JPH10298367A - 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム - Google Patents

押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム

Info

Publication number
JPH10298367A
JPH10298367A JP9111341A JP11134197A JPH10298367A JP H10298367 A JPH10298367 A JP H10298367A JP 9111341 A JP9111341 A JP 9111341A JP 11134197 A JP11134197 A JP 11134197A JP H10298367 A JPH10298367 A JP H10298367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
resin composition
polypropylene
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9111341A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Imai
正 今井
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Shigeru Kimura
茂 木村
Takayuki Yamada
孝行 山田
Yoshito Imabayashi
良人 今林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP9111341A priority Critical patent/JPH10298367A/ja
Publication of JPH10298367A publication Critical patent/JPH10298367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムの透明性、剛性、耐熱性が良好で、高
速製膜や金属蒸着などの二次加工においても作業性や寸
法安定性が優れ、特に刺激臭もなく、繊維包装用途や熱
水処理や電子レンジ加熱などを行う食品用途で使用可能
である押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】立体規則性の指標である13C−NMRにお
けるメソペンタッド分率が0.93以上で、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)が5.5以下、かつクロスフラクショネーションク
ロマトグラフィーにおいて、40℃以下で溶出する部分
が1.0wt%以下で、しかも110℃以下で溶出する
部分が75.0wt%以下である結晶性ポリプロピレン
100重量部に対して、芳香族有機リン酸エステル金属
塩を0.03〜0.5重量部配合してなる押出フィルム
用ポリプロピレン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は押出フィルム用ポリ
プロピレン樹脂組成物に関する。詳しくは、フィルムの
透明性、剛性、耐熱性が良好で、高速製膜や金属蒸着な
どの二次加工においても作業性や寸法安定性が優れ、特
に刺激臭もなく、繊維包装用途や熱水処理や電子レンジ
加熱などを行う食品用途で使用可能であることを特徴と
する押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にアイソタクティックポリプロピレ
ンは、外観はもちろん機械特性、包装特性等の物性が優
れていることから、例えば押出フィルムの分野でも食品
包装用途や繊維包装用途等に多く使用されている。しか
しながら、従来公知の押出ポリプロピレンフィルムは、
用途によっては機械的な性質の中では、剛性の点で不満
足なものであり、例えば高速製膜やアルミ蒸着等の二次
加工による熱処理によりフィルムを巻き取る際の張力で
フィルムが変形して作業性が悪くなったり、巻き取った
後に寸法が変化してフィルム同志の擦れにより外観が悪
化するなどの問題があった。
【0003】また、最近では、コスト的に安価な未延伸
ポリプロピレンにより延伸フィルムの様な高い剛性が要
求される用途での使用も検討されはじめているため、剛
性のさらなる剛性の向上が望まれている。また、熱的な
性質の中では、耐熱性が不満足なものであり、レトルト
殺菌等の高温での熱水処理や電子レンジ加熱などの高温
状態で使用できない問題があった。このため、押出ポリ
プロピレンフィルムの剛性や耐熱性を改良する試みが幾
つか行われている。例えば、石油樹脂を添加する方法、
製膜後熱処理を行う方法、造核剤としてタルクやソルビ
トール系誘導体、芳香族有機リン酸エステル金属塩を添
