JP3879513B2 - 収縮包装用フィルムおよびラベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに関するものである。さらに詳しくは、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、延伸方向に対して直角な方向の応力によって破断しにくいシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、PETボトルのリサイクルが本格化してきており、そのリサイクルにおいて、PETボトルとそのボトルに装着されているラベルは、通常、密度の差を利用して、水を用いて分離される。
そして、PETボトルのラベル等に用いられるシュリンク包装用フィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PET、ポリプロピレン等が知られている。しかし、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンやPETのラベルはPETボトルと密度が近く、密度の差を利用して、水によって分離することが難しいので、シュリンク包装用フィルムの素材として、ポリプロピレンが注目されている。
【0003】
ポリプロピレンからなるシュリンク包装用フィルムについては、例えば、特開平2−251549号公報には、特定のプロピレン−α−オレフィン共重合体と特定の炭化水素樹脂を含有する樹脂組成物からなる加熱収縮率が高く、腰も高いシュリンク包装フィルムが記載されている。しかし、一軸延伸フィルムは延伸していない方向の応力によって破断しやすく、製膜や印刷工程で破断しやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、延伸方向に対して直角な方向の応力によって破断しにくいシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、以上の実情に鑑み、鋭意検討した結果、重量割合が一定の範囲であるポリプロピレン系樹脂と、重量割合が一定の範囲であるエチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマーと、重量割合が一定の範囲である炭化水素樹脂からなる樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸して得られるシュリンク包装用フィルムが、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
ポリプロピレン系樹脂45〜94重量%と、エチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマー1〜15重量%と炭化水素樹脂5〜40重量%からなる樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸して得られるシュリンク包装用フィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂が、炭素数4以上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)1〜30重量%と、炭素数4以上のα―オレフィン含量が15〜30モル%であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体成分 ( B ) 70〜99重量%からなり、前記重合体成分(A)が第一工程で製造され、次いで、前記重合体成分(B)が第二工程以降で製造されるプロピレン系共重合体であることを特徴とするシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに係るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体、少なくとも二段階以上の多段階で主にプロピレンからなる重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分を重合させることによって製造されるポリプロピレン系共重合体(プロピレン−エチレンブロック共重合体ということがある。)等が挙げられ、これらは単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
【0008】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂が、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体またはプロピレン−エチレンブロック共重合体である場合に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンであり、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィンである。例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、共重合特性、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
【0009】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、加熱収縮率の観点から、好ましくは、炭素数4以上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)1〜30重量%と、炭素数4以上のα―オレフィン含量が15〜30モル%であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体成分(B)70〜99重量%からなり、前記重合体成分(A)が第一工程で製造され、次いで、前記重合体成分(B)が第二工程以降で製造されるプロピレン系共重合体である。
【0010】
共重合体成分(A)として、好ましくはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分であり、共重合体成分(B)として、好ましくはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分である。
【0011】
シュリンク包装用フィルムの腰の強さや加工性の観点から、共重合体成分(A)および前重合体成分(B)のそれぞれの含量は、通常、共重合体成分(A)の含量は1〜30重量%であり、好ましくは5〜30重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量であり、そして、共重合体成分(B)の含量は70〜99重量%であり、好ましくは70〜95重量%であり、さらに好ましくは80〜95重量%である。
