JP5371206B2 - 保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、金属板、樹脂板、液晶パネルなど種々の製品の運搬時、貯蔵時あるいは加工時に、これら製品の表面の汚れを防止し、また表面に傷がつくことを防止する目的で用いられる自己粘着性の保護フィルムに関する。
従来から、種々の物品の運搬時、貯蔵時、あるいは加工時等にこれら物品の被保護面を保護する目的で、表面に粘着性を有するフィルムが利用されている。該フィルムは、自己粘着性により被保護面に貼り付けられ、保護を必要としなくなった後は剥離されることが一般的である。尚、上記自己粘着性とは、被保護面に保護フィルムを貼り付ける際に、接着剤などの手段を用いず、自己により発揮される粘着性によって被保護面に密着することができる粘着力のことをいう。
上記自己粘着性の保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」ともいう。)としては、熱可塑性樹脂などからなる基材フィルムに、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレンのような低結晶性の重合体、またはスチレン系ブロック共重合体などから構成される粘着フィルムが積層された積層シートが一般的に知られている。例えば、下記特許文献1には、熱可塑性樹脂からなる基材フィルムと、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる粘着剤層とからなる表面保護フィルム(以下、「従来フィルム1」ともいう。)が開示されている。
しかしながら、これらの保護フィルムが被保護面に貼り付けられた状態で、さらに加熱処理が施され、あるいは保管時の温度上昇などにより高温環境に晒された場合に、その粘着強度が大きく上昇する傾向にある。この結果、該フィルムを被保護面から剥離する際に糊残りが発生したり、基材フィルムが破断する問題点があった。また特に、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる粘着フィルムを備える保護フィルムでは、フィルムの製造工程において酢酸臭がすること、あるいはフィルム成形後であって高温下に晒された場合に共重合体が熱分解して酢酸が発生し酢酸臭がすることが問題であった。
これに対し、基材層に、非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン系重合体(b)、及びさらなる第三成分(c)を加えてなる粘着層が積層された保護フィルムが開発されている。例えば、下記特許文献2には、非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン系重合体(b)及び熱可塑性エラストマー(c)を含む組成物からなる粘着層が積層された保護フィルム(以下、「従来フィルム2」ともいう。)が開示されている。また下記特許文献3には、非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン系重合体(b)及び結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)からなる粘着層が積層された保護フィルム(以下、「従来フィルム3」ともいう。)が開示されている。
従来フィルム2及び3は、いずれも、適度な粘着力を有し剥離時には剥離速度を変えても安定した剥離強度を有する粘着フィルムを提供することを目的としてなされた発明であり、これらのフィルムの具体的な初期粘着強度としては、200g/50mm〜700g/50mm(1N/25mm〜3.5N/25mm)の範囲内とすることが望ましく、粘着層の粘着強度が200g/50mm未満であると、粘着力が不十分な傾向にあり、700g/50mmを超えると粘着性能の制御が難しくなる傾向にあると記載されている(特許文献2段落[0028]、特許文献3段落[0026])。
特開平5−98224号公報 特開2006−188646号公報 特開2006−257247号公報
ところが本発明者の詳細な検討の結果、従来フィルム2及び3に例示される非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン系重合体(b)、及びさらなる第三成分(c)を加えてなる粘着層が積層された保護フィルムであって、初期粘着強度が200g/50mm〜700g/50mm(1N/25mm〜3.5N/25mm)の範囲内の粘着層を備える保護フィルムであっても、剥離時に微少な糊残りが発生することがわかった。上記微少な糊残りは、視認されない程度のものではあるが、精密機器、光学機器、あるいは液晶ディスプレイや有機ディスプレイなどのディスプレイ画面といった繊細な製品であって取扱いに非常に注意を必要とする製品の表面を保護する際には、特に問題であった。
例えば、液晶ディスプレイに備えられるカラーフィルタの基板表面を保護フィルムで保護して運搬し、次いで、該カラーフィルタを用いて液晶セルを組み立てるために上記保護フィルムを剥がした際に、カラーフィルタの基板表面に視認されない微少な糊残りが生じる結果、設計によって見込まれる液晶セルの透過率を狂わせてしまう虞がある。
