JP2016080993A - 光学部材用保護フィルム、及び光学部材の検査方法 - Google Patents

光学部材用保護フィルム、及び光学部材の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の工程後の検査を正確に行うことができるとともに、検査後も保護フィルムとして機能し得る光学部材用保護フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】基材上に剥離可能な保護膜を有する光学部材用保護フィルム。前記保護膜は、破断時の引張応力が1MPa以上であることが好ましい。また、前記保護膜は、破断時の伸び率が300%以下であることが好ましい。また、前記保護膜の剥離力は0.500N/10mm以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学部材用保護フィルム、及び光学部材の検査方法に関する。
光拡散フィルム、プリズムシート、偏光フィルム、位相差フィルム、ハードコートフィルム、透明導電性フィルム等の光学部材は、製造時や加工時の傷つきを防止するために、保護フィルムが貼り合わせられる。
このような光学部材用の保護フィルムは、プラスチックフィルム等の基材上に、剥離性を有する接着剤層を有する基本構成からなり、例えば、特許文献1及び2のようなものが提案されている。
特許文献1は、基材上に、特定のプロピレン系重合体からなる粘着層を設けることにより、初期粘着力及び耐熱性が良好であり、経時による粘着力の変動、剥離後の糊残りを抑制した光学部材用表面保護フィルムを開示している。
特許文献2は、基材としてポリエーテルエーテルケトンを用いることにより、傷がつきにくく、光学検査工程における視認性を確保することができ、耐熱性に優れた表面保護フィルムを開示している。
特開2009−198753号公報 特開2013−159616号公報
特許文献1の保護フィルムは光学部材の傷つきを防止できるものであるが、保護フィルム自体の傷つきを考慮しておらず、加工時や製造時に保護フィルムに傷が生じる場合がある。保護フィルムの傷は、全光線透過率やヘイズに影響を与える。そして、保護フィルムに傷が生じた場合、光学部材に保護フィルムを貼り合わせたまま検査を行うと、光学部材自体には欠陥がないにも関わらず、保護フィルムの傷を原因として検査結果が不可となる問題がある。検査の際に保護フィルムを剥離できれば前記問題は解消できるが、検査後の工程や輸送の際に光学部材を保護するために、検査後も光学部材上に保護フィルムを貼り合わせた状態を維持したいという事情がある。
特許文献2の保護フィルムは、基材として耐擦傷性に優れるポリエーテルケトンを用いている。しかし、耐擦傷性に優れる基材を用いたとしても、工程中の傷を完全に防止することはできず、上記問題は解決できない。
上記問題を解決するために、製造現場では、保護フィルム上にさらに別の保護フィルムを貼り合わせる手段が行われている。このように保護フィルムを2枚用いる手段では、上側の保護フィルムに傷が生じても、検査の際に上側の保護フィルムのみを剥離すれば、上記問題を解消することができる。
しかし、保護フィルムを2枚用いる手段は、作業効率が悪く、コスト及び廃棄物量が増えるという問題がある。
本発明は、所定の工程後の検査を正確に行うことができるとともに、検査後も保護フィルムとして機能し得る光学部材用保護フィルムを提供することを目的とする。さらに本発明は、簡易かつ正確な光学部材の検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、以下1〜9の光学部材用保護フィルム、及び光学部材の検査方法を提供する。
1.基材上に剥離可能な保護膜を有する光学部材用保護フィルム。
2.前記基材の前記保護膜とは反対側の面に接着剤層を有する上記1に記載の光学部材用保護フィルム。
3.前記保護膜が二以上の膜からなり、各膜の間で剥離可能である上記1又は2に記載の光学部材用保護フィルム。
4.前記保護膜がスリップ剤を含む上記1〜3の何れかに記載の光学部材用保護フィルム。
5.前記保護膜が帯電防止剤を含む上記1〜4の何れかに記載の光学部材用保護フィルム。
6.前記保護膜は、破断時の引張応力が1MPa以上である上記1〜5の何れかに記載の光学部材用保護フィルム。
7.前記保護膜は、破断時の伸び率が300%以下である上記1〜6の何れかに記載の光学部材用保護フィルム。
8.前記保護膜を剥離する際の剥離力が0.500N/10mm以下である上記1〜7の何れかに記載の光学部材用保護フィルム。
