JP2016071350A - 偏光フィルムの強度測定方法及び偏光板 - Google Patents

偏光フィルムの強度測定方法及び偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光フィルムの延伸軸方向における強度の測定を簡易的、且つ、定量的に行うことができる測定方法を提供する。【解決手段】偏光フィルムに対し、突刺し治具を垂直に突刺し、偏光フィルムの延伸軸に沿って偏光フィルムが裂ける強さを測定することを特徴とする偏光フィルムの強度測定方法。前記突刺し治具は、突刺し針を備え、前記突刺し針の偏光フィルムに接する先端が球形又は半球形であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルムの強度測定方法及びこの方法で測定した強度が所定値以上である偏光フィルムを含む偏光板に関する。
液晶表示装置を構成する偏光板には、ポリビニルアルコールを延伸、染色されてなる偏光フィルムが好適に採用されている。延伸して作製された偏光フィルムは延伸軸方向に沿って割れ(クラック)が発生しやすいという特徴があり、偏光板を急激な温度変化のある環境にさらすと、偏光フィルムにクラックが発生し、外観上の不具合が発生することがあった。近年の偏光板の薄型化に伴い、偏光フィルムの割れはより発生しやすくなっていることから、解決策が求められている。
偏光フィルムの割れ易さは、一般的に偏光フィルムに保護フィルムを貼合して偏光板を作製してヒートショック試験を実施することで評価されていた。ヒートショック試験による偏光フィルムの割れやすさの評価は、評価数に対して割れた枚数数える確率論的評価になってしまうため、正確に評価実施するためには、評価数を増やす必要があり、偏光フィルムの割れやすさの評価に時間がかかるという問題があった。
特許文献1には、偏光フィルムの割れを抑制する方法として、偏光フィルムの延伸方向の弾性率を小さくし、且つ、破断強度を向上させることの記載がある。ここで、偏光フィルムの割れとは、偏光フィルムが延伸方向に沿って割れる現象であることから、延伸方向と垂直である方向の破断強度がヒートショック試験におけるクラックの発生に影響すると考えられる。しかしながら、従来の方法では、偏光フィルムの延伸方向と垂直である方向の破断強度は、偏光フィルムが割れやすく、また測定される数値が小さいため、測定が困難だった。
特開2004−20830号公報
本発明は、偏光フィルムの延伸軸方向における強度の測定を簡易的、且つ、定量的に行うことができる測定方法を提供することにある。また、本発明は、この測定方法で得られる強度が所定値以上である偏光フィルムを含む偏光板を提供することにある。
本発明は、以下を含む。
[1]偏光フィルムに対し、突刺し治具を垂直に突刺し、偏光フィルムの延伸軸に沿って偏光フィルムが裂ける強さを測定することを特徴とする偏光フィルムの強度測定方法。
[2]前記突刺し治具は、突刺し針を備え、前記突刺し針の偏光フィルムに接する先端が球形又は半球形である[1]に記載の偏光フィルムの強度測定方法。
[3]前記突刺し針は、先端の球形部又は半球形部の直径が3mmφ以下である[2]に記載の偏光フィルムの強度測定方法。
[4]前記突刺し針は、先端の球形部又は半球形部の曲率半径が0Rより大きく、0.7Rより小さい[2]又は[3]に記載の偏光フィルムの強度測定方法。
[5]前記偏光フィルムは、直径15mm以下の穴が開いたサンプル台に挟まれて固定される[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光フィルムの強度測定方法。
[6]偏光フィルムに対して垂直に突刺し治具を突刺し、偏光フィルムの延伸方向に沿って偏光フィルムが裂ける強さを測定したとき、その単位膜厚あたりの突刺し強度が、4.3gf/μm以上である偏光フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
本発明によれば、偏光フィルムの延伸軸方向(吸収軸方向)に裂けた際の強度、すなわち透過軸方向の強度を測定することができ、また、偏光フィルムの強度を評価するために偏光板を作製する必要がなく、短時間で簡易的且つ定量的に偏光フィルムの強度を評価することができる。本発明の偏光板は、薄肉であり、耐久性に優れたものとなる。
偏光フィルムの強度測定を行う際に使用する測定治具を示す模式図である。
[偏光フィルムの強度測定方法]
本発明の偏光フィルムの強度測定方法は、偏光フィルムに対し、突刺し治具を垂直に突刺し、偏光フィルムの延伸軸に沿って偏光フィルムが裂ける強さを測定することを特徴とする。測定される偏光フィルムとしては、例えば、一軸延伸され、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成される偏光フィルム;基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂層が形成された積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得た後、延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光フィルム層を形成することにより偏光性積層フィルムを得、基材フィルムから剥離した偏光フィルム;偏光フィルム及び保護フィルムで構成される偏光板から、保護フィルムや粘着剤などの層を除去して得られた偏光フィルムなどが挙げられる。
偏光板から保護フィルムを除去する方法としては、溶媒で保護フィルムを溶解する方法などが挙げられる。保護フィルムを溶解する溶媒としては、保護フィルムが溶解し、偏光フィルムが溶解しない溶媒であればよい。保護フィルムがセルロース系樹脂フィルムの場合には、ハロゲン化アルキル系の溶媒が好ましく、なかでもジクロロメタンが好ましい。保護フィルムがオレフィン系樹脂フィルムの場合には、シクロアルカン系の溶媒が好ましく、なかでもシクロヘキサンが好ましい。保護フィルムがアクリル系樹脂フィルムの場合には、ベンゼン系の溶媒または、ハロゲン化アルキル系の溶媒が好ましい。ベンゼン系の溶媒の中でもトルエンが好ましい。ハロゲン化アルキル系の溶媒の中でもジクロロメタンが好ましい。
偏光フィルムの強度測定は、偏光フィルムの延伸方向に沿って裂ける強さを測定しており、ロードセルを備えた圧縮試験機で行うことが好ましい。圧縮試験機の例としては、カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験器“KES-G5型”、株式会社島津製作所製の小型卓上試験機“EZ Test”などが挙げられる。
図1は、圧縮試験機で偏光フィルムの強度測定を行う際に使用する測定治具を示す模式図である。図1を参照して、偏光フィルム(試験片)は、突刺し治具が通過することができる円形の穴の開いたサンプル台5に挟まれて固定されるように圧縮試験機に設置されることが好ましい。円形の穴の大きさは、直径15mm以下であることが好ましい。穴の直径が15mmより大きくなると、偏光フィルムに突刺した際に偏光フィルムが伸び、試験力に対する弾性寄与が大きくなってしまう傾向がある。
