JP2002120424A - 印刷シートの形成方法及びその装置 - Google Patents

印刷シートの形成方法及びその装置

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JP2002120424A
JP2002120424A JP2000315094A JP2000315094A JP2002120424A JP 2002120424 A JP2002120424 A JP 2002120424A JP 2000315094 A JP2000315094 A JP 2000315094A JP 2000315094 A JP2000315094 A JP 2000315094A JP 2002120424 A JP2002120424 A JP 2002120424A
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Mitsuyoshi Shirai
光義 白井
Yoshikazu Soeda
義和 副田
Shinji Muto
慎二 武藤
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ライナレス印刷用シートの巻回体を順次安定に
巻戻し搬送しつつ印刷処理でき、印刷処理を長期中断後
に再開しても中断前と同様に順調に巻戻し搬送して連続
的に安定して印刷処理できると共に、かかる良好な印刷
特性を長期に持続できて寿命に優れ、かつその装置の製
造も容易な印刷シートの形成方法の開発。 【解決手段】被印刷基材(11)の裏面に粘着層(1
2)を保護カバーなしで有するライナレス印刷用シート
(1)の巻回体(13)をシリコーンオイル含有のシリ
コーンゴムにて形成した搬送ロール(21)を介し巻戻
して搬送しつつ前記被印刷基材に印刷機構(2)を介し
インク情報を付与する印刷シートの形成方法及びその形
成方法の実施装置であり搬送ロールが軸内部と軸表面を
連絡する多数の連通孔を有すると共に軸内部にシリコー
ンオイルを含有し、そのオイルを前記の連通孔を介して
軸内部より軸表面に供給する支持軸を有するものからな
る印刷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、粘着層の保護カバーなし
に巻回体として格納したライナレス印刷用シートを順次
巻戻して搬送しつつインク情報等を付与して、ラベル等
の印刷シートを円滑に連続製造できる形成方法及びその
装置に関する。
【0002】
【発明の背景】裏面に被着体接着用の粘着層をセパレー
タ等の保護カバーなしで有するライナレス印刷用シート
をコンパクトな巻回体の形態で格納して、ラベル等の印
刷シートを連続的に製造できる形成方法が望まれて久し
い。セパレータ等の保護カバーは、最終的に粘着層より
剥離除去して廃棄するものであり剥離除去作業の必要や
ゴミ等の不要品を発生させて、その不要化が求められる
ことによる。
【0003】従来、前記に鑑みた形成方法としては、ラ
イナレス印刷用シートの粘着層と接触する搬送部をシリ
コーンやフッ素樹脂を焼付けコートした金属ロール又は
シリコーンロールにて形成した印刷装置を用いる方法が
知られていた。しかしながら印刷処理の連続時には安定
走行するものの、印刷処理を中止して搬送停止状態が暫
く続くと印刷を再開した場合に接着力が増大していて搬
送ロールに被印刷基材が巻込まれ印刷処理を進行できな
い等の実用性に乏しい問題点があった。また前記のフッ
素樹脂等を焼付コートした金属ロールでは、コート層の
摩耗で離型性の低下が早く粘着層が接着して短期に搬送
不能となりやすく、焼付コートの金属ロールの形成にも
多工程を要してその製造効率に乏しい問題点もあった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、ライナレス印刷用シー
トの巻回体を順次安定に巻戻し搬送しつつ印刷処理で
き、印刷処理を長期中断後に再開しても中断前と同様に
順調に巻戻し搬送すると共に連続的に安定して印刷処理
できると共に、かかる良好な印刷特性を長期に持続でき
て寿命に優れ、かつその装置の製造も容易な印刷シート
の形成方法の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、被印刷基材の裏面に粘着
層を保護カバーなしで有するライナレス印刷用シートの
表面に当該粘着層を接着してロール状とした巻回体を、
シリコーンオイル含有のシリコーンゴムにて少なくとも
表面を形成した搬送ロールを介しそのロールに前記粘着
層を接触させて巻戻しつつそのライナレス印刷用シート
の巻戻し部分を搬送すると共に、前記被印刷基材に印刷
機構を介しインク情報を付与することを特徴とする印刷
シートの形成方法を提供するものである。
【0006】また本発明は、搬送ロールと印刷機構を少
なくとも有して前記形成方法を実施する装置であり、そ
の搬送ロールが少なくとも表面をシリコーンゴムにて形
成したロールを支持軸の外周に設けたものよりなり、そ
の支持軸が軸内部と軸表面を連絡する多数の連通孔を有
すると共に軸内部にシリコーンオイルを含有し、そのオ
イルを前記の連通孔を介して支持軸の軸内部より軸表面
に供給するものからなることを特徴とする印刷装置を提
供するものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、搬送ロールと粘着層と
が長期間接触してもシリコーンオイルがその潤滑性で接
着力の増大を抑制して搬送不能の発生を防止し、印刷処
理を長期中断後に再開しても中断前と同様に被印刷基材
を順調に巻戻し搬送でき連続的に安定して印刷処理を再
開することができる。その結果、裏面に保護カバーなし
の粘着層を有する被印刷基材の巻回体を安定に巻戻し搬
送して順次に印刷処理する操作を連続又は断続等の適宜
な方式で安定して行うことができる。
【0008】また前記の巻回体方式にてコンパクトな形
態で格納してその巻回体より必要量のライナレス印刷用
シートを巻戻すと共に、印刷部にて熱転写式やインクジ
ェット式等の汎用な印刷方式でラベル等の印刷シートを
連続形成できて印刷シートの臨機な現場発行も可能であ
り、その被印刷基材については印刷方式に基づく定着性
や印刷物の使用目的等に応じて耐熱性や耐水性、耐溶剤
性や耐候性等の用途に応じた性能に適宜に設定できて広
汎な範囲で対処でき、総じて汎用性に優れる印刷方式で
印刷シートを効率よく連続形成でき、それを保護カバー
なしの粘着層を介して被着体に効率よく円滑に接着処理
することができる。
【0009】さらに本発明によれば、フッ素樹脂等の焼
付処理等が不要でありシリコーンオイルも容易に含有さ
せうることより、前記した良好な印刷特性を長期に持続
して寿命に優れる印刷装置も容易に製造することができ
る。特に搬送ロールの支持軸にシリコーンオイルを保有
させた場合には、そのオイルをシリコーンゴム層に供給
し補充してオイルの欠落を長期に防止しでき、前記の良
