコントロールすることができる。例えば、改質用共重合性単量体として、カルボキシル基(特に、酸性基)以外の官能基(ヒドロキシル基等の極性基)を有する改質用共重合性単量体を用いると、アクリル系ポリマーに架橋結合を生じさせることができる。なお、改質用共重合性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
このような改質用共重合性単量体としては、カルボキシル基(特に、酸性基)、または窒素原子及びカルボキシル基(特に、酸性基)を含有しておらず、前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合が可能な単量体(共重合性単量体)であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等のヒドロキシル基含有共重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有共重合性単量体;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のアルコキシ基含有共重合性単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系共重合性単量体;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのα−オレフィン系共重合性単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有共重合性単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系共重合性単量体;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系共重合性単量体;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の複素環含有(メタ)アクリル酸;フッ素(メタ)アクリレート等のハロゲン原子含有共重合性単量体;シリコーン(メタ)アクリレート等のケイ素原子含有共重合性単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーなどが挙げられる。
改質用共重合性単量体としては、ヒドロキシル基含有共重合性単量体、グリシジル基含有共重合性単量体、ビニルエステル系共重合性単量体を好適に用いることができ、特に、ヒドロキシル基含有共重合性単量体が好適である。
[アクリル系ポリマー]
アクリル系ポリマーは、前記単量体成分[例えば、(メタ)アクリル酸エステル、窒素原子含有共重合性単量体など]の重合により得ることができる。すなわち、アクリル系ポリマーは、単量体成分として、(メタ)アクリル酸エステルおよび窒素原子含有共重合性単量体が少なくとも用いられたアクリル系共重合体である。アクリル系ポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸エステルは単量体主成分として用いられているので、(メタ)アクリル酸エステルの割合としては、単量体成分全量に対して50重量%以上であることが重要であり、例えば、50〜99重量%(好ましくは55〜90重量%、さらに好ましくは70〜90重量%)の範囲から選択することができる。
また、窒素原子含有共重合性単量体の割合としては、単量体成分全量に対して50重量%未満であることが重要であり、例えば、5重量%以上且つ50重量%未満(好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは10〜30重量%)の範囲から選択することができる。窒素原子含有共重合性単量体の割合が少なすぎると(例えば、5重量%未満であると)、金属面に対する粘着特性が低下し、特に、高温や高湿度の条件下で、接着強度が低下し、金属面貼付用感圧性粘着シート類が金属面から剥がれ易くなる。
さらにまた、改質用共重合性単量体の割合としては、単量体成分全量に対して50重量%未満(好ましくは0.1〜45重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%)の範囲から選択することができる。
アクリル系ポリマーを得るための重合方法としては、例えば、アゾ系化合物(アゾ系開始剤)や過酸化物(過酸化物系開始剤)などの重合開始剤を用いて行う重合方法(溶液重合方法、エマルジョン重合方法や塊状重合方法など)、光開始剤を用いて光や放射線を照射して行う重合方法などを採用することができ、アゾ系開始剤を用いて行う重合方法が好適である。なお、重合開始剤において、アゾ系開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどが挙げられ、過酸化物系開始剤としては、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなどが挙げられる。
重合開始剤の使用量は、特に制限されず、例えば、単量体成分の総量に対して(100モル%に対して)0.01〜2モル%(好ましくは0.02〜1モル%)程度である。
