JP4724316B2 - 包装用多層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性が高く、ブロッキング性、低温ヒートシール性のバランスが優れ、低温ヒートシールにも係わらず、成形性の優れた包装用多層フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品分野等における包装フィルムはその多様化した使用用途により、他種類の性能を付与することが求められてきている。そのため、単層フィルムでは不足する性能を、多層化することにより補い、益々機能を高めている。すなわち腰が強く、ヒートシール性に優れたフィルムとしては、剛性の高いフィルム表面にヒートシール層が設けられた多層フィルムが広く用いられている。このヒートシール層には、より低い温度でヒートシールが可能となるよう、コモノマー含量の非常に多いプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を使用したり、エラストマーを配合する等の技術が提案されている。しかしながら、これらの技術では、依然としてべたつきの問題が残っている。
【0003】
この問題を解決すべく、メタロセン触媒の用いた検討が実施されている。メタロセン触媒を用いて製造されたプロピレン系樹脂は、従来のTi、Mg、Cl等を主成分とするTi系チーグラー触媒によって得られるプロピレン系樹脂に比べて、コモノマー含量に対する融点降下が大きく、Tダイ成形によって得られたフィルムはブロッキングが小さく、且つ低温ヒートシール性に優れていることから、シーラントフィルム用途への展開に期待が大きい。
【0004】
しかしながら、本発明者等が検討した結果、メタロセン触媒によるプロピレン系樹脂は、Tダイを用いてフィルムに成形した場合、成形速度が低速である場合等、フィルムの除熱に充分な時間をかけて成形するときは、優れた透明性が得られるのに対して、成形速度を高速にする等によって冷却が充分でなくなると透明性が低下することが判明した。また、Tダイ成形ではブリードした添加剤の残分が冷却ロールに付着しないようにスウィパーロールが設置されているが、その跡がフィルムに転写されるという問題も判明した。
【0005】
フィルムを充分に冷却するためには成形速度を低くすることが望ましいが、商業生産ラインでは生産性が重要であり成形速度を低下することは望ましい方法ではない。また冷却温度を下げることも考えられるが、冷却温度を下げるためには大型の冷却装置を必要とし、製造コストが上昇する問題がある。従って、成形条件に依存せず品質を確保し得る樹脂を開発することが必要となる。
【0006】
この目的のために、ソルビトール誘導体に代表される核剤を添加して結晶核を生成させることが考えられるが、核剤を添加する場合は、核剤を効果的に樹脂中に分散させることが重要となり、分散不良に基づくフィルムの品質低下が発生し易いという問題がある。また、核剤の添加では充分な高速成形時の透明性改良効果が得られない問題がある。
このため、生産速度を大としたときも透明性の優れた多層フィルムの開発が要請されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フィルム透明性の成形条件依存性が軽減され、透明性が優れ、低温ヒートシール性を持った多層フィルムを得ることができると共に、Tダイ成形における成形性の優れた包装用多層フィルム及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、メタロセン系触媒によって重合された特定のプロピレン・α−オレフィン共重合体に特定の物性のポリエチレンを特定量添加することによって、透明性の優れたフィルムが得られ、該フィルムをシーラント層とする共押出し多層フィルムが、ブロッキング性、低温ヒートシール性、成形性に優れた包装用多層フィルムとなることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、シーラント層(I)と基層(II)をもった少なくとも2層の共押出しフィルムからなる包装用多層フィルムであって、シーラント層(I)は、成分(A)メタロセン系触媒によって重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体96.0〜99.999重量%と、成分(B)ポリエチレン0.001〜4.0重量%とからなる組成物100重量部に対し、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4〜1.6ml/gの、有機物で表面処理されてなるアンチブロッキング剤を0.01〜0.7重量部を含むプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物からなり、基層(II)が成分(C)結晶性ポリプロピレンからなり、成分(A)、成分(B)、成分(C)がそれぞれ以下の条件を満たすことを特徴とする包装用多層フィルムが提供される。
成分(A):プロピレン・α−オレフィン共重合体
1)メルトインデックスMIPA(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm1)が110〜145℃、
成分(B):ポリエチレン
1)密度が0.94〜0.98g/cm3、
2)190℃メルトインデックスMIEが10g/10min以上、
成分(C):結晶性ポリプロピレン
1)メルトインデックスMIPC(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)が170℃以下、
3)Tm2>Tm1
【0010】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明におけるシーラント層(I)の成分(A)と成分(B)からなる組成物100重量部に対し、滑剤として、脂肪酸アミドを0.01〜1.0重量部含有することを特徴とする包装用多層フィルムが提供される。
【0011】
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明における滑剤としての脂肪酸アミドが、融点70〜90℃の不飽和脂肪酸アミドおよび/または融点100〜125℃の飽和脂肪酸アミドであることを特徴とする包装用多層フィルムが提供される。
【0014】
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明における有機物が、クエン酸であることを特徴とする包装用多層フィルムが提供される。
【0015】
また、本発明の第5の発明によれば、以下の条件を満足する、成分(A)メタロセン系触媒によって重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体96.0〜99.999重量%と、成分(B)ポリエチレン0.001〜4.0重量%とからなる組成物100重量部に対し、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4〜1.6ml/gの、有機物で表面処理されてなるアンチブロッキング剤を0.01〜0.7重量部を含むプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物と成分(C)結晶性ポリプロピレンとを共押出することを特徴とする包装用多層フィルムの製造方法が提供される。
