JP2001347715A - ライナレス印刷用シートの印刷装置 - Google Patents

ライナレス印刷用シートの印刷装置

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JP2001347715A
JP2001347715A JP2000170694A JP2000170694A JP2001347715A JP 2001347715 A JP2001347715 A JP 2001347715A JP 2000170694 A JP2000170694 A JP 2000170694A JP 2000170694 A JP2000170694 A JP 2000170694A JP 2001347715 A JP2001347715 A JP 2001347715A
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printing
roll
linerless
layer
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Mitsuyoshi Shirai
光義 白井
Yoshikazu Soeda
義和 副田
Shinji Muto
愼二 武藤
Wataru Kakimoto
渉 柿本
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライナレス印刷用シートの巻回体から安定し
た状態でシートを繰り出し搬送しながら印刷処理がで
き、印刷処理を長期中断後に再開しても中断前と同様に
安定して印刷処理できると共に、かかる良好な印刷特性
を長期に持続できて寿命も長く、かつ製造も容易なロー
ルを備えた印刷装置を提供すること。 【解決手段】 被印刷基材11の裏面に粘着層12が設
けられたライナレス印刷用シート1の表面にインク情報
26を形成するための印刷機構2と、シート1をロール
状に巻回した巻回体13から繰り出して搬送するロール
21とを備え、ロール21によりシート1を搬送させな
がら、印刷機構2によりインク情報26を形成するよう
に構成され、ロール21は、粘着層12と接触した状態
でシート1を搬送するように構成されており、かつ、少
なくともその表面が凹凸を有するシリコーンゴムにより
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被印刷基材の裏面
に粘着層が設けられたライナレス印刷用シートの表面に
インク情報を形成するための印刷機構と、前記シートを
ロール状に巻回した巻回体から繰り出して搬送する搬送
手段とを備え、前記搬送手段により前記シートを搬送さ
せながら、前記印刷機構により前記インク情報を形成す
るようにしたライナレス印刷用シートの印刷装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】被印刷基材の裏面に被着体接着用の粘着
層を有するライナレス印刷用シート(以下、単にシート
ということがある。)を、コンパクトな巻回体の形態で
格納し、この巻回体からシートを繰り出しながらラベル
等の印刷シートを連続的に形成できる印刷装置が知られ
ている。さらに、上記粘着層にセパレータ等の保護カバ
ーを有しないものが望まれるようになってから久しい。
その理由としては、セパレータ等の保護カバーは、最終
的に粘着層より剥離除去して廃棄する必要があり、剥離
除去のための余分な作業が必要となったり、ゴミ等の不
要品を発生させてしまうからである。
【0003】一方、保護カバーを有しないライナレス印
刷用シートを搬送するためには、粘着層に接触する搬送
用のロール(搬送手段に相当する。)の材質を工夫する
必要がある。つまり、円滑にシートを搬送させるために
は、ロールの表面とシートの粘着層とが接着しにくいよ
うな材質とする必要がある。そのため従来は、シートの
粘着層と接触する搬送用のロールとして、表面にシリコ
ーンやフッ素樹脂を焼付けコートした金属製のロール、
又は、シリコーンにて形成したロールが用いられてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術にかかる
ロールの場合、印刷処理を連続的に行っている時には安
定してシートを走行させることができる。しかしなが
ら、印刷処理をいったん中止して搬送停止状態がしばら
く続くと、印刷処理を再開した場合に接着力の増大のた
めに、搬送ロールに被印刷基材が巻込まれてしまい、印
刷処理を進行できない等の実用性に乏しい問題点があっ
た。
【0005】また、前記従来の印刷装置におけるフッ素
樹脂等を焼付けコートした金属製ロールにおいては、フ
ッ素樹脂等の離型性が低下すると、シートと粘着層との
接着力が増大してしまう。すなわち、焼付けコート層が
早く磨耗してしまうと、シートを搬送することができな
くなり、搬送寿命も短くなってしまう。さらに、焼付け
コートを形成した金属製ロールの製造に多工程を要する
ため、その製造効率が低い(製造コストが高い)という
問題点もあった。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その課題は、ライナレス印刷用シートの巻回体か
ら順次安定した状態でシートを繰り出し搬送しながら印
刷処理ができ、印刷処理を長期中断後に再開しても中断
前と同様に繰り出し搬送をしながら連続的に安定して印
刷処理できると共に、かかる良好な印刷特性を長期に持
続できて寿命も長く、かつ製造も容易なロールを備えた
印刷装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係るライナレス印刷用シートの印刷装置は、被
印刷基材の裏面に粘着層が設けられたライナレス印刷用
シートの表面にインク情報を形成するための印刷機構
と、前記シートをロール状に巻回した巻回体から繰り出
