JP2015136901A - 印刷画像付き粘着テープの製造方法と該印刷画像を形成する装置 - Google Patents

印刷画像付き粘着テープの製造方法と該印刷画像を形成する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粘着剤層を有する長尺な粘着テープの外面(被印刷面)にロールtoロール搬送系においてインクジェット印刷により高精度に所望の印刷画像を形成する技術を提供する。
【解決手段】粘着テープ印刷装置100は、ロールtoロール搬送部40がインクジェット印刷部60における印刷速度が10〜60m/分となるように巻回体10から巻き戻された粘着テープ1を所定方向に搬送するように構成されており、さらに粘着剤層対面搬送ロール41,43,44,46として、180度剥離試験に基づいた上記搬送される粘着テープ粘着剤層4の該ロール粘着剤層接触面に対する粘着力が1N/10mm以下となることを実現する搬送ロールを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット印刷によって形成された印刷画像を備える粘着テープとその製造方法に関する。また、本発明は、粘着テープの被印刷面にインクジェット印刷によって所望の印刷画像(印刷層)を形成するための印刷方法、印刷装置ならびに該装置に用いられる構成部材(搬送ロール)に関する。
粘着テープは種々の用途に用いられているが、その粘着テープの外面(粘着剤層が形成された側とは反対の側の表面をいう。以下同じ。)の意匠性(デザイン性)を向上させる方策の一つとして当該外面に所望の模様やイラスト、記号等から成る画像を印刷によって形成することが挙げられる。かかる意匠性に優れる印刷画像(印刷層)を粘着テープの外面に形成する従来技術の例として、特許文献1〜3が挙げられる。
特許文献1に記載される技術では、いわゆるインクジェット方式を採用して透明又は半透明な基材シート(基材層)の裏面のインク受容層にインクジェット用インクを噴射することによって印刷画像を形成し、その上に粘着剤層を形成することによって貼着テープとしての積層テープを製造している。
また、特許文献2、特許文献3に記載される技術では、粘着テープ(印刷シート)の基材の表面にいわゆる熱転写プリンタ方式によって好適に印刷画像を形成する技術が開示されている。
特開平10−1651号公報 特開2001−347715号公報 特開2002−307580号公報
近年、工業製品の意匠(デザイン)に対する要求が高まっており、粘着テープについても例外ではない。また、意匠に対する消費者の好みも多様化している。このため、同一の仕様の粘着テープであっても、印刷画像を構成する模様やイラスト、記号等(以下、印刷画像の内容を総称してデザインという。)についてはそれぞれ異なるものを少量ずつ多種類製造することが要求されている。
このような同一の仕様(例えば粘着シートを構成する基材、粘着剤層の構成は同じ)であっても印刷画像のデザインは相互に異なる複数種の粘着テープを効率よく製造する一つの手段として、少なくとも長尺なシート状基材と当該基材の一方の面に沿って形成された粘着剤層とを備える長尺な粘着テープを巻回して成る粘着テープ巻回体を予め作製しておき、その巻回体を適宜巻き戻しつつ、いわゆるロールtoロール搬送系において当該粘着テープの外面(被印刷面)にインクジェット印刷によって所望のデザインの印刷画像を形成する手段が考えられる。
インクジェット印刷によれば、巻回体から巻き戻されて所定方向にロールtoロール搬送される粘着テープに所定デザインの印刷層を必要量(換言すれば必要なテープ長さ)だけ形成し得ることが期待される。また、印刷されるデザインの内容を適宜切り替えることも容易であるため、印刷画像のデザインが相互に異なる同一仕様の粘着テープを少量ずつ多種類連続的にロールtoロールで製造する場合に好適な印刷手段であり得る。
しかしながら、従来のインクジェット印刷装置では、巻回体から巻き戻されてロールtoロールで搬送される粘着テープに高精度に正確なデザインの印刷層を継続して形成することが困難であった。例えば、上記特許文献1に記載の方法は、粘着剤層を形成した後の状態の粘着テープに印刷層を形成する手段ではなく、先ず基材の一方の面に印刷を施した後、該基材の他方の面に粘着剤層を形成する必要があり、印刷画像付き粘着テープの製造プロセスが複雑になる。また、上記特許文献2,3に記載のロールtoロール搬送系による印刷方法は、インクジェット印刷を採用して印刷画像を連続的に効率よく形成するためになお改善の余地があり、好適なインクジェット印刷手段を提供し得ていない。
そこで本発明は、かかる粘着テープの外面に印刷画像を形成することに関する課題を解決するべく創出された発明であり、予め粘着剤層が形成されている少なくとも基材と粘着剤層とを備える長尺な粘着テープの外面(被印刷面)にロールtoロール搬送系においてインクジェット印刷により効率よく高精度に所望の印刷画像を形成するための方法、ならびに印刷装置を提供することを目的とする。また、そのようなインクジェット印刷によって印刷画像(印刷層)を形成する方法および印刷装置によって形成された印刷画像付き粘着テープの製造(提供)を他の目的とする。
本発明者らは、予め印刷層を備える粘着テープの巻回体をロールtoロール搬送系を利用して巻き戻しつつ搬送する過程において、インクジェット印刷を採用して所定の印刷速度により該粘着剤層の反対側の外面(被印刷面)に所望の印刷画像を形成することにより、少量生産か多量生産かに拘わらず相互に印刷画像が異なる多種類の印刷画像付き粘着テープを効率よく製造し得ることに着目し、このことを実現する製造プロセスの条件や印刷装置構成を創出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を実現するべく、ここで開示される粘着テープ印刷装置は、少なくとも基材と該基材の一方の側に形成された粘着剤層とを備える長尺な粘着テープの該粘着剤層とは反対の側の外面にインクジェット印刷によって印刷画像を形成するための粘着テープ印刷装置である。
