JP2009013333A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観、透明性、低温耐衝撃性、耐ブロッキング性、ヒートシール強度、耐折曲げ白化性のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分とからなり、下記(要件−1)および(要件−2)を満たすプロピレン系共重合体(A)87〜96重量%と、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体およびエチレン−オクテン−1からなる群から選択される共重合体(B)4〜13重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)。
(要件−1)20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS(dL/g))が、2.9以上3.1以下である。
(要件−2)20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS(dL/g))が、1.8以上2.2以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは外観、透明性、低温耐衝撃性、耐ブロッキング性、ヒートシール強度、耐折曲げ白化性に優れたレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、包装適性に優れるため、食品包装、繊維包装などの包装材料の分野で幅広く用いられている。包装材料の特性としては、剛性、耐熱性、低温での耐衝撃性、ヒートシール性や耐ブロッキング性などが求められ、さらに、フィッシュアイが少なく外観に優れることが求められる。
特に、レトルト食品の包装材料には、高温処理が施されるレトルト殺菌に対応できる耐熱性と、低温での使用に対応できる低温での耐衝撃性の両立が求められる。
また、近年は、レトルト食品の包装材料が多様化しており、内容物を確認できることが求められていることから、レトルト食品の包装材料としては、内容物を確認できる透明性に優れたフィルムが用いられている。さらに、袋を折り曲げた時に白化しないことも、内容物を確認する上で重要な要素である。
例えば、特開平2000−119480号公報には、特定の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体と、特定の性状を有するエチレン−αオレフィン共重合体ゴムからなり、低温での耐衝撃性、ヒートシール強度、透明性、耐屈曲白化性、耐熱性等をバランスさせたプロピレン樹脂組成物及びそれを用いて成形したレトルト食品包装フィルムが記載されている。
また、特開平2001−288330号公報には、特定性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体の特定量と、特定性状を有するエチレン−α−オレフィン共重合体とからなる組成物を成形したフィルムが、低温での良好な耐衝撃性とヒートシール強度、透明性及び耐屈曲白化性を達成したレトルト食品用フィルムの開示がある。
特開平2000−119480号 特開平2001−288330号
しかし、上記公報等に記載されているに記載されているポリプロピレン系樹脂組成物、および、それからなるレトルト食品包装用フィルムにおいても、外観、透明性、耐衝撃性、耐ブロッキング性のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムは、未だ見出されておらず、特に耐ブロッキング性に問題が残っていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、外観、透明性、低温耐衝撃性、耐ブロッキング性、ヒートシール強度、耐折曲げ白化性のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分とからなり、下記(要件−1)および(要件−2)を満たすプロピレン系共重合体(A)87〜96重量%と、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体およびエチレン−オクテン−1からなる群から選択される共重合体(B)4〜13重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)である。
(要件−1)20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS(dL/g))が、2.9以上3.1以下である。
(要件−2)20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS(dL/g))が、1.8以上2.2以下である。
本発明によれば、外観、透明性、低温耐衝撃性、耐ブロッキング性、ヒートシール強度、耐折曲げ白化性のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系共重合体(A)と共重合体(B)とを含有したポリプロピレン系樹脂組成物である。
プロピレン系共重合体(A)は、プロピレンが主成分である単量体の重合体部分(以下(A−1部分)という)と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分(以下(A−2部分)という)とからなる。
(A−1部分)は耐熱性の観点から、融点が160℃以上であるプロピレン単独重合体が好ましい。また、融点が155℃以上であれば、少量のエチレンやブテン−1などが共重合されていても良い。
(A−1部分)の極限粘度(dL/g)は外観や耐折曲げ白化性の面から、1.5〜2.0が好ましい。特に好ましくは1.6〜1.9である。
(A−2部分)のプロピレンとエチレンとの共重合体部分に含まれるエチレンの含有量としては、透明性や低温耐衝撃性の観点から、好ましくは15〜50重量%である(但し、(A−2部分)に含有されるプロピレンの含有量とエチレンの含有量の合計を100重量%とする)。
