JP2009184216A - 表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面層(A)、中間層(B)および粘着層(X)の少なくとも3層から表面保護フィルムであり、表面層(A)が、エチレン系重合体(a)から形成され、中間層(B)が、プロピレン系重合体組成物(b)から形成され、粘着層(X)が、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とするオレフィン系重合体(c)からなる組成物から形成されることを特徴とする表面保護フィルムであり、単位面積あたりのフィルム中のフィッシュアイ(FE)の個数Nが下記条件を満たすことを特徴とする表面保護フィルムである。
FEサイズ 0.1〜0.2mm2 N=0個/m2
FEサイズ 0.01〜0.1mm2 N≦10個/m2
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、
1.表面層(A)、中間層(B)および粘着層(X)の少なくとも3層からなる表面保護フィルムであり、
表面層(A)が、エチレン系重合体(a)から形成され、
中間層(B)が、プロピレン系重合体組成物(b)から形成され、
粘着層(X)が、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とするオレフィン系重合体(c)からなる組成物から形成されることを特徴とする表面保護フィルムであり、単位面積あたりのフィルム中のフィッシュアイ(FE)の個数Nが下記条件を満たすことを特徴とする表面保護フィルム、
FEサイズ 0.1〜0.2mm2 N=0個/m2
FEサイズ 0.01〜0.1mm2 N≦10個/m2
2.中間層(B)に使用されるプロピレン系重合体組成物(b)中に、表面層(A)に使用されるエチレン系重合体(a)および粘着層(X)に使用されるオレフィン系重合体(c)からなる組成物を含むことを特徴とする1記載の表面保護フィルム、
3.中間層(B)に使用されるプロピレン系重合体組成物(b)中に、ポリプロピレンを含むリサイクル材を含むことを特徴とする1または2記載の表面保護フィルム、
4.オレフィン系重合体(c)が、プロピレン系共重合体であり、各モノマーの炭素数の総和が8以上であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の表面保護フィルム。
5.エチレン系(共)重合体(a)が、下記式(1)を満たすポリエチレンであることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の表面保護フィルム、
式(1)
40×(MFR190)−0.67≦MT≦250×(MFR190)−0.67
(1)
(ここで、MTは190℃で測定したメルトテンション(mN)、MFR190は190℃で測定したメルトフローレート(g/10分)を表す。)
6.表面層(A)、中間層(B)および粘着層(X)の少なくとも3層をT−ダイから押出成形して得られる多層フィルムである1〜5のいずれかに記載の表面保護フィルム、
である。
本発明の表面保護フィルムは、表面層(A)、中間層(B)および粘着層(X)の少なくとも3層からなる。
エチレン系重合体(a)は、190℃で測定したメルトフローレート(MFR190と略記)が、0.01〜20g/10分、好ましくは0.03〜15g/10分、より好ましくは0.05〜12g/10分の範囲にある。
式(1)
40×(MFR190)−0.67≦MT≦250×(MFR190)−0.67
(1)
ここで、メルトテンション(MT)は、溶融させたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することによって求められる値である。具体的には、東洋整機MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取り速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した値(単位mN)である。
MFR、MTおよび密度が上記範囲にあることで、本発明の表面保護フィルムの成形性およびロールからの繰出し性が良好となる。
プロピレン系重合体組成物(b)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が、120〜180℃、好ましくは130〜170℃、より好ましくは145〜165℃の範囲にあるプロピレン単独重合体またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10までのα−オレフィンとの共重合体であるプロピレン系重合体(b−1)、と該プロピレン系重合体(b−1)を除く熱可塑性樹脂(b−2)からなる組成物である。
プロピレン系重合体組成物(b)の製造法としては特に制限はないが、前記プロピレン系重合体(b−1)および熱可塑性樹脂(b−2)を別々に製造し、成形時にブレンドする方法、あるいは、(b−1)と(b−2)、(b−1)と(b−2)の一部、または(b−2)と(b−1)の一部を予め溶融混錬し、本発明の表面保護フィルムの中間層(B)の全部または一部として使用することができる。なお、予め溶融混錬した組成物において、(b−1)または(b−2)の一部だけを混練溶融した場合、さらに加える残部の(b−2)または(b−1)は、いずれの場合も、予め混練溶融した一部の(b−1)または(b−2)と異なる種類であってもよい。
オレフィン系重合体(c)は、炭素数3以上のα−オレフィンを20〜100モル%、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは60〜100モル%から構成される。ここで、オレフィン系重合体(c)の中に2種以上の炭素数3以上のα−オレフィンが含まれる場合は、それらの合計の含量を示す。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられるが、好ましくはプロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1である。
オレフィン系エラストマーとしては、例えば炭素数2〜20のα−オレフィン重合体または共重合体、あるいはエチレンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸エステルとの共重合体である。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。