かかる装置は、上記粘着テープから成る巻回体から巻き戻された粘着テープを所定方向に搬送するロールtoロール搬送部であって該巻き戻された粘着テープの上記粘着剤層が接触した状態で該粘着テープを搬送する少なくとも一つの粘着剤層対面搬送ロールを有するロールtoロール搬送部と、上記ロールtoロール搬送部の一部に設けられたインクジェット印刷部であって搬送されてきた粘着テープの外面に所定の印刷画像を形成するインクジェット印刷部とを備える。
そして、上記ロールtoロール搬送部がインクジェット印刷部における印刷速度が10〜60m/分の範囲内で粘着テープを所定方向に搬送するように構成されていることを特徴とする。さらに、上記粘着剤層対面搬送ロールとして、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた上記搬送される粘着テープ粘着剤層の「該ロール粘着剤層接触面(即ちロールの周面)」に対する粘着力が1N/10mm以下である搬送ロールを備えることを特徴とする。
また、ここで開示される印刷画像付き粘着テープの製造方法は、少なくとも基材と該基材の一方の側に形成された粘着剤層とを備え、該粘着剤層とは反対の側の外面に印刷画像を有する粘着テープを製造する方法である。
かかる製造方法は、
上記粘着テープが巻回された巻回体を用意すること;
上記粘着剤層が接触した状態で該粘着テープを搬送する少なくとも一つの粘着剤層対面搬送ロールを含むロールtoロール搬送系において上記巻回体から巻き戻された粘着テープを搬送すること;
上記ロールtoロール搬送系で搬送される過程において、所定の印刷速度で上記粘着テープの外面にインクジェット印刷により所定の印刷画像を形成すること;および
上記印刷画像が形成された粘着テープを回収すること;を包含する。
そして、ロールtoロール搬送系における上記粘着テープを印刷速度10〜60m/分で粘着テープの外面に対して上記印刷画像をインクジェット印刷で形成し、且つ、上記粘着剤層対面搬送ロールとして、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた上記搬送される粘着テープ粘着剤層の「該ロール粘着剤層接触面(即ちロールの周面)」に対する粘着力が1N/10mm以下である搬送ロールを使用することを特徴とする。
上記のように、ここで開示される印刷装置ならびに粘着テープ製造方法では、予め粘着剤層が形成された粘着テープ(巻回体)をロールtoロール搬送系に供給し、その搬送過程(インライン)において所望するデザインの印刷画像を、インクジェット印刷機構の制御によっていつでもデザイン変更可能な状態で容易に形成することができる。このため、先に印刷画像(印刷層)を形成し、その後に粘着剤層を付与する従来の製造プロセスと比較して、需要者が望む少量(小ロット)多種類の印刷画像付き粘着テープを効率よく短期間(短納期)で製造することができる。
また、ロールtoロール搬送系において使用する粘着剤層対面搬送ロールとして、上記180度剥離試験に基づいた粘着テープ粘着剤層の該ロールの粘着剤層接触面に対する粘着力(剥離強度ともいえる。以下同じ。)が1N/10mm以下となることを実現する搬送ロールを使用することにより、巻き戻された粘着テープの上記印刷速度が10〜60m/分であるような比較的高速であるにも拘わらず、当該搬送ロールと、粘着剤層との好ましくない粘着(剥がれ難さ)に起因するロールtoロール搬送過程(特にインクジェット印刷部における印刷過程)での被印刷面の特に搬送方向に生じる印刷ズレを防止し、結果、正確で精度の高い印刷画像を効率よく搬送過程で形成していくことができる。このため、本発明によると、高印刷品位の印刷画像が形成された意匠性に優れる粘着テープを効率よく連続して製造することができる。
好ましくは、粘着剤層対面搬送ロールとして、上記180度剥離試験に基づいた上記搬送される粘着テープ粘着剤層の該ロール粘着剤層接触面に対する粘着力が0.01〜0.7N/10mmである搬送ロールを採用する。
このような数値範囲の粘着力(剥離強度)を実現する粘着剤層対面搬送ロールを採用することによって、上記印刷速度であってもロールtoロール搬送過程での粘着テープ被印刷面の搬送方向に沿う印刷ズレをより高度に防止することができ、効率よく高精度な印刷画像を粘着テープの外面に形成していくことができる。
また、好ましくは、粘着剤層対面搬送ロールとして、該ロールの粘着剤層接触面が上記粘着力を実現する凹凸形状の金属あるいは樹脂で構成された搬送ロールを採用する。
このような凹凸形状(典型的にはローレット目(凹凸条))を有する搬送ロールを採用することにより、当該接触面に特殊な被覆処理(例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂による被覆処理)を行うことなく、上記印刷速度におけるロールtoロール搬送過程での粘着テープ被印刷面の搬送方向に沿う印刷ズレをより高度に防止することができる。
また、ここで開示される粘着テープ製造方法の好ましい一態様では、上記粘着テープの巻回体として、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた該粘着テープ粘着剤層のSUS304BA板に対する粘着力が1〜10N/18mmである粘着テープの巻回体を使用することを特徴とする。
