JP2011042757A - 表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着層の粘着力に係わらず、表面層と粘着層との固着が抑制される表面保護フィルムを提供すること。
【解決手段】表面層(A)および粘着層(B)の少なくとも2層を含む表面保護フィルムであって:表面層(A)が、プロピレン系(共)重合体(x1)1〜50重量部と、炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体(x2)50〜99重量部とを含み(ただし、(x1)+(x2)=100重量部)、さらに(x1)+(x2)=100重量部に対して、エチレン系(共)重合体(x3)を1〜80重量部含む、樹脂組成物(X)からなることを特徴とする表面保護フィルムを提供する。
【選択図】なし
【解決手段】表面層(A)および粘着層(B)の少なくとも2層を含む表面保護フィルムであって:表面層(A)が、プロピレン系(共)重合体(x1)1〜50重量部と、炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体(x2)50〜99重量部とを含み(ただし、(x1)+(x2)=100重量部)、さらに(x1)+(x2)=100重量部に対して、エチレン系(共)重合体(x3)を1〜80重量部含む、樹脂組成物(X)からなることを特徴とする表面保護フィルムを提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムは、通常、一方の面に表面層を、もう一方の面に粘着層を有する積層フィルムであり、粘着層を被着体に貼り付けて使用する。表面保護フィルムには、建材用途、光学用途などの用途がある。例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに内臓される種々の光学フィルム(例えば、拡散フィルム、偏光フィルム、位相差フィルムなど)に、表面保護フィルムを貼り付けて保存することがある。また、透明な表面保護フィルムであれば、ディスプレイの表示面に貼り付けることもある。
一般的に、積層フィルムは、共押出し成形するか、または基材に粘着層を塗布形成することによって作製される。共押出し成形によれば、一般的に低コストで積層フィルムを作製することができる。共押出し成形により作製された積層フィルムは、ロール状に巻き取られて保存される。フィルム使用時に、フィルムを巻き取ったロールからフィルムを繰り出す。
ところが、粘着層と表面層とを有する表面保護フィルムをロール状に巻き取ると、フィルムの表面層と粘着層とが固着して、いわゆるブロッキングが生じることがある。ブロッキング生じると、ロールからフィルムを繰り出すことができなくなったり、繰り出したフィルムの性能が劣化したりする。そのため、通常は粘着層に離型フィルムを重ねた状態で、表面保護フィルムをロール状に巻き取っている。
これに対して、表面保護フィルムの表面層に剥離性を付与することによって、粘着層に離型フィルムを重ねることなくロール状に巻き取っても、ブロッキングを生じない表面保護フィルムが提案されている(特許文献1を参照)。
表面保護フィルムの粘着層は、被着体に応じてその粘着力が調整されるべきである。粘着層の粘着力が比較的高いと、特許文献1の技術を適用しても、表面層と粘着層との固着が生じることがあった。そこで本発明は、粘着層の粘着力に係わらず、表面層と粘着層との固着が抑制される表面保護フィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明の第一は、以下に示す表面保護フィルムに関する。
[1] 表面層(A)および粘着層(B)の少なくとも2層を含む表面保護フィルムであって:該表面層(A)が、プロピレン系(共)重合体(x1)1〜50重量部と、炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体(x2)50〜99重量部とを含み(ただし、(x1)+(x2)=100重量部)、さらに(x1)+(x2)=100重量部に対して、エチレン系(共)重合体(x3)を1〜80重量部含む、樹脂組成物(X)からなる表面保護フィルム。
[2] 前記α-オレフィン系(共)重合体(x2)が、4-メチルペンテン-1系(共)重合体である、[1]に記載の表面保護フィルム。
[3] 前記粘着層(B)が、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む樹脂組成物(Y)からなる、[1]または[2]に記載の表面保護フィルム。
[4] 前記表面層(A)の露出している側の面の平均表面粗度(Ra)が、0.20〜2.00μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の表面保護フィルム。
