JPH07103260B2 - 塗布層を有するポリエステルフィルム - Google Patents

塗布層を有するポリエステルフィルム

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JPH07103260B2
JPH07103260B2 JP2351788A JP2351788A JPH07103260B2 JP H07103260 B2 JPH07103260 B2 JP H07103260B2 JP 2351788 A JP2351788 A JP 2351788A JP 2351788 A JP2351788 A JP 2351788A JP H07103260 B2 JPH07103260 B2 JP H07103260B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗布層を有するポリエステルフィルムに関
し、詳しくは剥離性を有するポリエステルフィルムに関
する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
二軸延伸ポリエステルフィルムは、その優れた機械的強
度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、透明性などにより
広く使用されており、その用途のひとつとしていわゆる
離型フィルムがある。この離型フィルムとは、離型フィ
ルム上に塗布や蒸着や圧着などにより積層体を形成し、
最終的にはその積層体から離型フィルムを剥離除去し
て、その積層体を種々の用途に使うための支持体あるい
は保護層の機能をはたすものである。
これらの用途において、離型フィルムに必要な特性は、
取扱い時において適度な層間の接着性を有すると共に、
剥離操作の場合に容易に剥離し、剥離面の表面性が良い
ことであり、用途によっては繰り返し使用が可能なこと
である。ポリエステルフィルムに剥離性を付与する方法
としては、フィルムにシリコン化合物などの成分を含有
させる方法や、剥離特性を有する塗布剤やフィルムをポ
リエステルフィルムに積層する方法などがある。従来、
特に剥離性を必要とする用途での離型フィルムは、硬化
性シリコン系樹脂をポリエステルフィルムに離型層とし
て設けたものが主として使用されていた。しかしなが
ら、硬化性シリコン系樹脂は価格が高く、シリコン系樹
脂の架橋のため生産速度を上げることができないことも
あり、硬化性シリコン系樹脂を離型層としたポリエステ
ルフィルムは、価格が高くなる傾向があった。また、用
途によっては、硬化性シリコン系樹脂では、剥離性が良
すぎて取扱い作業工程の剥離操作外で剥離するなどの生
産上の問題があった。このようなことから、価格的に安
価であり、適度な剥離性と接着性を有する離型性ポリエ
ステルフィルムが求められていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、ある
特定の塗布液を塗布した後、延伸して得られる塗布層を
有するポリエステルフィルムが良好な剥離性、接着性を
有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少
なくとも片面に塗布液を塗布した後、該フィルムを延伸
して得られる塗布層を有するポリエステルフィルムであ
って、該塗布層が塩化ビニリデン系樹脂、ポリエーテル
変成ポリシロキサン及びアニオン性基を有するポリエス
テルを含有することを特徴とする塗布層を有するポリエ
ステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において基体を構成するポリエステルフィルムの
ポリエステルとは、その構成成分の80モル%以上がエチ
レンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート
あるいは80モル%以上がエチレンナフタレートであるポ
リエチレンナフタレートである。エチレンテレフタレー
ト、エチレンナフタレート以外のポリエステルの構成成
分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どのジオール成分、イソフタル酸、5−ソジオスルホイ
ソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などのジカルボン酸成分、オキシ安息香
酸およびそのエステル形成性誘導体などのオキシカルボ
ン酸などを用いることができるがこれらに限定されるも
のではない。
本発明における基体を構成するポリエステルフィルム
