JP2017105157A - 壁紙保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】EVA発泡シート製の壁紙に対して十分な接着性を有し、マット感を表現することができる、新たな壁紙用保護フィルムを提案する。【解決手段】 表面層と接着層とを有する壁紙保護フィルムであって、前記表面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造を有し、前記接着層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、上記表面層と上記接着層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を備えていることを特徴とする壁紙保護フィルムを提案する。【選択図】 なし
Description
本発明は、壁紙を保護するための壁紙保護フィルム、特に耐傷付き性及び耐汚染性に優れた壁紙保護フィルムに関する。
壁紙を保護するため、例えば壁紙に耐傷付き性及び耐汚染性を付与するため、壁紙保護フィルムが開発され販売されている。
例えば特許文献1(特開2002−1883号公報)には、製膜性、防汚性、エンボス性、艶消し性、非ポリ塩化ビニル系基材との熱圧着性に優れ、適度な接着強度を有し、折れシワが発生しにくく、折れシワ復元性のよい、壁装材表面保護用無延伸積層フィルムとして、融点が70〜105℃のエチレン系共重合体樹脂を主成分とする接着性樹脂層と接着性樹脂層よりも高融点の、防汚性の熱可塑性樹脂層が積層された少なくとも2層からなり、20%伸張時のモジュラス値が0.5〜7.0N/10mmであることを特徴とする壁装材表面保護用無延伸積層フィルムが開示されている。
また、日本では、壁紙の光沢感が嫌がられ、マット感が求められることが多いため、例えば特許文献2(特開2006−37259号公報)には、耐傷付き性、耐汚染性、汚染除去性、及びマット感に優れた建材表皮用ポリオレフィンフィルムとして、少なくとも2層からなるフィルムであって、表面層(X)がポリプロピレン樹脂組成物からなり、内層(Y)が融点80〜140℃の範囲にあるエチレン系共重合体からで形成され、表面層側の60度の入射角で測定したグロスが50%以下である建材表皮用ポリオレフィンフィルムが開示されている。
従来から、塩化ビニル(PVC)からなる発泡シートが壁紙の材料として主に用いられてきた。しかし、近年、環境問題などの理由により、PVC発泡シートの代替製品として、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(ethylene-vinylacetate copolymer、「EVA」と称する)からなる発泡シートが求められている。
ところが、建築物への要求品質が高まる中で、上記特許文献1,2に開示される壁紙保護フィルムでは、マット感及び接着強度が十分ではなかった。また、EVA発泡シート製の壁紙に対しては、マット感を表現することができ、しかも、EVA発泡シートに対して十分な接着性を有する壁紙保護フィルムは知られていなかった。
ところが、建築物への要求品質が高まる中で、上記特許文献1,2に開示される壁紙保護フィルムでは、マット感及び接着強度が十分ではなかった。また、EVA発泡シート製の壁紙に対しては、マット感を表現することができ、しかも、EVA発泡シートに対して十分な接着性を有する壁紙保護フィルムは知られていなかった。
そこで本発明は、EVA発泡シート製の壁紙に対して十分な接着性を有し、それでいて、マット感を表現することができる、新たな壁紙用保護フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、表面層と接着層とを有する壁紙保護フィルムであって、前記表面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造を有し、前記接着層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、上記表面層と上記接着層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を備えていることを特徴とする壁紙保護フィルムを提案する。
本発明が提案する壁紙保護フィルムは、EVA発泡シート製の壁紙に対して十分な接着性を有し、それでいて、マット感を表現することができる、新たな壁紙用保護フィルムを提供せんとするものである。
次に、本発明を実施するための形態例について説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態の例に限定されるものではない。
<本壁紙保護フィルム>
本発明の実施形態の一例に係る壁紙保護フィルム(「本壁紙保護フィルム」と称する)は、表面層と接着層とを有する壁紙保護フィルムである。
本発明の実施形態の一例に係る壁紙保護フィルム(「本壁紙保護フィルム」と称する)は、表面層と接着層とを有する壁紙保護フィルムである。
<表面層>
表面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造、すなわち海島構造を有している。
表面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造、すなわち海島構造を有している。
(表面層のポリプロピレン系樹脂)
表面層は、ポリプロピレン系樹脂(「PP」とも称する)からなる連続相と、ポリエチレン系樹脂からなる分散相による海島構造を有するものであるのが好ましい。このような海島構造により、表面層の表面に凹凸を生じさせることができ、それによってマット感を表現することができる。
海島構造とは、複数成分の片方が連続する相の中に、もう一方が粒子状(島状)に分散している構造を言い、通常、分散相である島部は、不連続であり、かつ、微小な略球状構造を示すものである。
表面層は、ポリプロピレン系樹脂(「PP」とも称する)からなる連続相と、ポリエチレン系樹脂からなる分散相による海島構造を有するものであるのが好ましい。このような海島構造により、表面層の表面に凹凸を生じさせることができ、それによってマット感を表現することができる。
