JP3717130B2 - ポリエステルフイルム用塗布剤およびプリントラミネート体 - Google Patents

ポリエステルフイルム用塗布剤およびプリントラミネート体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリントラミネート体に関し、詳しくは、接着性、耐擦傷性、光沢性、耐ブロッキング性、滑り性および取り扱い作業性に優れたポリエステルフイルムを構成材料とするプリントラミネート体に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷体の表面保護と美装仕上げを目的として、プラスチックフイルムを貼り合わせるプリントラミネーションや表面コーティング等が行われている。特に、近年は、表面の保護効果が大きく、仕上りの美しいプリントラミネーションの伸長が大きく、特に、化粧品の箱などに使用される高級品については、深みのある優れた光沢を有するプリントラミネート体が採用されている。
【0003】
従来、プリントラミネーションに使用されているフイルムは、一般用にはポリプロピレンフイルム、高級品および箱物用にはポリ塩化ビニルフイルムである。ポリプロピレンフイルムは、光沢性が劣り、接着性も悪いため、斯かるフイルムを使用したラミネート体は製函性の劣ったものである。ポリ塩化ビニルフイルムについては、フィッシュアイ、厚さフレの点で問題があり、しかも、焼却処分した際には塩素系の有毒ガスが発生する問題もある。
【0004】
上記欠点を改良するため、基材フイルムとしてポリエステルフイルムの使用が検討されているが、ポリエステルフイルムは、印刷インキやホットスタンプ箔などとの接着性が劣るため、限定された用途にしか使用できない。コロナ処理や塗布処理により、ポリエステルフイルムの接着性の改良が行われているが、未だ不十分であり、表面に傷が生じたり、光沢性が劣る。また、耐ブロッキング性や滑り性が不十分であり、貼り合わせ工程や箱の組立工程などでの取り扱い性に問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、接着性、耐擦傷性、光沢性、耐ブロッキング性、滑り性および取り扱い作業性に優れたポリエステルフイルムを構成材料とするプリントラミネート体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的達成のために種々検討を重ねた結果、特定組成より成る塗布剤により、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の要旨は、印刷体の印刷層側にポリエステルフイルムが積層され、当該ポリエステルフイルムの露出面側に塗布層が形成されているプリントラミネート体において、上記の塗布層は、ポリエステル系樹脂49〜90重量部、アクリル系樹脂9〜50重量部、および、ポリオレフィン系樹脂1〜30重量部を主成分とし、前記ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分として、少なくとも、テレフタル酸(A)及び/又はイソフタル酸(B)とスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸(C)とを含有し、成分(A)〜(C)の合計量に対し、成分(A)及び(B)の量比が90〜99モル%であり、成分(C)の量比が1〜10モル%であり、そして、グリコール成分として、エチレングリコール(D)、1,4−ブタンジオール(E)、1,6−ヘキサンジオール(F)及びネオペンチルグリコール(G)の群から選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有し、全グリコール成分に対し、(D)〜(G)の各成分量または合計量の比が90モル%以上である塗布剤から成ることを特徴とするプリントラミネート体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明で使用する塗布剤(以下、本発明の塗布剤と略記する)について説明する。本発明の塗布剤は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、および、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする。
【0010】
上記のポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分として、少なくとも、テレフタル酸(A)及び/又はイソフタル酸(B)とスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸(C)とを含有し、グリコール成分として、エチレングリコール(D)、1,4−ブタンジオール(E)、1,6−ヘキサンジオール(F)及びネオペンチルグリコール(G)の群から選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有する。上記のスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸としては、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸ジメチル等が挙げられる。
【0011】
上記のポリエステル系樹脂において、テレフタル酸(A)、イソフタル酸(B)及びスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸(C)の合計量に対し、テレフタル酸(A)、イソフタル酸(B)の量比は、90〜99モル%であり、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸(C)の量比は1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%でなければならない。上記の(C)成分が1モル%未満の場合は、当該ポリエステルの水に対する溶解性や分散性が不十分となり、10モル%を超える場合は、塗布剤によるポリエステルフイルムの接着性、耐ブロッキング性、滑り性の改良効果が不十分である。