は、フィルムの表面に突起を形成させるためにいわゆる
添加粒子や析出粒子あるいは基体のポリエステルと特性
の異なるポリエステルあるいはそれ以外のポリマーを含
有していてもよい。基体のポリエステルフィルムの表面
粗さは、製品の滑り性、透明性などの要求特性に応じて
突起形成剤の種類、大きさ、配合量を選択する当業者の
周知の方法で実現できる。基体を構成するポリエステル
フィルムの突起形成剤以外の組成物としては、必要に応
じて帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、着色剤、光線遮断剤
などを含有していてもよい。
本発明のフィルムの塗布層における塩化ビニリデン系樹
脂とは、塩化ビニリデン重合体あるいは塩化ビニリデン
を50モル%以上含有する共重合体である。塩化ビニリデ
ンと共重合する成分としては、塩化ビニル、アクリロニ
トリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキ
ルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル
アミド、アルキロールアクリルアミド、酢酸ビニル、イ
タコン酸、スチレン、無水マレイン酸、マレイン酸アル
キルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リルスルホン酸ナトリウム、パラメタリルオキシベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムなどを例示できるが、これらに
限定されるものではない。
本発明に用いられる塩化ビニリデン系樹脂の分子量とし
ては、好ましくは5万〜30万のものが用いることができ
る。塩化ビニリデン系樹脂の市販品としては、旭化成工
業社、呉羽化学工業社、三菱油化バーディッシュ社など
の製品があり、これらを利用できるが、これらに限定さ
れるものではない。
本発明のフィルムの塗布層におけるポリエーテル変成ポ
リシロキサンとは、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールおよ
びこれらの共重合体などのポリエーテル成分がポリシロ
キサンの側鎖に結合している(1)式で示される化合物
やポリエーテルとポリシロキサンが主鎖としてブロック
状に結合している(2)式で示される化合物である。
R1、R2、R3は、メチル基、エチル基、フェニル基から選
ばれたものであり、同一であっても、異なっていてもよ
い。R4は、炭素数1以上のアルキレン基あるいはフェニ
レン基である。POAは、ClH2lOを構成成分とする
ポリマーである。ここでlは、2、3又は4の整数、
m、n、pは1以上の整数である。
本発明におけるポリエーテル変成ポリシロキサンのポリ
シロキサン成分は、塗布層の剥離性を改良するものであ
り、ポリエーテル部分は、ポリエーテル変成ポリシロキ
サンを水に溶解あるいは分散すると共に塗布層へ適度に
相溶することによってポリエーテル変成ポリシロキサン
のポリエステルフィルムの塗布層の背面やフィルムの加
工工程でのロール類への転着を防ぐ働きがある。
本発明におけるポリエーテル変成ポリシロキサンの分子
量は、好ましくは1000〜5万である。ポリエーテル変成
ポリシロキサン中のポリシロキサンの割合は、好ましく
は20重量%〜90重量%である。ポリエーテル変成ポリシ
ロキサンの市販品としては、東芝シリコーン社、東レシ
リコーン社、信越化学社などの製品を利用できるが、こ
れらに限定されるものではない。
本発明のフィルムの塗布層におけるアニオン性基を有す
るポリエステルは、塩化ビニリデン系樹脂層の塗膜の基
体ポリエステルフィルムへの接着性や凝集破壊性を改良
するものである。アニオン性基を有するポリエステルの
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの
脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸などのオキシカル
ボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができる。本発明におけるアニオン性基を有する
ポリエステルのグリコール成分としては、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコ
ール、p−キシレンジオールなどの芳香族ジオール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシアルキ
レン)グリコールを用いることができる。本発明におけ