海島構造とは、複数成分の片方が連続する相の中に、もう一方が粒子状(島状)に分散している構造を言い、通常、分散相である島部は、不連続であり、かつ、微小な略球状構造を示すものである。
表面層は、その層断面を顕微鏡観察した際、ポリプロピレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積が、ポリエチレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積よりも大きいことが好ましい。
中でも、ポリプロピレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積と、ポリエチレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積との比率は、95:5〜60:40であるのが好ましく、その中でも80:20〜65:35、さらにその中でも80:20〜70:30であるのが特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂からなる相の面積と、ポリエチレン系樹脂からなる相の面積との調整は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の配合量、メルトフローレート(以下「MFR」と称する)などによって調整することができる。
中でも、ポリプロピレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積と、ポリエチレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積との比率は、95:5〜60:40であるのが好ましく、その中でも80:20〜65:35、さらにその中でも80:20〜70:30であるのが特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂からなる相の面積と、ポリエチレン系樹脂からなる相の面積との調整は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の配合量、メルトフローレート(以下「MFR」と称する)などによって調整することができる。
表面層のポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレンのほか、他の樹脂とのポリプロピレン系共重合体であってよい。
ポリプロピレン系共重合体の共重合成分としては、例えば、ランダム共重合体、プロピレン-エチレン共重合体などを挙げることができる。
中でも、表面層のポリプロピレン系樹脂は、マット感をより付与することができるという観点から、ポリプロピレンとαオレフィンとのブロック共重合体(「ブロックPP」とも称する)であるのが好ましい。例えば、ホモポリプロピレンの中にポリエチレン(PE)が分散している状態であり、PEの周りにはエチレンプロピレン相(以下、EPR)が存在しているブロック共重合体であるのが好ましい。
ポリプロピレン系共重合体の共重合成分としては、例えば、ランダム共重合体、プロピレン-エチレン共重合体などを挙げることができる。
中でも、表面層のポリプロピレン系樹脂は、マット感をより付与することができるという観点から、ポリプロピレンとαオレフィンとのブロック共重合体(「ブロックPP」とも称する)であるのが好ましい。例えば、ホモポリプロピレンの中にポリエチレン(PE)が分散している状態であり、PEの周りにはエチレンプロピレン相(以下、EPR)が存在しているブロック共重合体であるのが好ましい。
表面層におけるポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、21.18N荷重)は、マットの観点から、1〜15g/10分であるのが好ましく、中でも5g/10分以上或いは10g/10分以下であるのがさらに好ましい。
(表面層のポリエチレン系樹脂)
表面層のポリエチレン系樹脂としては、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、或いはこれらの混合物などを挙げることができる。
また、このようなエチレンの単独重合体の他、エチレンとエチレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体を使用することもできる。この際のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜12程度のオレフィンを用いることができ、これらの共重合量は、0質量%より多くかつ30質量%以下、中でも20質量%以下であるのが好ましい。従って、線状低密度ポリエチレンもまた好ましい材料である。また、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体も好ましい材料である。
表面層のポリエチレン系樹脂としては、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、或いはこれらの混合物などを挙げることができる。
また、このようなエチレンの単独重合体の他、エチレンとエチレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体を使用することもできる。この際のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜12程度のオレフィンを用いることができ、これらの共重合量は、0質量%より多くかつ30質量%以下、中でも20質量%以下であるのが好ましい。従って、線状低密度ポリエチレンもまた好ましい材料である。また、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体も好ましい材料である。
中でも、繰り返し単位のエチレンが分岐をほとんど持たず直鎖状に結合した、結晶性のポリエチレン、中でも高密度ポリエチレン(「HDPE」と称する、比重0.942以上)を表面層のベース樹脂とするのが好ましい。HDPEは、白色を呈し、且つ、後述するようにPPのMFRとの差も大きいため、より一層マット感を表現することができる。
表面層のポリエチレン系樹脂のMFRと表面層のポリプロピレン系樹脂(PP)のMFRとの差が大きいほど、PPと相溶せず、相分離しやすいため、マット感を高めることができる。
