JP2014208733A - 表面保護フィルム - Google Patents

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裕之 若木
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Abstract

【課題】粘着特性に優れ、被着体等への汚染が少なく、ロール状から繰出す際の繰出し性が容易である表面保護フィルムを提供する。【解決手段】共押出成形により得られ、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなる表面保護フィルムであり、表面層(A)がポリオレフィン樹脂(a−1)0〜97重量%及び、融点が200℃以下である、炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とするオレフィン共重合体(a−2)3〜100重量%((a−1)及び(a−2)の合計を100重量%とする。)からなる組成物から形成されることを特徴とする表面保護フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、光学製品、建材、自動車部品、半導体ウエハ等に使用される表面保護フィルムに関する。詳しくは、粘着特性に優れ、被着体等への汚染が少なく、ロール状から繰出す際の繰出し性が容易である表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムは、光学用途用や建材用の樹脂製品、金属製品、ガラス製品、半導体ウエハ等の被着体に貼付して使用し、これらの輸送、保管や加工時の傷付き、破損、または異物混入を防ぐ、あるいは表面保護フィルムを貼付したまま、次工程における支持体等の役割を果たしている。これらの表面保護フィルムは、一般には粘着性の無い表面層と、前記被着体と粘着させるための粘着層とからなる。表面層は通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体から形成される。
近年、ブラウン管ディスプレイから、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイへの移行や、多機能携帯電話、所謂スマートフォンに代表される携帯情報端末の普及が進んでいる。これらに用いる部材において、近年の高機能化、高性能化に伴い、大きな凹凸表面形状を持つあるいは表面処理を施された部材が増えており、表面保護フィルムに対し、これら表面に貼付可能な粘着特性が求められている。
しかし、高い粘着特性を有する表面保護フィルムでは、ロール状の製品から繰出すことが困難なため、粘着層に離型フィルムを貼り合わせた状態でロール状とし、被着体への貼付の際にこの離型フィルムを剥がして使用している。このような工程を採用すると、大量の廃棄物が発生することから、離型フィルムが無くても容易にロールから繰出すことのできる表面保護フィルムが求められる。更に光学製品部材の薄化や生産速度の向上に伴い、これまで以上にロール状から繰出す際の繰出し性が容易であることが所望されている。
そのため、表面保護フィルムの表面層には離型性を付与する必要がある。
表面保護フィルムの表面層に離型性を付与する方法として、表面層に表面粗度が比較的高いポリマーを選定、あるいは表面粗度が比較的高くなるように、異なる組成のポリマーをブレンドする方法が、公知の方法として用いられる。しかし、上記の方法のみでは、十分な繰り出し性を得られないのが現状である。
特開2009−235264号公報には、ポリプロピレンを主成分とする表面層にオレフィンワックスが添加されている表面保護フィルムが開示されている。しかしながら、同公報による方法では、オレフィンワックスの表面へのブリードアウトにより、ロール保管時に粘着面へ移行し、粘着強度が時間とともに低下してしまう、更には被着体表面を汚染するおそれがある。
また、特開2003−41216号公報には、表面保護シートの表面層上に離型剤を含む離型層を塗工した表面保護シートが開示されている。しかしながら、同公報による方法では、離型剤と離型剤を塗布する面との界面密着力を確保するために塗布基材面の前処理工程が必須であることや、離型剤の硬化等の反応時間が必要であるために、生産性の低下を招く。また、離形剤と離型剤を塗布する面との界面密着力が低いあるいは離型剤の硬化が不十分な場合は、ロール保管時に粘着面へ移行し粘着強度が低下してしまう、更には被着体表面を汚染するおそれがある。また、このような離型剤の塗工方式は、塗布、乾燥、硬化などの各工程を行う必要があり、生産性が低くなり、製造コストが高くなるおそれがある。
他方、特開2008−81589号公報には、ポリオレフィンとフッ素系樹脂からなる表面層を有する、押出成形により得られた表面保護フィルムが開示されている。一般的にフッ素系樹脂の成形加工温度は高く、粘着層に使用される各種エラストマーの成形加工温度と差異が大きく、フィルム成形不良となる、あるいは各種エラストマーの熱分解が進み、粘着特性の異常や被着体表面を汚染するおそれがある。また、ポリオレフィンとフッ素系樹脂の相容性が悪く、ロール保管時に粘着面へ移行し粘着強度が低下してしまう、さらには被着体表面を汚染するおそれがある。
特開2009−235264号公報 特開2003−41216号公報 特開2008−81589号公報
本発明は、光学製品、建材、自動車部品、半導体ウエハ等の輸送、保管、加工時に保護するための表面保護フィルムに関する。特には、被着体等への汚染が少なく、ロールからの繰出し性に優れ、高い生産性及び低いコストで製造し得る共押出法の利点を損なうことなく、表面保護フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、ある特定の樹脂組成物からなる表面層を有する表面保護フィルムにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、共押出成形により得られた表面保護フィルムであって、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなる表面保護フィルムであり、表面層(A)がポリオレフィン樹脂(a−1)0〜97重量%及び、融点が200℃以下であり炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とするオレフィン共重合体(a−2)3〜100重量%((a−1)及び(a−2)の合計を100重量%とする。)からなる組成物から形成されること特徴とする表面保護フィルムに関する。
