JP2007176014A - 印字用カセット - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体に対する腐食防止が施された印字用テープを内蔵した印字用カセットを提供すること。
【解決手段】印字用カセットにおいて、巻回された印字用テープ11は、剥離紙34を剥がすことで露出する粘着剤層33によって被着体に貼り付けることが可能となるが、この点、被着体に接面する粘着剤層33は、アシッド・フリーの(不飽和カルボン酸が含まれていない)粘着剤で形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】印字用カセットにおいて、巻回された印字用テープ11は、剥離紙34を剥がすことで露出する粘着剤層33によって被着体に貼り付けることが可能となるが、この点、被着体に接面する粘着剤層33は、アシッド・フリーの(不飽和カルボン酸が含まれていない)粘着剤で形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、粘着剤層を有する印字用テープが巻回された印字用カセットに関するものである。
従来より、印字用カセットが装着されたテープ印字装置を用いることによって、印字用テープに印字がなされた文字付テープを作成することができる(例えば、特許文献1参照)。そして、その作成された文字付テープは、剥離紙を剥がせば粘着面が露出することから、被着体に貼り付けることが可能となる。
特開平8−58211号公報
しかしながら、被着体が写真や銅板などである場合には、文字付テープを貼り付けてしばらくすると、文字付テープの粘着面に接触する部分から被着体が腐食するおそれがあった。
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、被着体に対する腐食防止が施された印字用テープを内蔵した印字用カセットを提供することを課題とする。
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、印字用テープが巻回された印字用カセットであって、前記印字用テープは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面側に印字面として設けられた受像層と、前記ベースフィルムの他面側に貼り付けられた剥離紙と、前記ベースフィルムと前記剥離紙の間に塗布されるとともに粘着剤で形成された粘着剤層と、を備え、前記粘着剤がアシッド・フリーであること、を特徴としている。
ここで、「粘着剤」とは、アクリル系や、ゴム系、シリコーン系などいずれかの系の単量体を共重合させた共重合体を主成分とするものであって、各種の添加剤(例えば、架橋剤、タッキファイア、軟化剤、安定剤、顔料など)が配合されていてもよい。
また、「アシッド・フリー」とは、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など)が使用されていないことをいう。
従って、「粘着剤がアシッド・フリーである」とは、不飽和カルボン酸が含まれていない単量体を使用して製造された粘着剤又は、不飽和カルボン酸が含まれていない単量体及び不飽和カルボン酸が含まれていない添加剤を使用して製造された粘着剤を意味する。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する印字用カセットであって、前記粘着剤層の塗布厚が10〜40μmの範囲内にあること、を特徴としている。
すなわち、本発明の印字用カセットにおいて、巻回された印字用テープは、剥離紙を剥がすことで露出する粘着剤層によって被着体に貼り付けることが可能となるが、この点、被着体に接面する粘着剤層は、アシッド・フリーの(不飽和カルボン酸が含まれていない)粘着剤で形成されていることから、印字用テープを被着体に貼り付けても、被着体の貼付面が腐食することがない。
以下、本発明に係る印字用カセットについて、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は、印字用カセットの斜視図である。図2に示すように、本実施形態の印字用カセット1は、レセプタータイプのものであって、上カセットケース2と下カセットケース3を有しており、テープ排出部4から文字付テープ5が排出される。尚、符号6は、インクリボンである。
また、図3は、上カセットケース2(図2参照)を除いて示す印字用カセット1の平面図である。図3において、印字用カセット1の下カセットケース3内には、印字用テープ11が巻回されたテープスプール12や、インクリボン6が巻回されたリボン供給スプール15、リボン巻取スプール16が、それぞれ上カセットケース2(図2参照)に形成されたスプール支持部(図示せず)との協働により回転可能に配置されている。
この点、印字用テープ11は、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という)からなるベースフィルムの一面側に印字面を形成する受像層が設けられるとともに、ベースフィルムの他面側に粘着剤が塗布されることによって粘着剤層が塗布形成され、さらに、その粘着剤層に剥離紙が貼付されている。また、印字用テープ11は、その受像層(印字面)を内側にするとともに、離型紙側を外側にして、テープスプール12に巻回されている。
そして、テープスプール12に巻回された印字用テープ11は、下カセットケース3に立設された案内ピン17から回転可能な案内コロ18を経て、下カセットケース3に形成された腕部19まで案内され、更に、腕部19からサーマルヘッド配置部20の外側で露出された後、案内部材21、送りローラ22を経てテープ排出部4から印字用カセット1の外部に排出される。
