JP6407351B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、各種の粘着製品や粘着性のある物体の、表面保護に使用される離型フィルムに関する。さらに詳細には、剥離力が小さく、粘着剤層に貼合した状態で時間経過しても、剥離力が大きくなり難く、かつ、粘着剤層へのシリコーン成分の移行が少ないため、貼合した粘着剤層の粘着力を低下させない、剥離性に優れた離型フィルムに関するものである。
従来から、各種の用途に対して、離型フィルム(剥離フィルムと呼ばれることもある)が使用されている。中でもセラミック積層コンデンサー、セラミック基板等の各種セラミック製電子部品の製造時に使用されるグリーンシートの成形用離型フィルム、偏光板、光学フィルター、フラットパネルディスプレーなどの製造時に使用される粘着剤層を有する光学部材用の離型フィルム、タッチパネル部材や光学部材同士を貼合するための、光学部材貼合用の粘着剤層用の離型フィルムなどに、広く使用されている。
セラミック積層コンデンサー、セラミック基板等の各種セラミック製電子部品の製造時に使用されるグリーンシートは、セラミック積層コンデンサーの小型化及び大容量化に伴い、薄膜化が進んでいる。グリーンシートを離型フィルムから剥離する際に、離型フィルムの剥離力が大きい場合には、グリーンシートが破損することから、従来に比べて剥離力の小さい離型フィルムが求められている。
一方、液晶ディスプレイを構成する部材である偏光板、位相差板などの光学部材においては、光学部材を光学部材同士又は他の部材と貼り合わせる粘着剤層及び、その粘着剤層を保護するための離型フィルムが使用されている。
当該用途に使用される離型フィルムは、ディスプレイの大型化に伴い、偏光板などの光学部材及び離型フィルムの寸法が大きくなり、剥離面積が大きくても軽く剥離できることが必要とされている。そのため、従来に比べて剥離力の小さい離型フィルムが求められている。また、タッチパネルの構成部材や光学部材同士を貼合するための、光学部材用の粘着剤層については、タブレットPC、タブレット端末、タッチパネルなどの薄型化に伴い、薄膜の粘着剤層でも光学部材の段差(例えば、携帯端末のカバーガラス等に用いられる額縁印刷の段差など)に追従できるように、凝集力の弱い粘着剤層が使用されている。しかし、凝集力の弱い粘着剤層を用いた場合、離型フィルムの剥離力が大き過ぎると光学部材用の粘着剤層が変形してしまうことから、従来に比べて剥離力の小さい離型フィルムが求められている。
このように、セラミックグリーンシートの成形用離型フィルム、及び各種の粘着剤層を有する光学部材用の離型フィルムでは、従来に比べて剥離力の小さい離型フィルムが求められている。こうしたことを背景にして、特許文献1では、分子中にビニル基を1個のみ持つシリコーンを含有する硬化シリコーンを用いた離型フィルムが提案されている。
また、特許文献2では、ポリエステルフィルムの片面にオリゴマーの析出防止層を施し、その上に無溶剤系の付加反応硬化型シリコーンを含有する離型層を有し、テープ剥離力が15mN/cm以下であり、かつ、シリコーン系成分の移行性評価接着率が90%以上の離型フィルムが提案されている。
さらに、特許文献3では、官能基を有しないポリジメチルシロキサンなどの、軽剥離成分を添加していない付加反応型シリコーンを用い、50〜65℃の環境下で20時間以上熱処理を施した離型フィルムであって、アクリル系粘着剤の剥離力が0.15N/50mm以下で残留接着率が90%以上の離型フィルムが提案されている。
特許文献1〜3においては、いずれも、剥離力が小さく、かつ、貼合した粘着剤層の粘着力を低下させない離型フィルムが提案されている。しかし、特許文献1に記載の離型フィルムでは、分子中にビニル基を1個のみ持つシリコーンを含有する硬化シリコーンを用いるため、ビニル基を完全に反応させないと、ビニル基を1個のみ持つシリコーンが粘着剤層に移行してしまい、粘着剤層の粘着力が低下してしまうことが懸念される。
また、特許文献2に記載の離型フィルムについては、オリゴマーの析出防止層を設けていることが、従来の離型フィルムと異なる。しかし、無溶剤系の付加反応硬化型シリコーンを使用しているため、剥離性能に関しては、従来の離型フィルムの範疇となってしまう。
さらに、特許文献3に記載の離型フィルムでは、軽剥離成分を添加していない付加反応型シリコーンをエージングすることにより軽剥離化したものである。この場合、軽剥離の割には、貼合した粘着剤層の粘着力を低下させない離型フィルムが得られるが、さらに剥離力を低減することが困難である。
また、特許文献4に記載の離型フィルムは、ポリエステルフィルムに所定の粒子径の不活性粒子を含むシリコーン剥離層を、所定の厚さに施したものである。シリコーン剥離層を厚くした際に生じるブロッキング(離型フィルムをロール状に巻いた時に、離型フィルムの背面と剥離層が疑似接着をしてしまい、うまく巻き取れない現象)を、所定粒子径の不活性粒子をシリコーン剥離層に入れることで解決したものである。しかし、不活性粒子により、シリコーン剥離層が不連続になってしまうため、溶剤が接触すると、不活性粒子とシリコーンの界面に溶剤が浸透し、シリコーンが脱落する恐れがある。また、シリコーン剥離層の厚さに比べて粒子径の大きな不活性粒子を添加するために、離型フィルムを粘着剤層の表面保護に使用した場合に、不活性粒子が、粘着剤層側に付着し、粘着剤層の粘着力を低下させることがある。
