JP4507807B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルム Download PDF

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本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルムに関するものである。さらに詳しくは剛性、透明性、耐衝撃性、ヒートシール強度に優れたレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルムに関するものである。
ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、包装適性に優れるため、食品包装、繊維包装などの包装材料の分野で幅広く用いられている。包装材料の特性としては、剛性、耐熱性、低温での耐衝撃性、ヒートシール性や耐ブロッキング性などが求められ、さらに、フィッシュアイが少なく外観に優れることが求められる。
特に、レトルト食品の包装材料には、高温処理が施されるレトルト殺菌に対応できる耐熱性と、低温での使用に対応できる低温での耐衝撃性の両立が求められる。
また、近年は、レトルト食品の包装材料が多様化しており、内容物を確認できることが求められていることから、レトルト食品の包装材料としては、内容物を確認できる透明性に優れたフィルムが用いられている。
例えば、特開平8−169993号公報には、ポリプロピレン1〜95重量%とエチレン含有量10〜90モル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体5〜99重量%とからなり、非晶部ゴム粒径が10μm以下である樹脂組成物51〜99重量%と、0.935g/cm3以上の密度を有する高密度ポリエチレン1〜49重量%とからなり、低温衝撃強度と透明性と滑り性とを備えたポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
例えば、特開平10−158463号公報には、特定の特性を有するプロピレン・エチレンブロック共重合体が96〜99Wt%であり、高密度ポリエチレンが1〜4Wt%からなり、低温での耐衝撃性に優れ、且つ耐ブロッキング性に優れたレトルト用ポリプロピレン系フイルムが記載されている。
例えば、特開平2000−186159号公報には、第一工程でプロピレンを主体とした重合体部分を重合し、次いで第二工程でプロピレンとエチレンとの共重合体部分を重合して得られるブロック共重合体を溶融混練してなる組成物を製膜してなり、特定の物性を満足するフィルムであって、低温での耐衝撃性が良好であり、外観、耐ブロッキング性、ヒートシール性が良好なレトルト食品包装用フィルムが記載されている。
例えば、特開平2000−119480号公報には、特定の性状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体と、特定の性状を有するエチレン−αオレフィン共重合体ゴムからなり、低温での耐衝撃性、ヒートシール強度、透明性、耐屈曲白化性、耐熱性等をバランスさせたプロピレン樹脂組成物及びそれを用いて成形したレトルト食品包装フィルムが記載されている。
特開平8−169993号公報 特開平10−158463号公報 特開平2000−186159号公報 特開平2000−119480号
しかし、上記公報等に記載されているポリプロピレン系樹脂組成物、および、それからなるレトルト食品包装用フィルムにおいても、剛性、透明性、耐衝撃性およびヒートシール強度のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムは、未だ見出されていない。
かかる状況の下、本発明の目的は、剛性、透明性、耐衝撃性およびヒートシール強度のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分からなり、下記要件(A−1)(A−2)および(A−3)を満たすプロピレン系共重合体(A)83〜95重量%と、下記要件(B−1)および(B−2)を満たすエチレン重合体(B)5〜17重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)およびそれからなるフィルムに係るものである。
要件(A−1)20℃キシレン可溶部(CXS)が10重量%以上30重量%未満である。
要件(A−2)20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)が、2.0(dL/g)以上である。
要件(A−3)230℃でのメルトフローレート(g/10分)が1.5以上5未満である。
要件(B−1)密度が0.93g/cm3以上である。
要件(B−2)190℃でのメルトフローレート(g/10分)が10以上である。


本発明によれば、剛性、透明性、耐衝撃性およびヒートシール強度のいずれにも優れているレトルト食品包装用フィルムの材料として好適なポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルムを得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系共重合体(A)とエチレン重合体(B)とを含有する樹脂組成物である。
〔プロピレン系共重合体(A)〕
本発明で用いられるプロピレン系共重合体(A)は、プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分からなる共重合体である。