好な印刷特性をより長期に持続させることができる。
【0010】
【発明の実施形態】本発明による形成方法は、被印刷基
材の裏面に粘着層を保護カバーなしで有するライナレス
印刷用シートの表面に当該粘着層を接着してロール状と
した巻回体を、シリコーンオイル含有のシリコーンゴム
にて少なくとも表面を形成した搬送ロールを介しそのロ
ールに前記粘着層を接触させて巻戻しつつそのライナレ
ス印刷用シートの巻戻し部分を搬送すると共に、前記被
印刷基材に印刷機構を介しインク情報を付与するもので
ある。
【0011】図1に前記の形成方法を例示した。これに
よれば長尺の被印刷基材11の裏面に粘着層12を保護
カバーなしで有する連続状のライナレス印刷用シート1
をその粘着層12を介し基材11の表面に接着しつつ芯
材14にロール状に巻回してなる巻回体13を搬送ロー
ル21を介しそのロールに前記粘着層12を接触させて
順次巻戻しつつそのライナレス印刷用シートの巻戻し部
分を搬送し、印刷データに基づいてインクからなる情報
26を付与する印刷機構2に導入して被印刷基材11に
所定の印刷を行った後、後続のカット機構4に導入して
ライナレス印刷用シートを所定の寸法で切断してラベル
等の印刷シート15を連続形成することができる。
【0012】前記の印刷機構2は、プラテンロールを兼
ねる搬送ロール21、その上に配置したサーマルヘッド
22、及びインクリボン23とその繰出しリール24と
巻取りリール25からなる熱転写式のものよりなる。従
ってそのプラテンロール21が被印刷基材11の裏面に
設けた粘着層12と接触する搬送手段となるため、少な
くとも表面をシリコーンオイル含有のシリコーンゴムに
て形成したロールとされている。
【0013】上記のように本発明による形成方法は、巻
回体としたライナレス印刷用シートを搬送手段を介し巻
戻して搬送しつつそれに印刷機構を介しインク情報を付
与する際に、その搬送手段として少なくとも表面をシリ
コーンオイル含有のシリコーンゴムにて形成した搬送ロ
ールを用いて、粘着層との接着で搬送不能となることを
防止するものであり、図1の例ではその搬送ロールがプ
ラテンロール21よりなる。
【0014】従って前記の印刷処理を行う印刷装置とし
ては、ライナレス印刷用シートの巻回体を格納してそれ
を巻戻しつつそのライナレス印刷用シートの巻戻し部分
を搬送し、その被印刷基材にインク情報を付与する印刷
機構と、前記の搬送手段としてライナレス印刷用シート
の粘着層と接触することとなる少なくとも表面をシリコ
ーンオイル含有のシリコーンゴムにて形成した搬送ロー
ルを使用したものが用いられる。
【0015】搬送ロールは、一般に図1の例の如く支持
軸20の外周にロール部21を設けた形態を有するもの
よりなる。そのロール部は、全体がシリコーンオイル含
有のシリコーンゴムで形成されていてもよいし、表面層
のみがシリコーンオイル含有のシリコーンゴムで形成さ
れていてもよい。シリコーンオイル含有のシリコーンゴ
ム層の厚さは、摩滅を考慮した装置寿命等の点より0.
1mm以上、就中0.5mm以上、特に1mm以上であること
が好ましい。
【0016】支持軸の外周やロール部表面へのシリコー
ンゴム層の付設は、注型方式やチューブの装填方式、ポ
リマー液の塗布方式やシート等のラミネート方式などの
適宜な方式にて行うことができる。従ってロール部表面
に適用する方式は、既存の印刷装置におけるライナレス
印刷用シートの粘着層と接触する搬送ロールにシリコー
ンオイル含有のシリコーンゴム層を設けることにて本発
明による形成方法を実施することができる。なおシリコ
ーンオイル含有のシリコーンゴム層は、搬送ロール以外
の、ライナレス印刷用シートの粘着層と接触しうる搬送
手段部分にも必要に応じて設けることができる。
【0017】シリコーンゴムとしては例えばポリジメチ
ルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサン、ポリジ
アルキルシロキサンなどの適宜な高分子骨格を有するも
のを1種又は2種以上用いうる。シリコーンゴムは、耐
摩滅性の向上等を目的に電子線照射等の適宜な方式にて
架橋処理が施されたものであってもよい。またシリコー
ンゴムは、接着力の低減等を目的に例えばシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系等の適宜な剥離性ポリマー
などを1〜10重量%含有していてもよい。
【0018】シリコーンゴムに含有させるシリコーンオ
イルとしては、適宜なものを1種又は2種以上用いう
る。適度なブルーミング性、すなわち過流動性によるブ
ルーミング量の過多や難流動性によるブルーミング量の
過少等に基づくシリコーンゴム層表面でのシリコーンオ
イルの長期保有性や欠乏防止性などの点より好ましく用
いうるシリコーンオイルは、25℃での動粘度が30〜
10万mm/秒、就中50〜1万mm/秒、特に60〜
1000mm/秒のものである。
【0019】ちなみに前記において、斯かる動粘度が3
0mm/秒未満のものではブルーミングしやすくてオイ
ルが早期に消失し、10万mm/秒を超えるとブルーミ
ングしにくくてゴム層表面がオイル欠乏状態になる場合
がある。シリコーンゴム層におけるシリコーンオイルの
含有量は、接着力の低減効果やシリコーンゴムの強度な
いし耐久性などの点より2〜50重量%、就中5〜40
重量%、特に10〜30重量%であることが好ましい。
【0020】シリコーンオイルとしては適宜なポリシロ
キサンの1種又は2種以上を用いることができ、官能基
を有するものであってもよいし、変性処理したものであ
ってもよい。ちなみにその例としては、ポリジメチルシ
ロキサンやポリメチルフェニルシロキサン、ポリジアル
キルシロキサン、それらをアミノ基やエポキシ基、カル
ボキシル基やカルビノール基、メタクリル基やメルカプ
ト基、フェノール基等で変性した反応性シリコーンオイ
ル、あるいはポリシロキサンのポリエーテル変性物やメ
チルスチリル変性物、アルキル変性物や高級脂肪酸エス
テル変性物、高級アルコキシ変性物等の非反応性シリコ
ーンオイルなどがあげられる。
【0021】シリコーンオイル含有のシリコーンゴムの
形成は、例えば架橋処理前のシリコーンゴムにシリコー
ンオイルを配合する方式や、架橋処理後のシリコーンゴ
ムにシリコーンオイルを浸漬法や塗布法等にて含浸させ
る方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0022】なおシリコーンオイル含有のシリコーンゴ
ム層とライナレス印刷用シートの粘着層との接着力は、
搬送ロールとの接着力と被着体に対する接着力のバラン
スなどに応じて適宜に決定しうる。一般には熱転写プリ
ンタ等を介したライナレス印刷用シートの巻回体の自動
的な巻戻しによる搬送性などの点より、シリコーンオイ
ル含有のシリコーンゴム層に対する180度ピール(剥
離速度300mm/分)による粘着層の接着力に基づいて
98mN/50mm以下、就中9.8mN/50mm以下、特に0.
