JP2014134728A - 光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用転写体の製造方法 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用転写体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円偏光板による光学フィルムに関して、配向膜の作成に供する賦型用金型の寿命を延長させる。
【解決手段】直線偏光板5と1/4波長位相差板6との積層による光学フィルム3において1/4波長位相差板6は、透明フィルムによる基材7と、基材7の上に積層された第1の賦型樹脂層9と、賦型処理により第1の賦型樹脂層9の表面に形成された第1の配向膜13と、第1の配向膜13の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第1の位相差層12と、第1の位相差層12の上に形成された第2の賦型樹脂層8と、賦型処理により第2の賦型樹脂層8の表面に形成された第2の配向膜11と、第2の配向膜11の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第2の位相差層10とを備える。第1及び又は第2の賦型樹脂層9、8には、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、円偏光板の機能により反射防止を図る光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用転写体の製造方法に関するものである。
従来、画像表示装置に関して、画像表示パネルのパネル面(視聴者側面)に円偏光板による光学フィルムを配置し、この光学フィルムにより外来光の反射を低減する方法が提案されている。ここでこの光学フィルムは、直線偏光板、1/4波長位相差板により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く1/4波長位相差板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長位相差板により、直線偏光板で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
この光学フィルムに関して、特許文献1等には、1/2波長板、1/4波長板を積層して1/4波長位相差板を構成することにより、正の分散特性による液晶材料を使用して1/4波長位相差板を逆分散特性により構成する方法が提案されている。なおここで逆分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性である。
ところでこの種の1/2波長板、1/4波長板は、配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で、この液晶材料を固化(硬化)させることにより作成することができる。また配向膜は、例えば賦型用金型を使用した賦型処理により、この賦型用金型に作成された微細な凹凸形状を転写して作成することができる。この方法の場合、賦型用金型をロール版により構成して、長尺の透明フィルム材の連続した処理により、円偏光板に係る光学フィルムを効率良く生産することができる。
しかしながらこのような賦型処理により配向膜を作成する場合、生産により賦型用金型が徐々に劣化して配向膜の作成精度が低下し、何れ、賦型用金型が金型寿命を迎えることになる。この配向膜の作成に供する賦型用金型の金型寿命を延ばすことができれば、一段と生産効率を向上することができる。
特開平10−68816号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、円偏光板による光学フィルムに関して、配向膜の作成に供する賦型用金型の寿命を延ばすことができる光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用転写体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、配向膜にレベリング剤を一定範囲で添加することにより、液晶材料の配向を劣化させないようにして離型性を向上させ、金型の劣化を防止する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 直線偏光板と1/4波長位相差板との積層による光学フィルムにおいて、
前記1/4波長位相差板は、
透明フィルムによる基材と、
前記基材の上に積層された第1の賦型樹脂層と、
賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に形成された第1の配向膜と、
前記第1の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第1の位相差層と、
前記第1の位相差層の上に形成された第2の賦型樹脂層と、
賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に形成された第2の配向膜と、
前記第2の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第2の位相差層とを備え、
前記第1及び又は第2の賦型樹脂層には、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている。
(1)によれば、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されていることにより、位相差層における液晶材料の配向を害さないようにして、賦型処理の際の離型性を向上させることができる。
(2) (1)において、
少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記基材より遠ざかるに従って添加量が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された。
(2)によれば、上層を設ける場合の濡れ性の劣化を有効に回避して順次、各層を作成することができる。
(3) (1)において、
少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記基材より遠ざかるに従って添加量と膜厚との乗算値が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された。
(3)によれば、各層の厚みにより各層の表面へ偏析するレベリング剤が変化する場合であっても、上層を設ける場合の濡れ性の劣化を有効に回避して順次、各層を作成することができる。
(4) 支持体基材と、
前記支持体基材の上に積層された第1の賦型樹脂層と、
賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に形成された第1の配向膜と、
前記第1の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第1の位相差層と、
前記第1の位相差層の上に形成された第2の賦型樹脂層と、
賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に形成された第2の配向膜と、
前記第2の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第2の位相差層とを備え、
少なくとも、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層、前記第2の位相差層が転写層であり、
前記第1及び又は第2の賦型樹脂層には、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている。
(4)によれば、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されていることにより、位相差層における液晶材料の配向を害さないようにして、賦型処理の際の離型性を向上させることができる。
(5) (4)において、
少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記支持体基材より遠ざかるに従って添加量が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された。
(5)によれば、上層を設ける場合の濡れ性の劣化を有効に回避して順次、各層を作成することができる。
(6) (4)において、
少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記支持体基材より遠ざかるに従って添加量と膜厚のとの乗算値が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された。
(6)によれば、各層の厚みにより各層の表面へ偏析するレベリング剤が変化する場合であっても、上層を設ける場合の濡れ性の劣化を有効に回避して順次、各層を作成することができる。
(7) 直線偏光板に、(4)、(5)、(6)の何れかに記載の光学フィルム用転写体の前記転写層が積層された光学フィルム。
(7)によれば、転写法により作成する光学フィルムに適用して、位相差層における液晶材料の配向を害さないようにして、賦型処理の際の離型性を向上させることができる。
(8) (1)、(2)、(3)、(7)の何れかに記載の光学フィルムを、画像表示パネルのパネル面に配置した画像表示装置。
(8)によれば、円偏光板の機能により反射防止を図る画像表示装置に適用して、この円偏光板にかかる位相差層における液晶材料の配向を害さないようにして、賦型処理の際の離型性を向上させることができる。
(9) 透明フィルムによる基材の上に第1の賦型樹脂層を作成する第1の賦型樹脂層の作成工程と、
賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に第1の配向膜を作成する第1の賦型処理工程と、
前記第1の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第1の位相差層を作成する第1の位相差層作成工程と、
前記第1の位相差層の上に第2の賦型樹脂層を作成する第2の賦型樹脂層の作成工程と、
賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に第2の配向膜を作成する第2の配向膜作成工程と、
前記第2の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第2の位相差層を作成する第2の位相差層作成工程とを備え、
前記第1の賦型樹脂層の作成工程及び又は前記第2の賦型樹脂層の作成工程は、
フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている塗工液を塗布して前記第1の賦型樹脂層及び又は前記第2の賦型樹脂層を作成する。
(9)によれば、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されていることにより、位相差層における液晶材料の配向を害さないようにして、賦型処理の際の離型性を向上させることができる。
(10) 透明フィルムによる支持体基材の上に第1の賦型樹脂層を作成する第1の賦型樹脂層の作成工程と、
賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に第1の配向膜を作成する第1の賦型処理工程と、
前記第1の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第1の位相差層を作成する第1の位相差層作成工程と、
前記第1の位相差層の上に第2の賦型樹脂層を作成する第2の賦型樹脂層の作成工程と、
賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に第2の配向膜を作成する第2の配向膜作成工程と、
前記第2の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第2の位相差層を作成する第2の位相差層作成工程とを備え、
少なくとも、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層、前記第2の位相差層が転写層であり、
前記第1の賦型樹脂層の作成工程及び又は前記第2の賦型樹脂層の作成工程は、
フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている塗工液を塗布して前記第1の賦型樹脂層及び又は前記第2の賦型樹脂層を作成する。
(10)によれば、転写法にかかる光学フィルム用転写体に関して、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されていることにより、位相差層における液晶材料の配向を害さないようにして、賦型処理の際の離型性を向上させることができる。