【0012】
上記のポリエステル系樹脂において、全グリコール成分に対し、エチレングリコール(D)、1,4−ブタンジオール(E)、1,6−ヘキサンジオール(F)及びネオペンチルグリコール(G)の各成分量または合計量の比は、90モル%以上でなければならない。全グリコール成分に対する上記の各成分量または合計量の比が90モル%未満の場合は、塗布剤によるポリエステルフイルムの接着性や耐ブロッキング性の改良効果が不十分である。
【0013】
上記のポリエステル系樹脂には、上記成分以外のジカルボン酸やグリコール類の1種以上を共重合することが出来る。共重合成分としてのジカルボン酸としては、6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられ、共重合成分としてのグリコール類としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ(オキシアルキレン)グリコールが挙げられる。
【0014】
上記の共重合成分は、本発明の塗布剤によるポリエステルフイルムの接着性や耐ブロッキング性の改良効果の観点から、通常20モル%未満の範囲で使用される。なお、前記のスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸においては、そのスルホン酸塩基の一部は30モル%を超えない範囲で他の官能基で置換してもよい。他の官能基としては、カルボン酸基、リン酸基またはそれらの塩類の他、スルホン酸基などが挙げられる。スルホン酸塩基の置換割合が30モル%を超える場合は、本発明の塗布剤の水分散性が悪化したり、本発明の塗布剤によるポリエステルフイルムの接着性改良効果が低下することがある。
【0015】
前記のアクリル系樹脂としては、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートを主成分とし、50モル%未満において、カルボキシル基またはその塩類、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩類、アミド基、アミノ基、水酸基、エポキシ基など反応性の官能基を有するビニル系単量体を共重合した水溶性または水分散性のアクリル系樹脂が好適に使用される。
【0016】
前記のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、以下の(I)〜(V)等の化合物を骨格とするポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。
【0017】
(I)エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン系不飽和炭化水素の単独または共重合体から成るワックス、樹脂、ゴム状物。これらの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体などが挙げられる。
【0018】
(II)1種または2種以上のα−オレフィンと共役または非共役ジエンとのゴム状共重合体。具体的には、例えば、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−エチリデンノルボルネン共重合体、イソブテン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエン共重合体が挙げられる。
【0019】
(III)α−オレフィン、特にエチレンと酢酸ビニルとの共重合体およびその完全または部分ケン化物。
【0020】
(IV)α−オレフィンの単独または共重合体に共役もしくは非共役ジエンまたは酢酸ビニル等をグラフトさせたグラフト重合体およびその完全または部分ケン化物。
【0021】
(V)ポリオレフィンの骨格に共重合またはグラフト重合などによりカルボキシル酸基、スルホン酸基、アミノ基、ポリエーテル、アルキロール化アミド基やそれらの塩類などの親水性基を有するビニル化合物を導入することにより、水溶化または水分散化を容易にしたポリオレフィン系樹脂。
【0022】
上記の各ポリオレフィン系樹脂は、水溶性ポリエステル等の親水性ポリマーの分散化の際に共存させることにより、水に溶解または分散させ且つ凝集が起こらない状態で使用するのが好ましい。
【0024】
本発明の塗布剤において、ポリエステル系樹脂は、49〜90重量部、好ましくは60〜80重量部、アクリル系樹脂は、9〜50重量部、好ましくは20〜40重量部、ポリオレフィン系樹脂は、1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部とされる。
【0025】
本発明の塗布剤において、ポリエステル系樹脂の使用量が49重量部未満の場合は、ポリエステルフイルムに対する接着性改良効果が不十分であり、上記の使用量が90重量部を超える場合は、ポリエステルフイルムに対する耐ブロッキング性改良効果が不十分であり、アクリル系樹脂の使用量が9重量部未満の場合は、ポリエステルフイルムに対する耐ブロッキング性改良効果が不十分であり、上記の使用量が50重量部を超える場合は、ポリエステルフイルムに対する接着性改良効果が不十分である。
【0026】
また、本発明の塗布剤において、ポリオレフィン系樹脂の使用量が1重量部未満の場合、ポリエステルフイルムに対する滑り性や耐擦傷性の改良効果が不十分であり、上記の使用量が30重量部を超える場合は、ポリエステルフイルムに対する印刷インキやホットスタンプ箔などとの接着性改良効果が不十分である。
【0027】
本発明の塗布剤は、ポリエステルフイルムに対する耐ブロッキング性などを更に改良するため、架橋剤、無機系粒子、有機系粒子を含有していてもよく、また、必要に応じ、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料などを含有してもよい。
