JP5477211B2 - 偏光シート積層体 - Google Patents
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Description
このような偏光子を挟持する光透過性基材としては、従来、透明性が優れ、かつ、屈折率の異方性が小さいことから、セルロース系フィルム、特にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような両面に離型フィルムが貼着された偏光素子は、不要な離型フィルムを削減できないためコスト面で不利なだけでなく、離型フィルムを除去する工程が偏光素子の表裏面で2回必要となるため、静電気により異物が混入するリスクが高くなり、更には、液晶セルへの貼着処理を連続的に行うことができないという問題があった。
本発明の偏光シート積層体において、上記剥離強度P1の標準偏差をσ1、剥離強度P2の標準偏差をσ2としたとき、下記式(1)を満足することが好ましい。
P1+σ1<P2−σ2 式(1)
また、上記剥離強度P1、該剥離強度P1の標準偏差σ1、剥離強度P2及び該剥離強度P2の標準偏差σ2が、下記式(2)を満足することが好ましい。
P1+3×σ1<P2−3×σ2 式(2)
また、上記機能層は、離型層(B)と接する面にハードコート層を有することが好ましい。
また、本発明の偏光シート積層体は、紙巻に巻き取られたロール状であり、上記紙巻の直径が、上記ハードコート層のマンドレル試験を満足する直径以上であることが好ましい。
また、上記ハードコート層の離型層(B)と接する面に反射防止層及び又は防汚層を有することが好ましい。
また、上記機能層は、ハードコート層と接着層との間に、更に機能付与層を有することが好ましい。
また、上記機能付与層は、拡散層、帯電防止層及び透湿層からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記透明フィルム及び離型層(B)からなるシートは、波長300〜400nmの紫外線領域における光の透過率が20%以上であることが好ましい。
また、上記離型層(B)は、透明フィルムにフィラーを含有する塗液を塗布して形成した塗膜を硬化してなり、上記機能層側の表面に凹凸形状を有することが好ましい。
また、上記接着層は、紫外線硬化性能を有する接着剤を用いて形成された層であることが好ましい。
また、上記接着剤は、水系の接着剤であり、上記偏光子保護層及び/又は機能層は、透湿性を有することが好ましい。
また、上記接着層は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
また、機能層及び接着層からなるシートは、波長380nmの紫外線領域における光の透過率が20%未満であることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
図1は、上記偏光シートの一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の偏光シート積層体を構成する偏光シート10は、偏光素子20の上に離型フィルム21が設けられている。
また、偏光素子20は、粘着層18、偏光子保護層17、偏光子16、接着層15及び機能層14がこの順に積層された構造を有し、離型フィルム21は、離型層(B)13、透明フィルム12及び離型層(A)11がこの順に積層された構造を有する。
すなわち、偏光素子20及び離型フィルム21は、偏光素子20の機能層14と離型フィルム21の離型層(B)とが当接して密着されている。
本発明の偏光シート積層体は、図2に示すように、図1に示した構成の偏光シート10が複数層重畳された構造を有する。すなわち、第N層の偏光シートにおける、離型層(A)が第N+1層の粘着層と密着し、粘着層が第N−1層の離型層(A)と密着して重畳され、本発明の偏光シート積層体を構成している。
なお、図2は、本発明の偏光シート積層体の一部を模式的に示す断面図である。
このような本発明の偏光シート積層体は、図3に示すように液晶表示素子を構成する液晶セルの観察者側への偏光素子の貼着を、転写タイプとして行うことが可能となる。
なお、図3は、本発明の偏光シート積層体を用いて液晶セルに偏光素子を貼着する様子を説明する模式図である。
すなわち、まず、偏光シート積層体の最外層の偏光シートを、粘着層18と該偏光シートの下に重畳された偏光シートの離型フィルム(離型層(A))との界面で剥離させて取り出し、粘着層18が露出した偏光シートを用意する。
次に、取り出した偏光シートの粘着層18を、液晶セル2の上面に密着させる。
その後、偏光シートから離型フィルム(離型層(A)11、透明フィルム12及び離型層(B)13)を、機能層14と離型層(B)13との界面で剥離させる。
このように、本発明の偏光シート積層体を用いることで、液晶セルの観察者側への偏光シートの貼着を転写タイプとして行うことができる。