98mN/50mm以下であることが好ましい。
【0023】搬送ロールは、ロール部が支持軸の外周に
固定されて支持軸と共に回転するものや、ロール部が支
持軸の外周に軸受等を介し支持されて支持軸に対して回
転するものなどの適宜な回転方式を採ることができる。
また支持軸がシリコーンオイルの貯蔵部を兼ねてシリコ
ーンゴム層にそのオイルを供給ないし補充する搬送ロー
トとすることもできる。この場合には支持軸を介したシ
リコーンオイルの供給補充で接着力低減効果を長期に持
続させることができ、支持軸にシリコーンオイルを補充
できるようにした場合にはその補充を繰返して、更に接
着力低減効果を長期に持続させることができる。
【0024】前記したシリコーンオイル供給型の支持軸
は、軸内部にシリコーンオイルを保有しうる空間を有
し、その軸内部と軸表面とを連絡する多数の連通孔を有
して軸内部に保有したシリコーンオイルをその連通孔を
介し軸表面に供給しうるようにしたものとして形成する
ことができる。その場合にはシリコーンオイルのシリコ
ーンゴム層ないしロール部への円滑な供給性等の点よ
り、前記したロール部が支持軸と共に回転する方式の搬
送ロールとしたものが好ましい。
【0025】従ってシリコーンオイル供給型の支持軸
は、例えばスポンジ状の多孔質材料や多数の貫通孔を設
けたパイプ状物などの如く内部にオイル貯蔵用の空間を
有する適宜なものを用いて形成することができる。ちな
みに上記した図1の例では、搬送ロール(プラテンロー
ル)21がその支持軸20として図3の如く軸内部を刳
り抜いたパイプ状の形態を有しており、その刳り抜き部
からなる中空部にシリコーンオイルを貯蔵できるように
なっている。
【0026】また支持軸の表面には軸内部の刳り抜き部
に連絡する多数の連通孔20aが形成してあり、刳り抜
き部に貯蔵したシリコーンオイルをその連通孔を介して
軸表面に供給しうるようになっている。これにより軸表
面に供給されたシリコーンオイルが支持軸の外周に設け
たシリコーンゴムからなるロール部に浸透拡散しロール
部の表面に供給される。さらに支持軸20は、その開口
端21bにネジ式の栓を着脱できるようになっており、
その栓の開閉を介してシリコーンオイルを補充密閉でき
るようになっている。
【0027】上記において支持軸の軸内部と軸表面を連
絡する連通孔の配置密度や寸法は、シーコーンオイルの
動粘度に応じた供給速度などに応じて適宜に決定しうる
が、一般には直径0.2〜5mm程度の円形の連通孔がオ
イル供給の円滑性などの点より好ましい。
【0028】またシリコーンオイル供給型の支持軸の場
合、少なくともロール表面を形成するシリコーンゴム
は、当初にシリコーンオイルを含有しなくても支持軸よ
り供給されてオイル含有状態となるが、そのオイルのロ
ール表面への円滑供給の点よりはシリコーンオイル含有
のシリコーンゴムにて当初よりロール部を形成しておく
ことが好ましい。その際、予めシリコーンゴムに含有さ
せるシリコーンオイルと支持軸内に設けるシリコーンオ
イルは同じものであってもよいし、分子構造や動粘度等
が相違するものであってもよい。
【0029】上記した図1の例の如く搬送ロール21を
介した巻戻し搬送及び印刷機構2を介したインク情報の
付与の対象となるライナレス印刷用シートは、図1、図
2に例示した如く被印刷基材11の裏面に粘着層12を
保護カバーなしで有するものであり、本発明にてはその
基材11の表面に当該粘着層12を接着してロール状の
巻回体とした状態で用いる。そのライナレス印刷用シー
トとしては熱定着型や乾燥型のインク等による印刷が可
能なインク受容層、あるいは感熱紙等の熱による印刷が
可能な感熱インク層などの被印刷層を有する被印刷基材
の裏面に粘着層を設けてなる適宜なものを用いうる。
【0030】すなわち本発明においては、例えばサーマ
ルヘッドと溶融型や昇華型のインクリボンによる溶融型
や昇華型の熱転写式、インクジェットヘッドとインクに
よるインクジェット式、感熱紙等に対するサーマルヘッ
ドやレーザービーム等の各種の熱書込みヘッドを介した
感熱インク加熱式、その他スクリーン印刷式やグラビア
印刷式、凸版印刷式や平版印刷式などの各種の公知印刷
機構を適用してインク情報を付与することができ、汎用
な印刷機構を介しても良好な定着状態の印刷を行いうる
ことが本発明の利点でもある。なお前記の感熱インク加
熱式では加熱ペンや加熱スタンプ等の適宜な加熱手段で
感熱発色させて臨機にラベル等の印刷シートを現場発行
することもできる。
【0031】従ってライナレス印刷用シートとしては印