加する方法が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結晶性
ポリプロピレンに石油樹脂を添加した場合、製膜時に発
煙やロール汚れがあり耐熱性も十分でない。また、成形
したフィルムの熱処理を行う場合、熱処理のための設備
やエネルギーが必要となり、大幅なコストアップにつな
がる問題がある。さらに従来の結晶性ポリプロピレンに
上記の造核剤を添加しても、タルクでは透明性や耐熱性
が不良であり、またソルビトール系誘導体では臭気が不
良となり作業環境の悪化や食品用途では使用できないな
どの問題があった。また、芳香族有機リン酸エステル金
属塩の場合、特開昭58−1736、特開昭61−53
344、特開昭62−209151、特開昭62−24
1942、特開平5−156078号公報で検討されて
いるが、通常のポリプロピレンを使用すると、透明性、
剛性、耐熱性のいずれも不十分であった。また、特開昭
58−243635号公報では、ラジカル発生剤の存在
下に熱処理したポリプロピレンと芳香族有機リン酸エス
テル金属塩を使用しているが、この場合も透明性、剛
性、耐熱性も不完全なものであった。特開昭58−37
148号公報では、ある特定のアイソタクティックペン
タッド分率を有し、かつ、沸騰n−ヘキサン、沸騰n−
ヘプタンの抽出物について特定のアイソタクティックペ
ンタッド分率を有するポリプロピレンを使用している
が、この場合、剛性、耐熱性は良好なものが得られる
が、透明性が不十分であった。
【0005】本発明は、従来のかかる欠点を解消し、フ
ィルムの透明性、剛性、耐熱性が良好で、高速製膜や金
属蒸着などの二次加工においても作業性や寸法安定性が
優れ、特に刺激臭もなく、繊維包装用途や熱水処理や電
子レンジ加熱などを行う食品用途で使用可能である押出
フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決してフィルムの透明性、剛性、耐熱性が良好で、高
速製膜や金属蒸着などの二次加工においても作業性や寸
法安定性が優れ、特に刺激臭もなく、繊維包装用途や熱
水処理や電子レンジ加熱などを行う食品用途で使用可能
である押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物を開発
すべく鋭意検討した結果、本発明を完成したものであ
る。
【0007】本発明とは、立体規則性の指標である13
−NMRにおけるメソペンタッド分率が0.93以上
で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)が5.5以下、かつクロスフラクショ
ネーションクロマトグラフィーにおいて、40℃以下で
溶出する部分が1.0wt%以下で、しかも110℃以
下で溶出する部分が75.0wt%以下である結晶性ポ
リプロピレン100重量部に対して、芳香族有機リン酸
エステル金属塩を0.03〜0.5重量部配合してなる
押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物である。ま
た、本発明は、この押出フィルム用ポリプロピレン樹脂
組成物を用いて、冷却ロール温度が40℃〜50℃で押
出成形してなるヤング率が160kgf/mm2 以上で
ある未延伸ポリプロピレン押出フィルムである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における結晶性ポリプロピ
レンとしては、13C−NMRで測定したメソペンタッド
分率が0.93以上であり、好ましくは0.95以上で
ある。メソペンタッド分率が0.93未満であると、剛
性、耐熱性の改良効果が十分でなく、電子レンジ等の加
熱に耐えられない。ここでメソペンタッド分率とは、
A.zambelliらのMacromolecule
s,8,687(1975)に示された帰属により定め
られた値であり、具体的には実施例の項に示す。
【0009】本発明における結晶性ポリプロピレンとし
ては、分子量分布の指標である重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)の比(以下、Mw/Mnと記
す。)が5.5以下であり、好ましくは5.0以下であ
る。Mw/Mnが5.5より大きいと、透明性が不良と
なり、透明性の要求される繊維包装や食品包装用途での
使用ができないレベルとなる。また、成形時に冷却ロー
ルへの付着等の成形性の問題が生じないのであれば、分
子量分布の下限については特に規定しないが1.0以
上、通常は2.0以上である。
【0010】ここでMw/Mnは、高温高速ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーで測定される。具体的に
は、Waters(株)社製150−CVを用い、カラ
ムとして昭和電工(株)社製Shodex AD−80