圧縮試験機に設置する突刺し治具1は、突刺し針3を備えることが好ましい。突刺し針3は、円柱状の棒であり、その偏光フィルムに接する先端が球形又は半球形であることが好ましい。先端の球形部又は半球形部は、直径が0.5mmφ以上であり、5mmφ以下であることが好ましい。直径が0.5mmφより小さいと、試験力が非常に小さくなり、偏光フィルムの裂け易さの差が分かりにくくなる傾向にある。直径が5mmφより大きくなると、偏光フィルムが延伸方向(吸収軸方向とも言う)に沿って平行に割れる場合と、偏光フィルムが延伸方向に対して垂直方向(透過軸方向ともいう)に破断する場合があり、試験力が安定しない傾向にある。先端の球形部又は半球形部の直径は、より好ましくは0.5mmφ以上であり、3mmφ以下である。
突刺し針3は、先端の球形部又は半球形部の曲率半径が、0Rよりも大きく、0.7Rよりも小さいことが好ましい。先端の曲率半径が0Rであると、突刺し治具の先端が平面な円柱状になり、偏光フィルムが突刺し治具の面で押されてしまうため、偏光フィルムが延伸方向に沿って裂ける力に加え、偏光フィルムの延伸方向に対して垂直に破断する可能性がある。先端の曲率半径が0.7Rよりも大きいと、突刺し治具の先端が鋭利になるため、偏光フィルムの突刺し試験を実施したとき、偏光フィルムが延伸方向に沿って裂けず、穴が開く可能性がある。
圧縮試験機の突刺し速度は、0.05cm/秒以上であり、0.5cm/秒以下であることが好ましい。突刺し速度が0.05cm/秒よりも遅いと、試験力に与えるフィルムの弾性寄与が大きくなるため、正確に測定できない傾向にある。また、突刺し速度が0.5cm/秒よりも早いと、偏光フィルムの延伸方向に対して垂直に偏光フィルムが破断する確率が上昇するため、正確に測定できない傾向にある。圧縮試験機の突刺し速度は、より好ましくは0.08cm/秒以上、0.4cm/秒以下である。
突刺し強度の測定には、偏光フィルムの試験片が使用されるが、この試験片は、偏光フィルムが固定されるサンプル台5にある円形の穴より大きく、固定できる大きさであればよい。突刺し強度の測定は、この試験片を治具に固定して法線方向から突刺していき、延伸方向(吸収軸方向)と水平に、一か所裂けた際の強度を測定すればよい。測定は、5個以上の試験片について行い、その平均値を突刺し強度として求めることができる。測定された突刺し強度を、測定に使用した偏光フィルムの膜厚で除することにより、単位膜厚あたりの突刺し強度を算出することができる。この方法により、偏光フィルムを透過軸方向に引っ張った際の破断強度を定量化することができる。
(1)偏光フィルム
偏光フィルムは、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させたものであることができる。偏光フィルムは通常、厚さが20μm以下であると偏光板の薄膜化を実現することができる。本発明では、厚さ15μm以下の偏光フィルムを採用するが、偏光フィルムの厚さは好ましくは8μm以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを使用することができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和スルホン酸、アンモニウム基を有するアクリルアミド等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80モル%以上の範囲であることができるが、好ましくは90〜99.5モル%の範囲であり、より好ましくは94〜99モル%の範囲である。ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールであってもよく、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン及びプロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のアルキルエステル及びアクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。
ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂の製膜は、公知の方法で行うことができる。原反フィルムの厚さは、例えば、150μm以下とすることができる。
偏光フィルムは、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂から構成される原反フィルムを一軸延伸し、二色性色素で染色し(染色処理)、ホウ酸水溶液で処理し(ホウ酸処理)、水洗し(水洗処理)、最後に乾燥させて製造することができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前に行ってもよいし、二色性色素による染色と同時に行ってもよいし、二色性色素による染色の後に行ってもよい。一軸延伸を二色性色素による染色後に行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。またもちろん、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸を施すには、周速の異なるロール間を通して延伸してもよいし、熱ロールで挟む方法で延伸してもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤により膨潤した状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの最終的な延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。
染色処理では、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、フィルムに二色性色素を吸着させる。染色処理は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素を含有する水溶液に浸漬させればよい。二色性色素としては、具体的に、ヨウ素又は二色性染料が用いられる。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常0.01〜0.5重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常 0.5〜10重量部程度である。この水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間は、通常30〜300秒程度である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10-3〜1×10-2重量部程度である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を含有していてもよい。この水溶液の温度は、通常20〜80℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間は、通常30〜300秒程度である。
