JP2000136274A - ポリプロピレン系フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系フィルム

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JP2000136274A
JP2000136274A JP10310051A JP31005198A JP2000136274A JP 2000136274 A JP2000136274 A JP 2000136274A JP 10310051 A JP10310051 A JP 10310051A JP 31005198 A JP31005198 A JP 31005198A JP 2000136274 A JP2000136274 A JP 2000136274A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速成形性が良好で、かつフィルムの外観、
透明性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐
ブロッキング性に優れたポリプロピレンフィルムの提
供。 【解決手段】 (1)ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより求めた重量平均分子量と数平均分子量と
の比が1.5〜4.0、(2)オルソジクロルベンゼン
を溶媒として40℃における抽出量が2重量%以下、及
び(3)DSCによる融解ピーク温度(Tm)が110
℃以上140℃以下である結晶性ポリプロピレン(成分
A)85〜99重量部と高密度ポリエチレン(成分B)
1〜15重量部からなり、かつ一般式(イ):1≦MF
Rb/MFRa≦3(式中、MFRaは成分(A)のメ
ルトフローレートであり、MFRbは成分(B)のメル
トフローレートを表す。)及び一般式(ロ):100℃
≦Tp≦120℃(式中、Tpは樹脂組成物におけるD
SCによる結晶化ピーク温度を表す。)を満たす樹脂組
成物からなることを特徴とするポリプロピレン系フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速成形性が良好
で、かつフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒ
ートシール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリ
プロピレン系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系フィルムは、食品包装
用フィルム等として広く利用されているが、近年、生産
設備の大型化や高速化が一段と進み、従来以上に優れた
成形加工性を有する材料が求められてきている。特に、
ポリプロピレン無延伸フィルムを生産する場合には、成
形速度の高速化に伴って、冷却ロールでの樹脂の冷却が
十分に追いつかず、スイーパーロールの跡がフィルムに
転写され外観不良が発生し、高速化の妨げとなってい
る。また、フィルムの物性においては、高速で成形され
るに従って、フィルムの流れ方向の配向が著しく増大
し、縦裂けや衝撃強度が大幅に低下する問題があった。
【0003】ポリプロピレン系フィルムは、従来より、
チタン化合物と有機アルミニウムからなるチタン系触媒
を用いて製造されているが、低温ヒートシール性に優れ
た低融点のポリプロピレン系共重合体を製造しようとす
ると、生産性が低下したり、包装適性や包装作業性に関
係する透明性、滑り性や耐ブロッキング性に見劣りする
材料しか得られていないのが現状である。ところで、近
年開発されつつあるジルコニウムやハフニウムなどのメ
タロセン化合物とアルキルアミノキサンやイオン性化合
物等からなるメタロセン系触媒を用いて製造されたポリ
プロピレン系共重合体は、低融点の材料が効率良く製造
できるが、分子量分布が狭く剛性や成形性に劣り改良を
要するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
成形性が良好で、かつ得られたフィルムの外観、透明
性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロ
ッキング性に優れたポリプロピレン系フィルムを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、鋭意検討した結果、特定の結晶性ポリプ
ロピレン樹脂に特定量の高密度ポリエチレンを配合した
特定の関係を満足する樹脂組成物を用いることで、高速
成形性が良好で、かつ、得られたフィルムの外観、透明
性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロ
ッキング性に優れたポリプロピレン系フィルムが得られ
ることを見出して、本発明に達したものである。
【0006】すなわち、本発明は、下記の一般式
(イ)、(ロ)を満たす、下記の成分(A)及び成分
(B)の樹脂組成物からなることを特徴とするポリプロ