M/Sを2本連結し、135℃のオルトジクロロベンゼ
ンを移動層とし、流速1ml/minで測定したもので
あり、キャリブレーションは標準ポリスチレンを用い、
Qファクターとして41.4を採用した。
【0011】本発明における結晶性ポリプロピレンとし
ては、クロスフラクショネーションクロマトグラフィー
(以下、CFCと記す。)において、40℃以下で溶出
する部分が1.0wt%以下で、しかも110℃以下で
溶出する部分が75.0wt%以下であり、好ましくは
40℃以下で溶出する部分が0.7wt%以下で、しか
も110℃以下で溶出する部分が70.0wt%以下で
ある。溶出する部分が前記規定値を上回る場合には、剛
性や耐熱性の改良効果が十分でない。
【0012】ここでCFCの測定は、油化電子(株)社
製CFCT−150Aを用いて行った。なお、溶媒は、
オルトジクロロベンゼンを用い、流速は1ml/min
とした。
【0013】また、本発明における結晶性ポリプロピレ
ンとしては、市場で入手可能なプロピレン単独重合体や
プロピレンとエチレンまたは炭素数4以上のα−オレフ
ィンとの共重合体が利用できる。好ましくは、剛性、耐
熱性が良好なプロピレン単独重合体であり、この場合、
電子レンジ食品の包装などの分野でも使用できる耐熱性
が良好なフィルムが得られる。
【0014】これらの結晶性ポリプロピレンは工業的に
製造することが可能であり、種々の組成、立体規則性の
ものを製造する方法として多くの方法が知られている。
これらのポリプロピレンを製造するのに用いる触媒とし
ては、アイソタクティックポリプロピレンまたはその共
重合体では、例えばソルベー触媒として知られるような
三塩化チタン触媒や塩化マグネシウム等の担体上に三塩
化チタンや四塩化チタンを担持した担持型触媒あるいは
ジインデニルジルコニウムジクロリド触媒とメチルアミ
ノキサン助触媒の組み合わせで代表されるようなメタロ
セン触媒も利用できるが、立体規則性や分子量分布を考
慮すると担持型触媒やメタロセン触媒が好ましい。ま
た、重合方法は不活性溶媒を用いる溶媒重合法、実質的
に不活性溶媒を用いない塊状重合法、気相重合法などの
従来の重合法が用いられ、重合温度としては−100〜
100℃、重合圧力としては常圧〜50kg/cm2
Gであるのが一般的である。
【0015】これら結晶性ポリプロピレンの分子量とし
ては230℃、2.16kg荷重(ASTM D−12
38)で測定したメルトフローレート(以下、MFRと
記す。)が0.01〜100g/10min、好ましく
は0.05〜50g/10minの範囲の比較的分子量
の高いものを利用するとフィルムの物性の点で好まし
い。
【0016】本発明における芳香族有機リン酸エステル
金属塩としては、市場で一般的に入手できるものがその
まま使用でき、芳香族有機リン酸エステル金属塩として
は、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャ
リ−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ
−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、
2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−
ブチルフェニル)フォスフェート−リチウム塩、2,
2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブ
チルフェニル)フォスフェート−リチウム塩、2,2’
−メチレン−ビス(4,1−プロピル−6−ターシャリ
−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、ビ
ス(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャ
リ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミ
ニウム塩、ビス(2,2’−メチレン−ビス(4−ジ−
メチル−6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォス
フェート)−水酸化アルミニウム塩ビス(2,2’−エ
チリデン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェ
ニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩等であ
り、中でも2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−タ
ーシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウ
ム塩、ビス(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−
ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸
化アルミニウム塩が好ましく用いられる。また、ビス
(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ
−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニ
ウム塩のような芳香族有機リン酸エステル塩基性多価金
属塩の場合、アルカリ金属カルボン酸ナトリウムやアル
カリ金属β−ジケトナート、アルカリ金属β−ケト酢酸
エステル塩からの一種を最大40wt%まで含有しても
良く、その場合、ミリスチン酸リチウムを含有するのが
好ましい。
【0017】上記芳香族有機リン酸エステル金属塩の結
晶性ポリプロピレン100重量部に対する使用割合とし
ては0.03〜0.5重量部であり、好ましくは0.0
5〜0.3重量部である。芳香族有機リン酸エステル金
属塩の添加量が0.03重量部より少ないとフィルムの
十分な剛性や耐熱性の改良効果がなく、0.5重量部よ
り多くても特により改良されるわけでなく、むしろフィ
ルムの透明性が低下し好ましくない。
【0018】本発明において上記組成物を得る方法とし
て、公知の任意の方法で均一分散させて得ることができ
る。例えば、押出溶融ブレンド法、バンバリーブレンド
法などである。また、芳香族有機リン酸エステル金属塩
のマスターバッチとして添加してもかまわない。
【0019】また、本発明の組成物には、一般的に用い
られている例えばフェノール系、リン系の酸化防止剤や
脂肪酸金属塩あるいは塩基性の無機中和剤等の安定剤は
言うまでもなく、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
帯電防止剤などの添加剤は、必要に応じて適宜添加する
ことができる。
【0020】本発明の押出フィルムは、Tダイ法、また
はインフレーション法等の公知の方法によって製膜され
た未延伸フィルムであり、フィルムの厚みは特に限定し
ないが、1〜500μmであるのが一般的であり、好ま
しい厚みのものが必要に応じ選択される。
【0021】本発明のポリプロピレン樹脂組成物を押出
フィルムとして利用するための製膜条件としては、Tダ
イ法の場合、ダイス温度200℃〜250℃、冷却ロー
ル温度30〜60℃、インフレーション法の場合、ダイ
ス温度200℃〜250℃で水冷を行うのが一般的であ
る。冷却ロール温度が30℃未満の場合は、冷却ロール
にフィルムが密着せず、また、60℃を越えると、結晶
サイズが大きくなり、いずれも透明性が不良となる。特
に好ましくは、冷却ロール温度が40℃〜50℃であ
る。
【0022】本発明の押出フィルム用ポリプロピレン樹
脂組成物を、冷却ロール温度が40℃〜50℃で押出成
形するとポリプロピレン押出フィルムとしての物性はヤ
ング率が160kgf/mm2 以上となる。このように
フィルムのヤング率が160kgf/mm2 以上であれ
ば、高速製膜において厚みが20μm以下のような比較
的薄いフィルムでも剛性が良好なため、作業性も良く、
他のフィルムと積層しても十分な効果が得られる。
【0023】本発明の押出フィルムは、その他のフィル
ム、例えばポリプロピレン二軸延伸フィルム、未延伸ナ
イロンフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレ
フタル酸エチルフィルム、アルミ箔、紙類等とドライラ
ミネート、または押出ラミネート等の公知の方法によっ
て形成される複合フィルム、またはTダイ法或いはイン
フレーション法等による共押出フィルムにして使用が可
能であり、このような目的の場合も未延伸フィルム層の
厚みは特に限定しないが、5〜150μmが好ましく、
更に好ましくは15〜100μmである。
【0024】本発明の押出フィルムは、剛性、耐熱性が
良好で高速製膜やアルミ蒸着、レトルト処理、電子レン
ジ加熱などの熱処理が行われた時にフィルムが伸びた
り、巻き取り後寸法が変化したりすることがなく、ま
た、レトルト処理、電子レンジ加熱などの熱処理を行っ
ても、フィルム同志が融着することがなく、しかも透明
性が良好で、しかもフィルム臭気も良好であるため生産
性が良く、使用用途が広く、工業的に価値の高い極めて
安定したフィルムである。
【0025】本発明の押出フィルムを通常工業的に採用
されている方法によってコロナ放電処理、或いは火炎処
理等の表面処理を施すこともできる。
【0026】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するため、以下に
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例において各測定項目は次の方法に基
づいて測定した。
【0027】(1)メルトフローレート(MFR):A