共重合体(A)のプロピレンが主成分である単量体の重合体部分は、耐熱性の観点から、融点が160℃以上であるプロピレン単独重合体が好ましい。また、融点が155℃以上であれば、少量のエチレンやブテン−1などが共重合されていても良い。
共重合体(A)のプロピレンとエチレンとの共重合体部分に含まれるエチレンの含有量としては、透明性や低温耐衝撃性の観点から、好ましくは15〜60重量%である(但し、共重合体(A)に含有されるプロピレンの含有量とエチレンの含有量の合計を100重量%とする)。
また、共重合体(A)に含まれるプロピレンとエチレンとの共重合体部分の含有量としては、重合時の生産性や低温耐衝撃性の観点から、7〜50重量%である(但し、共重合体(A)に含有されるプロピレンが主成分である単量体の重合体部分の含有量と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分の含有量の合計を100重量%とする)。
共重合体(A)の20℃キシレン可溶部(CXS)は、10重量%以上30重量%未満であり、好ましくは10重量%以上25重量%以下である。CXSが10重量%未満の場合、低温での耐衝撃性が劣ることがあり、30重量%以上の場合、剛性やブロッキング性に劣ることがある。CXS量を調節する方法としては、反応槽の大きさや製造時の重合時間を制御する方法、プロピレンが主成分である単量体のプロピレン重合体をブレンドする方法が挙げられる。
共重合体(A)の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)は、2.0(dL/g)以上である。[η]CXSが2.0dL/g未満の場合、フィルムのヒートシール強度やブロッキング性が劣ることがある。[η]CXSの上限として、好ましくは、フィッシュアイ等が少なく良好な外観が得られるという観点から、4.0dL/g未満である。
共重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(g/10分)は、フィルム加工時の吐出圧力を抑えるという観点や、良好なフィルムの耐ブロッキング性やヒートシール強度を得るという観点から、好ましくは、1.5以上5未満である。
共重合体(A)の製造方法としては、チーグラー・ナッタ触媒や、メタロセン触媒などを用いて、原料であるプロピレンやエチレンなどを重合させる方法が挙げられる。
共重合体(A)の重合方法としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性溶剤中で重合する方法、液状のプロピレンやエチレン中で重合する方法、気体であるプロピレンやエチレン中に触媒を添加し、気相状態で重合する方法、またはこれらを組み合わせて重合する方法が挙げられる。
共重合体(A)の製造方法として、好ましくは、生産性の観点から、実質的に不活性溶剤の不存在下に、プロピレンが主成分である単量体を重合する第一工程で、プロピレンが主成分である単量体の重合体部分を製造し、次いで、気相中でプロピレンとエチレンを重合する第二工程で、プロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造する方法である。
共重合体(A)の極限粘度、メルトフローレート、および共重合体(A)の20℃キシレン可溶部の極限粘度の調整方法としては、重合時の各工程で水素ガスや金属化合物などの分子量調節剤を加える方法、パウダー状で得られた重合体を溶融混練する際に添加剤を添加する方法、パウダー状で得られた重合体を溶融混練する際の混練条件を調整する方法等が挙げられる。
〔エチレン重合体(B)〕
本発明で用いられるエチレン重合体(B)は、エチレン単独重合体またはエチレンを主成分とするエチレンα−オレフィン共重合体である。エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
エチレン重合体(B)の密度は、0.93g/cm3以上である。0.93g/cm3未満であると剛性やヒートシール強度に劣る場合がある。
また、エチレン重合体(B)の190℃でのメルトフローレートは10(g/10分)以上である。好ましくは15(g/10分)以上である。10(g/10分)未満であると、本発明の目的の一つである透明性の改良効果が十分ではないことがある。メルトフローレートの上限として、プロピレン系共重合体(A)とエチレン重合体(B)の混和性の観点から、好ましくは、60(g/10分)以下である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系共重合体(A)83〜95重量%と、エチレン重合体(B)5〜17重量%とを含有する樹脂組成物である(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)。好ましくはプロピレン系共重合体(A)が85〜93重量%であり、エチレン重合体(B)7〜15重量%である。
プロピレン系共重合体(A)が83重量%未満(すなわち、エチレン重合体(B)が17重量%以上)の場合は、ヒートシール強度が不十分なことがあり、プロピレン系共重合体(A)が95重量%を超える(すなわち、エチレン重合体(B)が5重量%未満の)場合には、透明性が不十分なことがある。
また、ポリプロピレン系樹脂組成物として、低温での衝撃強度の観点から、好ましくは、プロピレン系共重合体(A)83〜95重量%と、エチレン重合体(B)5〜17重量%とを含有する前述のポリプロピレン系樹脂組成物と、該ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、密度が0.90g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合エラストマー(C)0.5〜5重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である。