本発明では、前記単量体成分を用いて重合させて得られたアクリル系ポリマーはそのまま乾燥させて用いてもよく、また、アクリル系ポリマーを架橋させることにより硬化させて用いてもよい。アクリル系ポリマーを架橋させることにより、剥離ライナーの剥離性および粘着性に加えて、耐熱性等の耐久性にも好結果が得られる。アクリル系ポリマーの架橋方法としては、特に制限されず、任意の架橋方法を利用することができるが、いわゆる架橋剤を用いる方法が望ましい。なお、アクリル系ポリマーの架橋は、感圧性粘着剤層の形成の際や、形成後に行うことができる。
前記架橋剤としては、従来公知のものを用いることができるが、ポリイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物、メラミン系化合物が好ましく、特にポリイソシアネート系化合物が好適である。架橋剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。なお、ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの二重体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネート系化合物の使用量は、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部(好ましくは0.05〜15重量部)程度である。
[アクリル系感圧性粘着剤]
アクリル系感圧性粘着剤は、前記アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有している。アクリル系感圧性粘着剤には、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、公知乃至慣用の粘着付与樹脂(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤が挙げられる。これらの添加剤の使用量は、いずれも粘着剤に適用される通常の量でよい。
アクリル系感圧性粘着剤としては、その調製過程でいかなる形態も取りうるが、取り扱い性の面で、溶剤系、エマルション系、ホットメルト系、光重合系などの形態で用いることが好ましい。アクリル系感圧性粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
[金属面貼付用感圧性粘着シート類]
本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類は、前記アクリル系感圧性粘着剤により形成された感圧性粘着剤層(「金属面貼付用感圧性粘着剤層」と称する場合がある)を有している。金属面貼付用感圧性粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。金属面貼付用感圧性粘着剤層の厚みとしては、高透明性等を損なわない範囲であれば特に制限されないが、例えば、1〜200μm(好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは1〜50μm)程度の範囲から選択することができる。
なお、金属面貼付用感圧性粘着剤層の形成方法は、特に制限されない。例えば、慣用のコーター(グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いて、アクリル系感圧性粘着剤を所定の面(例えば、剥離ライナーの剥離面や基材表面など)に塗布することにより、金属面貼付用感圧性粘着剤層を形成することができる。
金属面貼付用感圧性粘着シート類としては、前記金属面貼付用感圧性粘着剤層を有していれば、その構成は特に制限されない。具体的には、金属面貼付用感圧性粘着シート類としては、例えば、(1)金属面貼付用感圧性粘着剤層のみから形成された構成の基材レス両面感圧性粘着シート類、(2)基材の少なくとも一方の面に金属面貼付用感圧性粘着剤層が形成され且つ基材の両面側に粘着面が形成された構成の基材付き両面感圧性粘着シート類、(3)基材の一方の面に金属面貼付用感圧性粘着剤層が形成された構成の基材付き感圧性粘着シート類などが挙げられる。
なお、金属面貼付用感圧性粘着シート類が基材付き両面粘着シート類である場合、基材の両面に形成された感圧性粘着剤層(粘着剤層)が金属面貼付用感圧性粘着剤層であってもよく、基材の一方の面に形成された感圧性粘着剤層が金属面貼付用感圧性粘着剤層であり且つ基材の他方の面に形成された感圧性粘着剤層が金属面貼付用感圧性粘着剤層以外の感圧性粘着剤層(「非金属面貼付用感圧性粘着剤層」と称する場合がある)であってもよい。金属面貼付用感圧性粘着シート類が、非金属面貼付用感圧性粘着剤層を有している場合、該非金属面貼付用感圧性粘着剤層は、金属面に対して用いないことが重要である。