また、インクリボン6は、インク塗布側の面を内側にしてリボン供給スプール15に巻回されており、このようにリボン供給スプール15に巻回されたインクリボン6は、腕部19からサーマルヘッド配置部20の外側で露出され、そのインク塗布面と印字用テープ11の受像層(印字面)とが重ね合わされるように案内された後に、案内部材21の外側に沿って案内されることにより印字用テープ11の受像層(印字面)から離れ、リボン巻取スプール16に巻き取られる。
これにより、印字用カセット1のテープ排出部4からは、印字用テープ11の受像層(印字面)に文字が印字された文字付テープ5が排出される。尚、図4に、印字用テープ11とインクリボン6とが下カセットケース3上で上述したように案内される過程の概要を示す。
また、図1に、文字付テープ5を図3の線A−Aで切断した断面図を示す。図1に示すように、文字付テープ5は、印字用テープ11で構成されている。この点、印字用テープ11は、上述したように、PETからなるベースフィルム31の一面側に印字面を形成する受像層32が設けられるとともに、ベースフィルム31の他面側に粘着剤が塗布されることによって粘着剤層33が塗布形成され、さらに、その粘着剤層33に剥離紙34が貼付されている。そして、インク41が受像層32に付着することにより、文字付テープ5となる。さらに、文字付テープ5は、剥離紙34を剥がすことにより露出する粘着剤層33の塗布面によって、被着体に貼り付けることができる。
但し、粘着剤層33を形成する粘着剤は、アクリル系や、ゴム系、シリコーン系などいずれかの系の単量体を共重合させた共重合体を主成分とし、各種の添加剤(例えば、架橋剤、タッキファイア、軟化剤、安定剤、顔料など)の配合の有無は問わないが、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など)を単量体・添加剤のいずれにも含まれていないもの(以下、「アシッド・フリー」という)が使用される。
尚、印字用カセット1は、図示しないテープ印字装置のカセット装着部にセットされて文字付テープ5(印字用テープ11の受像層32にインク41で文字等が印字されたもの)が作成されるものであるが、テープ印字装置のカセット装着部には、印字用カセット1の排出部4から排出された文字付テープ5を切断するための図示しないカッタ装置(切断刃を備えている)が配設されている。ここに、図2などに基づき説明した印字用カセット1の構成及びかかる印字用カセット1が装着されて文字付テープ5が作成されるテープ印字装置の構成は公知であるので、印字用カセット1やテープ印字装置で文字付テープ5を作成する際の詳細な説明は省略する。
次に、印字用テープ11について、その粘着剤層33の塗布厚を種々に変えたもの(5,10,20,30,40,45,50,60μmの計8種)を作成し、はみ出し幅や、貼付性能、カッター耐久性、サーマルヘッドの糊付着の各測定項目の相互関係を調べた。図6は、それらの測定結果を示した表である。
はみ出し幅とは、図5で模式的に示す方法により測定されるものであって、印字用テープ11の側端縁からはみ出す粘着剤のはみ出し幅をいう。すなわち、そのはみ出し幅を測定するには、先ず、印字用テープ11を12mm×15mmのサイズに切断したものを測定サンプル61とし、測定サンプル61となった印字用テープ11の剥離紙34を剥がして粘着剤層33の塗布面を下面にして下側ガラス基板G1上にセットするとともに、測定サンプル61の上面に上側ガラス基板G2をセットし、上側ガラス基板G2上に、測定サンプル61に負荷される荷重が、6kg/cm2となるようにウェイトWを載置し、これを55℃に温調されている恒温槽内で24時間静置し、その後に、測定サンプル61の側端縁からはみ出た粘着剤のはみ出し幅d(μm)を顕微鏡を使用して測定した。
貼付性能とは、以下の方法で判断される測定項目をいう。すなわち、印字用テープ11を幅12mm×長さ100mmのサイズに切断したものを測定サンプルとし、測定サンプルとなった印字用テープ11の剥離紙34を剥がして粘着剤層33の塗布面を、エンボス加工されたポリプロピレン板に合わせることによって、ポリプロピレン板に測定サンプルを貼り付け後に、1週間を経過したときの状態を観察し、印字用テープ11がポリプロピレン板に対して浮きがないものを良(○)と判定し、印字用テープ11の端がポリプロピレン板に対して10mm未満の浮きがあるものを可(△)と判定し、印字用テープ11の端がポリプロピレン板に対して10mm以上の浮きがあるものを不可(×)と判定した。
カッター耐久性とは、以下の方法で判断される測定項目をいう。すなわち、印字用カセット1から排出される幅12mmの印字用テープ11を上記カッタ装置により約20mmの長さにカットすることを繰り返し行い、その連続カット回数が1000回に達した時点で上記カッタ装置の切断刃の刃先における粘着剤付着幅をスケールで測定し、粘着剤付着幅が1mm未満を良(○)と判定し、粘着剤付着幅が1mm以上1.5mm未満を可(△)と判定し、粘着剤付着幅が1.5mm以上を不可(×)と判定した。
サーマルヘッドの糊付着とは、以下の方法で判断される測定項目をいう。すなわち、幅12mm×長さ8mの印字用テープ11が排出される印字用カセット1を上記テープ印字装置に装着して連続印字を行い切り、その後に、幅18mmの印字用テープ11が排出される印字用カセット1を当該テープ印字装置に装着して長さ50mmの印字を行い、この幅18mm×長さ50mmの印字の際に、テープ走行性に異常がなければ良(○)と判定し、テープ走行性に異常があれば不可(×)と判定した。
