JP2000186159A - レトルト食品包装用フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

レトルト食品包装用フィルムおよびその製造方法

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孝典 久米
Shigeki Kidai
茂樹 木代
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洋一郎 門田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温での耐衝撃性が良好であり、外観、耐ブロ
ッキング性、ヒートシール性が良好なレトルト食品包装
用フィルムを提供する。 【解決手段】第一工程で実質的に不活性溶剤の不存在下
にプロピレンを主体とした重合体部分(A成分)を重合
し、次いで第二工程を気相中でエチレン含有量が20〜
50重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分
(B成分)を重合して得られるブロック共重合体を溶融混
練してなる組成物を製膜してなるフィルムが以下の物性
を満足することを特徴とするレトルト食品包装用フィル
ム。 (1)フィルムの20℃キシレン可溶部が8〜25重量
% (2)フィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度が2
dl/g以上 (3)フィルムの曇値(HAZE)が45%以上 (4)直径200μm以上のフィッシュアイが1m2あた
り100個以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレトルト食品包装用
フィルムおよびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、低温での耐衝撃性と耐ブロッキング性、ヒートシー
ル性に優れ、且つフィッシュアイの少ないレトルト食品
包装用フィルムおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは耐熱性、包装適性等に
優れているため、食品包装、繊維包装などの包装分野で
広く使用されている。近年、食品包装分野などにおいて
耐衝撃性、耐熱性、耐ブロッキング性、ヒートシール性
を兼ね備えた材料が要望されている。しかし、プロピレ
ン単独重合体、プロピレンとα-オレフィンのランダム
共重合体は低温での耐衝撃性が不十分であり使用に制限
があった。耐衝撃性を付与させるための方法として、主
にポリプロピレンブロック共重合体を用いて改良する試
みがいくつかなされている。プロピレン(以下、Pと記
載する)とエチレン・プロピレン(以下、EPと記載す
る)共重合体のブロック共重合体として、特開平6−9
3061号公報にはチーグラー・ナッタ型触媒を用い
て、実質的に不活性溶剤の不存在下に第一工程でプロピ
レンを主体とした重合体部分を重合し、次いで第二工程
中で気相中にてエチレン・プロピレン共重合体を重合し
たP−EPブロック共重合体が提案されている。しかし
ながら、気相中での重合においては従来の溶剤法での重
合体に比べ低温での耐衝撃性が良好である材料が得られ
るものの、ブロッキング性、ヒートシール性が低下する
問題があった。また、連続重合法においてはフィッシュ
アイの発生による外観不良を抑えるために、P部とEP
部の極限粘度比を限定する必要があり、フィルム性能に
も限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
公知のプロピレン系ブロック共重合体からなるレトルト
食品包装用フィルムの欠点を改良し、耐熱性などポリプ
ロピレンブロック共重合体が本来有する好ましい特性を
損なうことなく、低温での耐衝撃性が良好であり、外
観、耐ブロッキング性、ヒートシール性が良好なレトル
ト食品包装用フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々の検討
の結果、フィルムの20℃キシレン可溶部(以下、CX
S部という)を制御することにより、良好な特性を発現
するフィルムとなることを見出し、更に、フィルム製膜
時の分解によるCXS部の極限粘度(以下、[η]とい
う)の低下をある範囲に抑えるフィルムの製造方法によ
り、より良好な特性を発現することを見出し本発明に至
った。
【0005】即ち、本発明は、第一工程で実質的に不活
性溶剤の不存在下にプロピレンを主体とした重合体部分
(A成分)を重合し、次いで第二工程を気相中でエチレ
ン含有量が20〜50重量%のプロピレンとエチレンと
の共重合体部分(B成分)を重合して得られるブロック共
重合体を溶融混練してなる組成物を製膜してなるフィル
ムが以下の物性を満足するレトルト食品包装用フィルム
に係るものである。 (1)フィルムの20℃キシレン可溶部が8〜25重量
% (2)フィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度が2
dl/g以上 (3)フィルムの曇値(HAZE)が45%以上 (4)直径200μm以上のフィッシュアイが1m2あた
り100個以下