るアニオン性基を有するポリエステルとしては、上述し
たエステル形性性成分からなる飽和線状ポリエステルの
みならず、3価以上のエステル形成成分を有する化合物
あるいは反応性の不飽和基を有する化合物をポリエステ
ル成分とするものでもよい。
アニオン性基を有するポリエステルのアニオン性基と
は、スルホン酸、カルボン酸又はその塩類である。この
スルホン酸塩、カルボン酸塩の塩とは、アンモニウム
塩、メチルアミンやエタノールアミンなどのアミン塩、
リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの
金属塩である。スルホン酸塩基を有するポリエステルと
しては、特公昭47−40873号、特開昭50−83497号、特開
昭50−121336号、特開昭52−155640号などで公知のポリ
エステル、あるいはそれらに準じたポリエステルを用い
ることができる。
スルホン酸塩基のポリエステルへの導入方法としては、
スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸およびそのエステル形
成性誘導体などの金属塩をポリエステルのエステル交換
あるいは重合工程中に添加し、共重合する方法、エステ
ル形成性脂肪族不飽和化合物を共重合したポリエステル
の不飽和基を亜硫酸水素ナトリウムあるいはメタ亜硫酸
ナトリウムなどのスルホン化剤でスルホン化する方法、
スチレンスルホン酸塩、メタクリルスルホン酸塩などを
ラジカル開始剤などを用いてポリエステルにグラフトす
る方法などがある。
カルボン酸塩基をポリエステルに導入する方法として
は、特開昭61−228030号に示されているようなカルボン
酸塩基を有するジオキシ化合物をポリエステルと反応さ
せる方法、アクリル酸塩、メタクリル酸塩などをラジカ
ル開始剤などを用いてポリエステルに導入する方法など
がある。
ポリエステル中のアニオン性基の量は、全ポリエステル
に対する重量として1重量%〜10重量%の範囲で使用す
るのが好ましい。ポリエステル中のアニオン性基の量が
1重量%未満では、ポリエステルの水に対する溶解性、
分散性が不充分であり、10重量%よりも多い場合には、
塗布液の塗布量の耐水性が低下し易い。
また、本発明におけるアニオン性基を有するポリエステ
ルとして、ポリシロキサン基、フッ素化アルキル基、エ
ポキシ基、アミド基などを有する炭素二重結合を有する
化合物をアニオン性基を有するポリエステルにグラフト
して変成したものを用いてもよい。
本発明におけるアニオン性基を有するポリエステルの分
子量は、好ましくは5000〜5万である。アニオン性基を
有するポリエステルの市販品としては、大日本インキ化
学工業社、日本合成化学工業社、東洋紡社、互応化学工
業社、高松油脂社などの製品を利用できるが、これらに
限定されるものではない。
本発明における塩化ビニリデン系樹脂、ポリエーテル変
成ポリシロキサン、アニオン性基を有するポリエステル
の塗布層における割合は、これらの総量に対して塩化ビ
ニリデン系樹脂は好ましくは30〜94重量%、ポリエーテ
ル変成ポリシロキサンは好ましくは3〜40重量%、アニ
オン性基を有するポリエステルは好ましくは3〜40重量
%である。ここに塩化ビニリデン系樹脂の含有量が30重
量%未満では、塩化ビニリデン系樹脂の剥離特性が発揮
されない場合があり、94重量%よりも多いと塗膜強度が
低下する場合があるため好ましくない。
アニオン性基を有するポリエステルの含有量が3重量%
未満では塗布量の基体フィルムへの塗布性、接着性、塗
膜自体の強度が低下する場合があり、40重量%よりも多
い場合は剥離特性が低下し好ましくない。
ポリエーテル変成ポリシロキサンの含有量が3重量%未
満では、塗布量の剥離特性の改良効果がない場合があ
り、40重量%よりも多いと塗布層にべたつきが生ずる場
合があり好ましくない。
本発明における塗布液は、通常、水に溶解あるいは分散
した状態で用いられる。塗布剤の凝集安定性、基体のポ
リエステルフィルムへの塗布液の塗布性改良、塗布剤の
造膜性改良のためアルコール類、セロソルブ類、N−メ
チルピロリドンなどの塗布液に加えてもよい。
本発明における塗布液には、塗布層の固着性(ブロッキ
ング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため
架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロール化した
尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド
系、ポリアミド系などの化合物、エポキシ化合物、アジ
リジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミ
ネートカップリング剤、熱、過酸化物、光反応性のビニ
ル化合物や感光性樹脂などを含有していてもよい。
また、固着性や滑り性の改良のため無機系微粒子として
シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコ
ニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化
チタン、バリウム塩、カーボンブラック、硫化モリブデ
ン、酸化アンチモンゾルなどを含有していてもよく、更
に必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防
止剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していて
もよい。
上述した塗布液をポリエステルフィルムに塗布する方法
としては原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティ
ング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビ
アコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターある
いはこれら以外の塗布装置を用いてポリエステル未延伸
フィルムに本発明における塗布液を塗布し、逐次あるい
は同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリエステ
ルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の
方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸ポリエステルフ
ィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸
する方法などがある。
上述の延伸工程は、好ましくは60〜130℃でおこなわ
れ、延伸倍率は、面積倍率で少なくとも4倍以上、好ま
しくは6〜20倍である。延伸されたフィルムは、150〜2
50℃で熱処理される。
更に、熱処理の最高温度ゾーン及び/又は熱処理出口の
クーリングソーンにて縦方向及び横方向に0.2〜20%弛
緩するのが好ましい。
特に、60〜130℃でロール延伸法により2〜6倍に延伸
された一軸延伸ポリエステルフィルムに塗布液を塗布
し、適当な乾燥を行ない、あるいは乾燥を施さずポリエ
ステル一軸延伸フィルムをただちに先の延伸方向とは直
角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、150〜250℃で
1〜600秒間熱処理を行なう方法が好ましい。
本方法によるならば、延伸と同時に塗布層の乾燥が可能
になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄くする
ことができ、剥離特性を有するフィルムを比較的に安価
に製造できる。
上述のようにして得られる塗布層を有するポリエステル
フィルムは、ポリエステルフィルムの厚さが3ないし50
0μであることが好ましく、塗布層の厚さは、0.01μか
ら1μの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.01μから
0.1μの範囲である。塗布層の厚さが0.01μ未満では均
一な塗布層が得にくいため製品に塗布むらが生じやす
く、1μより厚い場合は、滑り性が低下してフィルムの
取扱いが困難になり好ましくない。
本発明における塗布液は、ポリエステルフィルムの片面
だけに塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。片面
にのみ塗布した場合、その反対面には本発明における塗
布層以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明の剥離
性を有するポリエステルフィルムに他の特性を付与する
こともできる。なお、本発明における塗布液を塗布する
前のポリエステルフィルムに化学処理や放電処理を施
し、塗布液のフィルムへの塗布性や塗布層の基体ポリエ
ステルフィルムへの接着性を改良することもできる。
〔実 施 例〕
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。
実施例1 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融押出