特開2008−265227号公報 特開2012−136612号公報 特開2006−007689号公報 特開2013−208897号公報
本発明は、剥離力が小さく、粘着剤層に貼合した状態で時間が経過しても、剥離力が大きくなり難く、かつ、粘着剤層へのシリコーン成分の移行が少ないため、貼合した粘着剤層の粘着力を低下させない、剥離性に優れた離型フィルムを提供することを課題とする。
こうした課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、粘着剤層の粘着力を低下させないためには、シリコーン系離型剤(剥離剤と呼ばれることもある)を使用した離型フィルムを、粘着剤層へのシリコーン移行の少ないものにする必要があることが判明した。また、粘着剤層へのシリコーン移行の少ないシリコーン系離型剤を使用した場合でも、剥離力を小さくすることを検討した結果、離型剤層の厚さを特定の厚さ以上にすることにより、剥離力を小さくできることが判明した。しかし、離型剤層の厚さを厚くした場合には、離型フィルムをロール形状に巻き取り、離型剤層が、離型フィルムの背面に合わさった際にブロッキングを起こしてしまい、離型フィルムをロール状にきれいに巻き戻せないことが判明した。離型フィルムに使用される基材フィルムは、その製造工程において、基材フィルムをロール形状に巻き取ってもブロッキングを起こさないようにするために、基材フィルムには、滑剤粒子を含有させて成膜している。このため、離型フィルムの背面において、基材フィルムの表面は、凹凸構造を有しているが、離型剤層の厚さを厚くすることにより、基材フィルム表面の凹凸構造を、離型剤層が埋めてしまうことが、ブロッキングを起こした原因と考えられる。
また、剥離性と耐ブロッキング性とを両立させる方法を鋭意検討し、本発明を完成させることができた。本発明は、粘着剤層へのシリコーン成分の移行の少ない離型剤を使用した場合でも、剥離力を小さくするために、離型剤層の厚さを0.4μm以上としている。また、本発明は、離型剤層と、離型フィルム背面とのブロッキングを防ぐために、基材フィルムの離型剤層とは反対の面に、離型剤層の厚さに見合った表面粗さの凹凸形状を形成することにより、剥離性と耐ブロッキング性とを両立させることを技術思想としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、樹脂フィルムの片面に粘着剤層が積層された積層体の、前記粘着剤層の表面に、離型剤層が設けられた表面保護用離型フィルムが、前記離型剤層を介して貼り合わせてなる積層フィルムであって、前記積層フィルムから、前記積層体を剥がした前記表面保護用離型フィルムが、被着体の表面保護に使用されるものであり、前記表面保護用離型フィルムは、基材フィルムの一方の面に、シリコーン系離型剤を含んでなる厚さ0.4〜2μmの前記離型剤層が設けられてなり、前記基材フィルムが、ポリエステル樹脂フィルムであり、前記シリコーン系離型剤が、前記粘着剤層へのシリコーン成分の移行を減らすため、軽剥離添加成分(付加反応に関与する有機官能基を有しないシリコーンであるポリジメチルシロキサン)を含有しないシリコーン系離型剤であり、前記基材フィルムの他方の面に、微粒子として、無機微粒子および/またはポリマー微粒子を含有するバインダー樹脂層が設けられてなることを特徴とする積層フィルムを提供する
前記無機微粒子が、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、ガラス粉末、タルクからなる無機粒子群から選択された1種以上であることが好ましい。また、前記ポリマー微粒子が、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂からなる高分子樹脂粒子群から選択された1種以上であることが好ましい。
また、前記微粒子、前記バインダー樹脂層、及び前記離型剤層が、下記の(1)および(2)の条件を同時に満たすことが好ましい。
(1)前記微粒子の体積基準平均粒子径が、前記離型剤層の厚さの2倍以上であること。
(2)前記バインダー樹脂層の厚さが、前記微粒子の前記体積基準平均粒子径の25〜60%の範囲(すなわち、前記微粒子の前記体積基準平均粒子径が、前記バインダー樹脂層の厚さの5/3倍〜4倍の範囲)にあること
また、本発明は、樹脂フィルムの少なくとも片面に粘着剤層が積層された積層体、又は粘着剤層の単体と、前記離型フィルムとを備え、前記粘着剤層の表面に、前記離型剤層を介して前記離型フィルムを貼り合わせてなる積層フィルムを提供する。