ホウ酸処理は、例えば、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬させて行われる。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常2〜20重量部程度、好ましくは5〜15重量部である。ホウ酸水溶液へのフィルムの浸漬時間は、通常100〜1200秒程度であり、好ましくは150秒以上、さらに好ましくは200秒以上であり、また好ましくは600秒以下、さらに好ましくは400秒以下である。ホウ酸水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃である。ホウ酸水溶液には、pH調整剤として、硫酸、塩酸、酢酸、アスコルビン酸などを添加してもよい。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムには通常、水洗処理が施される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬させて行われる。水洗後に乾燥が施され、偏光フィルムが得られる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度であり、浸漬時間は、通常2〜120秒程度である。その後に行われる乾燥は、通常、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行われる。その乾燥温度は通常40〜100℃であり、乾燥時間は通常120〜600秒程度である。
製造された偏光フィルムは、後述する保護フィルムが積層されて偏光板となることができる。偏光フィルムの厚さは、40μm以下とすることができる。
また、偏光フィルムの製造方法の他の例として、例えば、特開2000-338329号公報や特開2012-159778号公報に記載の方法が挙げられる。この方法では、基材フィルムの表面にポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を塗布して樹脂層を設けた後、基材フィルムと樹脂層からなる積層フィルムを延伸し、次いで染色、架橋(固定)、乾燥し、樹脂層から偏光フィルム層を形成する(偏光フィルム層を有する偏光性積層フィルム)。この偏光性積層フィルムは、保護フィルムを貼合した後、基材フィルムを剥離し、偏光板として利用することができる。
基材フィルムは、通常、熱可塑性樹脂から構成される。熱可塑性樹脂としては、例えば鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。基材フィルムは、これらの樹脂から構成される単層又は多層であることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂層は、ポリビニルアルコール系樹脂の粉末を、例えば水等の溶解度の高い溶媒に溶解させて得たポリビニルアルコール系樹脂溶液を基材フィルムの一方の表面上に塗工し、溶剤を蒸発させて乾燥することにより形成される。ポリビニルアルコール系樹脂としては、上記したものと同様のものを使用することができる。
基材フィルムの少なくとも一方の面に、上記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗工する。塗工方法は、例えば、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング及びグラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法など、公知の方法から適宜選択することができる。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。乾燥時間は、例えば2〜20分である。形成する樹脂層の厚さは、3μm超且つ30μm以下であることが好ましく、さらには5〜20μmが好ましい。基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層の密着性を向上させるために、基材フィルムと該樹脂層の間にプライマー層を設けてもよい。
上記の積層フィルムを、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが15μm以下になるように一軸延伸して延伸フィルムを得ることができる。一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは4倍以上、より好ましくは4.5倍超且つ17倍以下であり、さらに好ましくは4.5倍超且つ8倍以下である。延伸工程における延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。この場合、二段階目以降の延伸工程も延伸工程の中で行ってもよいが、染色工程における染色処理や架橋処理と同時に行われてもよい。また、延伸工程では、積層フィルムの長手方向に対して行なう縦延伸処理や、幅方向に対して延伸する横延伸処理などを実施することができる。縦延伸方式としては、ロール間延伸方法、圧縮延伸方法などが挙げられ、横延伸方式としてはテンター法などが挙げられる。
延伸処理は、湿潤式延伸方法と乾式延伸方法のいずれも採用できる。延伸温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層及び基材フィルム全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは基材フィルムの相転移温度の−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは基材フィルムの相転移温度の−25℃から+30℃の範囲である。延伸処理の温度調整は通常、加熱炉の温度調整で行うことができる。
染色工程では、上記の延伸フィルムを二色性色素で染色して偏光フィルム層を形成し、偏光性積層フィルムを得ることができる。二色性色素としては、例えば、ヨウ素や有機染料などが挙げられる。これら二色性色素は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。染色工程は、例えば、二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に、延伸フィルム全体を浸漬することにより行うことができる。染色溶液としては、二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。
二色性色素の濃度としては、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることが特に好ましい。二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、さらにヨウ化カリウムやヨウ化リチウムなどのヨウ化物を添加することが好ましい。これらヨウ化物の添加割合は、染色溶液において、0.01〜20重量%であることが好ましい。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることが特に好ましい。染色溶液への延伸フィルムの浸漬時間は、通常15秒〜15分間の範囲であることが好ましく、30秒〜3分間であることがより好ましい。また、染色溶液の温度は、10〜60℃の範囲にあることが好ましく、20〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
