JP5359967B2 - シーラントフィルム及びこれを用いた蓋材 - Google Patents

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本発明は、シーラントフィルム及びこれを用いた蓋材に関する。
食品用容器、電子部品用容器等の容器は、中身の形状に合わせた収納部と、この収納部被覆するための蓋部とからなる。収納部にはポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂からなる成形体が使用されており、蓋部にはポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる単層又は多層のフィルムが使用されている。この蓋部は、収納部の密閉時にはヒートシールされ、開封時には剥離されるものであるため、上記単層又は多層のフィルムは、適度なシール性を有し、かつ、易剥離性を有するシーラントフィルムであることが求められている。
例えば、特許文献1には、ポリエステル、ナイロンのいずれかからなる基材層と、エチレンとα−オレフィンの質量比率が異なる2種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体からなるシール層からなることを特徴とする蓋材が記載されている。
特開2002−337975
しかしながら、特許文献1に記載のシーラントフィルムは、巻いた状態で保管されることが多く、夏場のように高温の保管条件下ではシーラントフィルム同士がくっついて(ブロッキング)しまうことがあり、保管安定性に問題がある場合があった。
以上の課題に鑑み、本発明では、従来のシーラントフィルムが有する易剥離性を保持した状態で保管安定性に優れるシーラントフィルム、及びこのシーラントフィルムを用いた蓋材を提供することを目的とする。
即ち、本発明はエチレンに由来する構成単位と不飽和エステル化合物に由来する構成単位とからなるエチレン・不飽和エステル共重合体(A)92質量%を超えて99.5質量%未満と、炭素−炭素二重結合を有するモノマーから誘導される構成単位、又は、炭素−炭素単結合を有するモノマーから誘導される構成単位を主鎖に有し、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合、及び、アミド結合からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を介して結合された炭素数が8〜30のアルキル基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(B)0.5質量%を超えて8質量%未満とを含有する樹脂組成物(但し、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)との含有量の合計を100質量%とする)からなることを特徴とするシーラントフィルム及びこれを用いた蓋材を提供するものである。
なお、本発明において、「ウレタン結合」とは、「−NHC(=O)O−」で示される構造を有する結合をいい、「ウレア結合」とは、「−NHC(=O)NH−」で示される構造を有する結合をいう。
本発明によれば、従来の易剥離性を保持した状態で保管安定性に優れるシーラントフィルム、及びこのシーラントフィルムを用いた蓋材を提供することが可能となる。
[シーラントフィルム]
本発明に係るシーラントフィルムは、エチレンに由来する構成単位と不飽和エステル化合物に由来する構成単位とからなるエチレン・不飽和エステル共重合体(A)92質量%を超えて99.5質量%未満と、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合、及び、アミド結合からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を介して結合された炭素数が8〜30のアルキル基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(B)0.5質量%を超えて8質量%未満と、を含有する樹脂組成物(但し、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)との含有量の合計を100質量%とする)からなる。
<エチレン・不飽和エステル共重合体(A)>
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)とは、エチレンと不飽和エステル化合物とを共重合して得られる重合体をいう。不飽和エステルとしては、ビニルエステル化合物や、不飽和カルボン酸エステル化合物等が挙げられる。ビニルエステル化合物としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。不飽和カルボン酸エステル化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等が挙げられる。このうち、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルから選ばれる不飽和カルボン酸エステル化合物であることが特に好ましい。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)成分は、不飽和エステル化合物に由来する構成単位を10質量%以上40質量%以下、好ましくは13質量%以上35質量%以下含有する。