本発明によれば、セラミックグリーンシートの成形用離型フィルム、各種の粘着剤層を有する光学部材用の剥離性に優れた離型フィルムを提供できる。本発明の離型フィルムは、剥離力が小さく、粘着剤層に貼合した状態で時間が経過しても、剥離力が大きくなり難く、かつ、粘着剤層へのシリコーン成分の移行が少ないため、貼合した粘着剤層の粘着力を低下させない、剥離性に優れた離型フィルムを提供することができる。
また、本発明の離型フィルムは、貼合した粘着剤層の粘着力を低下させることがなく、かつ、ロール形状に巻き取ってもブロッキングを起こすことなくきれいに巻き戻すことができることから、優れた剥離性と耐ブロッキング性とを両立させたものであり、産業上の利用価値が大であり、その工業的な価値は極めて大きい。
本発明の離型フィルムの一例を、模式的に示す断面図である。 本発明の積層フィルムの第1形態例を、模式的に示す断面図である。 本発明の積層フィルムの第2形態例を、模式的に示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の離型フィルムの一例を、模式的に示す断面図であって、基材フィルム1の片面に、バインダー樹脂層2が形成され、基材フィルム1の反対面にシリコーン系の離型剤層4が形成されている。
このバインダー樹脂層2には、ブロッキング防止用の微粒子3として、無機微粒子及び/又はポリマー微粒子が含有されている。
本発明の離型フィルム5において、基材フィルム1として用いる樹脂フィルムは、用途に合わせて選定すればよいが、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、アセテート樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルムなどが挙げられる。
中でも、光学特性や耐熱特性などの特性面や価格面、外観の品位などの面から、ポリエステル樹脂フィルムが好適である。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレートとポリエチレンテレフタレートの共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。これらの中でも、コストや光学特性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。また、光学特性の点からすると、1軸延伸または2軸延伸品の光学用のポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、必要に応じて、基材フィルム1の表面に、プラズマ放電やコロナ放電による表面改質、アンカーコート剤の塗付などの易接着処理を施してもよい。
基材フィルム1の厚さは、特に制限はないが、離型フィルム5としての取扱いの容易さや、離型フィルム5をロール状に巻き取ることを想定すると、基材フィルム1の厚さは、10〜200μm程度が好ましい。
本発明では、シリコーン系離型剤を含む離型剤層の厚さを厚くしても、離型剤層が、離型フィルムの背面に合わさった際にブロッキングを起こさないように、基材フィルム1の離型剤層の反対の表面に、離型剤層の厚さに見合った表面粗さの凹凸構造を形成している。基材フィルム1の表面に、凹凸構造を形成するには、ブロッキング防止用の微粒子3として、無機微粒子および/またはポリマー微粒子を含有するバインダー樹脂層2を、塗布することにより形成している。
ブロッキング防止用の微粒子3である無機微粒子および/またはポリマー微粒子としては、無機化合物の微粒子である無機微粒子や、高分子樹脂の微粒子であるポリマー微粒子が挙げられる。無機微粒子とポリマー微粒子とは、いずれか一方を用いてもよく、また両者を併用してもよい。無機微粒子が、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、ガラス粉末、タルクからなる無機粒子群から選択された1種以上であることが好ましい。また、ポリマー微粒子が、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂からなる高分子樹脂粒子群から選択された1種以上であることが好ましい。
微粒子3の形状は、特に限定されるものではなく、球状、棒状、鱗片状、半球状、凸レンズ状、マッシュルーム状、不定形などいずれでも良いが、球形や球形に近い形状の方が、ブロッキング防止性能が出やすいため、より好適である。
微粒子3の粒子径は、体積基準平均粒子径として、離型剤層4の厚さの2倍以上であることが望ましい。微粒子3の体積基準平均粒子径が、離型剤層4の厚さの2倍未満であると、ブロッキング防止性能が低下する恐れがある。微粒子3の体積基準平均粒子径が、離型剤層4の厚さの2倍以上であれば、ブロッキング防止性能が得られる。微粒子3の体積基準平均粒子径の上限は、特に問題とならないが、微粒子3の体積基準平均粒子径を大きくした場合には、バインダー樹脂層2の厚さを厚くする必要があり、コストが高くなる。このため、微粒子3の体積基準平均粒子径は、離型剤層4の厚さの10倍程度までに抑えるのが好ましい。なお、体積基準平均粒子径によれば、体積の大きい粒子の寄与が大きく、体積の小さい粒子が混在しても影響が小さいため、少なくとも一部の粒子が、離型剤層4の厚さの2倍以上の粒子径を有していれば、ブロッキング防止性能を得られる。