ピレン系フィルムである。 一般式(イ): 1≦MFRb/MFRa≦3 (式中、MFRaは成分(A)のメルトフローレートで
あり、MFRbは成分(B)のメルトフローレートを表
す。) 一般式(ロ): 100℃≦Tp≦120℃ (式中、Tpは樹脂組成物におけるDSCによる結晶化
ピーク温度を表す。) 成分(A):下記特性を有する結晶性ポリプロピレン
85〜99重量部 (1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
求めた重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5〜
4.0、(2)オルソジクロルベンゼンを溶媒として4
0℃における抽出量が2重量%以下、(3)DSCによ
る融解ピーク温度(Tm)が110℃以上140℃以
下。 成分(B):高密度ポリエチレン 1〜15重量部
【0007】
【発明の実施の形態】1.結晶性ポリプロピレン(成分
A) 本発明で用いる成分(A)は、下記特性(1)〜(3)
を有する結晶性ポリプロピレンである。 (1)重量平均分子量と数平均分子量との比 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた
重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5〜4.0
である必要があり、特に好ましい重量平均分子量と数平
均分子量との比は2.0〜3.5である。ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均分子
量と数平均分子量との比が4.0を超えると、高速成形
にて得られたフィルムの衝撃強度が低下し不良となる。
また、重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5未
満では、後述の成分(B)を加えても高速成形性が不良
となる。
【0008】(2)オルソジクロルベンゼンによる抽出
量 オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃における抽
出量が2重量%以下であることが必要であり、特に好ま
しいオルソジクロルベンゼンを溶媒とした40℃抽出量
は、1.5重量%以下である。オルソジクロルベンゼン
を溶媒として40℃における抽出量が2重量%を超える
と耐ブロッキング性や剛性が不良となる。
【0009】(3)DSCによる融解ピーク温度(T
m) DSCによる融解ピーク温度(Tm)が110℃以上1
40℃以下であることが必要であり、特に好ましいDS
Cによる融解ピーク温度(Tm)は、115℃以上13
5℃以下である。DSCによる融解ピーク温度(Tm)
が140℃を超えると、ヒートシール性が不良となる。
一方、DSCによる融解ピークが110℃未満の場合
は、剛性が不良となる。
【0010】2.結晶性ポリプロピレンの製造 本発明の成分(A)として用いられる結晶性ポリプロピ
レンは、プロピレンとエチレンやブテンなどとの共重合
によって製造されるが、中でも、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1
の3元共重合体が好ましい。これらのポリプロピレン共
重合体のメルトフローレート(230℃、2.16k
g)は、一般的には1〜20g/10分のものが用いら
れるが、特に、2〜10g/10分のものが好ましい。
本発明の成分(A)として用いられる結晶性ポリプロピ
レンは、好ましくは、メタロセン系触媒を用いて製造さ
れる。例えば、メタロセン系触媒による製造方法として
は、特開昭62−119212号、特開平1−2661
16号、同2−173111号、同4−331214
号、同6−192332号の各公報などが例示される。
【0011】3.高密度ポリエチレン(成分B) 本発明で用いられる成分(B)の高密度ポリエチレン
は、密度が0.93g/cm以上、好ましくは0.9
4g/cm以上であり、メルトフローレート(190
℃、2.16kg)が1.0g/10分以上、特に、2
g/10分以上のものが好ましい。
【0012】4.配合割合とMFR比 成分(A)と成分(B)の配合割合は、成分(A)の結
晶性ポリプロピレン85〜99重量部に対して、成分
(B)の高密度ポリエチレンが1〜15重量部であり、
特に3〜12重量部のものが好ましい。成分(B)の配
合割合が1重量部未満では、フィルムの剛性や高速成形
性が不良となり、成分(B)の配合割合が15重量部を
超えると、透明性やヒートシール強度、衝撃強度が悪化
する。
【0013】また、本発明に用いる成分(A)と成分
(B)のメルトフローレートの比は、 一般式(イ):1≦MFRb/MFRa≦3の関係を満
足することが必要である。式中のMFRaは、成分
(A)のメルトフローレート(230℃、2.16K
g)であり、MFRbは、成分(B)のメルトフローレ
ート(190℃、2.16kg)を表す。MFRb/M
FRaが1未満の場合には、フィルム外観や透明性が悪
化し、MFRb/MFRaが3を超える場合には、高速
成形性が不良となる。特に好ましい範囲としては、1.