して搬送する搬送手段とを備え、前記搬送手段により前
記シートを搬送させながら、前記印刷機構により前記イ
ンク情報を形成するようにしたライナレス印刷用シート
の印刷装置において、前記搬送手段は、前記粘着層と接
触した状態で前記シートを搬送するように構成されてお
り、かつ、少なくともその表面が凹凸を有するシリコー
ンゴムにより形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】この構成によると、ロール等の搬送手段の
表面は凹凸を有するシリコーンゴムにより形成されてお
り、凹凸を有しない平滑な表面状態の搬送手段と比較す
ると、ライナレス印刷用シートの粘着層と搬送手段とが
長期間にわたって接触していたとしても接着力が増大し
てしまうということがない。なお、搬送手段の構成とし
ては、搬送手段の全体がシリコーンゴムで形成されてい
ても良く、搬送手段の表面部分のみがシリコーンゴムで
形成されていても良い。いずれにせよ、粘着層と接触す
る搬送手段の表面が上記のごとく構成されていれば良
い。
【0009】以上のように、本発明の構成によれば、ラ
イナレス印刷用シートの巻回体から順次安定した状態で
シートを繰り出し搬送しながら印刷処理ができ、印刷処
理を長期中断後に再開しても中断前と同様に繰り出し搬
送をしながら連続的に安定して印刷処理できる。したが
って、かかる良好な印刷特性を長期に持続できて寿命も
長くなる。また、搬送手段の表面に凹凸を形成するだけ
であるから、フッ素樹脂等の焼付けコートを施すものに
比較すると、搬送手段の製造も容易なものになり製造効
率の点においても優れているといえる。
【0010】本発明の実施形態として、前記凹凸は、下
記の式(1)及び(2)で示されるものが好ましい。
【0011】100a≧b≧0.5a・・・(1) c≧b≧0.5c・・・・・・(2) (式中、aは溝の深さ、bは溝の巾、cは溝のピッチを
示す。) 凹凸部の形状として上記式で示される数値を選択するこ
とにより、搬送手段の搬送性を保持することができる。
より好ましい数値は、aが10〜1000μm、bが5
00〜3000μm、b=cである。
【0012】本発明の別の好適な実施形態として、前記
印刷機構における印刷方式は、溶融型熱転写方式、昇華
型熱転写方式、インクジェット方式、感熱方式のいずれ
か1つから選択されるものである。かかる汎用性のある
印刷方式を用いてラベル等の印刷シートを安定した状態
で運続形成することができる。
【0013】また、ライナレス印刷用シート、特に、そ
の被印刷基材は、各種印刷方式に基づく定着性や印刷物
の使用目的等に応じて、耐熱性や耐水性、耐溶剤牲や耐
候性等の用途に応じた性能に適宜に設定できて広汎な範
囲で対処できる。したがって、汎用性に優れた各種印刷
方式で印刷シートを効率よく連続形成することができ、
また市販の熱転写プリンタ等を用いて印刷シートを臨機
に現場発行することもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による印刷装置は、被印刷
基材の裏面に粘着層が設けられたライナレス印刷用シー
トの表面にインク情報を形成するための印刷機構と、シ
ートをロール状に巻回した巻回体から繰り出して搬送す
る搬送手段とを備え、搬送手段によりシートを搬送させ
ながら、印刷機構によりインク情報を形成するようにし
た印刷装置である。搬送手段は、シートの粘着層と接触
した状態でシートを搬送するロールを備えており、この
ロールは少なくともその表面が凹凸を有するシリコーン
ゴムにより形成されている。
【0015】ライナレス印刷用シートの被印刷基材にイ
ンク情報を付与することにより印刷されたラベルシート
が得られる。このライナレス印刷用シートは、被印刷基
材の裏面に粘着層を設けているが、その粘着層を保護す
るためのセパレータ等の保護カバ−は設けていない。ラ
イナレス印刷用シートを用いることにより、セパレータ
等の保護カバーの剥離除去作業を廃止できるとともに、
保護カバーのゴミ化による不要品の発生を防止すること
ができる。また、シートを巻回体とすることによりコン
パクト化することができる。さらに、現場でのラベルシ
ートの円滑な作成を行うことができ、保護シートを剥離
する必要がないことから、ラベルシートの被着体に対す
る接着処理を円滑に行うことができる。
【0016】<実施形態にかかる印刷装置の構成>図1
に本発明による印刷装置の好適な実施形態を例示した。
ライナレス印刷用シート1は、長尺状に連続して形成さ
れた被印刷基材11の裏面に粘着層12を有しており、
この粘着層12には保護カバーは設けられていない。こ
のライナレス印刷用シート1は、その粘着層12を芯材
13aの周囲にロール状の巻回体13の形態で巻き付け
られている。巻回体13から順次シート1を矢印方向に
繰り出し搬送しながら、印刷データに基づいて、印刷機
構2によりインクによる情報26を被印刷基材11の表
面に付与する。被印刷基材11の表面に所定の印刷を行
った後、搬送経路の下流側に設けられたカット機構4に
より、シート1を所定の寸法にて切断する。これによ
り、ラベル等の印刷シート(ラベルシート)14を連続
形成することができる。
【0017】図1に示される印刷機構2は、プラテンロ
ール21と、このプラテンロール21の上に配置したサ
ーマルヘツド22と、インクリボン23と、その繰出し
リール24と巻取りリール25からなる熱転写方式の印
刷機構2を採用している。従って、そのプラテンロール
21は、被印刷基材11の裏面に設けた粘着層12と接
触する搬送手段として機能する。このプラテンロール2
1は、少なくともその表面部分が、凹凸を有するシリコ
ーンゴムにより形成されている。
【0018】本発明において、ライナレス印刷用シート
1に対する印刷処理を行う場合には、図2に示されるよ
うな、被印刷基材11の裏面に粘着層12を設けたシー