なお、染色処理を延伸工程の前、又は同時に行うことも可能であるが、ポリビニルアルコール系樹脂に吸着させた二色性色素を良好に配向させることができるよう、未延伸フィルムに延伸工程を施した後に行うことが好ましい。この際、予め目標の倍率で延伸されたものを単に染色するのみでもよいし、予め低倍率で延伸されたものを染色中に再度延伸して、トータルで目的の倍率に達する方法であってもよい。また、さらにその後の架橋処理中に延伸をする場合には、ここでも低倍率の延伸にとどめておくこともできる。この場合架橋処理後に目的に倍率に達するように適時調整すればよい。
架橋処理は、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に延伸フィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋剤としては、ホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒドなど従来公知の物質を一種又は二種以上併用することができる。架橋溶液の溶媒としては、例えば水が使用できるが、さらに水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、例えば、1〜20重量%程度、より好ましくは6〜15重量%である。架橋溶液には、ヨウ化物を添加してもよい。ヨウ化物の添加により、樹脂層の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物の含有量は、0.05 〜15重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。架橋溶液への延伸フィルムの浸漬時間は通常、15秒〜20分間であることが好ましく、30秒〜15分間であることがより好ましい。また、架橋溶液の温度は、10〜90℃の範囲にあることが好ましい。なお、架橋処理は、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色処理と同時に行うこともできる。また、予め目標の倍率で延伸されたものを単に架橋させるのみでもよいし、架橋処理と延伸を同時に行ってもよい。予め延伸工程において低倍率で延伸された延伸フィルムを、架橋処理中に再度延伸することで、トータルで目的の倍率に達するようにしてもよい。
架橋処理後に、洗浄処理及び乾燥処理を行なうことが好ましい。洗浄処理としては、通常、イオン交換水、蒸留水などの純水に延伸フィルムを浸漬することにより行なうことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃の範囲である。浸漬時間は、通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。洗浄処理は、ヨウ化物溶液による洗浄処理と水洗浄処理を組み合わせてもよく、適宜にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール等の液体アルコールを配合した溶液を用いることもできる。
乾燥処理は、例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥など、任意の適切な方法で行うことができる。加熱乾燥を行う場合、乾燥温度は通常、20〜95℃であり、乾燥時間は通常、1〜15分間程度である。以上の工程を経て、偏光フィルム層を有する偏光性積層フィルムを得る。この方法では、より薄肉の偏光フィルムを製造することができ、偏光フィルムの厚さは、例えば10μm 以下とすることができる。
本発明では、偏光フィルムとして、上記した偏光フィルムの強度測定方法で測定した偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が、4.3gf/μm以上であることを特徴とする。突刺し強度は、好ましくは4.5gf/μm以上であり、より好ましくは5.0gf/μm以上である。偏光フィルムに良好な光学特性を付与できるという点で、突刺し強度は通常10.0gf/μm以下であり、好ましくは7.0gf/μm以下であり、より好ましくは6.0gf/μm以下である。突刺し強度は、偏光フィルムを製造する際、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム又はポリビニルアルコール系樹脂層の延伸倍率により調整することができ、延伸倍率を高くすると単位膜厚あたりの突刺し強度は低下する傾向にある。延伸倍率は、例えば、5倍以下であることが好ましい。
(2)保護フィルム
上記の偏光フィルムの少なくとも片面に、保護フィルムが積層される。なお、偏光フィルムの片面に保護フィルム(第1保護フィルム)を積層し、他方の面に別の保護フィルム(第2保護フィルム)を積層してもよい。第1保護フィルム及び第2保護フィルムは、それぞれ熱可塑性樹脂から構成される透明樹脂フィルムであることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を例とする鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート及びセルロースジアセテート等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
環状ポリオレフィン系樹脂は通常、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1-240517号公報、特開平3-14882号公報、特開平3-122137 号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、エチレン及びプロピレン等の鎖状オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
環状ポリオレフィン系樹脂は種々の製品が市販されている。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品の例としては、いずれも商品名で、TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH にて生産され、日本ではポリプラスチックス株式会社から販売されている“TOPAS”(登録商標) 、JSR株式会社から販売されている“アートン”(登録商標)、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノア”(登録商標)及び“ゼオネックス”(登録商標)、三井化学株式会社から販売されている“アペル”(登録商標)などがある。
また、製膜された環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの市販品を保護フィルムとして用いてもよい。市販品の例としては、いずれも商品名で、JSR株式会社から販売されている“アートンフィルム”(「アートン」は同社の登録商標)、積水化学工業株式会社から販売されている“エスシーナ”(登録商標)及び“SCA40”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”(登録商標)などが挙げられる。