【0006】また、本発明は、第一工程で実質的に不活
性溶剤の不存在下にプロピレンを主体とした重合体部分
を重合し、次いで第二工程を気相中でエチレン含有量が
20〜50重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体
部分を重合して得られるブロック共重合体を溶融混練し
てなる230℃のメルトフローレートが1.5〜10g
/10分、20℃キシレン可溶部の極限粘度が2.4d
l/g以上である組成物をフィルム化する製造方法にお
いて、フィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度
([η]b)と組成物の極限粘度([η]a)との比[η]b
/[η]aが0.75以上であるレトルト食品包装用フィ
ルムの製造方法に係るものである。
【0007】以下、本発明を具体的に記載する。本発明
のレトルト食品包装用フィルムに使用されるポリプロピ
レン系組成物は、第一工程で実質的に不活性溶剤の不存
在下にプロピレンを主体とした重合体部分(A成分)を
重合し、次いで第二工程を気相中でエチレン含有量が2
0〜50重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部
分(B成分)を重合して得られるブロック共重合体を溶
融混練してなるものである。触媒としてはチーグラー・
ナッタ型触媒を用いることができる。
【0008】A成分とB成分の割合は、必要な耐衝撃強
度特性に応じて任意に選択することが可能であるが、フ
ィルムのCXS部の量が8〜25重量%となるように選
択する必要がある。8重量%未満の場合は耐衝撃強度が
低下するため好ましくなく、25重量%を超える場合は
耐ブロッキング性が悪化するため好ましくない。特に、
9〜16重量%の範囲が耐衝撃性と耐ブロッキング性の
バランスからより好ましい。また、B成分のエチレン含
有量は20〜50重量%であることが必要である。好ま
しい範囲は、30〜50重量%である。エチレン含有量
が20重量%未満の場合は、耐ブロッキング性が劣るた
め好ましくなく、50重量%を超える場合は、耐衝撃性
が劣るため好ましくない。
【0009】本発明のレトルト食品包装用に使用される
ポリプロピレン系組成物はフィルム加工性を考慮すると
230℃のメルトフローレートが1.5〜10g/10
分であることが必要である。好ましい範囲は、2〜5g
/10分である。メルトフローレートが1.5g/10
分未満の場合は押出特性が悪化するため好ましくなく、
10g/10分を超える場合は引き取り特性が悪化する
ため好ましくない。
【0010】本発明のレトルト食品包装用フィルムはフ
ィルムのCXS部の[η]が2dl/g以上であることが
必要である。2dl/g未満の場合は、耐ブロッキング
性、ヒートシール性が低下するため好ましくない。好ま
しい範囲は、2.1dl/g以上である。また、フィル
ムの曇値(以下、HAZEという)は45%以上が必要
である。好ましい範囲は、50%以上である。HAZE
の増加は表面の微少凹凸を促進することであり、耐ブロ
ッキング性を改良することができる。HAZEが45%
未満の場合は耐ブロッキング性が悪化するため好ましく
ない。
【0011】本発明のレトルト食品包装用フィルムは外
観、特性の観点から直径200μm以上のフィッシュア
イが1m2あたり100個以下であることが必要であ
る。好ましい範囲は、50個以下である。
【0012】本発明のレトルト食品包装用フィルムは、
Tダイ法、チューブラー法などの公知のフィルム製膜法
で製造することが可能であるが、特にTダイ法による未
延伸フィルムの製造法により好適に製造される。フィル
ムの厚みは特に限定されないが、10〜250μmが好
ましく、さらに好ましくは30〜150μmである。
【0013】本発明のレトルト食品包装用フィルムに
は、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
滑剤、抗ブロッキング剤、造核剤などを必要に応じて添
加することが可能である。特に、中和剤としてはハイド
ロタルサイト類化合物、水酸化カルシウムなどが加工時
の発煙低下には好ましく、酸化防止剤としてはトコフェ
ノール類がCXS部の[η]低下抑制の観点から好まし
い。
【0014】本発明のレトルト食品包装用フィルムは、
その他のフィルム、例えばポリプロピレン二軸延伸フィ
ルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタル酸エ
チルフィルムやアルミニウム箔などのドライラミネート
法、または押出ラミネート法などの方法で製造される複
合フィルムの少なくとも一層としても好適に使用するこ
とが可能である。
【0015】本発明のレトルト食品包装用フィルムに
は、通常工業的に採用されている方法によって、コロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理などの
表面処理を施すこともできる。
【0016】本発明のレトルト食品包装用フィルムの製
造方法は20℃キシレン可溶部の極限粘度が2.4dl
/g以上である組成物をフィルムの20℃キシレン可溶
部の極限粘度([η]b)と組成物の極限粘度([η]a)