ト1をロール状の巻回体13としたものからシート1を
順次繰り出す。そして、少なくとも表面部分を凹凸を有
するシリコーンゴムにて形成したプラテンロール21を
シート1の粘着層12と接触する側の搬送手段として用
いており、繰り出し搬送しながら被印刷基材11の表面
に印刷機構2によりインク情報26を付与するように構
成されている。
【0019】プラテンロール21としては、その全体が
シリコーンゴムにより形成されていてもよく、その表面
部分のみがシリコーンゴムにより形成されていてもよ
い。いずれにせよ、表面に凹凸が形成されていることが
重要である。
【0020】本発明においては、図1に例示しているよ
うに、ライナレス印刷用シート1に印刷処理を施したも
のを所定寸法に切断するカット機構4を必要に応じて配
備することもできる。ちなみに図1の例では、1対のエ
ンボスロールを用いたピンチロール31,32からなる
順送り機構3がカット機構4の上流側に設けられてい
る。
【0021】前記の場合、順送り機構3もライナレス印
刷用シート1の粘着層12と接触する搬送手段のロール
となりうるため、その場合には、粘着層12と接触する
ロールの少なくとも表面部分は、凹凸を有するシリコー
ンゴムで形成される。ちなみに、図1に例示している順
送り機構3では、粘着層12と接触する側のロール32
(図1の下側のロール)の少なくとも表面は、凹凸を有
するシリコーンゴムで形成されている。
【0022】なお、図1の例では、熱転写方式の印刷機
構2を例示したが、熱転写方式としては溶融式熱転写方
式でも良いし、昇華型熱転写方式でも良い。その他に例
えば、インクジェツト式印刷方式等のような、熱定着型
や乾燥型のインクなどにて印刷する適宜な印刷機構を採
用することもできる。更にまた、感熱方式による印刷機
構を採用することもできる。また、順送り機構3として
もピンチロール式のほか、ライナレス印刷用シートを順
送りできる適宜な機構とすることができる。
【0023】本発明においては、ライナレス印刷用シー
ト1の粘着層12と接触する搬送手段としてのプラテン
ロール21は、少なくともその表面部分が凹凸を有する
シリコーンゴムにより形成されるが、プラテンロール2
1以外の搬送用のロールや案内部(案内ガイド等)につ
いても、同様に表面部分が凹凸を有するシリコーンゴム
により形成されていることが好ましい。
【0024】上記の場合、シリコーンゴム層の摩滅によ
るロール寿命等の点に鑑みて、シリコーンゴム層の厚さ
は、0.1mm以上とするのが好ましく、より好ましく
は0.5mm以上、特に好ましくは1mm以上である。
なお当該接触部分は、その全体をシリコーンゴム等にて
形成することもできる。
【0025】<凹凸の形状について>図4は表面部分に
凹凸が形成されたシリコーンゴムロールの断面形状を示
す図である。図4に示すように、シリコーンゴムロール
の表面に形成される凹凸は、下記式(1)及び(2)で
示される凹凸であることが好ましい。
【0026】100a≧b≧0.5a・・・(1) c≧b≧0.5c・・・・・・(2) (式中、aは溝(凹)の深さ、bは溝の巾、cは溝のピ
ッチを示す。) (1)式において、bが100aよりも大きいと、粘着
層12がシリコーンゴムロールの溝の谷に接着し、繰り
出し搬送性が低下する。また、bが0.5aよりも小さ
いと、溝の谷に粘着剤が入り込むことによって、目詰ま
りしてしまい、この場合も、繰り出し搬送性が低下す
る。 (2)式において、bがcよりも大きくなることは、物
理的に不可能であり、また、bが0.5cよりも小さく
なると、溝の山の部分が連なる水平部分が多くなる(図
4(B)参照)こと(凹部を有しない状態に近くなるこ
と)によって、繰り出し搬送性が低下する。
【0027】凹凸の形状については、図4(A)は凹部
の断面形状が円形(または、楕円形、卵形)であり、
(B)が三角形状であるが、特定の断面形状に限定され
るものではない。図5は、シリコーンゴムロールの表面
を展開した展開図を示す。x方向はロールの軸方向に沿
う方向を示し、y方向は、ロールの円周方向に沿う方向
を示す。図5(A)においてx軸から角度θだけ傾斜し
た方向(凹凸の溝が形成されている方向)に直交する方
向に沿って切断した場合の断面形状が、図4に示されて
いる断面形状である。なお好ましいθの範囲は,θ=4
5゜〜135゜である。θ=135゜の場合には、凹凸
の溝の形成される方向は図4(A)の方向とy軸に対し
て対称的な方向になる。
【0028】また、凹凸の溝が形成される方向は1方向
だけでなく、図4(B)に示すように2方向、または、
3方向以上であってもよい。なお、シリコーンゴムロー
ルの好ましい寸法は、直径8mmφ以上50mmφ以下
である。
【0029】なお粘着層12の表面と凹凸を有するシリ
コーンゴムとの接着力は、搬送手段(ロール)に対する
接着力と被着体に対する接着力とのバランスなどの点よ
り適宜に決定しうる。一般的には、熱転写プリンタ等を
用いた場合におけるライナレス印刷用シート1の自動搬
送性などの点を考慮すると、表面に凹凸があるシリコー
ンゴムに対する180度ピール接着力(剥離速度300
mm/分)に基づいて、好ましくは98mN/50mm
以下、より好ましくは9.8mN/50mm以下、特に
好ましくは0.98mN/50mm以下となるような接
着力とするのが良い。
【0030】搬送手段(ロール等)の表面へのシリコー
ンゴム層の付設は、注型方式やポリマー液の塗布方式、
シート等のラミネート方式などの適宜な方式にて行うこ
とができる。従って、この場合には、既存の印刷装置に
おける、ライナレス印刷用シートの粘着層と接触するロ
ール、及び、必要に応じてその他の搬送手段部分にシリ
コーンゴム層を付設することにて本発明による印刷装置
とすることができる。
【0031】<シリコーンゴムについて>前記のシリコ
ーンゴムとしては、例えばポリジメチルシロキサン、ポ
リメチルフェニルシロキサン、ポリジアルキルシロキサ
