JP2009267389A - ダイシングフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体ウエハのダイシング工程において、ダイシング時の縦横の引裂き性、耐熱性および熱収縮性に優れ、半導体ウエハ表面への汚染性の少なく、塩素や臭素などのハロゲンを実質的に含有しないことから環境保全に大きく貢献できるダイシングフィルムの提供を目的としている。
【解決手段】本発明のダイシングフィルムは、厚みが10〜200μmであり、引張弾性率が10〜1000MPaであるプロピレン系樹脂からなり、下記要件[1]〜[3]を同時に満たすことを特徴とする。[1]フィルムのMD方向のエルメンドルフ引裂き強度SMD、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度STDの比が0.5≦STD/SMD≦2.0である。[2]針進入温度(TMA)が100℃〜170℃である。[3]90℃、5分間加熱後の収縮率が5%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエアのダイシング工程に用いられるダイシングフィルム、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムに関する。
詳しくは、特定のプロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とするダイシングフィルムであり、ダイシング工程における縦横の引裂き性、耐熱性および熱収縮性に優れ、半導体ウエハ表面への汚染性の少なく、塩素や臭素などのハロゲンを実質的に含有しないことから環境保全に大きく貢献できるダイシングフィルムに関する。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは、大径の状態で製造され、このウエハはICチップに切断分離(ダイシング)された後、個々にICチップがピックアップされる。ダイシングフィルムは、この半導体ウエハのダイシング工程からピックアップ工程に至って用いられ、ダイシング工程では、ダイシングが確実かつ容易に行えるように、縦横の引裂き性に優れ、また、切断時に、ダイシングソウによる回転で各素子が飛散しないような十分な粘着力が必要である。
ダイシングフィルムとしては、表面に粘着剤層を設けた軟質のポリ塩化ビニル(PVC)製のフィルムが多く使用されている。これは、軟質PVCフィルムが、エキスパンド時におけるネッキングを生じない伸び分布の均一性、及び、チップのピックアップ時には局部的な応力が生じていない応力緩和性を有しているからである。しかし、近年、PVCに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや、含有する可塑剤の溶出などにより、環境への影響が懸念されている。
そこで、軟質PVCフィルムに代わる材料として、ポリプロピレンが、成型加工性が容易であり、化学的性質にも優れることから、主にポリプロピレン系樹脂からなるダイシングフィルムが提案されている。
ポリプロピレンを用いたダイシングフィルムとして、たとえば、プロピレン系樹脂、特定の共重合体(ゴム成分)、および特定の樹脂とからなるフィルムが提案されている(特許文献1)。
このフィルムは、ゴム成分を含むため、引張り伸び特性を有しているが、フィルムのMD方向、TD方向の引裂き性が大きく異なるため、引裂き時の引裂きムラが発生したり、引裂き方向により引裂く力を大きく変更しなければならない等の、ダイシング時の引裂き性に課題が残る。
このように、軟質PVCを用いたダイシングフィルムの代替として、市場の要求する特性、特に縦横の引裂き性に優れるダイシングフィルムは、完成されておらず、現在に至っても殆ど軟質PVCフィルムが使用されている。
また、半導体チップ表面にフィルムを粘着させるためには従来以上の柔軟性と表面追従性が必要である。これまでは、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、プロピレン等の重合体を主成分とするフィルム(基材層)の片面に、アクリル系またはゴム系の粘着剤(粘着層)を塗布してなるもの、ポリエチレンと酢酸ビニル樹脂とを共押出して得られる、ポリエチレンからなる基材層と酢酸ビニル樹脂からなる自己粘着層とを有する二層構造の表面保護フィルムなどが用いられてきた。しかし、近年の半導体の大容量化、大口径化に伴い、回路の緻密化・複雑化が進み、フィルムには更なる柔軟性や表面追従性が必要になっている。また、大容量化と相まって、生産スピードの改善ニーズから、半導体チップ製造工程において各種の素材(部品)が受ける熱履歴は従来にも増して厳しくなってきており、そのため、半導体チップ表面を保護するためのフィルムには従来以上の耐熱性が求められている。
一方で、半導体などの大容量化に伴い、半導体ウエハの裏側の研削工程において更なる薄肉化の流れにあるが、薄層化した半導体ウエハにおいては、剛性の低下により、半導体ウエハの反り変形が著しく大きくなる場合があり、製造上大きな問題となっていた。特に大口径半導体ウエハの場合では反りが顕在化しやすくなっていた。ウエハの反りは、ウエハの表面に貼着されている半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムの残留応力や、ウエハ表面に付設されている集積回路保護膜の残留応力により発生するといわれている。半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムの残留応力は、半導体ウエハの表面に粘着フィルムを貼着する際、該粘着フィルムにかかる張力により発生する。
一般的に、伸びやすい軟質の基材フィルムを用いた半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムでは、残留応力が大きく、半導体ウエハの反りが発生し易い。このような薄層化後のウエハの反りを低減させる手段として、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを半導体ウエハ表面に貼着した際の残留応力を低減する試みが種々検討されてきた。
例えば、特許文献2には、応力緩和率が高い基材フィルムを用いた半導体ウエハ表面保護用粘着フィルム、特許文献3には、高い引張り弾性率を持つ基材フィルムを用いた半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムがそれぞれ開示されている。しかし、これらの開示方法では、半導体ウエハの反りを十分に防止できなかったり、あるいは半導体ウエハの反りを矯正する効果はあるが、半導体ウエハ表面からの剥離が困難であるという問題があった。
特開2002−9018号公報 特開2000−150432号公報 特開2000−212524号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、半導体ウエハのダイシング工程において、ダイシング時の縦横の引裂き性、耐熱性および熱収縮性に優れ、半導体ウエハ表面への汚染性の少なく、環境面に配慮できるダイシングフィルムの提供を目的としている。
さらに、表面保護フィルムが接着された物品(被着体)の加工後、例えば半導体ウエハの裏面研削加工においてウエハの厚みを薄層化した場合であっても、半導体ウエハの表面保護フィルムの残留応力による半導体ウエハの反りを防止し、またウエハを破損することなしに容易に剥離することができる、応力吸収能と耐熱性を備えたダイシングフィルム、好適には半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムとして利用できるフィルムの提供を目的としている。
本発明は、厚みが10〜200μmのフィルムであり、下記要件[1]〜[3]を同時に満たす引張弾性率が10〜1000MPaであるプロピレン系樹脂組成物からなるダイシングフィルムに関わる。
[1]フィルムのMD方向のエルメンドルフ引裂き強度SMD、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度STDの比が