本発明は、円偏光板による光学フィルムに関して、配向膜の作成に供する賦型用金型の寿命を延長することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に設けられる光学フィルムの説明に供する図である。 図1の画像表示装置に係る光学フィルムの製造工程を示す図である。 図3の続きを示す図である。 レベリング剤の添加の説明に供する図表である。 本発明の第2実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図6の画像表示装置に設けられる光学フィルムに適用される転写フィルムを示す図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置1は、画像表示パネル2のパネル面(視聴者側面)に、光学フィルム3が配置される。画像表示パネル2は、例えば可撓性を有するシート形状による有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。なお画像表示パネル2にあっては、シート形状による有機ELパネルに限らず、板形状による有機ELパネル、液晶表示パネル等、種々の画像表示パネルを広く適用することができる。
光学フィルム3は、円偏光板の機能により画像表示パネル2に到来する外来光の反射を抑圧する光学フィルムである。このため光学フィルム3は、直線偏光板5、1/4波長位相差板6を積層して構成される。光学フィルム3は、図示しないセパレータフィルムを剥離して感圧接着剤による粘着層4を露出させた後、この粘着層4により、画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられて保持される。
1/4波長位相差板6は、透過光に1/4波長分の位相差を付与して1/4位相差板として機能する位相差層10(以下、1/4波長板用位相差層と呼ぶ)と、透過光に1/2波長分の位相差を付与して1/2位相差板として機能する位相差層12(以下、1/2波長板用位相差層と呼ぶ)との積層体により構成される。これにより1/4波長位相差板6は、カラー画像の表示に供する広い波長帯域で逆分散特性を確保し、光学フィルム3は、広い波長帯域で十分に外来光の反射を抑圧する。
これらにより画像表示装置1では、画像表示パネル2の表示画面側より、順次、1/4波長板用位相差層10、1/2波長板用位相差層12、直線偏光板5が配置される。また図2に示すように、矢印により示す直線偏光板5の透過軸に対して、1/2波長板用位相差層12、1/4波長板用位相差層10の遅相軸(それぞれ矢印により示す)が、それぞれ反時計回りに15度、75度の角度を成すように配置される。
より具体的に、1/4波長板用位相差層10は、面内位相差(Re)が125nm以上、150nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層12は面内位相差(Re)が235nm以上、285nm以下により作成される。これにより光学フィルム3は、直線偏光板5側より入射する可視光域波長域(450〜750nm)の透過光を、楕円率0.8以上の円偏光により出射する。
1/4波長位相差板6は、直線偏光板5側から順に、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層12が、順次基材7上に設けられる。ここで基材7は、透明フィルム材である例えばTAC(トリアセチルセルロース)フィルムにより構成される。
1/2波長板用賦型樹脂層9は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/2波長板用賦型樹脂層9は、賦型処理により表面に微細な凹凸形状が形成され、1/2波長位相差板6は、この1/4波長板用賦型樹脂層9の表面形状により1/2波長板用配向膜13が形成される。
1/2波長板用位相差層12は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、1/4波長位相差板6は、この液晶材料を1/4波長板用配向膜11の配向規制力により配向させる。1/2波長板用位相差層12は、例えばアクリル系等の重合性液晶材料が適用される。
また続いて1/4波長位相差板6は、1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層10が設けられる。1/4波長板用賦型樹脂層8は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なお、この紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/4波長板用賦型樹脂層8は、賦型処理により表面に微細な凹凸形状が形成され、1/4波長位相差板6は、この1/4波長板用賦型樹脂層8の表面形状により1/4波長板用配向膜11が形成される。
1/4波長板用位相差層10は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、1/4波長位相差板6は、この液晶材料を1/4波長板用配向膜11の配向規制力により配向させる。1/4波長板用位相差層10は、例えばアクリル系等の重合性液晶材料が適用される。
ここでこれら1/2波長板用配向膜13及び1/4波長板用配向膜11に係る微細な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が直線偏光板5の透過軸に対して、それぞれ反時計回りに15度、75度の角度を成す方向となるように作成される。
直線偏光板5は、TAC等の透明フィルムからなる基材15の下面側が鹸化処理された後、光学機能層16が配置されて作成される。なお基材15は、これに代えてポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することができる。
光学機能層16は、直線偏光板としての光学的機能を担う部位であり、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。
光学フィルム3は、1/4波長位相差板6において、基材7の直線偏光板5側面が鹸化処理された後、光学機能層16と貼り合わされて作成される。
〔製造工程〕
光学フィルム3は、直線偏光板5の製造工程において、直線偏光板5が作成される。また1/4波長位相差板6の製造工程において、1/4波長位相差板6が作成される。光学フィルム3は、これら光学フィルム3及び1/4波長位相差板6が一体化されて作成される。また画像表示装置1のアッセンブリ工程において、画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられる。
図3及び図4は、この1/4波長位相差板6の製造工程を示す略線図である。この製造工程20は、基材7を供給リール21から引き出し、ダイ22により1/2波長板用賦型樹脂層9に係る紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布する。製造工程20は、この紫外線硬化性樹脂が塗布された基材7を図示しない加熱乾燥工程に搬送し、ここで塗付液に含まれる揮発成分を揮発させて乾燥させることにより1/2波長板用賦型樹脂層9の材料層を作成する。