セルロースエステル系樹脂は通常、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。また、これらの共重合させたものや、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)が特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例は、いずれも商品名で、富士フイルム株式会社から販売されている“フジタック(登録商標) TD80 ”、“フジタック(登録商標) TD80UF”、“フジタック(登録商標) TD80UZ”及び“フジタック(登録商標) TD40UZ ”、コニカミノルタ株式会社製のTACフィルム“KC8UX2M”、“KC2UA”及び“KC4UY”などがある。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムは、位相差フィルム及び輝度向上フィルム等の光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる透明樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムは、偏光フィルムとは反対側の表面に、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層及び防汚層等の表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。保護フィルム表面に表面処理層を形成する方法には、公知の方法を用いることができる。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムは、互いに同一の保護フィルムであってもよいし、異なる保護フィルムであってもよい。保護フィルムが異なる場合の例としては、保護フィルムを構成する熱可塑性樹脂の種類が少なくとも異なる組み合わせ;保護フィルムの光学機能の有無又はその種類において少なくとも異なる組み合わせ;表面に形成される表面処理層の有無又はその種類において少なくとも異なる組み合わせなどがある。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムの厚さは、偏光板の薄膜化の観点から薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下して加工性に劣る。したがって、第1保護フィルム及び第2保護フィルムの厚さは、5〜90μm以下が好ましく、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは50μm以下であり、特に好ましくは30μm以下である。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムとしては、環状ポリオレフィン系樹脂から構成されるフィルムが好ましい。
(3)接着剤層及び粘着剤層
偏光フィルムと保護フィルムとの積層は、接着剤層又は粘着剤層を介して行われる。接着剤層を形成する接着剤としては、紫外線、可視光、電子線、X線などの活性エネルギー線の照射によって硬化し得る活性エネルギー線硬化性接着剤、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させた水系接着剤などが挙げられる。
偏光フィルムの両面に保護フィルムを積層する場合は、いずれか一方の保護フィルムを偏光フィルムに積層させた後に他方の保護フィルムを積層するようにしてもよいし、両保護フィルムを実質的に同時に偏光フィルムに積層するようにしてもよい。
(活性エネルギー線硬化性接着剤)
活性エネルギー線硬化性接着剤を採用する場合、接着剤層は、その硬化物層となる。接着剤としては、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分とする活性エネルギー線硬化性接着剤がより好ましく、エポキシ系化合物を硬化性成分とする紫外線硬化性接着剤がさらに好ましい。ここでいうエポキシ系化合物とは、分子内に1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
好適に使用できるエポキシ系化合物の例は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物を含む。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分としてラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物をさらに含有することもできる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレーン錯体等を挙げることができる。また、活性エネルギー線硬化性接着剤が(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性硬化性成分を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノンなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、オキセタン、ポリオール等のカチオン重合促進剤、光増感剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
偏光フィルムに活性エネルギー線硬化性接着剤や水系接着剤を用いて第1保護フィルム及び第2保護フィルムを貼合する方法として、貼合される2枚のフィルムの一方又は両方の貼合面に接着剤を塗工し、その接着剤層を介して2枚のフィルムを重ね合わせる方法を挙げることができる。接着剤の塗工には、例えば流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などを採用することができる。流延法とは、貼合対象のフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤層を介して重ね合わせてなるフィルム積層体は通常、ニップロール(貼合ロール)などに通して上下から押圧される。
偏光フィルムに保護フィルムを貼合するにあたり、保護フィルム及び/又は偏光フィルムの貼合面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理及びケン化処理等の易接着処理を行うことができ、中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。例えば保護フィルムが環状ポリオレフィン系樹脂からなる場合には通常、保護フィルムの貼合面にプラズマ処理やコロナ処理が施される。また、保護フィルムがセルロースエステル系樹脂からなる場合には通常、保護フィルムの貼合面にケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を使用した場合は、上述のフィルムを貼合した後、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層を硬化させる硬化工程を実施する。当該接着剤層の硬化は、フィルム積層体に対して活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。活性エネルギー線は通常、保護フィルム側から照射される。活性エネルギー線は、好ましくは紫外線である。
