JP4065612B2 - ポリプロピレン系フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速成形性が良好で、かつフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリプロピレン系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系フィルムは、食品包装用フィルム等として広く利用されているが、近年、生産設備の大型化や高速化が一段と進み、従来以上に優れた成形加工性を有する材料が求められてきている。特に、ポリプロピレン無延伸フィルムを生産する場合には、成形速度の高速化に伴って、冷却ロールでの樹脂の冷却が十分に追いつかず、スイーパーロールの跡がフィルムに転写され外観不良が発生し、高速化の妨げとなっている。また、フィルムの物性においては、高速で成形されるに従って、フィルムの流れ方向の配向が著しく増大し、縦裂けや衝撃強度が大幅に低下する問題があった。
【0003】
ポリプロピレン系フィルムは、従来より、チタン化合物と有機アルミニウムからなるチタン系触媒を用いて製造されているが、低温ヒートシール性に優れた低融点のポリプロピレン系共重合体を製造しようとすると、生産性が低下したり、包装適性や包装作業性に関係する透明性、滑り性や耐ブロッキング性に見劣りする材料しか得られていないのが現状である。
ところで、近年開発されつつあるジルコニウムやハフニウムなどのメタロセン化合物とアルキルアミノキサンやイオン性化合物等からなるメタロセン系触媒を用いて製造されたポリプロピレン系共重合体は、低融点の材料が効率良く製造できるが、分子量分布が狭く剛性や成形性に劣り改良を要するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高速成形性が良好で、かつ得られたフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリプロピレン系フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況に鑑み、鋭意検討した結果、特定の結晶性ポリプロピレン樹脂に特定量の高密度ポリエチレンを配合した特定の関係を満足する樹脂組成物を用いることで、高速成形性が良好で、かつ、得られたフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリプロピレン系フィルムが得られることを見出して、本発明に達したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、下記の一般式(イ)、(ロ)を満たす、下記の成分(A)及び成分(B)の樹脂組成物からなることを特徴とするポリプロピレン系フィルムである。
一般式(イ): 1≦MFRb/MFRa≦3
(式中、MFRaは成分(A)のメルトフローレートであり、MFRbは成分(B)のメルトフローレートを表し、かつMFRaは1〜20g/10分、MFRbは1.0g/10分以上である。)
一般式(ロ): 100℃≦Tp≦120℃
(式中、Tpは樹脂組成物におけるDSCによる結晶化ピーク温度を表す。)
成分(A):下記特性を有する結晶性ポリプロピレン 85〜99重量部
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5〜4.0、
(2)オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃における抽出量が2重量%以下、
(3)DSCによる融解ピーク温度(Tm)が110℃以上140℃以下。
成分(B):高密度ポリエチレン 1〜15重量部
【0007】
【発明の実施の形態】
1.結晶性ポリプロピレン(成分A)
本発明で用いる成分(A)は、下記特性(1)〜(3)を有する結晶性ポリプロピレンである。
(1)重量平均分子量と数平均分子量との比
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5〜4.0である必要があり、特に好ましい重量平均分子量と数平均分子量との比は2.0〜3.5である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均分子量と数平均分子量との比が4.0を超えると、高速成形にて得られたフィルムの衝撃強度が低下し不良となる。また、重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5未満では、後述の成分(B)を加えても高速成形性が不良となる。
【0008】
(2)オルソジクロルベンゼンによる抽出量
オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃における抽出量が2重量%以下であることが必要であり、特に好ましいオルソジクロルベンゼンを溶媒とした40℃抽出量は、1.5重量%以下である。
オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃における抽出量が2重量%を超えると耐ブロッキング性や剛性が不良となる。
【0009】
(3)DSCによる融解ピーク温度(Tm)
DSCによる融解ピーク温度(Tm)が110℃以上140℃以下であることが必要であり、特に好ましいDSCによる融解ピーク温度(Tm)は、115℃以上135℃以下である。
DSCによる融解ピーク温度(Tm)が140℃を超えると、ヒートシール性が不良となる。一方、DSCによる融解ピークが110℃未満の場合は、剛性が不良となる。
【0010】
2.結晶性ポリプロピレンの製造