(A−2部分)の極限粘度(dL/g)は耐ブロッキング性の点から、2.8〜4.0が好ましい。更に好ましくは3.0〜3.8である。
プロピレン系共重合体(A)における(A−2部分)の割合は、好ましくは重合時の生産性や低温耐衝撃性の観点から、10〜50重量%であり、特に好ましくは15〜40重量%である(但し、共重合体(A)に含有される(A−1部分)の含有量と、(A−2部分)の含有量の合計を100重量%とする)。
共重合体(A)の製造方法としては、チーグラー・ナッタ触媒や、メタロセン触媒などを用いて、原料であるプロピレンやエチレンなどを重合させる方法が挙げられる。
共重合体(A)の重合方法としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性溶剤中で重合する方法、液状のプロピレンやエチレン中で重合する方法、気体であるプロピレンやエチレン中に触媒を添加し、気相状態で重合する方法、またはこれらを組み合わせて重合する方法が挙げられる。
共重合体(A)の製造方法として、好ましくは、生産性の観点から、実質的に不活性溶剤の不存在下に、プロピレンが主成分である単量体を重合する第一工程で、(A−1部分)を製造し、次いで、気相中でプロピレンとエチレンを重合する第二工程で、(A−2部分)を製造する方法である。
共重合体(A)の(A−1部分)および(A−2部分)の極限粘度、エチレン含量の調整方法としては、重合時の各工程で水素ガスや金属化合物などの分子量調節剤およびエチレンを適切な量を加える方法、重合時の温度・圧力などを調節する方法が挙げられる。
また、本発明のプロピレン系共重合体(A)は以下の要件を満たす必要がある。
(要件−1)20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS(dL/g))が、2.9以上3.1以下である。
(要件−2)20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS(dL/g))が、1.8以上2.2以下である。
20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS(dL/g))は2.9以上3.1以下である必要がある。2.9未満である場合は耐ブロッキング性が不十分な場合があり、3.1を超えた場合は外観や耐折曲げ白化性に劣る場合がある。
20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS(dL/g))は1.8以上2.2以下である必要がある。1.8未満である場合は外観や耐折曲げ白化性が不十分であり、2.2を超えた場合は粘度が高くなりフィルムの生産性に劣る場合がある。好ましくは1.9以上2.1以下である。
また、20℃キシレン可溶部(CXS)の含有量としては、耐衝撃性、耐ブロッキング性の点から10〜25重量%である。
CXSの含有量の制御方法としては、プロピレン系共重合体(A)製造時の(A−1部分)および(A−2部分)の量比を重合時間、重合槽の大きさ、重合槽中の重合体の保持量、重合温度、重合圧量などにより制御する方法が挙げられる。
また、本発明のプロピレン系共重合体(A)のメルトフローレートは1.2(g/10分)以上が好ましく、1.5(g/10分)以上が特に好ましい。
[η]CXS、[η]CXIS、およびメルトフローレートの制御方法に関しては、プロピレン系共重合体(A)の(A−1部分)および(A−2部分)の極限粘度を調整する方法や、溶融混練時の温度、混練力などを調整する方法、加熱溶融混練を過酸化物の共存下で行い、過酸化物の量を調整することによりを制御する方法が挙げられる。
本発明で用いられる共重合体(B)は、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体およびエチレン−オクテン−1からなる群から選択される共重合体である。これらは単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。他の共重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体ではヒートシール強度が不十分であり、エチレン単独重合体では低温耐衝撃性が不十分である場合がある。共重合体(B)中のエチレン含量は少なくとも50重量%である。
共重合体(B)の密度は、耐衝撃性の点から好ましくは0.9g/cm3以下である。
また、共重合体(B)の190℃でのメルトフローレートは透明性、耐ブロッキング性などの点から好ましくは1(g/10分)以上、10(g/10分)以下である。特に好ましくは2(g/10分)以上、8(g/10分)以下である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系共重合体(A)87〜96重量%と、共重合体(B)4〜13重量%とを含有する樹脂組成物である(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)。好ましくはプロピレン系共重合体(A)が90〜95重量%であり、共重合体(B)が5〜10重量%である。