本発明者は、従来の保護フィルムを用い、被保護面に貼り付けた後これを剥離すると、保護フィルムに伸びが生じ、場合によっては部分的に破断が生じることに着目した。これは、粘着面が被保護面に十分に接着していることにより、剥離時には粘着面が被保護面から剥離し難くなっているものと推察された。そしてこのようにフィルムが伸び、あるいはさらにフィルムが部分的に破断する場合には、保護フィルムの粘着層面において凝集破壊が生じ、僅かではあるが被保護面に糊残りが発生することを見出した。
また保護フィルムは、その使用上あるいは保管上のメリットから、基材層と粘着層とが共押出成形により積層された後、続いて多重に巻き取り、ロール状の形態で保管、運搬、あるいは使用したいという要望がある。しかしながら従来の保護フィルムでは、フィルムを巻き取る巻取り工程において、巻取りロールの手間に位置するキャストロールに対し、ロール面と粘着層面とが当接する向きでフィルムがキャストされた際に、該ロール面にフィルムが接着してしまう所謂「とられ」が生じ、続く巻取り工程がスムーズに行われず、また巻き取られたフィルムの外観が不良となる場合があり問題であった。
さらに、従来フィルム2及び3の示す程度の粘着強度を備える保護フィルムでは、ロール状に巻き取ることができた場合であっても、一定時間経過後、ロールを解反した際に粘着層とこれに接する基材層とが接着してしまい、力を入れてもフィルムがスムーズに解反されない、あるいは解反できてもフィルム表面外観が荒れてしまうといったロール解反性不良の問題があった。このロール解反性不良を防止するために、粘着層と基材層との間にセパレータを設ける手段もあるが、製造コストの増加につながり問題であった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、被保護面から保護フィルムを剥離する際に保護フィルムの伸びが実質的にないか、あるいは非常に小さく、この結果、保護面に微少な糊残りをも発生させることの無い保護フィルムを提供することを目的とし、また保護フィルム成形後に該フィルムをロール状で保管した場合に、セパレータを有さずともロール解反性に優れた保護フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、非晶性ポリプロピレン系樹脂と、結晶性ポリプロピレン系樹脂とを少なくとも含んで構成される粘着性フィルムを少なくとも備え、該フィルム表面の粘着力を非常に小さく抑えることを第一の特徴とするものである。
即ち本発明は、
(1)表面の粘着力が0.015N/25mm以上、0.5N/25mm以下である弱粘着性フィルムからなり、
前記弱粘着性フィルムは、非晶性ポリプロピレン系樹脂を少なくとも含有する組成物Aと、結晶性ポリプロピレン系樹脂を少なくとも含有する組成物Bとを用いて成形されるフィルムであり、
前記組成物AのMFRと前記組成物BのMFRを、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定した場合に、前記組成物AのMFRと前記組成物BのMFRとの差が10以下である、ことを特徴とする保護フィルム、
(2)前記弱粘着性フィルムにおいて、前記非晶性ポリプロピレン系樹脂が7.5重量%以上、50.0重量%以下及び前記結晶性ポリプロピレン系樹脂が50.0重量%以上、92.5重量%以下の割合で含有されていることを特徴とする前記(1)に記載の保護フィルム
(3)前記(1)または(2)に記載の弱粘着性フィルムに基材層が積層されていることを特徴とする保護フィルム、を要旨とするものである。
尚、本発明において粘着フィルム表面の「粘着力」とは、アクリル樹脂板に対する粘着力のことを意味する。より詳しくは、以下の通りに測定される粘着力を意味する。
即ち、アクリル樹脂板を試験板として用い、該試験板の表面の汚れ(油、ホコリ、粉等)をとるため乾布で充分に清掃した後、測定に付されるフィルムをフィルム幅方向に幅25mm、長さ100mmのサイズにカットした試験片を用い、該試験片を上記試験板に圧力5880N/mのかかったゴムロール(ゴム硬度80度;ショアーゴム硬度計にて測定)間を2m/分の速度で圧着し貼付け、その状態で30分放置後、試験片と水平方向(180度剥離)に200mm/分の速度で剥離した時の剥離力を6回測定し、その平均値を粘着力とする。
本発明の保護フィルムは、少なくとも一方の表面が自己粘着力を示す弱粘着性フィルムである保護フィルムであって、その粘着力が、0.015N/25mm以上、0.5N/25mm以下と非常に小さいため、被保護面に貼り付け、次いで剥離する際に、フィルムの伸び率が実質的にゼロあるいは非常に小さい値しか示さない。したがって、被保護面より保護フィルムを剥離する際に、保護フィルムの伸びや部分的な破断に起因する僅かな糊残りをも発生させることがない。もちろん本発明の保護フィルムは、上記粘着強度の範囲において被保護面に貼り付ける際には、自己粘着力により十分に被保護面に密着して張り付いた状態を維持することができる。