[1] 表面層(A)および粘着層(B)の少なくとも2層を含む表面保護フィルムであって:該表面層(A)が、プロピレン系(共)重合体(x1)1〜50重量部と、炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体(x2)50〜99重量部とを含み(ただし、(x1)+(x2)=100重量部)、さらに(x1)+(x2)=100重量部に対して、エチレン系(共)重合体(x3)を1〜80重量部含む、樹脂組成物(X)からなる表面保護フィルム。
[2] 前記α-オレフィン系(共)重合体(x2)が、4-メチルペンテン-1系(共)重合体である、[1]に記載の表面保護フィルム。
[3] 前記粘着層(B)が、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む樹脂組成物(Y)からなる、[1]または[2]に記載の表面保護フィルム。
[4] 前記表面層(A)の露出している側の面の平均表面粗度(Ra)が、0.20〜2.00μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の表面保護フィルム。
本発明の第二は、以下に示す表面保護フィルムの製造方法に関する。
[5] 前記樹脂組成物(X)および樹脂組成物(Y)のそれぞれを、T−ダイから押出成形すると同時に積層して積層体を形成するステップと;前記積層体を、ロール状に巻き取るステップと、を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の表面保護フィルムの製造方法。
[6] 前記積層体は、離型フィルムを重ねることなく巻き取られる、[5]に記載の製造方法。
[7] プロピレン系(共)重合体(x1)、α-オレフィン系(共)重合体(x2)、およびエチレン系(共)重合体(x3)を溶融混練して、前記樹脂組成物(X)を得るステップをさらに含む、[5]または[6]に記載の表面保護フィルムの製造方法。
[5] 前記樹脂組成物(X)および樹脂組成物(Y)のそれぞれを、T−ダイから押出成形すると同時に積層して積層体を形成するステップと;前記積層体を、ロール状に巻き取るステップと、を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の表面保護フィルムの製造方法。
[6] 前記積層体は、離型フィルムを重ねることなく巻き取られる、[5]に記載の製造方法。
[7] プロピレン系(共)重合体(x1)、α-オレフィン系(共)重合体(x2)、およびエチレン系(共)重合体(x3)を溶融混練して、前記樹脂組成物(X)を得るステップをさらに含む、[5]または[6]に記載の表面保護フィルムの製造方法。
本発明の表面保護フィルムは、表面層の剥離性が高いので、粘着層の粘着力に係わらず、フィルム同士の固着が抑制されている。よって、コスト面で有利な共押し成形法で製造して、離型フィルムを重ねることなくロール状に巻き取ってもブロッキングが生じない。よって、低コストで実用的な表面保護フィルムとなる。
1.表面保護フィルム
本発明の表面保護フィルムは、一方の面に配置された表面層(A)と、もう一方の面に配置された粘着層(B)とを有する積層フィルムである。
本発明の表面保護フィルムは、一方の面に配置された表面層(A)と、もう一方の面に配置された粘着層(B)とを有する積層フィルムである。
表面層(A)は、以下のオレフィン系重合体(x1)〜(x3)を含む樹脂組成物(X)からなる。
(x1):プロピレン系(共)重合体
(x2):炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体
(x3):エチレン系(共)重合体
(x1):プロピレン系(共)重合体
(x2):炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体
(x3):エチレン系(共)重合体
プロピレン系(共)重合体(x1)は、プロピレン単独重合体であってもよく、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。共重合体における、炭素数4〜20のα−オレフィンの例には、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンなどが含まれる。
プロピレン系(共)重合体(x1)の融点は、50〜170℃、好ましくは70〜170℃、より好ましくは100〜165℃、さらに好ましくは130〜165℃である。融点が、このような好ましい範囲にあることで耐熱性が向上する。融点は、示差走査熱量計(DSC)により、昇温および降温速度10℃/minにて測定した値である。また、プロピレン系(共)重合体(x1)の、230℃で測定したメルトフローレート(以下「MFR」と略記する)は、0.01〜500g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.3〜50g/10分の範囲にある。