なお、上記「剥離強度P1」とは、1m幅のロール状に巻き取られた偏光シート積層体の幅方向5等分及び長さ方向1mを5等分した部位の中心から各々50mm幅、長さ150mmの測定試料を採取し、25℃の恒温室で、引張試験機にて、剥離角度180度、剥離速度は300mm/分で離型層(A)と粘着層との間の剥離強度を測定して求めた平均値を意味する。また、上記「剥離強度P2」とは、上記剥離強度P1と同じ測定試料を用いて同条件で離型層(B)と機能層との間の剥離強度を測定して求めた平均値を意味する。
上記離型剤としては、例えば、一般的にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等が用いられる。
具体的には、例えば、シリコーン樹脂の場合には、剥離力調節添加物として、非官能性及びビニル官能性のシリコーン樹脂を使用する方法が知られている。
また、ビニル官能性シリコーンとSiH官能性シリコーン架橋剤との、樹脂及び/又は液体混合物は、貴金属触媒の存在下で、公知のヒドロシリル化付加反応により硬化するが、各剥離層の主成分に添加されるビニル官能性シリコーン樹脂の量を変化させることで、様々な水準の剥離力が得られる。
更に、上記離型層(A)と粘着層との剥離強度は、該粘着層の粘着剤中に配合される架橋剤の量によっても調整できる。具体的には、架橋剤の配合量を多くすることによって上記離型層(A)と粘着層との剥離強度を小さくすることができ、架橋剤の配合量を少なくすることによって上記離型層(A)と粘着層との剥離強度を大きくすることができる。
P1+σ1<P2−σ2 式(1)
上記式(1)を満足することで、本発明の偏光シート積層体から偏光シートを取り出し粘着層を露出させる際に、機能層14と離型層(B)13との間に生じる歪や浮きの発生を防ぎ、離型フィルム21を剥離した時に生ずる恐れのある上記剥離マークの発生を防止するとともに、粘着層を安定して露出させることができる。
P1+3×σ1<P2−3×σ2 式(2)
上記式(2)を満足することで、上記剥離マークの発生を確実に防止することが可能となる。
上記離型層(A)は、本発明の偏光シート積層体において、離型フィルムの最上層にあって、該離型フィルムの上方に積層された偏光シートの粘着層と密着し、かつ、該粘着層との界面で剥離する離型性を有する層である。
このような離型層(A)に使用される樹脂としては、例えば、上述した離型性を有するものであれば特に限定されず、例えば、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が使用でき、なかでも、上述した離型性の点からメラミン系樹脂がより好ましい。
上記離型層(A)の厚さのより好ましい下限は0.01μm、より好ましい上限は0.5μmである。離型層(A)の厚さがこの範囲にあることで、均質で滑り性等の問題のない離型層(A)が得られる。
なお、これらの材料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートにポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体がブレンドされていてもよい。
更に、上記透明フィルムは、上述した材料からなるプラスティックフィルムが2種又はそれ以上のものが積層された複層フィルムであってもよい。
また、上記透明フィルムの表面は平滑であっても凹凸を有していても良い。該凹凸を機能層に転写することで容易に機能層に反射防止機能を持たせることが出来るからである。
上記透明フィルムの厚さのより好ましい下限は25μm、より好ましい上限は75μmである。透明フィルムの厚さがこの範囲にあることで、押し跡等の問題が無く、ハンドリング性に優れ、またコスト面でも適正な積層体を得ることができる。
上記離型層(B)は、上記透明フィルムにフィラーを有する塗液又はフィラーを有さない塗液を塗布して形成した塗膜であることが好ましく、該塗膜を硬化してなる層であることがより好ましい。
また、上記フィラーは、無機系、有機系いずれのものであってもよいが、好ましくは透明性のものである。透明性を有することで液晶セルとの貼合工程の調整や検査が容易となる。
なお、本発明において、上述した離型層(A)及び離型層(B)は、同じ樹脂成分を含んでいてもよく、異なる樹脂成分を含んでいてもよい。但し、上記離型層(A)と離型層(B)とが同じ樹脂成分を含み、離型層(B)が上述したフィラーを含まない層である場合、上述した離型剤の種類を変える等の方法により、離型層(A)と粘着層との剥離強度P1より、上記離型層(B)と機能層との剥離強度P2が大きくなるように調整される。
上記粘着層を構成する粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、又は、これらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファーシアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系接着剤が挙げられる。