0.5 ≦ STD/SMD ≦ 2.0 ・・・(Eq−1)
である。
[2]針進入温度(TMA)が100℃〜170℃である。
[3]90℃、5分間加熱後の収縮率が5%以下である。
本発明のダイシングフィルムの好ましい態様の一は、プロピレン系樹脂組成物が、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部とプロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である)からなるダイシングフィルムである。
ここで、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、プロピレンから導かれる構成単位90〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上から導かれる構成単位を0〜10mol%を含むプロピレン系重合体(但し、合計して100mol%)であって、下記の要件[a]〜[c]を同時に満たし、
[a]13C−NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr)が85%以上である。
[b]n−デカン可溶部量が1(wt%)以下である。
[c]Tmが130〜180℃の範囲にある。
プロピレン系重合体(B)は、プロピレンから導かれる構成単位50〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上から導かれる構成単位を0〜50mol%を含むプロピレン系重合体(但し、合計して100mol%)である。
本発明のダイシングフィルムの好ましい態様の二は、プロピレン系樹脂組成物が前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と前記プロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリブテンおよびブテン・α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C1)1〜100重量部からなるダイシングフィルムに関わる。
また、本発明のダイシングフィルムの好ましい態様の三は、プロピレン系樹脂組成物が前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と前記プロピレン系共重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C2)1〜100重量部からなるダイシングフィルムに関する。
本発明は、前記ダイシングフィルムを少なくとも1層含む多層フィルムに関する。
本発明は、前記ダイシングフィルムの少なくとも片面が接着層で接着されている多層フィルムに関わる。
本発明のダイシングフィルムの好ましい態様は、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムである。
本発明の多層フィルムの好ましい態様は、半導体ウエハ保護用粘着フィルムである。
本発明のダイシングフィルムは、ダイシング時の縦横の引裂き性、耐熱性および熱収縮性に優れ、半導体ウエハ表面への汚染性の少なく、塩素や臭素などのハロゲンを実質的に含有しないことから環境保全に大きく貢献できる。
さらに、本発明のダイシングフィルムを、半導体ウエハ表面保護用フィルムとして利用した場合、ウエハの裏面研削加工においてウエハを薄層化した場合であっても、半導体ウエハの表面保護フィルムの残留応力による半導体ウエハの反りを防止し、また耐熱性にも優れた性能を発現する。
本発明のダイシングフィルムは、厚みが通常10〜200μm、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜100μmであり、引張弾性率は通常10〜1000MPa、好ましくは15〜800MPa、より好ましくは20〜700MPaであるプロピレン系樹脂組成物からなり、下記要件[1]〜[3]を同時に満たす。
[1]フィルムのMD方向のエルメンドルフ引裂き強度SMD、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度STDの比が
0.5 ≦ STD/SMD ≦ 2.0 ・・・(Eq−1)
である。
[2]針進入温度(TMA)が100℃〜170℃である。
[3]90℃、5分間加熱後の収縮率が5%以下である。
次に、要件[1]〜[3]について順次説明する。
要件[1]
本発明のダイシングフィルムは、JIS K−7128−2に準拠して、50μmのダイシングフィルムのエルメンドルフ引裂強度を、フィルムのMD方向、TD方向において測定した強度をSMD、STDとした場合、
0.5 ≦ STD/SMD ≦2.0 ・・・(eq−1)
であることが好ましく、
0.7 ≦ STD/SMD ≦1.5 ・・・(eq−2)
であることがさらに好ましい。ダイシングフィルムのエルメンドルフ引裂強度のSTD/SMDが、この範囲にあると、ダイシング工程における引裂きが容易に行え、さらに、引裂き方向での引裂き強度がほぼ同等に行え、引裂きムラが発生しにくくなる。この引裂き強度比が小さいことは、ダイシングフィルムの収縮率の低くダイシングフィルムの残留歪が小さいために起こっていると推定される。すなわち分子配向性が小さく、異方性が低いことからフィルムのMD方向とTD方向の機械物性バランスが小さいことが予想される。
要件[2]
本発明のダイシングフィルムの、TMA測定により求められる針進入温度は通常100〜170℃、好ましくは105〜165℃である。この範囲にあるダイシングフィルムは、柔軟性と耐熱性のバランスに優れる。なお、針進入温度は、セイコー社製SS−120または、TA Instrument社製Q−400を用いて、厚さ1mmのプレスシート試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2kgf/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、針進入温度 (℃)を求めた。
要件[3]
本発明のダイシングフィルムの、90℃、5分間加熱後の収縮率は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは0.5%以下である。この範囲を満たすダイシングフィルムは、例えばダイシングフィルム上に加熱硬化接着を通して新たな層を接着する際に加えられる高温条件下においても寸法精度に狂いを発生させることがないので好ましい。なお、収縮率は、ダイシングフィルムの任意の箇所を選択し、縦横それぞれ10cmの正方形の試料片を15枚作成した後、90℃の空気オーブン中で5分間加熱した後、室温で5分間放置した後に測定した平均値である。
本発明のダイシングフィルムの、粘弾性測定から検出される温度が23℃における貯蔵弾性率G'(Pa)が、5×106〜7×108(Pa)、好ましくは1×107〜5×108(Pa)、より好ましくは2×107〜5×108(Pa)であり、損失弾性率G''(Pa)が5×105〜5×107(Pa)、好ましくは7×105〜3×107(Pa)、より好ましくは8×105〜2×107(Pa)であることも好ましい。この範囲にあるダイシングフィルムは、例えば半導体ウエハ表面保護用フィルムとして使用した場合、半導体ウエハ裏面をウエハの湾曲量を極小化しつつ、半導体チップの表面を傷付けることなく極薄にまで研削できる。なお、本発明における貯蔵弾性率G'及び損失弾性率G''は、Anton Paar社製粘弾性測定装置 Physica MCR301を用いて、周波数=10rad/sec、歪=0.1%に設定して、測定温度−80℃〜150℃を昇温速度2℃/min、トーションモードで測定したものである。
本発明のダイシングフィルムの好ましい態様の一は、後述する特定要件[a]〜要件[c]を同時に満たすシンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と、特定のプロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である)からなるプロピレン系樹脂組成物からなる。