2≦MFRb/MFRa≦2.8である。
【0014】5.樹脂組成物 成分(A)及び成分(B)の混合物からなる樹脂組成物
は、一般式(ロ):100℃≦Tp≦120℃の関係を
満足する必要がある。式中のTpは、樹脂組成物におけ
るDSCによる結晶化ピーク温度を表す。樹脂組成物の
Tpが100℃未満の場合には、高速成形性が不良とな
り、Tpが120℃を超えると、衝撃強度が不良とな
る。
【0015】また、成分(A)及び成分(B)からなる
樹脂組成物には、3−メチル−1−ブテン重合体が1〜
1000重量ppm含有されること、中でも、5〜20
0重量ppm含有されることが特に好ましい。3−メチ
ル−1−ブテン重合体が含有されることで、フィルム外
観、フィッシュアイ、発煙性、臭い等を損なうことな
く、一般式(ロ):100℃≦Tp≦120℃の関係を
満足する樹脂組成物が、容易に調整できる。
【0016】この様な樹脂組成物は、例えば以下のよう
にして製造することが出来る。即ち、チーグラーナッタ
触媒を用いて、まず第一段階で3−メチル−1−ブテン
重合体を重合し、引き続いてその3−メチル−1−ブテ
ン重合体が担持されたチーグラーナッタ触媒を用いて第
二段階でプロピレンを重合させて製造する方法が挙げら
れる.そしてこの様にして製造された3−メチル−1−
ブテン重合体は、一般的には高濃度であるので成分
(A)、成分(B)からなる樹脂組成物に、マスターバ
ッチとして必要量だけ添加し希釈すれば良い。
【0017】本発明で用いる樹脂組成物には、これら必
須成分(A)及び成分(B)の他に、通常使用される安
定剤、加工助剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等を
本発明の効果を損なわない範囲で添加することもでき
る。
【0018】これら成分(A)及び成分(B)の混合方
法としては、公知の粉体混合機、例えばヘンシェルミキ
サー、リボンブレンダー等を用いて混合し、押出機等で
混練、ペレット化する。通常はフィルム成形に先立ち、
本発明の樹脂組成物とするが、目的量より多量に配合し
ておき、フィルム成形時に希釈して使用しても良い。
【0019】6.フィルム 上記原料樹脂組成物をフィルムに成形する方法として
は、Tダイ法、インフレーション法等が用いられるが、
本発明の樹脂組成物は、特に、高速成形が可能となるT
ダイ法に好適である。本発明のポリプロピレン系フィル
ムは単層のフィルムとして、あるいは共押し出しなどの
方法で製造される複合フィルムのヒートシール層として
使用が可能である。
【0020】上記方法によって得られる本発明のポリプ
ロピレン系フィルムは、高速成形性が良好で、かつ得ら
れたフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒート
シール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリプロ
ピレンフィルムであることから、各種包装用フィルムと
して極めて有用である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例における試験方法は、次の通りで
ある。 (1)重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/M
n):次の装置、条件のゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより重量平均分子量と数平均分子量を求め
た。 装置 :ウォーターズ製 GPC 150C型 カラム:昭和電工製 AD80M/S 3本 温度 :140℃ 濃度 :20mg/10ml 溶媒 :オルソジクロルベンゼン
【0022】(2)オルソジクロルベンゼンによる40
℃抽出量:クロス分別法によって下記の条件により測定
した。 装置 :三菱化学製 CFC・T150A型 カラム:昭和電工製 AD80M/S 3本 濃度 :40mg/10ml 溶媒 :オルソジクロルベンゼン
【0023】(3)DSCによる融解ピーク温度(T
m)及び結晶化ピーク温度(Tp):セイコー社製DS
Cを用いてサンプル5.0mgを200℃で5分間保持
した後40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化さ
せたピーク温度を結晶化ピーク温度(Tp)とし、さら
に、10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解
ピーク温度を融解ピーク温度(Tm)とした。
【0024】(4)メルトフローレート(MFR):結
晶性ポリプロピレンについては230℃、荷重2.16
kgf、高密度ポリエチレンについては190℃、荷重
2.16kgfで測定した。 (5)高速成形性:Tダイ成形機のスピードを徐々に上
げてゆき、スイーパーロールの跡が生じて外観不良とな
る直前の成形スピードを測定した。但し、最高速度は1
50m/分である。尚、以下の物性(透明性、剛性、滑
り性、耐ブロッキング性、衝撃強度、ヒートシール性)
は、外観不良となる直前のフィルムで物性を評価した。
【0025】(6)透明性:ASTM−D1003に準
拠して、ヘイズを測定した。 (7)剛性:ISO−R1184に準拠して、引張弾性
率を測定した。 (8)滑り性:ASTM−D1894に準拠して、動摩
擦係数を測定した。 (9)耐ブロッキング性:2枚のフィルムを接触面積が
10cmとなるように重ねて、2枚のガラスに挟み、
50g/cmの荷重をかけて40℃の雰囲気で72時
間放置後、ショッパー型試験機で引き剥がす時の最大荷
重を測定した。 (10)衝撃強度:フィルムインパクトテスターを用い