ンなどの適宜な高分子骨格を有するものを用いることが
できる。シリコーンゴムは耐摩滅性の向上等を目的に電
子線照射等の適宜な方式にて架橋処理が施されていても
よい。またシリコーンゴムは、接着力の低減等を目的
に、例えばシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系等
の適宜な剥離性ポリマーなどを1〜10重量%含有して
いてもよい。
【0032】他方、印刷装置における搬送手段等(搬送
ガイド等)の、ライナレス印刷用シートの粘着層と接触
する可能性のある部分は、粘着層が接着してライナレス
印刷用シートの円滑な搬送が妨げられることを予防する
こと等のために、適宜な措置が施されていてもよい。
【0033】本発明による印刷装置には、必要に応じて
図1に例示の如くカット機構4を設けることもできる。
カット機構4は、ライナレス印刷用シート1を所定の寸
法で切断するものであればよく、切断刃をカム等を介し
制御して間欠動作させ、それにより所定寸法に切断する
機構などの適宜な機構にて形成することができる。また
切断は、ライナレス印刷用シートの全幅にわたる切断で
あってもよいし、手等を介して容易に分離できる繋ぎ代
を残した部分的な切断であってもよい。
【0034】<被印刷基材について>印刷方式として
は、サーマルヘッドとインクリボンによる溶融型熱転写
方式、昇華型熱転写方式や、インクジェットヘッドとイ
ンクによるインクジェット方式や、感熱方式等の汎用な
印刷機構を用いて、良好な定着状態の印刷を行うことが
できる。従って、被印刷基材11は、紙やポリマー等の
適宜な素材からなるシート状基材を用いて適宜に形成す
ることができる。
【0035】ライナレス印刷用シート1としては、図2
に例示したように、インクや熱等による印刷が可能な被
印刷基材11の裏面に粘着層12を保護カバーなしで有
する適宜なものを用いることができ、その被印刷基材1
1や粘着層12は、単層物や2層又は3層以上の複層物
等の適宜な層形態をとることができる。
【0036】従って、被印刷基材は、ライナレス印刷用
シートの使用対象などに応じて、例えば各種の紙、ポリ
マーからなるフィルムやシートや発泡シート、あるいは
当該ポリマーからなる繊維や布や不織布、さらには紙や
フィルム、発泡シートや布等の前記のような素材の2種
以上を用いたラミネート体や、かかる素材と金属箔等の
補強基材を併用した複合シートなどの適宜なものにより
形成できる。
【0037】よって、従来の溶融型熱転写方式、昇華型
熱転写方式、感熱方式やインクジェット方式、あるいは
その他のスクリーン印刷方式やグラビア印刷方式、凸版
印刷方式や平版印刷方式などで用いられている公知のい
ずれの印刷用基材も本発明におけるライナレス印刷用シ
ートの被印刷基材として用いうる。
【0038】好ましく用いうる被印刷基材の特性として
要求されることは、被印刷基材の裏面に設けられる粘着
層の密着支持力に優れていること、シートを巻回体とし
た場合に、その粘着層と被印刷基材の表面との接着力が
弱くてシートの繰り出しに大きな力を要さないこと、そ
して、インクの定着性に優れていることである。ちなみ
にその例としては、被印刷基材の全体をインク受容性ポ
リマーと低接着性ポリマーとの混合層で形成したもの、
かかる混合層を補強層等の上に設けたもの、紙やポリマ
ー等からなるインク受容層の上に薄層又は多孔性若しく
はメッシュ状の低接着性ポリマー層を設けたもの、補強
層等の上にかかるインク受容層と低接着性ポリマー層を
設けたものなどがあげられる。
【0039】また被印刷基材を、ある種の粘着層との接
着力が低く、かつ、ある種の印刷用インクを受容するポ
リマーで形成したものや、補強層等の上にかかるポリマ
ー層を設けたものなども好ましく用いうる。この場合に
は、前記ポリマー層との接着力が低い粘着層を有するラ
イナレス印刷用シートとして、そのポリマー層が受容す
るインクを用いて印刷することにより、目的のラベルシ
ートを作成することができる。
【0040】前記において、インクを耐久性よく定着さ
せるためなどに用いるインク受容性のポリマーとして
は、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン系ポリマー、ポリ
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの如きアクリル系
ポリマー、ポリ塩化ビニル、スチレン系ポリマー、シリ
コーン系ポリマー、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリ
イソプレン、クロロプレンゴム、イソプレン−イソブチ
レンゴム、ニトリルブチルゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエン・スチレンゴム、スチレン
・イソプレン−スチレンゴム、スチレン・エチレン・ブ
タジエンゴム、スチレン・エチレン‐ブチレン−スチレ
ンゴム、スチレン−イソプレン−プロピレン・スチレン
ゴム、エチレン・プロピレンターポリマーの如きプラス
チック系やゴム系のポリマー、それらのブレンド物など
があげられる。
【0041】また粘着層との接着力の低下等を目的に用
いる低接着性のポリマーとしては、例えばシリコーン系
や長鎖アルキル系やフッ素系等の粘着シートで公知の剥
離コート用ポリマー、低分子量のポリエチレン、リン酸
エステル系界面活性剤、ポリプロピレン、ゴム系ポリマ
ーなどの適宜なものを用いうる。好ましくは、剥離コー
ト用ポリマー、特にシリコーン系ポリマーが好ましく用
いうる。
【0042】上記した混合層を形成する場合、接着力の
低下性やインク定着性の低下防止などの点より、インク
受容性ポリマーと低接着性ポリマーの好ましい混合割合
は、インク受容性ポリマー100重量部あたり、低接着
性ポリマー0.01〜10重量部、より好ましくは0.