このような粘着力を有する粘着剤層を備える粘着テープ(巻回体)は、本発明の実施の対象(即ちロールtoロール搬送によるインクジェット印刷の対象)として好適である。
また、ここで開示される粘着テープ製造方法の好ましい一態様では、上記粘着テープの外面(被印刷面)が紙材で構成されていることを特徴とする。
被印刷面を構成する素材(被印刷面が基材表面である場合は典型的には基材自体が紙材で構成される。)が和紙等の紙材であると、インクジェットインクとの相性(インクの乗り)が良く、審美性に優れる印刷画像を形成することができる。
本発明の一実施形態に係る印刷画像付き粘着テープの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る粘着テープ印刷装置の構成を模式的に示すブロック説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される場合のサイズ・縮尺を正確に示すものではない。
なお、以下の説明において「搬送速度」とは、ロールtoロール搬送系全体(具体的には後述する巻回体取付部(即ちテープ繰り出し部)から巻取り回収部(即ちテープ巻取り部)までの搬送路)の搬送速度をいい、「印刷速度」とは、インクジェット印刷部における印刷速度をいう。
ここで開示される粘着テープ製造方法によって製造され得る粘着テープは、予め粘着剤層が形成された長尺な粘着テープであって、少なくとも印刷画像形成プロセスにおいて巻回体を構成してロールtoロール搬送系に供給可能なものである限り、その構成自体に特に制限はない。
典型的には、図1に模式的に示す粘着テープ1のように、基材2の一方の面側に所定の組成の粘着剤層4が形成され、当該粘着剤層4が形成されている側とは反対側の外面に後述するようなインクジェット印刷技法によって形成される印刷画像6を備える。図示される粘着テープ1は最もシンプルな構成の一実施形態であり、印刷画像6は基材2の一方の表面(外面)に形成されている。
粘着テープ1の主体をなす基材(支持体)2としては、特に限定されず、従来公知のものを採用することができる。例えば、グラシン紙、クラフト紙、和紙、上質紙、合成紙等の紙材であり得る。特にインクジェットインクの乗りがよい紙材として、和紙や上質紙が挙げられる。
また、綿布やスフ布等の天然繊維、半合成繊維又は合成繊維の繊維状物質により構成される布(織布)製のものであってもよい。或いは、レーヨン、ポリビニルアルコール(ビニロン)、マニラ麻、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、アクリル、綿、アセテート等の天然繊維、半合成繊維若しくは合成繊維の繊維状物質による不織布製のものであってもよい。
或いは、多孔質ポリオレフィン、多孔質ポリエステル、多孔質ポリウレタン等の多孔質プラスチック製シート若しくはフィルムから成る基材であってもよい。或いはまた、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/メチルメタクリレート共重合体、エチレン/n−ブチルアクリレート共重合体、ポリプロピレン等のホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーなどのポリオレフィン樹脂製の基材であってもよい。また、これらの積層体などを使用することもできる。
基材は、取扱性の観点から多孔性であることが好ましく、多孔性基材となり得る材料としては、上記の繊維状物質からなる紙材、特に、叩解された木材パルプ、あるいはこれに一種以上の合成短繊維を混抄してなる多孔性薄葉紙材が好ましい。このような紙材からなる和紙が強度、伸び等に優れる点で特に好ましい。また、上記合成短繊維としては、ポリビニルアルコール(例えばビニロン)、ポリアミド(例えばナイロン(商標))、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
特に強度や伸度の向上、適度な剛性を付与できる点から、紙材に混抄される合成短繊維がビニロンであり、その混抄率が5wt%以上、好ましくは5〜70wt%、より好ましくは15〜50wt%である多孔性薄葉紙材が好適に使用され、このような多孔性薄葉紙材からなる和紙が本発明の実施に使用される基材として特に好ましい。多孔性薄葉紙材の坪量は特に限定されないが、15〜80g/m程度が適当であり、25〜50g/m程度が好ましい。
基材の厚さとしては、その材質や形態などに応じて、適宜選択することができるので特に限定されないが、例えば、30μm以上が適当であり、40μm以上が好ましく、50μm以上が特に好ましく、140μm以下が適当であり、120μm以下が好ましく、100μm以下が特に好ましい。このような厚さ範囲の基材は、ロールtoロール搬送に適しているため、本発明を好適に実施することができる。また、基材2の幅サイズ(テープ長手方向に直交する方向のサイズ)は、特に限定されない。典型的には10mm以上、好ましく適用され得る幅サイズは20mm以上であり、500mm以下が適当であり300mm以下(例えば50mm〜250mm)が好ましい。
粘着テープ1の主要構成部分である粘着剤層4は、ロールtoロール搬送系に適用可能な粘着剤層であれば特に限定されない。粘着剤層の形成に使用される粘着剤の典型例として、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体)系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、等が挙げられる。粘着性の調整のし易さ等の観点からアクリル系粘着剤が特に好ましい。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