バインダー樹脂層2に使用される樹脂は、微粒子3が分散し、かつ、基材フィルム1に密着するものであれば、特に限定されない。例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、シラン系コーティング剤、シリケート系コーティング剤などが挙げられる。
バインダー樹脂層2に使用する樹脂は、水系、非水系(溶剤系)でも無溶剤タイプでも良い。バインダー樹脂層2の厚さは、微粒子3の体積基準平均粒子径の25〜60%の範囲にあることが望ましい。バインダー樹脂層2の厚さが、微粒子3の体積基準平均粒子径の25%未満であると、微粒子3の投錨力が落ち、微粒子3が脱落し易くなる。また、バインダー樹脂層2の厚さが、微粒子の体積基準平均粒子径の60%を超えると、ブロッキング防止性能が低下したり、コストが割高になるなどの問題が生じるので好ましくない。
微粒子3は、バインダー樹脂層2を形成する樹脂中に混合されて、基材フィルム1上に塗布される。微粒子3の一部(上部)は、バインダー樹脂層2の厚さ(微粒子3のない部分の平均的な厚さ)より突出する。微粒子3の上部表面にバインダー樹脂層2の樹脂が薄く付着しても良いし、或いは付着しなくても、構わない。
微粒子3、バインダー樹脂層2、および離型剤層4は、下記の2つの条件を満たすことが、離型フィルムのブロッキングを防止する上では重要である。
(1)微粒子3の体積基準平均粒子径が、離型剤層4の厚さの2倍以上であること。
(2)バインダー樹脂層2の厚さが、微粒子3の体積基準平均粒子径の25〜60%の範囲にあること。
微粒子3のバインダー樹脂への混合・分散方法については、バインダー樹脂および微粒子の種類に合わせて既知の方法で行えばよい。バインダー樹脂に微粒子が分散しやすい系であれば、スパチュラなどの手動の器具で撹拌混合すればよい。バインダー樹脂に微粒子が分散しにくい組み合わせや、分散しやすい系であっても、バインダー樹脂および微粒子が多量の場合には、ホモジナイザーやホモミキサーなどの分散機を使用して分散混合させても良い。また、微粒子およびバインダー樹脂のほかに、必要に応じて界面活性剤や着色剤、帯電防止剤、ワックスなどの潤滑剤、シリコーンやフッ素などの防汚剤、レベリング剤、硬化剤、防腐剤などを添加しても良い。
微粒子3を含有したバインダー樹脂層2の形成は、微粒子3を含有したバインダー樹脂を、基材フィルム1にコーティングして設ければよい。塗工方法は、特に限定されるものではなく、微粒子3を含有したバインダー樹脂の粘度、塗布量に合わせて公知の塗工方法から選定すれば良い。一例としては、メイヤーバー工法、グラビア工法、リバースロール工法、エアーナイフ工法、多段ロール工法などが挙げられる。
微粒子3を含有したバインダー樹脂層2の硬化または固化は、バインダー樹脂の種類に合わせて行えばよい。例えば、加熱乾燥による溶剤または水などの除去や、紫外線照射や電子線照射などによるバインダー樹脂の硬化などを行えばよい。
離型剤層4に使用する離型剤としては、シリコーン系離型剤が挙げられる。シリコーン系離型剤には、付加反応型、縮合反応型、カチオン重合型、ラジカル重合型などの、公知のシリコーン系離型剤が挙げられる。付加反応型シリコーン系離型剤として市販されている製品には、例えば、KS−776A、KS−776L、KS−847、KS−847T、KS−779H、KS−837、KS−778、KS−830、KS−774、KS−3565、X−62−2829、KS−3650、KNS−3051、KNS−320A、KNS−316、KNS−3002、X−62−1387(信越化学工業(株)製)、SRX−211、SRX−345、SRX−357、SD7333、SD7220、SD7223、LTC−300B、LTC−350G、LTC−310、LTC−750A、SP−7025、SP−7248S、SP−7015、SP−7259、LTC−1006L、LTC−1056L(東レダウコーニング(株)製)、TPR−6722、TPR−6721、TPR−6702、TPR−6700、TPR−6600、SL6625(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。縮合反応型として市販されている製品には、例えば、SRX−290、SYLOFF−23(東レダウコーニング(株)製)、YSR−3022(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。カチオン重合型として市販されている製品には、例えば、TPR−6501、TPR−6502、TPR−6500、UV9300、VU9315、UV9430(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ社製)、X62−7622、X−62−7660、X−62−7655(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。ラジカル重合型として市販されている製品には、例えば、KF−2005、X62−7205(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。粘着剤層へのシリコーン成分の移行の少ない離型剤としては、軽剥離添加成分(付加反応に関与する有機官能基を有しないシリコーン、例えば、ポリジメチルシロキサン等)を含有しないシリコーン系離型剤が挙げられる。