また、金属面貼付用感圧性粘着シート類は、ロール状に巻回された形態で形成されていてもよく、シートが積層された形態で形成されていてもよい。すなわち、本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類は、シート状、テープ状などの形態を有することができる。従って、金属面貼付用感圧性粘着シート類には、感圧性粘着テープまたは感圧性粘着シート(感圧性粘着テープ又はシート)などが含まれる。なお、金属面貼付用感圧性粘着シート類がロール状に巻回された形態を有している場合(感圧性粘着テープである場合)、例えば、金属面貼付用感圧性粘着剤層などの感圧性粘着剤層を、セパレータや基材の背面側に形成された剥離処理層により保護した状態でロール状に巻回することにより作製することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類は、前処理、各種製造プロセス段階、製品使用中などで高温下及び/又は高湿度下にさらされても、高透明性を維持することができる。具体的には、金属面貼付用感圧性粘着シート類における金属面貼付用感圧性粘着剤層としては、80℃で500時間の加熱処理、60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理の前後で、全光線透過率が、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後ともに、90%以上であり、また、ヘイズが、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後ともに、10%以下であり、さらに、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下である特性を有することができる。金属面貼付用感圧性粘着剤層が、このような特性を有していると、高熱による熱履歴及び/又は高湿度による湿度履歴を受けても、優れた光学特性を効果的に保持することができる。具体的には、金属面貼付用感圧性粘着剤層は、高温下や高湿度下に晒されても、黄変がなく透明性が維持(保持)されており、また色相の変化が少ないという特性を発揮することができる。
具体的には、金属面貼付用感圧性粘着剤層は、80℃で500時間の加熱処理、60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理の前、および前記加熱処理、加湿処理の各処理の後の両方とも、全光線透過率が90%以上(好ましくは95%以上)の特性を有することができる。
また、金属面貼付用感圧性粘着剤層は、80℃で500時間の加熱処理、60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理の前、および前記加熱処理、加湿処理の各処理の後の両方とも、ヘイズが10%以下(好ましくは5%以下)の特性を有することができる。
さらに、金属面貼付用感圧性粘着剤層は、80℃で500時間の加熱処理、60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理の前と、前記加熱処理、加湿処理の各処理の後とにおける色差(ΔE*ab)が0.5以下(0〜0.5)[好ましくは0.3以下(0〜0.3)]の特性を有することができる。前記色差(ΔE*ab)が0.5以下であるということは、色の変化が極めて僅かに異なるレベルであることを意味している。
なお、本発明において、金属面貼付用感圧性粘着剤層の全光線透過率、ヘイズ、色差(ΔE*ab)は、以下の測定方法により測定される値である。
(全光線透過率・ヘイズの測定方法)
厚さ25μmの金属面貼付用感圧性粘着剤層(面積:40mm×40mm)を形成し、その金属面貼付用感圧性粘着剤層の両面に、それぞれ、スライドガラス(商品名「スライドガラス品番S」MATSUNAMI社製;水縁磨タイプ)を貼り合わせたもの(すなわち、ガラス/金属面貼付用感圧性粘着剤層/ガラスの層構成を有するもの)を評価用サンプルとする。濁度計(装置名「ヘーズメーターHM−150」村上色彩技術研究所製)を用い、JIS K7361、JIS K7136に準じて、評価用サンプルの全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定する(加熱処理前)。その後、評価用サンプルに、(a)80℃で500時間の加熱処理、(b)60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理を施した後、前記と同様にして、評価用サンプルの全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定する(加熱処理後、または加湿処理後)。
(色差(ΔE*ab)の測定方法)
前記全光線透過率・ヘイズの測定方法で作製した評価用サンプル(加熱処理前の評価用サンプル)と同様の評価用サンプルについて、積分球式分光透過率測定器(装置名「DOT−3」村上色彩技術研究所製)を用いて、L***表色系で、L*、a*、b*を測定する(光源:ハロゲンランプ、波長:390〜730nm)(加熱処理前)。その後、評価用サンプルに、(a)80℃で500時間の加熱処理、(b)60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理を施した後、前記と同様にして、評価用サンプルのL*、a*、b*を測定する(加熱処理後、または加湿処理後)。
得られたL*、a*、b*の値から、加熱処理、加湿処理の各処理の前後の色差(ΔE*ab)を、下記式を用いて計算する。
ΔE*ab=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
(ここで、ΔL*は加熱処理、加湿処理の各処理の前後のL*の値の差を意味している。Δa*は加熱処理、加湿処理の各処理の前後のa*の値の差を意味している。Δb*は加熱処理、加湿処理の各処理の前後のb*の値の差を意味している。)