【0012】
共重合体成分(A)に含まれる炭素数4以上のα―オレフィン含量は、通常、加工性や成分(A)の製造(重合)を安定に行うという観点から、1〜15モル%未満であり、好ましくは5〜15モル%未満であり、さらに好ましくは5〜10モル%である。
【0013】
共重合体成分(B)に含まれる炭素数4以上のα―オレフィン含量は、加工性やシュリンク包装用フィルムの腰の強さの観点から、通常、15以上〜30モル%以下であり、好ましくは15以上〜25モル%以下である。
【0014】
共重合体成分(A)に含まれるエチレン含量は、フィルムの経時白化や腰の強さの観点から、通常、5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。共重合体成分(B)に含まれるエチレン含量は、フィルムの経時白化や腰の強さの観点から、通常、5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。
【0015】
共重合体成分(A)または共重合体成分(B)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィンとしては、前述のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体またはプロピレン−エチレンブロック共重合体に用いられるα−オレフィンと同様のα−オレフィンであり、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィンであり、より好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、共重合特性、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
【0016】
共重合体成分(A)または共重合体成分(B)としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げられ、好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分である。
【0017】
共重合体成分(A)および共重合体成分(B)からなるプロピレン系共重合体としては、例えば、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体等が挙げられ、好ましくは(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体および(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体であり、さらに好ましくは(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体である。
【0018】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の製造は、公知の重合用触媒を用いて、公知の重合方法により行うことができる。
重合用触媒としては、チーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、好ましくはTi、Mg、ハロゲンを必須成分として含有する触媒である。例えば、マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、この固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系が挙げられる。
【0019】
重合方法としては、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくはスラリー重合法、気相重合法である。これらの重合法は、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。
【0020】
本発明で用いられるエチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマーにおいて用いられるα−オレフィンとしては、前述のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体またはプロピレン−エチレンブロック共重合体に用いられるα−オレフィンと同様のα−オレフィンが挙げられる。
【0021】
本発明で用いられるエチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−1−ブテンエラストマー、エチレン−1−ヘキセンエラストマー、エチレン−1−オクテンエラストマーが挙げられ、好ましくは、密度が0.900g/cm3以下のエラストマーである。また、これらのエラストマーを単独で用いても、併用しても良い。
【0022】
本発明で用いられる炭化水素樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、シクロペンジエン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられ、好ましくはこれら樹脂の中で極性基を有しないもの、水素を付加して水添率が95%以上のものである。また、これらの炭化水素樹脂を単独で用いても、併用しても良い。
【0023】
また、炭化水素樹脂の軟化点(環球法により求められる軟化点)は、加熱収縮率および経時自然収縮率の観点から、好ましくは120℃以上であり、さらに好ましくは130℃以上である。
【0024】
本発明で用いられる樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂45〜94重量%と、エチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマー1〜15重量%と炭化水素樹脂5〜40重量%からなる樹脂組成物である。ただし、樹脂組成物の全重量を100重量%とする。エチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマーの重量割合は、好ましくは1〜10重量%である。炭化水素樹脂の重量割合は、好ましくは10〜30重量%である。
【0025】
エチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマーの重量割合が、1重量%未満の場合、延伸方向に対して直角方向の応力によって破断することがあり、15重量%を超えた場合、シュリンク包装用フィルムの腰が低くなることがある。