本発明の離型フィルムに使用するシリコーン系離型剤は、1種類を単独で使用しても良いし、複数の品種を混合して使用しても良い。また、シランカップリング剤や帯電防止剤、濡れ性改良剤などシリコーン系離型剤以外の成分を添加しても良く、剥離性、塗工性、硬化性などを考慮して決めればよい。離型剤の塗布は、公知の方法で行えばよく、特に限定されるものではないが、メイヤーバー工法、グラビア工法、リバースロール工法、エアーナイフ工法、多段ロール工法などが挙げられる。シリコーン系離型剤の硬化方法は、加熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化、加熱と紫外線照射の併用などの方法が挙げられるが、シリコーン系離型剤の種類に合わせて、適した方法を選択して採用すればよい。シリコーン系離型剤を含む離型剤層4の厚さは、例えば0.4〜2μmである。離型剤層4の厚さが0.4μmより小さいと、剥離力が大きくなりやすい。また、離型剤層4の厚さの上限は、特に問題とならないが、離型剤層4の厚さを大きくした場合には、微粒子3の体積基準平均粒子径を大きくするとともに、バインダー樹脂層2の厚さを厚くする必要があり、コストが高くなる。このため離型剤層4の厚さは、2μm程度までに抑えるのが好ましい。
本発明の離型フィルム5を、各種セラミック製電子部品の製造時に使用されるグリーンシートの成形用離型シートに使用する場合、グリーンシートは、セラミック粒子を有機溶剤に分散したスラリーの塗布、乾燥により形成される。このような、グリーンシートを保護する用途に使用される離型フィルム5では、離型剤層4に対して、耐溶剤性が要求される。本発明は、離型剤層4に微粒子3を含まないため、シリコーン系離型剤が不連続にならず、耐溶剤性も良好な離型剤層4であり、グリーンシートを保護する用途に好適に使用できる。また、グリーンシートに限らず、導体ペースト、絶縁体ペースト等、各種粉体を分散した塗膜や、溶剤を含む塗膜の表面を保護する用途に好適に使用できる。
図2は、本発明の積層フィルムの第1形態例を、模式的に示す断面図である。図2の粘着付き光学フィルム10は、本発明の離型フィルム5を、光学フィルム7に積層した粘着剤層6を保護する用途に使用したものである。図1の本発明の離型フィルム5に、粘着剤層6を介して光学フィルム7が貼合されている。このような粘着付き光学フィルム10の製造方法は、離型フィルム5に溶剤型粘着剤を塗布、乾燥した後、光学フィルム7を貼合してもよい。このような、粘着剤層6を保護する用途に使用される離型フィルム5では、離型剤層4に対して、耐溶剤性が要求される。本発明は、離型剤層4に微粒子3を含まないため、シリコーン系離型剤が不連続にならず、耐溶剤性も良好な離型剤層4であり、粘着剤層6を保護する用途に好適に使用できる。粘着剤層6を含む積層体は、1又は2以上の樹脂フィルムと、1又は2以上の粘着剤層とを含むことができる。例えば、光学フィルム7の両面に粘着剤層6を設け、それぞれの粘着剤層6に、離型フィルム5を貼合してもよい。他の製造方法としては、光学フィルム7の片面に粘着剤層6を設けた積層体8に、離型フィルム5を貼合してもよい。あるいは、無溶剤型粘着剤を塗布した後、離型フィルム5と光学フィルム7との間で、光や熱等により粘着剤層6を硬化させることもできる。
また、図3は、本発明の積層フィルムの第2形態例を、模式的に示す断面図である。図3の光学粘着シート9は、タッチパネル部材や光学部材の貼合に用いられる粘着剤層6に、本発明の離型フィルム5を、該粘着剤層6を保護するために貼り合わせたものである。光学粘着シート9は、2枚の離型フィルム5で粘着剤層6を挟んだ形態になっている。このような光学粘着シート9の製造方法では、一方の離型フィルム5に溶剤型粘着剤を塗布、乾燥した後、もう一方の離型フィルム5を貼合するのが一般的である。このような、粘着剤層6を保護する用途に使用される離型フィルム5では、離型剤層4に対して、耐溶剤性が要求される。本発明は、離型剤層4に微粒子3を含まないため、シリコーン系離型剤が不連続にならず、耐溶剤性も良好な離型剤層4であり、粘着剤層6を保護する用途に好適に使用できる。
粘着剤層6に使用する粘着剤は、水系、非水系(溶剤系)でも無溶剤タイプでも良い。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤等、いずれでもよい。アクリル系粘着剤は、透明性、耐候性に優れるため、好ましい。