エチレン−α−オレフィン共重合エラストマー(C)としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体エラストマー等が挙げられる。例えば、三井化学工業(株)製の「タフマーP」、「タフマーA」等の商品名で市販されているものを用いることができる。
本発明のポリプロピレン系組成物には、必要に応じて、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、抗ブロッキング剤、造核剤等を添加しても良い。
本発明のポリプロピレン系組成物からなるフィルムの製造方法としては、Tダイ法、チューブラー法などの押出成形法が挙げられ、好ましくは、Tダイ法による未延伸フィルムの製造方法である。
本発明のフィルムの厚みとして、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは10〜100μmである。
本発明のフィルムには、通常工業的に採用されている方法によって、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施しても良い。
また、本発明のポリプロピレン系組成物を押出成形して得られたフィルムは、特にヒートシール強度に優れている。さらに、フィルムとしては、袋として用いた場合の強度に優れているという観点から、200℃でのヒートシール強度が4.0Kg以上であるフィルムが好ましい。
本発明のフィルムの用途として、好ましくは、高温での加熱処理が施されるレトルト食品包装用途である。
また、本発明のフィルムは、複合フィルムの一層としても好適に使用される。複合フィルムは、本発明のフィルムとその他のフィルムからなるフィルムであって、その他のフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン二軸延伸フィルム、未延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタル酸エチルフィルムやアルミニウム箔等が挙げられ、複合フィルムの製造方法としては、ドライラミネート法や押出ラミネート法が挙げられる。
以下、本発明について、実施例および比較例を用いて説明する。なお、発明の詳細な説明および実施例および比較例における各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)プロピレン系共重合体(A)に含まれるプロピレンとエチレンとの共重合体部分の含有量(単位:重量%)
重合時の物質収支から求めた。
(2)エチレン含量(単位:重量%)
プロピレン系共重合体(A)に含まれるエチレン含量を、高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従って求めた。
そして、プロピレン系共重合体(A)中のプロピレンとエチレンとの共重合体部分に含まれるエチレンの含有量を、次式から計算した。
(エチレンの含有量)=((A)に含まれるエチレン含有量)×100/((A)中のプロピレンとエチレンとの共重合体部分の含有量)
(3)20℃キシレン可溶部(CXS)(単位:重量%)
重合体1gに対してキシレン200mLを加え、沸騰させて完全に溶解させた後降温し、20℃で1時間以上状態調整を行った。その後、ろ紙を用いて可溶部と不溶部に分離した。ろ液から溶剤を除去して乾固して可溶部の試料とし、試料の重量を測定して含有量を求めた。
(4)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に準拠して測定した。プロピレン系共重合体のMFRは、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。エチレン重合体のMFRは、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
(5)エチレン重合体の密度(単位:g/cm3
JIS K6760に従って測定した。融点100℃以上のものはJIS K6760にあるアニーリングを行った後測定した。
(6)極限粘度([η]、単位:dL/g)
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
(7)フィルム加工
50mm押出機にTダイを取り付け、樹脂温度280℃で溶融押出を行った。溶融押出されたものを50℃の冷却水を通水した冷却ロールで冷却して、厚さ30μmを得た。さらに引取の速度を2分の1にして60μmのフィルムを得た。60μmのフィルムを加工時にはコロナ処理をフィルム表面の濡れ張力が42ダイン以上となるように行った。
(8)透明性(ヘイズ、単位:%)
JIS K7105に従い測定した。
(9)耐衝撃性(単位:Kg・cm/mm)
−10℃において、東洋精機製フィルムインパクトテスターを使用して、直径15mmの半球状衝撃頭を用いて、フィルムの衝撃強度を測定した。
(10)剛性(ヤング率、単位:Kg/cm2
120mm×30mmのフィルム(製膜方向と長辺方向が一致するように採取した。)を用いて、23℃、湿度50%の雰囲気下において、安田精機製作所製オートストレインを用いて、つかみ間隔60mm、引張速度5mm/分で引張り試験を行い、引張−応力カーブのゼロ点での接線から初期弾性率を測定した。
(11)ヒートシール強度(単位:Kg)