本発明の表面保護フィルムは、表面層(A)を形成する、融点が200℃以下である、炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とするオレフィン共重合体(a−2)が、4−メチルペンテン−1系共重合体であることが好ましい。
また、本発明の表面保護フィルムは、粘着層(X)が、融点50℃未満または融点が観測されない炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレンα−オレフィン系エラストマーであることが好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、特には、被着体等への汚染が少なく、ロールからの繰出し性に優れ、光学用途だけでなく、建材用途、自動車部品用途、半導体ウエハ加工用途等の保護フィルムとしても産業上の利用価値は極めて高い。
さらに、本発明では、表面層に離型処理を行う必要がないので、高い生産性及び低いコストで製造し得る共押出法の利点を損なうことなく、表面保護フィルムを得ることができる。
本発明の表面保護フィルムは、共押出成形により得られた表面保護フィルムであって、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層、または必要に応じて表面層(A)、中間層(B)及び粘着層(X)の少なくとも3層からなる。ここで、フィルムをロール状にする際には表面層(A)と粘着層(X)とが接触する。
[表面層]
表面層(A)は、ポリオレフィン樹脂(a―1)0〜97重量%及び、融点が200℃以下である、炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とするオレフィン共重合体(a−2)3〜100重量%((a−1)及び(a−2)の合計を100重量%とする。)、好ましくは(a−1)が5〜97重量%、(a−2)が3〜95重量%、より好ましくは(a−1)が10〜97重量%、(a−2)が3〜90重量%からなる組成物である。
ポリオレフィン樹脂(a−1)としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどの公知のポリオレフィン樹脂を挙げることができる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを挙げることができる。これらの中で、剛性が高く、フィッシュアイ(架橋ゲル)の発生がないポリプロピレンを主成分とした樹脂、好ましくはブロックポリプロピレンが利用される。
炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とするオレフィン共重合体(a−2)としては、炭素数4以上のα−オレフィンを30〜100モル%、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%含有する。炭素数4以上のα−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられるが、好ましくは4−メチルペンテン−1である。
好ましいオレフィン共重合体(a−2)としては、4−メチルペンテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1と炭素数3〜20のα−オレフィン共重合体を挙げることができる。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンである。
オレフィン共重合体(a−2)の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点は、200℃以下、好ましくは195℃以下、より好ましくは190℃以下である。融点が200℃を超えると、粘着層に使用される各種エラストマーの成形加工温度との差異が大きくなり、フィルム成形不良となる、あるいは成形加工温度が高くなることで、各種エラストマーの熱分解が進み、粘着特性の異常や被着体表面を汚染するおそれがある。
オレフィン(共)重合体(a−2)の製造方法としては特に制限は無いが、炭素数4以上のα−オレフィンを重合することのできる触媒の存在下に、炭素数4以上のα−オレフィンを単独重合または共重合することにより得ることができる。
前記表面層(A)を形成する組成物中には、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤などの各種添加剤や、ポリオレフィン、エラストマー等の樹脂改質剤を添加することも可能である。
[粘着層]
本発明の表面保護フィルムの粘着層(X)としては、表面保護フィルムの粘着層として使用されている公知の粘着剤であれば使用することが可能であるが、フィッシュアイの発生による被着体損傷や、粘着剤の被着体への移行、いわゆる糊残りの観点から、α−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレン系エラストマーであることが好ましい。
α−オレフィン系エラストマーとしては、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が50℃未満または融点が観測されない、炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする共重合体である。具体的には例えばプロピレン単独共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・1−ブテン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体であり、好ましくはプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体である。