積層フィルムに用いられる樹脂フィルムは、光学フィルム7に限らず、不透明の樹脂フィルムであってもよい。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、高透明フィルム等が挙げられる。
以下、実施例をもって、本発明を具体的に説明する。
(実施例1の離型フィルム)
ビーカーに、エチルセルロース(ダウケミカル社製、品名:エトセル(登録商標)100FP)を7.5重量部、平均粒子径(体積基準平均粒子径)が2μmのシリコーン系樹脂ポリマー微粒子(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ社製、品名:トスパール(登録商標)120)を0.0375重量部、トルエン/酢酸エチルの50/50混合溶剤を92.5重量部、を投入して混ぜ、エチルセルロースが溶解するまで撹拌して塗料を作成した。次いで、厚さ50μmの、片面コロナ処理ポリエステルフィルムのコロナ未処理面に、乾燥後のバインダー樹脂の厚さが1.0μmになるように、メイヤーバー工法にて塗布した後、120℃の熱風循環式乾燥器にて1分間加熱し、片面に表面凹凸形状を設けたポリエステルフィルムを得た。ついで、得られたポリエステルフィルムの、凹凸形状を設けた面の反対面(コロナ処理面)に、付加反応型シリコーン離型剤(東レ・ダウコーニング社製、品名:LTC−1056L)の30重量部に対して、白金触媒(東レ・ダウコーニング社製、品名:SRX212キャタリスト)を1重量部、トルエン/酢酸エチルの50/50混合溶剤70重量部を混ぜ、混合した塗料を、乾燥後の厚さが1.0μmになるように、メイヤーバー工法にて塗工した後、設定温度を120℃にした熱風循環式乾燥器にて1分間加熱し、実施例1の離型フィルムを得た。
(ブロッキング性の確認)
実施例1において、バインダー樹脂層(エチルセルロース)と離型剤層の厚さ、及びシリコーン系樹脂ポリマー微粒子の品種を変更し、製造例1〜12の離型フィルムを得た。なお、上記の実施例1は、表1の製造例5である。
得られた製造例1〜12の離型フィルムについて、離型剤層とバインダー樹脂層との、ブロッキングの有無および微粒子の脱落の有無について、確認試験を行った。
(ブロッキングの有無の確認)
離型フィルムを3枚重ねたサンプルを作成し、ステンレス板(SUS304)2枚の間に挟む。このサンプルに20g/cm{0.196N/cm}の荷重を掛けた状態で、23℃、50%RHの環境で24時間放置する。その後、3枚重なった離型フィルムを取り出し、離型フィルムを1枚ずつ手剥がしすることによりブロッキング状態を確認した。ブロッキングがなく、離型フィルムが軽く剥がれたものをブロッキング性良好(○)、離型フィルム剥離時に少し抵抗があったものをブロッキング性軽微不良(△)、離型フィルム剥離時に著しく抵抗があったものをブロッキング性不良(×)とした。
(微粒子の脱落の有無の確認)
離型フィルムの微粒子含有バインダー樹脂塗工面を、不織布(旭化成せんい社製ベンコット(登録商標)M−1)で200gの分銅で荷重を掛けた状態で一往復擦る。その後、サンプルの擦った部分をレーザー顕微鏡にて観察した。10か所で微粒子の残留箇所及び脱落箇所の個数を測定し、微粒子の脱落が30%未満のものを良好(○)、微粒子の脱落が30%以上のものを不良(×)とした。
(確認試験の結果)
確認試験の結果を、表1に示した。
Figure 0006407351
表1に示した確認試験の結果から、離型剤層とバインダー樹脂層とがブロッキングを起こさない条件として、離型剤層の厚さが厚くなる程、バインダー樹脂層の表面粗さ(凹凸)を大きくする必要があることがわかる。また、表1に示した確認試験の結果から、離型剤層とバインダー樹脂層とがブロッキングを起こさない条件として、微粒子(無機微粒子、又はポリマー微粒子)の体積基準平均粒子径と、離型剤層の厚さとの関係、及び、微粒子(無機微粒子、又はポリマー微粒子)の平均粒子径に対するバインダー樹脂層の厚さとの関係が、下記の通り得られた。
(i)微粒子の平均粒子径が、離型剤層の厚さの2倍以上であること。
(ii)微粒子の平均粒子径に対するバインダー樹脂層の厚さが、75%よりも低いこと。
一方、微粒子を含有するバインダー樹脂層から、微粒子を脱落させない条件として、微粒子の平均粒子径に対するバインダー樹脂層の厚さを厚くする必要があることがわかる。表1に示した確認試験の結果から、微粒子を含有するバインダー樹脂層から、微粒子を脱落させないバインダー樹脂層の厚さを下記の通り導き出した。
(iii)微粒子の平均粒子径に対するバインダー樹脂層の厚さが、25%以上であること。
また、表1に示した確認試験の結果において、製造例6と、製造例7の比較から、(ii)の条件は、微粒子の体積基準平均粒子径に対するバインダー樹脂層の厚さが60%以下であれば、離型剤層とバインダー樹脂層とが、ブロッキングを起こさないことが分かる。