プロピレン系共重合体(A)が87重量%未満(すなわち、共重合体(B)が13重量%以上)の場合は、耐ブロッキング性、ヒートシール強度に劣ることがあり、プロピレン系共重合体(A)が96重量%を超える(すなわち共重合体(B)が4重量%未満)の場合には、低温耐衝撃性や耐折曲げ白化性が不十分なことがある。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、抗ブロッキング剤、造核剤等を添加しても良い。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を、通常工業的に用いられている方法により成形することにより成形物が得られる。例えば、押出成形法、ブロー成形法、射出成形法、圧縮成形法、カレンダ成形法等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、特にTダイ成形法、チューブラー成形法などの押出成形法によるフィルム用途に特に好ましく用いられる。特に好ましくは、Tダイ法による未延伸フィルムである。フィルムの厚みとして、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは10〜100μmである。フィルムには、通常工業的に採用されている方法によって、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施しても良い。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の用途として、好ましくは、高温での加熱処理が施されるレトルト食品包装用途のフィルムである。また、該フィルムは、複合フィルムの一層としても好適に使用される。複合フィルムは、本発明のフィルムとその他のフィルムからなるフィルムであって、その他のフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン二軸延伸フィルム、未延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタル酸エチルフィルムやアルミニウム箔等が挙げられ、複合フィルムの製造方法としては、ドライラミネート法や押出ラミネート法が挙げられる。
以下、本発明について、実施例および比較例を用いて説明する。なお、発明の詳細な説明および実施例および比較例における各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)プロピレン系共重合体(A)中の(A−1部分)と(A−2部分)の割合(重量%)
重合時の物質収支から求めた。
(2)20℃キシレン可溶部(CXS)および不溶部(CXIS)(単位:重量%)
重合体1gに対してキシレン200mLを加え、沸騰させて完全に溶解させた後降温し、20℃で1時間以上状態調整を行った。その後、ろ紙を用いて可溶部と不溶部に分離した。可溶部は、ろ液から溶剤を除去して乾固して試料とした。また、不溶部は、乾燥によって溶剤を除去して試料とした。可溶部および不溶部から溶剤を除去して得られたそれぞれの試料の重量を測定して含有量を求めた。
(3)極限粘度([η]、単位:dL/g)
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
プロピレン系共重合体(A)中の(A−1部分)の極限粘度は、重合槽からの抜き出しサンプルを測定した。また、プロピレン系共重合体(A)中の(A−2部分)部分の極限粘度は下記式より計算をして求めた。
(A−2部分)部分の極限粘度=(((プロピレン系共重合体(A)の極限粘度)×100−((A−1部分)の極限粘度)×((A−1部分)の割合(重量%))))/((A−2部分)の割合(重量%))
(4)エチレン含量(単位:重量%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従って求めた。
プロピレン系共重合体(A)中の(A−1部分)のエチレン含量は、重合槽からの抜き出しサンプルを測定した。また、プロピレン系共重合体(A)中の(A−2部分)のエチレン含量を、次式から計算した。
(A−2部分)部分のエチレン含量=(((プロピレン系共重合体(A)のエチレン含量)×100−((A−1部分)のエチレン含量)×((A−1部分)の割合(重量%))))/((A−2部分)の割合(重量%))
(5)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に準拠して測定した。プロピレン系共重合体(A)のMFRは、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。共重合体(B)のMFRは、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
(6)融点(単位:℃)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用いて、試片約10mgを窒素雰囲気下で220℃で溶融させた後、急速に150℃まで冷却した。150℃で1分間保持した後、5℃/分の降温速度で50℃まで降温した。その後に50℃で1分保持した後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークの温度を融点(Tm)とした。なお、本測定法を用いて5℃/分の昇温速度で測定したインジウム(In)の融点は、156.6℃であった。
(7)共重合体(B)の密度(単位:g/cm3
JIS K6760に従って測定した。融点100℃以上のものはJIS K6760にあるアニーリングを行った後測定した。
(8)透明性(ヘイズ、単位:%)
JIS K7105に従い測定した。
(9)耐ブロッキング性(単位:Kg/12cm2
150mm×30mmのフィルム(製膜方向と長辺方向が一致するように採取した。)を用いて、フィルム同志を重ねあわせ、40mm×30mmの範囲に500gの荷重をかけ所定の温度(60℃)で24時間状態調整を行った。その後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置し、東洋精機製引張試験機を用いて200mm/分の速度で剥離を行い、試料の剥離に要する強度を測定した。
(10)耐衝撃性(単位:Kg・cm/mm)
所定の温度(−15℃)に設定した恒温槽中にフィルムをおいて、東洋精機製フィルムインパクトテスターを使用して、直径15mmの半球状衝撃頭を用いて、フィルムの衝撃強度を測定した。
(11)外観評価(フィッシュアイ)
フィルムの目視検査によって、欠点の多少を判断した。100平方センチメートルに、直径が200μm以上であるフィッシュアイが40個以上であるものを不良とした。
(12)ヒートシール強度(単位:Kg/15mm)