て5℃で衝撃強度を測定した。 (11)ヒートシール性:5mm×200mmのヒート
シールバーを用い、各設定温度において、圧力1kg/
cm、時間0.5秒のヒートシール条件でシールした
試料から20mm幅のサンプルを切り取り、ショッパー
型試験機を用いて引張速度500mm/分にて引き離
し、300gの強度となる温度を求めた。
【0026】実施例1 (1)(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチルベン
ゾインデニル)ジルコニウムジクロリドの合成 Organometallics,1994年,13
巻,964頁に記載された方法に従って合成した。
【0027】(2)触媒の合成 内容積0.5リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器
に、WITCO社製SiO担持メチルアルミノキサン
2.4g(20.7mmol−Al)を添加し、n−ヘ
プタン50mlを導入し、あらかじめトルエンに希釈し
た(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチルベンゾイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド溶液20.0ml
(0.0637mmol)を加え、続いてトリイソブチ
ルアルミニウム(TIBA)・n−ヘプタン溶液4.1
4ml(3.03mmol)を加えた。室温にて2時間
反応した後、プロピレンをフローさせ、予備重合を実施
した。
【0028】(3)重合 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分置換した後、n−ヘプタンで希釈したトリ
エチルアルミニウムを3g、液化プロピレン45kg、
エチレン0.77kgを導入し、内温を30℃に維持し
た。次いで、先に合成した固体触媒(予備重合ポリマー
を除いた重量として)1.0gを加えた。その後、65
℃に昇温して重合を開始させ、3時間その温度を維持し
た。ここでエタノール100mlを添加して反応を停止
させた。残ガスをパージし、ポリマーを乾燥した。その
結果、MFRが6.1g/10分、エチレン含量が2.
2モル%、DSCによる融解ピーク温度が137℃、4
0℃におけるオルソジクロロベンゼンによる抽出量が
0.1重量%、重量平均分子量と数平均分子量との比が
2.39であるプロピレン−エチレンランダム共重合体
(重合体A)が得られた。
【0029】(4)ペレット化 得られた結晶性ポリプロピレン(重合体A)90重量部
に、MFR10g/10分、密度0.960g/cm
の高密度ポリエチレンを10重量部、酸化防止剤として
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.10重量
部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシウム0.
05重量部、合成シリカ0.20重量部、更にエルカ酸
アミド0.09重量部を配合し、スーパーミキサーで2
分間混合後、造粒機でペレット化した。このペレットの
結晶化ピーク温度は112℃であった。
【0030】(5)フィルム化 次に、このペレットを用いて、T型ダイスを有する押出
機にて220℃で20ミクロンのフィルムを成形速度を
変えながら採取した。このペレット、フィルムの物性値
を表1に示した。
【0031】実施例2 導入するエチレンを1.0kg、固体触媒を(予備重合
ポリマーを除いた重量として)1.1gにした以外は実
施例1と同様にして重合を行った。その結果、MFRが
7.5g/10分、エチレン含量が4.65モル%、D
SCによる融解ピーク温度が123℃、40℃における
オルソジクロロベンゼンによる抽出量が0.3重量%、
重量平均分子量と数平均分子量との比が2.35である
プロピレン−エチレンランダム共重合体(重合体B)が
得られた。
【0032】得られた結晶性ポリプロピレン(重合体
B)95重量部に、MFR20g/10分、密度0.9
50g/cmの高密度ポリエチレンを5重量部、3−
メチル−1−ブテン重合体が4000重量ppm含有さ
れたポリプロピレン樹脂組成物を1重量部、酸化防止剤
としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ピロピオネー
ト]メタン0.10重量部、テトラキス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)−4,4’ビフェニレンジホスフ
ァイト0.05重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリ
ン酸カルシウム0.05重量部、真球状の非溶融型シリ
コーン樹脂粉末(2μ)0.15重量部、更にエルカ酸
アミド0.10重量部を配合し、スーパーミキサーで2
分間混合後、造粒機でペット化した。次に、このペレッ
トを用いて、T型ダイスを有する押出機にて210℃で
20ミクロンのフィルムを成形速度を変えながら採取し
た。ペレット及びフィルムの物性値を表1に示した。
【0033】実施例3 導入するエチレンを0.61kg、固体触媒を(予備重
合ポリマーを除いた重量として)1.2gにし、さらに
液化1−ブテンを3.7kg導入する以外は実施例1と
同様にして重合を行った。その結果、MFRが5.6g
/10分、エチレン含量が3.0モル%、1−ブテン含
量が6.2モル%、DSCによる融解ピーク温度が11
8℃、40℃におけるオルソジクロロベンゼンによる抽
出量が0.7重量%、重量平均分子量と数平均分子量と