本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類は、前記構成(1)の金属面貼付用感圧性粘着シート類、すなわち、金属面貼付用感圧性粘着剤層のみから形成された構成の基材レス両面感圧性粘着シート類が好適である。このような基材レス両面感圧性粘着シート類は、剥離ライナー上に金属面貼付用感圧性粘着剤層が形成された形態を有していることが好ましい。
前記剥離ライナーとしては、粘着テープ又はシート用の剥離ライナーとして用いられているものであれば特に制限されず、公知乃至慣用の剥離ライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、両面が剥離面となっているものであってもよく、何れか一方の面のみが剥離面となっているものであってもよい。従って、金属面貼付用感圧性粘着シート類は、金属面貼付用感圧性粘着剤層の一方の面に、両面が剥離面となっている剥離ライナーが積層され、且つロール状に巻回されたロール状の形態で形成されていてもよく、または、片面が剥離面となっている剥離ライナーを2つ用いることにより、金属面貼付用感圧性粘着剤層のそれぞれの面に各剥離ライナーが積層され、さらに必要に応じてロール状に巻回されたシート状又はロール状の形態で形成されていてもよい。
なお、剥離ライナーの具体例としては、例えば、剥離処理剤からなる剥離処理剤層が剥離ライナー用の基材(例えば、和紙、洋紙、グラシン紙などの紙類;不織布、布などの繊維質材料による基材;ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、金属蒸着プラスチックフィルムなど)の表面に形成された剥離ライナー、それ自体が剥離性の高いプラスチックフィルム[例えば、ポリエチレン(線状低密度ポリエチレン等)、ポロプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体(ブロック共重合体またはランダム共重合体)の他、これらの混合物からなるポリオレフィン系樹脂によるポリオレフィン系フィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなど]による剥離ライナー、前記剥離性の高いプラスチックフィルムの素材(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂や、テフロンなど)を、各種基材(例えば、金属箔、プラスチックフィルムなど)にラミネート又はコーティングして得られる剥離ライナーなどが挙げられる。
前記剥離処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤などの公知の剥離処理剤が挙げられる。これらの剥離処理剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。なお、剥離ライナーの両面が剥離処理剤により形成されている場合、両剥離面を形成するための剥離処理剤は、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
なお、金属面貼付用感圧性粘着シート類は、基材を有している場合[すなわち、前記構成(2)の基材付き両面感圧性粘着シート類や、前記構成(3)の基材付き感圧性粘着シート類である場合]、基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、基材としては優れた透明性を有しているものを用いることが望ましい。
基材の厚さは、例えば、1〜1000μm(好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm)程度であるが、これらに限定されない。なお、基材は単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
基材の表面は、金属面貼付用感圧性粘着剤層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤や剥離剤等によるコーティング処理等が施されていてもよい。
また、金属面貼付用感圧性粘着シート類は、金属面貼付用感圧性粘着剤層以外の感圧性粘着剤層を有している場合[すなわち、前記構成(2)の基材付き両面感圧性粘着シート類において、非金属面貼付用感圧性粘着剤層が用いられている場合]、非金属面貼付用感圧性粘着剤層は、公知の感圧性粘着剤(例えば、他のアクリル系感圧性粘着剤、ゴム系感圧性粘着剤、ビニルアルキルエーテル系感圧性粘着剤、シリコーン系感圧性粘着剤、ポリエステル系感圧性感圧性粘着剤、ポリアミド系感圧性粘着剤、ウレタン系感圧性粘着剤、フッ素系感圧性粘着剤、エポキシ系感圧性粘着剤など)を用いて、公知の感圧性粘着層の形成方法を利用して形成することができる。また、非金属面貼付用感圧性粘着剤層の厚みは、特に制限されず、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
本発明の金属面貼付用感圧性粘着シート類は、前記構成を有しているので、金属面に対して直接に貼付しても金属面を腐食させず、また、優れた粘着特性および光学特性で金属面に貼付することができる。従って、金属面を有する被着体における金属面に直接貼付するための感圧性粘着シート類として好適に用いることができる。
[金属面を有する物品]