刷機構や使用目的等に応じた各種の被印刷基材を有する
ものを用いることができ、その被印刷基材は適宜な素材
からなるシート状物を用いて形成することができる。ち
なみにその素材例としては各種の紙、ポリマーからなる
フィルムやシートや発泡シート、あるいは当該ポリマー
からなる繊維や布や不織布、さらには紙やフィルム、発
泡シートや布等の適宜な素材の2種又は3種以上を用い
たラミネート体や、かかる素材と金属箔等の補強基材を
併用した複合シートなどがあげられる。よって被印刷基
材や粘着層は、単層物や2層又は3層以上の複層物とし
て適宜な層形態を有するものであってよい。
【0032】好ましく用いうる被印刷基材は、裏面に設
ける粘着層の密着支持力に優れ、巻回体とした場合に表
面と粘着層等の接着力が弱くて巻戻しに大きな力を要さ
ず、また印刷によるインクの定着性に優れるものであ
る。ちなみに斯かる被印刷基材の例としては、被印刷基
材の全体をインク受容性ポリマーと低接着性ポリマーの
混合層で形成したものや、斯かる混合層を補強層等の上
に設けたもの、紙やポリマー等からなるインク受容層の
上に薄層又は多孔性若しくはメッシュ状の低接着性ポリ
マー層を設けたものや、補強層等の上に斯かるインク受
容層と低接着ポリマー層を設けたものなどがあげられ
る。
【0033】また被印刷基材をある種の粘着層との接着
力が低く、かつある種の印刷インクを受容するポリマー
で形成したものや、補強層等の上にかかるポリマー層を
設けたものなども好ましく用いうる。この場合には前記
ポリマー層との接着力が低い粘着層を有するライナレス
印刷用シートとして、そのポリマー層が受容するインク
を用いて印刷することにより目的の印刷シートとされ
る。
【0034】前記においてインクを耐久性よく定着させ
るためなどに用いるインク受容性ポリマーとしては、ポ
リエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン、ポ
リアミドやポリエステル、ポリ酢酸ビニルやエチレン・
酢酸ビニル共重合体、ウレタン系ポリマーやポリ(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの如きアクリル系ポリ
マー、ポリ塩化ビニルやスチレン系ポリマー、シリコー
ン系ポリマーや天然ゴム、ポリイソブチレンやポリイソ
プレン、クロロプレンゴムやイソプレン・イソブチレン
ゴム、ニトリルブチルゴムやスチレン・ブタジエンゴ
ム、スチレン・ブタジエン・スチレンゴムやスチレン・
イソプレン・スチレンゴム、スチレン・エチレン・ブタ
ジエンゴムやスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン
ゴム、スチレン・イソプレン・プロピレン・スチレンゴ
ムやエチレン・プロピレンターポリマーの如きプラスチ
ック系やゴム系のポリマー、それらのブレンド物などが
あげられる。
【0035】また粘着層との接着力の低下等を目的に用
いる低接着性ポリマーとしては、例えばシリコーン系や
長鎖アルキル系やフッ素系等の粘着シートで公知の剥離
コート用ポリマー、低分子量のポリエチレン、リン酸エ
ステル系界面活性剤、ポリプロピレン、ゴム系ポリマー
などの適宜なものを用いうる。就中、剥離コート用ポリ
マー、特にシリコーン系ポリマーが好ましく用いうる。
上記した混合層を形成する場合、接着力の低下性やイン
ク定着性の低下防止などの点より、インク受容性ポリマ
ーと低接着性ポリマーの好ましい混合割合は、インク受
容性ポリマー100重量部あたり、低接着性ポリマー
0.01〜10重量部、就中0.1〜8重量部、特に1
〜5重量部である。
【0036】一方、インク受容層上に低接着性ポリマー
を薄層として設ける方式は、その薄層化にて低接着性ポ
リマーによる粘着層との接着力の低下を達成しつつ、イ
ンクの定着性を維持することを目的とする。かかる場合
の低接着性ポリマー層の厚さは、前記目的の点より0.
01〜10μm、就中0.05〜5μm、特に0.1〜2
μmとすることが好ましい。
【0037】またインク受容層上に低接着性ポリマーか
らなる多孔性ないしメッシュ状の層を設ける方式は、低
接着性ポリマーによる粘着層との接着力の低下を達成し
つつ、低接着性ポリマー間の間隙を介してインクの定着
を可能とすることを目的とする。かかる目的の点よりイ
ンク受容層上に多孔性ないしメッシュ状の低接着性ポリ
マー層が占める割合は、1〜90%、就中2〜70%、
特に5〜50%であることが好ましい。さらにこの場合
の低接着性ポリマー層の厚さは、前記目的の点より0.