活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好ましく用いられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層への活性エネルギー線照射強度は、接着剤の組成によって適宜決定されるが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cmとなるように設定されることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm以下である場合、光源から輻射される熱及び性接着剤の硬化時の発熱による接着剤層の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。
活性エネルギー線の照射時間についても、接着剤の組成によって適宜決定されるが、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm以上であると、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm以下であると、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
活性エネルギー線の照射は、偏光フィルムの偏光度、透過率及び色相、並びに保護フィルムの透明性等の偏光板の諸機能が低下しない条件で行うことが好ましい。
活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される接着剤層の厚さは、例えば、0.01〜10μm程度であり、好ましくは0.01〜5μm程度であり、より好ましくは2μm以下(例えば1μm以下)である。
(水系接着剤)
水系接着剤としては、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた接着剤組成物が好ましい。水系接着剤から形成される接着剤層の厚さは、通常、1μm以下である。
接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、当該ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール及びアミノ基変性ポリビニルアルコール等の変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする水系接着剤は通常、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液である。接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは5重量部以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液で構成される接着剤には、接着性を向上させるために、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール及び水溶性エポキシ樹脂等の硬化性成分や架橋剤を添加することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸等のジカルボン酸との反応で得られるポリアミドアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を好適に用いることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、田岡化学工業株式会社製の“スミレーズレジン(登録商標) 650”及び“スミレーズレジン(登録商標) 675”、星光PMC株式会社製の“WS−525”などが挙げられる。これら硬化性成分や架橋剤の添加量(硬化性成分及び架橋剤として共に添加する場合にはその合計量)は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。上記硬化性成分や架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合には、接着性向上の効果が小さくなる傾向にあり、また、硬化性成分や架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して100重量部を超える場合には、接着剤層が脆くなる傾向にある。
また、接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合、適当な接着剤組成物の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。
水系接着剤を使用した場合は、上述のフィルムを貼合した後、水系接着剤からなる接着剤層中に含まれる水を除去するためにフィルム積層体を乾燥させる乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥は、例えばフィルム積層体を乾燥炉に導入することによって行うことができる。乾燥温度(乾燥炉の温度)は、好ましくは30〜90℃である。30℃未満であると、保護フィルムが偏光フィルムから剥離しやすくなる傾向がある。また乾燥温度が90℃を超えると、熱によって偏光フィルムの偏光性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は10〜1000秒程度とすることができ、生産性の観点からは、好ましくは60〜750秒、より好ましくは150〜600秒である。
乾燥工程後、偏光板は、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜45℃程度の温度で12〜600時間程度養生する養生工程を設けてもよい。養生温度は、乾燥温度よりも低く設定されるのが一般的である。
(粘着剤)
粘着剤層を形成する粘着剤としては、従来公知のものを適宜選択すればよく、偏光板がさらされる高温環境、湿熱環境又は高温と低温が繰り返されるような環境下において、剥れなどが生じない程度の接着性を有するものであればよい。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができ、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の点で、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
粘着剤層は、通常、粘着剤の溶液を離型シート上に粘着剤を塗布し、乾燥することにより形成される。離型シート上への塗布は、例えば、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤層を設けた離型シートは、これを転写する方法等により利用される。粘着剤層の厚さは、通常3〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μmである。