本発明の金属面を有する物品は、金属面を有しており、該金属面に、直接に、前記金属面貼付用感圧性粘着シート類が、少なくとも部分的に(部分的に又は全面的に)貼り合わせられている。このような金属面を有する物品において、金属面貼付用感圧性粘着シート類が貼り合わせられる被着体(「金属面含有被着体」と称する場合がある)としては、少なくとも部分的に金属面を有していれば特に制限されない。このような金属面含有被着体において、金属面が形成されている部位は、感圧性粘着シート類を直接貼付することが可能な部位であれば特に制限されず、外側の面であってもよく、また、内側の面などであってもよい。なお、1つの金属面含有被着体に金属面が複数形成されている場合、これらの複数の金属面は同一の金属材料により形成された面であってもよく、異なる金属材料により形成された面であってもよい。
前記金属面含有被着体における金属面は、金属材料により形成された金属面含有被着体の表面であってもよく、また、各種材料により形成された基材(又は構造体)の表面に形成された金属層表面(特に、金属薄膜層表面)であってもよい。金属面は、いずれにせよ、金属材料による表面であればよい。
前記金属箔膜層等の金属層は、各種材料により構成された基材(又は構造体)の表面の所定の部位に形成することができる。このような金属層において、金属薄膜層の厚みとしては、金属面含有被着体の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1μm以上であってもよい。なお、金属箔膜層の厚みの上限としては、一般的に薄膜層とみなされる厚みであれば特に制限されない。
金属面を形成するための金属材料としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、鉄、チタン、白金、ニッケルなどの金属単体による金属材料;金合金(例えば、金−銅合金など)、銅合金(例えば、銅−亜鉛合金(真鍮)、銅−アルミニウム合金など)、アルミニウム合金(例えば、アルミニウム−モリブデン合金、アルミニウム−タンタル合金、アルミニウム−コバルト合金、アルミニウム−クロム合金、アルミニウム−チタン合金、アルミニウム−白金合金など)、ニッケル合金(例えば、ニッケル−クロム合金、銅−ニッケル合金、亜鉛−ニッケル合金など)、ステンレス等の各種合金による金属材料などが挙げられる。金属材料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、金属材料は、金属元素のみを含有する金属材料であってもよく、金属元素とともに非金属元素を含有する金属材料[例えば、金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物(塩化物など)、オキソ酸塩(硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩など)等の金属系化合物]であってもよい。
具体的には、金属面含有被着体としては、例えば、少なくとも部分的に金属面を有している窓材又は該窓材を構成するための部材や、金属薄膜層により形成された電磁波シールド層を有する光学的製品又は該光学的製品を構成するための部材などが挙げられる。電磁波シールド層を有する光学的製品としては、例えば、電子ディスプレイ(プラズマディスプレイなど)等の光学機器や、デジタル万能ディスク等の光学的に記録可能なディスク(光学的記録ディスク)などが挙げられる。
前記光学的記録ディスクとしては、いわゆる「DVD」、いわゆる「CD」などが挙げられる。このような光学的記録ディスクにおいて、DVDには、いわゆる「DVD−ROM」、いわゆる「DVD−RAM」、いわゆる「DVD−R」、いわゆる「DVD−RW(いわゆる「DVD−RW+」、いわゆる「DVD−RW-」を含む)」、いわゆる「DVR」などの形態のDVDが含まれる。また、CDには、いわゆる「CD−ROM」、いわゆる「CD−RAM」、いわゆる「CD−R」、いわゆる「CD−RW」などの形態のCDが含まれる。なお、これらの光学的記録ディスクでは、電磁波シールド層である金属箔膜層の厚みは、一般的に、5〜50μm程度であるが、100μm程度となっているものもある。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロート、攪拌装置を備えた反応容器に、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部、溶媒として酢酸エチル:100重量部、単量体成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル:70重量部、N,N−ジエチルアクリルアミド:30重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート:1重量部を入れ、窒素環流を1時間行った後、反応容器内の単量体成分を含むモノマー組成物溶液の温度を60℃に昇温し、窒素気流中で、4時間重合を行った。その後、80℃に昇温して2時間熟成を行い、アクリル系重合体の溶液を得た。このアクリル系重合体の溶液に、架橋剤として、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートアダクト体(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製)を2重量部(固形分)添加して、粘着剤組成物(「粘着剤A」と称する場合がある)とした。