なお、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)における不飽和エステル化合物に由来する構成単位の含有量とは、各エチレン・不飽和エステル共重合体の質量を100%としたときの値をいう。
不飽和エステル化合物に由来する構成単位の含有量は、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)のプレスシートを用い、赤外線吸収スペクトル分析法により算出される。例えば、不飽和エステルが酢酸ビニルの場合、エチレン・酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位の含有率はJIS K7192に従い算出することができる。例えば、不飽和エステルが、メタクリル酸メチルの場合、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体のメタクリル酸メチル単位の含有量は、厚み0.3mmのプレスシートを作成し、赤外分光装置を用いて、赤外線吸収スペクトル分析法により測定することができる。赤外吸収スペクトルの特性吸収としては、メタクリル酸メチルに帰属される3448cm−1のピークを用い、下記式に従い、吸光度を厚みで補正して、コモノマー含量を求める。
MMA=4.1×log(I0/I)/t−5.3
〔式中、MMAはメタクリル酸メチル単位の含量(質量%)、Iは周波数3448cm−1での透過光強度、I0は周波数3448cm−1での入射光強度、tは測定試料シートの厚み(cm)を表わす。〕
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)の製造は、特に限定されるものではなく、液相重合方法や高圧ラジカル重合方法によって製造することが挙げられる。高圧ラジカル重合法による製造方法としては、槽型反応器又は管型反応器を用いて、ラジカル発生剤の存在下、重合圧力140MPa以上300MPa以下、重合温度100℃以上300℃以下の条件下でエチレンと不飽和カルボン酸エステルを重合する方法が挙げられる。
エチレン・不飽和エステル共重合体のメルトフローレートは、1g/10分以上30g/10分以下であることがシール性、加工性の観点から好ましい。なお、このメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定される190℃、2.16kg荷重で測定された値を用いる。また、メルトフローレートの調節には、分子量調節剤として水素やメタン、エタンなどの炭化水素を用いることができる。
<熱可塑性樹脂(B)>
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(B)は、炭素−炭素二重結合を有するモノマーから誘導される構成単位、又は、炭素−炭素単結合を有するモノマーから誘導される構成単位を主鎖に有し、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合、及び、アミド結合からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を介して結合された炭素数が8〜30のアルキル基を側鎖に有する熱可塑性樹脂である。
このような構造を有する樹脂としては、例えば、特公昭60−30355に記載の、エチレン・ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上のアルキルイソシアネートとの反応物;
特開平5−295332に記載の、ポリビニルアルコール又はポリエチレンイミンと、炭素数が22以上の脂肪族基を有するイソシアネートとの反応物;
特開平11−286534又は特開2000−38563に記載の、エチレンオキサイド付加ポリエチレンイミンと、炭素数8以上60以下のアルキル基を有するイソシアネートとを反応させたウレタン樹脂;
特開2005−23255に記載の、長鎖アルキル(メタ)アクリル酸エステル共重合体;
特開2000−290610に記載の、長鎖アルキル(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有単量体とをリビングラジカル重合させて生成したアクリル系共重合体等が挙げられる。
これらのうち、エチレン・不飽和エステル共重合体成分(A)への分散性の観点から、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、及びエチレン・ビニルアルコール共重合体からなる群から選ばれるいずれか一種の化合物と、炭素数が8以上アルキル基を有するイソシアネートとの反応物を用いることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールはポリビニルアセテートをケン化することにより得られるが、この場合、そのケン化度は50%以上であることが好ましく、60%以上100%以下であることがより好ましい。ポリビニルアルコールの平均重合度は、100以上3000以下であることが好ましく、150以上2000以下の範囲であることが好ましい。