01〜100μm、就中0.05〜50μm、特に0.1
〜20μmとすることが好ましい。
【0038】なお多孔性ないしメッシュ状の低接着性ポ
リマー層は、適宜な方式で形成することができ、可及的
に低接着性ポリマー間の間隙が均等に分布したものであ
ることが好ましい。ちなみに多孔性ないしメッシュ状の
低接着性ポリマー層の形成は、例えばグラビア印刷方式
やスクリーン印刷方式、フォトレジストによるパターン
形成方式、乾式や湿式による公知の多孔質膜形成方式、
メルトブロー方式やカーテンスプレー方式、多孔性ない
しメッシュ状のフィルムの貼合せ方式などの適宜な方式
にて行うことができる。
【0039】他方、上記したある種の粘着層と低接着性
で、かつある種の印刷インクを受容するポリマーの例と
しては、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレ
フィン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ゴム系ポリ
マー、長鎖アルキル系ポリマーなどがあげられる。前記
ポリマーの分子量は、インクとの馴染性などにより適宜
に決定しうる。ちなみにポリオレフィン系ポリマーの場
合には耐溶剤性やインク定着性などの点より粘度平均分
子量に基づいて500〜600万が好ましい。
【0040】上記において、ポリマーからなる被印刷基
材又はその裏面層ないし薄層や多孔性等の低接着性ポリ
マー層を支持するインク受容層の形成は、1種又は2種
以上のポリマーを成形方式や塗布方式等の適宜な方式で
フィルム状や多孔質状等に造膜することにより行いう
る。その造膜に際しては繊維等の補強材、シリカやチタ
ニア、アルミナや亜鉛華、ジルコニアや酸化カルシウ
ム、マイカの如き顔料等の適宜な着色剤、酸化防止剤な
どの適宜な添加物を配合することもできる。添加物の配
合量は、印刷性などの点より30重量%以下が好まし
い。
【0041】なおライナレス印刷用シートは、被印刷層
を有して片面に粘着層が露出する状態にあればよいから
片側の表面に被印刷層を有する場合、その被印刷層と粘
着層の間には補強層等の適宜な層を介在させることがで
きる。補強層は、被印刷基材の補強などを目的にライナ
レス印刷用シートの用途等に応じて必要により使用され
るものである。従って補強層としてはポリマーの塗布層
やフィルム、繊維や布、紙や不織布、金属箔やネット、
ワイヤなどの適宜なものを用いうる。なお補強層の選択
でライナレス印刷用シートの物性を容易に制御すること
ができる。また形成されるインク情報とのコントラスト
の向上等の必要に応じての対策は、補強層に施すことも
できる。
【0042】補強層を有するライナレス印刷用シートの
形成は、例えば熱ラミネート法や押出コーティング法等
の適宜な方式で補強層上に上記した被印刷基材のインク
受容層等を付設する方式、補強層に溶液状ないし熔融状
の被印刷基材の形成材を含浸させる方式、被印刷基材内
に補強層を介在させる方式などの適宜な方式で行うこと
ができる。巻回性や曲面密着性等の点よりは柔軟性に優
れる被印刷基材としたものが好ましい。
【0043】ちなみに紙からなる被印刷基材に接着力が
低い粘着層を設けたライナレス印刷用シートは、紙が良
好なインク受容性を示して各種の印刷方式にて良好な印
刷処理を施すことができる。またシリコーンポリマー等
の低接着性ポリマーとポリエステルポリマー等のインク
受容性ポリマーとの混合層や、インク受容性ポリマー層
の上に低接着性ポリマーの薄層を有するものからなる被
印刷基材、斯かる層をポリプロピレン合成紙等の補強層
の上に有する被印刷基材にゴム系等の汎用な粘着層を設
けたライナレス印刷用シートは、昇華性インクのインク
リボン等を介して昇華型熱転写式のプリンタにより良好
な印刷処理を施すことができる。
【0044】さらに親水性ポリマー等からなるインク受
容性ポリマー層の上にシリコーンポリマー等の低接着性
ポリマーからなる多孔質層を有する被印刷基材や、かか
る層を紙等の補強層の上に有する被印刷基材にアクリル
系等の汎用な粘着層を設けたライナレス印刷用シート
は、インクジェット式のプリンタにて良好な印刷処理を
施すことができる。
【0045】また上記した被印刷基材と、その表面に対
して低接着力を示す粘着層と印刷インクとの特殊な組合
せからなるものとしては、例えば必要に応じシリコーン
系ポリマー等の低接着性ポリマーを配合したポリオレフ
ィン系ポリマー層又はその層を紙等の補強層で支持した
ものなどからなる被印刷基材に、ポリエステル系粘着剤
やアクリル系粘着剤等による低接着力粘着層を設けたラ
イナレス印刷用シートに、ポリオレフィン系ポリマーと
着色剤を成分とするインクによるインクリボン等を介し
て溶融型熱転写式に印刷する方式などがあげられる。
【0046】一方、被印刷基材は、上記した如く感熱紙
等の熱を介してインク情報を印刷できる感熱インクを用
いた加熱式(熱印刷)のものであってもよい。好ましく
用いうる感熱インク加熱式の被印刷基材は、断熱シート
の片側に感熱発色層を設けたものである。断熱シートの
使用により連続的な加熱印刷処理で印刷装置が蓄熱して
昇温しても、その熱に感熱発色層が感応して発色するこ
とを防止でき、熱印刷による発色部分と地色とのコント
ラストに優れる鮮明な感熱発色パターンを形成すること
ができる。従って断熱シートは、熱印刷による感熱発色
パターンを鮮明な状態で連続して大量に形成することを
可能にする。
【0047】前記の断熱シートとしては、ライナレス印
刷用シートの使用目的などに応じてポリマーシート、そ
のポリマーシートと繊維や布、不織布や金属箔等の補強
基材を併用した複合シート、あるいは発泡シートや紙や
ポリマーフィルム等の2種以上を用いたラミネート体な
どの適宜なものを用いることができ、例えば結晶融解温
度が120℃以下のポリエチレンなどからなるシートな
ども断熱シートとして用いうる。
【0048】感熱発色層の形成は、例えばロイコ染料と
顕色剤などにより感熱発色性を付与してなる層などとし
