JPH11262989A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JPH11262989A
JPH11262989A JP6683998A JP6683998A JPH11262989A JP H11262989 A JPH11262989 A JP H11262989A JP 6683998 A JP6683998 A JP 6683998A JP 6683998 A JP6683998 A JP 6683998A JP H11262989 A JPH11262989 A JP H11262989A
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JP
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film
polyester film
polyester
resin
monomer
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JP6683998A
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Masayuki Fukuda
雅之 福田
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑り性が極めて高く、しかも透明性、離形
性、耐ブロッキング性、背面転写性、耐削れ性、回収性
に優れ、画像出力媒体用のフィルム等に用いられる高透
明易滑性フィルムあるいはセラミックリリースフィルム
用等に用いられる離形フィルムに有用な積層ポリエステ
ルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、フッ素原子を有するアクリル系モノマー、ならび
に、フッ素原子を有さないアクリル系モノマー、ポリエ
ステル樹脂を構成するモノマーおよびウレタン樹脂を構
成するモノマーから選ばれる1種以上のモノマーから重
合して得られる、水溶性あるいは水に不溶の水分散性重
合体を主成分とする組成物を積層することを特徴とする
積層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ポリエステル
フィルムに関し、さらに詳しくは離形性、透明性、易滑
性、背面転写性、ハンドリング性、耐削れ性、耐ブロッ
キング性および回収性に優れた、特にOHPフィルムを
はじめとする画像出力媒体等に有用な高透明易滑性フィ
ルムあるいはセラミックシート等の成形用キャリアフィ
ルム(離形フィルム)に有用な積層ポリエステルフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、ビデオテー
プ、コンピューターテープ、フロッピーディスク、写真
フィルム、包装用フィルム、コンデンサー用メタライジ
ングフィルム、ドライフォトレジスト用フィルム、OH
P用フィルム、成形用キャリアフィルム、粘着剤層の保
護フィルムとして広く使用されている。
【0003】これらの用途の中、磁気記録媒体において
は、その電磁変換特性の向上のためより平坦な表面性が
要求され、ドライフォトレジスト用フィルム、OHP用
フィルム等の画像出力媒体としてはより精緻な画像を得
るため、より高透明なフィルムが要求されている。
【0004】しかしながら、より平坦に、高透明な表面
性を有したフィルムの場合、フィルムの滑り性が不足
し、巻き取り、巻き返し、塗布、スリット等の作業に重
大な支障を及ぼす問題がある。
【0005】また、ポリエステルフィルムを成形用キャ
リアフィルムあるいは粘着剤層の保護フィルムとして使
用する場合、かかるポリエステルフィルムはポリエチレ
ンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィンフィル
ムに比して表面エネルギーが高いため、離形性に劣り、
成形樹脂や粘着剤が剥離しにくかったり、剥離後、樹脂
や粘着剤がフィルム上に残ったりして、品質上のトラブ
ルが生じる問題がある。このような離形性不足による問
題の対策として、ポリエステルフィルムにビニルシロキ
サン基を有するシリコンオイルの硬化物よりなる被膜を
設けたものが用いられている。この硬化物は非粘着で離
形効果に優れ、また熱安定性に優れるという利点を有す
るが、ベースフィルムであるポリエステルフィルムとの
密着性が不充分で、耐久性が低い問題点を有する。
【0006】また、ポリエステルフィルムと離形層との
接着性を向上するため、シリコーン変性ウレタンあるい
はアクリル樹脂、シランカップリング剤を離形層に用い
る方法もあるが、この場合本来の離形性が劣る欠点があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、離形性、透明性、易滑
性、背面転写性、ハンドリング性、耐削れ性、耐ブロッ
キング性および回収性に優れた積層ポリエステルフィル
ムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に、フッ素原子を
有するアクリル系モノマー、ならびに、フッ素原子を有
さないアクリル系モノマー、ポリエステル樹脂を構成す
るモノマーおよびウレタン樹脂を構成するモノマーから
選ばれる1種以上のモノマーから重合して得られる、水
溶性あるいは水に不溶の水分散性重合体を主成分とする
組成物を積層することを特徴とする積層ポリエステルフ
ィルムによって達成される。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエス
テルとは、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを重縮
合して製造される線状ポリエステルである。
【0010】該ジカルボン酸成分としてはテレルタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボ
ン酸等を例示しうる。特にフィルムの機械的性質の点か
らテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好
ましい。