【0028】
本発明の塗布剤は、ポリエステルフイルムに塗布し、その特性を改良するために使用される。上記のフイルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを重縮合させて得られるポリエステルである。そして、上記の芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、上記のグリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0029】
上記の各成分から成るポリエステルは、通常行われている方法を任意に採用して製造することが出来る。例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応を行わせるか、または、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させ、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル又はその低重合体を形成させ、次いで、これを減圧下240℃以上の温度で重縮合させる方法が採用される。この際、通常の触媒、安定剤、各種添加剤などは任意に使用することが出来る。
【0030】
上記のポリエステルの代表例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、ホモポリマー、コポリマー又はこれらのポリエステルの混合物であってもよい。また、上記のポリエステルは、各種安定剤、紫外線、吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、可塑剤および帯電防止剤などを含有していてもよい。
【0031】
次に、本発明のプリントラミネート体について説明する。本発明のプリントラミネート体は、印刷体の印刷層側にポリエステルフイルムが積層され、当該ポリエステルフイルムの露出面側に前記の塗布剤から成る塗布層が形成されて構成される。
【0032】
上記のプリントラミネート体は、先ず、前記の塗布剤から成る塗布層が形成されたポリエステルフイルムを得、次いで、印刷体の印刷層側に上記のポリエステルフイルムを積層することにより製造される。
【0033】
ポリエステルフイルムに塗布層を設ける方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ロッドコート法、エアドクターコート法などの周知の手段を採用することが出来る。そして、ポリエステル未配向フイルムに塗布剤を塗布した後、逐次または同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリエステルフイルムに塗布した後、一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、または、二軸配向ポリエステルフイルムに塗布する方法を採用することが出来る。
【0034】
塗布層の厚さは、通常0.01〜3μm、好ましくは0.02〜1μmの範囲から選択される。厚さが0.01μm未満の場合は塗布層が不均一となり、3μmを超える場合はフイルムの滑り性が低下して取り扱いが困難となる。なお、塗布層は、ポリエステルフイルムの片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。片面のみを塗布した場合、その反対面には本発明の塗布剤以外の塗布剤を塗布してもよい。例えば、後述の印刷体との熱接着を考慮し、熱融着ポリマー層を形成しておくことも好ましい。また、ポリエステルフイルムと塗布層との接着性などを向上させるため、ポリエステルフイルムに予め化学処理や放電処理を施すことも出来る。
【0035】
本発明でいう印刷体は、アート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成紙、フイルム等の基材に印刷が施されて構成される。印刷体は、単体または積層体の何れでもよく、また、印刷方式は特に限定されず、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、フレキソ印刷などの何れでもよい。
【0036】
本発明のプリントラミネート体は、例えば、ラミネーターのコーティング部において、前記の塗布層が形成されたポリエステルフイルム(基材フイルム)の塗布層非形成面に、有機溶剤に溶解した接着剤を塗布し、乾燥後、上記基材フイルムの接着剤塗布面と印刷体の印刷層側とを熱圧着する方法や、基材フイルムの塗布層非形成面に予めエチレン酢酸ビニル共重合体などの熱融着ポリマーを押出ラミネートし、基材フイルムの熱融着ポリマー層面と印刷体の印刷層側とを熱圧着する方法により得ることが出来る。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の評価方法は以下の通りである。
【0038】
(1)接着性:
オフセット印刷テスト機(明製作所製商品「RIテスターRI−2」)を使用し、プリントラミネート体の基材フイルム(塗布層が形成されたポリエステルフイルム)の塗布層面に2μmの厚さとなる様にワニス(T&K社製商品「UVマットOPニス」)を転写させた後、UV照射装置(ウシオ電機社製商品「UVC−402/1HN:302/1MH」)に通してワニスを硬化させ、直ちにセロハンテープ剥離試験を行った。剥離面積を観察し、以下の判定基準により、接着性を評価した。なお、UV照射条件は、メタルハライド灯出力120W/cm、ラインスピード15m/min、ランプからフイルムの間の間隔150mmとした。
【0039】
【表1】
A:全く剥離しない。
B:一部分が剥離する。
C:半分前後の部分が剥離する。
D:大部分が剥離する。
E:全面剥離する。
【0040】
(2)耐擦傷性:
ラビングテスター(大平理科工業製)を使用し、接触面積50mm×65mm、荷重200gの条件下、プリントラミネート体の基材フイルム面の塗布層面同士を60往復摩擦し、接触部の傷の入り度合を観察し、以下の判定基準により、耐擦傷性を評価した。