以下、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、ダイシングフィルムについて順次説明する。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、プロピレンから導かれる構成単位を90mol%〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上から導かれる構成単位を0mol%〜10mol%とを含むプロピレン重合体(但し、合計して100mol%)である。該シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、得られるダイシングフィルムが、前記した要件[1]〜[3]を満たす限りは、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよいが、好ましくはホモポリプロピレン、あるいはプロピレンと炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)ランダム共重合体である。
ここで、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。なお、本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は通常、プロピレンから導かれる構成単位を90mol%以上100mol%以下と炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を0mol%以上10mol%以下とを含むプロピレン重合体(但し、構成単位の合計は100mol%である。)であり、好ましくはプロピレンから導かれる構成単位を91mol%以上100mol%以下と炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を0mol%以上9mol%以下とを含むプロピレン重合体(但し、構成単位の合計は100mol%である。)であり、さらに好ましくはプロピレンから導かれる構成単位を96mol%以上100mol%以下と炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を0mol%以上4mol%以下とを含むプロピレン重合体(但し、構成単位の合計は100mol%である。)である。
なお、本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である場合には、プロピレンから導かれる構成単位を92.0〜99.9mol%、および炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を0.1〜8mol%の量で、好ましくはプロピレンから導かれる構成単位を93.0〜99.9mol%、および炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を0.1〜7mol%、更に好ましくはプロピレンから導かれる構成単位を94.0〜99.9mol%、および炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を0.1〜6mol%の量で含有していることが好ましい。これらのシンジオタクティックプロピレン重合体(A)のうちでも耐熱性等の点から、ホモポリプロピレンがさらに好ましい。
本発明に係わるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は下記[要件a]〜[要件c]を同時に満たすことを特徴としている。
[a]13C−NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr)が85%以上である。
[b]n−デカン可溶部量が1(wt%)以下である。
[c]Tmが130〜180℃の範囲にある。
以下各要件について詳説する。
要件[a]
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、NMR法により測定したシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率、ペンタッドシンジオタクティシテー)が85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上であるものであり、rrrr分率がこの範囲にあるシンジオタクティックプロピレン重合体は成形性、耐熱性と透明性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。また、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)を用いることで、得られるダイシングフィルムは、結晶サイズも小さくフィルム成形時の配向が起こりにくく耐熱性も優れる理由から、縦横の引裂き性および熱収縮性に優れる。そのため、半導体ウエハのダイシング工程において、ダイシングが確実かつ容易に行える。なお、rrrr分率の上限は特にはないが100%以下であり、通常は例えば99%以下である。
このシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)は、以下のようにして測定される。
rrrr分率は、13C−NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw (1)
NMR測定は、たとえば次のようにして行われる。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。
rrrr分率がこの範囲にあるシンジオタクティックプロピレン重合体は成形性、耐熱性と機械特性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。
要件[b]
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)のn−デカン可溶部量が1(wt%)以下、好ましくは0.8(wt%)以下、さらに好ましくは0.6(wt%)以下である。このn−デカン可溶部量はシンジオタクティックプロピレン重合体乃至これから得られるダイシングフィルムのブロッキング特性に密接した指標であり、通常n−デカン可溶部量が少ないということは低結晶性成分量が少ないことを意味する。すなわち、要件[b]を満たすシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は極めて良好な耐ブロッキング特性を備え、半導体ウエハ表面への汚染性が少ない。
要件[c]
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)の、示差走査熱量計(DSC)測定により得られる融点(Tm)は、130〜180℃以上、好ましくは、140〜170℃、より好ましくは145〜165℃である。この範囲にあるとダイシングフィルムの成形性、耐熱性と機械特性に優れる。