【0011】グリコール成分としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、
シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコー
ル、等を例示しうる。特にフィルムの剛直性の点からエ
チレングリコールが好ましい。
【0012】上記のポリエステルは、第3成分として上
記ジカルボン酸成分あるいはグリコール成分を共重合し
たコポリエステルであっても良く、三官能以上の多価カ
ルボン酸成分あるいはポリオール成分を含んでも良く、
得られるポリエステルが実質的に線状となる範囲(例え
ば5モル%以下)で少量共重合したポリエステルであっ
ても良い。
【0013】かかるポリエステルは常法により作ること
ができ、ポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノ
ール中、35℃)が、0.45以上であるとフィルムの
剛性が大きい等の機械的特性が良好となるため好まし
い。上記ポリエステルには、酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、酸化チタン、硫酸バリウム等のような無機微粒
子、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋
アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような耐熱
性ポリマーからなる有機微粒子、白色顔料、例えば酸化
チタン及び/または硫酸バリウムを含有させることがで
きる。このほかに、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン・プロピレンコポリマー、オレフィン系アイオノ
マーのような他の樹脂、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、蛍光増白剤等を必要に応じて含有することもでき
る。
【0014】本発明においてポリエステルフィルムは二
軸延伸フィルムであることが好ましい。また、ポリエス
テルフィルムの厚さは4〜500μm、好ましくは4〜
450μm、特に好ましくは4〜250μmである。
【0015】本発明において、ポリエステルフィルムの
少なくとも片面に設けられる積層膜は、フッ素原子を有
するアクリル系モノマー、ならびに、フッ素原子を有さ
ないアクリル系モノマー、ポリエステル樹脂を構成する
モノマーおよびウレタン樹脂を構成するモノマーから選
ばれる1種以上のモノマーから重合して得られる、水溶
性あるいは水に不溶の水分散性重合体を主成分とする。
【0016】本発明における、フッ素原子を有するアク
リル系モノマーとしては、アクリルジアルキルアミド、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、アクリルメタクリレート、アクリルアミド、
メタクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド等
のアクリル構造の少なくとも1個の水素がフッ素に置換
されたものを例示することができる。これらのモノマー
は、例えばスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、ジビニルベンゼン等の他の不飽和単量体と併用
することもできる。
【0017】本発明における、フッ素原子を有さないア
クリル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アクリルメタク
リレート、アクリルアミド、メタクリルアミド,N−メ
チロールメタクリルアミド等を例示することができる。
これらのモノマーは、例えばスチレン、アクリルニトリ
ル、メタクリルニトリル、ジビニルベンゼン等の他の不
飽和単量体と併用することもできる。
【0018】本発明における、積層膜を構成するポリエ
ステル樹脂を構成するモノマーは、ジカルボン酸化合物
およびグリコール化合物とからなる。
【0019】ジカルボン酸成分としてはテレルタル酸、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムス
ルホイソフタル酸等を例示しうる。
【0020】グリコール成分としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、
シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール
等を例示しうる。
【0021】上記モノマーに加え、三官能以上の多価カ
ルボン酸成分あるいはポリオール成分を用いても良い。
【0022】なお、かかるポリエステル樹脂には、いわ
ゆるアクリルグラフトポリエステルや、ポリエステルポ
リオールをイソシアネートで鎖延長したポリエステルポ
リウレタンなどのポリエステル成分を有する複合高分子
も含まれる。
【0023】本発明における、ウレタン系樹脂を構成す
るモノマーは、ポリオール化合物とポリイソシアネート
化合物とからなる。
【0024】該ポリオール化合物としては、ポリオキシ
エチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレン等のようなポリエーテル
類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレン
アジペート、ポリカプロラクトン等のようなポリエステ
ル類、ポリカーボネート、アクリル系ポリオール等を例
示し得る。
【0025】ポリイソシアネート化合物としては、トリ
レンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等を例示し得る。
【0026】ウレタン系樹脂を形成するために加えられ
る鎖長延長剤あるいは架橋剤としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、ジエチルトリアミン、4,4’−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン、水等を例示し得る。