なお、ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726に準拠して算出したポリビニルアルコールの極限粘度の値、及びポリビニルアルコール中のエチレン含有量の値を、下記のMark−Houwink−Sakuradaの式に代入して算出することができる。
平均重合度=([η]/k)1/α
k=1.3×10(−3)・exp(−0.13×Et)
α=0.65−0.059(Et−0.2)
ただし、
[η]:30℃、含水フェノール溶液{フェノール/水=85/15(質量比)}中で測定した極限粘度(dl/g)
Et:エチレン含有量(mol%×1/100)
上記ポリエチレンイミンの数平均分子量(標準ポリスチレン換算)は、100以上150000以下であることが好ましく、300以上120000以下であることがより好ましい。
なお、重合体の数平均分子量の測定は、重合体の数平均分子量が1万以下の場合は、沸点上昇法により測定し、1万を超える場合はGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフ)により測定することが好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレン含有量は、90モル%以下であることが好ましく、20モル%以上60モル%以下であることがより好ましい。また、その平均重合度は500以上3000以下であることが好ましく、800以上2500以下であることがより好ましい。
炭素数が8以上のアルキル基を有するイソシアネートは、一般式R−NCOで表される構造を有するものである。Rは炭素数が8以上のアルキル基であり、好ましくは炭素数が12以上30以下のアルキル基である。アルキル基Rは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、直鎖状である方が好ましい。
このような構造を有するイソシアネートとしては具体的には、オクチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、ドコサニルイソシアネート、テトラコサニルイソシアネート、ヘキサコサニルイソシアネート、オクタコサニルイソシアネート等が挙げられる。イソシアネートは単独又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。
ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン及びエチレン・ビニルアルコール共重合体からなる群から選ばれるいずれか一種の化合物と、炭素数が8以上アルキル基を有するイソシアネートとの反応物の製造方法は、特に限定されないが、例えば次のような方法が挙げられる。
ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、及びエチレン・ビニルアルコール共重合体のいずれかを、キシレンのようなイソシアネート基に不活性な溶解又は分散させた後、100℃以上150℃以下の温度にてアルキル基を有するイソシアネートと反応させる。反応は反応原料が溶媒に溶解した時点から、又は反応混合物中のイソシアネート基に基づく吸収スペクトルが消失した時点から、さらに2時間程度反応を続けて停止する。反応混合物を80℃程度まで冷却し、3倍量から6倍量のメタノールやイソプロパノール等の貧溶媒中に少しずつ滴下し、反応生成物を析出させ、析出物をろ過分離した後、乾燥して目的物を得る。
<樹脂組成物>
樹脂組成物中のエチレン・不飽和エステル共重合体(A)の含有量は、92質量%を超えて99.5質量%未満であり、好ましくは93質量%以上99質量%以下である。エチレン・不飽和エステル共重合体(A)の含有量がこれより少ない場合には、ヒートシール性に劣る場合があり、これより多い場合には、シーラントフィルム同士がくっついてしまう現象(ブロッキング)が起こる場合があり、保管安定性が不十分となることがある。
また、前記樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(B)の含有量は、0.5質量%を超えて8質量%未満であり、好ましくは1質量%以上7質量%以下である。熱可塑性樹脂の含有量がこれより少ない場合は、シーラントフィルムのブロッキングが起こるので保管安定性が不十分となる場合があり、これより多い場合には、ヒートシール性に劣る場合がある(但し、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)及び熱可塑性樹脂(B)の含有量の合計を100質量%とする)。
なお、ヒートシール層を構成する樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で前記エチレン・不飽和エステル共重合体(A)以外のエチレン系樹脂や、プロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、ワックスなどを含んでいてもよい。また、相溶化剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、滑剤などを含んでいてもよい。
<シーラントフィルム>
本発明に係るシーラントフィルムは上記樹脂組成物をインフレーション成形法や、Tダイキャスト成形法、プレス法等によってフィルムに形成することができる。