なお、示差走査熱量測定はたとえば次のようにして行われる。試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、30℃から200℃までを320℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、200℃から30℃までを10℃/minで降温し、30℃でさらに5分間保持したのち、次いで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より求めた値である。なお、DSC測定時に、複数のピークが検出される場合は、最も高温側で検出されるピークを、融点(Tm)と定義している。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)を135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常0.1〜10dL/g、好ましくは0.5〜10dL/g、より好ましくは0.5〜8dL/g、特に好ましくは0.95〜8dL/g、さらに好ましくは1〜8、よりさらに好ましくは1.4〜8dL/g、よりさらに好ましくは1.4〜5dL/gである。なかでも1.4〜5dL/gの範囲にあることが好ましい。このような極限粘度[η]値のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、良好な流動性を示し、他の成分と配合しやすく、また得られた組成物から機械的強度に優れたダイシングフィルムが得られる傾向にある。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、架橋メタロセン化合物を重合触媒として使用した重合方法によって製造することができる。具体的には、国際公開第2006/123759号パンフレット、特開2004−189666号公報に記載された方法により製造することができる。
プロピレン系重合体(B)
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、プロピレンから導かれる構成単位50mol%〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上から導かれる構成単位を0〜50mol%を含むプロピレン系重合体(B)(但し、合計して100mol%)である。炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の説明で述べたα−オレフィンが挙げられる。プロピレン系重合体(B)としては、例えば、本出願人によって出願公開されているWO2006/123759号パンフレットに記載されているような公知の重合体をそのまま用いることができる。
本発明のダイシングフィルムの好ましい態様の二は、前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と前記プロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリブテンおよびブテン・α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C1)1〜100重量部からなるダイシングフィルムである。熱可塑性樹脂(C1)は、本発明のダイシングフィルムの低温特性や剛性をより向上させることができるため、好ましい。
ポリエチレンとしては、例えば(株)プライムポリマー社製のHIZEXTM、エボリューTM、ミラソンTMなどが、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、例えば三井化学(株)社製のタフマーATMが、ポリブテン、ブテン・α−オレフィン共重合体としては、例えば三井化学(株)社製のリュブマーTMなど市販のポリマーを制約無く用いることができる。
本発明のダイシングフィルムの好ましい態様の三は、前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と前記プロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C2)1〜100重量部からなるダイシングフィルムである。熱可塑性樹脂(C2)は、本発明のダイシングフィルムの常温でのピックアップ性と剥離性のバランスをより向上させることができるため、好ましい。
ロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸などで変性した変性ロジン、ロジン誘導体が挙げられる。また、このロジン誘導体としては、前記の天然ロジン、重合ロジンまたは変性ロジンのエステル化物、フェノール変性物およびそのエステル化物などが挙げられる。さらに、これらの水素添加物も挙げることができる。
テルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン、テルペンフェノール、テルペンアルコール、テルペンアルデヒドなどからなる樹脂が挙げられ、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテンなどにスチレンなどの芳香族モノマーを重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂なども挙げられる。また、これらの水素添加物も挙げることができる。
また石油樹脂としては、たとえばタールナフサのC5留分を主原料とする脂肪族系石油樹脂、C9留分を主原料とする芳香族系石油樹脂およびそれらの共重合石油樹脂が挙げられる。すなわち、C5系石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分を重合した樹脂)、C9系石油樹脂(ナフサ分解油のC9留分を重合した樹脂)、C5C9共重合石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分とC9留分とを共重合した樹脂)が挙げられ、タールナフサ留分のスチレン類、インデン類、クマロン、その他ジシクロペンタジエンなどを含有しているクマロンインデン系樹脂、p−tert−ブチルフェノールとアセチレンの縮合物に代表されるアルキルフェノール類樹脂、ο−キシレン、p−キシレンまたはm−キシレンをホルマリンと反応させてなるキシレン系樹脂なども挙げられる。
また、前記したロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂は、耐候性および耐変色性に優れるために水素添加誘導体が好ましい。ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂の、環球法による軟化点は、40〜180℃の範囲にあることが好ましい。また、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂の、GPCにより測定される数平均分子量(Mn)は100〜10,000程度の範囲にあることが好ましい。これらロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂としては市販品を制限なく使用することができる。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物、すなわち成分(A)と成分(B)からなる組成物、成分(A)と成分(B)と成分(C1)とからなる組成物、あるいは成分(A)と成分(B)と成分(C2)とからなる組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候安定剤、耐熱安定剤、耐電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、透明核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて配合されていてもよい。また、プロピレン系樹脂組成物のフィルム成形性を改善させるために核剤を含んでも良い。この場合、例えば核剤はジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤等である。前記した添加剤、または核剤の配合量は、プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して通常0.1〜1重量部程度があることが好ましい。
また本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、アイソタクティックポリプロピレンまたはスチレン系エラストマーを含むことができる。その場合の配合量は、プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。
成分(A)および成分(B)から構成されるダイシングフィルム(1)