て適宜に行うことができ、市販の感熱紙の接着付設層な
どとして形成することもできる。感熱発色層の厚さは、
500μm以下、就中200μm以下、特に5〜100μ
mが一般的であるが、これに限定されない。
【0049】なお感熱発色層の表面には、粘着層との接
着力の低下を目的とした剥離コート層を必要に応じて設
けることもできる。剥離コート層は、上記した剥離剤な
どを用いて形成しうるが、その付設処理による感熱発色
の防止などの点よりはアクリロイル基又はメタクリロイ
ル基を分子中に2個以上含有するシリコーン系ポリマー
からなる剥離剤が好ましく用いうる。これによれば電離
性放射線による照射処理で硬化皮膜を形成でき、従って
低温処理で硬化皮膜を形成できて感熱発色層の感熱発色
を防止することができる。
【0050】前記剥離コート層の形成は、例えばスクイ
ズコータ等の適宜な装置にて当該シリコーン系ポリマー
からなる剥離剤を感熱発色層の上に塗工し、その塗工層
を電離性放射線で照射処理して硬化皮膜とする方法など
により行うことができる。その場合、当該シリコーン系
ポリマーの塗工量は0.05〜5g/m、就中0.1
〜3g/mが好ましい。その塗工量が0.05g/m
未満では、膜厚不足で大きい剥離力となり、また剥離
力が安定しない場合がある。なお5g/mを超える塗
工量は、照射処理に多時間を要するなど実益に乏しい。
【0051】被印刷基材の厚さは、ライナレス印刷用シ
ートの使用目的などに応じて適宜に決定してよい。一般
にはインクの定着性や強度などの点より1mm以下、就中
1〜500μm、特に5〜200μmの厚さとされる。補
強層を併用する場合でもインクの定着性や強度などの点
より被印刷基材のインク受容層は、0.1μm以上、就
中0.5μm以上、特に1μm以上の厚さとすることが好
ましい。なお巻回性や曲面密着性等の点よりは柔軟性に
優れる被印刷基材とすることが好ましい。被印刷基材に
は例えばシリカやチタニア、アルミナや亜鉛華、ジルコ
ニアや酸化カルシウム、マイカの如き顔料等の適宜な着
色剤を配合して白色などの適宜な色に着色することがで
きる。
【0052】被印刷基材の裏面に設ける粘着層は、ラベ
ル等の印刷シートとした場合に被着体に簡便に接着する
ためのものであり、本発明においてはセパレータ等の保
護カバーを設けないライナレス状態で用いてその粘着層
を被印刷基材の表面に接着して巻回体とした場合に、容
易に巻戻しつつ印刷装置内を搬送ロールを介して順送り
できる粘着層として形成される。巻回体の容易な巻戻し
性等の点よりは被印刷基材の表面に対する接着力が18
0度ピール値(剥離速度300mm/分)に基づいて49
00mN/50mm以下の粘着層とすることが好ましい。就中
プリンタ等を介した自動的な巻戻性と被着体に対する接
着力の調和性などの点よりは9.8〜2940mN/50m
m、特に49〜1470mN/50mmの粘着層とすることが
好ましい。
【0053】粘着層の形成には適宜な粘着性物質の1種
又は2種以上を用いることができ、その種類について特
に限定はない。ちなみにその例としてはゴム系やアクリ
ル系、シリコーン系やビニルアルキルエーテル系、ポリ
ビニルアルコール系やポリビニルピロリドン系、ポリア
クリルアミド系やセルロース系、ウレタン系やポリエス
テル系、ポリアミド系などの粘着剤があげられる。また
粘着層は、熱賦活性のものにて形成することもできる。
熱賦活性粘着層は、加熱前にはタックを示さず加熱によ
りタックが発生して粘着層(感圧接着層)としての特性
を示すものである。その形成は、例えば前記の粘着剤に
結晶性可塑剤を配合することにより行うことができる。
【0054】前記の結晶性可塑剤としては、常温で固体
状態を示す各種の可塑剤を用いることができる。就中ジ
シクロヘキシルフタレート(融点64℃)やジメチルフ
タレート(融点67℃)やジフェニルフタレート(融点
69℃)の如きフタル酸系可塑剤、ジブチルイタコネー
ト(融点38℃)やモノブチルイタコネート(融点40
℃)やモノメチルイタコネート(融点67℃)の如き反
応性可塑剤などが加熱によるタックの発生性や感圧接着
特性などの点より好ましく用いうる。
【0055】被印刷基材の表面に剥離コート層を有しな
い場合、その基材表面との低い接着力性、その初期接着
力の維持性、従って巻回体とした場合の巻戻しの容易性
と安定性、被着体に対する接着固定の安定性などの点よ
り好ましい粘着層は、ウレタン系粘着剤、ポリエステル
系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、アクリル系粘着剤の1
種又は2種以上を用いて形成したものである。
【0056】粘着層の形成は、例えばカレンダーロール
法等の圧延方式、ドクターブレード法やグラビアロール
コータ法等の塗工方式などの適宜な方式でセパレータ上
に粘着層を設けて、それを被印刷基材の所定面上に移着
する方式や、それに準じて被印刷基材の裏面に直接粘着
層を設ける方式などの適宜な方式にて行うことができ
る。粘着層の厚さは、適宜に決定しうるが一般には接着
力や市販のプリンタ等に装着する場合の印刷用シートと
しての適性などの点より、1〜500μmとすることが
好ましく、均一厚の粘着層の安定した形成性などを加味
した場合には5〜100μm、就中10〜60μm、特に
15〜40μmとすることが好ましい。
【0057】上記した如く本発明においては適宜な印刷
機構とすることができ、従って現場発行等による臨機な
印刷シートの形成にも対処することができる。ちなみに
図1では熱転写式の印刷機構2を例示している。その場
合、昇華型熱転写式の印刷機構では印刷処理性等の点よ
りインク層に剥離剤等による離型処理、特にシリコーン
系ポリマーの硬化皮膜からなる離型処理を施したインク
リボンを用いることが好ましい。またインクジェット式
の印刷機構では常温で固体の熱溶融性インク、特に上記
した粘着性物質の如き常温で粘着性のポリマーをバイン
ダ成分として含有する熱溶融性インクを用いることが印
刷処理性等の点より好ましい。
【0058】印刷機構を介しライナレス印刷用シートの