さらに、前記粘着剤Aをアプリケーターを用いて、シリコーン系剥離剤による剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム(剥離ライナー;厚さ38μm)の剥離面上に塗布し、130℃で3分間乾燥して、厚さが25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、シリコーン系剥離剤による剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレート製フィルム(剥離ライナー;厚さ38μm)を貼り合わせて、粘着シートを得た。
(実施例2)
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル:70重量部、アクリロイルモルホリン:30重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート:1重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤B」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
(比較例1)
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル:95重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート:5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤C」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
(比較例2)
表1に示されるように、単量体成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル:95重量部、アクリル酸:5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物(「粘着剤D」と称する場合がある)を調製した。この粘着剤Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
(評価)
実施例1〜2及び比較例1〜2で作製された粘着シートについて、下記の腐食性評価方法、粘着力測定方法、全光線透過率及びヘイズの測定方法、色差の測定方法により、腐食性、粘着性、透明性(全光線透過率、ヘイズ、色差)を評価した。評価結果は表(1)に示した。
(腐食性評価方法)
粘着シートの一方の側の剥離ライナーを剥がして、透明なポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ:25μm)に貼り合わせ、さらに、他方の側の剥離ライナーを剥がして、銅箔(厚さ:80μm)貼り合わせた後、60℃×95%RHの雰囲気下で5日間保存した。その後、目視で、ポリエチレンテレフタレート製フィルム側から銅箔の表面を観察して、粘着シートが貼り合わせられている銅箔の表面の腐食の有無を確認した。
(粘着力測定方法)
粘着シートの一方の側の剥離ライナーを剥がして、ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ:25μm)に貼り合わせ、幅20mm、長さ100mmに切断した後、他方の側の剥離ライナーを剥がして、銅箔(厚さ:80μm)貼り合わせた。銅箔に貼付してから30分後、180°ピール粘着力を測定した。なお、180°ピール粘着力の測定条件は、剥離角度:180°、引張速度:300mm/分、温度:23℃、湿度:50%RHであり、銅箔より、ポリエチレンテレフタレート製フィルムに貼り合わせられた粘着シートを剥離することにより、180°ピール粘着力を測定した。
(全光線透過率及びヘイズの測定方法)
粘着シートを、40mm×40mmに切断し、一方の側の剥離ライナーを剥がして、スライドガラス(商品名「スライドガラス品番S」MATSUNAMI社製;水縁磨タイプ)に貼り合わせて、加熱処理及び加湿処理を行わずに測定するための処理前用評価サンプルを作製した。その後、他方の側の剥離ライナーを取り除き、濁度計(装置名「ヘーズメーターHM−150」村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準じて、全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定した。
また、粘着シートを、40mm×40mmに切断し、一方の側の剥離ライナーを剥がして、スライドガラス(商品名「スライドガラス品番S」MATSUNAMI社製;水縁磨タイプ)に貼り合わせて、加熱処理を行ってから測定するための加熱処理後用評価サンプルと、加湿処理を行ってから測定するための加湿処理後用評価サンプルとの2つの評価サンプルを作製した。加熱処理後用評価サンプルについては、80℃の雰囲気下で500時間保存した後、一方、加湿処理後用評価サンプルについては、60℃×95%RHの雰囲気下で500時間保存した後、加熱処理後用評価サンプルおよび加湿処理後用評価サンプルにおける他方の側の剥離ライナーを取り除き、濁度計(装置名「ヘーズメーターHM−150」村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準じて、全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定した。