また、上記粘着剤層が、使用時にイソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤等を添加して架橋する、所謂二液架橋型粘着剤を使用して形成することもできる。
また、上記粘着剤層としてヒートシール剤を使用してもよく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体、セルロース誘導体、ポリメチルメクタリレート、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー、又は、反応ホットメルト系樹脂等が挙げられる。
また、上記粘着層はリワーク性を有することが好ましく、貼合時に不具合が生じた場合には例えば熱や放射線を照射して粘着剤を硬化させ粘着力を減少させることによりリワークをより容易に行うことが可能となる。
上記粘着層の厚さのより好ましい上限は50μmであり、さらに好ましい上限は30μmである。
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
上記水系の接着剤とは、水溶液、或いは水分散エマルション等の形で液状化して塗工し、水を乾燥させて固化し接着する形態の接着剤をいう。
上記水系の接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。また、これら水系の接着剤を用いて形成された接着層は、イソシアネート等の架橋剤で架橋され、架橋された水系接着剤層として形成されるものでもよい。
上記接着剤を用いた接着層の形成は、上記偏光子上に、上記接着剤を公知の塗工法等で塗工する方法が挙げられる。
ここで、上記「透湿性を有する」とは、透湿度が、100g/m2・24hr(40℃、90%RH、30μm)以上であることをいい、500g/m2・24hr(40℃、90%RH、30μm)以上であることがより好ましい。
なかでも、本発明の偏光シート積層体において、上記機能層としては、上述した剥離層(B)と接する面にハードコート層を有することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性のという観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は2質量部であり、より好ましい上限は8質量部である。上記光重合開始剤の含有量がこの範囲にあることで、硬化不良を起こさず、また未反応物も発生しにくくなる。
上記溶剤としては、使用する樹脂成分の種類に応じて選択して使用することができ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよい。
ここで、本発明の偏光シート積層体において、上記機能層は、通常の偏光素子を構成し、液晶セルと反対側の面に設けられる偏光子保護層であるトリアセチルセルロースフィルムを用いる必要がない。これは、上記偏光シートを液晶セルに貼合した後、離型フィルムを剥離するので、上記機能層が、上記通常の偏光素子を構成し、液晶表示セルは反対側の面に設けられる偏光子保護層の機能を兼用するからである。
よって、本発明の偏光シート積層体は、上記偏光素子の薄膜化を図ることができる。
本発明の偏光シート積層体が、このようなロール状であることで、液晶セル2との貼合を連続して行うことができる。
ここで、上記ハードコート層のマンドレル試験を満足する直径とは、JIS−K5600−5−1に準拠して上記ハードコート層のマンドレル試験をしたときに、該ハードコート層にクラックの生じないマンドレル直径を意味する。
上記紙巻としては、紙、プラスチック、金属等が挙げられる。
上記反射防止層としては特に限定されず、例えば、従来公知のものが挙げられる。一般に、反射防止層は少なくとも低屈折率層からなり、更に低屈折率層と(該低屈折率層よりも屈折率が高い)高屈折率層とを交互に隣接積層しかつ表面側を低屈折率層とした多層の層からなるものが挙げられる。
なお、低屈折率層及び高屈折率層の各厚みは、用途に応じた適宜厚みとすればよく、隣接積層時は各々0.1μm前後であり、低屈折率層単独の時は0.1〜1μm程度であることが好ましく、さらには、前記機能層の屈折率を高くしておくことも有効である。
なお、空隙含有微粒子の粒径は、例えば5〜300nm程度である。
上記防汚剤の具体例としては、含フッ素系防汚剤(商品名オプツールDAC、ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。
上記耐汚染層の厚さとしては特に限定されず、例えば、1〜10μm程度であることが好ましい。
上記機能付与層としては、拡散層、帯電防止層、透湿層及び衝撃吸収層からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記帯電防止層は、表示素子に帯電防止機能を付与できると同時に、前述した如く離型層(A)及び離型層(B)での剥離工程においても異物の混入を防止する作用を有する層であり、従来公知の材料からなるものがあげられる。