粘着剤層又は接着剤層を介して偏光板を液晶セルに貼合することにより、液晶パネルを得ることができ、さらに液晶パネルとバックライトユニット等と組み合わせて液晶表示装置とすることができる。この場合、粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は100〜1000KPaであることが好ましい。粘着剤層の貯蔵弾性率が100KPa未満であると、高温試験時における偏光板の収縮を抑制できずに、剥がれ等の外観不良が生じやすくなる傾向がある。また、粘着剤層の貯蔵弾性率が1000KPaより大きいと、冷熱衝撃試験時にガラスと偏光板間に生じる歪を粘着剤が緩和できず、偏光板にクラックが発生しやすくなる傾向がある
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、コロナ処理、突刺し試験及び偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度は、次の方法により行った。
〈コロナ処理〉
コロナ処理は、春日電機株式会社製のコロナ放電装置により行った。具体的には、コロナ表面処理フレーム“STR−1764”、高周波電源“CT−0212”、高圧トランス“CT−T02W”を使用した。
〈突刺し試験及び偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度〉
突刺し試験は、株式会社島津製作所製の小型卓上試験機“EZ Test” 又はカトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機“KES-G5 ニードル貫通力測定仕様”に突刺し治具を装着して行った。測定は、温度23±3℃の環境下、突刺し速度0.33cm/秒の条件で行った。突刺し試験で測定される突刺し強度は、試験片12個に対して突刺し試験を行い、その平均値とした。偏光フィルムの厚さを接触式膜厚計〔株式会社ニコン製の商品名“DIGIMICRO(登録商標) MH-15M”〕で測定し、単位膜厚あたりの突刺し強度を求めた。
[実施例1]
(1)樹脂層形成工程
基材フィルムとして、厚さ90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点163℃)を使用し、その表面にコロナ処理を行い、コロナ処理面にプライマー層を形成した。プライマー層は、ポリビニルアルコール粉末〔日本合成化学工業株式会社製、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%、商品名“Z−200”〕を95℃の熱水に溶解させ、濃度3重量%の水溶液を調製し、これにポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の架橋剤〔田岡化学工業株式会社製、商品名“スミレーズレジン(登録商標)650〕を配合した混合水溶液から形成した。プライマー層の形成は、この混合水溶液を基材フィルムのコロナ処理面に小径グラビアコーターで塗工し、これを80℃で10分間乾燥させた。プライマー層の厚さは0.2μmであった。
次いで、ポリビニルアルコール粉末〔株式会社クラレ製の商品名“PVA124”、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%〕を95℃の熱水中に溶解させ濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を上記プライマー層の上にリップコーターを用いて塗工し80℃で20分間乾燥させ、基材フィルム、プライマー層、樹脂層からなる三層の積層フィルムを作製した。
(2)延伸工程
上記積層フィルムをフローティングの縦一軸延伸装置を用いて160℃で4.6倍の自由端一軸延伸を実施し延伸フィルムを得た。
(3)染色工程
その後、延伸フィルムを30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液に180秒ほど浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いで78℃のホウ酸水溶液である架橋溶液1に120秒浸漬させ、次いで、ホウ酸およびヨウ化カリウムの含む70℃の架橋溶液2に60秒浸漬させた。その後10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に40℃で300秒間乾燥させた。以上の工程により樹脂層から偏光フィルム層を形成して偏光性積層フィルムを作製した。なお、各溶液の配合比率は以下である。
<染色溶液>
水:100重量部
ヨウ素:0.6重量部
ヨウ化カリウム:10重量部
<架橋溶液1>
水:100重量部
ホウ酸:9.5重量部
<架橋溶液2>
水:100重量部
ホウ酸:5.0重量部
ヨウ化カリウム:6重量部
作製した偏光性積層フィルムから偏光フィルムを剥離し、長さ100mm×幅30mmの断片を切り出して突刺し試験用のサンプルとした。偏光フィルムの厚さは5.6μmであった。
〈突刺し試験〉
突刺し試験は、直径1mm、先端の曲率半径0.5Rの突刺治具を装着した小型卓上試験機〔株式会社島津製作所製の商品名“EZ Test”〕に偏光フィルムを固定して行った。単位膜厚あたりの突刺し強度は5.9gf/μmであった。試験後の偏光フィルムを確認したところ、偏光フィルムの延伸方向(吸収軸方向)に沿って水平に一か所で割れていた。
[実施例2]
突刺し試験に、直径3mm、先端の曲率半径0.5Rの突刺治具を使用した以外は実施例1と同様にして突刺し試験を行った。単位膜厚あたりの突刺し強度は7.2gf/μmであった。試験後の偏光フィルムを確認したところ、偏光フィルムの延伸方向(吸収軸方向)に沿って水平に一か所で割れていた。
[実施例3]
突刺し試験に、直径7mm、先端の曲率半径0.5Rの突刺治具を使用した以外は実施例1と同様にして突刺し試験を行った。単位膜厚あたりの突刺し強度は11.2gf/μmであった。ただし、試験後の偏光フィルムにはコの字型の破断(延伸方向に沿って水平に2か所、延伸方向に沿って垂直方向に1か所)が確認された。
[実施例4]
(2)延伸工程における延伸倍率を4.8倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、厚さ5.8μmの偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの突刺し強度を実施例1と同様に測定した。単位膜厚あたりの突刺し強度は5.2gf/μmであった。測定時間は1分であった。
[実施例5]
(2)延伸工程における延伸倍率を5倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、厚さ5.6μmの偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの突刺し強度を実施例1と同様に測定した。単位膜厚あたりの突刺し強度は4.4gf/μmであった。測定時間は1分であった。
[比較例1]