康井精機製卓上型テストコーターを用いて、厚さ15μmの延伸ナイロン基材フィルム(ユニチカ製エンブレム)に、エステル系接着剤(主剤:タケラックA−310(武田薬品製)、硬化剤:タケネートA−3(武田薬品製)、主剤:硬化剤=12:1)を固形分が3.7g/m2となるように酢酸エチルを溶剤として塗布した後85℃で乾燥させ、(7)で得られた60μmのフィルムを、コロナ処理側を接着面として40℃、3kg/cm2で圧着させた後、40℃で2日間、加熱熟成することによりドライラミネーションフィルムを得た。
ドライラミネーションフィルムを2枚重ねに幅15mm×長さ80mm(フィルムの製膜方向と長辺方向が一致)で切り取り、TP−701B型ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いて幅10mmのヒートシールを上部ヒータ200℃、下部ヒーター55℃、1.0Kg/cm2の条件で1.0秒間行った。
シールされたサンプルをORIENTEC社製STA−1225型引張試験機を用いて、引張速度200mm/分で引張試験を行い、剥離進行時の引張荷重をヒートシール強度とした。
(実施例1)
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中で極限粘度が1.8dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで第二工程を気相中で極限粘度が3.1dL/g、エチレン含有量が25重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造した。プロピレンとエチレンとの共重合体部分の割合は23重量%であった。
得られた共重合体100重量部に水酸化カルシウム0.005重量部、イルガノックス1010を0.2重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリブチルパーオキシ)ヘキサン0.0008重量部を加えて単軸押出機で250℃で溶融混練して、プロピレン系共重合体(A1)を得た。
プロピレン系共重合体(A1)のCXSは14重量%、極限粘度は2.0dL/g、[η]CXSは2.4dL/g、MFRは2.8g/10分であった。
プロピレン系共重合体(A1)90重量部にエチレン重合体(B1)として、KEIYOポリエチレンG1900(京葉ポリエチレン株式会社製、MFR=16g/10分、密度=0.96g/cm3)を10重量部を添加し、フィルム加工を行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(実施例2)
エチレン重合体(B2)として、KEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、MFR=22g/10分、密度=0.96g/cm3)を10重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(実施例3)
プロピレン系共重合体(A1)の量を95重量部、エチレン重合体(B1)を5重量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(実施例4)
実施例1に相当するプロピレン系共重合体(A1)90重量部にエチレン重合体(B1)10重量部を溶融混練した組成物100重量部に、エチレン−プロピレン共重合エラストマー(C1)として商品名タフマーP0280(三井化学株式会社製、密度が0.87g/cm3、MFR(190℃)=2.9g/10分)を3.1重量部添加し、フィルム加工を行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例1)
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中で極限粘度が1.8dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで第二工程を気相中で極限粘度が3.0dL/g、エチレン含有量が30重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造した。
プロピレンとエチレンとの共重合体部分の割合は22重量%であった。得られた共重合体100重量部に水酸化カルシウム0.01重量部、イルガノックス1010を0.2重量部を加えて単軸押出機で溶融混練して、プロピレン系共重合体(A2)を得た。CXSは13重量%、極限粘度は2.0dL/g、[η]CXSは2.7dL/g、MFRは2.8g/10分であった。
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて気相中でプロピレン単独重合体を製造した。得られた単独重合体100重量部にイルガノックス1010 0.15重量部を加えて溶融混練して、プロピレン単独重合体(A3)を得た。CXSは0.7%、極限粘度は1.7dL/g、MFRは7.2g/10分であった。
上記プロピレン系共重合体(A2)50重量部に、プロピレン単独重合体(A3)50重量部を均一に混合し、プロピレン系共重合体(A4)とし、フィルム加工を行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
数値計算で求められたプロピレン系共重合体(A4)のCXSは6.9重量%、極限粘度は1.9dL/g、[η]CXSは2.7dL/g、MFRは4.4g/10分であった。
(比較例2)
プロピレン系共重合体(A1)の量を100重量部とし、エチレン重合体を添加しなかった以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例3)
プロピレン系共重合体(A1)の量を80重量部、エチレン重合体(B1)を20重量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例4)