粘着剤層の厚さとしては、ロールtoロール搬送に適する厚さであれば特に限定されないが、3μm以上が適当であり、5μm以上が好ましく、10μm以上が特に好ましい。一方、100μm以下が適当であり、50μm以下が好ましい。例えば、10μm〜50μm厚の粘着剤層がロールtoロール搬送に特に好適である。
粘着剤層の粘着力としては、ロールtoロール搬送系に適用可能なレベルであれば特に限定はないが、好ましくは180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づくSUS304BA板に対する粘着力が1〜10N/18mmの範囲内にあることが好ましい。かかる粘着力が1〜5N/18mmの範囲内にあることがさらに好ましく、1〜3N/18mmの範囲内にあることが特に好ましい。このような数値範囲の粘着力の粘着テープを巻回体とすると、ここで開示されるロールtoロール搬送系におけるインクジェット印刷による印刷画像の形成を高精度に効率よく行うことが容易となる。
なお、上記180度剥離試験は、市販される一般的な180度剥離試験機(引張試験機)を使用して容易に実施することができる。具体的には、ステンレス(SUS304BA)板に、23℃および65%RHの条件下、幅18mm、長さ120mmの供試粘着テープを2kgのロールで1往復して貼り合わせる。貼り合わせから23℃および65%RHの条件下で20分経過した後、23℃および65%RHの同条件下で引張試験機(例えば(株)島津製作所製のオートグラフシリーズの製品)を用いて、180°方向に引張速度:300mm/minで剥離したときの粘着力(N/18mm)を測定することができる。
また、本発明の実施に使用される粘着テープとしては、安定した巻回体からの巻き戻しを実現するという観点から、巻回体の状態において粘着剤層と接する(対向面となる)外面に対する粘着剤層の23℃における180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づく粘着力(即ち、自背面粘着力)は、0.1N/18mm以上が好ましく、0.5N/18mm以上がより好ましい。一方、かかる粘着力は10N/18mm以下が好ましく、5N/18mm以下がより好ましい。
図1に示すように、本発明の実施に使用される粘着テープ1は、少なくとも基材2と粘着層4とを備えておればよく、かかる形態に限定されない。基材2と粘着層4の他に、付加的な層を備える粘着テープであってもよい。
例えば、基材の一方の面に着色インクから成る着色層を設けてもよく、長鎖アルキル系剥離剤、シリコーン系剥離剤等から成る剥離処理層を設けてもよい。或いは、粘着剤層と基材との間にこれら相互の接着性を向上させるための表面処理層が形成されたものであってもよい。
なお、基材表面に粘着剤層を形成する手法に特に制限はなく、粘着剤の組成、性状に応じて適当な方法を採用することができる。例えば、粘着剤を構成する(メタ)アクリル系ポリマーがUV硬化型のモノマー成分から構成される場合、当該モノマー成分を含む粘着剤形成用組成物を基材の一面に塗布し、紫外線照射を行うことによってモノマー成分を重合して(メタ)アクリル系ポリマーの合成と粘着剤層の形成とを同時に行うことができる。或いは、予め溶剤型や水分散型の粘着剤を調製し、かかる粘着剤を基材の表面に塗布し、乾燥することによって形成してもよい。粘着剤層の組成や形成方法それ自体は本発明を特徴付けるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
次に、ここで開示されるロールtoロール搬送系においての印刷画像の形成方法と該方法を実施するための印刷装置に関する好適な実施形態を図面を参照しつつ説明する。図2は、本実施形態に係る印刷装置100の構成を模式的に示すブロック説明図である。
図2に示すように、本実施形態に係る粘着テープ印刷装置100は、基材2の一方の側に粘着剤層4を備える長尺な粘着テープ1の該粘着剤層4とは反対の側の外面(ここでは基材2の外表面)にインクジェット印刷によって印刷画像を形成するための粘着テープ印刷装置100である。図示されるように、かかる印刷装置100は、大まかにいって、ロールtoロール搬送部40と、インクジェット印刷部60と、制御部70とを備える。
図2に示すように、ロールtoロール搬送部40の上流側には本実施形態に係る印刷装置100に接続され得る外部装置としての巻回体取付部(即ちテープ繰り出し部)に相当する巻出しロール20が配置されており、長尺な粘着テープ1から成る巻回体10を巻き戻し可能に取り付けることができる。巻出しロール20に取り付けられた巻回体10から巻き戻された粘着テープ1は本実施形態に係るロールtoロール搬送部40に連続的に供給される。一方、ロールtoロール搬送部40の下流側には本実施形態に係る印刷装置100に接続され得る外部装置としての粘着テープ巻取り回収部(即ちテープ巻取り部)に相当する巻取りロール80が配置されており、後述するインクジェット印刷部60を通過して搬送されてきた印刷画像6付きの粘着テープ1を巻回しながら回収することができる。なお、本実施形態においては巻回体取付部(巻出しロール20)および巻取り回収部(巻取りロール80)それ自体は印刷装置100に付設される外部装置の位置づけであるが、印刷装置100に包含される内蔵型構成ユニットであってもよい。
ロールtoロール搬送部40は、本実施形態に係るロールtoロール搬送系を構成する複数の搬送ロール41〜46と、後述するインクジェット印刷部60に配置され、インクジェット印刷時の粘着テープ1を支持、ガイドするガイド用搬送部50とを備えており、巻回体取付部(巻出しロール20)から該搬送部40に供給された粘着テープ1を所定の搬送方向に誘導、搬送するように構成されている。なお、ガイド用搬送部50の形状は、粘着テープ1を支持、ガイドすることができれば形状を問わず、例えば図示されるようなロール形状の他、ベルト形状のガイド部、板形状のガイド部であってもよい。好ましくは、ロール形状である。ロール形状のガイド用搬送部50を備える場合には、粘着テープ1を支持したり、ガイドする観点から複数の搬送ロール51〜53(典型的には他の搬送ロールよりも小径の搬送ロール51〜53)を用いることが好ましい。