本発明の成分(A)として用いられる結晶性ポリプロピレンは、プロピレンとエチレンやブテンなどとの共重合によって製造されるが、中でも、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1の3元共重合体が好ましい。これらのポリプロピレン共重合体のメルトフローレート(230℃、2.16kg)は、一般的には1〜20g/10分のものが用いられるが、特に、2〜10g/10分のものが好ましい。
本発明の成分(A)として用いられる結晶性ポリプロピレンは、好ましくは、メタロセン系触媒を用いて製造される。例えば、メタロセン系触媒による製造方法としては、特開昭62−119212号、特開平1−266116号、同2−173111号、同4−331214号、同6−192332号の各公報などが例示される。
【0011】
3.高密度ポリエチレン(成分B)
本発明で用いられる成分(B)の高密度ポリエチレンは、密度が0.93g/cm3以上、好ましくは0.94g/cm3以上であり、メルトフローレート(190℃、2.16kg)が1.0g/10分以上、特に、2g/10分以上のものが好ましい。
【0012】
4.配合割合とMFR比
成分(A)と成分(B)の配合割合は、成分(A)の結晶性ポリプロピレン85〜99重量部に対して、成分(B)の高密度ポリエチレンが1〜15重量部であり、特に3〜12重量部のものが好ましい。成分(B)の配合割合が1重量部未満では、フィルムの剛性や高速成形性が不良となり、成分(B)の配合割合が15重量部を超えると、透明性やヒートシール強度、衝撃強度が悪化する。
【0013】
また、本発明に用いる成分(A)と成分(B)のメルトフローレートの比は、一般式(イ):1≦MFRb/MFRa≦3の関係を満足することが必要である。式中のMFRaは、成分(A)のメルトフローレート(230℃、2.16Kg)であり、MFRbは、成分(B)のメルトフローレート(190℃、2.16kg)を表す。
MFRb/MFRaが1未満の場合には、フィルム外観や透明性が悪化し、MFRb/MFRaが3を超える場合には、高速成形性が不良となる。特に好ましい範囲としては、1.2≦MFRb/MFRa≦2.8である。
【0014】
5.樹脂組成物
成分(A)及び成分(B)の混合物からなる樹脂組成物は、一般式(ロ):100℃≦Tp≦120℃の関係を満足する必要がある。式中のTpは、樹脂組成物におけるDSCによる結晶化ピーク温度を表す。
樹脂組成物のTpが100℃未満の場合には、高速成形性が不良となり、Tpが120℃を超えると、衝撃強度が不良となる。
【0015】
また、成分(A)及び成分(B)からなる樹脂組成物には、3−メチル−1−ブテン重合体が1〜1000重量ppm含有されること、中でも、5〜200重量ppm含有されることが特に好ましい。3−メチル−1−ブテン重合体が含有されることで、フィルム外観、フィッシュアイ、発煙性、臭い等を損なうことなく、一般式(ロ):100℃≦Tp≦120℃の関係を満足する樹脂組成物が、容易に調整できる。
【0016】
この様な樹脂組成物は、例えば以下のようにして製造することが出来る。即ち、チーグラーナッタ触媒を用いて、まず第一段階で3−メチル−1−ブテン重合体を重合し、引き続いてその3−メチル−1−ブテン重合体が担持されたチーグラーナッタ触媒を用いて第二段階でプロピレンを重合させて製造する方法が挙げられる.そしてこの様にして製造された3−メチル−1−ブテン重合体は、一般的には高濃度であるので成分(A)、成分(B)からなる樹脂組成物に、マスターバッチとして必要量だけ添加し希釈すれば良い。
【0017】
本発明で用いる樹脂組成物には、これら必須成分(A)及び成分(B)の他に、通常使用される安定剤、加工助剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することもできる。
【0018】
これら成分(A)及び成分(B)の混合方法としては、公知の粉体混合機、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等を用いて混合し、押出機等で混練、ペレット化する。通常はフィルム成形に先立ち、本発明の樹脂組成物とするが、目的量より多量に配合しておき、フィルム成形時に希釈して使用しても良い。
【0019】
6.フィルム
上記原料樹脂組成物をフィルムに成形する方法としては、Tダイ法、インフレーション法等が用いられるが、本発明の樹脂組成物は、特に、高速成形が可能となるTダイ法に好適である。
本発明のポリプロピレン系フィルムは単層のフィルムとして、あるいは共押し出しなどの方法で製造される複合フィルムのヒートシール層として使用が可能である。
【0020】
上記方法によって得られる本発明のポリプロピレン系フィルムは、高速成形性が良好で、かつ得られたフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリプロピレンフィルムであることから、各種包装用フィルムとして極めて有用である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、実施例における試験方法は、次の通りである。
(1)重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn):次の装置、条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量と数平均分子量を求めた。
装置 :ウォーターズ製 GPC 150C型
カラム:昭和電工製 AD80M/S 3本
温度 :140℃
濃度 :20mg/10ml
溶媒 :オルソジクロルベンゼン
【0022】
(2)オルソジクロルベンゼンによる40℃抽出量:クロス分別法によって下記の条件により測定した。
装置 :三菱化学製 CFC・T150A型
カラム:昭和電工製 AD80M/S 3本
濃度 :40mg/10ml
溶媒 :オルソジクロルベンゼン
【0023】