なお、処理前用評価サンプル、加熱処理後用評価サンプル、および加湿処理後用評価サンプルの各評価サンプルは、スライドガラス/粘着剤層の層構成を有しており、測定された全光線透過率(%)及びヘイズ(%)の数値には、スライドガラスの全光線透過率(%)やヘイズ(%)も含まれている。
(色差の測定方法)
粘着シートを、前記全光線透過率及びヘイズの測定方法と同様にして、加熱処理及び加湿処理を行わずに測定するための処理前用評価サンプルを作製した。その後、他方の側の剥離ライナーを取り除き、積分球式分光透過率測定器(装置名「DOT−3」村上色彩技術研究所製)を用いて、L***表色系で、L*、a*、b*を調べた(光源:ハロゲンランプ、波長:390〜730nm)。
また、粘着シートを、前記全光線透過率及びヘイズの測定方法と同様にして、加熱処理を行ってから測定するための加熱処理後用評価サンプルと、加湿処理を行ってから測定するための加湿処理後用評価サンプルとの2つの評価サンプルを作製した。加熱処理後用評価サンプルについては、80℃の雰囲気下で500時間保存した後、一方、加湿処理後用評価サンプルについては、60℃×95%RHの雰囲気下で500時間保存した後、加熱処理後用評価サンプルおよび加湿処理後用評価サンプルにおける他方の側の剥離ライナーを取り除き、処理前用評価サンプルと同様にして、L***表色系で、L*、a*、b*を調べた。
得られたL*、a*、b*の値から、加熱処理前後の色差(ΔE*ab)、加湿処理前後の色差(ΔE*ab)を、下記式を用いて計算した。
ΔE*ab=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
(ここで、ΔL*は加熱処理、加湿処理の各処理の前後のL*の値の差を意味している。Δa*は加熱処理、加湿処理の各処理の前後のa*の値の差を意味している。Δb*は加熱処理、加湿処理の各処理の前後のb*の値の差を意味している。)
Figure 2005325250
表1より明らかなように、アクリル酸等のカルボキシル基含有共重合性単量体を用いず、窒素原子含有共重合性単量体を、アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸エステルなど]と共重合させることにより、金属面(特に、金属箔膜層表面)を腐食させることなく、粘着特性及び光学特性が良好な粘着シートが得られることが確認された。

Claims (8)

  1. 金属面に直接貼付するための感圧性粘着シート類であって、単量体主成分としての(メタ)アクリル酸エステルと、窒素原子含有共重合性単量体を含有し且つカルボキシル基含有共重合性単量体を含有していない共重合性単量体成分とにより構成されたアクリル系ポリマーをベースポリマーとしているアクリル系感圧性粘着剤による感圧性粘着剤層を有していることを特徴とする金属面貼付用感圧性粘着シート類。
  2. アクリル系ポリマーを構成する共重合性単量体成分が、さらに、カルボキシル基含有共重合性単量体以外の酸性基含有共重合性単量体を含有していない請求項1記載の金属面貼付用感圧性粘着シート類。
  3. 金属面が、金属薄膜層表面である請求項1又は2記載の金属面貼付用感圧性粘着シート類。
  4. アクリル系感圧性粘着剤により形成された感圧性粘着剤層が、80℃で500時間の加熱処理、60℃且つ95%RHで500時間の加湿処理の各処理の前後で、全光線透過率が、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後ともに、90%以上であり、また、ヘイズが、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後ともに、10%以下であり、さらに、前記加熱処理および加湿処理の各処理の前後における色差(ΔE*ab)が0.5以下である請求項1〜3の何れかの項に記載の金属面貼付用感圧性粘着シート類。
  5. 窒素原子含有共重合性単量体が、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体、イミド基含有単量体およびアミノ基含有単量体から選択された少なくとも1種の窒素原子含有共重合性単量体である請求項1〜4の何れかの項に記載の金属面貼付用感圧性粘着シート類。
  6. 感圧性粘着テープ又はシートである請求項1〜5の何れかの項に記載の金属面貼付用感圧性粘着シート類。
  7. 金属面を有する物品であって、金属面に、直接に、前記請求項1〜6の何れかの項に記載の金属面貼付用感圧性粘着シート類が貼り合わせられていることを特徴とする金属面を有する物品。
  8. 金属面貼付用感圧性粘着シート類が貼り合わせられる被着体が、金属面を有する物品が、少なくとも部分的に金属面を有している窓材、または、金属薄膜層により形成された電磁波シールド層を有する光学的製品である請求項7記載の金属面を有する物品。
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