シーラントフィルムの厚さは、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。
シーラントフィルムは上記樹脂組成物よりなる層が片方の最表面を形成していれば、上記樹脂組成物単独で形成された単独のフィルムであっても、異なる樹脂組成物で形成された層を更に有する積層フィルムであってもよい。積層フィルムとする場合には、シーラントフィルムからなる層に隣接する隣接層が、1種又は2種以上のオレフィン系樹脂から構成されることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂を用いることがより好ましい。隣接層には本発明の効果を損なわない範囲において相溶化剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐抗菌剤、防曇剤、粘着付与剤、抗ブロッキング剤、滑剤等を含んでいてもよい。なお、シーラントフィルムを積層体とする場合には、シーラントフィルムからなる層はシーラントフィルム全体の厚さの10%以上90%以下であることが好ましい。
[蓋材]
本発明に係る蓋材は、上記のシーラントフィルムからなるヒートシール層と、基材層と、を積層して得られるものである。
基材層を形成する基材としては特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなるフィルムや、アルミ、紙などが挙げられる。これらは単層又は多層であってもよい。基材の厚さは好ましくは5μm以上200μm以下であり、10μm以上150μm以下であることがより好ましい。
蓋材は、共押出インフレーション成形法、共押出Tダイキャスト成形法、共押出ラミネート成形法等の方法により、単層又は多層の基材と、上記シーラントフィルムと、を積層する方法が挙げられる。このようにして得られた蓋材を、所望の形状に加工して蓋として使用することができる。
ヒートシール層は、蓋材の片方の最表面を形成していればよく、基材層に隣接してもしていなくても構わない。ヒートシール層と基材層の間に接着剤層、耐熱保護層、印刷層、ガスバリア層、遮光層等が設けられていてもよい。接着剤層には、ポリエーテル系やポリエステル系の接着剤等を使用することができる。耐熱保護層には、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等を使用することができる。ガスバリア層には、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等を使用することができる。遮光層には酸化チタン粒子等を使用することができる。
蓋材の厚さは、15μm以上300μm以下であることが好ましく、20μm以上250μm以下であることがより好ましい。そして基材層の厚さは5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上150μm以下であることがより好ましい。シール層の厚さは、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。蓋材中の基材層とシーラントフィルムの厚さの比(基材/シーラントフィルム)は0.1以上20以下であることが好ましい。
シール層、基材層以外の層を設ける場合には、当該層の厚さは易剥離性蓋材の厚みに対して3%以上70%以下であることが好ましく、5%以上65%以下であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
シール層を形成する樹脂組成物中のエチレン・不飽和エステル共重合体(A)として、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(住友化学(株)製 商品名アクリフト:WH206、メタクリル酸メチル由来の構成単位の含有量20質量%、メルトフローレート(190℃、2.16kgf)=2g/10分)を用いた。熱可塑性樹脂(B)として(一方社油脂工業(株)製 商品名ピーロイル:1010s)を用いた。
上記エチレン・不飽和エステル共重合体(A)99質量%と、熱可塑性樹脂(B)1質量%とを合わせて溶融混練機(東洋精機(株)製ラボプラストミル)に投入し、170℃、10分間混練してシール層樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を圧縮成形機((株)神藤金属工業所製)にて圧力100kg/cm2、温度180℃にてプレス成形し、厚み80μmのフィルムを得た。
[実施例2]
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)の含有量を98質量%、熱可塑性樹脂(B)の含有量を2質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で厚さ80μmのフィルムを得た。
[実施例3]
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)の含有量を96質量%、熱可塑性樹脂(B)の含有量を4質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で厚さ80μmのフィルムを得た。