(3)DSCによる融解ピーク温度(Tm)及び結晶化ピーク温度(Tp):セイコー社製DSCを用いてサンプル5.0mgを200℃で5分間保持した後40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させたピーク温度を結晶化ピーク温度(Tp)とし、さらに、10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度を融解ピーク温度(Tm)とした。
【0024】
(4)メルトフローレート(MFR):結晶性ポリプロピレンについては230℃、荷重2.16kgf、高密度ポリエチレンについては190℃、荷重2.16kgfで測定した。
(5)高速成形性:Tダイ成形機のスピードを徐々に上げてゆき、スイーパーロールの跡が生じて外観不良となる直前の成形スピードを測定した。但し、最高速度は150m/分である。尚、以下の物性(透明性、剛性、滑り性、耐ブロッキング性、衝撃強度、ヒートシール性)は、外観不良となる直前のフィルムで物性を評価した。
【0025】
(6)透明性:ASTM−D1003に準拠して、ヘイズを測定した。
(7)剛性:ISO−R1184に準拠して、引張弾性率を測定した。
(8)滑り性:ASTM−D1894に準拠して、動摩擦係数を測定した。
(9)耐ブロッキング性:2枚のフィルムを接触面積が10cm2となるように重ねて、2枚のガラスに挟み、50g/cm2の荷重をかけて40℃の雰囲気で72時間放置後、ショッパー型試験機で引き剥がす時の最大荷重を測定した。
(10)衝撃強度:フィルムインパクトテスターを用いて5℃で衝撃強度を測定した。
(11)ヒートシール性:5mm×200mmのヒートシールバーを用い、各設定温度において、圧力1kg/cm2、時間0.5秒のヒートシール条件でシールした試料から20mm幅のサンプルを切り取り、ショッパー型試験機を用いて引張速度500mm/分にて引き離し、300gの強度となる温度を求めた。
【0026】
実施例1
(1)(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
Organometallics,1994年,13巻,964頁に記載された方法に従って合成した。
【0027】
(2)触媒の合成
内容積0.5リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に、WITCO社製SiO2担持メチルアルミノキサン2.4g(20.7mmol−Al)を添加し、n−ヘプタン50mlを導入し、あらかじめトルエンに希釈した(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド溶液20.0ml(0.0637mmol)を加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)・n−ヘプタン溶液4.14ml(3.03mmol)を加えた。室温にて2時間反応した後、プロピレンをフローさせ、予備重合を実施した。
【0028】
(3)重合
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後、n−ヘプタンで希釈したトリエチルアルミニウムを3g、液化プロピレン45kg、エチレン0.77kgを導入し、内温を30℃に維持した。
次いで、先に合成した固体触媒(予備重合ポリマーを除いた重量として)1.0gを加えた。その後、65℃に昇温して重合を開始させ、3時間その温度を維持した。ここでエタノール100mlを添加して反応を停止させた。残ガスをパージし、ポリマーを乾燥した。その結果、MFRが6.1g/10分、エチレン含量が2.2モル%、DSCによる融解ピーク温度が137℃、40℃におけるオルソジクロロベンゼンによる抽出量が0.1重量%、重量平均分子量と数平均分子量との比が2.39であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(重合体A)が得られた。
【0029】
(4)ペレット化
得られた結晶性ポリプロピレン(重合体A)90重量部に、MFR10g/10分、密度0.960g/cm3の高密度ポリエチレンを10重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.10重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量部、合成シリカ0.20重量部、更にエルカ酸アミド0.09重量部を配合し、スーパーミキサーで2分間混合後、造粒機でペレット化した。このペレットの結晶化ピーク温度は112℃であった。
【0030】
(5)フィルム化
次に、このペレットを用いて、T型ダイスを有する押出機にて220℃で20ミクロンのフィルムを成形速度を変えながら採取した。このペレット、フィルムの物性値を表1に示した。
【0031】
実施例2
導入するエチレンを1.0kg、固体触媒を(予備重合ポリマーを除いた重量として)1.1gにした以外は実施例1と同様にして重合を行った。その結果、MFRが7.5g/10分、エチレン含量が4.65モル%、DSCによる融解ピーク温度が123℃、40℃におけるオルソジクロロベンゼンによる抽出量が0.3重量%、重量平均分子量と数平均分子量との比が2.35であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(重合体B)が得られた。
【0032】
得られた結晶性ポリプロピレン(重合体B)95重量部に、MFR20g/10分、密度0.950g/cm3の高密度ポリエチレンを5重量部、3−メチル−1−ブテン重合体が4000重量ppm含有されたポリプロピレン樹脂組成物を1重量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ピロピオネート]メタン0.10重量部、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’ビフェニレンジホスファイト0.05重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量部、真球状の非溶融型シリコーン樹脂粉末(2μ)0.15重量部、更にエルカ酸アミド0.10重量部を配合し、スーパーミキサーで2分間混合後、造粒機でペット化した。