プロピレン系(共)重合体(x1)は、固体状チタン化合物およびアルキルアルミニウム化合物を主成分とした固体状チタン触媒のみならず、メタロセン化合物を主成分としてメタロセン触媒の存在下に、プロピレンの単独重合、またはプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとを共重合することによって得られる。
炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体(x2)は、炭素数4〜10のα-オレフィンを、50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%含有する。炭素数4〜10のα-オレフィンの例には、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどが含まれるが、好ましくは4-メチルペンテン-1である。好ましいα-オレフィン系(共)重合体(x2)は、4-メチルペンテン-1単独重合体や、4-メチルペンテン-1と炭素数4〜10のα-オレフィンとの共重合体である。
α-オレフィン系(共)重合体(x2)の融点は、150〜300℃、好ましくは180〜280℃、より好ましくは200〜250℃の範囲にある。融点がこのような好ましい範囲にあると、成形性が良好で、耐熱性に優れた表面保護フィルムが得られる。また、α-オレフィン系(共)重合体(x2)の、260℃で測定したMFRは、0.1〜500g/10分、好ましくは0.5〜200g/10分、より好ましくは1〜100g/10分の範囲にある。
エチレン系(共)重合体(x3)は、エチレン単独重合体であってもよく、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。共重合体における、α−オレフィンの例には、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンなどが含まれる。
エチレン系(共)重合体(x3)は、高密度ポリエチレン(HDPE)であっても、低密度ポリエチレン(LDPE)であっても、超低密度ポリエチレン(ULDPE)であってもよい。また、エチレン系(共)重合体(x3)の、190℃で測定したメルトフローレート(以下「MFR」と略記する)は、0.01〜500g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.3〜75g/10分の範囲にある。
表面層(A)は、重合体(x1)〜(x3)を含む樹脂組成物(X)からなるが、プロピレン系(共)重合体(x1)とα-オレフィン系(共)重合体(x2)との合計を100重量部としたときに、樹脂組成物(X)には、1〜50重量部のプロピレン系(共)重合体(x1)と、50〜99重量部のα-オレフィン系(共)重合体(x2)とが含まれる。プロピレン系(共)重合体(x1)を添加することにより、表面層(A)の剥離性が向上するが、一方で、重合体(x1)の添加量が高すぎると、α-オレフィン系共重合体(x2)が有する低表面張力の効果が発揮されないことがある。
また、表面層(A)を構成する樹脂組成物(X)には、プロピレン系(共)重合体(x1)とα-オレフィン系(共)重合体(x2)との合計を100重量部としたときに、1〜80重量部、好ましくは3〜60重量部、より好ましくは5〜30重量部のエチレン系(共)重合体(x3)が含まれる。樹脂組成物(X)にエチレン系(共)重合体(x3)が含まれると、表面層(A)の粘着材からの剥離性が高まり、フィルムをロール状に巻き取って保存したとしても、ブロッキングが発生しなくなる。一方、樹脂組成物(X)におけるエチレン系(共)重合体(x3)の含有量が高すぎると、表面層の強度が低下する。
樹脂組成物(X)にエチレン系(共)重合体(x3)を添加することで、表面層(A)の粘着材からの剥離性が高まる理由は、形成される表面層(A)の表面状態に関連があると考えられる。好ましい表面状態とは、一定の凹凸がある面を意味し、点接触により接触面積を低減させる面である。接触面積が低減すれば、粘着層との固着が抑制される。
好ましい表面状態を示すパラメータの一つが、平均表面粗度Raである。本発明の表面層(A)の表面(露出している面)の平均表面粗度Raは、0.20〜2.00μmであることが好ましい。また、好ましい表面状態を示すパラメータは平均表面粗度Raに限られず、凹凸密度や、凹部の形状、凸部の形状などがある。いずれにしても、樹脂組成物(X)にエチレン系(共)重合体(x3)を添加し、かつ好ましくは押出成形することで、表面層(A)の表面状態が好適化されて、剥離性が高まる。