本発明に係る、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部、好ましくは100〜30重量部、より好ましくは99〜10重量部、更に好ましくは99〜50重量部と、プロピレン系重合体(B)0〜90重量部、好ましくは0〜70重量部、より好ましくは1〜90重量部、更に好ましくは1〜50重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である)からなるダイシングフィルムは公知の方法、例えば、スラリー相、溶液相または気相による連続式またはバッチ式に多段重合する方法、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボブレンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後に一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混合後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することによって一旦組成物を調製した後、キャスト成形、Tダイやインフレーションフィルム法のよる押出成形方法やカレンダー成形方法など公知の成形方法によってダイシングフィルム(1)あるいは該フィルムを含む多層フィルムに変換することが可能である。
なお本発明に係るプロピレン系樹脂組成物には、本願発明を損なわない範囲で公知の各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐候安定剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、着色剤を添加することは任意である。
成分(A)、成分(B)および成分(C1)から構成されるダイシングフィルム(2)
本発明のダイシングフィルムは、前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と前記プロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリブテン、ブテン・α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C1)1〜100重量部、好ましくは1〜70重量部、より好ましくは1〜50重量部からなる。成分(A)、成分(B)および成分(C1)からダイシングフィルム(2)を調製する方法は、前記した、成分(A)および成分(B)からダイシングフィルム(1)を製造する方法に同一である。
成分(A)、成分(B)および成分(C2)から構成されるダイシングフィルム(3)
本発明のダイシングフィルムは、前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と前記プロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である)と、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C2)1〜100重量部、好ましくは1〜70重量部、より好ましくは1〜50重量部からなる。成分(A)、成分(B)および成分(C2)からダイシングフィルム(3)を調製する方法は、前記した、成分(A)および成分(B)からダイシングフィルム(1)を製造する方法に同一である。
本発明のダイシングフィルムは、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)、プロピレン系重合体(B)および必要に応じて上記のアイソタクティックポリプロピレンや各種添加剤を添加してなるプロピレン系重合体組成物を、200〜300℃の範囲で溶融押出して得られた原反シート、または溶融押出された原反シートを押出時に同時あるいは原反を得た後にバッチ操作にて一軸又は二軸に延伸することで得ることができる。
また、本発明のダイシングフィルムは、半導体ウエアのプロセスにおいて、腐蝕を引き起こす、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、弗素イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン等や、金属イオンとして、鉄イオン、ニッケルイオン、銅イオン、アルミニウムイオン、クロムイオン等を実質的に含まないレベル、たとえば、イオン分析値として1ppm未満であることが好ましい。特に、本発明のダイシングフィルムには、塩素などのハロゲンは、実質的に含有していないため、ダイシングフィルムを焼却しても、有害な塩素系のガスを発生せず、環境保全に大きく貢献できる。
また、本発明のダイシングフィルムの厚みは、通常1〜50μmであり、好ましくは5〜30μmの範囲である。
本発明において、ダイシングフィルムは、まずフィルムを作製することで得られる。フィルムを得るための装置は特に限定はされないが、例えば、一軸延伸では上記原反シートを、バッチ式二軸延伸機を用い100〜160℃で4〜10倍に機械方向(原反シートを作成する際に押出される樹脂の流れと平行な方向)に延伸することにより得ることができる。また二軸延伸では、一軸延伸によって得られたフィルムを更に一軸延伸と同様な条件で機械方向とは直角に逐次延伸することや機械方向及び機械方向とは直角な方向への延伸を同時に行う同時二軸延伸を行うことによって得ることができる。
また、工業的には、チューブラーフィルム法(押出機より押出された溶融ポリマーをチューブのまま両軸に同時延伸する方法)または、テンター法(押出機より押出された溶融ポリマーを冷却ロールで冷却固化し、複数の予熱ロールおよび複数の縦延伸ロールで縦方向に延伸し、引き続き横方向延伸装置(テンター)内にフィルムを導入して横方向に延伸する連続二軸延伸方法)を用いて一軸あるいは二軸の延伸フィルムを得ることができる。
テンター法では、Tダイから熔融押し出しされた熔融フィルムを冷却ロールで固化させ、熔融成形フィルムを必要により予熱したあと延伸ゾーンに導入し、次いで120〜150℃の温度で縦方向に1.5ないし8倍延伸される。この延伸倍率は1.5〜8倍、好ましくは2〜7倍であり、1.5倍より低いとフィルム強度が大きくならず、8倍を超えるとボイドが生じ易く、幅方向の強度が低くなり、長さ方向に裂けやすくなる。次いで更に140〜170℃の温度で6ないし12倍に幅方向に延伸する。最後にこの二軸延伸されたフィルムは160〜190℃で熱固定することも必要により行われる。
本発明において、フィルムが、二軸延伸して得られると、機械的な強度も高く、薄物から厚物まで製造することが可能である。
このようにして得られたフィルムを、打ち抜きにより、半導体ウエハ形状の丸型にカットすることで、本発明のダイシングフィルムを得ることができる。
このようにして得られたダイシングフィルムを、半導体ウエハのダイシング時に使用する場合、公知の方法にて使用できるが、たとえば、ダイシングフィルムを、半導体チップに貼り付けて使用できる。貼り付けに必要な温度は100℃程度が好ましい。ウエハへの貼り付けの後、ウエハをダイシング装置上に固定し、ダイシングソウなどの切断手段を用いて、本発明のダイシングフィルム付きシリコンウェハーを、個片単位に切断して個片ダイとした半導体チップを得て、続いて、ダイシングフィルムを半導体チップの裏面に固着残存させたままで、ピックアップ機を用いてダイシングフィルムを剥離する。この際には通常用いられるいずれのピックアップ装置を用いることができる。
本発明のダイシングフィルムは、基材層と積層していることが好ましい。基材層は100℃程度の耐熱性を有し、半導体ウエハとのラミネート時の加熱圧着にも充分に耐えられる耐熱性を持つことが好ましい。
基材層の厚さは、50〜500μm程度の範囲にあることが好ましい。基材層の厚さが厚いほうがより剥離性に優れるが、500μmを超えてしまうと、テープとして取り扱い性が悪化し好ましくない。また、基材層の厚さが50μm未満であると、切断時に破れる恐れがあり好ましくない。