被印刷基材に付与するインク情報は、例えば印字パター
ンや絵柄パターンやバーコードパターンなどの任意な文
字や図形や記号などで形成することができる。従って識
別ラベルなどの適宜な情報シートを形成することができ
る。その場合、インク情報を連続的に印刷して目的の印
刷シートを連続して形成することもできるし、規定サイ
ズの印刷シートの単品物や一定数を形成することもでき
る。
【0059】また本発明においては図1の例の如くライ
ナレス印刷用シート1に印刷処理2を施したものを所定
寸法に切断するカット機構4を必要に応じて配備するこ
ともできる。さらにライナレス印刷用シートの円滑な順
送りなどを目的に適宜な位置にライナレス印刷用シート
の搬送を補助する順送り機構3を必要に応じて設けるこ
ともできる。ちなみに図1の例では1対のエンボスロー
ルを用いたピンチ式の補助ロール31、32からなる順
送り機構3がカット機構4の上流側に設けられている。
【0060】前記の場合、順送り機構の補助ロールもラ
イナレス印刷用シートの粘着層12と接触しうるためそ
のときには必要に応じて粘着層と接触する側の補助ロー
ルの少なくとも表面をシリコーンオイル含有のシリコー
ンゴムにて形成することもできる。ちなみに図1に例示
の順送り機構3では粘着層12と接触する側の補助ロー
ル32が上記した搬送ロール21に準じてシリコーンオ
イル供給型の支持軸にシリコーンオイル含有のシリコー
ンゴムからなるロール部を設けたものにて形成されてい
る。なお順送り機構は、ピンチロール式のほかベルト式
等のライナレス印刷用シートを順送りできる適宜な機構
とすることができる。
【0061】また例えばライナレス印刷用シートの案内
ガイド等の案内部やその他の搬送手段部分、あるいは搬
送手段の全体が少なくとも表面にシリコーンオイル含有
のシリコーンゴム層を有する状態に形成する如く適宜な
接着力低減状態に形成されていてもよく、その場合に搬
送ロールにおけるシリコーンオイル供給型の支持軸の如
く適宜な方式でシリコーンゴム層にシリコーンオイルを
供給補充する方式などとすることもできる。さらにライ
ナレス印刷用シートの巻回体は、カセットに収容した形
態で印刷シートの形成方法ないし印刷装置に適用するこ
ともできる。
【0062】印刷処理にて得られた印刷シートは、それ
を所定寸法に切断してその粘着層を介し目的とする適宜
な被着体に接着固定することができる。その際、粘着層
が熱賦活性のものからなる場合には例えばサーマルヘッ
ドや加熱ロール、赤外線放射機やドライヤ等の熱風吹付
け機などの適宜な加熱手段を装置内に組み込む方式や装
置外にて加熱する方式などの適宜な加熱方式にて粘着層
にタックを発生させることができる。
【0063】前記において本発明方法の実施に用いる印
刷装置には、図1に例示の如く必要に応じて装置内にカ
ット機構を設けることができる。カット機構は、ライナ
レス印刷用シートを所定の寸法で切断するものであれば
よく、切断刃をカム等を介し制御して間歇動作させそれ
により所定寸法に切断する機構などの適宜な機構にて形
成することができる。また切断は、ライナレス印刷用シ
ートの全幅にわたるものであってもよいし、手等を介し
て容易に分離できる繋ぎ代を残してバラケを予防した状
態のものの如くライナレス印刷用シートの部分に対する
ものなどであってもよい。
【0064】ちなみに図4にバーコードラベルを製造す
るための熱転写式印刷装置(プリンタ)を例示した。こ
のプリンタによればライナレス印刷用シート5がその巻
回体51よりプリンタ内のプラテンロール(搬送ロー
ル)66を介し巻戻されて連続的に搬送されつつ、その
前部のポリオレフィンからなるガイド61を介し幅方向
が位置決めされ、かつセンサ63を介しライナレス印刷
用シートの先端位置を割出して、インクリボン64とサ
ーマルヘッド65と前記のプラテンロールからなる印刷
機構6に導かれる。プラテンロール66は、上記した搬
送ロール21に準じてシリコーンオイル供給型の支持軸
60等にシリコーンオイル含有のシリコーンゴムからな
るロール部を設けたものにて形成されている。また巻回
体の巻戻し搬送にはプラテンロールの前部に配置した補
助ロール62が助力し、そのライナレス印刷用シートの
粘着層と接触する側のロールの表面にはシリコーンゴム
コート層が設けられている。
【0065】印刷機構では、インクリボンのインクが図
外の印刷データに基づいて作動するサーマルヘッドの発
生熱を介し溶融され、その溶融部分がプラテンロールを
介した押圧力でライナレス印刷用シートの被印刷基材表
面に熱転写され、形成目的のバーコードパターンが定着
して剥離プレート67を介し被印刷基材に密着したイン
クリボン64のインク層が分離されて印字され、インク
リボンが回収リール68に巻取られる。
【0066】ついで印字後のライナレス印刷用シート
は、検証機構7を介して印字状態の良否が検査され、検
証機構と連動のカット機構8に到達してライナレス印刷
用シートの幅方向に所定の寸法で切断され、その切断片
からなるバーコードラベル52が形成される。なお不良
品の場合にはカット機構を介してロスマークのカットが
入れられる。
【0067】なお上記したシリコーンオイル含有のシリ
コーンゴムにおいてそのシリコーンオイルが減量して印
刷処理が不安定になる場合には、シリコーンオイルを塗
布する方式やシリコーンオイル浴中に浸漬する方式等の
適宜な方式でシリコーンゴム中にシリコーンオイルを含
浸させることによりその回復を図ることができる。また
シリコーンオイル供給型の支持軸を用いた搬送ロールの
場合には前記のほかに、支持軸にシリコーンオイルを補
充する方式にてもその回復を図ることができる。従って
本発明においては適宜なメンテナンス方式にてシリコー
ンオイル含有のシリコーンゴムの接着力低減機能を永続
化することができる。
【0068】
【実施例】例1 酸化防止剤0.4重量%含有の粘度平均分子量が30万
の低密度ポリエチレンを坪量80g/mの上質紙の片
面に押出しラミネートして厚さ18μmの被印刷層を形