表面層の一例を挙げると、ゴム成分とエチレン成分とのブロックPPからなる連続相(海)と、ポリエチレン系樹脂からなる分散相(島)とからなる海島構造を備え、その層断面を顕微鏡観察した際、前記連続相の観察視野における総面積と、前記分散相の観察視野における総面積との比率が、95:5〜60:40、その中でも80:20〜65:35、さらにその中でも80:20〜70:30である例を挙げることができる。
表面層は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂のほか、他の成分を含有することができる。例えば壁紙保護フィルムの用途を考慮すると、例えば耐候剤、抗菌剤などを含有するのが好ましい。この際、これら耐候剤、抗菌剤が含有するのが好ましい。
表面層は、さらに必要に応じて、他の合成樹脂やゴム、または酸化防止剤、耐熱安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等、顔料、塩酸吸収剤等の添加物を含んでいてもよい。
<接着層>
接着層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、且つ、その層表面が極性を有する層であることが好ましい。
接着層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、且つ、その層表面が極性を有する層であることが好ましい。
接着層のベース樹脂としてのオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などを挙げることができる。例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体を挙げることができる。
例えばエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択される1種以上のエチレン系共重合体を例示することができる。
これらのエチレン系共重合体において、エチレン以外の共重合成分の含有量は5〜40質量%であるのが好ましく、中でも7質量%以上或いは35質量%以下であるのが特に好ましい。
これらのエチレン系共重合体において、エチレン以外の共重合成分の含有量は5〜40質量%であるのが好ましく、中でも7質量%以上或いは35質量%以下であるのが特に好ましい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体として、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することもできる。
エチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーとして用いられるエチレン以外の他のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンであって、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン等を好ましく挙げることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は5〜40質量%が好ましく、より好ましくは7〜35質量%である。α−オレフィンの含有量が5質量%以上であれば、低温シール性を得ることができ、α−オレフィンの含有量が40質量%以下であれば、耐ブロッキング性が損なわれることがないため、好ましい。
なお、α−オレフィン含有量は13C−NMR法によって計測することができる。
さらに、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体の比重が0.870以下であればベタツキが発生し、0.910以上であると、発泡材との接着強度等の接着適性が悪くなるため好ましくない。
よって、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、融点が50℃〜100℃、特に60℃〜95℃であって、比重が0.870〜0.910であるのが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーとして用いられるエチレン以外の他のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンであって、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン等を好ましく挙げることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は5〜40質量%が好ましく、より好ましくは7〜35質量%である。α−オレフィンの含有量が5質量%以上であれば、低温シール性を得ることができ、α−オレフィンの含有量が40質量%以下であれば、耐ブロッキング性が損なわれることがないため、好ましい。
なお、α−オレフィン含有量は13C−NMR法によって計測することができる。
さらに、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体の比重が0.870以下であればベタツキが発生し、0.910以上であると、発泡材との接着強度等の接着適性が悪くなるため好ましくない。
よって、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、融点が50℃〜100℃、特に60℃〜95℃であって、比重が0.870〜0.910であるのが好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、酢酸ビニル含量が3〜50質量%であるのが好ましく、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の酢酸ビニル含量は3〜50質量%であるのが好ましく、中でも15質量%以上或いは25質量%以下であるのがさらに好ましい。当該酢酸ビニル含量が3質量%以上であれば接着不良を抑制でき、50質量%以下であれば、べたつきが発生し易くなるのを防ぐことができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のMFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜30g/10分であるのが好ましく、中でも2g/10分以上或いは20g/10分以下であるのがさらに好ましい。当該MFRが1g/10分以上であれば接着性が悪くなるのを防ぐことができ、30g/10分以下であれば、成形時の溶融樹脂膜の安定性を維持することができる点で好ましい。