また、基材層は、本発明のダイシングフィルムと同じく、反応性成分を含まないことが好ましく、腐蝕性イオンや金属イオンもダイシングフィルムと同等のレベル、たとえば、イオン分析値として1ppm未満であることが好ましい。
本発明のダイシングフィルムと基材層とは強固に一体化したものが好ましく、例えば、碁盤目状にナイフで切れこみを入れた後、ダイシングフィルムと基材層との界面を粘着テープで剥離状況を観察する(碁盤目剥離)テストで、全面に剥離が発生しないレベルにすることが、ダイシングフィルムとしての機能を果たす積層体に外部から加えられる拡張する力を剥離する力に変換する効率が高くなるので好ましい。
基材層は、単層あるいは2層以上の薄層品からなり、その構成成分として、合成樹脂、天然樹脂などの伸長性と強さを併せ持つ材料であるならば限定されずに自由に選択できる。
基材層としては、耐水性、耐熱性、耐メッキ液性、耐エッチング液性、廃棄処理性等の理由から、非ハロゲン系合成樹脂を主成分とするものが好ましく、具体例としては、オレフィン系重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどが挙げられる。
本発明の基材層としては、ウエハ加工に対する安定性に優れる点と、使用後に焼却処理する場合にダイオキシンに代表されるハロゲン化合物等の有毒ガスが発生しない点と、粘着層と強固な接着を形成し易い点とから、その構成成分としては、とりわけ、オレフィン系重合体を主成分とするものが好ましい。
オレフィン系重合体としては、具体的には、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、また、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アイオノマー等の各種ビニル化合物との共重合体等ポリエチレン系重合体が挙げられ、共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でも良く、炭素数4以上のα−オレフィン共重合体を挙げることができる。本発明において主成分とは、それ以外の含まれている構成成分に比べて、相対的に最も大きな割合で含まれる構成成分を言う。基材層におけるα−オレフィンを含む重合体の含有量は、通常、50〜100重量%程度であり、好ましくは70〜100重量%程度である。
基材層は、この種の粘着テープの基材層に一般に用いられる各種添加剤を含有していてもよい。例えば、各種の充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤等を被着体であるウエハに対して影響を与えない程度に含有していてもよい。
半導体ウエハ表面保護フィルム
本発明のダイシングフィルムを、半導体ウエハ表面保護フィルムとして利用する場合は、通常は前記成分(A)および成分(B)からなるプロピレン系樹脂組成物、または前記成分(A)、成分(B)および成分(C1)からなるプロピレン系樹脂組成物、または前記成分(A)、成分(B)および成分(C1)からなるプロピレン系樹脂組成物から調製された単層フィルムに、アクリル樹脂に代表される粘着剤を、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど公知の方法にしたがって基材上に適宜の厚さで塗工して乾燥させて粘着剤層を形成し、次いで必要に応じ粘着剤層上に、市販のポリプロピレンまたはポリエチレンからなる離型シート(セパレーター)を貼り合わせることで表面保護テープとする。
上記表面保護テープを用いて、本発明に係る半導体ウエハの裏面研削工程を行う場合は、まず、前記表面保護テープからセパレーターを剥離させ、粘着剤層側をウエハ表面に貼付する。ウエハ表面には、回路パターンが形成されている。この貼付工程は、ラミネーターと呼ばれる装置を用いて極力張力をかけないように行われるが、完全に張力をかけずに貼付を行うことは実質的に不可能である。したがって、通常の表面保護テープではこの際の張力が粘着シート中に残留応力として蓄積するが、本発明の表面保護テープにおいては、応力緩和により内部応力が減衰する。
次いで、半導体ウエハの裏面をグラインダー等により、所定の厚さになるまで研削し、必要に応じエッチング等による化学研削を行う。これらの工程を通して、該表面保護テープは、半導体ウエハの固定化(不動化)と、表面保護テープ側に接している半導体ウエハ面の保護機能を果たすことになる。このような研削によりウエハは、例えば厚み50μm〜200μmにまで研削される。上記したように、既存の表面保護フィルムを用いる場合は、貼付時の張力が粘着シート中に残留応力として蓄積され、極薄ウエハを湾曲させる原因となってしまうが、本発明の表面保護フィルムにおいては、応力緩和により内部応力が減衰するため、ウエハを極薄にまで研削してもウエハの湾曲化を最小化することが可能となる。
[実施例]
次に本発明を実施例に基づき詳述に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。本発明において採用した分析方法は以下の通りである。
[m1] 重合体中のエチレン含量、プロピレン含量とα−オレフィン含量
日本電子製JNM GX-400型NMR測定装置を用いた。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン 2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)濾過した後、重水素化ベンゼン 0.5mlを加え内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は8000回以上とする。得られた13C−NMRスペクトルにより、重合体中のエチレン含量、プロピレン含量とα−オレフィン含量を定量した。
[m2] 極限粘度([η])〕
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち造粒ペレット約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求める。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[m3] 融点(Tm)、結晶化温度(Tc)
パーキンエルマー社製示差走査熱量測定装置 DSCPyris1またはDSC7を用い、窒素雰囲気下(20ml/min)、約5mgの試料を200℃まで昇温・10分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却した時の結晶化ピーク頂点から結晶化温度Tcを算出した。また、30℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点を算出した。
[m4] 立体規則性(rrrr,mmmm)
立体規則性(rrrr,mmmm)は13C−NMRスペクトル測定から算出した。
[m5] 分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500μLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
[m6] メルトフローレート(MFR)
ASTM D 1238に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定した。
[m7] 密度
密度測定は、ASTM D1505に準拠して測定した。
[m8] ノルマルデカン可溶部量
サンプル5gにn−デカン200mlを加え、145℃で30分間加熱溶解した。約3時間かけて、20℃まで冷却させ、30分間放置した。その後、析出物(n−デカン不溶部)をろ別した。ろ液を約3倍量のアセトン中に入れ、n−デカン中に溶解していた成分を析出させた。析出物をアセトンからろ別し、その後乾燥した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n−デカン可溶部量は、以下の式によって求めた。
n−デカン可溶部量(wt%)=[析出物重量/サンプル重量]×100