STM D−1238に準拠した。 (2)分子量分布(MW/Mn):G.P.C(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)により、下記条件
で測定した。また、検量線は標準ポリスチレンを用いて
作成した。 種類 150−CV(Waters(株)社製) カラム Shodex AD−80M/S(昭和電工
(株)社製) 測定温度 135℃ 溶媒 オルトジクロロベンゼン サンプル濃度 8mg/4ml 流速 1ml/min (3)ヘイズ:ASTM D−1003に準拠した。 (4)Tm:耐熱性の指標として、JIS K7121
に準拠して、ペレットのピーク温度Tmを測定した。 (5)ヤング率:ASTM−D882に準拠した。 (6)降伏点応力:ASTM−D882に準拠した。 (7)メソペンタッド分率:13C−NMRにより、下記
条件で測定し、メソペンタッド分率=(21.7ppm
でのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面
積)とした。 種類 EX−270(日本電子(株)社製) 分解能 270MHz 測定温度 120℃ 溶媒 トリクロロベンゼン (8)CFC:パウダーの40℃以下の溶出量、110
℃以下の溶出量は、CFCにより、下記条件で測定し
た。また、検量線は標準ポリスチレンを用いて作成し
た。 種類 CFCT−150A(油化電子(株)社製) カラム Shodex AD−80M/S(昭和電工
(株)社製) 溶媒 オルトジクロロベンゼン サンプル濃度 80mg/20ml 流速 1ml/min
【0028】実施例1 結晶性ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体(M
FR=7.8g/10min、Mw/Mn=4.9、そ
の他のデータは表1に示す。)100重量部にリン系酸
化防止剤0.04重量部、フェノール系酸化防止剤0.
10重量部、芳香族有機リン酸エステル金属塩として
2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−
ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩(旭電
化工業(株)社製、アデカスタブNA−11UY、融点
400℃以上)0.05重量部を20リットルヘンシェ
ルで2分間混合し、押出温度250℃で65mmφ押出
機で造粒して得たペレットのMFRは8.3g/10m
inであった。このペレットを40mmφTダイ製膜機
にて樹脂温度240℃で溶融押出しを行い、冷却ロール
温度50℃で厚み30μmの未延伸フィルムを得た。そ
の評価結果を表1に示す。この場合、透明性、剛性、耐
熱性が良好であった。
【0029】実施例2 芳香族有機リン酸エステル金属塩としてビス(2,2’
−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフ
ェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩(旭
電化工業(株)社製、アデカスタブNA−21、融点2
27℃以上)を0.1重量部とした以外は実施例1と同
様にした。その評価結果を表1に示す。
【0030】比較例1 芳香族有機リン酸エステル金属塩を添加しなかった以外
は実施例1と同様にした。その評価結果を表1に示す。
この場合、剛性、耐熱性が不十分であった。
【0031】比較例2 芳香族有機リン酸エステル金属塩としてアデカスタブN
A−11UYを0.7重量部とした以外は実施例1と同
様にした。その評価結果を表1に示す。剛性、耐熱性は
良好であるが、フィルムの透明性が悪化した。
【0032】比較例3 結晶性ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体(M
FR=8.1g/10min、Mw/Mn=6.8、そ
の他のデータは表1に示す。)100重量部にリン系酸
化防止剤0.04重量部、フェノール系酸化防止剤0.
20重量部、芳香族有機リン酸エステル金属塩としてア
デカスタブNA−11UY 0.05重量部を20リッ
トルヘンシェルで2分間混合し、押出温度250℃で6
5mmφ押出機で造粒して得たペレットのMFRは8.
5g/10minであった。このペレットを40mmφ
Tダイ製膜機にて樹脂温度240℃で溶融押出しを行
い、冷却ロール温度50℃で厚み30μmの未延伸フィ
ルムを得た。その評価結果を表1に示す。この場合、透
明性、剛性、耐熱性が不十分であった。
【0033】比較例4 結晶性ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体(M
FR=8.1g/10min、Mw/Mn=6.8、そ
の他のデータは表1に示す。)100重量部にリン系酸
化防止剤0.04重量部、フェノール系酸化防止剤0.