なお、ここでのMFRは、JIS−K6921−2に準拠して測定することができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のMFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜30g/10分であるのが好ましく、中でも2g/10分以上或いは20g/10分以下であるのがさらに好ましい。当該MFRが1g/10分以上であれば接着性が悪くなるのを防ぐことができ、30g/10分以下であれば、成形時の溶融樹脂膜の安定性を維持することができる点で好ましい。
なお、ここでのMFRは、JIS−K6921−2に準拠して測定することができる。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体は、エチレンとアクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル及び又はメタアクリル酸エステルを共重合成分とする総称した共重合体を意味する。
これらのエチレンとの共重合割合としては、(メタ)アクリル酸或いは(メタ)アクリル酸エステル系のコモノマーが5質量%以上から50質量%未満であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは40質量%以下、その中でも15質量%以下であるのがさらに好ましい。
当該コモノマーの割合が5質量%以上であれば、十分な接着力を得られ易く、50質量%未満であれば、樹脂としての取り扱い容易であるから、好ましい。
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)等を挙げることができる。
これらのエチレンとの共重合割合としては、(メタ)アクリル酸或いは(メタ)アクリル酸エステル系のコモノマーが5質量%以上から50質量%未満であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは40質量%以下、その中でも15質量%以下であるのがさらに好ましい。
当該コモノマーの割合が5質量%以上であれば、十分な接着力を得られ易く、50質量%未満であれば、樹脂としての取り扱い容易であるから、好ましい。
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)等を挙げることができる。
以上の中でも、接着層のベース樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、中でもエチレン・α−オレフィン共重合体、その中でもメタロセン触媒を用いて作製されたメタロセン系ポリエチレンを使用するのが好ましい。
また、接着層のベース樹脂としてのオレフィン系樹脂は、できるだけ低温の熱プレスで壁紙と接着できるように、ベース樹脂の融点は比較的低い方が好ましい。かかる観点から、接着層のベース樹脂の融点は60〜120℃、中でも100℃以下、その中でも90℃以下であるのが好ましい。
接着層は、必要に応じて、例えば酸化防止剤、透明化剤、滑剤(スリップ剤)、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、蛍光増白剤、目やに防止剤を配合してもよい。
中でも、接着層は、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有することが好ましい。接着層が、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有することで、壁紙、特にEVA発泡シート製の壁紙に対する接着性を顕著に高めることができる。
この際、メチルアクリレート及び無水マレイン酸の合計含有量は、接着層のベース樹脂であるオレフィン系樹脂100質量部に対して5〜100質量部であるのが好ましく、中でも10質量部以上或いは85質量部以下、その中でも25質量部以上、その中でも35質量部以上であるのがさらに好ましい。そのうち、無水マレイン酸の含有量は、接着層のベース樹脂であるオレフィン系樹脂100質量部に対して4〜85質量部であるのが好ましく、中でも5質量部以上、その中でも6質量部以上であるのがさらに好ましい。
例えば実施例1のように、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有する改質剤を添加することによって、接着層がメチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有するようにすることができる。
この際、メチルアクリレート及び無水マレイン酸の合計含有量は、接着層のベース樹脂であるオレフィン系樹脂100質量部に対して5〜100質量部であるのが好ましく、中でも10質量部以上或いは85質量部以下、その中でも25質量部以上、その中でも35質量部以上であるのがさらに好ましい。そのうち、無水マレイン酸の含有量は、接着層のベース樹脂であるオレフィン系樹脂100質量部に対して4〜85質量部であるのが好ましく、中でも5質量部以上、その中でも6質量部以上であるのがさらに好ましい。
例えば実施例1のように、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有する改質剤を添加することによって、接着層がメチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有するようにすることができる。
接着層の表面は、極性を有することが好ましい。なお、本発明における接着層の表面とは、壁紙と接着する面を意味するものである。
接着層の表面が極性を有するようにするためには、EMMAやEVAなどの極性を有する物質を接着層に添加するようにしたり、コロナ処理によって接着層表面を極性化するようにしたりすることができる。