1〜8重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。
【0043】一方、インク受容層上に低接着性ポリマー
を薄層として設ける方式は、その薄層化にて低接着性ポ
リマーによる粘着層との接着力の低下を達成しつつ、イ
ンクの定着性を維持することを目的とする。かかる場合
の低接着性ポリマー層の厚さは、前記目的の点より好ま
しくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜
5μm、特に好ましくは0.1〜2μmとすることであ
る。
【0044】また、インク受容層上に低接着性ポリマー
からなる多孔性ないしメッシュ状の層を設ける方式は、
低接着性ポリマーによる粘着層との接着力の低下を達成
しつつ、低接着性ポリマー間の間隙を介してインクの定
着を可能とすることを目的とする。かかる目的の点よ
り、インク受容層上に多孔性ないしメッシュ状の低接着
性ポリマー層が占める割合は、好ましくは1〜90%、
より好ましくは2〜70%、特に好ましくは5〜50%
である。さらに、この場合の低接着性ポリマー層の厚さ
は、前記目的の点から、好ましくは0.01〜100μ
m、より好ましくは0.05〜50μm、特に好ましく
は0.1〜20μmとすることである。
【0045】なお多孔性ないしメッシュ状の低接着性ポ
リマー層は、適宜な方式で形成することができ、可及的
に低接着性ポリマー間の間隙が均等に分布したものであ
ることが好ましい。ちなみに多孔性ないしメッシュ状の
低接着性ポリマー層の形成は、例えばグラビア印刷方式
やスクリーン印刷方式、フォトレジストによるパターン
形成方式、乾式や湿式による公知の多孔質膜形成方式、
メルトブロー方式やカーテンスプレー方式、多孔性ない
しメッシュ状のフィルムの貼合せ方式などの適宜な方式
にて行うことができる。
【0046】他方、上記したある種の粘着層と低接着性
で、かつある種の印刷インクを受容するポリマーの例と
しては、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレ
フィン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ゴム系ポリ
マー、長鎖アルキル系ポリマーなどがあげられる。前記
ポリマーの分子量は、インクとの馴染性などにより適宜
に決定しうる。ちなみにポリオレフィン系ポリマーの場
合には耐溶剤性やインク定着性などの点より、粘度平均
分子量に基づいて500〜600万が好ましい。
【0047】上記において、ポリマーからなる被印刷基
材又はその背面層ないし薄層や多孔性等の低接着性ポリ
マー層を支持するインク受容層の形成は、1種又は2種
以上のポリマーを成形方式や塗布方式等の適宜な方式で
フィルム状や多孔質状等に造膜することにより行いう
る。その造膜に際しては、繊維等の補強材、シリカやチ
タニア、アルミナや亜鉛華、ジルコニアや酸化カルシウ
ム、マイカの如き顔料等の適宜な着色剤、酸化防止剤な
どの適宜な添加物を配合することもできる。添加物の配
合量は、印刷性などの点より30重量%以下が好まし
い。
【0048】なおライナレス印刷用シートは、片面に被
印刷基材が露出し、他面に粘着層が露出する状態にあれ
ばよいから、被印刷基材と粘着層の間には、補強層など
の適宜な層を介在させることができる。補強層は、被印
刷基材の補強などを目的にラベルシートの用途等に応じ
て必要により使用されるものである。従って補強層とし
ては、ポリマーの塗布層やフィルム、繊維や布、紙や不
織布、金属箔やネット、ワイヤなどの適宜なものを用い
うる。なお補強層の選択で、ライナレス印刷用シートな
いしラベルシートの物性を容易に制御することができ
る。また、形成されるインク情報とのコントラストの向
上等の必要に応じての対策は、補強層に施すこともでき
る。
【0049】補強層を有するライナレス印刷用シートの
形成は、例えば熱ラミネート法や押出コーティング法等
の適宜な方式で補強層上に上記した被印刷基材のインク
受容層等を付設する方式、補強層に溶液状ないし溶融状
の被印刷基材の形成材を含浸させる方式、被印刷基材内
に補強層を介在させる方式などの適宜な方式で行うこと
ができる。巻回性や曲面密着性などの点よりは、柔軟性
に優れる被印刷基材としたものが好ましい。
【0050】ちなみに紙からなる被印刷基材に接着力が
低い粘着層を設けたライナレス印刷用シートなどは、紙
が良好なインク受容性を示して各種の印刷方式にて良好
な印刷処理を施すことができる。またシリコーンポリマ
ー等の低接着性ポリマーとポリエステルポリマー等のイ
ンク受容性ポリマーとの混合層や、インク受容性ポリマ
ー層の上に低接着性ポリマーの薄層を有するものからな
る被印刷基材や、かかる層をポリプロピレン合成紙等の
補強層の上に有する被印刷基材にゴム系等の汎用な粘着
層を設けたライナレス印刷用シートは、昇華性インクの
インクリボンを用いた昇華型熱転写方式のプリンタにて
良好な印刷処理を施すことができる。
【0051】さらに親水性ポリマー等からなるインク受
容性ポリマー層の上にシリコーンポリマー等の低接着性
ポリマーからなる多孔質層を有する被印刷基材や、かか
る層を紙等の補強層の上に有する被印刷基材にアクリル
系等の汎用な粘着層を設けたライナレス印刷用シート
は、インクジェット方式のプリンタにて良好な印刷処理
を施すことができる。
【0052】また上記の被印刷基材と、その表面に対し