【0026】
炭化水素樹脂の重量割合が、5重量%未満の場合、加熱収縮率が低くなることがあり、40重量%を超えた場合、シュリンク包装用フィルムの腰が低くなることがある。
【0027】
本発明で用いられる樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐ブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤および造核剤等が挙げられる。その他の樹脂としては、例えば、ポリ1−ブテン、1−ブテン−α−オレフィン共重合体、ポリエチレン、エチレン−極性モノマー共重合体等が挙げられる。これらのその他の樹脂は単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
【0028】
本発明で用いられる樹脂組成物の製造方法としては、公知の方法で均一に分散させる方法が挙げられる。例えば、押出し溶融ブレンドを用いる方法、バンバリーブレンドを用いる方法等が挙げられる。
【0029】
本発明で用いられる樹脂組成物を製膜する方法としては、特に制限はなく、公知の製膜法が挙げられる。例えば、Tダイ法、チューブラー法等が挙げられ、好ましくはTダイ法である。
【0030】
また、本発明で用いられる樹脂組成物を製膜して得られたフィルムを、少なくとも一軸方向に延伸して、延伸フィルムを製造する方法が挙げられる。延伸方法としては、特に制限はなく、公知の延伸方法が挙げられる。例えば、ロール延伸、ロール圧延、テンター横一軸延伸などの1軸延伸方法やテンター2軸延伸方法が挙げられる。
【0031】
延伸温度は、通常、常温から樹脂組成物の融点以下であり、加熱収縮率の観点から、好ましくは均一な延伸ができる範囲であって、できるだけ低温である。
面延伸倍率は、通常、2〜100倍であり、好ましくは2〜50倍である。そして、MD、TDの延伸倍率は必ずしもバランスさせる必要はなく、それぞれの用途に応じて任意に選択できる。例えば、PETボトル等のラベルに用いられるフィルムの場合、主に一軸方向に配向されていることが好ましい。
【0032】
延伸後の熱固定は、実施しても良く、実施しなくても良い。経時自然収縮率の観点から、実施する方が好ましい。熱固定の方法や条件としては、特に制限はないが、好ましくは熱固定の温度が延伸温度以上であること、経時自然収縮率の観点から熱固定時に緩和させることが挙げられ、さらに好ましくは5%以上収縮させることが挙げられる。
【0033】
本発明のシュリンク包装用フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜250μmであり、さらに好ましくは30〜150μmである。
【0034】
本発明のシュリンク包装用フィルムは、単層フィルムでも良く、多層フィルムでも良い。加工性およびフィルムのべたつきを抑えるという観点から、好ましくは多層フィルムである。多層フィルムとしては、本発明のシュリンク包装用フィルムの片外層または両外層に任意の樹脂を積層して得られるものが挙げられる。片外層または両外層に用いる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、好ましくはポリプロピレンである。積層する方法としては、共押出し法、ラミネーション法、接着剤による貼り合わせ法等が挙げられ、好ましくは多層ダイを用いた共押出し法である。
【0035】
本発明のシュリンク包装用フィルムは、加熱収縮率が高く、経時自然収縮率が低く、腰があることから各種包装用途で好適に使用され、特にPETボトルや瓶のシュリンク包装用ラベルに使用できる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、発明の詳細な説明および実施例及び比較例中の各項目の物性値は、下記の方法で測定した。
【0037】
(1)プロピレン系共重合体に含まれる共重合体成分(A)および成分(B)の含量(単位:重量%)
物質収支から求めた。
【0038】
(2)共重合体成分(A)および成分(B)に含まれる1−ブテン含量(単位:モル%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第619頁に記載されているIRスペクトル測定を行い、成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる1−ブテン含量を求めた。成分(B)に含まれる1−ブテン含量は、成分(A)、成分(B)の含量および成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる1−ブテン含量を用いて下式より算出した。
(成分(B)中の1-ブテン含量) =[ (プロピレン系共重合体中の1-ブテン含量)×100
- (成分(A)中の1-ブテン含量)×(成分(A)の含量)]/(成分(B)の含量)
【0039】
(3)共重合体成分(A)および成分(B)に含まれるエチレン含量(単位:モル%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されているIRスペクトル測定を行い、成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれるエチレン含量を求めた。成分(B)に含まれるエチレン含量は、成分(A)、成分(B)の含量および成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれるエチレン含量を用いて下式より算出した。
(成分(B)中のエチレン含量) =[ (プロピレン系共重合体中のエチレン含量)×100
−(成分(A)中のエチレン含量)×(成分(A)の含量)]/(成分(B)の含量)
(4)エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンからなるエラストマーのMFR(単位:g/10分)
MFRは、ASTM D1238に準拠して230℃で測定した。
(5)エラストマーの密度(単位:g/cm3)
密度は、ASTM D1505に従って、測定した。
【0040】
(6)ヤング率(単位:kgf/cm2)
加工して得られたフィルムから縦方向(MD)に幅20mmの試験片を採取し、引張試験機によりチャック間隔60mm、引張速度5mm/分でS−S曲線をとり、初期弾性率を測定した。
【0041】
(7)加熱収縮率(単位:%)