本実施形態においては、具体的には、巻回体10から巻き戻された粘着テープ1は搬送経路の最上流側にある搬送ロール41に供給され、そこから最下流側にある搬送ロール46まで複数の搬送ロール41〜46,51〜53の周面(搬送面)に接触しつつ当該搬送ロールの回転に従って搬送され、最終的には巻取り回収部(巻取りロール80)まで誘導される。
図示される搬送ロール41〜46のうち、搬送中の粘着テープ1の粘着剤層4側に接するロール(即ち粘着剤層対面搬送ロール)は、符号41,43,44,46のロールであり、他のロール42,45は、搬送中の粘着テープ1の基材2側に接する基材対面搬送ロールである。なお、本実施形態に係るガイド用搬送部50を構成するガイド用小径搬送ロール51〜53は、その配置位置の関係からいずれも粘着剤層側に接するロールである。
搬送ロール41〜46のうちの少なくとも一つは、図示しない駆動モータに接続して駆動ロールとして機能することが好ましい。本実施形態においては、上流から3番目のロール43と最下流側のロール46が図示しないモータに接続して所定の回転速度(搬送速度)で回転する駆動ロールを構成しており、他の搬送ロール41,42,44,45は駆動モータに接続していない受動(追従)ロールとして配置されているがこの限りでない。本実施形態においては巻取りロール80も他の駆動ロール43,46と対応した回転速度で回転する駆動ロール80として機能する。
搬送ロールのサイズは特に限定されず、印刷装置の使用や搬送すべき粘着テープの幅のサイズによって適宜選定することができる。搬送ロールの直径は10mm以上が適当であり、特に駆動ロールとしては20mm以上が好ましく、200mm以下が適当であり、150mm以下が好ましい(例えば30mm〜100mm)。また、ロールの周面の軸方向の長さ(面長)は30mm以上が適当であり、50mm以上が好ましく、500mm以下が適当であり、300mm以下が好ましい。
なお、ロールtoロール搬送部40には、従来のロールtoロール形式の搬送装置と同様、搬送ロール41〜46上を搬送される粘着テープ1の位置ズレ(典型的には搬送方向に直交する幅方向の位置ズレ)を防止するためのガイド板や各種センサ等を装備し得るが、本発明の構成や実施に関して特に説明を要しないため、これ以上の詳細な説明や図示は省略する。なお、ロールtoロール搬送部40のテープ繰り出し部からテープ巻取り部間の搬送速度は5〜100m/分が好ましく、更に好ましくは10〜80m/分、特に好ましくは15〜65m/分である。典型的には、搬送速度イコール印刷速度であり得るが、ロールtoロール搬送部40の適当な部位(搬送路の一部)に速度制御調整のためのバッファーゾーン(典型的にはテープの一時停留ゾーン)を設ける等によって、搬送速度と印刷速度とをインクジェット印刷と搬送に影響を与えないレベルで異ならせてもよい。
インクジェット印刷部60は、上述した3番目のロール43と4番目のロール44との間に配置されるインクジェットユニット61を備える。このユニット61内には、従来のこの種のユニットと同様、インクジェットヘッド(ノズル)62の他、インクタンク、ヘッド移動装置、ヘッドクリーニング装置、制御ボード(基板)、等が備えられている。本実施形態に係るインクジェットユニット61は、圧電素子を備えたいわゆるピエゾ方式のインクジェットユニットであり、圧電素子で形成されたアクチュエータに電圧をかけて変形させることにより、インクジェットヘッド(ノズル)62から被印刷体に向かって好適な液滴サイズ、吐出量のインクを吐出することができる。インクジェット印刷の形式はスキャン方式とシングルパス方式の何れであってもよいが、比較的高い搬送速度で搬送される粘着テープに高精度に印刷画像を形成し得るという観点からはシングルバス方式が好ましい。なお、インクジェットヘッド(ノズル)は縦および横方向に複数個設置されていてもよい。
また、インクジェットヘッド62から吐出されるインクとしては、染料系インク、顔料系インク等、種々のタイプのインクジェット用インクを被印刷体(例えば基材表面)の材質に応じて適宜選択して使用することができる。また、インクジェット用インクとしてUV硬化インクを使用することができ、このためインクジェット印刷部60には、UV硬化型方式のインクジェット印刷を行うためのUV硬化用の紫外線ランプ(例えばメタルハライドランプ)68がインクジェットユニット61に近接して配置されている。
制御部70は、印刷装置100を所定の条件(プログラム)に従って作動させるためのマイコン部であって、この種の一般的な装置と同様、CPU、記憶装置、入出力回路、表示装置、通信装置、等から構成されている。制御部70は、オペレータからの入力操作及び/又は既定の自動制御プログラムに従って、ロールtoロール搬送部40を構成する各駆動ロール43,46,80を所定の搬送速度を実現するように同期させて作動させ、同時に、搬送される粘着テープ1の搬送過程での位置ズレ等を監視する。また、予め格納される印刷画像形成プログラムに従って、インクジェットユニット61ならびに必要に応じて紫外線ランプ68を作動させ、インクジェット印刷部60に搬送されてきた粘着テープ1の外面(基材2の表面)に所定の印刷速度で所定デザインの印刷画像を形成することができる。