この製造工程20において、ロール版23は、1/2波長板用配向膜13に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程20は、加圧ローラ24によりロール版23に基材7を押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置25による紫外線の照射により基材7の紫外線硬化性樹脂を硬化させる。これにより製造工程20は、ロール版23の周側面に形成された凹凸形状を基材7に転写する。これにより製造工程20は、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/2波長板用配向膜13を作成する。
この製造工程20は、その後、剥離ローラ26によりロール版23から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に基材7を剥離し、ダイ29により1/2波長板用位相差層12に係る液晶材料を塗布する。製造工程20は、この液晶材料が塗布された基材7を図示しない加熱乾燥工程に搬送し、ここで塗付液に含まれる揮発成分を揮発させて乾燥させる。またその後、紫外線照射装置27による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これにより1/2波長板用位相差層12を作成する。この製造工程20は、巻き取りリール28に基材7を巻き取り、この一連の処理により基材7の上に、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層12を作成する。
続いて図4に示すように、製造工程30において、巻き取りリール28から1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層12を作成してなる基材7を引き出し、ダイ32により1/4波長板用賦型樹脂層8に係る紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布する。製造工程30は、この紫外線硬化性樹脂が塗布された基材7を図示しない加熱乾燥工程に搬送し、ここで塗付液に含まれる揮発成分を揮発させて乾燥させることにより1/4波長板用賦型樹脂層8の材料層を作成する。
ロール版33は、1/4波長板用配向膜11に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程30は、紫外線硬化性樹脂が塗布された基材7を加圧ローラ34によりロール版33に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置35による紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂を硬化させる。これにより製造工程30は、ロール版33の周側面に形成された凹凸形状を転写し、1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用配向膜11を作成する。
その後、この製造工程30は、剥離ローラ36により硬化した紫外線硬化性樹脂と共に基材7をロール版33から剥離し、ダイ39により1/4波長板用位相差層10に係る液晶材料を塗布する。製造工程30は、この液晶材料を塗布した基材7を図示しない加熱乾燥工程に搬送し、ここで塗付液に含まれる揮発成分を揮発させて乾燥させる。またその後、紫外線照射装置37による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これにより1/4波長板用位相差層10を作成する。
この工程30の一連の処理により、基材7に形成された1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層12の上に、さらに1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層10が順次作成されて1/4波長位相差板6が作成され、巻き取りリール38に巻き取られる。
〔賦型用金型の寿命〕
ところで製造工程20、30は、周側面に微細な凹凸形状が形成されたロール版23、33を使用した賦型処理により、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の表面に微細な凹凸形状を転写して1/2波長板用配向膜13、1/4波長板用配向膜11をそれぞれ作成する。このロール版23、33は、長期の使用により、表面の微細形状が損なわれ、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の表面に十分に微細形状を転写することが困難になり、その結果、寿命を迎えることになる。なおこのように十分に微細形状を転写できない場合、1/2波長板用配向膜13、1/4波長板用配向膜11は、十分に1/2波長板用位相差層12及び1/4波長板用位相差層10に係る液晶材料を配向させることが困難になり、その結果、1/2波長板用位相差層12及び1/4波長板用位相差層10の光学特性が劣化することになる。
このようなロール版23、33の劣化は、いわゆる離型音(剥離ローラ26、36によりロール版23、33から基材7を剥離する際に発生する音)が大きいと著しく、これによりロール版23、33から硬化した賦型用樹脂を引き剥がす際の離型性を向上することができれば、ロール版23、33を長寿命化することができる。
そこでこの実施形態では、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の塗布液へのレベリング剤の添加により1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の離型性を向上し、金型寿命を延長する。ここでこのように1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の塗布液に添加したレベリング剤は、ロール版23、33による賦型処理前の加熱乾燥工程において、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の表面に偏析する(いわゆるブリードアウトである)。その結果、この表面に偏析したレベリング剤が離型剤として機能してロール版23、33からの離型性を向上する。
また種々に検討した結果、このレベリング剤にあっては、フッ素系化合物によるレベリング剤が適していることが判明し、これによりこの実施形態ではフッ素系化合物によるレベリング剤を適用して金型寿命を延長させる。より具体的に、加熱乾燥後も塗布膜に残留することを考慮して、沸点が300℃以下のフッ素含有アルコール、フッ素含有エーテル、フッ素含有エステルであれば種々のフッ素系化合物によるレベリング剤を適用することができる。なおフッ素含有アルコールの具体例として、1H,1H−ペンタフルオロプロパノール、1H,1H-ヘプタフルオロブタノール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1−ペンタノール、2−(パーフルオロブチル)エタノール等が挙げられる。