すなわち、表1に示した確認試験の結果より、離型剤層とバインダー樹脂層とがブロッキングを起こさない条件、及び、微粒子を含有するバインダー樹脂層から、微粒子が脱落しない条件として、下記の条件が得られた。
(1)微粒子の平均粒子径が、離型剤層の厚さの2倍以上であること。
(2)バインダー樹脂層の厚さが、微粒子の平均粒子径の25〜60%の範囲にあること。
(実施例2)
離型剤層の厚さを0.4μmにした以外は、実施例1と同様にして実施例2の離型フィルムを作成した。
(実施例3)
バインダー樹脂層の厚さを0.5μmにした以外は、実施例1と同様にして実施例3の離型フィルムを作成した。
(実施例4)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、品名:ポバール203)を7.5重量部、イオン交換水を92.5重量部となるように秤量した。ビーカーに、イオン交換水を入れ、80℃程度に加温した後、撹拌しながらポリビニルアルコールを添加し、ポリビニルアルコールが完全に溶解するまで撹拌を続けた。常温まで冷却した後、体積基準平均粒子径2.7μmの無定形シリカ(富士シンシア社製、品名:サイリシア(登録商標)310P)0.0375重量部を添加し、ホモジナイザーにて、シリカが均一に分散するまで撹拌混合を行い、微粒子入りのバインダー樹脂塗料を作成した。
次いで、厚さ50μmの、両面コロナ処理ポリエステルフィルムのコロナ処理面に、作成したバインダー樹脂塗料を、乾燥後のバインダー樹脂の厚さが1μmになるように、メイヤーバー工法にて塗布し、設定温度を120℃にした熱風循環式乾燥器にて3分間加熱し、片面に表面凹凸形状を設けたポリエステルフィルムを得た。ついで、得られたポリエステルフィルムの凹凸形状反対面(コロナ処理面)に、付加反応型シリコーン離型剤(東レ・ダウコーニング社製の品名:LTC−1056Lを18重量部、信越化学工業社製の品名:KS−847Tを40重量部)、白金触媒(東レ・ダウコーニング社製、品名:SRX212キャタリスト)を1重量部、トルエン/酢酸エチルの50/50混合溶剤42重量部を混ぜ、混合した塗料を、乾燥後の厚さが1.0μmになるように、メイヤーバー工法にて塗工した後、設定温度を120℃にした熱風循環式乾燥器にて1分間加熱し、実施例4の離型フィルムを得た。
(比較例1)
離型剤層の厚さを0.2μmにした以外は、実施例1と同様にして比較例1の離型フィルムを作成した。
(比較例2)
バインダー樹脂層(エチルセルロース)の乾燥後の厚さを1.5μmにした以外は、実施例1と同様にして比較例2の離型フィルムを得た。なお、比較例2は、表1の製造例7である。
(比較例3)
厚さ50μmの、片面コロナ処理ポリエステルフィルムのコロナ処理面に、軽剥離タイプの付加反応型シリコーン離型剤(東レ・ダウコーニング社製、品名:SRX−357)の5重量部に対して、白金触媒(東レ・ダウコーニング社製、品名:SRX212キャタリスト)を0.05重量部、トルエン/酢酸エチルの50/50混合溶剤95重量部を混ぜ、混合した塗料を乾燥後の厚さが0.2μmになるように、メイヤーバー工法にて塗工した後、設定温度を120℃にした熱風循環式乾燥器にて1分間加熱し、比較例3の離型フィルムを得た。
(比較例4)
付加反応型シリコーン離型剤(東レ・ダウコーニング社製、品名:LTC−1056L)の30重量部に対して、白金触媒(東レ・ダウコーニング社製、品名:SRX212)を1重量部、トルエン/酢酸エチルの50/50混合溶剤70重量部を混ぜ、混合した塗料に、体積基準平均粒子径2μmのシリコーン系樹脂ポリマー微粒子(モメンティブ・パーフォーマンス・マテリアルズ社製、品名:トスパール(登録商標)120)0.0375重量部を添加し、撹拌混合して、微粒子を含有したシリコーン離型剤塗料を作成した。厚さ50μmの片面コロナ処理ポリエステルフィルムのコロナ処理面に、作成した塗料を乾燥後の厚さが1.0μmになるよう、メイヤーバー工法にて塗工し、設定温度を120℃にした熱風循環式乾燥器にて1分間加熱し、比較例4の離型フィルムを得た。
実施例1〜4、および比較例1〜4で得られた離型フィルムについて、各種測定、確認試験を行った。ブロッキングの有無の確認方法は、上述のとおりである。それ以外の試験方法は、次のとおりである。
(剥離力の測定)
離型フィルムの離型剤層の表面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製、品名:ポリエステルテープNo.31B)を貼り合わせ、20g/cm{0.196N/cm}の荷重下、70℃で20時間エージングした後、卓上型精密万能試験機(島津製作所社製、オートグラフ(登録商標))にて剥離速度300mm/分、剥離角度180°にて引き剥がした際の剥離強度として剥離力(mN/50mm)を測定した。
(残留接着率の測定)
上記(剥離力の測定)による試験後の離型フィルムから引き剥がした粘着テープを被着体(ステンレス板)に対してローラで圧着し、23℃、55%RHの環境下で1時間放置した後、卓上型精密万能試験機(島津製作所社製、オートグラフ(登録商標))にて剥離速度300mm/分、剥離角度180°にて当該被着体から剥離するときの剥離力を測定して残留接着力とした。