また、上記透湿層は、接着層に含まれる水分が機能層との界面に溜まることを防ぐ機能を果たす層であり、従来公知の材料からなるものが挙げられる。
また、本発明の偏光シート積層体において、上記機能層が従来のトリアセチルセルロースフィルムの機能を兼用するため、偏光シートの表面に加えられた衝撃が直接偏光子にかかりやすい。このため、上記衝撃吸収層は、上述した偏光シートの表面に加えられた衝撃を吸収する層であり従来公知の弾性率の大きい材料からなる層である。
ここで、本発明では、上述したように、上記偏光シートにおける離型フィルムの離型層(A)と偏光素子の粘着層との剥離強度P1より、離型フィルムの離型層(B)と偏光素子の機能層との剥離強度P2が大きいものであるため、本発明の偏光シート積層体は、上記偏光シートがロール状に巻き取られて重畳された構造とすることができる。
本発明の偏光シート積層体が、ロール状に巻き取られて重畳された構造であることで、液晶セルへの偏光素子の貼合を連続してすることが可能となる。また、剥離強度P1と剥離強度P2とが上記関係を満たすため、偏光素子の液晶セルへの貼着を転写タイプとして行うことができる。
厚さ36μm、幅1mの二軸延伸ポリエステルフィルムに、UV硬化型シリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)100質量部と硬化剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)1質量部を混合したものを1μmの膜厚となるように塗工し、120W/cmのハロゲンランプを用いて、所定の時間硬化し、離型層(A)を設けた。
次いで、アクリルアミド共重合物(日立化成ポリマー社製)50質量部、ポリエステルメラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製)45質量部、シリコーン粒子(粒子径3μm 、G E東芝シリコーン社製)5質量部、パラトルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製)0.5質量部を2μmの膜厚となるように塗工し130℃で熱処理を行い、表面凹凸を有する離型層(B)を設け、離型フィルムを作製した。
次いで、緊張状態に保ったまま、水100質量部あたりホウ酸を7.5質量部及びヨウ化カリウムを6質量部それぞれ含有するホウ酸水溶液に、温度73℃で300秒間浸漬した。その後、15℃の純水で10秒間洗浄した。水洗したフィルムを緊張状態に保ったまま、70℃で300秒間乾燥し、膜厚23μmの偏光子を得た。
次いで、得られた偏光子の一方の面にポリビニルアルコール系接着剤を塗布し、偏光子保護層として表面にケン化処理が施された厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、50℃で5分乾燥して一方に偏光子保護層を設けた偏光子を作製した。
粘着組成物におけるトリレンジイソシアネート付加物の配合量を0.7質量部とした以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る偏光シート積層体を得た。
粘着組成物におけるトリレンジイソシアネート付加物の配合量を0.3質量部とした以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る偏光シート積層体を得た。
離型層(B)の形成に粒子径4.5μmのシリコーン粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る偏光シート積層体を得た。
接着層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例5に係る偏光シート積層体を得た。
粘着組成物におけるトリレンジイソシアネート付加物の配合量を0.1質量部とした以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る偏光シート積層体を得た。
1m幅のロール状偏光シート積層体の幅方向5等分及び長さ方向1mを5等分した部位の中心から各々50mm幅、長さ150mmの測定試料を採取し、離型層(A)と粘着層及び離型層(B)と機能層の剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機にて、剥離角度180度、剥離速度は300mm/分で測定して平均値及び標準偏差(σ)をそれぞれ算出した。
厚さ100μmのポリエステルフィルムに粘着層を介して貼合した後、離型フィルムを剥離した試料を分光光度計にて380nmでの全光線透過率(aa)を測定した。同様に上記ポリエステルフィルムの全光線透過率(bb)を測定し、(aa)/(bb)を機能層と接着層との合計の紫外線透過率とした。