9.以下(1)〜(3)の工程を順に行う光学部材の検査方法。
(1)光学部材の少なくとも一方の面に、上記1〜8の何れかに記載の光学部材用保護フィルムの保護膜とは反対側の面を貼り合わせ、保護フィルム付き光学部材を得る工程。
(2)保護フィルム付き光学部材に所定の処理を行う工程。
(3)保護フィルム付き光学部材から保護膜を剥離して、光学部材の検査を行う工程。
本発明の光学部材用保護フィルムは、所定の工程後に基材上の保護膜を剥離するという簡易な作業を行うのみで、工程後の検査を正確に行うことができるとともに、検査後も保護フィルムとしての機能を維持することができる。また、本発明の光学部材の検査方法は、簡易かつ正確に光学部材を検査することができる。
<光学部材用保護フィルム>
本発明の光学部材用保護フィルムは、基材上に剥離可能な保護膜を有するものである。以下、本発明の光学部材用保護フィルムの実施の形態を説明する。
[基材]
基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。これらの中でも、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的強度、寸法安定性及び透明性に優れる点で好ましい。
基材の保護膜側の面には、保護膜を剥離させやすくするために、シリコーン系離型剤等で離型処理が施してあっても良い。
また、基材の接着剤層側の面には、接着剤層との密着性を向上させるために、易接着剤層を設けたり、コロナ放電処理するなどして易接着処理することも好適である。
基材の厚みとしては、一般には25〜500μmであるが、取り扱い性の観点から、50〜350μmであることが好ましい。
基材は光学部材の検査に大きな影響を与えないことが好ましい。
このため、基材のJIS K7361−1:1997の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。同様に、基材のJISK7136:2000のヘイズは、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
[保護膜]
保護膜は、工程中に基材が傷つくことを防止する役割を有し、基材から剥離可能となるように形成されている。
保護膜は、接着剤層を介することなく基材に積層されていることが好ましい。
本発明の光学部材用保護フィルムは、保護膜が基材から剥離可能であることから、工程中に保護膜が傷ついた場合でも、基材から保護膜を剥離することにより、工程後の検査を正確に行うことができる。しかも、本発明の光学部材用保護フィルムは、光学部材上に基材を貼り合わせた状態で正確な検査が可能であることから、検査後に、光学部材が保護された状態で直ちに出荷することができる(検査後も保護フィルムとしての機能を維持できる)。さらに、本発明の光学部材用保護フィルムは、従来、製造現場行われていた保護フィルムを2枚用いる手段に比べて、作業効率を良好にすることができ、かつコスト及び廃棄物量を減少することができる。
保護膜は、樹脂から構成することが好ましい。
保護膜を構成する樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体等の塩化ビニル共重合体;アクリロニトリル−ブタジエンラバー;ニトロセルロース、アセチルセルロース等のセルロース;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール;アクリル樹脂;ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル;エチレン−酢酸ビニル共重合体;アクリルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム;ポリウレタン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。こられの樹脂は、剥離作業に耐え得る皮膜性を有しやすく、基材に対して接着剤層を介することなく、必要最低限の接着力を発揮しやすい点で好適である。これら樹脂の中でも、ポリウレタンが好適である。
保護膜は、二以上の膜から構成され、さらに各膜の間で剥離可能に構成されていてもよい。保護膜を該構成とすることにより、処理工程−検査工程のサイクルが2サイクル以上ある場合において、各サイクルの処理工程後かつ検査工程前に、最も上に位置する保護膜のみを剥離すれば、各サイクルの検査を正確に行うことができる。この場合、各界面の接着力(剥離力)を以下の関係にすることが必要である。