との比[η]b/[η]aが0.75以上となる様にするこ
とが必要である。好ましい範囲は、0.80以上であ
る。[η]b/[η]aが0.75未満の場合は、CXS部
の分解が促進されるため耐ブロッキング性が悪化して好
ましくない。[η]b/[η]aは、組成物の安定剤処方、
加工機の構造、加工温度等の加工条件によりコントロー
ルすることが出来る。[η]b/[η]aを高くするために
は、例えば、組成物の安定剤の強化、低せん断の加工機
の選択、低温での加工などが効果的である。
【0017】特に、組成物の直径200μm以上のフィ
ッシュアイ個数がN1(個/m2)であり、フィルムのフ
ィッシュアイ個数をN2(個/m2)としたとき、製造時
にフィルター等を用いて、N1とN2の関係を、N2
0.2×N1、N2≦100を満足するようにすることが
より好ましい。フィルターとしては例えば、ろ過精度1
0〜150μmの金属製フィルターを1枚以上、数百枚
まで重ねて使用することができ、特にろ過精度40〜80
μmの焼結繊維で構成されたフィルターを用いること
が、加工性とフィッシュアイの削減効果から好ましい。
【0018】本発明のレトルト食品包装用フィルムは外
観、耐熱性、低温での耐衝撃性、ヒートシール性、更に
は耐ブロッキング性に優れ、特に、低温下での重量物包
装用途で好適に使用される。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明の範囲は何ら実施例のみに限定され
るものではない。なお、発明の詳細な説明および実施例
中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
【0020】(1)プロピレン−エチレン共重合体部分
(B成分)中のエチレン濃度 高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616
ページに記載されている13C-NMRの測定を行い、組成物
のエチレン含量を求めた。B成分中のエチレン濃度は物
質収支から求めたB成分含有量を用いて次式により計算
した。 (組成物のエチレン濃度)×100/(B成分含有量
(重量%)) (2)極限粘度([η]) ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測
定を行った。 (3)20℃キシレン可溶部(CXS) ポリプロピレン5gを沸騰キシレン500mlに完全に
溶解させた後、20℃に降温し、4時間以上放置する。
その後、これを析出物と溶液とにろ別し可溶部と不溶部
に分離した。可溶部はろ液を乾固して減圧下70℃で乾
燥し、その重量を測定して含有量(重量%)を求めた。
【0021】(4)メルトフローレイト JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定し
た。 (5)耐衝撃性 試料を0℃に保持しておき、2mの高さから535.1
gの鉄球を落とし、試料を破壊貫通した時の落下速度
と、試料のない場合の鉄球のみの落下速度との、速度差
から耐衝撃エネルギーを求めた。その計算は次式によ
る。 E=(1/2)・M・L2(1/t0 2−1/t1 2) E:耐衝撃エネルギー[J] M:ボールの重量[0.5351kg] L:二つの光電管管の距離[0.1m] t0:フィルムのない場合の鉄球通過時間[S] t1:フィルムを破壊貫通時の鉄球通過時間[S]
【0022】(6)透明性(ヘイズ) JIS K7105に従い測定した。 (7)フィッシュアイ(FE) 組成物のFE個数(N1)は、φ50押出機で#80/
#100/#120のスクリーンメッシュを使用して製
膜した厚み50μmのフィルムを目視により、直径が2
00μm以上のFE個数を観測した。本発明フィルムの
FEの個数(N2)は本特許記載のフィルターを使用し
て製膜したフィルムを目視により、直径が200μm以
上のFE個数を観測した。 (8)耐ブロッキング性 225mm×50mmのフィルムを用いて、フィルム同
志を重ねあわせ、100mm×50mmの範囲を40g
/cm2の荷重下で60℃、80℃で3時間状態調整を
行った。その後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30
分以上放置し、島津製作所製ブロッキングテスターを用
いて20g/分の剥離荷重速度で試料の剥離に要する強
度を測定した。 (9)ヒートシール強度 東洋テスター工業(株)性ヒートシーラーを使用し次の
条件でシールし、次いでシール片を15mm幅に切り、
剥離角90°で(株)オリエンテック製テンシロンを用
いて測定した。 [シール条件] シールバー:平面両面加熱、シール温度:200℃ シール圧力:1.0kg/cm2、シール時間:1.0
秒 裏打ち補強剤:PET#12/AL#9/CPP#70
構成のドライラミネートフィルム
【0023】実施例1 チーグラーナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中でプ
ロピレン単独重合体部分を重合し、次いで第二工程を気
相中でエチレン含有量が34重量%のプロピレンとエチ
レンとの共重合体部分を重合した。得られた共重合体1
00部に水酸化カルシウム0.03部、ビタミンE0.