【0027】本発明における上記重合体は、ポリフッ化
アクリレート、ならびに、フッ素原子を有さないアクリ
ル系樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂から選
ばれる1種以上の樹脂からなる重合体であることが好ま
しい。
【0028】また、上記重合体は、水に不溶の水分散性
であることが好ましく、水に不溶の水分散性であってコ
ア/シェル構造を持つ粒子の形態をとることがさらに好
ましい。
【0029】そして、コア/シェル構造を持つ粒子の形
態をとる場合、コア部分がポリフッ化アクリレートを主
たる構成成分、かつシェル部分がフッ素原子を有さない
アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂
から選ばれる1種以上の樹脂を主たる構成成分とするこ
とが好ましい。
【0030】上記コア/シェル構造を持つ粒子は、その
構成比が重量比で1/9〜9/1、さらに3/7〜7/
3、特に4/6〜6/4であることが好ましい。
【0031】この構成比が1/9未満であるとフィルム
の離形性や易滑性が不足し、他方9/1を超えると基材
フィルム等に対する接着性が不足する。
【0032】また、コア/シェル構造を持つ粒子の平均
粒径は、10〜200nm、さらに20〜150nm、
特に20〜100nmであることが好ましい。
【0033】平均粒径が10nm未満では塗液の安定性
が低下し、他方200nmを超えると積層膜表面の表面
粗さが高くなりすぎ、接着性が低下する。
【0034】さらに、コア/シェル構造を持つ粒子にお
いて、コア部分を構成する成分のガラス転移温度が0〜
80℃、かつシェル部分を構成する成分のガラス転移温
度が0〜60℃であることが好ましい。
【0035】コア部分を構成する成分またはシェル部分
を構成する成分のガラス転移温度が0℃未満では、フィ
ルムの耐ブロッキング性が低下し、他方コア部分を構成
する成分のガラス転移温度が80℃を超えると積層膜表
面の表面粗さが高くなりすぎ、接着性が低下し、シェル
部分を構成する成分のガラス転移温度が60℃を超える
と十分にコア部分の樹脂を保持できず積層膜の特性が低
下する。
【0036】かかるコア/シェル構造を持つ粒子は、公
知の方法で製造することができる。例えば、あらかじめ
ポリフッ化アクリレートを通常の乳化重合で重合し、こ
れを核として高分子反応によりフッ素原子を有さない残
りのモノマーを共重合する方法、フッ素原子を有さない
不飽和結合を持った高分子体をフッ化アクリレートモノ
マーおよびフッ素原子を有さないアクリレートモノマー
をパワーフィード法により乳化重合する方法が挙げられ
る。
【0037】本発明における積層膜を構成する組成物に
は、積層膜とポリエステルフィルムとの接着を強固なも
のとし、積層時の濡れ性を良好なものとするため、界面
活性剤を含有させることができる。かかる界面活性剤と
しては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤を挙げることができる。
【0038】本発明における組成物は水性塗剤(水を媒
体とするもの)として塗布することが好ましいが、有機
溶剤を溶剤として塗布することも可能である。この有機
溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサ
ノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノー
ル、エタノール、n−プロパンノール、イソプロパノー
ル等を例示することができる。これらは単独で、もしく
は複数を組み合わせて用いることができる。
【0039】この水性塗液には、積層物塗膜表面の滑り
性を良好なものとし、フィルムの耐ブロッキング性を良
好なものとするため、接着性等の特性を損なわない範囲
で滑剤を添加することができる。この滑剤としては、例
えばポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、ベンゾグナミ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の微粒子
を挙げることができる。これらの樹脂の微粒子は、積層
膜に微粒子で含まれるものであれば熱可塑性であっても
熱硬化性のものであってもよい。
【0040】さらに本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、紫外線吸収剤、顔料、潤滑剤、ブロッキング防止
剤、メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤や他の
帯電防止剤等の他の添加剤を配合することができる。
【0041】本発明における積層物塗剤の固形分濃度
は、通常30重量%以下であり、更には0.5〜30重
量%であることが好ましい。この割合が0.5重量%未
満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足す
ることがあり、また30重量%を超えると塗布外観が悪
化するので好ましくない。
【0042】本発明においては上述の各成分を含む組成
物を含む塗液をポリエステルフィルムの少なくとも片面
に塗布するが、該フィルムとしては結晶配向が完了する
前のポリエステルフィルムが好ましい。この配向結晶が
完了する前のポリエステルフィルムとしては、該ポリエ
ステルを熱溶融してそのままフィルム状となした未延伸
状フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何
れか一方に配向せしめた一軸延伸フィルム、縦方向及び
横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的
に縦方向及び横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了
せしめる前の二軸延伸フィルム)等を例示することがで
きる。
【0043】ポリエステルフィルムへの塗液の塗布方法
としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロ
ールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコ
ート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカー
テンコート法等を単独または組み合わせて適用すると良
い。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の安定性を
助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませても良い。
【0044】塗布量は走行しているフィルム1m2あた
り0.5〜50g、さらには5〜30gが好ましい。最
終乾燥塗膜(被膜)の厚さとしては、0.02〜1μm
が必要であり、好ましくは0.05〜0.8μmであ
る。塗膜の厚さが0.02μm未満であると、帯電防止
性が不十分となり、他方1μmを超えると、耐ブロッキ
ング性が低下するので好ましくない。塗布はフィルムの
用途に応じて片面のみに行うことも両面に行うこともで
きる。塗布後、乾燥することにより、均一な塗膜とな
る。
【0045】本発明においては、ポリエステルフィルム
に塗液を塗布した後、乾燥、好ましくは延伸処理を行う
が、この乾燥は90〜130℃で2〜20秒間行うのが
好ましい。この乾燥は延伸処理の予熱処理ないし延伸時
の加熱処理をかねることができる。ポリエステルフィル
ムの延伸処理は、温度70〜140℃で縦方向に2.5
〜7倍、横方向に2.5〜7倍、面積倍率で8倍以上、
さらには9〜28倍延伸するのが好ましい。再延伸する
場合には、1.05〜3倍の倍率で延伸するのが好まし
い(但し、面積倍率は前記と同じ)。延伸後の熱固定処
理は最終延伸温度より高く融点以下の温度で1〜30秒
行うのが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート
フィルムでは170〜240℃で2〜30秒熱固定する
のが好ましい。
【0046】かくして得られた積層ポリエステルフィル
ムは、離形性、透明性、易滑性、背面転写性、ハンドリ
ング性、耐削れ性、耐ブロッキング性、および回収性に
優れたものであり、高透明易滑性フィルムや離形フィル
ムとして有用である。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。本発明における評価は次に示す方法で行った。
【0048】1.透明性 JIS規格に準拠し、フィルムのヘーズ、全光線透過率
を測定した。
【0049】2.易滑性 JIS規格に準拠し、フィルムの静摩擦係数を測定し
た。
【0050】3.背面移行性 (1)コーティング面にポリエステルフィルムを重ねあ
わせ、一定荷重(6kg/cm2)をかけ、50℃×7
0%RHの条件で17時間処理した後、コーティング面
に接したポリエステルフィルム面にマジックインクでラ
インを引き、”ハジキ”の程度を観察した。
【0051】(2)コーティング面に非塗布ポリエステ
ルフィルムを重ねあわせ、一定荷重(6kg/cm2
をかけ、50℃×70%RHの条件で17時間処理した
後、非塗布面の水接触角(θ:背面転写性の代用特性)
を測定し、下記の基準により評価した。 ランクA: 75°≧θ (背面転写性良好) ランクB: 80°≧θ>75°(背面転写性やや良好) ランクC: θ>80°(背面転写性不良) 水接触角は上記サンプルフィルムを、積層物水性液非塗
布面を上にして接触角測定装置(エルマ社製)にセット
し、温度23℃の条件にて水滴を落下させてから1分後
の接触角を読み取ることにより測定した。尚、背面転写
性が全く無いフィルムの水接触角は65〜75°であ
り、背面転写性良好なフィルムの水接触角は75°以下
であり、背面転写性が著しい(背面転写性不良)フィル
ムの水接触角は80°以上である。
【0052】4.耐削れ性 20mm幅に切断したフィルムサンプルを用い、フィル
ムの積層物塗膜塗設面と直径10mmの円柱状ステンレ
ス製固定バーにあてて200gの荷重を加えた状態で8
0m走行させた後、バーに付着した塗膜の白粉を観察
し、耐削れ性を下記のとおり評価した。 ランクA:バーに白粉の付着が無い(耐削れ性良好) ランクB:バーに白粉がやや付着する(耐削れ性やや不
良) ランクC:バーに白粉が多量に付着する(耐削れ性不
良)
【0053】5.離形性 コーティング面に24mm巾セロテープをゴムロールに
て圧着し、インストロン型引っ張り試験機にて180°
方向に剥離し、この時の抵抗値(g/24mm)をもっ
て表示する。
【0054】[実施例1]固有粘度0.65のポリエチ
レンテレフタレート(滑剤として、粒径0.1μmのカ
オリンを10ppm含む)を溶融して冷却ドラム上にキ
ャストし、縦方向に3.6倍延伸した。このフィルムの
片面に、コア部分が、ポリフッ化メタクリル酸メチルで
あり、シェル部分が、メタクリル酸メチル(35mol
%)、アクリル酸エチル(50mol%)、アクリロニ
トリル(10mol%)、及びN−メチロールメタクリ
ルアミド(5mol%)よりなるコア・シェル構造をも
つ水分散体90重量%,ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル10重量%からなる組成の2重量%水性液
を4g/m2(wet)の量をマイクログラビアコート
法にてフィルムの両面に塗布した。乾燥後、横方向に
3.6倍延伸し、230℃で熱処理して厚さ50μmの
二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの
積層物塗膜面の特性を表1に示す。
【0055】[実施例2]実施例1で用いたシェル部分
の構造を、スルホイソフタル酸ソーダ変性ポリエステル
に変更する以外は実施例1と同じ方法で二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。このフィルムの処理面の特性を
表1に示す。
【0056】[実施例3]実施例1で用いたシェル部分
の構造を、トリレンジイソシアネート/ポリカーボネー
ト系ウレタンに変更する以外は実施例1と同じ方法で二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの処
理面の特性を表1に示す。