表面層(A)を構成する樹脂組成物(X)には、重合体(x1)〜(x3)に加えて、さらに他の任意成分が含まれていてもよい。任意成分の例には、フッ素系の樹脂やシリコン系の樹脂などが含まれる。
粘着層(B)は、樹脂組成物(Y)からなる。樹脂組成物(Y)は、粘着性を有する樹脂組成物であればよく、公知の粘着剤でありうるが、オレフィン系エラストマーおよび/またはスチレン系エラストマーを含むことが好ましい。フィッシュアイの発生による被着体損傷や、粘着剤の被着体への移行(いわゆる糊残り)を抑制するためである。樹脂組成物(Y)は、より好ましくは、オレフィン系エラストマーを含有するか、またはオレフィン系エラストマーとスチレン系エラストマーとを含有する。
オレフィン系エラストマーは、炭素数2〜20のα-オレフィン重合体または共重合体、あるいはエチレンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸エステルとの共重合体でありうる。オレフィン系エラストマーの融点は、110℃以下、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下、または融点が観測されない。
オレフィン系エラストマーの具体例には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、プロピレン単独共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテン共重合体、1-ブテン単独重合体、1-ブテン・エチレン共重合体、1-ブテン・プロピレン共重合体、4-メチルペンテン-1単独重合体、4-メチルペンテン-1・プロピレン共重合体、4-メチルペンテン-1・1-ブテン共重合体、4-メチルペンテン-1・プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。粘着力の経時安定性の点から、好ましくは、プロピレン単独共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテン共重合体である。
スチレン系エラストマーとしては、ポリスチレン相をハードセグメントとして有する公知のスチレン系エラストマーが使用できる。具体的には、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SEBS)、およびこれらの水素化物を挙げることができる。
本発明の表面保護フィルムにおける粘着層(B)を構成する樹脂組成物(Y)には、上記オレフィン系エラストマーおよび/またはスチレン系エラストマーが、単独で、または各々異なる組成の成分がブレンドされて含まれる。樹脂組成物(Y)には、本発明の特性を損なわない範囲で、粘着力の制御を目的として、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂改質剤や、帯電防止剤、結晶核剤、酸化防止剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
本発明の表面保護フィルムは、表面層(A)と粘着層(B)との間に、中間層を有していてもよい。中間層としては特に制限はないが、一般には、融点が100℃以上のポリプロピレンやポリエチレンなどの結晶性ポリオレフィンや、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン系エラストマーなどが使用できる。中間層に接着性を付与したい場合には、変性ポリオレフィンや、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステルエラストマーなどが用いられる。これらの中で、生産性および透明性の点から、ポリプロピレンやポリオレフィンエラストマーを中間層として使用するのが好ましい。
本発明の表面保護フィルムの表面層(A)の、露出している側の表面(粘着層(B)側の面とは逆の面)の平均表面粗度Raは、0.20〜2.00μmであることが好ましい。
本発明の表面保護フィルムにおける表面層(A)の厚みは0.05〜200μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜15μmである。一方、粘着層(B)の厚みは0.05〜50μm、好ましくは0.3〜40μm、より好ましくは0.5〜30μmである。表面保護フィルムの厚みは、必要により設けることもある中間層を含めて、0.1〜500μm、好ましくは0.5〜400μm、より好ましくは3〜300μmである。
2.表面保護フィルムの製造方法