またフッ素含有エーテルの例として、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル等が挙げられる。またさらにフッ素含有エステルの例として、エチルトリフルオロアセテート、メチルパーフルオロプロピオネート、エチルパーフルオロプロピオネート、メチルパーフルオロブチレート、エチルパーフルオロブチレート、メチルジフルオロアセテート、エチルジフルオロアセテート、エチル5H−オクタフルオロペンタノエート、エチル7H−ドデカフルオロペンタノエート等が挙げられる。
しかしながらこのようなレベリング剤の添加にあっては、一定量以上添加しないと効果を奏し得なことは勿論ではあるものの、添加量が多すぎると、その上層に形成される位相差層において液晶材料の配向性が劣化する。図5はこのレベリング剤の添加量の検討結果を示す図表である。この検討結果は、膜厚2μmにより賦型樹脂層を作成して賦型処理により配向膜を作成し、その上に膜厚2μmにより位相差層を作成した結果である。ここで添加量は、賦型樹脂層の固形成分における重量%であり、以下、同様である。この検討結果によれば、何らレベリング剤を添加しない場合には、「大」により示すように、剥離音が大きく、これにより賦型用金型の劣化が著しいことが判った。しかしながらレベリング剤を0.1重量%以上添加すると、「無」により示すように、ほぼ聞き取ることができない程度に剥離音が小さくなり、これにより賦型用金型の剥離時の劣化が十分に抑圧されることが確認された。
これに対して液晶材料の配向性は、0.50重量%以上添加すると、劣化することが判った。なおこの図5において、「○」は、何ら位相差層における液晶材料の配向劣化を確認できない場合であり、「△」は、この配向劣化が確認されたことを示すものである。この配向性の劣化は、いわゆる黒輝度により判定したものである。より具体的には、クロスニコル配置による直線偏光板により試験対象を挟持し、消光位に設定した際の透過光量により判定した。ここで十分に液晶材料が揃って配向している場合には、消光位において、十分に透過光量が小さくなる。しかしながら液晶材料の配向が乱れている場合には、その分、消光位における透過光量が増大することになり、これによりこの透過光量により位相差層における液晶の配向性を判断することができる。
これによりこの実施形態では、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8におけるフッ素系化合物によるレベリング剤の添加量を0.1重量%以上、0.4重量%以下に設定し、その上層の位相差層における液晶の配向性を十分に確保しながら、ロール版23、33の寿命を延長させる。
しかしながらこのように1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8におけるフッ素系化合物によるレベリング剤を添加する場合、表面に偏析するレベリング剤により、位相差層の塗工液を塗布する際の濡れ性が劣化し、甚だしい場合には塗工液が1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の表面ではじかれてしなうことになる。
そこでこの実施の形態では、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の上層である1/2波長板用位相差層12及び1/4波長板用位相差層10においても、レベリング剤を添加し、これにより1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8に対する濡れ性を向上し、十分にこれら1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の塗工液を塗布できるようにする。
ここでこのように1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8にレベリング剤を塗布して濡れ性を確保する場合にあっても、加熱乾燥工程により、添加したレベリング剤が1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の表面に偏析することになる(ブリードアウト)。その結果、基材7からの第2層目である1/2波長板用賦型樹脂層9において、第3層目である1/4波長板用賦型樹脂層8の塗工液を塗布する際の濡れ性が問題となる。
そこでこの実施形態では、添加量を0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、基材7から上層に向かうに従って徐々にレベリング剤の添加量を増大させる。すなわち基材7から第1層目である1/2波長板用賦型樹脂層9については、0.1重量%によりレベリング剤を添加する。また続く第2層目である1/2波長板用位相差層12については、0.1重量%以上、0.1重量%以下によりレベリング剤を添加する。また続く第3層目である1/4波長板用賦型樹脂層8については、0.2重量%以上、0.25重量%以下によりレベリング剤を添加する。また最上層の1/4波長板用位相差層10については、0.35重量%によりレベリング剤を添加する。なおレベリング剤は、全て層に同一のものを適用する。
なお各層の表面に偏析するレベリング剤の量は、レベリング剤を添加して作成する各層の厚みに比例することになる。因みに、この実施の形態において、1/4波長板用位相差層10は厚み1μmにより作成され、その他の1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用位相差層12、1/4波長板用賦型樹脂層8は、厚み2μmにより作成される。また最上層の1/4波長板用位相差層10にあっては、その上層との濡れ性を考慮する必要が無い。これにより少なくとも基材7から第3層までについて、添加量と膜厚との乗算値が徐々に増大するように設定して、十分な濡れ性、十分な配向性を確保しつつ、賦型用金型の寿命を確保することができる。
以上の構成によれば、第1及び第2の賦型樹脂層である1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8について、フッ素系化合物によるレベリング剤を0.1重量%以上、0.4重量%以下添加することにより、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の上層の位相差層について、十分に液晶材料の配向性を確保して、かつ賦型用金型の寿命を延長することができる。