成分(A):プロピレン・α−オレフィン共重合体
1)メルトインデックスMIPA(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm1)が110〜145℃、
成分(B):ポリエチレン
1)密度が0.94〜0.98g/cm3、
2)190℃メルトインデックスMIEが10g/10min以上、
成分(C):結晶性ポリプロピレン
1)メルトインデックスMIPC(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)が170℃以下、
3)Tm2>Tm1
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の包装用多層フィルムは、シーラント層(I)と基層(II)をもった少なくとも2層の共押出しフィルムからなる包装用多層フィルムである。以下に各層について詳細に説明する。
1.シーラント層(I)
シーラント層は、成分(A)と成分(B)を含むプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物からなる層であって、成分(A)は、以下に説明するメタロセン系触媒によって重合された特定のプロピレン・α−オレフィン共重合体であり、成分(B)は、以下に説明する特定のポリエチレンとからなる。
【0017】
成分(A):プロピレン・α−オレフィン共重合体
本発明に使用される成分(A)プロピレン・α−オレフィン共重合体は、主成分であるプロピレンと従成分(コモノマー単位)であるα−オレフィン単位とからなるものである。
【0018】
コモノマーとして用いられるα−オレフィンはエチレンを含み、一般的には、エチレン、炭素数4〜18の1−オレフィンが用いられ、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。
【0019】
共重合体中のプロピレン単位の割合は、好ましくは80モル%以上であり、コモノマーは20モル%以下である。コモノマーとして、上記のα−オレフィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2種類以上を用いた多元系共重合体とすることもできる。
【0020】
成分(A)の共重合体は以下の条件1)、2)を満足するプロピレン・α−オレフィン共重合体が使用される。
【0021】
1)メルトインデックス(MIPA)
プロピレン・α−オレフィン共重合体は、230℃(2.16kg)メルトインデックス(MIPA)が2〜30g/10min、好ましくは3〜15g/10min、さらに好ましくは5〜10g/10minのものが用いられる。メルトインデックスが2g/10min未満では吐出性が劣りTダイ成形性が低下し、30g/10minを超えるときはフィルム強度が低下するため好ましくない。
【0022】
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm)
プロピレン・α−オレフィン共重合体は、DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm1)が110〜145℃、好ましくは115〜140℃のものが使用される。融解ピーク温度(Tm1)が110℃未満のときは、フィルムとしての実用環境内であっても高温時にはフィルム同士のブロッキングが生じ易くなるため好ましくなく、145℃を超えるときは低温ヒートシール性が損なわれるため同様に望ましくない。
【0023】
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体の製造は、下記の触媒成分(A)、触媒成分(B)、並びに、必要に応じて触媒成分(C)からなるメタロセン触媒の存在下でプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンとをランダム共重合することにより製造することができる。
【0024】
触媒成分(A)
Q(C5H4−aR1 a)(C5H4−bR2 b)MeXY
(C5H4−aR1 aおよびC5H4−bR2 bは、それぞれ共役五員環配位子を示す。Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を示す。Meはジルコニウムまたはハフニウムを示す。XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を示す。R1およびR2は、共役五員環配位子上の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。隣接する2個のR1または2個のR2がそれぞれ結合して環を形成していてもよい。aおよびbは0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。ただし、R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基Qを介しての相対位置の観点において、Meを含む平面に関して非対称である。)
【0025】
Qは、二つの共役五員環配位子C5H4−aR1 aおよびC5H4−bR2 bを架橋する結合性基である。具体的には、例えば(イ)炭素数1〜20、好ましくは1〜6のアルキレン基、(ロ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基を有するシリレン基、(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基を有するゲルミレン基がある。なかでもアルキレン基、シリレン基が好ましい。
【0026】
Meは、ジルコニウムまたはハフニウムである。
【0027】
XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のアルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基または(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
【0028】
R1およびR2は、共役五員環配位子上の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2〜20のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含有炭化水素基または炭素数2〜20のホウ素含有炭化水素基を示す。これらの置換基は、側鎖にさらに置換基を有していてもよい。また、隣接する2個のR1同士または2個のR2同士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環を形成していてもよい。そのような場合の代表例としてはシクロペンタジエニル基上の隣接する2つのR1(あるいはR2)が当該シクロペンタジエニル基の二重結合を共有して縮合六員環を形成しているもの(すなわちインデニル基および置換インデニル基、およびフルオレニル基および置換フルオレニル基)および縮合七員環を形成しているもの(すなわちアズレニル基および置換アズレニル基)がある。好ましくは、1つあるいは2つのシクロペンタジエニル基上の隣接する2つのR1あるいはR2が縮合七員環を形成していることが望ましい。