具体的には、本実施形態に係る印刷装置100では、粘着剤層が形成されている粘着テープの巻回体10を用意し、巻出しロール20に取り付けるとともに、粘着テープ1を巻き戻して(巻き出して)ロールtoロール搬送部40に導入し、所定の印刷速度(典型的には10〜60m/分、例えば10〜30m/分)でインクジェット印刷部60に連続的に搬送する。搬送された粘着テープ1は、インクジェット印刷部60を通過して最終的にはロールtoロール搬送部40から送り出されて巻取りロール80に巻き取られ、再び巻回体10を構成する。
巻き戻しから巻き取りまでの搬送過程において、制御部70からの指令信号に基づいてインクジェットユニット61ならびに必要に応じて紫外線ランプ68が作動し、搬送中の粘着テープ1の基材2の外面に所定のデザインの印刷画像6を形成することができる。
通常、インクジェットインクは色別に4種類(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)装備され、それぞれのインクジェットヘッド(ノズル)62から基材2の外面上に適量のインクが吐出され、所望の印刷画像6が形成される。吐出されたインクがUV硬化型の場合、紫外線ランプの照射によって基材2の外面上に吐出されたインクを硬化、定着させることができる。UV硬化型のインクは、特に和紙等のインク浸透性が高い材料(特に紙材)から成る基材の外面にインクを定着させて画像を形成する場合に好ましい。
次に、本発明を好適に実施するために調整すべき条件(要件)について詳細に説明する。
ここで開示される粘着テープ製造方法(或いは印刷画像を粘着テープの外面に印刷する方法)は、効率よく且つ高精度に粘着テープの外面に所望の印刷画像を、連続的(又は断続的)にロールtoロール搬送中の長尺な粘着テープの外面にインラインで継続して形成することを実現できる方法である。
かかる方法では、インクジェット印刷部における印刷速度が10m〜60m/分(特に10m〜40m/分、さらに好ましくは10m〜20m/分)であるような比較的速い速度で搬送される粘着テープに印刷画像を高精度に形成する必要があるため、粘着剤層対面搬送ロールに対する粘着剤層の粘着力(剥離強度)を制御することが重要である。なお、インクジェット印刷部における印刷速度やロールtoロール搬送部における搬送速度は、従来からよく知られている公知の測定技法(例えば回転計やエンコーダーを使用し得る。)によって測定することができる。
本発明の実施には、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた粘着テープ粘着剤層の粘着剤層対面搬送ロールの周面(即ち粘着剤層接触面)に対する粘着力が1N/10mm以下となるように、搬送ロールの周面の状態を調整する。換言すれば、該粘着力が1N/10mm以下となることを実現する周面を有する搬送ロールを粘着剤層対面搬送ロールとして使用する。
ここで180度剥離試験は、市販される一般的な180度剥離試験機(引張試験機)を使用して容易に実施することができる。具体的には、対象である粘着テープを幅10mm、長さ120mmの大きさに切断し、評価対象の搬送ロールの周面に若しくは該周面と同じ材質の被験体に、23℃および65%RHの条件下、上記サイズに切断した粘着テープを2kgのロールで1往復して貼り合わせる。貼り合わせから23℃および65%RHの条件下で30分経過した後、23℃および65%RHの同条件下で引張試験機(例えば(株)島津製作所製のオートグラフシリーズの製品)を用いて、180°方向に引張速度:300mm/minで剥離したときの粘着力(N/10mm)を測定することができる。
粘着剤層対面搬送ロールとしては、上記180度剥離試験に基づく粘着テープ粘着剤層の当該搬送ロール周面に対する粘着力(剥離強度)が0.005N/10mm以上であって1N/10mm以下(より好ましくは0.7N/10mm以下)であることを実現するものを使用することが適当であるが、0.01N/10mm以上が好ましい。上記粘着力(剥離強度)が0.01N/10mm以上(あるいは0.1N/10mm以上)、1N/10mm以下(例えば0.01N/10mm以上(あるいは0.1N/10mm以上)、0.7N/10mm以下、特には0.2N/10mm以上、0.6N/10mm以下)であることを実現する搬送ロールの採用が特に好ましい。このような粘着力(剥離強度)の搬送ロールは、後述するようにロールの周面を機械的加工を施すことによって微小な凹凸形状とすることによって得ることができる。
上記のような180度剥離試験に基づく粘着力(剥離強度)を実現するロールを少なくとも粘着剤層対面搬送ロールとして使用することにより、ロールtoロール搬送される粘着テープの粘着剤層と搬送ロールが接触することで生じる当該粘着剤層とロール間での摩擦を低減することができる。結果、搬送される粘着テープの特に搬送方向の位置ズレを抑制することができる。特に対象とする粘着テープの粘着剤層の上記180度剥離試験に基づくSUS304BA板に対する粘着力が1〜10N/18mm(例えば2〜5N/18mm)であるような粘着テープ(巻回体)をロールtoロール搬送する場合に好ましい。
粘着剤層対面搬送ロールとして好適に使用され得るロールの材質としては、少なくとも搬送ロールの周面部分がアルミニウム又はアルミニウム合金、鉄又は鋼材、等の金属材から構成されたものであって、粘着力の調整のために当該周面に機械的な加工(典型的には微細な凹凸加工)が施されたもの、或いは当該周面に上記粘着力(剥離強度)を調整可能な物質を被覆処理したものが挙げられる。
機械的な加工としては、周面に微細な凹凸を設ける凹凸加工が挙げられる。特に二乗平均平方根表面粗さRqが2.5μm以上(例えば2.5μm〜10μm)であることが好ましい。このようなRqとすることで、巻回状粘着テープの粘着剤層とロールが接触することで生じる粘着剤層とロール間の摩擦を低減することが出来る。