また第1の賦型樹脂層である1/2波長板用賦型樹脂層9、第1の位相差層である1/2波長板用位相差層12、第2の賦型樹脂層である1/4波長板用賦型樹脂層8について、0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、基材7より遠ざかるに従って添加量が増大するように設定されてフッ素系化合物によるレベリング剤を添加することにより、さらには0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、基材7より遠ざかるに従って添加量と膜厚のとの乗算値が増大するように設定してフッ素系化合物によるレベリング剤を添加することにより、各層の成膜時における濡れ性、液晶材料の配向性を十分に確保して、賦型用金型の寿命を延長することができる。
〔第2実施形態〕
図6は、図1との対比により本発明の第2実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置41において、図1について上述した画像表示装置1と同一の構成は対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この画像表示装置41は、光学フィルム3に代えて、光学フィルム43が配置される。また光学フィルム43は、粘着層44を介して直線偏光板5と1/4波長位相差板46が一体化して作成され、この一体化の処理に、転写法が適用される。粘着層44は、この転写法において、転写層と被転写基材とを接着するための層である。転写層の材料と被転写基材の材料に応じて、両者に密着性の高い材料が適用される。なお粘着層44は、紫外線硬化性樹脂を使用してもよく、この場合は、光学フィルムの厚みを一段と薄くすることができる。
ここで、転写法は、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作成した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
この実施形態では、直線偏光板5に、1/4波長位相差板46に係る層構成を転写法により積層することにより、被転写基材は、直線偏光板5であり、転写に供する層(転写層)は、1/2波長板用位相差層12、1/2波長板用配向膜13、1/4波長板用位相差層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用賦型樹脂層8の積層体である。
図7は、この転写体である転写フィルム50の構成を示す図である。転写フィルム50は、支持体基材51上に、順次、1/4波長位相差板46に係る1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層10、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層12が設けられる。
ここで支持体基材51は、転写に供する層(転写層)を剥離可能に担持し、転写層を被転写基材上に接着、積層した後は、適宜時機に剥離、除去に供される基材である。この実施形態では、透明フィルム材であるPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが適用され、これにより転写フィルム50は、光学特性を検査可能に構成される。なおPETフィルムは、コロナ処理され、これにより後述する離型層との間の密着力を適切に設定する。なお支持体基材51は、全体の形状をシート形状としても良い。また支持体基材51は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂からなる樹脂性フィルム材を適用してもよい。なお支持体基材51の厚みは、20〜100μmである。なお転写層との剥離性が不十分な場合は、支持体基材51には、転写層側に、剥離を促進する離型層を設ける。
離型層は、相対的に、支持体基材51との密着性は高く(剥離性は低く)、転写層との密着性は低い(剥離性は高い)材料を適用することができる。この実施形態では、転写層の最下層が紫外線硬化性樹脂による1/4波長板用賦型樹脂層8であることにより、上述の支持体基材51に対して、例えばシリコン樹脂(有機珪素系高分子化合物)、弗素系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、又はこれら樹脂と適宜の他の樹脂(アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂等)との混合物が用いられる。この実施形態では、上述したPETフィルムによる支持体基材51上に、メラミン樹脂による離型層を設け、離型層の上に設ける紫外線硬化性樹脂の塗布液に対する濡れ性を確保する。
なお、このようにコロナ処理したPETフィルムにメラミン樹脂による離型層を設ける代わりに、何ら表面処理してないPETフィルムを支持体基材に適用して離型層を省略してもよい。またこれに代えていわゆるノンソルと呼ばれる浸透層を設けていないTACフィルムを支持体基材に適用して、離型層を省略してもよい。このようにすると構成を簡略化することができる。因みに、離型層による剥離性が不十分な場合、支持体基材51と離型層との間に、剥離層を設け、この剥離層により離型層による剥離性を補うようにしてもよい。
1/4波長位相差板46は、第1実施形態について上述した光学フィルム3と同様にして、この支持体基材51の上に、紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布して乾燥、賦型処理することにより1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用配向膜11が作成される。また続いて1/4波長板用位相差層10が作成された後、紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布して乾燥、賦型処理することにより1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用配向膜13が作成され、続いて1/2波長板用位相差層12が作成される。
これによりこの実施形態においても、1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用位相差層10、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用位相差層12の塗布液に、0.1重量%以上、0.4重量%以下によりフッ素系化合物によるレベリング剤を添加する。
またさらに、支持体基材51から3層目までは、支持体基材51より遠ざかるに従って添加量が増大するように、より具体的には、支持体基材51より遠ざかるに従って添加量と膜厚のとの乗算値が増大するように設定してフッ素系化合物によるレベリング剤を添加する。