加工して得られたフィルムから120mm(TD方向)×10mm(MD方向)の短冊上の試験片を採取し、試験片を80℃のグリセリン浴に30秒間浸漬したときの加熱前後のTD方向の長さ(単位:mm)を測定し、下式より算出した。
加熱収縮率 =((120−加熱後の寸法))/120)×100
【0042】
(8)経時自然収縮率(単位:%)
加工直後のフィルムの中央付近にTD方向に幅1000mmのマークを付け、室温23℃、湿度50%で30日経過後のマーク間の寸法(単位:mm)を測定し、下式より算出した。
経時自然収縮率 =((1000−経時後の寸法))/1000)×100
【0043】
(9)MD方向の引張破断率(単位:%)
加工後3週間経過後、フィルムの中央付近にMD方向にJIS K7113の2号ダンベルでサンプルを採取して、室温23℃、引張試験機によりチャック間隔60mm、引張速度300mm/分で引っ張り、引張伸び50%以下で破断した割合を求めた。
【0044】
実施例1
Ti、Mg、ハロゲンを必須成分として含有する触媒を用いて第一工程で1−ブテン含量9.2モル%のプロピレン−1−ブテン共重合体成分を総量の9重量%重合し、次いで第二工程で1−ブテン含量20.7モル%のプロピレン−1−ブテン共重合体成分を総量の91重量%重合することによりプロピレン系共重合体(1−ブテン含量:19.7モル%)を得た。
上記で得られたプロピレン系共重合体40重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:8.0モル%)30重量%、三井化学社製タフマーP0280(エチレン−プロピレンエラストマー、MFR:5.4g/10分、密度:0.87g/cm3)10重量%、荒川化学製アルコンP−140(軟化点:140℃)を20重量%配合してなる樹脂組成物を中間層として、両外層に富士シリシア化学製サイリシア550を3000ppm含むプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体(エチレン含量:6.2モル%、1−ブテン含量:2.9モル%)を用いた3層構成フィルム(厚み構成比:1/10/1)を製膜し、予熱60℃−延伸55℃−熱固定60℃の条件で横一軸方向に6.4倍(熱固定で10%緩和した。)に延伸して厚み50μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0045】
実施例2
中間層の組成をプロピレン系共重合体40重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:8.0モル%)35重量%、三井化学社製タフマーP0280 5重量%、荒川化学製アルコンP−140(軟化点:140℃)を20重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0046】
実施例3
三井化学社製タフマーP0280をタフマーA4085(エチレン−1−ブテンエラストマー、MFR:6.7g/10分、密度:0.88g/cm)に変更した以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0047】
実施例4
三井化学社製タフマーP0280をタフマーA4085に変更した以外は実施例2と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0048】
比較例1
中間層の組成をプロピレン系共重合体40重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:8.0モル%)40重量%、荒川化学製アルコンP−140(軟化点:140℃)を20重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
本発明の要件を満足する実施例1〜4は、加熱収縮率が高く、経時自然収縮率が小さいものであり、また、MD方向の引張破断率が低いことが分かる。
これに対して、本発明の要件であるエチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマーを用いなかった比較例1はMD方向の引っ張り破断率が大きいものであった。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明により、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、延伸方向に対して直角な方向の応力によって破断しにくいシュリンク包装用フィルムを得ることができる。
Claims (5)
- ポリプロピレン系樹脂45〜94重量%と、エチレンとプロピレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンからなるエラストマー1〜15重量%と炭化水素樹脂5〜40重量%からなる樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸して得られることを特徴とするシュリンク包装用フィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂が、炭素数4以上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)1〜30重量%と、炭素数4以上のα―オレフィン含量が15〜30モル%であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体成分(B)70〜99重量%からなり、前記重合体成分(A)が第一工程で製造され、次いで、前記重合体成分(B)が第二工程以降で製造されるプロピレン系共重合体であることを特徴とするシュリンク包装用フィルム。
- 共重合体成分(A)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体であり、共重合体成分(B)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求項1記載のシュリンク包装用フィルム。
- 請求項1又は2に記載のシュリンク包装用フィルムからなる層を、少なくとも1層有することを特徴とする多層シュリンク包装用フィルム。
- 3層以上であり、中間層が請求項1又は2に記載のシュリンク包装用フィルムであることを特徴とする請求項3記載の多層シュリンク包装用フィルム。
- 請求項1又は2に記載のシュリンク包装用フィルム、または、請求項3又は4に記載の多層シュリンク包装用フィルムからなることを特徴とするシュリンク包装用ラベル。
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