【0029】
aおよびbは、0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
【0030】
上記メタロセン化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。なお、これらの化合物は、単に化学的名称のみで示称されているが、その立体構造が本発明で言う非対称性を持つものであることはいうまでもない。
【0031】
(1)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(2)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(3)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(7)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(8)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(9)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(11)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(12)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(13)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(14)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(15)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(16)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(17)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(18)ジメチルシリレンビス{1−(2−ジメチルボラノ−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(19)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(20)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0032】
触媒成分(B)
本発明において、触媒成分(B)としては、次の(b−1)〜(b−4)から選ばれた成分が望ましい。
(b−1)アルミニウムオキシ化合物、
(b−2)触媒成分(A)と反応して触媒成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸が担持された微粒子状担体、
(b−3)固体酸微粒子、
(b−4)イオン交換性層状珪酸塩。
【0033】
(b−1)アルミニウムオキシ化合物:
アルミニウムオキシ化合物としては、メチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサンのいわゆるアルモキサンが例示できる。
アルミニウムオキシ化合物は、微粒子状担体に担持されていても良い。
微粒子状担体としては、無機または有機の化合物から成る微粒子状担体が例示できる。無機担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ塩化マグネシウム、活性炭、無機珪酸塩等が挙げられる。あるいは、これらの混合物であってもよい。
有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ベンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンの重合体、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和炭化水素の重合体等から成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。あるいはこれらの混合物であってもよい。
【0034】
(b−2)触媒成分(A)と反応して触媒成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸が担持された微粒子担体:
触媒成分(A)と反応して触媒成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオン等の陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物のカチオンとの錯化物等が挙げられる。
また、ルイス酸、特に触媒成分(A)をカチオンに変換可能なルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等が例示される。あるいは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化合物等が例示される。
微粒子状担体は上述のものを適宜利用できる。
【0035】
(b−3)固体酸:
固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ等が挙げられる。
【0036】
(b−4)イオン交換性層状珪酸塩:
成分(b−4)としては、イオン交換性層状珪酸塩が用いられる。イオン交換性層状珪酸塩は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオン交換が可能なものを示称する。イオン交換性層状珪酸塩の好ましい具体例としては、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族が挙げられる。
【0037】
触媒成分(B)は特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、触媒成分(B)に化学処理を施すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。
【0038】
具体的には、塩類処理、酸処理、アルカリ処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は表面の不純物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0039】
本発明において使用されるイオン交換性層状珪酸塩は、塩類で処理される前の、イオン交換性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交換して用いることが好ましい。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用いられる塩類は、2〜14族原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物である。
【0040】