ここで1/4波長板用賦型樹脂層8、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用位相差層12は、それぞれ膜厚2μmにより作成され、1/4波長板用位相差層10は膜厚1μmにより作成される。1/4波長位相差板46は、支持体基材51からの第1層目である1/4波長板用賦型樹脂層8が添加量0.1重量%に設定され、続く1/4波長板用位相差層10が添加量0.3重量%に設定される。また続く1/2波長板用賦型樹脂層9が添加量0.2重量%以上、0.25重量%以下に設定され、続く1/2波長板用位相差層12が添加量0.15重量%に設定される。
さらに転写フィルム50は、転写層の上に、粘着層57、セパレータフィルム53が設けられる。
ここで粘着層57は、転写層と被転写基材とを接着するための層である。転写層の材料と被転写基材の材料に応じて、両者に密着性の高い材料が適用される。この実施形態では、アセチルセルロース(酢酸纖維素)、ニトロセルロース(硝酸纖維素又は硝化綿)、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース(纖維素)系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、天然又は合成ゴム等の材料が用いられる。接着剤層の厚みは、1〜30μm程度である。なお、粘着層57は、紫外線硬化性樹脂を使用してもよく、この場合は、光学フィルムの厚みを一段と薄くすることができる。
セパレータフィルム53は、粘着層57の表面を離型可能に被覆する離型シートである。セパレータフィルム53は、粘着層57が露出して不要な物品と不要な接着をすることを防止するために設けられ、転写の直前に剥離除去される。
光学フィルム43は、セパレータフィルム53を剥離して粘着層57を露出させ、この粘着層57により直線偏光板5と転写フィルム50の転写層が積層、一体化された後、支持体基材51を剥離して作成される。
この実施形態では、転写体においても、第1及び第2の賦型樹脂層である1/4波長板用賦型樹脂層8及び1/2波長板用賦型樹脂層9について、フッ素系化合物によるレベリング剤を0.1重量%以上、0.4重量%以下添加することにより、十分に液晶材料の配向性を確保して、かつ賦型用金型の寿命を延長することができる。
また第1の賦型樹脂層である1/4波長板用賦型樹脂層8、第1の位相差層である1/4波長板用位相差層10、第2の賦型樹脂層である1/2波長板用賦型樹脂層9について、0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、支持体基材51より遠ざかるに従って添加量が増大するように設定されてフッ素系化合物によるレベリング剤を添加することにより、さらには0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、支持体基材51より遠ざかるに従って添加量と膜厚のとの乗算値が増大するように設定してフッ素系化合物によるレベリング剤を添加することにより、各層の成膜時における濡れ性、液晶材料の配向性を十分に確保して、賦型用金型の寿命を延長することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わることができ、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態は、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の双方に、フッ素系化合物によるレベリング剤を0.1重量%以上、0.4重量%以下添加する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、何れか1方の賦型用金型の寿命が必要上十分な場合には、1/2波長板用賦型樹脂層9及び1/4波長板用賦型樹脂層8の一方にのみレベリング剤を添加するようにしてもよい。
また上述の第1実施形態では、基材7側で1/4波長位相差板6と直線偏光板5とを一体化する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材7とは逆側面で、1/4波長位相差板6と直線偏光板5とを一体化する場合にも広く適用することができる。なおこの場合、基材に対する賦型樹脂層、位相差層の作成順序を、第1実施形態より変更することが必要になる。
また上述の第2実施形態では、1/4波長板用賦型樹脂層8、1/4波長板用位相差層10、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用位相差層12により転写層を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1/4波長板用賦型樹脂層8を支持体基材側の構成として、1/4波長板用位相差層10、1/2波長板用賦型樹脂層9、1/2波長板用位相差層12により転写層を構成する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版により賦型処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板により賦型処理する場合にも広く適用することができる。
1、41 画像表示装置
2 画像表示パネル
3、43 光学フィルム
4、44、57 粘着層
5 直線偏光板
6、46 1/4波長位相差板
7、15 基材
8 1/4波長板用賦型樹脂層
9 1/2波長板用賦型樹脂層
10 1/4波長板用位相差層
11 1/4波長板用配向膜
12 1/2波長板用位相差層
13 1/2 波長板用配向膜
16 光学機能層
20、30 製造工程
21 供給リール
22、29、32、39 ダイ
23、33 ロール版
24、34 加圧ローラ
25、27、35、37 紫外線照射装置
26、36 剥離ローラ
28、38 リール
50 転写フィルム
51 支持体基材
53 セパレータフィルム

Claims (10)

  1. 直線偏光板と1/4波長位相差板との積層による光学フィルムにおいて、
    前記1/4波長位相差板は、
    透明フィルムによる基材と、
    前記基材の上に積層された第1の賦型樹脂層と、
    賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に形成された第1の配向膜と、
    前記第1の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第1の位相差層と、
    前記第1の位相差層の上に形成された第2の賦型樹脂層と、
    賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に形成された第2の配向膜と、