基材と一番目の保護膜との接着力>一番目の保護膜と二番目の保護膜との接着力>・・・n−2番目の保護膜とn−1番目の保護膜との接着力>n−1番目の保護膜とn番目の保護膜との接着力
上記関係を満たすためには、互いに接する膜の組成を異なるものとして、各界面の接着力(剥離力)を調整すればよい。
なお、処理工程とは、加熱、断裁、巻き取り等の光学部材に対して物理的処理を行う工程の全般を意味する。
保護膜は着色されていてもよい。保護膜を着色しておき、処理工程後に保護膜を剥離するように工程管理しておけば、着色のない状態の光学部材は処理工程が完了しており、検査工程に進むべきものであることが容易に判別できる。
また、保護膜を二以上の膜から構成する場合において、各膜を異なる色に着色してもよい。該構成を採用する場合において、各サイクルの処理工程後かつ検査工程前に、最も上に位置する保護膜のみを剥離すれば、保護膜の色の違いにより、どの段階の工程まで進んでいるかを容易に判別できる。
着色剤は、汎用の顔料や染料を用いることができる。
保護膜は、処理工程中に保護膜が傷つくことを抑制するために、スリップ剤を含有してもよい。
スリップ剤としては、シリコーン系、フッ素系、オレフィン系等のスリップ剤が挙げられる。これらの中でも、シリコーン系のスリップ剤が好適である。
保護膜中のスリップ剤の含有量は、保護膜の樹脂成分100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜0.5質量部であることがより好ましい。
保護膜は、剥離時の帯電を抑制するために、帯電防止剤を含有してもよい。
帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩等のイオン伝導型、ATO等の電子伝導型等が挙げられる。これら帯電防止剤の中でも、光学部材の検査をより正確に行う観点から、イオン伝導型の帯電防止剤が好適である。
保護膜中の帯電防止剤の含有量は、保護膜の樹脂成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
保護膜は、剥離時の作業性の観点から、破断時の引張応力が1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることがさらに好ましく、20MPa以上であることがよりさらに好ましい。破断時の引張応力の上限は特に限定されないが、通常150MPa程度である。保護膜が二以上の膜から形成されている場合、全ての膜が前記値を満たすことが好ましい。
引張応力、並びに後述する伸び率及び剥離力は、23℃、50%RHで24時間放置した際の値とする。また、引張応力、並びに後述する伸び率及び剥離力は、実施例に記載の方法により測定できる。
保護膜は、剥離時の作業性の観点から、破断時の伸び率が300%以下であることが好ましく、280%以下であることがより好ましい。保護膜が二以上の膜から形成されている場合、全ての膜が前記値を満たすことが好ましい。
保護膜は、剥離時の作業性の観点から、剥離力が0.500N/10mm以下であることが好ましく、0.200N/10mm以下であることがより好ましく、0.100N/10mm以下であることがさらに好ましい。なお、保護膜の剥離力は保護膜の接着力に相当するため、保護膜の剥離力が弱すぎると、意図せずに保護膜が剥離する場合がある。このため、保護膜の剥離力は、0.005N/10mm以上であることが好ましい。
保護膜の剥離力とは、保護膜が単一の膜から構成されている場合、保護膜を基材から剥離する際の力(≒基材と保護膜との接着力)であり、保護膜が二以上の膜から構成されている場合、n番目の保護膜をn−1番目の保護膜から剥離する際の力(≒n番目の保護膜と、n−1番目の保護膜との接着力)である。
保護膜を構成する各膜の厚み(保護膜が単一膜の場合、該単一膜の厚み)は、剥離時の作業性の観点から、10〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。
また、保護膜の総厚みは、保護フィルムのカール抑制の観点から、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
保護膜中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、フィラー等のその他の添加剤を含有してもよい。
保護膜は、上述した保護膜を構成する成分を含む保護膜用塗布液を、基材上に塗布、乾燥することにより形成することができる。