て低接着力を示す粘着層と、印刷インクとの特殊な組合
せからなる印刷方式の例としては、必要に応じシリコー
ンポリマー等の低接着性ポリマーを配合したポリオレフ
ィン系ポリマー層又はその層を紙等の補強層で支持した
ものなどからなる被印刷基材と、ポリエステル系粘着剤
やアクリル系粘着剤等の低接着力粘着層と、ポリオレフ
ィン系ポリマーと着色剤を成分とするインクとの組み合
わせにより行う溶融型熱転写方式があげられる。
【0053】一方、被印刷基材は、感熱紙等の熱を介し
てインク情報を印刷できる感熱方式に用いるものであっ
てもよい。好ましく用いうる感熱方式の被印刷基材は、
断熱シートの片側に感熱発色層を設けたものである。断
熱シートの使用により、連続的な感熱印刷処理で印刷装
置が蓄熱して昇温しても、その熱に感熱発色層が感応し
て発色することを防止でき、熱印刷による発色部分と地
色とのコントラストに優れる鮮明な感熱発色パターンを
形成することができる。従って断熱シートは、熱印刷に
よる感熱発色パターンを鮮明な状態で連続して大量に形
成することを可能にする。
【0054】前記の断熱シートとしては、ライナレス印
刷用シートの使用目的などに応じて、ポリマーシート、
そのポリマーシートと繊維や布、不織布や金属箔等の補
強基材を併用した複合シ一ト、あるいは発泡シートや紙
やポリマーフィルム等の2種以上を用いたラミネート体
などの適宜なものを用いることができ、例えば結晶融解
温度が120℃以下のポリエチレンなどからなるシート
なども断熱シートとして用いうる。
【0055】感熱発色層の形成は、例えばロイコ染料と
顕色剤などにより感熱発色性を付与してなる層などとし
て適宜に行うことができ、市販の感熱紙の接着付設層な
どとして形成することもできる。感熱発色層の厚さは、
500μm以下、好ましくは200μm以下、特に好ま
しくは5〜100μmが一般的であるが、これに限定さ
れるものではない。
【0056】なお感熱発色層の上側表面には、粘着層と
の接着力の低下を目的とした剥離コート層を必要に応じ
て設けることもできる。剥離コート層は、上記した剥離
剤などを用いて形成しうるが、その付設処理による感熱
発色の防止などの点よりは、アクリロイル基又はメタク
リロイル基を分子中に2個以上含有するシリコーン系ポ
リマーからなる剥離剤が好ましく用いうる。これによれ
ば、電離性放射線による照射処理で硬化皮膜を形成で
き、従って低温処理で硬化皮膜を形成できて感熱発色層
の感熱発色を防止することができる。
【0057】前記剥離コート層の形成は、例えばスクイ
ズコータ等の適宜な装置にて当該シリコーン系ポリマー
からなる剥離剤を感熱発色層の上に塗工し、その塗工層
を電離性放射線で照射処理して硬化皮膜とする方法など
により行うことができる。その場合、当該シリコーン系
ポリマーの塗工量は、0.05〜5g/m2 が好まし
く、特に0.1〜3g/m2 が好ましい。その塗工量が
0.05g/m2 未満では、膜厚不足で大きい剥離力と
なり、また剥離力が安定しない場合がある。なお5g/
2 を越える塗工量は、照射処理に多時間を要するなど
実益に乏しい。
【0058】被印刷基材の厚さは、ライナレス印刷用シ
ートの使用目的などに応じて適宜に決定してよい。一般
には、インクの定着性や強度などの点により1mm以
下、より好ましくは1〜500μm、特に好ましくは5
〜200μmの厚さとするのが良い。補強層を併用する
場合でも、インクの定着性や強度などの点より、被印刷
基材のインク受容層は、好ましくは0.1μm以上、よ
り好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは1μm以
上の厚さとすることである。
【0059】なお、巻回性や曲面密着性等の点よりは、
柔軟性に優れる被印刷基材とすることが好ましい。ま
た、被印刷基材には、例えばシリカ、チタニア、アルミ
ナ、亜鉛華、ジルコニア、酸化カルシウム、マイカの如
き顔料等の適宜な着色剤を配合して白色などの適宜な色
に着色することができる。
【0060】被印刷基材の裏面に設ける粘着層は、ラベ
ルシートとした場合に被着体に簡便に接着するためのも
のであるが、本発明においてはセパレータ等の保護カバ
ーなしで粘着層を被印刷基材の裏面側に接着して巻回体
とした場合に、容易に繰り出しつつ印刷装置内を搬送手
段を介して順送りできる粘着層として形成される。
【0061】前記巻回体の容易な繰り出し性などの点よ
りは、被印刷基材の表面に対する接着力が、180度ピ
ール値(剥難速度300mm/分)に基づいて、490
0mN/50mm以下の粘着層とすることが好ましい。
また、プリンタ等を介した自動的な繰り出し性と、被着
体に対する接着力との調和性などの点から見ると9.8
〜2940mN/50mmの粘着層とすることがより好
ましく、49〜1470mN/50mmの粘着層とする
ことが特に好ましい。
【0062】粘着層の形成には、適宜な粘着性物質の1
種又は2種以上を用いることができ、その種類について
特に限定はない。ちなみにその例としては、ゴム系、ア
クリル系、シリコーン系、ビニルアルキルエーテル系、
ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポ
リアクリルアミド系、セルロース系、ウレタン系、ポリ
エステル系、ポリアミド系などの粘着剤があげられる。
【0063】また粘着層は、熱賦活性のものにて形成す
ることもできる。熱賦活性粘着層は加熱前にはタックを