接着層の表面が極性を有しているか否かは、例えば後述する濡れ指数(JIS K 6768)が36mN/m以上であるか否か、好ましくは40mN/m以上であるか否か、中でも好ましくは46mN/m以上であるか否かによって判断することができる。
接着層の表面が極性を有するようにするためには、EMMAやEVAなどの極性を有する物質を接着層に添加するようにしたり、コロナ処理によって接着層表面を極性化するようにしたりすることができる。
接着層の表面が極性を有しているか否かは、例えば後述する濡れ指数(JIS K 6768)が36mN/m以上であるか否か、好ましくは40mN/m以上であるか否か、中でも好ましくは46mN/m以上であるか否かによって判断することができる。
接着層の表面はコロナ処理面であるのが好ましい。
コロナ処理することで、空気中の酸素を利用して、接着層表面に水酸基を付与して極性化を図ることができ、壁紙、特にEVA発泡シート製の壁紙に対する接着性を高めることができる。
中でも、メタロセン系ポリエチレンをベース樹脂とする接着層の表面を、コロナ処理などして極性を持たせるようにすると、EVA発泡シートとの接着性を顕著に高めることができることが確認されている。
コロナ処理することで、空気中の酸素を利用して、接着層表面に水酸基を付与して極性化を図ることができ、壁紙、特にEVA発泡シート製の壁紙に対する接着性を高めることができる。
中でも、メタロセン系ポリエチレンをベース樹脂とする接着層の表面を、コロナ処理などして極性を持たせるようにすると、EVA発泡シートとの接着性を顕著に高めることができることが確認されている。
接着層の表面は、壁紙、特にEVA発泡シート製の壁紙との接着性の観点から、濡れ指数(JIS K 6768)が36mN/m以上であるのが好ましく、中でも40mN/m以上、その中でも46mN/m以上であるのが特に好ましい。
接着層の表面の濡れ指数を上記範囲に調整するためには、例えば、上記のようにコロナ処理するのが好ましい。ただし、かかる方法に限定するものではない。
接着層の表面の濡れ指数を上記範囲に調整するためには、例えば、上記のようにコロナ処理するのが好ましい。ただし、かかる方法に限定するものではない。
表面層と接着層の厚み比率は、表面層と壁紙との接着強度を維持する観点から、表面層:接着層=5〜12:7〜9であるのが好ましく、中でも5〜7:7〜9であるのが特に好ましい。該厚み比率を、このような範囲として、表層の厚みを確保することにより、マット感を得ることができる。また、表層の厚みを厚くし過ぎないことにより、白濁感を抑え、壁紙保護フィルムの安定的に成形でき、偏肉を防ぐことができる。さらにまた、接着層の厚みを確保することにより、十分な接着強度を有し、接着層についても、厚くし過ぎないことにより、壁紙保護フィルムの安定的に成形でき、偏肉を防ぐことができる。
<中間層>
本壁紙保護フィルムは、必要に応じて、上記表面層及び接着層以外に、他の層を有していてもよい。
例えば、上記表面層と上記接着層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を有するのが好ましい。
本壁紙保護フィルムにおいては、上記表面層がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有し、上記接着層がポリエチレン系樹脂を含有するため、両層の間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を介在させることで、両層の接着性をより高めることができる。このような中間層を設けないと、長年の使用により、両層が剥離する可能性がある。
本壁紙保護フィルムは、必要に応じて、上記表面層及び接着層以外に、他の層を有していてもよい。
例えば、上記表面層と上記接着層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を有するのが好ましい。
本壁紙保護フィルムにおいては、上記表面層がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有し、上記接着層がポリエチレン系樹脂を含有するため、両層の間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を介在させることで、両層の接着性をより高めることができる。このような中間層を設けないと、長年の使用により、両層が剥離する可能性がある。
かかる観点から、中間層のポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレン系樹脂の他、プロピレン−α−オレフィン共重合体であってもよいし、また、ポリプロピレンとプロピレン−α−オレフィン共重合体との混合樹脂であってもよい。
上記プロピレン・α−オレフィン共重合体に関しては、接着層と同様である。また、メタロセン系ポリプロピレンであってもよい。
上記プロピレン・α−オレフィン共重合体に関しては、接着層と同様である。また、メタロセン系ポリプロピレンであってもよい。
他方、中間層のポリエチレン系樹脂に関しては、表面層のポリエチレン系樹脂と同様である。但し、中間層のポリエチレン系樹脂が、表面層のポリエチレン系樹脂と同じであってもよいし、異なるポリエチレン系樹脂であってもよい。
中間層の特に好ましい組成として、特に熱ラミネート後にマット感を維持する観点から、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)とポリプロピレン(PP)とを、LDPE:PP=60:40〜85:15、中でも70:30〜85:15の質量比率で含有する組成を挙げることができる。このような比率とすれば、中間層が緩衝材となり、壁紙とのプレス成形時や、外部からの衝撃があってもマット感を損ないづらいため、好ましい。
この際、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)は、旧JIS K6748:1995に定義されているように、比重0.910〜0.930の高圧法ポリエチレン共重合体である。
この際、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)は、旧JIS K6748:1995に定義されているように、比重0.910〜0.930の高圧法ポリエチレン共重合体である。