【0041】
【表2】
A:全く傷が付かない。
B:わずかに傷がつく。
C:強い傷がつく。
D:強い傷が全面につく。
E:塗布層が剥離する。
【0042】
(3)光沢性:
以下の判定基準により、プリントラミネート体の光沢性を評価した。
【表3】
A:光沢にムラがなく優れた光沢性を有している。
E:光沢にムラがあり光沢性が劣る。
【0043】
(4)滑り性:
平滑なガラス板上に配置されたクレーコート紙のコート面に、幅15mm、長さ150mmに切り出したプリントラミネート体の基材フイルム面の塗布層面を重ね、その上に順次ゴム板と荷重を載せて接圧を2g/cm2 に調整し、クレーコート紙を固定しつつ、プリントラミネート体を20mm/minで滑らせて摩擦力を測定した。静摩擦係数(μs)及び5mm滑らせた点での動摩擦係数(μd)を評価した。
【0044】
(5)耐ブロッキング性:
プリントラミネート体の基材フイルム面の塗布層面同士を重ね、40℃、80%RHの恒温恒湿槽内において、プレスにより10kgf/cm2 の条件下に20時間放置した後、上記の塗布層面同士を剥離し、ASTM−D−1893の方法で剥離強度を測定した。そして、以下の判定基準により、耐ブロッキング性を評価した。
【0045】
【表4】
A:剥離力5g以下
B:剥離力6〜10g
C:剥離力11〜50g
D:剥離力51g以上
E:破断
【0046】
<塗布剤用水性ポリエステル系樹脂の製造例>
以下の表5及び表6に示したカルボン酸成分とグリコール成分を使用し、酢酸亜鉛と三酸化アンチモンを触媒とし、反応容器中、170〜220℃で3時間エステル交換を行った。次いで、260℃まで昇温しつつ反応系内を徐々に減圧し、1時間後に5mmHgとし、更に、0.2mmHgまで減圧し、所定粘度が得られるまで重縮合を行った。得られた樹脂10部を85℃の温水90部に攪拌しつつ均一に溶解し、室温まで冷却した。
【0047】
【表5】
Figure 0003717130
【0048】
【表6】
Figure 0003717130
【0049】
実施例1
固有粘度0.65、平均粒径1.3μmの無定形シリカ粒子を0.3重量%含有するポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶融押出しし、約60℃の冷却ドラム上に静電印荷を行いつつ押し出し、シート化した。次いで、83℃で縦方向に3.5倍延伸した後、この縦延伸フイルムの片面に、上記表5の水性ポリエステル系樹脂Aが67部、ポリアクリレート水分散体が30部(固形分重量、以下同様)、ポリエチレン水分散体が3部から成る塗布剤を塗布した後、110℃で横方向に3.2倍延伸し、220℃で熱処理を行い、0.05μm厚さの塗布層を有する、厚さ12μmのフイルムを得た。なお、ポリアクリレート水分散体としては、「プライマルHA−8」(日本アクリル化学(株)製商品)を使用し、ポリエチレン水分散体としては、「ハイテックE4B」(東邦化学工業(株)製商品)を使用した(以下、同じ)
【0050】
上記のフイルムの非塗布層面に接着剤を塗布し、印刷が施された白板紙(マニラボール)の印刷面に上記の接着剤を介して積層し、プリントラミネート体を得た。なお、接着剤には、大日精化工業(株)製の接着剤「セイカボンドA160」と「セイカボンドC46H」とを1:1の割合で混合して使用した。接着剤の塗布量は固形分として2g/m2 とした。塗布剤組成および物性評価の結果を表7に示す。表7中、「PEs系樹脂」はポリエステル系樹脂、「AC系樹脂」はアクリル系樹脂、「PO系樹脂」はポリオレフィン系樹脂を表す(表8において同じ)。
【0051】
実施例2〜
実施例1において、以下の表7に示す塗布剤を使用した以外は、実施例1と同様にしてプリントラミネート体を得た。物性評価の結果を表7に示す。なお、実施例7で使用したシリカは、日産化学(株)製の「スノーテックスYL」(商品名)である。
【0052】
比較例1〜7
実施例1において、表8に示す塗布剤を使用した以外は、実施例1と同様にしてプリントラミネート体を得た。物性評価の結果を表8に示す。
【0053】
【表7】
Figure 0003717130
【0054】
【表8】
Figure 0003717130
【0055】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、接着性、耐擦傷性、光沢性、耐ブロッキング性、滑り性および取り扱い作業性に優れたポリエステルフイルムを構成材料とするプリントラミネート体が提供される。

Claims (1)

  1. 印刷体の印刷層側にポリエステルフイルムが積層され、当該ポリエステルフイルムの露出面側に塗布層が形成されているプリントラミネート体において、上記の塗布層は、ポリエステル系樹脂49〜90重量部、アクリル系樹脂9〜50重量部、および、ポリオレフィン系樹脂1〜30重量部を主成分とし、前記ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分として、少なくとも、テレフタル酸(A)及び/又はイソフタル酸(B)とスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸(C)とを含有し、成分(A)〜(C)の合計量に対し、成分(A)及び(B)の量比が90〜99モル%であり、成分(C)の量比が1〜10モル%であり、そして、グリコール成分として、エチレングリコール(D)、1,4−ブタンジオール(E)、1,6−ヘキサンジオール(F)及びネオペンチルグリコール(G)の群から選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有し、全グリコール成分に対し、(D)〜(G)の各成分量または合計量の比が90モル%以上である塗布剤から成ることを特徴とするプリントラミネート体。
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