[m9] フィルムの膜厚
マイクロメーターを用いて測定した。
[m10] 針進入温度(TMA測定による軟化温度)
JIS K7196に準拠し、厚さ1.0mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2Kgf/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、軟化温度(℃)を求めた。
[m11] 引張り弾性率
1mm厚プレスシートより、JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルに打ち抜き、評価試料に供した。試料は、スパン間:30mm、引張り速度30mm/minで23℃にて測定した。
[m12] エルメンドルフ引裂き強度
JIS K7128−2に準拠して、50μmのフィルムをMD方向、TD方向にサンプリングして測定した。
[m13] 粘弾性測定(G'、G''の算出)
2mm厚プレスシートより、幅10mm×長さ45mmのサイズに打ち抜き、Anton Paar社製粘弾性測定装置 Physica MCR301を用いて、周波数=10rad/sec、歪=0.1%に設定して、測定温度−80℃〜150℃を昇温速度2℃/min、トーションモードで測定した。
触媒合成例
〔触媒合成例1〕
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、特開2004-189666号公報の合成例3に記載された方法で製造した。
〔触媒合成例2〕
ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、特開2007−321102号公報の合成例3に記載された方法で製造した。
〔触媒合成例3〕
イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、国際公開第06/025540号パンフレットの合成例2に記載された方法で製造し、担持触媒のスラリーを同公報の合成例2に記載された方法で製造した。
重合体例
〔合成例1〕−シンジオタクティックプロピレン重合体(A−1)−
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネティックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間撹拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、ポリマーを析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、ポリマー6.95gが得られた。重合活性は7.58kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたポリマーの[η]は1.6dl/g、Tm=154/160℃であり、rrrr=94%であり、Mw/Mn=1.9であり、MFR(230℃、2.16kg荷重)=6.1g/10分であり、密度=0.882g/cm3であった。この操作を繰り返して、必要量のポリマーを得て実施例に使用した。
結果を表1に示す。
−シンジオタクティックプロピレン重合体(A−2)−
Total社製シンジオタクティックポリプロピレン(商品名:FINAPLAS1471、MFR(230℃、2.16kg荷重)=5.0g/10分、rrrr=69%、Tm=113/125℃、[η]は1.6dl/g、Mw/Mn=2.0、密度=0.877g/cm3)を比較例で用いた。
〔合成例2〕−プロピレン・α-オレフィン共重合体(B−1)−
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.33MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.63MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.63MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、97gであり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.2(dL/g)、MFR(230℃、2.16kg荷重)=0.7g/10分、Mw/Mn=2.0、密度=0.852g/cm3であった。得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
−アイソタクティックプロピレン重合体(F−1)−
(株)プライムポリマー社製アイソタクティックポリプロピレン(商品名:F−107BV、MFR(230℃、2.16kg荷重)=7.0g/10分、mmmm=96%、Tm=162℃、[η]=1.9(dL/g)、Mw/Mn=6.2、密度=0.907g/cm3)を比較例で用いた。
〔合成例3〕−アイソタクティックプロピレン重合体(F−2)−
充分に窒素置換した50mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーチップを入れ、これに上記合成例3で調製した担持触媒のスラリー341mgとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(Al=1.0M)1.0mmolおよび脱水ヘキサン5.0mlを加え、充分に窒素置換した内容量2000mlのSUS製オートクレーブに導入した。その後、液体プロピレン500g、水素0.1NLを装入し、70℃で40分間重合を行った後、オートクレーブを冷却およびプロピレン、水素をパージして重合を停止した。ポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行った。得られたポリマーはアイソタクティックポリプロピレン75.5gであり、重合活性は158.7kg−PP/mmol−Zr・hrであり、[η]=2.1dl/g、Mw/Mn=2.4、mmmm=96%、Tm=158℃、MFR(230℃、2.16kg荷重)=4.4g/10分、密度=0.901g/cm3であった。この操作を繰り返して、必要量のポリマーを得て実施例に使用した。
結果を表1に示す。
なお、熱可塑性樹脂(C−1)としては、三井化学(株)社製エチレン・α−オレフィン共重合体(商品名:タフマー A4085、190℃、2.16kg荷重下のMFR=4.0g/10分)を用い、熱可塑性樹脂(C−2)としては、ヤスハラケミカル(株)社製テルペン系水素添加樹脂(商品名;クリアロンP150、軟化点150℃、Tm=72℃)を用いた。
合成例1で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)80重量部と、合成例2で得られたプロピレン・α−オレフィン共重合体(B−1)20重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=48μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)50重量部と、合成例2で得られたプロピレン・α−オレフィン共重合体(B−1)50重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=52μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)20重量部と、合成例2で得られたプロピレン・α−オレフィン共重合体(B−1)80重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=51μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)15重量部と、合成例2で得られたプロピレン・α−オレフィン共重合体(B−1)85重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。