し、静電密着法を併用しながら冷却ドラム上にキャスト
し、厚さ820μの無定形フィルムを得た。このフィルム
を95℃で縦方向に3.3倍延伸した後、水分散性塩化ビニ
リデン系樹脂である三菱油化ファイン社製のディオファ
ン207DC(商品名)を75部(塗布液中の固形分の重量割
合、以下同様)、アニオン性基を有する水分散性ポリエ
ステルである大日本インキ化学工業社製のファインテッ
クスES−670(商品名)を20部、ポリエーテル変成ポリ
シロキサンである東芝シリコーン社製のYF−3842(商品
名)を5部配合してなる塗布液を片面に塗布し、さらに
110℃で横方向に3.3倍延伸し、210℃で熱処理して、塗
布層の厚さが0.08g/m2(約0.08μ)、基体のポリエステ
ルフィルムの厚さが75μのフィルムを得た。
得られたフィルムの塗布層上に天然うるしを主成分とし
植物性乾性油、蜂蜜、ロジン、グリセリン、鉄粉、顔料
を添加剤とする塗料を塗布し、25℃、75%相対湿度下で
うるし層の乾燥、硬化を行ない、厚さ15μのうるし層を
有するフィルムを得た。このフィルムの巻き取り、さら
には次工程でのスリットや塗布でもうるし層は基体のポ
リエステルフィルムと接着しており、剥離を生ずること
はなかった。うるし層にセロハンテープを貼りつけ、急
速剥離を実施したところ、セロハンテープを貼りつけた
うるし層の部分だけが、基体のポリエステルフィルムか
ら剥離し、剥離部分とそうでない部分の境界が鋭利でい
わゆるキレが良く、剥離されたうるし層の表面性も良好
であった。うるし層上に接着剤層を設け、ホットスタン
ピング法で木材あるいは金属板上にうるし層を転写した
ところ、基体のポリエステルフィルム層との剥離性は良
好であり、うるし層の表面性を良く、うるし層を転写さ
れた基材はうるし調の表面を有するものとして商品性が
高いものであった。すなわち、本発明の塗布層を有する
ポリエステルフィルムは、うるし転写用フィルムの基材
として有用であった。
比較例1 実施例1で得られた塗布層を有するポリエステルフィル
ムの塗布層を有さない面に、実施例1と同様にしてうる
し層を設けた。しかしながら、得られたフィルムはうる
し層とポリエステルフィルム間で剥離性が不充分であ
り、転写操作により表面性のよいうるし転写品が得られ
ず、うるし転写用フィルム基材としては使用できなかっ
た。
実施例2 シリカ粒子をマット化剤として含有する固有粘度0.61の
ポリエチレンテレフタレートを溶融押出し、静電密着法
を併用して、冷却ドラム上にキャストし、厚さ405μの
無定形フィルムを得た。このフィルムを95℃で縦方向に
3.5倍延伸した後、水分散性塩化ビニリデン系樹脂であ
る三菱油化ファイン社製のディオファン207DC(商品
名)を65部、アニオン性基を有する水分散性ポリエステ
ルである高松油脂社製のペスレジンA517(商品名)を20
部、ポリエーテル変成ポリシロキサンである東芝シリコ
ーン社製のYF−3842(商品名)を10部、粒径0.2μの水
分散化炭酸カルシウム粒子を5部配合してなる塗布液を
片面に塗布し、さらに110℃で横方向に3.5倍延伸し、21
0℃で熱処理して、塗布層の厚さが0.15g/m2(約0.15
μ)、基体ポリエステルフィルムの厚さが33μのフィル
ムを得た。
得られたフィルムの塗布層上に油溶性染料を含有するポ
リエステルポリオールとポリイソシアネートからなる厚
さ4μの塗布層を設け、さらにこの上にアルミニウムを
800Åの厚さに蒸着し、熱可塑性アクリル−塩酢ビ共重
合系の接着剤層を25μの厚さで設けた。この積層体をホ
ットスタンピング法で他の基材に転写したところ、基体
となるポリエステルフィルムと着色層の界面での剥離が
良好であった。すなわち、本発明のフィルムは、転写箔
用フィルム基材として有用であった。
比較例2 実施例2で得られた塗布層を有するポリエステルフィル
ムの塗布層のない面に、実施例2と同様にして転写箔層
を設けた。しかしながら、ホットスタンビング法による
操作では基体となるポリエステルフィルムと転写層の剥
離が良好ではなかった。
実施例3 実施例1の塗布液の代りに水分散性塩化ビニリデン系樹
脂である三菱油化ファイン社製のディオファン207DC
(商品名)を65部、アニオン性基を有する水分散性ポリ
エステルである大日本インキ化学工業社製のファインテ
ックスES−670(商品名)を24部、ポリエーテル変成ポ
リシロキサンである東芝シリコーン社製のYF−3842(商
品名)を10部、分散型シリコーン消泡剤を1部配合した
塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布層