また保護フィルムは粘着強度が上述のとおり小さい範囲にあるため、フィルム成形後、ロール状に巻き取る際に、巻取りロールの手前に位置するキャストロール面に粘着フィルムが接着してしまう所謂「とられ」が生じることがない。またロール状に巻き取った後これを解反する際に、弱粘着性フィルムが基材面に、あるいは粘着フィルムの裏表面が、剥がれ難い程度に接着する虞がなく、ロール解反性に優れている。したがって、本発明の保護フィルムをロール状に巻き取る際には、セパレータを用いる必要がない。
さらに、弱粘着性フィルムのみからなる単層の保護フィルムである本発明においても、フィルム形成後、セパレータなしでロール状に巻き取ることができ、これを解反する際にも、自己同士で剥がれ難い程度に接着することがなく、良好なロール解反性が示される。
したがって、上記弱粘着フィルム単層よりなる本発明の保護フィルムであれば、取扱いも容易であって、且つ両面において自己粘着性が示されるため、両面を保護面として使用することも可能である。例えば、運搬や保管時に、被保護面同士が直接、密接して対面する向きで重ね合わせられる場合に、上記単層の本発明の保護フィルムをその被保護面の界面に配設することにより、フィルム両面において被保護面の保護を行うことが可能である。
加えて、本発明の保護フィルムを構成する弱粘着性フィルムには、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸系の化合物を用いる必要がないので、フィルム成形工程中、あるいは成形後、高温環境に晒された状態であっても酢酸臭が問題となることがない。
特に、実質的に、粘着性に関与する成分として非晶性プロピレン系共重合体及び結晶性ポリプロピレンの二つの成分のみから構成される弱粘着性のフィルムを用いる本発明であれば、被保護面を保護している最中に高温環境に晒されたとしても、第三成分の漏出により被保護面を汚染するという心配がない。
以下に本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明の保護フィルムは、少なくとも非晶性ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレン系樹脂とを含み、特定の粘着力を有する弱粘着性フィルム単層からなる保護フィルム、あるいは、上記弱粘着性フィルムに基材層が積層された積層構造の保護フィルムのいずれであってもよい。したがって上記弱粘着性フィルムは、「本発明である弱粘着性フィルム」または「本発明における弱粘着性フィルム」のいずれかであるが、下記説明においては、便宜的に、上記弱粘着性フィルムを「本発明における弱粘着性フィルム」という場合がある。
<単層の保護フィルムについて>
本発明の保護フィルムは、上述のとおり弱粘着性フィルム単層から構成することができる。本発明における弱粘着性フィルムであれば、粘着力が非常に小さい範囲に抑えられているので、自己内で接着して剥がれ難い状況になることがなく、セパレータあるいはこれにかわる基材層を設けずとも、スムーズにロール状に巻取ることができ、一定時間経過後のロール解反性も良好である。したがって、取扱いも容易であって、基材層やセパレータの費用を削減することもできる。但し、上記記載は本願発明を何等制限するものではなく、弱粘着性フィルム面にセパレータが用いられて形成された保護フィルムを本発明から除外する意味ではない。後述する積層構造の保護フィルムについても同様である。
弱粘着性フィルム単層の保護フィルムの厚さは、用途に応じて適宜決定することできるが、一般的には、0.01mm〜0.25mm程度あることが好ましい。0.01mm未満であるとフィルム成形が難しく、0.25mmを超えるとフィルムのコシが大きくなり被保護面との間にエアが入り、浮きが生じやすくなる。
<積層構造の保護フィルムについて>
一方、本発明における弱粘着性フィルムにさらに基材層を積層させて、積層構造の保護フィルムとすることもできる。基材層を積層させるか否かは、用途などによって適宜決定することができる。従来の保護フィルムでは、粘着層と基材層とを積層させる場合であっても、粘着層と基材層の材質によっては、ロール状に巻き取った場合に当接する粘着層表面と基材層表面とが接着して離れがたい状態になってしまうので粘着層の上面にセパレータを設けなければならない場合があった。しかしながら、本発明における弱粘着性フィルムの粘着力は非常に小さいので、ロール状に巻き取った場合に、弱粘着性フィルムと基材層とが接着してロール解反性が不良となることがなく、セパレータの存在を必須としない。
弱粘着性フィルムと基材層との積層構造である本発明の保護フィルムの厚さは、用途に応じて適宜決定することができるが、一般的には、0.01mm〜0.25mm程度あることが好ましい。また弱粘着性フィルムと基材層との厚さの比は、(弱粘着性フィルム):(基材層)=1:1〜1:16程度であることが一般的には好ましい。基材層厚さ1に対して、弱粘着性フィルムの厚さを1を超えて厚くすることは、良好な粘着力の発揮や被保護面の保護ために十分な厚さを超えて弱粘着性フィルムを成形することになり、経済的に不利益が生じる虞がある。一方、基材層の厚さは、弱粘着性フィルムの厚さ1に対して、16を超えて厚くすると、保護フィルム全体としての製膜性が劣る結果となるため好ましくない。
尚、基材層の両面に弱粘着性フィルムを積層し、3層構造とする保護フィルムであってもよい。