[比較例1]
実施例1で用いたエチレン・不飽和エステル共重合体(A)のみを用いて実施例1と同様の方法で厚さ80μmのフィルムを得た。
[比較例2]
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)を99.5質量%、熱可塑性樹脂(B)を0.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ80μmのフィルムを得た。
[比較例3]
エチレン・不飽和エステル共重合体(A)の含有量を92質量%、熱可塑性樹脂(B)の含有量を8質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で厚さ80μmのフィルムを得た。
[比較例4]
実施例1で用いたエチレン・不飽和エステル共重合体(A)92質量%と、熱可塑性樹脂(B)の代わりに信越シリコーン製シリコーンマスターペレット(X−22−2125H:ジメチルシリコーン50%)を8質量%使用した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ80μmのフィルムを得た。
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた単層フィルムを、下記の方法により評価した。その結果を表1に示す。
(1)剥離強度(シール性の評価)
ポリエステルフィルム[ユニチカ(株)製 商品名「PTMX」、厚さ12μm]の片面に、脂肪族エステル系コート剤[主剤(三井武田ケミカル(株)製 商品名「タケラックXA−525」)、硬化剤(三井武田ケミカル(株)製 商品名「タケネートXA−52」)、酢酸エチルをそれぞれ10対1対15の質量比で混合したもの]を、コーター[康井精機(株)製]を用いて塗布した。
次に、片面をコロナ処理したポリエチレン樹脂のフィルム[住友化学製 商品名「スミカセン L405」、厚み20μm]を、そのコロナ処理面が脂肪族エステル系コート剤塗布面となるように、該ポリエステルフィルムに圧着し、40℃のオーブンにて24時間加熱し、ポリエステル樹脂層/ポリエチレン樹脂層からなる2層フィルムを得た。
次に、上記2層フィルムのポリエチレン樹脂層側に、実施例又は比較例で得られたフィルムをそれぞれ積層し、圧縮成形機((株)神藤金属工業所製)にて、圧力100kg/cm、温度180℃、時間1分で圧着し、3層の積層フィルムを調製した。
被着体として、ポリカーボネート(帝人化成製:PC−2151、厚み=200μm)を100mm×90mmに切り出したものを用い、この被着体に得られた積層フィルムのシール層を密着させ、圧力3kg/cm、時間1秒及びシール温度160℃にて巾20mmの帯状(被着体の90mm長さと平行方向に)にヒートシールした。この帯状のシール部分と垂直に、該シール部分を含むように15mm巾間隔に切り出し15mm×100mmの試験片を作製した。
この試験片を、東洋精機(株)オートグラフAGS500D型引張試験機を用いて、23℃雰囲気下、300mm/分の引張速度で180度剥離させたときの剥離強度を測定した。
易剥離性は、剥離強度が5N/15mm以上30N/15mm以下であれば、シール強度と剥離時のバランスに優れると判断した。
(2)ブロッキング性(保管安定性)の評価
実施例、比較例で得られた単層フィルムの保管安定性は、ASTM d 3354―74,ASTM d 1893―67に準拠し、ブロッキング測定を行なうことにより判断した。
試験片は、幅10cm×長さ22cmに切出した実施例1〜比較例4で作成した単層フィルムと、ポリエステルフィルム[ユニチカ(株)製 商品名「PTMX」、厚さ12μm]と、を重ね合わせ、荷重7kgf、温度40℃雰囲気下で3日間放置して状態調整を行った。その後、試験片を剥離速度200mm/minで剥離させ、剥離面積100cmあたりの剥離荷重をブロッキング値(g/100cm)とした。
ブロッキング値が200g/100cm未満のものを○、200g/100cm以上のものを×とした。
Figure 0005359967

Claims (3)

  1. エチレンに由来する構成単位と不飽和エステル化合物に由来する構成単位とからなるエチレン・不飽和エステル共重合体(A)92質量%を超えて99.5質量%未満と、
    ポリビニルアルコール、及びエチレン・ビニルアルコール共重合体からなる群から選ばれるいずれか一種の化合物と、炭素数が8以上のアルキル基を有するイソシアネートとの反応物である熱可塑性樹脂(B)0.5質量%を超えて8質量%未満と
    を含有する樹脂組成物(但し、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)との含有量の合計を100質量%とする)からなることを特徴とするシーラントフィルム。
  2. 前記エチレン・不飽和エステル共重合体(A)中の前記不飽和エステル化合物に由来する構成単位の含有量は、10質量%以上40質量%以下である請求項1に記載のシーラントフィルム。
  3. 請求項1または2に記載のシーラントフィルムと、基材とを有する蓋材であって、前記シーラントフィルムがヒートシール層であることを特徴とする蓋材。
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