JP3973942B2 - 積層体及び水分散体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温ヒートシール性に優れた塗膜を有する積層体及びその塗膜を形成するための水分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品包装、産業用包装など各種包装分野において、密封の手段としては、最も生産性、経済性に優れるところからヒートシールが広く使用されている。ところが包装材料としては、多種多様な社会ニーズに応えるため、数多くの熱可塑性重合体やその他基材が1種又は2種以上組み合わされて使用されており、これら熱可塑性重合体等の多くは低温ヒートシール性を有していないため、別途ヒートシール層を設けることによってシール性が付与されていることが多い。このような目的に使用されるヒートシール層としては、最も安価で低温ヒートシール性に優れたポリエチレンが多用されている。またより一層低温ヒートシール性、ホットタック性、耐突き刺し性などが要求される場合には、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体やそのアイオノマーが使用されている。
【0003】
昨今、環境問題の高まりから、包装材料の薄膜化、減容化が求められており、上記のようなヒートシール層においてもできるだけ薄くすることが求められるようになってきた。一般にヒートシール層を、押出しコーティングや共押出しなどの溶融加工で形成させる場合には薄膜化が困難であるのに対し、重合体の水分散体を塗布することによってヒートシール層を形成させる場合には薄膜化が可能である。例えば、酸含量の大きいエチレン・アクリル酸共重合体やエチレン・メタクリル酸共重合体はアルカリによって水に分散可能であり、その水分散体は造膜性に優れ、それから得られる塗膜は低温ヒートシール性に優れるところから、ヒートシール層形成に使用することは以前から行われていた。しかしながらアルカリ金属イオンの存在を嫌う分野やより耐水性が求められる分野においては、このような水分散体から形成されるヒートシール層では、要求性能を充分満足させるものではなかった。
【0004】
上記共重合体のうち、エチレン・アクリル酸共重合体は、アンモニアで水分散させることが可能であり、その水分散体も同様に造膜性に優れ、基材に塗布後、乾燥によってアンモニアを除去することができるので、金属イオンを含まず、耐水性、低温ヒートシール性に優れた塗膜を形成することが可能である。しかしながら従来市場に供せられていたものは、シール層を5μm以下の如き薄膜に形成したときには、ヒートシール強度が低く、また高温時に樹脂流れによってシール強度がさらに低下するなど、実用上充分なものとは言えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、エチレン・アクリル酸共重合体のアンモニアによる水分散体において、分散性、造膜性、塗膜の低温ヒートシール性等に優れ、基材上に5μm以下のような薄膜に塗布しても充分なシール強度が得られるような水分散体を提供することにある。本発明の他の目的は、このような水分散体を使用することによって製造し得る、ヒートシール層が膜厚5μm以下のような薄膜の場合においても低温ヒートシール特性に優れ、包装材料として好適な積層体を提供することにある。
【0006】
すなわち本発明によれば、基材上に、メルトフローレートが10〜150g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体とメルトフローレートが150〜400g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体の重量比10/90〜90/10の混合物であって、両者のメルトフローレート差が30〜350g/10分の範囲のものである、アクリル酸含量が15〜30重量%、メルトフローレートが100〜200g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体の塗膜を形成してなる積層体が提供される。本発明によればまた、メルトフローレートが10〜150g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体とメルトフローレートが150〜400g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体の重量比10/90〜90/10の混合物であって、両者のメルトフローレート差が30〜350g/10分の範囲のものである、アクリル酸含量が15〜30重量%、メルトフローレートが100〜200g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体を、該共重合体のカルボキシル基を基準にして50〜300モル%のアンモニアで分散してなる水分散体が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては、アクリル酸含量が15〜30重量%、好ましくは16〜22重量%、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)が100〜200g/10分、好ましくは110〜190g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体が使用される。アクリル酸含量が上記範囲より少なく、またメルトフローレートが上記範囲より小さいものを使用すると、分散性良好な水分散体を生成させることが難しくなる。また。アクリル酸含量が上記範囲より大きく、またメルトフローレートが上記範囲より大きいものを使用すると、ヒートシール強度が満足すべき値を示さず、また耐傷付き性や耐磨耗性などの塗膜強度が損なわれる傾向となり、さらに塗膜が吸湿しやすくなるので好ましくない。
【0008】