(非晶性ポリプロピレン系樹脂について)
本発明において用いられる非晶性ポリプロピレン系樹脂とは、主としてアタクチックな立体規則性を有するポリプロピレンポリマーが主成分である樹脂をいい、具体的には、ホモポリマーあるいは、α―オレフィンとのコポリマーが挙げられる。特に後者、即ち、非晶性ポリプロピレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
上記非晶性ポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレン重合の際、アイソタクチックポリプロピレンの副産物として製造される。ガラス転移温度が一般のポリプロピレンと比べると低いため、ホモポリプロピレンの沸騰n−ヘプタン(またはキシレン)可溶分として抽出することができる。あるいは、結晶性ポリプロピレンとは、触媒及び重合条件を変えて独立して重合することも可能である。本発明に用いられる非晶性ポリプロピレン系樹脂は、従来公知の製造方法により製造されたものであれば特に限定することなく使用することができる。また該当する好適な市販品があれば、市販品を適宜選択の上、使用することができる。
本発明における非晶性ポリプロピレン系樹脂として非晶性ポリプロピレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合、該α−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル・1−ペンテン、あるいはプロピレン―エチレン−1−ブテンなどが望ましい。
またこのようなα−オレフィンを用いた非晶性ポリプロピレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・環状オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン・ブタジエン共重合体などが挙げられる。
(結晶性プロピレン系樹脂について)
本発明に用いられる結晶性プロピレン系樹脂とは、アタクチックな立体規則性を有するポリプロピレンポリマーが主成分のもの以外のプロピレン系樹脂であれば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、3元共重合ポリプロピレン等のいずれのものを用いてもよい。特に、アイソタクチック及び/またはシンジオタクチックな立体規則性を有するポリプロピレンを主成分とするポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられるが、ここに数重量%のアタクチックポリプロピレン系樹脂が含まれていてもよい。また本発明において用いられる結晶性プロピレン系樹脂は1種だけでもよく、あるいは2種以上の組み合わせで用いることもできる。
上記結晶性プロピレン系樹脂の具体例としては、プロピレンの単独重合体、あるいはポリプロピレンを主成分とし、これをα−オレフィン、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のエステル、酸無水物、金属塩等の誘導体、不飽和物のアミド、アミノ化合物、グリシジルメタアクリレート、ヒドロキシメタアクリレート等により変性したものを用いてもよい。上記α−オレフィンによる変性プロピレン系樹脂としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等により変性されたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体またはプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体が挙げられる。本発明に用いられる結晶性ポリプロピレン系樹脂は、従来公知の製造方法により製造されたものであれば特に限定することなく使用することができる。また該当する好適な市販品があれば、市販品を適宜選択の上、使用することができる。
上述のとおり、本発明における弱粘着性フィルムは、非晶性ポリプロピレン系樹脂と、結晶性ポリプロピレン系樹脂という、いずれもポリプロピレン系の樹脂を用いて組み合わせることにより構成されるため、両者の相溶性が良く、フィルム外観の優れたフィルムを成形することが可能である。
本発明における弱粘着性フィルムは、少なくとも上記非晶性ポリプロピレン系樹脂と上記結晶性ポリプロピレン系樹脂とを含んで構成される。上記非晶性ポリプロピレン系樹脂及び上記結晶性ポリプロピレン系樹脂の配合量は、求められる粘着力、あるいはさらに求められる他の物性、用いられる具体的な樹脂の種類など種々の条件を勘案して適宜決定することができる。ただし、前記非晶性ポリプロピレン系樹脂を7.5重量%以上50.0重量%以下、前記結晶性ポリプロピレン系樹脂を50.0重量%以上92.5重量%以下とすることにより、良好に、本発明において特定する粘着力の備えるフィルムを形成することができるので好ましい。