α−オレフィン系エラストマーの230℃で測定したメルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10分、より好ましくは0.5〜50g/10分の範囲にある。
スチレン系エラストマーとしては、ポリスチレン相をハードセグメントとして有する公知のスチレン系エラストマーが使用できる。具体的には、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SEBS)、及びこれらの水素化物、スチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレンジブロック共重合体(SIB)を挙げることができる。好ましくはスチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレンジブロック共重合体(SIB)、あるいはスチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)と、スチレン・イソブチレンジブロック共重合体(SIB)のブレンド物である。
上記のα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレン系エラストマーを、単独または各々異なる組成の成分をブレンドして使用することで、本発明の表面保護フィルムにおける粘着層(X)を形成することができる。また、本発明においては、粘着強度の制御を目的として、さらには本発明の特性を損なわない範囲で、上記のα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレン系エラストマーに対し、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂改質剤や、石油樹脂、水添系石油樹脂、スチレン系樹脂、クロマン・インデン樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、帯電防止剤、結晶核剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加してもよい。
[中間層]
本発明においては、さらに表面層(A)と粘着層(X)との間に少なくとも1層の中間層(B)を設けることも可能である。
中間層としては特に制限はないが、一般には、ポリプロピレンやポリエチレンなどの公知のポリオレフィン樹脂を挙げることができる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを挙げることができる。また、用途によっては、各種オレフィン系エラストマー、マレイン酸変性等の変性ポリオレフィン、スチレン系エラストマーやポリエステルエラストマー等が挙げられる。これらは、単独または各々異なる組成の成分をブレンドして使用してもよく、また必要に応じて、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤などの各種添加剤、各種樹脂改質剤を添加することも可能である。これらの中で、生産性の点から、ポリプロピレンやα−オレフィン系エラストマーを中間層として使用するのが好ましい。
[表面保護フィルム]
表面層(A)と粘着層(X)、必要に応じて中間層(B)を積層する方法については、生産性の点から、表面層と粘着層、必要に応じて中間層の各成分を多層の押出機に供して成形する共押出成形が用いられ、厚み精度の面からT−ダイ成形がより好ましい。
成形温度は、粘着層(X)と、表面層(A)および中間層(B)の成形加工温度の差異を小さく設定することが好ましい。成形加工温度の差異が大きくなると、フィルム成形不良となる、あるいは表面層(A)および中間層(B)の成形加工温度が高くなることで、粘着層(X)に使用しているエラストマーの熱分解が進み、粘着特性の異常や被着体表面を汚染するおそれがある。
本発明の表面保護フィルムにおける表面層(A)の厚みとしては、0.1〜100μm、好ましくは0.3〜80μm、より好ましくは0.5〜60μm、さらに好ましくは1〜40μmである。粘着層(X)の厚みとしては、0.1〜100μm、好ましくは0.3〜80μm、より好ましくは0.5〜60μmである。
本発明の表面保護フィルムの厚みとしては、1〜300μm、好ましくは2〜250μm、より好ましくは3〜200μmである。
上記の好ましい形態の表面層(A)、粘着層(X)及び必要に応じて中間層(B)を使用することで、被着体等への汚染が少なく、ロールからの繰出し性に優れ、光学用途だけでなく、建材用途、自動車部品用途、半導体ウエハ加工用途等に対して好適に利用できる。
さらに、表面層に離型処理を行う必要がないので、高い生産性及び低いコストで表面保護フィルムを得ることができる。
[実施例]
以下に本発明を実施例により詳細説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価法]
(粘着強度):
アクリル板を幅50mm、長さ125mmに切断し、この試験板に2kgのゴムローラーを用いて、表面保護フィルムを貼り付ける。次いで、室温23℃、湿度50%RHの条件下にて、オリエンテック製テンシロン万能試験機RTC−1225Aを用いて、300mm/分の速度で剥離(180度剥離)した時の剥離力を測定し、50mm幅あたりの剥離力を粘着強度(N/50mm)とする。
(剥離強度):