の厚さが0.18μ、基体のポリエステルフィルムの厚さが
75μのフィルムを得た。
得られたフィルムの塗布層上にペンタエリスリトールテ
トラアクリレート43.2重量部、ベンジルメタクリレート
73モル%、メタクリル酸27モル%から成りメチルエチル
ケトン溶媒での固有粘度が0.12の共重合体60.0重量部、
ミヒラーズケトン0.4重量部、ベンゾフェノン2.5重量
部、パラメトキシフェノール0.12重量部、三菱化成工業
社製のカーボンブラックであるMA−100(商品名)10.0
重量部からなるネガ型着色感光層を1.5μの厚さで設
け、さらにその上に日本合成化学工業社製のポリビニル
アルコールであるゴーセノールGL−05(商品名)をオー
バーコート層として1.5μの厚さで設けた。このオーバ
ーコート層面上に分解ネガフィルムを真空密着し、高圧
水銀灯で露光後、炭酸ナトリウム15重量部、ブチルセロ
ソルブ3重量部、水1000重量部からなる現像液で処理を
行ない、フィルム上に黒色画像を形成させた。この黒色
画像面を塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体からなる
熱接着層を設けた受像紙と重ね合わせ、100℃に加熱し
たローラーで押圧して、受像紙に黒色画像を有するフィ
ルムを接着して積層した。この積層体からポリエステル
フィルムの剥離を行なったところ、黒色画像層と本発明
の塗布量との層間において低い剥離荷重で剥離が生じ、
受像紙には黒色画像が良好に転写された。
すなわち、本発明の塗布層を有するポリエステルフィル
ムは、製版用の基材として有用であった。
比較例3 実施例3で得られる本発明の塗布層を有するポリエステ
ルの塗布層のない面上に実施例3と同様に着色感光層、
オーバーコート層を設け、以後実施例3と同様にして受
像紙へ積層した後、ポリエステルフィルムの剥離を行な
った。しかしながら黒色画像層とポリエステルフィルム
との剥離は、剥離荷重が大きく、ポリエステルフィルム
側に黒色画像が残存している部分があり、製版用として
は不適当であった。
実施例4 実施例3のアニオン性基を有する水分散性ポリエステル
である大日本インキ化学工業社製のファインテックスES
−670(商品名)の代りにアニオン性基を有するポリエ
ステルにポリシロキサン基を有するアクリル化合物をグ
ラフトした水分散性ポリエステルである高松油脂社製の
ペスレジンA−520B(商品名)を用いた以外は、実施例
3と同様にして塗布層を有するポリエステルフィルムを
得た。これに実施例3と同様にして黒色画像を形成し、
受像紙に積層後、ポリエステルフィルムの剥離を実施し
たところ、受像紙には黒色画像が良好に転写された。
すなわち、本発明の塗布層を有するポリエステルフィル
ムは、製版用の基材として有用であった。
実施例5 実施例3のアニオン性基を有する水分散性ポリエステル
である大日本インキ化学工業社製のファインテックスES
−670(商品名)の代りにアニオン性基を有するポリエ
ステルにエポキシ基を有するアクリル化合物をグラフト
した水分散性ポリエステルである高松油脂社製のペスレ
ジンA−517G(商品名)を用いた以外は、実施例3と同
様にして塗布層を有するポリエステルフィルムを得た。
これに実施例3と同様にして黒色画像を形成し、受像紙
に積層後、ポリエステルフィルムの剥離を実施したとこ
ろ、受像紙には黒色画像が良好に転写された。
すなわち、本発明の塗布層を有するポリエステルフィル
ムは、製版用の基材として有用であった。
〔発明の効果〕
本発明のフィルムは適当な層間接着性および剥離性を有
し、うるし転写用、転写箔用、製版用等、離型フィルム
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 83:00 B29L 9:00 (72)発明者 岡島 業明 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−147354(JP,A) 特開 昭52−98074(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に
    塗布液を塗布した後、該フィルムを延伸して得られる塗
    布層を有するポリエステルフィルムであって、該塗布層
    が塩化ビニリデン系樹脂、ポリエーテル変成ポリシロキ
    サン及びアニオン性基を有するポリエステルを含有する
    ことを特徴とする塗布層を有するポリエステルフィル
    ム。
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