    前記第2の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第2の位相差層とを備え、
    前記第1及び又は第2の賦型樹脂層には、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている
    光学フィルム。
  2. 少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
    0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記基材より遠ざかるに従って添加量が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
    0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記基材より遠ざかるに従って添加量と膜厚との乗算値が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された
    請求項1に記載の光学フィルム。
  4. 支持体基材と、
    前記支持体基材の上に積層された第1の賦型樹脂層と、
    賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に形成された第1の配向膜と、
    前記第1の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第1の位相差層と、
    前記第1の位相差層の上に形成された第2の賦型樹脂層と、
    賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に形成された第2の配向膜と、
    前記第2の配向膜の配向規制力により配向して硬化した液晶材料により作成された、透過光に位相差を付与する第2の位相差層とを備え、
    少なくとも、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層、前記第2の位相差層が転写層であり、
    前記第1及び又は第2の賦型樹脂層には、フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている
    光学フィルム用転写体。
  5. 少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
    0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記支持体基材より遠ざかるに従って添加量が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された
    請求項4に記載の光学フィルム用転写体。
  6. 少なくとも前記第1の賦型樹脂層、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層は、
    0.1重量%以上、0.4重量%以下の範囲で、前記支持体基材より遠ざかるに従って添加量と膜厚との乗算値が増大するように設定されて、前記フッ素系化合物によるレベリング剤が添加された
    請求項5に記載の光学フィルム用転写体。
  7. 直線偏光板に、請求項4、請求項5、請求項6の何れかに記載の光学フィルム用転写体の前記転写層が積層された
    光学フィルム。
  8. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項7の何れかに記載の光学フィルムを、画像表示パネルのパネル面に配置した
    画像表示装置。
  9. 透明フィルムによる基材の上に第1の賦型樹脂層を作成する第1の賦型樹脂層の作成工程と、
    賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に第1の配向膜を作成する第1の賦型処理工程と、
    前記第1の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第1の位相差層を作成する第1の位相差層作成工程と、
    前記第1の位相差層の上に第2の賦型樹脂層を作成する第2の賦型樹脂層の作成工程と、
    賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に第2の配向膜を作成する第2の配向膜作成工程と、
    前記第2の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第2の位相差層を作成する第2の位相差層作成工程とを備え、
    前記第1の賦型樹脂層の作成工程及び又は前記第2の賦型樹脂層の作成工程は、
    フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている塗工液を塗布して前記第1の賦型樹脂層及び又は前記第2の賦型樹脂層を作成する
    光学フィルムの製造方法。
  10. 透明フィルムによる支持体基材の上に第1の賦型樹脂層を作成する第1の賦型樹脂層の作成工程と、
    賦型処理により前記第1の賦型樹脂層の表面に第1の配向膜を作成する第1の賦型処理工程と、
    前記第1の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第1の位相差層を作成する第1の位相差層作成工程と、
    前記第1の位相差層の上に第2の賦型樹脂層を作成する第2の賦型樹脂層の作成工程と、
    賦型処理により前記第2の賦型樹脂層の表面に第2の配向膜を作成する第2の配向膜作成工程と、
    前記第2の配向膜の配向規制力により配向した液晶材料を硬化させて、透過光に位相差を付与する第2の位相差層を作成する第2の位相差層作成工程とを備え、
    少なくとも、前記第1の位相差層、前記第2の賦型樹脂層、前記第2の位相差層が転写層であり、
    前記第1の賦型樹脂層の作成工程及び又は前記第2の賦型樹脂層の作成工程は、
    フッ素系化合物によるレベリング剤が0.1重量%以上、0.4重量%以下添加されている塗工液を塗布して前記第1の賦型樹脂層及び又は前記第2の賦型樹脂層を作成する
    光学フィルム用転写体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016212224A (ja) * 2015-05-07 2016-12-15 大日本印刷株式会社 積層体、画像表示装置、積層体の製造方法及び保護層の転写方法

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