中間層は、必要に応じて、他の合成樹脂やゴム、または酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、結晶核剤等、顔料、塩酸吸収剤、難燃剤、無機フィラーなどを含有していてもよい。
中間層を備えている場合、表面層/中間層/接着層の厚み比率は、熱ラミネート後にマット感を維持する観点から、4.5〜12.0:0.1〜9.0:5〜20.0であるのが好ましく、5〜12:0.1〜7:5〜9であるのが好ましく、その中でも5〜10:3〜7:5〜9、その中でも5〜7:5〜7:7〜9であるのが特に好ましい。このような比率として中間層の厚みを抑えることにより、壁紙保護フィルムの安定的に成形でき、偏肉を防ぐことができる。
<製造方法>
本壁紙保護フィルムは、各層を形成する樹脂組成物を調製しておき、T−ダイを用いた共押出法、或いは、インフレーションによる共押出法などによって、各層を積層することによって製造することができる。
また、各層を形成するフィルムを作製した後、各フィルムを重ねてラミネートして製造することもできる。
本壁紙保護フィルムは、各層を形成する樹脂組成物を調製しておき、T−ダイを用いた共押出法、或いは、インフレーションによる共押出法などによって、各層を積層することによって製造することができる。
また、各層を形成するフィルムを作製した後、各フィルムを重ねてラミネートして製造することもできる。
なお、表面層及び接着層、必要に応じてさらに中間層は、実質未配向であるのが好ましい。すなわち、延伸しないことが好ましい。
<本壁紙保護フィルム>
本壁紙保護フィルムは、マット感を表現することができる観点から、表面層側の85°の入射角で測定したグロスが3〜20%、中でも17%以下、その中でも10%以下であるのが好ましい。表面特性を評価する手法は他にもあり、例えば、入射角60°程度で測定したグロスや、表面粗さなどによる評価などが挙げられるが、官能評価に近く、要求されるマット感に則した指標である点から、85°の入射角で測定したグロスで評価することが好ましい。
グロス値を上記範囲に調整するには、加工温度や樹脂配合などを調整すればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
本壁紙保護フィルムは、マット感を表現することができる観点から、表面層側の85°の入射角で測定したグロスが3〜20%、中でも17%以下、その中でも10%以下であるのが好ましい。表面特性を評価する手法は他にもあり、例えば、入射角60°程度で測定したグロスや、表面粗さなどによる評価などが挙げられるが、官能評価に近く、要求されるマット感に則した指標である点から、85°の入射角で測定したグロスで評価することが好ましい。
グロス値を上記範囲に調整するには、加工温度や樹脂配合などを調整すればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
<本壁紙保護フィルムの利用>
本壁紙保護フィルムは、これを表面側に積層して壁紙を構成することができる。
中でも本壁紙保護フィルムは、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)からなる発泡樹脂シートからなる壁紙に対する十分な接着性を有するから、EVA発泡樹脂シートからなる壁紙の表面に積層する保護フィルムとして特に有効である。
本壁紙保護フィルムは、これを表面側に積層して壁紙を構成することができる。
中でも本壁紙保護フィルムは、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)からなる発泡樹脂シートからなる壁紙に対する十分な接着性を有するから、EVA発泡樹脂シートからなる壁紙の表面に積層する保護フィルムとして特に有効である。
例えば、壁紙上に、接着層を介して本壁紙保護フィルムを重ねて、プリントラミネーター、パウチラミネーターなどによって加熱プレスすることで、壁紙に本壁紙保護フィルムを貼り合せることができる。
<語句の説明>
本明細書において「ベース樹脂」とは、各層を構成する樹脂成分の中で主となる樹脂成分の意味である。各層におけるベース樹脂の含有割合を特定するものではない。目安としては各層を構成する樹脂成分の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも90質量%以上(100%含む)を占めるのが通常である。また、ベース樹脂が2種類以上の場合には、各ベース樹脂の含有割合は、各層を構成する樹脂成分の20質量%以上、特に30質量%以上、中でも40質量%以上(50質量%含む)を占めるのが通常である。
本明細書において「ベース樹脂」とは、各層を構成する樹脂成分の中で主となる樹脂成分の意味である。各層におけるベース樹脂の含有割合を特定するものではない。目安としては各層を構成する樹脂成分の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも90質量%以上(100%含む)を占めるのが通常である。また、ベース樹脂が2種類以上の場合には、各ベース樹脂の含有割合は、各層を構成する樹脂成分の20質量%以上、特に30質量%以上、中でも40質量%以上(50質量%含む)を占めるのが通常である。
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。
<実施例1>
表1に示すとおり、表面層構成用として、ブロックPP(MFR(230℃、21.18N荷重、後述するMFRも同様):8.0g/10分)70質量部、高密度ポリエチレン(HDPE、MFR:0.8g/10分、比重:0.965)30質量部、抗菌剤(銀由来品)4質量部及び耐候剤(ベンゾトリアゾール型)4.2質量部を配合し、中間層構成用として、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、MFR:4.0g/10分、比重:0.918、融点108℃)60質量部、メタロセンPP(MFR:7g/10分、比重0.900、融点125℃)40質量部及び耐候剤(ベンゾトリアゾール型)4.2質量部を配合し、接着層構成用として、シングルサイト触媒によるエチレン−α−オレフィン共重合体であるPE(メタロセンPE、MFR:3.5g/10分、比重:0.880)50質量部、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含む改質剤(酸無水物基を有する共重合体、MFR12g/10分、比重0.952、融点73℃、接着層のPE100質量部に対して、無水マレイン酸を11.5質量部含む)50質量部及びAB剤2(シリカ、株式会社日本ポリエチレン品製「カーネル」KMB32F)10質量部を配合し、表層/中間層/接着層がそれぞれ5μm/7μm/9μmの膜厚となるように、接着層をキャスティングロール側としてTダイ共押出成形機で製膜した。