本発明の表面保護フィルムの厚みとしては、1〜500μm、好ましくは5〜400μm、より好ましくは7〜200μmである。
[評価法]
粘着力:
アクリル板を幅50mm、長さ125mmに切断し、この試験板に加圧式ロールラミネーターを用いて貼り付ける。次いで、300mm/分の速度で剥離(180度剥離)した時の剥離力を測定し、25mm幅あたりの剥離力を粘着力(N/25mm)とする。
ここで、貼付けおよび剥離力の測定は23℃の条件下で行った。
巻き戻し力(繰出し性):
ロール状サンプルを用い、300mm/分の速度でロールから引き剥がす時の剥離力(N/25mm)を測定し、巻き戻し力とする。
ヘイズ:
JIS K7105に準拠し、厚み50μmのフィルムにて測定した。
フィッシュアイ(FE):
40cm角のカットサンプルを用い、ルーペで観測し、FE核の大きさが0.01−0.1mm2と0.1〜0.2mm2の範囲にあるものの個数を数え、単位面積あたりの個数N(個/m2)に換算して求める。
表面層および粘着層用に30mmφの単軸押出機および中間層層に40mmφ単軸押出機を兼ね備えたダイ幅500mmの3種3層T−ダイ成形機に以下樹脂組成物を供給し、表面層厚み10μm、粘着層厚み10μm、中間層厚み30μm、トータル厚み50μmの表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−1に示す。
表面層:
高圧法低密度ポリエチレン(プライムポリプロ社製ミラソン1770P、密度0.927g/cm3、MFR190=5.9g/10分、MT=35mN)100重量%、
中間層:
ホモポリプロピレン(融点=160℃、MFR230=7g/10分)90重量%およびエチレン・ブテン共重合体(MFR190=3.6g/10分、1−ブテン含量19モル%)10重量%。
粘着層:
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン含量13モル%、ブテン含量19モル%、融点は観測されない、MFR=7g/10分)50重量%、
スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(カネカ社製SIBSTAR072T)50重量%
実施例1で得られたフィルムを、非加熱式の再生機を使用し得られた再生ペレットを中間層の一部として使用したこと以外、実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−1に示す。
高圧法低密度ポリエチレン(銘柄名ミラソン1770P、密度0.927g/cm3、MFR190=5.9g/10分、MT=32mN、プライムポリマー社製)
h−PP:
ホモポリプロピレン(銘柄名F107BV、融点=160℃、MFR230=7g/10分、プライムポリマー社製)
EBR:
エチレン・ブテン共重合体(MFR190=0.5g/10分、1−ブテン含量19モル%)
PEBR−1:
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン含量13モル%、ブテン含量19モル%、融点は観測されず、MFR230=7g/10分)
SIBS:
スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(カネカ社製シブスター072T)
粘着層として、スチレン・ブタジエン・スチレン水添ポリマー(SEBS、JSR(株)製9601P)を100重量%使用したこと以外、実施例1と同様に表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−2に示す。
比較例1で得られたフィルムから得られた再生ペレットを使用したこと以外、比較例1と同様に表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−2に示す。
スチレン・ブタジエン・スチレン水添ポリマー(JSR社製ダイナロン8601P)
Claims (6)
- 表面層(A)、中間層(B)および粘着層(X)の少なくとも3層からなる表面保護フィルムであり、
表面層(A)が、エチレン系重合体(a)から形成され、
中間層(B)が、プロピレン系重合体組成物(b)から形成され、
粘着層(X)が、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とするオレフィン系重合体(c)からなる組成物から形成されることを特徴とする表面保護フィルムであり、単位面積あたりのフィルム中のフィッシュアイ(FE)の個数Nが下記条件を満たすことを特徴とする表面保護フィルム。
FEサイズ 0.1〜0.2mm2 N=0個/m2
FEサイズ 0.01〜0.1mm2 N≦10個/m2 - 中間層(B)に使用されるプロピレン系重合体組成物(b)中に、表面層(A)に使用されるエチレン系重合体(a)および粘着層(X)に使用されるオレフィン系重合体(c)からなる組成物を含むことを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
- 中間層(B)に使用されるプロピレン系重合体組成物(b)中に、ポリプロピレンを含むリサイクル材を含むことを特徴とする請求項1または2記載の表面保護フィルム。
- オレフィン系重合体(c)が、プロピレン系共重合体であり、各モノマーの炭素数の総和が8以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護フィルム。
- エチレン系(共)重合体(a)が、下記式(1)を満たすポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面保護フィルム。
式(1)
40×(MFR190)−0.67≦MT≦250×(MFR190)−0.67
(1)
(ここで、MTは190℃で測定したメルトテンション(mN)、MFR190は190℃で測定したメルトフローレート(g/10分)を表す。) - 表面層(A)、中間層(B)および粘着層(X)の少なくとも3層をT−ダイから押出成形して得られる多層フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の表面保護フィルム。
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