示さず、加熱によりタックが発生して粘着層(感圧接着
層)としての特性を示すものである。その形成は、例え
ば前記の粘着剤に結晶性可塑剤を配合することにより行
うことができる。
【0064】前記の結晶性可塑剤としては、常温で固体
状態を示す各種の可塑剤を用いることができる。特に、
ジシクロヘキシルフタレート(融点64℃)やジメチル
フタレート(融点67℃)やジフェニルフタレート(融
点69℃)の如きフタル酸系可塑剤、ジブチルイタコネ
ート(融点38℃)やモノブチルイタコネート(融点4
0℃)やモノメチルイタコネート(融点67℃)の如き
反応性可塑剤などが加熱によるタックの発生性や感圧接
着特性などの点より好ましく用いうる。
【0065】被印刷基材の表面に剥離コート層を有しな
い場合、その被印刷基材表面との低い接着力性、その初
期接着力の維持性、従って巻回体とした場合の繰り出し
の容易性と安定性、被着体に対する接着固定の安定性な
どの点より好ましい粘着層は、ウレタン系粘着剤、ポリ
エステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、アクリル系粘
着剤の1種又は2種以上を用いて形成したものである。
【0066】粘着層の形成は、例えばカレンダーロール
法等の圧延方式、ドクターブレード法やグラビアロール
コータ法等の塗工方式などの適宜な方式でセパレータ上
に粘着層を設けて、それを被印刷基材の所定面上に移着
する方式や、それに準じて被印刷基材の裏面に直接粘着
層を設ける方式などの適宜な方式にて行うことができ
る。
【0067】粘着層の厚さは、適宜に決定しうるが、一
般には接着力や市販のプリンタ等に装着する場合の印刷
用シートとしての適性などの点より、1〜500μmと
することが好ましく、均一厚の粘着層の安定した形成性
などを加味した場合には5〜100μm、より好ましく
は10〜60μm、特に15〜40μmとすることが好
ましい。
【0068】前記の図1の例では、サーマルヘッドと溶
融型インクリボンによる溶融型熱転写方式の印刷機構2
を例示したが、本発明においては例えばインクジェツト
ヘッドとインクによるインクジェツト方式、サーマルヘ
ッドやレーザービーム式等の各種の熱書込みヘッドを介
した感熱方式、サーマルヘッドと昇華型インクリボンに
よる昇華型熱転写方式などの適宜な印刷機構を有する印
刷装置とすることができる。なお感熱方式においては、
加熱ペンや加熱スタンプなどの適宜な熱印刷法にて感熱
発色させて臨機にラベルシートを現場発行することもで
きる。
【0069】なお前記において、印刷機構が昇華型熱転
写方式である場合には、印刷処理性などの点よりインク
層に剥離剤等による離型処理、特に、シリコーン系ポリ
マ−の硬化皮膜からなる離型処理を施したインクリボン
を用いることが好ましい。また印刷機構がインクジェッ
ト方式である場合には、常温で固体の熱溶融性インク、
特に、上記した粘着性物質の如き常温で粘着性のポリマ
ーをバインダ成分として含有する熱溶融性インクを用い
ることが印刷処理性などの点より好ましい。印刷装置へ
のライナレス印刷用シートの巻回体の適用に際しては、
その巻回体をカセット内に収容してなるカセット方式と
することもできる。
【0070】一方、粘着層が熱賦活性のものからなる場
合、タックを発生させるための加熱は、例えばサーマル
ヘツドや加熱ロール、赤外線放射機やドライヤ等の熱風
吹付け機などの適宜な加熱手段を装置内に組み込む方式
や装置外加熱方式などの適宜な方式にて行うことができ
る。
【0071】なお上記の印刷装置の具体例を図3に示し
た。これは、溶融型熱転写式印刷装置(プリンタ)であ
り、これによればライナレス印刷用シート5がその巻回
体51よりプリンタ内のシリコーンゴムコートの搬送ロ
ール62を介し繰り出されて連続的に搬送されつつ、そ
の前部のポリオレフィンからなるガイド61を介し幅方
向が位置決めされ、かつセンサー63を介しライナレス
印刷用シート1の先端位置を割出して、インクリボン6
4とサーマルヘッド65とシリコーンゴムコートのプラ
テンロール66からなる印刷機構6に導かれる。
【0072】この印刷機構6では、インクリボン64の
インクが図版の印刷データに基づいて作動するサーマル
ヘッド65の発生熱を介し溶融され、その溶融部分がプ
ラテンロール66を介した押圧力でライナレス印刷用シ
ート1の被印刷基材表面に熱転写され、形成目的のイン
ク情報が定着して剥離プレート67を介し被印刷基材に
密着したインクリボンのインク層が分離されて印字さ
れ、インクリボン64が回収リール68に巻取られる。
【0073】ついで、印字後のライナレス印刷用シート
1は、検証機構7を介して印字状態の良否が検査され、
検証機構7と連動するカット機構8に到達してライナレ
ス印刷用シート1の幅方向に所定の寸法で切断され、そ
の切断片からなるラベルシート52が形成される。なお
不良品の場合には、カット機構8を介してロスマ−クの
カットが入れられる。
【0074】印刷装置を介してライナレス印刷用シート
1に付与するインク情報は、例えば印字パターンや絵柄
パターンやバーコードパターンなどの任意な文字や図形
や記号などで形成することができる。従って、識別ラベ
ルなどの適宜な情報を記入したラベルシートを形成する
ことができる。その場合、インク情報を連続的に印刷し
て目的のラベルシートを連続して形成することもできる
し、規定サイズのラベルシートの単品物や一定数を形成
することもできる。