その際、押出速度43kg/H、フィルム巾2100mmで、上記の層比で、総厚21μmとなるように調整し、インラインで接着層面にコロナ処理を施し、インラインスリットで耳を切り落として最終製品970mm巾の壁紙保護フィルム(サンプル)を得た。
表1に示すとおり、表面層構成用として、ブロックPP(MFR(230℃、21.18N荷重、後述するMFRも同様):8.0g/10分)70質量部、高密度ポリエチレン(HDPE、MFR:0.8g/10分、比重:0.965)30質量部、抗菌剤(銀由来品)4質量部及び耐候剤(ベンゾトリアゾール型)4.2質量部を配合し、中間層構成用として、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、MFR:4.0g/10分、比重:0.918、融点108℃)60質量部、メタロセンPP(MFR:7g/10分、比重0.900、融点125℃)40質量部及び耐候剤(ベンゾトリアゾール型)4.2質量部を配合し、接着層構成用として、シングルサイト触媒によるエチレン−α−オレフィン共重合体であるPE(メタロセンPE、MFR:3.5g/10分、比重:0.880)50質量部、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含む改質剤(酸無水物基を有する共重合体、MFR12g/10分、比重0.952、融点73℃、接着層のPE100質量部に対して、無水マレイン酸を11.5質量部含む)50質量部及びAB剤2(シリカ、株式会社日本ポリエチレン品製「カーネル」KMB32F)10質量部を配合し、表層/中間層/接着層がそれぞれ5μm/7μm/9μmの膜厚となるように、接着層をキャスティングロール側としてTダイ共押出成形機で製膜した。
その際、押出速度43kg/H、フィルム巾2100mmで、上記の層比で、総厚21μmとなるように調整し、インラインで接着層面にコロナ処理を施し、インラインスリットで耳を切り落として最終製品970mm巾の壁紙保護フィルム(サンプル)を得た。
<実施例2−3、参考例1−2、比較例1−2>
実施例1において、表1に示した構成とした以外、実施例1と同様にして壁紙保護フィルム(サンプル)を得た。
実施例1において、表1に示した構成とした以外、実施例1と同様にして壁紙保護フィルム(サンプル)を得た。
なお、表中の各成分は次のとおりである。なお、同一名称の成分には同一製品を使用した。
「ブロックPP」・・ポリプロピレン(PP)とαオレフィンとのブロック共重合体であり、ホモポリプロピレン(PP)の中にポリエチレン(PE)が分散している状態であり、PEの周りにはエチレンプロピレン相(以下、EPR)が存在しているブロック共重合体
「滑剤」・・(株式会社日本ポリプロ品製「ノバッテクPP」MBS05A)
「結晶核剤」・・(株式会社日本ポリプロ品製「ノバッテクPP」MBN05A)
「AB剤1」・・シリカ(株式会社日本ポリプロ品製「ノバッテクPP」FMB1650B)
「ホモPP」・・PP(MFR15g/10分、融点160℃)
「EVA」・・エチレン酢酸ビニル(MFR15g/10分、比重0.940、融点84℃)
「LLDPE」・・直鎖状低密度ポリエチレン
「ブロックPP」・・ポリプロピレン(PP)とαオレフィンとのブロック共重合体であり、ホモポリプロピレン(PP)の中にポリエチレン(PE)が分散している状態であり、PEの周りにはエチレンプロピレン相(以下、EPR)が存在しているブロック共重合体
「滑剤」・・(株式会社日本ポリプロ品製「ノバッテクPP」MBS05A)
「結晶核剤」・・(株式会社日本ポリプロ品製「ノバッテクPP」MBN05A)
「AB剤1」・・シリカ(株式会社日本ポリプロ品製「ノバッテクPP」FMB1650B)
「ホモPP」・・PP(MFR15g/10分、融点160℃)
「EVA」・・エチレン酢酸ビニル(MFR15g/10分、比重0.940、融点84℃)
「LLDPE」・・直鎖状低密度ポリエチレン
<接着層の濡れ指数の測定>
JIS K 6768に準拠して、壁紙保護フィルム(サンプル)の接着層表面の濡れ指数を測定した。
JIS K 6768に準拠して、壁紙保護フィルム(サンプル)の接着層表面の濡れ指数を測定した。
<壁紙との貼り合せ>
実施例及び比較例で作製した壁紙保護フィルム(サンプル)の接着層側を、厚さ1mmのEVA製発泡樹脂シートに重ねて、赤外線ヒーターによって200℃、圧力(線圧)約1t、回転速度20m/minの条件で加熱プレスして、壁紙に壁紙保護フィルム(サンプル)を貼り合せて壁紙貼合サンプルを作製した。
実施例及び比較例で作製した壁紙保護フィルム(サンプル)の接着層側を、厚さ1mmのEVA製発泡樹脂シートに重ねて、赤外線ヒーターによって200℃、圧力(線圧)約1t、回転速度20m/minの条件で加熱プレスして、壁紙に壁紙保護フィルム(サンプル)を貼り合せて壁紙貼合サンプルを作製した。
<マット感の評価>
上記壁紙貼合サンプルの壁紙保護フィルム(サンプル)側表面について、入斜角85°にてグロス値を任意の3点を測定し、その平均値を表に記載した。
また、上記壁紙貼合サンプルの壁紙保護フィルム(サンプル)側表面を目視にて観察し、次の基準で官能評価した。
◎:光源の輪郭がぼやけ、白っぽい。
○:光源の輪郭が若干ぼやけている。白っぽさより光沢感が勝る。
△:光源の輪郭が若干ぼやけているが、テカりがある。
×:光源の輪郭がはっきり見える。テカりがある。光沢感や透明感がある。
上記壁紙貼合サンプルの壁紙保護フィルム(サンプル)側表面について、入斜角85°にてグロス値を任意の3点を測定し、その平均値を表に記載した。