さらに三井化学(株)社製エチレン・α−オレフィン共重合体(商品名:タフマー A4085、MFR=4.0)(C−1)を20重量部配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=55μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)20重量部と、合成例2で得られたプロピレン・α−オレフィン共重合体(B−1)80重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。さらにヤスハラケミカル(株)社製テルペン系水素添加樹脂(商品名;クリアロンP150、軟化点150℃)(C−2)を20重量部配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=52μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)100重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着して ダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=49μmのフィルムを得た。
〔比較例1〕
シンジオタクティックポリプロピレン(A−2)100重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着して ダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=51μmのフィルムを得た。
〔比較例2〕
(株)プライムポリマー社製アイソタクティックポリプロピレン(商品名:F−107BV)(F−1)を、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度80℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=53μmのフィルムを得た。
〔比較例3〕
合成例3で得られたアイソタクティックポリプロピレン(F−2)100重量部に対して、トリ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートを0.2重量部に配合する。しかる後に株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー径30mm、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量3kg/hrで造粒してペレットとした。造粒ペレットを試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=230℃条件下、ロール温度80℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=52μmのフィルムを得た。
〔比較例4〕
三井化学社(株)製エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)(商品名:タフマー A4085)を試料として、サーモ・プラスチック株式会社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着して ダイス温度=230℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=55μmのフィルムを得た。
Figure 2009267389
Figure 2009267389
Figure 2009267389
本発明によれば、ダイシング時の縦横の引裂き性、耐熱性および熱収縮性に優れ、半導体ウエハ表面への汚染性の少なく、環境面に配慮できるダイシングフィルムを提供できる。
また、本発明のダイシングフィルムを半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムとして用いることにより、ウエハ裏面研削工程において、ウエハ厚みが極薄になった場合でもウエハの反りを最小化できる。

Claims (8)

  1. 厚みが10〜200μmからなるフィルムであり、下記要件[1]〜[3]を同時に満たすことを特徴とする引張弾性率が10〜1000MPaであるプロピレン系樹脂組成物からなるダイシングフィルム。
    [1]フィルムのMD方向のエルメンドルフ引裂き強度SMD、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度STDの比が
    0.5 ≦ STD/SMD ≦ 2.0 ・・・(Eq−1)
    である。
    [2]針進入温度(TMA)が100℃〜170℃である。
    [3]90℃、5分間加熱後の収縮率が5%以下である。
  2. プロピレン系樹脂組成物が、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部と、プロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕からなることを特徴とする請求項1に記載のダイシングフィルム。
    ここで、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、
    プロピレンから導かれる構成単位90〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上から導かれる構成単位を0〜10mol%含み(但し、合計して100mol%)、下記の要件[a]〜[c]を同時に満たし、
    [a]13C−NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr)が85%以上である。
    [b]n−デカン可溶部量が1(wt%)以下である。
    [c]Tmが130〜180℃の範囲にある。
    プロピレン系重合体(B)は、
    プロピレンから導かれる構成単位50〜100mol%と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上から導かれる構成単位を0〜50mol%含む(但し、合計して100mol%)。
  3. プロピレン系樹脂組成物が、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部とプロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリブテンおよびブテン・α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C1)1〜100重量部からなることを特徴とする請求項1に記載のダイシングフィルム。
  4. プロピレン系樹脂組成物が、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜10重量部とプロピレン系重合体(B)0〜90重量部〔ただし、(A)と(B)との合計は100重量部である〕と、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(C2)1〜100重量部からなることを特徴とする請求項1に記載のダイシングフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイシングフィルムを少なくとも1層含むことを特徴とする多層フィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイシングフィルムの少なくとも片面に接着層が積層されていることを特徴とする多層フィルム。
  7. 半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイシングフィルム。
  8. 半導体ウエハ保護用粘着フィルムであることを特徴とする請求項5または6に記載の多層フィルム。
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