上記弱粘着性フィルムにおける非結晶ポリプロピレン系樹脂は、主として本発明における弱粘着性フィルムの粘着力を支持する要因となり、この配合量が7.5重量%未満であると製膜したフィルムの粘着力が乏しく、弱粘着性フィルムの表面の粘着力が0.015N/25mm未満となる虞がある。また非結晶ポリプロピレン系樹脂の配合量が50.0重量%を超えると、弱粘着性フィルムの表面における粘着力が所望の範囲を超えキャストロールへの「とられ」が発生しフィルム成形が困難となる虞がある。
一方、結晶性ポリプロピレン系樹脂は、上記非晶性ポリプロピレン系樹脂を希釈して、該非晶性ポリプロピレン系樹脂により発揮される粘着力を調整する役割を主として担い、この配合量が、全体として、50.0重量%未満となると、本発明における弱粘着性フィルムの弱粘着性として所望の上限範囲内に粘着力を抑えることが難しく、また92.5重量%を超えると、これに対して配合される非晶性ポリプロピレン系樹脂の量が少なくなり、フィルムの粘着力が乏しくなる虞がある。尚、上記非晶性ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレン系樹脂の配合量を規定する上記本発明は、その他の添加成分の配合を否定するものではない。上記非晶性ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレン系樹脂の好ましい配合量の範囲内において、その他の添加成分を適宜添加することができる。
上記非晶性ポリプロピレン系樹脂と、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂とを少なくとも含んで構成されるフィルム材料において含有され得るその他の添加成分として、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤などの各種添加剤、炭酸カルシウム、タルク、マイカなどの無機充填剤等を効果的かつ支障とならない範囲で添加してもよく、顔料、染料などを添加することによってフィルムを着色してもよい。特に、帯電防止性を付与する際には、例えば、一般に市販されているポリエーテル系帯電防止剤を添加することが好ましい。この場合、上記非晶性及び結晶性ポリプロピレン系樹脂組成物の総量100重量部に対し、例えば5〜56重量部添加すればよい。
ただし、保護フィルムは、被保護面に貼り付けられた状態で、さらに高温条件下での加工工程に付され、あるいは高温環境下で保管される場合があり、このような悪条件下では、保護フィルム構成成分がフィルムから被保護面に滲み出て汚染してしまう虞がある。かかる観点からは、保護フィルムを構成する成分は、なるべく少ないほうがよく、弱粘着性フィルムにおいて、粘着力に関与する構成成分としては、実質的に非晶性ポリプロピレン系樹脂及び結晶性ポリプロピレン系樹脂のみに限定されることが好ましい。
(基材層について)
本発明における基材層は、従来から各種フィルムあるいはシートなどの基材層を構成する材料として知られる公知の材料を適宜選択して用いることができる。ここで、従来の保護フィルムでは、ポリプロピレン系樹脂を主たる樹脂として構成される粘着層に、ポリプロピレン系樹脂より構成される基材層を用いて粘着面を有する保護フィルムを形成すると、該フィルムをロール状に成形した際に、必要以上に粘着層表面とこれに重なる基材層とが接着してしまいロール解反性が不良となる虞があった。そこで基材層と粘着層とを同系統の樹脂で構成する場合には、通常、粘着層面にセパレータを設けることでロール解反性が不良となることを防止することが一般的であった。
これに対し、本発明における弱粘着性フィルムは粘着力が非常に小さいため、ロール状に巻き取られた場合に、セパレータを用いずとも弱粘着性フィルム面とこれに重なる基材層とが離れ難い程度に接着してしまう虞がない。したがって、積層構造を有する本発明の保護フィルムは、従来の保護フィルムに比べて基材層の材料の選択範囲が広いというメリットを有する。
より具体的には、本発明における基材層を構成する材料としては、プロピレン単独重合体、あるいはプロピレンを主成分とし、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等のオレフィンとの共重合体又は多元重合体、あるいはプロピレンと(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等との共重合体又は多元重合体が挙げられ、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また本発明における基材層を構成する別の材料の例としては、エチレン単独重合体、あるいはエチレンを主成分とし、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等のオレフィンとの共重合体又は多元重合体、あるいはエチレンと(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等との共重合体又は多元重合体が挙げられ、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。尚、上記(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/またはメタクリル酸を意味する。
<保護フィルムの製造方法について>