ロールからの巻き戻し力の指標として、粘着強度測定と同様にサンプルを作成し、貼り付けられた表面保護フィルムの表面層の面の上に、もう一枚の表面保護フィルムの粘着層の面が合わさるように設置し、2kgのゴムローラーを用いて貼り付ける。次いで、室温23℃、湿度50%RHの条件下にて、オリエンテック製テンシロン万能試験機RTC−1225Aを用いて、300mm/分の速度で剥離(180度剥離)した時の、表面保護フィルム表面層の面と粘着層の面の剥離力を測定し、50mm幅あたりの剥離力を剥離強度(N/50mm)とする。
この時、使用する2枚の表面保護フィルムは、同一構成フィルムである。
(表面粗さ(Ra)):
非接触表面粗さ計(型番:NT−2000SYSTEM−Veeco社製)を用いて測定した。
(メルトフローレート(MFR)):
ASTM D1238に準拠して、荷重2.16kg、温度230℃で測定した。
(融点):
JIS K 7121に準拠し、示差走査熱量計(DSC)を用い、毎分10℃の加熱速度で測定される融解ピーク頂点の温度を融点とした。融解ピークが複数ある場合は最も高い温度を融点とした。
[使用原料]
(PP−1):ホモポリプロピレン
(融点160℃、MFR(230℃)7g/10分)
(PP−2):ブロックポリプロピレン
(融点160℃、エチレン成分12wt%、ロックウェル硬さ80、
MFR(230℃)6g/10分)
(PO−1):4−メチルペンテン−1共重合体
(融点180℃、MFR(230℃)4g/10分)
(OE−1):プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体
(エチレン含量13モル%、ブテン含量19モル%、融点は観測されない、
MFR(230℃)7g/10分)
(SE−1):スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック重合体
(商品名:シブスター、銘柄名:062T、
MFR(230℃)8g/10分、カネカ社製)
(SE−2):スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック重合体/スチレン−
イソブチレンジブロック重合体
(商品名:シブスター、銘柄名:062M、
MFR(230℃)15g/10分、カネカ社製)
(樹脂組成物−1):スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック重合体/スチレン−イソブチレンジブロック重合体(商品名:シブスター、銘柄名:062M、MFR(230℃)15g/10分、カネカ社製)100重量部に対し、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体(商品名:FTR、銘柄名:FTR6125、Mw=1950、軟化点 125℃、三井化学社製)100重量部をブレンドし、40mmΦの単軸押出機にて、樹脂温度190℃にて造粒することにより、ペレット状の樹脂組成物-1を得た。
[実施例1]
表面層、中間層及び粘着層用に40mmφの単軸押出機を兼ね備えダイ幅400mmの3種3層T−ダイ成形機に上記樹脂を、表1記載の樹脂組成にて供給し、表面層厚み5μm、中間層厚み38μm、粘着層厚み7μm、トータル厚み50μmの表面保護フィルムを作成した。作成されたフィルムを、表面層と粘着層が接した状態で、40℃オーブン中に12時間以上放置後、室温に放置した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜7]及び[比較例1〜3]
各種層の樹脂組成を表1記載の樹脂組成とし、実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。ただし、比較例1は実施例1と同様厚み、実施例3,4,5,6,7及び比較例2,3は、表面層厚み3μm、中間層厚み26μm、粘着層厚み6μm、トータル厚み35μmとした。作成されたフィルムは実施例1と同様に処置した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
剥離性については、剥離強度測定において、2N/50mm以下のものを○、2〜4N/50mm以下のものを△、4N/50mmを超えるものを×とした。
汚染性/移行性の指標として、PO−1を添加していない比較例の粘着強度との比較にて、同等の粘着強度である場合は、表面層から粘着層への移行が無いとし、汚染性/移行性を○、著しい粘着強度の低下が認められた場合は、表面層から粘着層への移行が有るとし、汚染性/移行性を×とした。表1に示すように実施例1から7の表面保護フィルムは、上記特性を満足し、かつ適正な各粘着強度が得られた。
粘着特性に優れ、被着体等への汚染が少なく、ロール状から繰出す際の繰出し性が容易であるため、光学製品、建材、自動車部品、半導体ウエハ等に使用される。

Claims (3)

  1. 共押出成形により得られた表面保護フィルムであって、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなる表面保護フィルムであり、表面層(A)がポリオレフィン樹脂(a−1)0〜97重量%及び、融点が200℃以下であり炭素数4以上のα−オレフィンを主成分とするオレフィン共重合体(a−2)3〜100重量%((a−1)及び(a−2)の合計を100重量%とする。)からなる組成物から形成されることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 前記オレフィン共重合体(a−2)が、4−メチルペンテン−1系共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
  3. 粘着層(X)が、融点が50℃未満または融点が観測されない炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレンα−オレフィン系エラストマーから形成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の表面保護フィルム。

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