(2)延伸工程における延伸倍率を5.2倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、厚さ5.6μmの偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの突刺し強度を実施例1と同様に測定した。単位膜厚あたりの突刺し強度は4.2gf/μmであった。測定時間は1分であった。
[比較例2]
(2)延伸工程における延伸倍率を5.4倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、厚さ5.5μmの偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの突刺し強度を実施例1と同様に測定した。単位膜厚あたりの突刺し強度は3.2gf/μmであった。測定時間は1分であった。
[比較例3]
(2)延伸工程における延伸倍率を5.8倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、厚さ5.4μmの偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの突刺し強度を実施例1と同様に測定した。単位膜厚あたりの突刺し強度は2.6gf/μmであった。測定時間は1分であった。
実施例1、4、5及び比較例1〜3で作製した偏光フィルムを含む偏光板を以下のように製造し、その偏光板に対しヒートショック試験を行った。
(4)第1貼合工程
第1保護フィルムとして厚さ23μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルム〔日本ゼオン株式会社製の商品名“ゼオノアフィルム(登録商標)ZF14−023”〕を用意し、貼合面にコロナ処理を施した。保護フィルムのコロナ処理面に、紫外線硬化性接着剤をマイクログラビアコーターで塗工し、上記(3)で作製した偏光性積層フィルムの偏光フィルム層における基材フィルムとは反対側の面に貼合した。その後、フュージョンUVシステムズ社製の紫外線ランプ“Dバルブ”が取り付けられたベルトコンベア付き紫外線照射装置を用い、積算光量が 250mJ/cmとなるように紫外線を保護フィルム側より照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させた。以上により基材フィルム/プライマー層/偏光フィルム層/紫外線硬化性接着剤層/第1保護フィルムからなる5層のフィルムを得た。硬化後の接着剤層の厚さは1.0μmであった。
上記の紫外線硬化性接着剤は、以下の各成分を混合し、脱泡して、紫外線硬化性樹脂接着剤を液体状態で調製したものである。なお、光カチオン重合開始剤は、50%プロピレンカーボネート溶液の形で入手したものを使用した。上に示した配合量(2.25部)は固形分量である。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 75部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル 20部
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル 5部
トリアリールスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート系の光カチオン重合開始剤
2.25部
(5)剥離工程及び第2貼合工程
上記(4)で作製した5層構造のフィルムから基材フィルムを剥離除去して、片面保護フィルム付き偏光板を得た。基材フィルムは容易に剥離することができた。次に、第2保護フィルムとして(4)で使用したものと同じ保護フィルムを使用し、そのコロナ処理面に同じ紫外線硬化性接着剤をマイクログラビアコーターを用いて塗工し、これを上記片面保護フィルム付き偏光板におけるプライマー層面に貼合した。次に、第2保護フィルム側から、(4)と同じ条件で紫外線を照射して接着剤層を硬化させ、偏光板を得た。硬化後の接着剤層の厚さは1.0μmであった。
〈偏光板のヒートショック試験〉
上記で作製したそれぞれの偏光板に対し、その第2保護フィルム側にコロナ処理を実施し、感圧接着剤(貯蔵弾性率:390KPa、厚さ:20μm)を貼合して感圧接着剤付き偏光板を作製した。この感圧接着剤付き偏光板を、吸収軸方向が長辺と平行になるように長辺100mm、短辺60mmにスーパーカッターで切り出し、ヒートショック試験評価サンプルとした。この評価サンプルは、粘着剤層側で無アルカリガラス板〔コーニング社製の“Eagle−XG(登録商標)”〕に貼合し、オートクレーブ中、温度50℃で圧力5MPaの条件下で20分間加圧処理を行ない、温度23℃で相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。その後、エスペック株式会社製の冷熱衝撃試験器“TSA−301L−W”にて、低温側−40℃で30分間保持した後、高温側85℃で30分間保持することを1サイクルとし、これを100サイクル行う耐久性試験を行なった。試験中、常温にさらすことはしなかった。評価サンプル50枚について、それぞれ100サイクルの耐久性試験を行い、評価サンプル50枚のうち、クラック状の外観不具合の発生を目視で確認した枚数を表1の「ヒートショック試験」の欄に示した。例えば、実施例4の”0/50”は、評価サンプル50枚中、クラック状の外観不具合の発生を目視で確認できた枚数は、0枚であったことを意味する。
Figure 2016071350
本発明によれば、偏光フィルムの延伸方向(吸収軸方向)に裂けた際の強度、すなわち透過軸方向の強度を測定することができ、また、偏光フィルムの強度を評価するために偏光板を作製する必要がなく、短時間で簡易的且つ定量的に偏光フィルムの強度を評価することができる。本発明の偏光板は、薄肉であり、耐久性に優れたものとなる。
1 突刺し治具、3 突刺し針、5 サンプル台

Claims (6)

  1. 偏光フィルムに対し、突刺し治具を垂直に突刺し、偏光フィルムの延伸軸に沿って偏光フィルムが裂ける強さを測定することを特徴とする偏光フィルムの強度測定方法。
  2. 前記突刺し治具は、突刺し針を備え、前記突刺し針の偏光フィルムに接する先端が球形又は半球形である請求項1に記載の偏光フィルムの強度測定方法。
  3. 前記突刺し針は、先端の球形部又は半球形部の直径が3mmφ以下である請求項2に記載の偏光フィルムの強度測定方法。
  4. 前記突刺し針は、先端の球形部又は半球形部の曲率半径が0Rより大きく、0.7Rより小さい請求項2又は3に記載の偏光フィルムの強度測定方法。
  5. 前記偏光フィルムは、直径15mm以下の穴が開いたサンプル台に挟まれて固定される請求項1〜4のいずれかに記載の偏光フィルムの強度測定方法。
  6. 偏光フィルムに対して垂直に突刺し治具を突刺し、偏光フィルムの延伸方向に沿って偏光フィルムが裂ける強さを測定したとき、その単位膜厚あたりの突刺し強度が、4.3gf/μm以上である偏光フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
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