このような表面粗さを実現する方法としては、サンドブラスト加工、機械加工による凹凸形状の形成(例えばローレット加工)が挙げられる。ローレット加工を行って、周面にアヤ目若しくは平目のようなローレット目を形成することが特に好ましい。例えば、周面部分がアルミニウム又はアルミニウム合金或いはその他の金属材あるいは樹脂(例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)が挙げられる。)から構成されており、その表面に平目若しくはアヤ目であってm0.3〜m0.5程度のローレット目を形成することが好ましい。
一方、被覆処理としては、周面部分がアルミニウム、鉄等の金属材から構成され、その表面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を被覆したものが挙げられる。ここで被覆処理は、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を構成する組成物をロールの周面にコーティングしてポリマー膜を直接的に周面表面に形成してもよく、或いは、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等のポリマー材料で形成されたシートやチューブをロールの周面に装着する形態であってもよい。シリコーン樹脂やフッ素樹脂により離型処理を施したセパレータシートを搬送ロールに巻き付ける手段によってもよい。巻き付け方としては、ロールの全周、またはらせん状に巻き付けることが好ましい。
或いはまた、このようなポリマー材料から形成された搬送ロール(いわゆるプラスチック製の搬送ロール)を採用してもよい。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる具体的な例に示すものに限定することを意図したものではない。
<印刷装置および印刷条件>
株式会社伸興製の巻替え装置をモディファイし、図2に示すようなロールtoロール搬送部40の一部(中間領域:図2参照)に、インクジェットユニット61および紫外線ランプ68を組み込み、さらにロールtoロール搬送部40を構成する搬送ロール41〜46、51〜53として後述する何れかの構成および粘着力(剥離強度)の搬送ロールを取り付けて粘着テープ印刷装置100を組み立てた。搭載したインクジェットユニットの詳細は以下のとおりである。
解像度 [dpi] 360×360
インク種類 UV硬化型インク
インク給液系統 手動供給
色 4色(C、M、Y、K、ヘッド×4)
印刷幅 15mm
UVランプ メタルハライドランプ
<供試粘着テープの製造例>
温度計、攪拌機、窒素導入菅および還流冷却管を備えた反応器に、水50質量部を仕込み、攪拌しつつ1時間窒素置換した。その後、過硫酸カリウム0.3質量部を仕込み、アクリル酸2−エチルヘキシル92質量部、アクリル酸ブチル5質量部、メタクリル酸メチル2質量部、メタクリル酸1質量部、ラウリル硫酸アンモニウム2.0質量部(モノマー合計で100重量部)を水50質量部で乳化したモノマー乳化物を70℃で3時間かけて連続的に滴下し、その後75℃で2時間熟成して重合反応を終了した。そして室温まで冷却した後、10質量%のアンモニア水で中和することによって、アクリル系ポリマーを調製した。
得られたポリマーにエポキシ系架橋剤(商品名:TETRAD−C(登録商標)「三菱ガス化学株式会社製品」)0.3質量部を添加し、坪量40g/m、厚み70μm、幅18mmの長尺なシート状多孔性基材である和紙の片面に、乾燥後厚みが20μmとなるように塗布し、乾燥させた。こうして和紙製の多孔質基材の一方の面にアクリル系粘着剤から成る粘着剤層が形成された幅18mmの粘着テープを製造した。
本製造例で得られた粘着テープの上述した180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいたSUS304BA板に対する粘着力を測定した結果、2.44N/18mmであった。
<インクジェット印刷の試験例>
上記印刷装置に用いる複数の搬送ロール(直径20mm〜50mm、面長60mm〜100mm)を全て表1に示す何れかの性状のロールに置き換えつつ、条件を異ならせて6通りの試験を行った。
Figure 2015136901
即ち、試験例1、4および5では、アルミニウム製の搬送ロールであって周面をシリコーン樹脂で被覆処理した搬送ロールを使用した。試験例2では、アルミニウム製の搬送ロールであって周面をフッ素樹脂で被覆処理した搬送ロールを使用した。試験例3では、搬送ロールの本体が鉄製であって周面を含むロール周縁部分がアルミ製であり当該アルミから成る周面の表面にローレット加工を施した搬送ロールを使用した。試験例6では、アルミニウム製の搬送ロールであって周面を鏡面加工(面粗度:Ry=0.4s)した搬送ロールを使用した。各試験例で使用した搬送ロールに関して上記180度剥離試験に基づく粘着テープ粘着剤層の当該搬送ロール周面に対する粘着力(剥離強度)は表1に示すとおりである。そして、表1に示す印刷速度(10〜30m/分)で粘着テープをロールtoロール搬送し(図2参照)、インクジェット印刷部において搬送される粘着テープの基材上に幅15mmの所定のデザインの画像を形成した。搬送およびインクジェット印刷は、各試験例とも約3分間連続して行った。
<印刷位置ズレの測定>
各試験例とも搬送および印刷処理の終了後、1サンプルあたり計10箇所の印刷箇所を無作為に選択し、印刷画像の位置ズレの発生の有無を調べた。