このようなエチレン・アクリル酸共重合体として、アクリル酸含量及び/又はメルトフローレートが異なる2種以上のエチレン・アクリル酸共重合体を混合して使用する場合は、アクリル酸含量の平均値が上記範囲に入っていることが必要であり、その一部のエチレン・アクリル酸共重合体として、アクリル酸含量が15重量%未満のものを使用するのは差し支えない。またこの場合、2種以上のエチレン・アクリル酸共重合体全体のメルトフローレートが上記範囲に入っていることが必要であり、個別のエチレン・アクリル酸共重合体のメルトフローレートが100g/10分未満のものであってもよいし、また200g/10分を越えるものであってもよい。一般にはただ1種のエチレン・アクリル酸共重合体を使用するよりもアクリル酸含量及び/又はメルトフローレートが異なる2種以上のエチレン・アクリル酸共重合体を混合して使用する態様の方が、同一アクリル酸含量及び同一メルトフローレートで比較した場合、より水分散体として分散性が良好であり、また低温ヒートシール性に優れ、薄膜強度が大きい塗膜を形成しやすいので好ましい。
【0009】
アクリル酸含量及び/又はメルトフローレートが異なる2種以上のエチレン・アクリル酸共重合体を混合して使用する態様においてはまた、メルトフローレートが異なるエチレン・アクリル酸共重合体の混合物であって、メルトフローレートの大きいエチレン・アクリル酸共重合体のアクリル酸含量が、メルトフローレートの小さいエチレン・アクリル酸共重合体のアクリル酸含量と同等かあるいはそれより多いものを使用する方が好ましい。具体的には、メルトフローレートが10〜150g/10分、好ましくは30〜120g/10分であって、アクリル酸含量が15〜30重量%、好ましくは15〜25重量%のエチレン・アクリル酸共重合体(A)と、メルトフローレートが150〜400g/10分、好ましくは180〜380g/10分であって、アクリル酸含量が15〜30重量%、好ましくは15〜25重量%のエチレン・アクリル酸共重合体(B)の混合物であって、両者のメルトフローレート差[(B)−(A)]が30〜350g/10分、好ましくは50〜300g/10分の範囲にあり、両者の混合比(重量比)[(A)/(B)]が10/90〜90/10、好ましくは30/70〜70/30のもので、アクリル酸含量及びメルトフローレートが所定の範囲となるものを好適例として例示することができる。
【0010】
上記のようなエチレン・アクリル酸共重合体は、ラジカル開始剤を用い、高温、高圧下において、エチレンとアクリル酸をランダム共重合させることによって得ることができる。このような共重合体において、必要ならば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、メタクリル酸メチルような(メタ)アクリル酸エステルや酢酸ビニルなどの他のビニルモノマーを少量、好ましくは10重量%以下の量で含有させることができる。
【0011】
本発明の積層体は、基材に上記のようなエチレン・アクリル酸共重合体の塗膜を形成させてなるものである。基材の形態としては、フイルム、シート、容器等の成形体のいずれでもよいが、本発明の積層体は、エチレン・アクリル酸共重合体をヒートシール層とする包装材料としての使用が最適であるため、基材としては各種包装材料として使用可能なフイルム基材であることが好ましい。フイルム基材としては、例えば厚みが10〜300μm程度のものを使用することができる。とくに減容化目的の場合には、10〜100μm程度の厚みのフイルムを使用するのが好ましい。具体的に基材としては、機能性を有するもの、例えばガスバリアー性、防湿性、耐熱性、透明性、強靱性、耐磨耗性等に優れるものなどが好ましく、極性材料あるいは非極性材料の延伸又は無延伸フイルムが使用できる。このような基材フイルムは単層である必要はなく、2層以上からなる積層フイルムであってもよい。また積層フイルムにあっては、中間層に接着層を有するものであっても良い。より具体的には、ポリエステル、ポリアミド、エチレン・ビニルアルコール共重合体などの無延伸フイルム、1軸延伸フイルム又は2軸延伸フイルム、ポリプロピレンの2軸延伸フイルムや高密度ポリエチレンの1軸延伸フイルムなどのポリオレフィン延伸フイルム、ポリ−4−メチルペンテン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン無延伸フイルム、前記各フイルムのアルミ蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着などの金属又は無機酸化物蒸着フイルム、アルミニウム箔、紙、織布、不織布、皮革などを例示することができる。
【0012】
基材フイルムとして使用可能な金属又は無機酸化物の蒸着フイルムとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどの延伸又は無延伸のフイルムに、アルミニウムのような金属、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタンのような無機酸化物を、真空蒸着、化学メッキ、スパッタリングなどにより蒸着したものであり、蒸着厚みとしては、例えば、50〜2000オングストローム程度のものが好適である。
【0013】
上記目的に使用されるポリエステルフイルムを構成するポリエステルは、透明性、耐熱性、強靭性、ガスバリアー性等の観点から、酸成分が芳香族ジカルボン酸を主成分とするもの、とりわけテレフタル酸または2、6−ナフタレンジカルボン酸を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを代表例として挙げることができる。
【0014】