本発明の保護フィルムの製造方法としては、基板上、あるいは予め成形した基材層上に、弱粘着性フィルム材料を塗布して乾燥させることにより、弱粘着性フィルム単層よるなり保護フィルム、あるいは基材層と弱粘着性フィルムとが積層された積層構造の保護フィルムを成形することができる。
また別の製造方法としては、溶融押出成形法が採用される。溶融押出成形方法としては、所謂インフレーション法、Tダイ法などがあり、弱粘着フィルム単層を押出成形することによって単層の保護フィルムを形成することもできるし、基材層構成材料をさらに用いて、共押出積層方法により積層構造の保護フィルムを成形することができる。あるいはまた、所謂カレンダー法によって製造してもよい。
上記保護フィルムの製造方法のうち、特に溶融押出成形方法は、低コストで本発明のフィルムを製造することができ好ましい方法である。一般的に、2種以上の樹脂を用いて押出成形方法によりフィルム成形する際には、各樹脂を含有する組成物をそれぞれ選択し、あるいは調製し、その複数の組成物を溶融混練してフィルム成形用材料を調整した後、これを押出成形機などに供することによりフィルムを成形する。
本発明において、特に押出成形方法により弱粘着性フィルムを成形する製造方法としては、非晶性ポリプロピレン系樹脂を含有する組成物Aと、結晶性ポリプロピレン系樹脂組成物Bとを選択し、これを押出成形機で溶融混錬した後、押出し成形する方法が挙げられる。ここで、弱粘着性フィルム単層からなる本発明の保護フィルムにおいては、上述する弱粘着性フィルムの製造方法が、即ち本発明のフィルムの製造方法に該当する。また弱粘着性フィルムにさらに基材層が積層されてなる本発明の保護フィルムの製造方法としては、上述のとおり弱粘着性フィルムを溶融押出し成形する際に、同時に基材層構成樹脂を用い、共押出し成形する方法を採用するこができ、また別の方法として、上述の方法により単層で成形された弱粘着性フィルムと、別途、成形された基材層フィルムを用い、両者を積層させて製造する方法を採用することもできる。
上記弱粘着性フィルムの製造方法において、非晶性ポリプロピレン系樹脂を含有する組成物Aのメルトフローレイト(Melt Flow Rate:以下、「MFR」ともいう。)と、結晶性ポリプロピレン系樹脂組成物BのMFRとの差が10以内となるように、用いられる組成物A及びBを選択することにより、押出成形時に、弱粘着性フィルム材料の流れムラが発生せず、均一な製膜が可能であり、フィルム表面の外観が優れた弱粘着性フィルムを製造することができるので好ましい。
本発明におけるMFRは、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.2Nの条件で、例えば、(株)テクノ・セブン製 商品名“卓上メルトインデクサL260”などの測定装置にて求めることができる。
上記押出成形方法により、押出機より押出されたフィルムは、続いて巻取りロールに巻き取って、ロール状に成形することができる。本発明の保護フィルムは、弱粘着性フィルムの粘着力が非常に小さいので、ロール状に巻き取る際に弱粘着性フィルム面にセパレータを設ける必要がなく、押出されたフィルムのみをロールに巻き付けることができる。
<本発明の保護フィルムの使用方法>
本発明は、任意の被保護面の保護を目的として、自己粘着性により該被保護面に貼り付けられ、且つ、保護が必要となくなった後、剥離されることを予定するものである。したがって、弱粘着性フィルム面が被保護面に当接されて自己粘着性により貼り付けられることによって保護が達成されるのであれば、いずれの方法によって本発明の保護フィルムを被保護面に貼り付けてもよい。
例えば、自動ラミネート装置によって、被保護面上に重ねられた保護フィルム上面から圧力をかけることにより、良好に保護フィルムを被保護面貼り付けることができる。このときの圧力は、本発明における弱粘着性フィルムの表面の粘着強度と、被保護面の材質や性状などにより適宜決定される。このようにして被保護面に貼り付けられた保護フィルムは、該被保護面を有する被保護体がさらに製造工程に付され、あるいは運搬された場合であっても該被保護面から自然に剥がれ落ちる虞がない。そして被保護面より剥離する際には、フィルム伸びが生じることなく容易に剥離することができるので、被保護面は清浄な状態で維持される。
以下に本発明の保護フィルムの実施例について記載するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、12、13)
弱粘着性フィルムを構成する樹脂材料として、下記に示す、非晶性プロピレン系樹脂を含有する樹脂組成物Aと、結晶性ポリプロピレン系樹脂を含有する樹脂組成物Bとを、表1に示す割合にて混合し、温度200℃にて押出機(サーモプラスチックス工業(株)製 商品名“テストφ40mm押出機”)を用いて、幅寸法30cm、厚さ50μmの単層の粘着フィルムのみからなる保護フィルムを成形し、実施例1〜6、12、13とした。次いで、テスト押出機より押出された保護フィルムの一部を、後述する評価(1)、(2)及び(6)に供するための試料として適当な大きさに採取し、続いて、評価(3)及び(4)のためにフィルムをロール状に巻き取った。尚、表1中の数字はいずれも重量%を示す。後述する表2についても同様である。