本発明の表面保護フィルムは、本発明の効果を損なわない限り任意の方法で製造されうるが、生産性の点からは、表面層および粘着層の各成分を多層の押出機に供して成形する共押出成形が好ましい。つまり、樹脂組成物(X)および樹脂組成物(Y)のそれぞれを、T−ダイから押出し成形してシート状成型体を得て、成型体を積層して表面保護フィルムを得る。もちろん、中間層を構成する樹脂組成物もT−ダイから押出し成形して、表面層と粘着層との間に積層してもよい。
本発明の表面保護フィルムは、本発明の効果を損なわない限り任意の方法で製造されうるが、生産性の点からは、表面層および粘着層の各成分を多層の押出機に供して成形する共押出成形が好ましい。つまり、樹脂組成物(X)および樹脂組成物(Y)のそれぞれを、T−ダイから押出し成形してシート状成型体を得て、成型体を積層して表面保護フィルムを得る。もちろん、中間層を構成する樹脂組成物もT−ダイから押出し成形して、表面層と粘着層との間に積層してもよい。
また、積層体である保護フィルムをロール状に巻き取ってもよい。製造したフィルムを保管しやすいからである。本発明の保護フィルムをロール状に巻き取るときに、離型シートを重ねて巻き取る必要はない。表面層の粘着材からの剥離性が高いため、離型シートがなくても、フィルム同士のブロッキングが抑制されるからである。離型シートが必要でないため、より低コストでの製造が可能となる。
また、重合体(x1)〜(x3)を、例えば、単軸または二軸押出機やフィーダールーダー等により予め混練して得た樹脂組成物(X)を、押出機を兼ね備えたT-ダイ成形機に投入し、本発明の表面保護フィルムを得るか(メルト法)、あるいは重合体(x1)〜(x3)を、押出機を兼ね備えたT-ダイ成形機に直接投入し、本発明の保護フィルムを得ても構わない(ドライ法)。
3.表面保護フィルムの用途
本発明の表面保護フィルムは、保護の対象物である被着体に、貼り付けて用いることができる。被着体の貼り付け面の物性、例えば表面の凹凸(表面粗さ)などに応じて、粘着層(B)の成分を調整する。一般的に、被着体の貼り付け面の表面粗さが粗い場合には、粘着層(B)を強粘着タイプの材質とする。本発明の表面保護フィルムは、ロール状に巻き取られて保存されることがあるが、表面層(A)の剥離性が高いので、粘着層(B)の粘着力が強くても、ロール状に巻き取られたフィルム同士がブロッキングしにくい。
本発明の表面保護フィルムは、保護の対象物である被着体に、貼り付けて用いることができる。被着体の貼り付け面の物性、例えば表面の凹凸(表面粗さ)などに応じて、粘着層(B)の成分を調整する。一般的に、被着体の貼り付け面の表面粗さが粗い場合には、粘着層(B)を強粘着タイプの材質とする。本発明の表面保護フィルムは、ロール状に巻き取られて保存されることがあるが、表面層(A)の剥離性が高いので、粘着層(B)の粘着力が強くても、ロール状に巻き取られたフィルム同士がブロッキングしにくい。
また、本発明の表面保護フィルムは、透明性を高くすることもできる。透明性が高ければ、光学フィルムとして好ましく用いられうる。透明性を高めるには、例えば表面層(A)を構成する樹脂組成物(X)のα-オレフィン系(共)重合体(x2)の含有率を高めればよい。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例により、本発明の範囲が限定して解釈されることはない。
表面層を構成する樹脂成分として、以下を用意した。
TPX:ポリ4-メチルペンテン-1(商品名:TPX、銘柄名:DX818、融点=237℃、MFR=30g/10分、三井化学社製)
h−PP:ホモポリプロピレン(融点=160℃、MFR=7g/10分、プライムポリマー社製)
r−PP:ランダムポリプロピレン(融点=138℃、MFR=7g/10分、プライムポリマー社製)
LDPE:低密度ポリエチレン(融点=115℃、MFR=7g/10分、プライムポリマー社製)
TPX:ポリ4-メチルペンテン-1(商品名:TPX、銘柄名:DX818、融点=237℃、MFR=30g/10分、三井化学社製)
h−PP:ホモポリプロピレン(融点=160℃、MFR=7g/10分、プライムポリマー社製)
r−PP:ランダムポリプロピレン(融点=138℃、MFR=7g/10分、プライムポリマー社製)
LDPE:低密度ポリエチレン(融点=115℃、MFR=7g/10分、プライムポリマー社製)
上記表面層との剥離性を評価する粘着層を構成する樹脂成分として、市販のスチレン系粘着材フィルム(#6318B、積水化学株式会社製)、およびオレフィン系粘着材フィルム(A2450、日立化成工業株式会社)をそれぞれ用いた。
表面保護フィルムの表面層の調製
ダイ幅250mmの単層T−ダイ成形機に、20mmφの単軸押出機を装着して、フィルム成形機とした。表1に示される表面層を構成する樹脂組成物を、押出機に供給し、厚み50μmの単層フィルムを得た。なお、実施例9は、予め表1に示される表面層を構成する樹脂組成物を二軸押出機にて溶融混練したものを、フィルム成形機の押出機に供給した。