康井精機製卓上型テストコーターを用いて、厚さ15μmの延伸ナイロン基材フィルム(ユニチカ製エンブレム)に、エステル系接着剤(主剤:タケラックA−310(武田薬品製)、硬化剤:タケネートA−3(武田薬品製)、主剤:硬化剤=12:1)を固形分が3.7g/m2となるように酢酸エチルを溶剤として塗布した後85℃で乾燥させ、60μmのポリプロピレン系樹脂組成物からなるフィルムを、コロナ処理側を接着面として40℃、3kg/cm2で圧着させた後、40℃で2日間、加熱熟成することによりドライラミネーションフィルムを得た。
ドライラミネーションフィルムを2枚重ねに幅15mm×長さ80mm(フィルムの製膜方向と長辺方向が一致)で切り取り、TP−701B型ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いて幅10mmのヒートシールを上部ヒータ190℃、下部ヒーター55℃、1.0Kg/cmの条件で1.0秒間行った。
シールされたサンプルについて、ORIENTEC社製STA−1225型引張試験機を用いて、引張速度200mm/分で引張試験を行い、剥離進行時の引張荷重をヒートシール強度とした。
(13)耐折曲げ白化
上記(12)で作成したドライラミネーションフィルムを、ナイロン基材フィルムが外側に来るように折り曲げ、折り曲げた部分に底面積12cm、質量500gの荷重を載せ、10秒間保持した。折り曲げ部分を目視観察し、スジが見えないものを○(良好)、スジが明確なものを×(不良)、スジがやや見えるものを△(やや良)とした。
(実施例1)
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で極限粘度が1.8dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで第二工程で極限粘度が3.4dL/g、エチレン含有量が29重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造した。プロピレンとエチレンとの共重合体部分の割合は23重量%であった。
得られた重合体100重量部に、水酸化カルシウム0.005重量部、スミライザーGP(商品名:住友化学株式会社製)0.075重量部、スミライザーGS(商品名:住友化学株式会社製)0.075重量部を、スーパーミキサーSMG−100(株式会社川田製作所製)を用いて均一に混合し、スクリーンメッシュとしてファインポアNF15N(日本精線株式会社製)を用いた65mm単軸押出機(VS65−32型:田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)で250℃で溶融混練して、MFR=1.9(g/10分)のプロピレン系共重合体を得た。
プロピレン系共重合体の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)は2.9(dL/g)であり、20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS)は2.0(dL/g)であった。
得られたプロピレン系共重合体91重量%および、エチレン−ブテン−1共重合体(商品名タフマーA−4085(三井化学株式会社製、MFR=3.6g/10分、密度=0.885g/cm3))9重量%を均一に混合し、50mmTダイ製膜装置(田辺プラスチックス株式会社製V−50−F600型フィルム成型装置、400mm幅Tダイ付き)を用いて、樹脂温度280℃で溶融押出を行った。溶融押出されたものを50℃の冷却水を通水した冷却ロールで冷却して、厚さ30μmのフィルムを得た。さらに引取の速度を2分の1にして60μmのフィルムを得た。60μmのフィルムを加工時にはコロナ処理をフィルム表面の濡れ張力が42ダイン以上となるように行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(実施例2)
エチレン−ブテン−1共重合体を商品名タフマーA0585X(三井化学株式会社製、MFR=0.5g/10分、密度=0.885g/cm3)に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例1)
プロピレン系共重合体を97重量%、エチレン−ブテン−1共重合体を3重量%とした以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例2)
プロピレン系共重合体を85重量%、エチレン−ブテン−1共重合体を15重量%とした以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例3)
エチレン−ブテン−1共重合体に代えてエチレン−プロピレン共重合体(商品名タフマーP−0280(三井化学株式会社製、MFR=2.9g/10分、密度=0.870g/cm3)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例4)
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で極限粘度が1.8dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで第二工程で極限粘度が3.4dL/g、エチレン含有量が29重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造した。プロピレンとエチレンとの共重合体部分の割合は23重量%であった。
得られた重合体100重量部に、水酸化カルシウム0.005重量部、スミライザーGP(商品名:住友化学株式会社製)0.075重量部、スミライザーGS(商品名:住友化学株式会社製)0.075重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリブチルパーオキシ)ヘキサン0.015重量部を、スーパーミキサーSMG−100(株式会社川田製作所製)を用いて均一に混合し、スクリーンメッシュとしてファインポアNF15N(日本精線株式会社製)を用いた65mm単軸押出機(VS65−32型:田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)で250℃で溶融混練して、MFR=3.4(g/10分)のプロピレン系共重合体を得た。