成してなる被印刷基材の裏面に、アクリル酸ブチル・ア
クリル酸共重合体からなるエマルジョン型粘着剤を均一
塗工し厚さ25μmのアクリル系粘着層を形成してライ
ナレス印刷用シートを得、それを被印刷基材の表面に粘
着層を接着する方式にて巻取って巻回体を得た。
【0069】市販の熱溶融型インクリボンを装填した図
4に例示の溶融型熱転写プリンタに前記で得た巻回体を
装着し、その被印刷基材の表面にインクを熱転写して印
字しラベルを得た。なお前記の熱転写プリンタにおいて
プラテンロール66には直径1mmの連通孔を表面積10
0cmあたり200個有する支持軸に25℃での動粘度
が1000mm/秒のポリジメチルシロキサン(シリコ
ーンオイル)を10重量%含有させたシリコーンゴムか
らなるロール部を設け、支持軸の内部空洞部にも前記シ
リコーンオイルを充填し栓にて密封したものを用いた。
【0070】例2 アクリル系粘着層に代えて、天然ゴム系の粘着層を設け
たライナレス印刷用シートとしてそれを用いたほかは例
1に準じてラベルを得た。
【0071】例3 支持軸の内部にシリコーンオイルを充填しないプラテン
ロールとしたほかは例1に準じてラベルを得た。
【0072】例4 支持軸の内部にシリコーンオイルを充填しないプラテン
ロールとしたほかは例2に準じてラベルを得た。
【0073】例5 シリコーンオイルを含有しないシリコーンゴムからなる
ロール部を内部にシリコーンオイルを充填しない支持軸
に設けてなるプラテンロールとしたほかは例1に準じて
ラベルを得た。
【0074】例6 シリコーンオイルを含有しないシリコーンゴムからなる
ロール部を内部にシリコーンオイルを充填しない支持軸
に設けてなるプラテンロールとしたほかは例2に準じて
ラベルを得た。
【0075】評価試験 例1〜6にてラベルを形成する際に下記の特性を調べ
た。 巻戻し搬送性 連続印字処理、及び5時間停止後の印字再開におけるラ
イナレス印刷用シートの巻回体の巻戻し搬送性を調べ
た。
【0076】耐久性 4時間連続印字を1日2回行う操作を30日間、60日
間、又は100日間繰り返して耐久性を調べた。
【0077】前記の結果を次表に示した。 巻戻し搬送性 耐 久 性 連続印字 再開時 30日間 60日間 100日間 例1 安定走行 安定走行 優良 優良 優良 例2 安定走行 安定走行 良好 良好 良好 例3 安定走行 安定走行 優良 優良 不良 例4 安定走行 安定走行 良好 良好 不良 例5 巻込発生 巻込発生 不良 不良 不良 例6 巻込発生 巻込発生 不良 不良 不良
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の部分拡大説明図
【図2】ライナレス印刷用シート例の断面図
【図3】搬送ロールの支持軸の説明図
【図4】印刷装置例(プリンタ)の側面方の構成説明図
【符号の説明】
1、5:ライナレス印刷用シート 11:被印刷基材 12:粘着層 13、51:巻回体 15、52:印刷シート(ラベル) 2、6:印刷機構 21、66:プラテンロール(搬送ロール) 20、60:ロールの支持軸 20a:連通孔 20b:ネジ式の栓 22、65:サーマルヘッド 23、68:インクリボン 26:インク情報 3:順送り機構 4、8:カット機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 慎二 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 Fターム(参考) 2C060 AA06 BA01 BC04 BC15 BC22 CA11 2H086 BA02 BA15 BA24 BA36 2H111 AA01 AA26 AA27 CA03 CA05 CA30 CA44 DA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷基材の裏面に粘着層を保護カバー
    なしで有するライナレス印刷用シートの表面に当該粘着
    層を接着してロール状とした巻回体を、シリコーンオイ
    ル含有のシリコーンゴムにて少なくとも表面を形成した
    搬送ロールを介しそのロールに前記粘着層を接触させて
    巻戻しつつそのライナレス印刷用シートの巻戻し部分を
    搬送すると共に、前記被印刷基材に印刷機構を介しイン
    ク情報を付与することを特徴とする印刷シートの形成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、搬送ロールのシリコ
    ーンゴムが含有するシリコーンオイルが25℃での動粘
    度に基づいて30〜10万mm/秒のものである印刷シ
    ートの形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、印刷機構が溶
    融型若しくは昇華型の熱転写式のもの、インクジェット
    式のもの又は感熱インク加熱式のものである印刷シート
    の形成方法。
  4. 【請求項4】 被印刷基材の裏面に粘着層を保護カバー
    なしで有するライナレス印刷用シートの表面に当該粘着
    層を接着してロール状とした巻回体をその粘着層と接触
    する状態で巻戻しつつそのライナレス印刷用シートの巻
    戻し部分を搬送する搬送ロールと、前記の被印刷基材に
    インク情報を付与する印刷機構とを少なくとも有する請
    求項1〜3に記載の印刷シートの形成方法を実施する装
    置であり、前記の搬送ロールが少なくとも表面をシリコ
    ーンゴムにて形成したロールを支持軸の外周に設けたも
    のよりなり、その支持軸が軸内部と軸表面を連絡する多
    数の連通孔を有すると共に軸内部にシリコーンオイルを
    含有し、そのオイルを前記の連通孔を介して支持軸の軸
    内部より軸表面に供給するものからなることを特徴とす
    る印刷装置。
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