ダイ幅250mmの単層T−ダイ成形機に、20mmφの単軸押出機を装着して、フィルム成形機とした。表1に示される表面層を構成する樹脂組成物を、押出機に供給し、厚み50μmの単層フィルムを得た。なお、実施例9は、予め表1に示される表面層を構成する樹脂組成物を二軸押出機にて溶融混練したものを、フィルム成形機の押出機に供給した。
得られたフィルムの各物性を、以下の通りに測定した。
1)ヘイズ:JIS K7105に準拠し、厚み50μmのフィルムにて測定した。
2)平均粗度Ra(μm):得られた積層フィルム(表面保護フィルム)の表面層の、MD方向の平均表面粗度Raを、JIS−B0601−1994に準じて表面粗さ測定機を用い、測定速度0.15mm/分でn=3測定し、算術平均した。
3)粘着層からの剥離力(N/25mm):2kgのゴムローラーを用いて、表面層フィルム(MD方向)を粘着材フィルムに2m/分程度の速度で貼り付けた。これを、23℃±2℃の室温に30分間放置した。しかる後、JIS Z 0237に準じて表面層フィルムから粘着材フィルムを剥離し、25mm幅における180度剥離強度(Tピール法)を引張速度300mm/分でn=5測定し、算術平均した。
1)ヘイズ:JIS K7105に準拠し、厚み50μmのフィルムにて測定した。
2)平均粗度Ra(μm):得られた積層フィルム(表面保護フィルム)の表面層の、MD方向の平均表面粗度Raを、JIS−B0601−1994に準じて表面粗さ測定機を用い、測定速度0.15mm/分でn=3測定し、算術平均した。
3)粘着層からの剥離力(N/25mm):2kgのゴムローラーを用いて、表面層フィルム(MD方向)を粘着材フィルムに2m/分程度の速度で貼り付けた。これを、23℃±2℃の室温に30分間放置した。しかる後、JIS Z 0237に準じて表面層フィルムから粘着材フィルムを剥離し、25mm幅における180度剥離強度(Tピール法)を引張速度300mm/分でn=5測定し、算術平均した。
表1に示される表面層にポリエチレンを含むフィルムは、表2に示されるフィルムよりも、スチレン系粘着材からの剥離力およびオレフィン系粘着材からの剥離力とも低い(つまり、剥離性が高い)ことがわかる。特に、実施例3と比較例5とを比較すると、LDPEの添加により剥離性が高まっていることが明確に読み取れる。
また、表1における実施例3と実施例5との比較などからわかるように、ポリエチレンの添加量が多いと、粘着材からの剥離力が下がる(剥離性が高まる)ことがわかる。
よって、本発明の表面保護フィルムを、離型フィルムを重ねることなくロール状に巻き取ったとしても、ブロッキングの発生が抑制される。
本発明の表面保護フィルムは、低コストで製造される実用的な表面保護フィルムとなる。例えば、建材用途、光学用途などの幅広い表面保護フィルムとして用いることができる。
Claims (7)
- 表面層(A)および粘着層(B)の少なくとも2層を含む表面保護フィルムであって、
該表面層(A)が、プロピレン系(共)重合体(x1)1〜50重量部と、炭素数4〜10のα-オレフィン系(共)重合体(x2)50〜99重量部とを含み(ただし、(x1)+(x2)=100重量部)、さらに(x1)+(x2)=100重量部に対して、エチレン系(共)重合体(x3)を1〜80重量部含む、樹脂組成物(X)からなる表面保護フィルム。 - 前記α-オレフィン系(共)重合体(x2)が、4-メチルペンテン-1系(共)重合体である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
- 前記粘着層(B)が、オレフィン系エラストマーおよびスチレン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む樹脂組成物(Y)からなる、請求項1または2に記載の表面保護フィルム。
- 前記表面層(A)の露出している側の面の平均表面粗度(Ra)が、0.20〜2.00μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面保護フィルム。
- 前記樹脂組成物(X)および樹脂組成物(Y)のそれぞれを、T−ダイから押出成形すると同時に積層して積層体を形成するステップと、
前記積層体を、ロール状に巻き取るステップと、
を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面保護フィルムの製造方法。 - 前記積層体は、離型フィルムを重ねることなく巻き取られる、請求項5に記載の製造方法。
- プロピレン系(共)重合体(x1)、α-オレフィン系(共)重合体(x2)、およびエチレン系(共)重合体(x3)を溶融混練して、前記樹脂組成物(X)を得るステップをさらに含む、請求項5または6に記載の製造方法。
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