[接着剤層]
基材の保護膜とは反対側の面には、必要に応じて接着剤層が形成される。
接着剤層は、光拡散フィルム、プリズムシート、偏光フィルム、位相差フィルム、ハードコートフィルム、透明導電性フィルム等の光学部材に接着可能であり、かつ最終的に光学部材から剥離可能なものであれば、特に制限することなく使用できる。
接着剤層を構成する接着剤としては、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられ、これらの中でも、接着力、光学部材への非汚染性、及びコストの観点から、アクリル系接着剤が好適である。
接着剤層の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、15〜50μmであることがさらに好ましい。
接着剤層上には、取り扱い性を向上するために、セパレータを貼り合わせておくことが好ましい。セパレータは、上述した基材と同様にプラスチックフィルムを用いることができ、シリコーン等の離型剤で離型処理したプラスチックフィルムが好適である。セパレータの厚みは通常5〜100μm程度である。
<光学部材の検査方法>
本発明の光学部材の検査方法は、以下(1)〜(3)の工程を順に行うものである。
(1)光学部材の少なくとも一方の面に、上述した本発明の光学部材用保護フィルムの保護膜とは反対側の面を貼り合わせ、保護フィルム付き光学部材を得る工程。
(2)保護フィルム付き光学部材に所定の処理を行う工程。
(3)保護フィルム付き光学部材から保護膜を剥離して、光学部材の検査を行う工程。
工程(1)では、光学部材と、本発明の光学部材用保護フィルムの保護膜とは反対側の面とを貼り合わせる。工程(1)において、本発明の光学部材用保護フィルムの保護膜とは反対側の面に接着剤層が積層されている場合には、該接着剤層を介して、光学部材と保護フィルムとを貼り合せればよい。一方、工程(1)において、本発明の光学部材用保護フィルムの保護膜とは反対側の面に接着剤層が積層されていない場合には、両面接着シートを介在させるなどして、光学部材と保護フィルムとを貼り合せればよい。
工程(2)では、工程(1)で得た保護フィルム付き光学部材に所定の処理を行う。光学部材に保護フィルムが貼り合わせられているため、所定の処理工程中に、光学部材が傷つくことを抑制できる。
所定の処理とは、加熱、断裁、巻き取り等の光学部材に対する物理的処理全般を意味する。
工程(3)では、保護フィルム付き光学部材から保護膜を剥離して、光学部材の検査を行う。
本発明の光学部材の検査方法では、処理工程中に保護膜が傷ついた場合でも、基材から保護膜を剥離するため、工程後の検査を正確に行うことができる。しかも、本発明の光学部材の検査方法は、光学部材上に基材を貼り合わせた状態での検査が可能であることから、検査後に、光学部材が保護された状態で直ちに出荷することができる。さらに、本発明の光学部材の検査方法は、従来、製造現場行われていた保護フィルムを2枚用いる手段に比べて、作業効率を良好にすることができ、かつコスト及び廃棄物量を減少することができる。
なお、処理工程−検査工程のサイクルが2サイクル以上ある場合、光学部材用保護フィルムとして、保護膜が二以上の膜から構成され、さらに各膜の間で剥離可能に構成されているものを用いることが好ましい。前記ケースにおいて、各サイクルの処理工程後かつ検査工程前に、最も上に位置する保護膜のみを剥離すれば、各サイクルの検査を正確に行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、「部」は特に断りのない限り質量基準とする。
1.測定
実施例で得られた光学部材用保護フィルムについて下記の測定を行った。結果を表1に示す。なお、引張応力、伸び率及び剥離力は、試料を23℃、50%RHで24時間放置した直後の測定値とする。
<破断時の引張応力、破断時の伸び率>
光学部材用保護フィルムから保護膜を剥離し、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、商品名:テンシロン万能材料試験機 RTC−1250A)で保護膜の両端をチャックでつかみ、引張速度200mm/分、チャック間距離100mm、幅15mmの条件で、破断時の引張応力及び破断時の伸び率を測定した。測定時の温度環境は23℃とした。各実施例で20回の測定を行い、その平均値を破断時の引張応力及び破断時の伸び率とした。
<剥離力>