プロピレン系共重合体の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)は2.5(dL/g)であり、20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS)は1.8(dL/g)であった。
得られたプロピレン系共重合体91重量%および、エチレン−ブテン−1共重合体(商品名タフマーA−4085(三井化学株式会社製、MFR=3.6g/10分、密度=0.885g/cm3))9重量%を均一に混合し、50mmTダイ製膜装置(田辺プラスチックス株式会社製V−50−F600型フィルム成型装置、400mm幅Tダイ付き)を用いて、樹脂温度280℃で溶融押出を行った。溶融押出されたものを50℃の冷却水を通水した冷却ロールで冷却して、厚さ30μmおよびのフィルムを得た。さらに引取の速度を2分の1にして60μmのフィルムを得た。60μmのフィルムを加工時にはコロナ処理をフィルム表面の濡れ張力が42ダイン以上となるように行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例5)
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で極限粘度が1.8dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで第二工程で極限粘度が3.6dL/g、エチレン含有量が32重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造した。プロピレンとエチレンとの共重合体部分の割合は22重量%であった。
得られた重合体100重量部に、水酸化カルシウム0.005重量部、スミライザーGP(商品名:住友化学株式会社製)0.075重量部、スミライザーGS(商品名:住友化学株式会社製)0.075重量部を、スーパーミキサーSMG−100(株式会社川田製作所製)を用いて均一に混合し、スクリーンメッシュとしてファインポアNF15N(日本精線株式会社製)を用いた65mm単軸押出機(VS65−32型:田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)で250℃で溶融混練して、MFR=2.4(g/10分)のプロピレン系共重合体を得た。
プロピレン系共重合体の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)は3.2(dL/g)であり、20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS)は2.0(dL/g)であった。
得られたプロピレン系共重合体91重量%および、エチレン−ブテン−1共重合体(商品名タフマーA−4085(三井化学株式会社製、MFR=3.6g/10分、密度=0.885g/cm3))9重量%を均一に混合し、50mmTダイ製膜装置(田辺プラスチックス株式会社製V−50−F600型フィルム成型装置、400mm幅Tダイ付き)を用いて、樹脂温度280℃で溶融押出を行った。溶融押出されたものを50℃の冷却水を通水した冷却ロールで冷却して、厚さ30μmおよびのフィルムを得た。さらに引取の速度を2分の1にして60μmのフィルムを得た。60μmのフィルムを加工時にはコロナ処理をフィルム表面の濡れ張力が42ダイン以上となるように行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
Figure 2009013333
本発明の要件を満足する実施例は、外観(フィッシュアイ)、透明性、低温耐衝撃性、耐ブロッキング性、ヒートシール強度、耐折曲げ白化性のいずれにも優れていることが分かる。
これに対し、共重合体(B)の量が本発明の要件を満たさない比較例1は低温耐衝撃性が劣り、比較例2は耐ブロッキング性およびヒートシール強度に劣り、また共重合体(B)としてエチレン−プロピレン共重合体を用いた比較例3は耐折曲げ白化性や耐ブロッキング性、ヒートシール強度に劣ることがわかる。
[η]CXSの値が本発明の要件を満たさない比較例4は耐ブロッキング性に、比較例5は耐折曲げ白化性や外観に劣ることがわかる。

Claims (3)

  1. プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分とからなり、下記(要件−1)および(要件−2)を満たすプロピレン系共重合体(A)87〜96重量%と、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体およびエチレン−オクテン−1からなる群から選択される共重合体(B)4〜13重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)。
    (要件−1)20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS(dL/g))が、2.9以上3.1以下である。
    (要件−2)20℃キシレン不溶部の極限粘度([η]CXIS(dL/g))が、1.8以上2.2以下である。
  2. [η]CXISが1.9以上2.1以下であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 共重合体(B)のメルトフローレートが1g/10分以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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