次に、このペレットを用いて、T型ダイスを有する押出機にて210℃で20ミクロンのフィルムを成形速度を変えながら採取した。ペレット及びフィルムの物性値を表1に示した。
【0033】
実施例3
導入するエチレンを0.61kg、固体触媒を(予備重合ポリマーを除いた重量として)1.2gにし、さらに液化1−ブテンを3.7kg導入する以外は実施例1と同様にして重合を行った。その結果、MFRが5.6g/10分、エチレン含量が3.0モル%、1−ブテン含量が6.2モル%、DSCによる融解ピーク温度が118℃、40℃におけるオルソジクロロベンゼンによる抽出量が0.7重量%、重量平均分子量と数平均分子量との比が2.43であるプロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体(重合体C)が得られた。
【0034】
得られた結晶性ポリプロピレン(重合体C)87重量部に、MFR12g/10分、密度0.950g/cm3の高密度ポリエチレンを13重量部、3−メチル−1−ブテン重合体が2500重量ppm含有されたポリプロピレン樹脂組成物を2重量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ピロピオネート]メタン0.08重量部、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト0.08重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量部、真球状の非溶融型シリコーン樹脂粉末(2μ)0.20重量部、更にエルカ酸アミド0.09重量部を配合し、スーパーミキサーで2分間混合後、造粒機でペレット化した。
次に、このペレットを用いて、T型ダイスを有する押出機にて210℃で20ミクロンのフィルムを成形速度を変えながら採取した。ペレット及びフィルムの物性値を表1に示した。
【0035】
比較例1
実施例3で使用した結晶性ポリプロピレン(重合体C)100重量部に対し、高密度ポリエチレンや3−メチル−1−ブテン重合体を使用しなかった以外は、実施例3と同様にして混合、ペレット化及びフィルム成形を行った。
【0036】
比較例2
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピレンで充分置換した後、精製したn−ヘプタン60リットルを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド45g、丸紅ソルベ−社製三塩化チタン触媒16gを55℃でプロピレン雰囲気下で導入した。更に、気相部水素濃度を5.5容量%に保ちながら、55℃の温度で、プロピレン5.8kg/時間及びエチレンを0.36kg/時間のフィード速度で4時間フィードした後、更に1時間重合を継続した。
その後、生成物を濾過し、乾燥を行って、粉末状プロピレン−エチレンランダム共重合体(重合体D)を得た。この共重合体は、MFRが5.1g/10分、エチレン含量が7.95モル%、DSCによる最大の融解ピーク温度が136℃、40℃におけるオルソジクロロベンゼンによる抽出量が7.8重量%、重量平均分子量と数平均分子量との比が4.47であった。
【0037】
得られた結晶性ポリプロピレン(重合体D)93重量部に、MFR10g/10分、密度0.960g/cm3の高密度ポリエチレンを7重量部、とした以外は実施例1と同様にして、混合、ペレット化及びフィルム成形を行った。このペレット、フィルムの物性値を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明のポリエチレン系フィルムは、高速成形性が良好で、かつ得られたフィルムの外観、透明性、剛性、衝撃強度、ヒートシール性、滑り性、耐ブロッキング性に優れたポリプロピレンフィルムであり、各種包装用フィルムとして極めて有用である。
Claims (3)
- 下記の一般式(イ)、(ロ)を満たす、下記の成分(A)及び成分(B)の樹脂組成物からなることを特徴とするポリプロピレン系フィルム。
一般式(イ): 1≦MFRb/MFRa≦3
(式中、MFRaは成分(A)のメルトフローレートであり、MFRbは成分(B)のメルトフローレートを表し、かつMFRaは1〜20g/10分、MFRbは1.0g/10分以上である。)
一般式(ロ): 100℃≦Tp≦120℃
(式中、Tpは樹脂組成物におけるDSCによる結晶化ピーク温度を表す。)
成分(A):下記特性を有する結晶性ポリプロピレン 85〜99重量部
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた重量平均分子量と数平均分子量との比が1.5〜4.0、
(2)オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃における抽出量が2重量%以下、
(3)DSCによる融解ピーク温度(Tm)が110℃以上140℃以下。
成分(B):高密度ポリエチレン 1〜15重量部 - 成分(A)及び成分(B)からなる樹脂組成物中に、3−メチル−1−ブテン重合体が1〜1000重量ppm含有される樹脂組成物である請求項1に記載のポリプロピレン系フィルム。
- 成分(A)が、メタロセン触媒によって製造された結晶性ポリプロピレンである請求項1又は請求項2に記載のポリプロピレン系フィルム。
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