光学部材用保護フィルムを25mm×約200mm片に切断して、サンプルとした。サンプルの先端100mmの保護膜を基材から剥離し、剥離した保護膜をチャックでつかみ、島津製作所製のAUTOGRAPH AGS−50D(製品名)を用いて、剥離角度180°剥離速度300mm/minの条件で基材から剥離し、剥離力(基材と保護膜との接着力)を測定した。各実施例で20個のサンプルの測定を行い、その平均値を剥離力(N/10mm)とした。
2.光学部材用保護フィルムの作製
[実施例1]
厚み50μmのポリエステルフィルム(東レ社製、商品名ルミラー50T60、全光線透過率89.1%、ヘイズ0.9%)の一方の面に、ウレタン樹脂(エッチ・アンド・ケー社製、商品名:ハイメックス6501)を溶剤で希釈した保護膜用塗布液1を塗布、乾燥して、厚み30μmの保護膜を形成した。
次いで、ポリエステルフィルムの保護膜とは反対側の面に、アクリル系接着剤(綜研化学社製、SKダイン1491H)100部、及び硬化剤(綜研化学社製、硬化剤L−45)0.9部、及び希釈溶剤からなる接着剤層塗布液を塗布、乾燥し、厚み10μmの接着剤層を形成し、セパレータ(三井化学東セロ社製、商品名SP-PET-01-25BU)を貼りあわせて光学部材用保護フィルムを得た。
[実施例2]
ウレタン樹脂をエッチ・アンド・ケー社製の商品名「ハイメックス6502」に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学部材用保護フィルムを得た。
[比較例1]
保護層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして光学部材用保護フィルムを得た。
3.検査
実施例及び比較例の光学部材用保護フィルムのセパレータを剥離し、接着剤層を介して、市販の光学部材に貼り合わせ、保護フィルム付き光学部材を得た。
保護フィルム付き光学部材をロールで巻き取り、巻き取ったロールを送り出し、断裁処理を行った。
保護フィルム付き光学部材から保護膜のみを剥離した後、光学部材に基材が貼り合わされた状態のまま、光学物性(全光線透過率、ヘイズ)の検査を行った。
光学部材上に残存した基材に傷がなく、正確な検査を行えたものを「○」、光学部材上に残存した基材に傷があり、正確な検査を行えなかったものを「×」とした。
Figure 2016080993
表1の結果から明らかなように、基材上に剥離可能な保護膜を有する実施例1及び2の光学部材用保護フィルムは、検査前に保護膜を剥離することにより、正確な検査を行うことができるものであった。また、実施例1及び2の光学部材用保護フィルムは、検査後も保護フィルムとして機能し得るものであった。
一方、比較例1の光学部材用保護フィルムは、光学部材に貼り合わせた保護フィルム付き光学部材をロール状に巻き取る際等に、保護フィルムが傷ついてしまい、正確な検査を行うことができないものであった。

Claims (9)

  1. 基材上に剥離可能な保護膜を有する光学部材用保護フィルム。
  2. 前記基材の前記保護膜とは反対側の面に接着剤層を有する請求項1に記載の光学部材用保護フィルム。
  3. 前記保護膜が二以上の膜からなり、各膜の間で剥離可能である請求項1又は2に記載の光学部材用保護フィルム。
  4. 前記保護膜がスリップ剤を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の光学部材用保護フィルム。
  5. 前記保護膜が帯電防止剤を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の光学部材用保護フィルム。
  6. 前記保護膜は、破断時の引張応力が1MPa以上である請求項1〜5の何れか1項に記載の光学部材用保護フィルム。
  7. 前記保護膜は、破断時の伸び率が300%以下である請求項1〜6の何れか1項に記載の光学部材用保護フィルム。
  8. 前記保護膜を剥離する際の剥離力が0.500N/10mm以下である請求項1〜7の何れか1項に記載の光学部材用保護フィルム。
  9. 以下(1)〜(3)の工程を順に行う光学部材の検査方法。
    (1)光学部材の少なくとも一方の面に、請求項1〜8の何れか1項に記載の光学部材用保護フィルムの保護膜とは反対側の面を貼り合わせ、保護フィルム付き光学部材を得る工程。
    (2)保護フィルム付き光学部材に所定の処理を行う工程。
    (3)保護フィルム付き光学部材から保護膜を剥離して、光学部材の検査を行う工程。
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