10重量部、芳香族有機リン酸エステル金属塩としてア
デカスタブNA−11UY 0.05重量部、有機過酸
化物(2,5−ジ−メチル−2、5−ビス(ターシャリ
−ブチル−パーオキシ)ヘキサン)0.007重量部を
20リットルヘンシェルで2分間混合し、押出温度25
0℃で65mmφ押出機で造粒して得たペレットのMF
Rは8.5g/10min、Mw/Mnは5.0であっ
た。このペレットを40mmφTダイ製膜機にて樹脂温
度240℃で溶融押出しを行い、冷却ロール温度50℃
で厚み30μmの未延伸フィルムを得た。その評価結果
を表1に示す。この場合、剛性、耐熱性が不十分であっ
た。
【0034】比較例5 結晶性ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体(M
FR=8.2g/10min、Mw/Mn=5.0、そ
の他のデータは表2に示す。)100重量部にリン系酸
化防止剤0.04重量部、フェノール系酸化防止剤0.
10重量部、芳香族有機リン酸エステル金属塩としてア
デカスタブNA−11UY 0.05重量部を20リッ
トルヘンシェルで2分間混合し、押出温度250℃で6
5mmφ押出機で造粒して得たペレットのMFRは8.
4g/10minであった。このペレットを40mmφ
Tダイ製膜機にて樹脂温度240℃で溶融押出しを行
い、冷却ロール温度50℃で厚み30μmの未延伸フィ
ルムを得た。その評価結果を表2に示す。この場合、剛
性、耐熱性が不十分であった。
【0035】比較例6 結晶性ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体(M
FR=7.9g/10min、Mw/Mn=8.8、そ
の他のデータは表2に示す。)100重量部にリン系酸
化防止剤0.04重量部、フェノール系酸化防止剤0.
10重量部、芳香族有機リン酸エステル金属塩としてア
デカスタブNA−11UY 0.05重量部を20リッ
トルヘンシェルで2分間混合し、押出温度250℃で6
5mmφ押出機で造粒して得たペレットのMFRは8.
3g/10minであった。このペレットを40mmφ
Tダイ製膜機にて樹脂温度240℃で溶融押出しを行
い、冷却ロール温度50℃で厚み30μmの未延伸フィ
ルムを得た。その評価結果を表2に示す。この場合、剛
性、耐熱性は良好であったが、透明性が不十分であっ
た。
【0036】実施例3 アデカスタブNA−11UYの添加量を0.3重量部と
した以外は実施例1と同様にした。その評価結果を表2
に示す。この場合、透明性、剛性、耐熱性は良好であっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明におけるメソペンタッド分率、分
子量分布、クロスフラクショネーションクロマトグラフ
ィーでの溶出量が特定の範囲である結晶性ポリプロピレ
ンと芳香族有機リン酸エステル金属塩からなる樹脂組成
物から溶融押出して得られたフィルムは、透明性、剛
性、耐熱性、臭気が良好なフィルムであり、産業上優位
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 (72)発明者 山田 孝行 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 今林 良人 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立体規則性の指標である13C−NMRにお
    けるメソペンタッド分率が0.93以上で、重量平均分
    子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
    n)が5.5以下、かつクロスフラクショネーションク
    ロマトグラフィーにおいて、40℃以下で溶出する部分
    が1.0wt%以下で、しかも110℃以下で溶出する
    部分が75.0wt%以下である結晶性ポリプロピレン
    100重量部に対して、芳香族有機リン酸エステル金属
    塩を0.03〜0.5重量部配合してなる押出フィルム
    用ポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】芳香族有機リン酸エステル金属塩が2,
    2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチ
    ルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩である請求
    項1記載の押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】芳香族有機リン酸エステル金属塩がビス
    (2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ
    −ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニ
    ウム塩である請求項1記載の押出フィルム用ポリプロピ
    レン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の押出フィルム用ポリプロピ
    レン樹脂組成物を、冷却ロール温度が40℃〜50℃で
    押出成形してなるヤング率が160kgf/mm2 以上
    である未延伸ポリプロピレン押出フィルム。
JP9111341A 1997-04-28 1997-04-28 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム Pending JPH10298367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9111341A JPH10298367A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9111341A JPH10298367A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10298367A true JPH10298367A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14558748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9111341A Pending JPH10298367A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10298367A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089734A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Sumitomo Seika Chem Co Ltd ポリプロピレン樹脂組成物