図4に示すように、ロール状偏光シート積層体の第N+1層の偏光シートを咥えジグで挟み、第N+1層の偏光シートの粘着層及び第N層の偏光シートの離型層(A)との間で5m/minの速度で剥離し、40インチ、LCDセルのガラスに第N+1層の偏光シートの粘着層を介して添付した。
次いで図3に示すように離型フィルムを剥離し液晶表示素子とした後、目視にて機能層表面の剥離により生じる欠陥を確認し、以下の基準に従って評価した。
◎:欠陥が存在しない
○:欠陥見えないがヤヤ斑を感じる
△:欠陥があるが苦にならない
×:我慢限以下の欠陥が存在する
剥離マーク評価において離型フィルムの剥離が滑らかに剥離ができるか否かを確認し、以下の基準に従って評価した。
○:非常に滑らかに離型でき、マークも残らない
△:離型が滑らかにできずマークが残るが許容できる
×:離型の滑らかさによらず、許容できないマークが残る
剥離マーク評価において作製した液晶表示素子をサンシャインウェザーメーター500時間、UVカットフィルター無しの条件で強制劣化処理を施した後、白黒の市松模様を表示し、偏光子の強制劣化処理による偏光度の劣化状態を、強制劣化処理を行わなかった表示素子と比較して画像のコントラストの劣化として、以下の基準に従って評価した。
○:コントラストの低下が認識できない
△:コントラストの低下を認識できるが許容できる
×:あきらかにコントラストの低下を認識できる
一方、比較例1に係る偏光シート積層体は、離型層(A)と粘着層との剥離強度P1が、離型層(B)と機能層との剥離強度P2よりも大きく、剥離マークの結果がかなり悪いものであった。
2 液晶セル
10 偏光シート
11 離型層(A)
12 透明フィルム
13 離型層(B)
14 機能層
15 接着層
16 偏光子
17 偏光子保護層
18 粘着層
20 偏光素子
21 離型フィルム
Claims (13)
- 粘着層、偏光子保護層、偏光子、接着層及び機能層がこの順に積層された偏光素子の前記機能層上に、更に、離型層(B)、透明フィルム及び離型層(A)がこの順に積層された離型フィルムが設けられた偏光シートが重畳された偏光シート積層体であって、
前記離型フィルムの離型層(A)と前記偏光素子の粘着層との剥離強度P1より、前記離型フィルムの離型層(B)と前記偏光素子の機能層との剥離強度P2が大きい
ことを特徴とする偏光シート積層体。 - 剥離強度P1の標準偏差をσ1、剥離強度P2の標準偏差をσ2としたとき、下記式(1)を満足する請求項1記載の偏光シート積層体。
P1+σ1<P2−σ2 式(1) - 剥離強度P1、前記剥離強度P1の標準偏差σ1、剥離強度P2及び前記剥離強度P2の標準偏差σ2が、下記式(2)を満足する請求項1又は2記載の偏光シート積層体。
P1+3×σ1<P2−3×σ2 式(2) - 機能層は、離型層(B)と接する面にハードコート層を有する請求項1、2又は3記載の偏光シート積層体。
- 紙巻に巻き取られたロール状であり、前記紙巻の直径が、ハードコート層のマンドレル試験を満足する直径以上である請求項4記載の偏光シート積層体。
- ハードコート層の離型層(B)と接する面に反射防止層及び/又は防汚層を有する請求項4又は5記載の偏光シート積層体。
- 機能層は、ハードコート層と接着層との間に、更に機能付与層を有する請求項4、5又は6記載の偏光シート積層体。
- 機能付与層は、拡散層、帯電防止層、透湿層及び衝撃吸収層からなる群より選択される少なくとも1種である請求項7記載の偏光シート積層体。
- 離型層(B)は、透明フィルムにフィラーを含有する塗液を塗布して形成した塗膜を硬化してなり、機能層側の表面に凹凸形状を有する請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の偏光シート積層体。
- 接着層は、紫外線硬化性能を有する接着剤を用いて形成された層であり、
離型層(A)、透明フィルム、離型層(B)及び機能層からなるシートは、波長200〜400nmの紫外線領域における光の透過率が20%以上である請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の偏光シート積層体。 - 接着層は、水系の接着剤であり、偏光子保護層及び/又は機能層が透湿性を有する請求項10記載の偏光シート積層体。
- 接着層は、紫外線吸収剤を含有する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の偏光シート積層体。
- 機能層及び接着層からなるシートは、波長380nmの紫外線領域における光の透過率が20%以下である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の偏光シート積層体。
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