05部を加えて溶融混練し組成物とした。組成物に含ま
れるCXS量は13.7重量%、CXS部の[η]は3.
29dl/g、フィッシュアイ個数は2150個/m2
であった。本組成物をろ過精度60μmの金属フィルタ
ーを使用して濾過し、次いでTダイ加工法により、27
0℃の温度で製膜して厚み70μmのレトルト食品包装
用フィルムを得た。得られたフィルムのCXS量は1
2.8重量%、CXS部の[η]は2.57dl/g、フ
ィッシュアイ個数は98個/m2であった。フィルムの
物性は表1、表2に示す様に、フィッシュアイは多めで
あるが、耐ブロッキング性、耐衝撃性、ヒートシール強
度の良好なフィルムであった。
【0024】実施例2 チーグラーナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中でプ
ロピレン単独重合体部分を重合し、次いで第二工程を気
相中でエチレン含有量が36重量%のプロピレンとエチ
レンとの共重合体部分を重合した。得られた共重合体1
00部に水酸化カルシウムを0.01部、ビタミンEを
0.05部を加えて溶融混練して組成物とした。組成物
に含まれるCXS量は13.5重量%、CXS部の[η]
を2.62dl/g、フィッシュアイ個数を680個/
2としたであった。実施例1と同様にレトルト食品包
装用フィルムを得た。得られたフィルムのCXS量は1
3.3重量%、CXS部の[η]は2.17dl/g、フ
ィッシュアイ個数は20個/m2であった。フィルムの
物性は表1、表2に示す様に、フィッシュアイが少な
く、耐ブロッキング性、耐衝撃性、ヒートシール強度の
良好なフィルムであった。
【0025】実施例3 実施例2の共重合体100部に水酸化カルシウムを0.