【0057】[比較例1]実施例1で用いた塗布物を水
性シランカップリング剤に変更する以外は実施例1と同
じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフ
ィルムの処理面の特性を表1に示す。
【0058】[比較例2]実施例1で用いた塗布物を水
性シリコーンオイルに変更する以外は実施例1と同じ方
法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィル
ムの処理面の特性を表1に示す。
【0059】[比較例3]実施例1で用いた塗布物をシ
リコーン樹脂グラフトアクリル樹脂水分散体に変更する
以外は実施例1と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。このフィルムの処理面の特性を表1に示
す。
【0060】[比較例4]実施例1において、組成物を
コーテイングをせずに得た二軸延伸ポリエステルフィル
ムの特性を表1に示す。
【0061】[実施例4]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
実施例1と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0062】[実施例5]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
実施例2と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0063】[実施例6]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
実施例3と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0064】[比較例5]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
比較例1と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0065】[比較例6]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
比較例2と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0066】[比較例7]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
比較例3と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0067】[比較例8]ポリエチレンテレフタレート
に配合する滑剤の添加量を500ppmに変更する他は
比較例4と同じ方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの処理面の特性を表2に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明における積層ポリエステルフィル
ムは,従来のものに比べて、滑り性が極めて高く、しか
も離形性、耐ブロッキング性、背面転写性、耐削れ性、
回収性に優れ、高透明性を必要とする画像出力媒体用の
フィルム等に有用な高透明易滑性フィルム、あるいはセ
ラミックリリースフィルム用等に有用な離形フィルムを
提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、フッ素原子を有するアクリル系モノマー、ならび
    に、フッ素原子を有さないアクリル系モノマー、ポリエ
    ステル樹脂を構成するモノマーおよびウレタン樹脂を構
    成するモノマーから選ばれる1種以上のモノマーから重
    合して得られる、水溶性あるいは水に不溶の水分散性重
    合体を主成分とする組成物を積層することを特徴とする
    積層ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 重合体が水に不溶の水分散性である請求
    項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 重合体が、ポリフッ化アクリレート、な
    らびに、フッ素原子を有さないアクリル系樹脂、ポリエ
    ステル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる1種以上の
    樹脂からなる重合体である請求項1記載の積層ポリエス
    テルフィルム。
  4. 【請求項4】 重合体が、コア/シェル構造を持つ粒子
    の形態をとる請求項2記載の積層ポリエステルフィル
    ム。
  5. 【請求項5】 コア部分がポリフッ化アクリレートを主
    たる構成成分とし、、かつシェル部分がフッ素原子を有
    さないアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタ
    ン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を主たる構成成分と
    する請求項4記載の積層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 コア/シェル構造を持つ粒子の構成比
    (重量比)が4/6〜6/4である請求項4または5記
    載の積層ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 コア/シェル構造を持つ粒子の粒径が1
    0〜200nmである請求項4〜6のいずれかに記載の
    積層ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 コア部分を構成する成分のガラス転移温
    度が0〜80℃、かつシェル部分を構成する成分のガラ
    ス転移温度が0〜60℃である請求項4〜7のいずれか
    に記載の積層ポリエステルフィルム。
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