基材フイルムとして使用可能なポリアミドフイルムを構成するポリアミドは、例えばジカルボン酸とジアミンとの重縮合、ラクタムの開環重合、アミノカルボン酸の重縮合、あるいは上記ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合などにより得られるものであって、例えば一般にナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロン6/610、ナイロン66/12、ナイロン6/66/610、MXナイロンなどとして市販されているものを用いることができる。これらポリアミドとしてはナイロン6やナイロン66は、とくに好適なポリアミドである。
【0015】
基材フイルムとして好適なエチレン・ビニルアルコール共重合体は、ビニルアルコール含量が50〜80モル%、好ましくは55〜75モル%のものであり、酢酸ビニル含量が50〜80モル%のエチレン・酢酸ビニル共重合体をケン化度95%以上、好ましくは99%以上となるような割合でケン化することによって得ることができる。エチレン・ビニルアルコール共重合体としてはまた、210℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.5〜30g/10分、とくに1〜20g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0016】
基材フイルムとして使用可能なポリオレフィンフイルムを構成するポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチルー1−ペンテンなどの単独重合体あるいはこれらオレフィン同士の共重合体であり、具体的には各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどである。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン(エチレン・α−オレフィン共重合体)などである。上記直鎖低密度ポリエチレンにおけるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。直鎖低密度ポリエチレンはいかなる触媒系で製造されたものであってもよく、例えばシングルサイト触媒やマルチサイト触媒の存在下で共重合したものを使用することができる。
【0017】
ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体であってもよく、またプロピレンと少量の他のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。前記共重合体に使用可能なα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。これらα−オレフィンは2種以上共重合されていてもよい。上記共重合体においては、プロピレン含量が90重量%以上、とくに95重量%以上のものが好ましい。ポリプロピレンとしてはまた、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜10g/10分程度のものが好ましく、また融点が150℃以上のものが好ましい。
【0018】
基材フイルムが積層フイルムである場合には、前記例示のフイルム層を少なくとも1層含む積層フイルムであることが好ましい。また積層フイルムが接着層を含む場合には、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンなどを接着層として使用することができる。
【0019】
これら基材フイルムが熱可塑性重合体のフイルムの場合には、公知のTダイキャストフイルム法によって上記材料からなる単層フイルムとして、あるいは共押出方式のTダイキャストフイルム法によって2種以上の上記材料や上記材料以外の他樹脂を使用した共押出フイルムとして工業的に製造することができる。これらは無延伸のものでもよいが、強靱性や透明性を上げるため1軸延伸や2軸延伸などの延伸処理を施されたものを使用するのがよく、これらは市場で入手することができる。とくにフイルムの強靭性、透明性、耐熱性、ガスバリアー性、防湿性等が著しく向上するところから、2軸延伸フイルムを使用するのが好ましい。
【0020】
本発明の積層体は、上記基材に上記エチレン・アクリル酸共重合体の塗膜が形成されてなるものであるが、エチレン・アクリル酸共重合体の塗膜厚みは10μm以下、とくに好ましくは1〜5μmの範囲である。このような膜厚により、包装材料の減容化が達成され、また充分な低温ヒートシール性を得ることができる。
【0021】
本発明においてこのような薄肉の塗膜を得るためには、上記エチレン・アクリル酸共重合体をアンモニウムイオンにより水に分散させた水分散体が使用される。このような水分散体は、エチレン・アクリル酸共重合体のカルボキシル基基準で、アンモニウムイオンが50〜300モル%、好ましくは50〜200モル%の割合で含まれており、その分散平均粒径が好ましくは1〜1000nm、とくに好ましくは5〜500nm、固形分濃度が好ましくは5〜50重量%、とくに好ましくは10〜40重量%の割合のものである。かかる水分散体は、水と上記エチレン・アクリル酸共重合体とアンモニアを各所定量使用し、100℃以上の温度、好ましくは130〜160℃の温度で、剪断力をかけながら反応させることによって得ることができる。
【0022】
本発明の水性分散液には、任意に種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、架橋剤、発泡剤、無機充填剤などを挙げることができる。
【0023】
基材に上記水分散体を塗布するには、公知の方法、例えばロールコーティング、リバースロールコーター、ドクターコーター、刷毛塗り、スプレー塗布などのコーティング方式やスクリーン印刷、グラビア印刷、彫刻ロール印刷、フレキソ印刷などの印刷方式を採用することができる。基材には、接着性等を改良する目的で、コロナ処理を施していてもよく、また予めプライマー処理を施しておいてもよい。とくに樹脂フイルムを基材とする場合は、プライマー処理をすることが好ましい。また本発明の積層体は、上記のように公知の方法で、基材上に上記水分散体を塗布した後、80〜200℃程度の温度で加熱乾燥して水等の揮発性成分を蒸発させることによって得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例で使用した原料はつぎの通りである。