(実施例7〜11
弱粘着性フィルムを構成する樹脂材料として、下記に示す、非晶性プロピレン系樹脂を含有する樹脂組成物Aと、結晶性ポリプロピレン系樹脂を含有する組成物Bとを、表1に示す割合にて調整した。また、基材層を構成する樹脂材料として下記に示す基材層構成樹脂を表1の割合で用いた。そして、これらの樹脂材料をそれぞれ表1に示す組み合わせ及び割合で用い、温度200℃にて、テスト押出機(サーモプラスチックス工業(株)製 商品名“テストφ40mm押出機”)により、厚さ20μmの粘着性フィルムと、厚さ30μmの基材層とを共押出成形によって積層させ、幅寸法30cm、厚さ50μmの2層構造の保護フィルムを成形し、実施例7〜11とした。次いで、テスト押出機より押出された保護フィルムの一部を、後述する評価(1)、(2)及び(6)に供するための試料として採取し、続いて評価(3)及び(4)のために、フィルムをロール状に巻き取った。
(比較例1)
実施例1の方法と同様に、表2に示す樹脂材料の組み合わせ及び割合にて、粘着性フィルムを成形し比較例1とした。
(比較例2)
比較例1と同様に粘着性フィルムを成形し、押出成形機により押出されたフィルムの片側一面に、厚さ25μmPETセパレーターを設けラミネートする事によりフィルムを成形し比較例2とした。
(比較例3及び4)
表2に示す組み合わせ及び割合にしたがって、組成物A及びBのかわりに樹脂組成物Cを用いたこと以外は、実施例7と同様に、2層構造の保護フィルムを成形し、比較例3及び比較例4とした。
(比較例5)
表2に示す組み合わせ及び割合にしたがって、組成物A及び組成物Bに加えて、第三成分として樹脂組成物Cを用いること以外は、実施例7と同様に、粘着性フィルムと基材層とよりなる2層構造の保護フィルムを成形し比較例5とした。
<表1及び表2に記載の使用材料>
表1及び表2に記載の使用材料について、以下に詳細を記載する。
(樹脂組成物A)
非晶性プロピレン系樹脂を含有する組成物(表中では「非晶性PP」と略して記載する)として以下の化合物を使用した。
・非晶性PP1:タフセレンT3712 、MFR=3、非晶性PP:結晶性PP=85:15(重量%)(住友化学(株)社製)
・非晶性PP2:タフセレンT3732、MFR=3、非晶性PP:結晶性PP=50:50(重量%)(住友学(株)社製)
・非晶性PP3:タフセレンT5222 、MFR=10、非晶性PP:結晶性PP=70:30(重量%)(住友化学(株)社製)
・非晶性PP4:VISTMAXX VM1100、MFR=3、非晶性PP:結晶性PP=80:20(重量%)(エクソンモービル社製)
(樹脂組成物B)
結晶性プリプロピレン系樹脂を含有する組成物(表中では「結晶性PP」と略して記載する)として以下の化合物を使用した。
・結晶性PP1:WINTEC WFX6、MFR=2 (日本ポリプロ(株)社製)
・結晶性PP2:WINTEC WFX4、MFR=7 (日本ポリプロ(株)社製)
・結晶性PP3:S131、MFR=1.2(住友化学(株)社製)
・結晶性PP4:ノバテック FL02A、MFR=20(日本ポリプロ(株)社製)
・結晶性PP5:ノバテックFL03H、MFR=25(日本ポリプロ(株)社製)
(樹脂組成物C)
比較例における粘着フィルムを構成するための樹脂組成物Cとして、以下に示す化合物を使用した。
・EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体):エバフレックスEV450「酢酸ビニル含有量19%」(三井デュポンポリケミカル(株)社製)
・スチレン系ブロック共重合体:タフテックH1221「スチレン含有量13%」(旭化成ケミカルズ(株))
(基材層構成樹脂)
積層構造の保護フィルムにおける基材層を成形するために、基材層構成樹脂として以下に示すポリエチレン(表中、「PE」と略)またはポリプロピレン(表中、「PP」と略)の化合物を使用した。
・PE1:ペトロセン180(東ソー(株)社製)
・PE2:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)社製)
・PP1:WINTEC WFX6、MFR=2 (日本ポリプロ(株)社製)
・PP2:WINTEC WFX4、MFR=7 (日本ポリプロ(株)社製)
・PP3:S131、MFR=1.2(住友化学(株)社製)
<実施例1〜13及び比較例1〜5の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜5について、(1)粘着力、(2)剥離時のフィルム伸び、(3)ロール解反性、(4)成形性、(5)酢酸臭気の有無、(6)フィルム外観を下記の方法で評価した。
(1)粘着力
アクリル樹脂板を被保護面として用い、以下のとおり試験を行った。アクリル樹脂板の試験面は、油、誇り、粉などの表面の汚れをとるため乾布で充分に清掃した後使用した。試験片は、テスト押出機より押出されたフィルムを、幅方向に25mm、長さ方向に100mmの寸法でカットして作成した。試験片の貼付けは、水平姿勢に配置したアクリル樹脂板の上面に粘着フィルムと該アクリル樹脂板とが対面する向きで試験片を重ね、該試験片の上面において、5880N/mの圧力のかかったゴムロール(ゴム硬度80度;ショアーゴム硬度計にて測定)を当て、2m/分の速度で移動させて圧着させることにより行った。貼付けた試験片を30分放置後、試験片をアクリル樹脂板に対して水平方向(180度剥離)に200mm/分の速度で剥離した時の剥離力を6回測定し、その平均値を粘着力とした。