また、上記壁紙貼合サンプルの壁紙保護フィルム(サンプル)側表面を目視にて観察し、次の基準で官能評価した。
◎:光源の輪郭がぼやけ、白っぽい。
○:光源の輪郭が若干ぼやけている。白っぽさより光沢感が勝る。
△:光源の輪郭が若干ぼやけているが、テカりがある。
×:光源の輪郭がはっきり見える。テカりがある。光沢感や透明感がある。
<接着強度の測定>
上記壁紙貼合サンプルを横25mmの短冊状に裁断し、壁紙と保護フィルムが180°となる方向で引速300mm/分にて接着強度を測定した。
上記壁紙貼合サンプルを横25mmの短冊状に裁断し、壁紙と保護フィルムが180°となる方向で引速300mm/分にて接着強度を測定した。
上記実施例1〜3における表面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造を有し、且つ、層断面を顕微鏡観察した際に、ポリプロピレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積が、ポリエチレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積よりも大きいという特徴を有していることが確認された。
また、上記実施例1〜3における接着層は、コロナ処理されており、濡れ指数(JIS K 6768)が36mN/m以上であるため、極性を有していることが確認された。
また、上記実施例1〜3における接着層は、コロナ処理されており、濡れ指数(JIS K 6768)が36mN/m以上であるため、極性を有していることが確認された。
上記実施例・比較例のほか、これまで行ってきた試験の結果を総合すると、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造を有し、且つ、層断面を顕微鏡観察した際に、ポリプロピレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積が、ポリエチレン系樹脂からなる相の観察視野における総面積よりも大きければ、マット感を表現することができることが分かった。
また、接着層が、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、且つ、その層表面が極性を有していれば、EVA発泡シート製の壁紙に対して十分な接着性を得られることが分かった。
また、接着層が、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、且つ、その層表面が極性を有していれば、EVA発泡シート製の壁紙に対して十分な接着性を得られることが分かった。
Claims (10)
- 表面層と接着層とを有する壁紙保護フィルムであって、
前記表面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる相分離構造を有し、
前記接着層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂として含有し、
上記表面層と上記接着層との間に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を含有する中間層を備えていることを特徴とする壁紙保護フィルム。 - 上記接着層は、メチルアクリレート及び無水マレイン酸を含有することを特徴とする請求項1に記載の壁紙保護フィルム。
- 上記接着層の表面はコロナ処理面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁紙保護フィルム。
- 上記接着層の表面は、濡れ指数(JIS K 6768)が36mN/m以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の壁紙保護フィルム。
- 上記中間層は、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)とポリプロピレン(PP)を60:40〜85:15の質量比率で含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の壁紙保護フィルム。
- 上記表面層におけるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンとαオレフィンとのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の壁紙保護フィルム。
- 上記表面層は、耐候剤を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の壁紙保護フィルム。
- 上記表面層は、抗菌剤を含有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の壁紙保護フィルム。
- エチレンビニルアルコール(EVA)からなる発泡樹脂シートを備えた壁紙の表面に積層することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の壁紙保護フィルム。
- 請求項1〜9の何れかに記載の壁紙保護フィルムを表面側に積層してなる構成を備えた壁紙。
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JP2008075209A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 壁装用オーバーフィルム |
JP2009184216A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Mitsui Chemicals Inc | 表面保護フィルム |
JP2009208446A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Gunze Ltd | 壁紙用防汚フィルム及び壁装材 |
JP2014208733A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-11-06 | 三井化学東セロ株式会社 | 表面保護フィルム |
-
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