具体的には、市販のデジタルマイクロスコープ(商品名:Dino-Lite (DinoLite Plus AM313)「AnMO Electronics Corporation 製品」)を観察倍率×60倍で使用し、各サンプルの選択された10箇所の印刷箇所で位置ズレを測定し、その10箇所のうちの位置ズレ最小値を、各サンプルの印刷画像位置ズレの総合判定とした。判断基準は、次の通りである。
最小値が0.3mm以上 不良(表中の×)
最小値が0.01mm以上0.3mm未満 良(表中の○)
最小値が0.01mm未満 優(表中の◎)
表1の総合評価の欄に示す結果から明らかなように、上記180度剥離試験に基づく粘着力(剥離強度)が1N/10mm以下の試験例1〜5は、搬送速度が10〜30m/分(特に10〜20m/分)の間で何れも良好な結果(表中の○、◎)を示した。
また、試験例3の結果が示すように、搬送ロールの周面に煩雑な被覆処理(樹脂コート処理)を行うことなく、ローレット加工等の機械的な加工を周面に施すことによっても良好な結果が得られることが確認された。
1 粘着テープ
2 基材
4 粘着剤層
6 印刷画像
10 巻回体
20 巻出しロール(巻回体取付部)
40 ロールtoロール搬送部
41〜46 搬送ロール
50 ガイド用搬送部
51〜53 ガイド用搬送ロール
60 インクジェット印刷部
61 インクジェットユニット
62 インクジェットヘッド
68 紫外線ランプ
70 制御部
80 巻取りロール(粘着テープ巻取り回収部)
100 印刷装置

Claims (8)

  1. 少なくとも基材と該基材の一方の側に形成された粘着剤層とを備える長尺な粘着テープの該粘着剤層とは反対の側の外面にインクジェット印刷によって印刷画像を形成するための粘着テープ印刷装置であって、
    前記粘着テープから成る巻回体から巻き戻された粘着テープを所定方向に搬送するロールtoロール搬送部であって、該巻き戻された粘着テープの前記粘着剤層が接触した状態で該粘着テープを搬送する少なくとも一つの粘着剤層対面搬送ロールを有するロールtoロール搬送部と、
    前記ロールtoロール搬送部の一部に設けられたインクジェット印刷部であって、搬送されてきた前記粘着テープの外面に所定の印刷画像を形成するインクジェット印刷部と、
    を備えており、
    ここで前記ロールtoロール搬送部は、インクジェット印刷部における印刷速度が10〜60m/分の範囲内で粘着テープを所定方向に搬送するように構成されており、且つ、
    前記粘着剤層対面搬送ロールとして、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた前記搬送される粘着テープ粘着剤層の該ロール粘着剤層接触面に対する粘着力が1N/10mm以下である搬送ロールを備える、粘着テープ印刷装置。
  2. 前記粘着剤層対面搬送ロールとして、前記180度剥離試験に基づいた前記搬送される粘着テープ粘着剤層の該ロール粘着剤層接触面に対する粘着力が0.01〜0.7N/10mmである搬送ロールを備える、請求項1に記載の粘着テープ印刷装置。
  3. 前記粘着剤層対面搬送ロールとして、前記粘着剤層接触面が前記180度剥離試験に基づく粘着力を実現する凹凸形状の金属あるいは樹脂で構成された搬送ロールを備える、請求項1又は2に記載の粘着テープ印刷装置。
  4. 少なくとも基材と該基材の一方の側に形成された粘着剤層とを備え、該粘着剤層とは反対の側の外面に印刷画像を有する粘着テープを製造する方法であって、
    前記粘着テープが巻回された巻回体を用意すること;
    前記粘着剤層が接触した状態で該粘着テープを搬送する少なくとも一つの粘着剤層対面搬送ロールを含むロールtoロール搬送系において前記巻回体から巻き戻された粘着テープを搬送すること;
    前記ロールtoロール搬送系で搬送される過程において、所定の印刷速度で前記粘着テープの外面にインクジェット印刷により所定の印刷画像を形成すること;および
    前記印刷画像が形成された粘着テープを回収すること;
    を包含し、
    ここで、前記ロールtoロール搬送系における前記粘着テープを印刷速度10〜60m/分で粘着テープの外面に対して前記印刷画像をインクジェット印刷で形成し、且つ、
    前記粘着剤層対面搬送ロールとして、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた前記搬送される粘着テープ粘着剤層の該ロール粘着剤層接触面に対する粘着力が1N/10mm以下である搬送ロールを使用する、粘着テープ製造方法。
  5. 前記粘着剤層対面搬送ロールとして、前記180度剥離試験に基づいた前記搬送される粘着テープ粘着剤層の該ロール粘着剤層接触面に対する粘着力が0.01〜0.7N/10mmである搬送ロールを使用する、請求項4に記載の粘着テープ製造方法。
  6. 前記粘着剤層対面搬送ロールとして、該ロールの前記粘着剤層接触面が前記180度剥離試験に基づく粘着力を実現する凹凸形状の金属あるいは樹脂で構成された搬送ロールを使用する、請求項4又は5に記載の粘着テープ製造方法。
  7. 前記粘着テープの巻回体として、180度剥離試験(剥離角度:180度、剥離速度:300mm/分)に基づいた該粘着テープ粘着剤層のSUS304BA板に対する粘着力が1〜10N/18mmである粘着テープの巻回体を使用する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の粘着テープ製造方法。
  8. 前記粘着テープの外面が紙材で構成されている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の粘着テープ製造方法。
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