01部、ビタミンEを0.03部、イルガノックス10
10(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
0.1部を用いたこと以外は実施例2と同様にレトルト
食品包装用フィルムを得た。得られたフィルムのCXS
量は13.7重量%、CXS部の[η]は2.17dl/
g、フィッシュアイ個数は10個/m2であった。フィ
ルムの物性は表1、表2に示す様に、フィッシュアイが
更に少なく、耐ブロッキング性、耐衝撃性、ヒートシー
ル強度の良好なフィルムであった。
【0026】比較例1 チーグラーナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中でプ
ロピレン単独重合体部分を重合し、次いで第二工程を気
相中でエチレン含有量が41重量%のプロピレンとエチ
レンとの共重合体部分を重合した。共重合体100部に
水酸化カルシウム0.03部、イルガノックス1010
を0.2部、イルガノックス3114(商品名:チバス
ペシャリティーケミカルズ社製)を0.075部、イル
ガフォス168(商品名:チバスペシャリティーケミカ
ルズ社製)を0.05部を加えて組成物とした。組成物
に含まれるCXS量は14.8重量%、CXS部の[η]
は1.64dl/g、フィッシュアイ個数は170個/
2であった。本組成物を実施例1と同様の方法にてレ
トルト食品包装用フィルムを得た。得られたフィルムの
CXS量は12.2重量%、CXS部の[η]は1.56
dl/g、フィッシュアイ個数は7個/m2であった。
フィルムの物性は表1、表2に示す様に、フィッシュア
イは少ないが、耐ブロッキング性、耐衝撃性が劣るフィ
ルムであった。
【0027】比較例2 実施例2で得られた共重合体100重量部、水酸化カル
シウム0.03部、イルガノックス1010を0.2部
を用いた以外は実施例2と同様にレトルト食品包装用フ
ィルムを得た。得られたフィルムのCXS量は13.4
重量%、CXS部の[η]は1.95dl/gとCXS部
の分解が進んでいた。フィルムの物性は表1、表2に示
す様に、耐ブロッキング性、耐衝撃性が劣るフィルムで
あった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明により、低温での耐衝撃性が良好
であり、外観、耐ブロッキング性、ヒートシール性が良
好なレトルト食品包装用フィルムおよびその製造法が提
供される。
フロントページの続き (72)発明者 木代 茂樹 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 門田 洋一郎 大阪府高槻市桜町1番5号 東レ合成フイ ルム株式会社高槻工場内 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA20X AA75 AA88 AF05Y AF23 AF30Y AF53Y AF58 AF59 AH04 BC01 4J026 HA04 HA25 HA35 HB03 HB04 HB20 HB25 HB35 HB48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一工程で実質的に不活性溶剤の不存在下
    にプロピレンを主体とした重合体部分(A成分)を重合
    し、次いで第二工程を気相中でエチレン含有量が20〜
    50重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分
    (B成分)を重合して得られるブロック共重合体を溶融混
    練してなる組成物を製膜してなるフィルムが以下の物性
    を満足することを特徴とするレトルト食品包装用フィル
    ム。 (1)フィルムの20℃キシレン可溶部が8〜25重量
    % (2)フィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度が2
    dl/g以上 (3)フィルムの曇値(HAZE)が45%以上 (4)直径200μm以上のフィッシュアイが1m2あた
    り100個以下
  2. 【請求項2】ブロック共重合体を溶融混練してなる組成
    物の230℃のメルトフローレートが1.5〜10g/
    10分であることを特徴とする請求項1記載のレトルト
    食品包装用フィルム。
  3. 【請求項3】ブロック共重合体を溶融混練してなる組成
    物の20℃キシレン可溶部の極限粘度が2.4dl/g
    以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のレト
    ルト食品包装用フィルム。
  4. 【請求項4】第一工程で実質的に不活性溶剤の不存在下
    にプロピレンを主体とした重合体部分(A成分)を重合
    し、次いで第二工程を気相中でエチレン含有量が20〜
    50重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分
    (B成分)を重合して得られるブロック共重合体を溶融混
    練してなる230℃のメルトフローレートが1.5〜1
    0g/10分、20℃キシレン可溶部の極限粘度が2.
    4dl/g以上である組成物を製膜してフィルムを製造
    方法において、フィルムの20℃キシレン可溶部の極限
    粘度([η]b)と組成物の極限粘度([η]a)との比
    [η]b/[η]aが0.75以上であることを特徴とする
    レトルト食品包装用フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】得られたフィルムが下記の物性を満足する
    フィルムであることを特徴とする請求項4記載のレトル
    ト食品包装用フィルムの製造方法。 (1)フィルムの20℃キシレン可溶部が8〜25重量
    % (2)フィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度が2
    dl/g以上 (3)フィルムの曇値(HAZE)が45%以上 (4)直径200μm以上のフィッシュアイが1m2あた
    り100個以下
  6. 【請求項6】組成物の直径200μm以上のフィッシュ
    アイ個数をN1(個/m2)、フィルムのフィッシュアイ
    個数をN2(個/m2)とした場合に、 N1とN2との関
    係が、N2≦0.2×N1、 N2≦100を満足すること
    を特徴とする請求項4又は5記載のレトルト食品包装用
    フィルムの製造方法。
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