これとは別に、未使用の粘着テープを同一材質の被着体に圧着して剥離するときの剥離力を、同様に測定して基準粘着力とした。
残留接着率は、(残留粘着力)/(基準粘着力)×100(%)という式により算出した。
(離型剤層の密着性の確認)
上記(剥離力の測定)による試験後の、離型フィルムの離型剤層の表面を、指の腹で強く3回擦った後、擦った部分を目視で観察した。基材フィルムから、離型剤層が脱落していることの有無を目視にて確認し、離型剤層の脱落がほとんどなかったものを(○)、離型剤層の脱落が少しあったものを(△)、離型剤層の脱落が著しかったものを(×)として判定した。
(離型剤層の耐溶剤性の確認)
離型フィルムの離型剤層を、酢酸エチルをしみこませた不織布(旭化成せんい社製ベンコット(登録商標)M−1)を用いて、200gの分銅で荷重を掛けた状態で一往復擦る。その後、離型フィルムの離型剤層を目視で観察することにより、離型フィルムの離型剤層の耐溶剤性を確認した。離型剤層の表面を目視にて確認し、外観に変化の無かったものを(○)、離型剤が脱落したものを(×)と判定した。
(測定、確認試験の結果)
実施例1〜4、および比較例1〜4で得られた離型フィルムの、各種測定、確認試験の結果を表2に示した。
Figure 0006407351
(まとめ)
実施例1〜4の離型フィルムは、剥離力が非常に小さく、かつ、残留接着率が非常に高い数値を示した。また、実施例1〜4の離型フィルムは、離型剤層とバインダー樹脂層とがブロッキングを起こしておらず、シリコーン系離型剤の密着性、耐溶剤性も良好であった。これに対して、離型剤層の厚さが薄い比較例1の離型フィルムは、剥離が重い(剥離力が大きい)結果となった。また、離型剤背面側の微粒子含有バインダー樹脂層の凹凸が小さい(微粒子の平均粒子径に対する、バインダー樹脂層の厚さの比が大きい)比較例2の離型フィルムは、ブロッキングを起こしてしまい、剥離力も大きくなった。一般的に用いられている軽剥離タイプのシリコーンを、一般的な塗布量で塗工した比較例3の離型フィルムは、剥離が実施例1〜4よりも重く、かつ、残留接着率が著しく悪い結果となった。シリコーン系離型剤に微粒子を含有させた比較例4の離型フィルムは、剥離力、残留接着率とも良好な結果となったが、離型剤層の密着性および耐溶剤性が不良の結果であった。
1…基材フィルム、2…バインダー樹脂層、3…無機微粒子またはポリマー微粒子、4…離型剤層、5…離型フィルム、6…粘着剤層、7…光学フィルム、8…光学フィルムと粘着剤層との積層体、9…光学粘着シート、10…粘着付き光学フィルム。

Claims (3)

  1. 樹脂フィルムの片面に粘着剤層が積層された積層体の、前記粘着剤層の表面に、離型剤層が設けられた表面保護用離型フィルムが、前記離型剤層を介して貼り合わせてなる積層フィルムであって、
    前記積層フィルムから、前記積層体を剥がした前記表面保護用離型フィルムが、被着体の表面保護に使用されるものであり、
    前記表面保護用離型フィルムは、基材フィルムの一方の面に、シリコーン系離型剤を含んでなる厚さ0.4〜2μmの前記離型剤層が設けられてなり、
    前記基材フィルムが、ポリエステル樹脂フィルムであり、
    前記シリコーン系離型剤が、前記粘着剤層へのシリコーン成分の移行を減らすため、軽剥離添加成分(付加反応に関与する有機官能基を有しないシリコーンであるポリジメチルシロキサン)を含有しないシリコーン系離型剤であり、
    前記基材フィルムの他方の面に、微粒子として、無機微粒子および/またはポリマー微粒子を含有するバインダー樹脂層が設けられてなることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記無機微粒子が、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、ガラス粉末、タルクからなる無機粒子群から選択された1種以上であり、前記ポリマー微粒子が、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂からなる高分子樹脂粒子群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記微粒子、前記バインダー樹脂層、及び前記離型剤層が、下記の(1)および(2)の条件を同時に満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層フィルム。
    (1)前記微粒子の体積基準平均粒子径が、前記離型剤層の厚さの2倍以上であること。
    (2)前記バインダー樹脂層の厚さが、前記微粒子の前記体積基準平均粒子径の25〜60%の範囲(すなわち、前記微粒子の前記体積基準平均粒子径が、前記バインダー樹脂層の厚さの5/3倍〜4倍の範囲)にあること。
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