JP2006169296A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Asahi Denka Kogyo Kk プロピレン共重合体組成物
EP1842872A2 (en) * 2003-09-12 2007-10-10 Borealis Technology OY Polypropylene blown film
JP2013053314A (ja) * 2006-10-06 2013-03-21 Mitsubishi Chemicals Corp バイオマス資源由来ポリエステル製シート
JP2013525558A (ja) * 2010-04-28 2013-06-20 ボレアリス エージー 触媒
US11578188B2 (en) 2017-08-31 2023-02-14 Adeka Corporation Composition, thermoplastic resin composition using same, and molded article of same

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089734A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Sumitomo Seika Chem Co Ltd ポリプロピレン樹脂組成物
EP1842872A2 (en) * 2003-09-12 2007-10-10 Borealis Technology OY Polypropylene blown film
EP1842872A3 (en) * 2003-09-12 2015-04-15 Borealis Technology Oy Polypropylene blown film
JP2006169296A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Asahi Denka Kogyo Kk プロピレン共重合体組成物
JP2013053314A (ja) * 2006-10-06 2013-03-21 Mitsubishi Chemicals Corp バイオマス資源由来ポリエステル製シート
JP2013525558A (ja) * 2010-04-28 2013-06-20 ボレアリス エージー 触媒
US11578188B2 (en) 2017-08-31 2023-02-14 Adeka Corporation Composition, thermoplastic resin composition using same, and molded article of same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4928741B2 (ja) プロピレン系樹脂フィルム及びプロピレン系樹脂積層フィルム並びにそれらの用途
WO2017038349A1 (ja) レトルト包装用ポリプロピレン系シーラントフィルムおよびそれを用いた積層体
JP4688247B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および用途
JPWO2006057378A1 (ja) ポリプロピレン系フィルムおよびその積層体
JP2007517122A (ja) シール層樹脂組成物
JP7411454B2 (ja) ポリプロピレン系複合フィルムおよびそれを用いた積層体
CN112638960A (zh) 在薄膜应用中使用的丙烯无规共聚物
DE10296585B4 (de) Harzzusammensetzung auf Polyolefinbasis und Folie
JP3566114B2 (ja) レトルト食品包装用フィルムおよびその製造方法
US7722961B2 (en) Resin composition and stretched film obtained by using the same
EP1717270A1 (en) Polypropylene based heat shrinkable film
JPH10298367A (ja) 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム
JP3575865B2 (ja) ポリプロピレン組成物
JP2006307118A (ja) ポリプロピレン系熱収縮性フィルム
JP3290293B2 (ja) ポリプロピレン樹脂および延伸フィルム
JPH10202720A (ja) 押出ポリプロピレンフィルム
JP4500003B2 (ja) ポリプロピレン樹脂からなるフィルム
JP2006328300A (ja) ポリプロピレン樹脂、並びに該樹脂の高透明シートへの応用
JP2000053726A (ja) シート成形用プロピレン系樹脂および樹脂組成物
JPH1045968A (ja) 押出ポリプロピレンフィルム
JP4081599B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物、その樹脂組成物の製造方法およびその樹脂組成物からなるフィルム
JP2006307060A (ja) 空冷インフレーション成形ポリプロピレン系フィルム
JP2008266502A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを含有してなるフィルム
JP2010144007A (ja) インフレーションフィルム
JPH1112402A (ja) 押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物及び押出フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050913

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060124

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060215