の比が2.43であるプロピレン−エチレン−ブテン−
1ランダム共重合体(重合体C)が得られた。
【0034】得られた結晶性ポリプロピレン(重合体
C)87重量部に、MFR12g/10分、密度0.9
50g/cmの高密度ポリエチレンを13重量部、3
−メチル−1−ブテン重合体が2500重量ppm含有
されたポリプロピレン樹脂組成物を2重量部、酸化防止
剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ
−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ピロピオネ
ート]メタン0.08重量部、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホ
スファイト0.08重量部、塩酸キャッチ剤としてステ
アリン酸カルシウム0.05重量部、真球状の非溶融型
シリコーン樹脂粉末(2μ)0.20重量部、更にエル
カ酸アミド0.09重量部を配合し、スーパーミキサー
で2分間混合後、造粒機でペレット化した。次に、この
ペレットを用いて、T型ダイスを有する押出機にて21
0℃で20ミクロンのフィルムを成形速度を変えながら
採取した。ペレット及びフィルムの物性値を表1に示し
た。
【0035】比較例1 実施例3で使用した結晶性ポリプロピレン(重合体C)
100重量部に対し、高密度ポリエチレンや3−メチル
−1−ブテン重合体を使用しなかった以外は、実施例3
と同様にして混合、ペレット化及びフィルム成形を行っ
た。
【0036】比較例2 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、精製したn−ヘプタン60リッ
トルを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド45g、
丸紅ソルベ−社製三塩化チタン触媒16gを55℃でプ
ロピレン雰囲気下で導入した。更に、気相部水素濃度を
5.5容量%に保ちながら、55℃の温度で、プロピレ
ン5.8kg/時間及びエチレンを0.36kg/時間
のフィード速度で4時間フィードした後、更に1時間重
合を継続した。その後、生成物を濾過し、乾燥を行っ
て、粉末状プロピレン−エチレンランダム共重合体(重
合体D)を得た。この共重合体は、MFRが5.1g/
10分、エチレン含量が7.95モル%、DSCによる
最大の融解ピーク温度が136℃、40℃におけるオル
ソジクロロベンゼンによる抽出量が7.8重量%、重量
平均分子量と数平均分子量との比が4.47であった。
【0037】得られた結晶性ポリプロピレン(重合体
D)93重量部に、MFR10g/10分、密度0.9
60g/cmの高密度ポリエチレンを7重量部、とし
た以外は実施例1と同様にして、混合、ペレット化及び
フィルム成形を行った。このペレット、フィルムの物性
値を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のポリエチレン系フィルムは、高
速成形性が良好で、かつ得られたフィルムの外観、透明
性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロ
ッキング性に優れたポリプロピレンフィルムであり、各
種包装用フィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15X AA16 AA20 AA20X AA21 AA21X AA76 AA81 AA83 AA84 AA88 AH04 BC01 4J002 BB032 BB141 BB151 BB173 GG02 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA04R CA04 CA05 DA04 DA24 DA40 FA10 JA58

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(イ)、(ロ)を満たす、
    下記の成分(A)及び成分(B)の樹脂組成物からなる
    ことを特徴とするポリプロピレン系フィルム。 一般式(イ): 1≦MFRb/MFRa≦3 (式中、MFRaは成分(A)のメルトフローレートで
    あり、MFRbは成分(B)のメルトフローレートを表
    す。) 一般式(ロ): 100℃≦Tp≦120℃ (式中、Tpは樹脂組成物におけるDSCによる結晶化
    ピーク温度を表す。) 成分(A):下記特性を有する結晶性ポリプロピレン
    85〜99重量部 (1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
    求めた重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5〜
    4.0、(2)オルソジクロルベンゼンを溶媒として4
    0℃における抽出量が2重量%以下、(3)DSCによ
    る融解ピーク温度(Tm)が110℃以上140℃以
    下。 成分(B):高密度ポリエチレン 1〜15重量部
  2. 【請求項2】 成分(A)及び成分(B)からなる樹脂
    組成物中に、3−メチル−1−ブテン重合体が1〜10
    00重量ppm含有される樹脂組成物である請求項1に
    記載のポリプロピレン系フィルム。
  3. 【請求項3】 成分(A)が、メタロセン触媒によって
    製造された結晶性ポリプロピレンである請求項1又は請
    求項2に記載のポリプロピレン系フィルム。
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