ここで、印字用テープ11における、はみ出し幅や、貼付性能、カッター耐久性、サーマルヘッドの糊付着の各測定項目の相互関係について、図6の測定結果を示した表に基づいて検討する。
図6の測定結果を示した表によれば、貼付性能や、カッター耐久性、サーマルヘッドの糊付着の各測定項目が良(○)又は可(△)と判定されるものは、粘着剤層33の塗布厚が10〜40μmの範囲内にあり、はみ出し幅が100μm未満にあることが推定される。
また、カッター耐久性のみに着目すれば、粘着剤層33の塗布厚が40μmであれば、はみ出し幅が100μm未満に抑えられ、カッター耐久性が可(△)と判定されることから、上記カッタ装置を使用することが可能と言える。さらに、粘着剤層33の塗布厚を30μm以下にすれば、はみ出し幅が90μm未満に抑えられ、カッター耐久性が良(○)と判定されることから、上記カッタ装置の切断刃の耐久性能を向上させることができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の印字用カセット1において、図3や図4に示すように、巻回された印字用テープ11は、図1に示すように、剥離紙34を剥がすことで露出する粘着剤層33によって被着体に貼り付けることが可能となるが、この点、被着体に接面する粘着剤層33は、アシッド・フリーの(不飽和カルボン酸が含まれていない)粘着剤で形成されていることから、写真や銅板などの被着体に印字用テープ11を貼り付けても、被着体の貼付面が腐食することがない。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、印字用テープ11のベースフィルム31は、PET製に限るものでなく、紙や布などスクラップブッキング用として素材を楽しめるものであればよく、また、PET製である場合には、その質感を楽しむのであれば70〜100μmの厚みが望ましく、その質感を目立たないようにするのであれば20〜50μmの厚みが望ましい。
例えば、印字用テープ11のベースフィルム31は、PET製に限るものでなく、紙や布などスクラップブッキング用として素材を楽しめるものであればよく、また、PET製である場合には、その質感を楽しむのであれば70〜100μmの厚みが望ましく、その質感を目立たないようにするのであれば20〜50μmの厚みが望ましい。
本発明は、印字用カセットから排出される印字用テープが被着体に及ぼす腐食を防止する技術に適用し得る。
1 印字用カセット
11 印字用テープ
31 ベースフィルム
32 受像層
33 粘着剤層
34 剥離紙
11 印字用テープ
31 ベースフィルム
32 受像層
33 粘着剤層
34 剥離紙
Claims (2)
- 印字用テープが巻回された印字用カセットであって、
前記印字用テープは、
ベースフィルムと、
前記ベースフィルムの一面側に印字面として設けられた受像層と、
前記ベースフィルムの他面側に貼り付けられた剥離紙と、
前記ベースフィルムと前記剥離紙の間に塗布されるとともに粘着剤で形成された粘着剤層と、を備え、
前記粘着剤がアシッド・フリーであること、を特徴とする印字用カセット。 - 請求項1に記載する印字用カセットであって、
前記粘着剤層の塗布厚が10〜40μmの範囲内にあること、を特徴とする印字用カセット。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005377318A JP2007176014A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 印字用カセット |
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EP15180081.0A EP2962859B1 (en) | 2005-12-28 | 2006-10-27 | Print tape and print cassette |
US11/590,295 US20070147937A1 (en) | 2005-12-28 | 2006-10-31 | Print tape and print cassette |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018058925A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-12 | ブラザー工業株式会社 | 粘着テープカートリッジ及び粘着テープロール並びに粘着テープロールの製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001181594A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-03 | Nitto Denko Corp | 粘着剤組成物とその粘着シ―ト類 |
JP2002120410A (ja) * | 2000-10-13 | 2002-04-23 | Seiko Epson Corp | 印刷装置および印刷方法 |
JP2002154259A (ja) * | 2000-11-20 | 2002-05-28 | Seiko Epson Corp | テープカートリッジおよびテープ印刷装置 |
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2005
- 2005-12-28 JP JP2005377318A patent/JP2007176014A/ja active Pending
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