(2)剥離時のフィルム伸び
上記(1)と同様にアクリル樹脂板に試験片を貼り付け、30分放置後、試験片の長手方向の向きであってアクリル樹脂板に対し水平方向(180度剥離)に200mm/分の速度で剥離した後、剥離後の試験片の長手方向の寸法を測定し、試験前の長手方向の寸法(100mm)に対するフィルムの伸び率(%)を算出した。
(3)ロール解反性
テスト押出機から押出されたフィルムを、ロール状に巻き取り、室温において放置し、24時間経過後に、ロール状のフィルムを手で解反した際の解反性を、以下のとおり評価した。
力を入れることなく容易に解反でき、解反後のフィルム表面の外観が良好であった・・・・・○
力を入れても剥がせない、もしくは剥がれるがフィルム同士に接着が認められ剥がされたフィルム表面の外観が不良であった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
(4)成形性
テスト押出機で押出されたフィルムをロールで巻き取る巻取り工程において、巻取りロールの手前に設置されるキャストロールに保護フィルムをキャストした際、保護フィルムの弱粘着性フィルム面が該キャストロール表面に接着する、所謂「とられ」の発生の有無を目視で確認し、以下のとおり評価を行った。
キャストロールへのとられが発生しなかった・・・・・○
キャストロールへのとられが発生した・・・・・・・・×
(5)酢酸臭気の有無
フィルム成形工程中に、酢酸臭気を感じるか否かを確認し、以下のとおり評価した。
酢酸臭気が確認されなかった・・・・・○
酢酸臭気が確認された・・・・・・・・×
(6)フィルム外観
テスト押出機で押出されたフィルムについて、20cm×20cmの試料についてその表面(保護フィルムが粘着フィルムと基材層との積層構造の場合には、粘着フィルムの表面)外観を目視で観察し以下のとおり評価した。
均一に製膜されており表面外観が良好であった・・・・・・・・・○
流れムラが確認され、外観上、不良な箇所が確認された・・・・・×
上記評価1〜6の結果について、実施例に関する評価結果を表1に、比較例に関する評価結果を表2に示した。
上記評価(1)の結果、実施例はいずれも粘着力が0.015N/25mm〜0.5N/25mmの範囲内の非常に弱い粘着力を示した。一方、比較例は、粘着フィルムを構成する樹脂としてEVAを用いた比較例3以外は、いずれも2N/25mm以上の高い粘着力を示した。そして、粘着フィルムの粘着力が起因すると思われる剥離時のフィルム伸び評価(評価2)において、上記粘着力の高かった比較例はいずれも有意なフィルムの伸びが確認され、被保護面への糊残りによる汚染が示唆された。
またロール解反性評価(評価3)においても、実施例はいずれも良好な解反性が確認されたが、評価1において粘着力が高かった比較例1、2、4及び5のうち、セパレータが設けられた比較例2以外は、いずいれもロール解反性が不良であった。
またEVAにより粘着フィルムを構成した比較例3は、粘着力、ロール解反性などの評価においては良好な結果が示されたが、従来から問題となっていたフィルム製造工程中の酢酸臭が確認された(評価5)。
尚、評価6としてフィルム外観(粘着フィルム表面の外観)を評価した結果、実施例12、13において不良な箇所が見られた。これは、粘着フィルムを構成する樹脂組成物として用いた組成物A及び組成物BのMFR値の差が10を超えていたため、粘着フィルムを押出し成形する際に、組成物の流れムラが発生し均一な製膜が困難となり、その結果、外観上不良部位が形成されたものと推察される。
Figure 0005371206
Figure 0005371206

Claims (3)

  1. 面の粘着力が0.015N/25mm以上、0.5N/25mm以下である弱粘着性フィルムからなり、
    前記弱粘着性フィルムは、非晶性ポリプロピレン系樹脂を少なくとも含有する組成物Aと、結晶性ポリプロピレン系樹脂を少なくとも含有する組成物Bとを用いて成形されるフィルムであり、
    前記組成物AのMFRと前記組成物BのMFRを、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定した場合に、前記組成物AのMFRと前記組成物BのMFRとの差が10以下である、ことを特徴とする保護フィルム。
  2. 前記弱粘着性フィルムにおいて、前記非晶性ポリプロピレン系樹脂が7.5重量%以上、50.0重量%以下及び前記結晶性ポリプロピレン系樹脂が50.0重量%以上、92.5重量%以下の割合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の弱粘着性フィルムに基材層が積層されていることを特徴とする保護フィルム。
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