エチレン重合体(B3)として、KEIYOポリエチレンG2502(京葉ポリエチレン株式会社製、MFR=5g/10分、密度=0.96g/cm3)を10重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例5)
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中で極限粘度が2.8dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで第二工程を気相中で極限粘度が2.8dL/g、エチレン含有量が36重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造した。プロピレンとエチレンとの共重合体部分の割合は21重量%であった。
得られた共重合体100重量部に水酸化カルシウム0.005重量部、イルガノックス1010を0.2重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリブチルパーオキシ)ヘキサン0.024重量部を加えて単軸押出機で溶融混練して、プロピレン系共重合体(A5)を得た。
プロピレン系共重合体(A5)のCXSは13重量%、極限粘度は2.0dL/g、[η]CXSは1.8dL/g、MFRは3.3g/10分であった。
プロピレン系共重合体(A5)90重量部にエチレン重合体(B1)として、KEIYOポリエチレンG1900(京葉ポリエチレン株式会社製、MFR=16g/10分、密度=0.96g/cm3)を10重量部を添加し、フィルム加工を行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
(比較例6)
エチレン重合体(B4)として、スミカセンG801(住友化学工業株式会社製、MFR=20g/10分、密度=0.92g/cm3)を10重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの特性を表1に示した。
Figure 0004507807
本発明の要件を満足する実施例は、剛性、透明性、耐衝撃性およびヒートシール強度のいずれにも優れていることが分かる。
これに対して、プロピレン系共重合体(A)が要件(A−1)を満たさず、エチレン重合体(B)を用いていない比較例1は透明性、耐衝撃性に劣り、
エチレン重合体(B)を用いていない比較例2は剛性、透明性に劣り、
プロピレン系共重合体(A)とエチレン重合体(B)の量比が本発明の要件を満たしていない比較例3はヒートシール強度に劣り、
本発明の要件(B−2)を満たさない比較例4は透明性に劣り、
本発明の要件(A−2)を満たさない比較例5はヒートシール強度に劣り、
本発明の要件(B−1)を満たさない比較例6は剛性、ヒートシール強度に劣ることが分かる。

Claims (6)

  1. プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分からなり、下記要件(A−1)(A−2)および(A−3)を満たすプロピレン系共重合体(A)83〜95重量%と、下記要件(B−1)および(B−2)を満たすエチレン重合体(B)5〜17重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(但し、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)。
    要件(A−1)20℃キシレン可溶部(CXS)が10重量%以上30重量%未満である。
    要件(A−2)20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)が、2.0(dL/g)以上である。
    要件(A−3)230℃でのメルトフローレート(g/10分)が1.5以上5未満である。
    要件(B−1)密度が0.93g/cm3以上である。
    要件(B−2)190℃でのメルトフローレート(g/10分)が10以上である。
  2. エチレン重合体(B)の190℃でのメルトフローレート(g/10分)が15以上である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. プロピレン系共重合体(A)が、活性溶剤の不存在下に、プロピレンが主成分である単量体を重合する第一工程で、プロピレンが主成分である単量体の重合体部分を製造し、次いで、気相中でプロピレンとエチレンを重合する第二工程で、プロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造して得られた共重合体である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物と、当該ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、密度が0.90g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合エラストマー(C)0.5〜5重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなるフィルム。
  6. 200℃でのヒートシール強度が4.0Kg以上である請求項記載のフィルム(ただし、ORIENTEC社製STA−1225型引張試験機を用いて、引張速度200mm/分で引張試験を行い、剥離進行時の引張荷重をヒートシール強度とした。)
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