【0075】従って、現場発行等による臨機なラベルシ
ートの形成にも対処することができる。得られたラベル
シートは、それを所定寸法に切断してその粘着層を介
し、目的とする適宜な被着体に接着固定することができ
る。
【0076】
【実施例】<例1>酸化防止剤0.4重量%含有の粘度
平均分子量が30万の低密度ポリエチレンを坪量80g
/m2 の上質紙の片面に押出しラミネートして厚さ18
μmの被印刷層を形成し、他面にアクリル酸ブチル・ア
クリル酸共重合体のエマルションを均一塗工して形成し
た厚さ25μmの粘着層を移着してライナレス印刷用シ
ートを得、それを被印刷基材の表面に粘着層を接着する
方式にて巻き取って、巻回体を得た。
【0077】市販品の溶融型インクシートを装墳した図
3に示した溶融型熱転写プリンタに、前記で得た巻回体
を装着し、その被印刷基材の表面にインクを熱転写して
印字し、ラベルシートを得た。なお前記の溶融型熱転写
プリンタのプラテンロール66は、a=40μm、b=
1500μm、c=1500μmである凹凸が表面部分
に形成されたシリコーンゴムのプラテンロールを用い
た。
【0078】<例2>粘着層に天然ゴム系の粘着剤(厚
さ25μm)を用いたほかは、例1に準じてラベルシー
トを得た。
【0079】<例3>表面部分に全く凹凸のないシリコ
ーンゴムのプラテンロールを用いたほかは、例1に準じ
てラベルシートを得た。
【0080】<例4>表面部分に全く凹凸のないシリコ
ーンゴムのプラテンロールを用いたほかは、例2に準じ
てラベルシートを得た。
【0081】[評価試験]例1〜4にてラベルシートを
形成する際に下記の特性を調べた。 (1)繰り出し搬送性 連続印字処理、及び5時間停止後の印字再開におけるラ
イナレス印刷用シートの繰り出し搬送性を調べた。 (2)耐久性 4時間連続印字を1日2回行う操作を30日間線り返し
て耐久性を調べた。前記の結果を次表に示した。
【0082】 <その他の実施形態>本実施形態では、搬送手段として
ロール(プラテンロール等)を例示しているが、これに
限定されず、その他のベルト等の搬送手段であっても本
発明は応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】好適な実施形態にかかる印刷装置の部分拡大説
明図
【図2】ライナレス印刷用シートの断面図
【図3】他の実施形態にかかる印刷装置の構成を示す側
面図
【図4】表面に凹凸があるシリコーンゴムロールの断面
【図5】シリコーンゴムロール表面上の凹凸の形成方向
を示す図
【符号の説明】
1,5:ライナレス印刷用シート 11:被印刷基材 12:粘着層 13,51:巻回体 14,52:印刷シート(ラベル) 2,6:印刷機構 2l,66:プラテンロ−ル 22,65:サーマルヘッド 23,68:インクリボン 26:インク情報 3:順送り機構 4,8:カット機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 愼二 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 柿本 渉 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2C060 AA04 3F104 AA02 JC06 JD11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷基材の裏面に粘着層が設けられた
    ライナレス印刷用シートの表面にインク情報を形成する
    ための印刷機構と、 前記シートをロール状に巻回した巻回体から繰り出して
    搬送する搬送手段とを備え、 前記搬送手段により前記シートを搬送させながら、前記
    印刷機構により前記インク情報を形成するようにしたラ
    イナレス印刷用シートの印刷装置において、 前記搬送手段は、前記粘着層と接触した状態で前記シー
    トを搬送するように構成されており、かつ、少なくとも
    その表面が凹凸を有するシリコーンゴムにより形成され
    ていることを特徴とするライナレス印刷用シートの印刷
    装置。
  2. 【請求項2】 前記凹凸は、下記の式(1)及び(2)
    で示されることを特徴とするライナレス印刷用シートの
    印刷装置。 100a≧b≧0.5a・・・(1) c≧b≧0.5c・・・・・・(2) (式中、aは溝の深さ、bは溝の巾、cは溝のピッチを
    示す。)
  3. 【請求項3】 aが10〜1000μm、bが500〜
    3000μm、b=cであることを特徴とする請求項2
    に記載のライナレス印刷用シートの印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記印刷機構における印刷方式は、溶融
    型熱転写方式、昇華型熱転写方式、インクジェット方
    式、感熱方式のいずれか1つである請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のライナレス印刷用シートの印刷装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014195994A (ja) * 2013-03-07 2014-10-16 株式会社リコー インクジェット記録用粘着ラベル
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