【0025】
[原料]
エチレン・アクリル酸共重合体
ベースポリマー(1):エチレン・アクリル酸共重合体(アクリル酸含量20重量%、メルトフローレート(MFR)300g/10分)
ベースポリマー(2):エチレン・アクリル酸共重合体(アクリル酸含量20重量%、MFR155g/10分)
ベースポリマー(3):エチレン・アクリル酸共重合体(アクリル酸含量15重量%、MFR60g/10分)
ベースポリマー(4):ベースポリマー(1)とベースポリマー(3)の等重量メルトブレンド物(平均アクリル酸含量17.5重量%、MFR135g/10分)
アンモニア水
関東化学(株)製、アンモニア濃度29%
【0026】
[参考例1]
300mlオートクレーブに、ベースポリマー(2)64g、イオン交換水249g及びアンモニア水10.4gを加え、温度150℃、攪拌速度800rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、水分散体Aを得た。この水分散体Aを、3層構成の基材(PET12μm/エチレン・メタクリル酸共重合体20μm/アルミニウム箔7μm)のアルミニウム面上に、バーコーターによって塗布し、2μm及び4μmの厚みの塗膜を形成させ積層フイルムを作成した。乾燥は、150℃、2分間、オーブンで行った。積層フイルム作成翌日に塗工面同士を合わせて、シール幅1cm、圧力2kg/cm、0.5秒の条件でヒートシールを行った。ヒートシール温度は、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃の5点で行い、15mm幅の短冊状にカットし、引張速度300mm/分でヒートシール強度を測定した。
水分散体の性状を表1に、ヒートシールの結果を、2μm厚みのものを表2に、4μm厚みのものを表3に、それぞれ示す。
【0027】
[実施例1]
ベースポリマー(4)64g、イオン交換水250g、アンモニア水9.1gを使用した以外は、参考例1と同様にして水分散体Bを調製した。この水分散体のヒートシール強度を参考例1と同様に測定した。
水分散体の性状を表1に、ヒートシールの結果を、2μm厚みのものを表2に、4μm厚みのものを表3に、それぞれ示す。
【0028】
[実施例2]
ベースポリマー(4)64g、イオン交換水248g、アンモニア水11.8gを使用した以外は、実施例1と同様にして水分散体Cを調製した。この水分散体のヒートシール強度を実施例1と同様に測定した。
水分散体の性状を表1に、ヒートシールの結果を、2μm厚みのものを表2に、4μm厚みのものを表3に、それぞれ示す。
【0029】
[比較例1]
ベースポリマー(1)80g、イオン交換水232g、アンモニア水9.8gを使用した以外は、実施例1と同様にして水分散体Dを調製した。この水分散体のヒートシール強度を実施例1と同様に測定した。
水分散体の性状を表1に、ヒートシールの結果を、2μm厚みのものを表2に、4μm厚みのものを表3に、それぞれ示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003973942
【0031】
【表2】
Figure 0003973942
*:基材破壊
【0032】
【表3】
Figure 0003973942
*:基材破壊
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒートシール層として使用するときに、低温ヒートシール性に優れ、薄膜に形成しても充分なシール強度が得られような塗膜を有する、包装材料として好適な積層体を提供することができる。本発明によればまた、造膜性、分散性に優れ、上記のようなヒートシール層を形成することが可能な水分散体を提供することができる。

Claims (7)

  1. 基材上に、メルトフローレートが10〜150g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体とメルトフローレートが150〜400g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体の重量比10/90〜90/10の混合物であって、両者のメルトフローレート差が30〜350g/10分の範囲のものである、アクリル酸含量が15〜30重量%、メルトフローレートが100〜200g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体の塗膜を形成してなる積層体。
  2. 塗膜厚みが1〜5μmである請求項1記載の積層体。
  3. 塗膜がヒートシール層である請求項1または2に記載の積層体。
  4. 包装材料である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. メルトフローレートが10〜150g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体とメルトフローレートが150〜400g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体の重量比10/90〜90/10の混合物であって、両者のメルトフローレート差が30〜350g/10分の範囲のものである、アクリル酸含量が15〜30重量%、メルトフローレートが100〜200g/10分のエチレン・アクリル酸共重合体を、該共重合体のカルボキシル基を基準にして50〜300モル%のアンモニアで分散してなる水分散体。
  6. 請求項5に記載の水分散体を基材に塗布し、乾燥してなる積層体。
  7. 請求項5に記載の水分散体からなるコーティング剤。
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