陽イオンとしては、Ca、Mg、Sc、Y、La、Sm、Yb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Pb、Cu、Zn、Cd、Al、Ge、Snなどの陽イオンが挙げられる。
【0041】
陰イオンとしては、Cl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C2O4、OCOCH3、CH3COCHCOCH3、OCl3、O(NO3)2、O(ClO4)2、O(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OCOH、OCOCH2CH3、C2H4O4およびC6H5O7などの陰イオンが挙げられる。
【0042】
酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択される。処理に用いる塩類および酸は、それぞれ2種以上であってもよい。
【0043】
塩類および酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜30重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に含有される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は、一般的には水溶液で用いられる。
【0044】
成分(b−4)として、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有率が1重量%以下の、イオン交換性層状珪酸塩である。
【0045】
触媒成分Bとしては、(b−4)が好ましい。
【0046】
触媒成分(C)
触媒成分(C)は、有機アルミニウム化合物である。本発明で触媒成分(C)として用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式(AlR4 nX3−n)mで示される化合物が適当である。この式中、R4は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。nは1〜3の、mは1〜2の整数である。触媒成分(C)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
【0047】
触媒の形成
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する際に用いる触媒としては、上記の触媒成分(A)、触媒成分(B)並びに、必要に応じて用いられる触媒成分(C)からなる触媒を、重合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマーの存在下あるいは不存在下に接触させることにより調製することができる。
また、上記触媒は、オレフィンの存在下で予備重合を行ったものであってもよい。予備重合に用いられるオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1−ブテン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼンなどが用いられるが、これらと他のオレフィンとの混合物であってもよい。
上記触媒の調製において使用される触媒成分(A)、触媒成分(B)、触媒成分(C)の量は任意の比で使用することができる。
【0048】
重合
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体の重合は、触媒成分(A)、触媒成分(B)、並びに、必要に応じて触媒成分(C)からなる触媒とプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンとを混合接触させることにより行われる。MIpA、Tm1は、用いる触媒の組合わせや重合条件に応じて変化するものであるが、共重合するα−オレフィンの種類や量などによって調整することが可能である。
【0049】
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるバルク法、溶液法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を採用することができる。
また、連続重合、回分式重合のいずれを用いてもよい。
【0050】
重合条件としては重合温度が−78℃〜160℃であり、また、重合圧力は0〜90kg/cm2・Gである。そのときの分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。
【0051】
成分(B)ポリエチレン
本発明においては、成分(B)として用いられるポリエチレンとして次の条件1)〜2)を満たすものが使用される。
【0052】
1)密度
密度は0.94〜0.98g/cm3、好ましくは0.95〜0.975g/cm3、より好ましくは0.955〜0.970g/cm3とされる。密度がこの範囲を外れると透明性改良効果が低下する。
【0053】
2)190℃メルトインデックス(MIE)
190℃におけるメルトインデックス(MIE)は10g/10min以上、好ましくは10〜500g/10min、より好ましくは12〜300g/10minとされる。メルトインデックスが10g/10min未満であるとリエチレンの分散径が充分に小さくならず、フィルム表面に分散粒子が凹凸として反映されてしまうため透明性の悪化につながる。また、ポリエチレンが微分散するためには好ましくはポリエチレンのMIEがプロピレン・α−オレフィン共重合体のMIPより大きい方がよい。
【0054】
本発明に使用されるポリエチレンの製造は、目的の物性を有する重合体を製造し得る限りその重合方法や触媒について特に制限はないが、中圧法プロセスによって得られるポリエチレンが好適である。又、適宜市販のものから選択することもできる。
【0055】
触媒については、チーグラー型触媒(すなわち、担持または非担持ハロゲン含有チタン化合物と有機アルミニウム化合物の組み合わせに基づくもの)、カミンスキー型触媒(すなわち、担持または非担持メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物、特にアルモキサンの組み合わせに基づくもの)が挙げられる。
【0056】
チーグラー型触媒としては、例えばハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタン、および電子供与体化合物を成分とする固体触媒成分と有機アルミニウム化合物との組み合わせ触媒を用いて通常の重合法により得ることができる。
【0057】
ポリエチレンの形状については制限がなく、ペレット状であってもよく、また、粉末状であってもよい。
【0058】
成分(A)プロピレン・α−オレフィン共重合体と成分(B)ポリエチレンとの配合割合は、成分(A)プロピレン・α−オレフィン共重合体96.0〜99.999重量%に対して、成分(B)ポリエチレンが0.001〜4.0重量%である。成分(B)が0.001重量%未満ではフィルム透明性改良効果が充分ではなく、一方、4.0重量%を超えるとポリエチレンがフィルム中で連続層を形成し、フィルム透明性が損なわれる。
【0059】
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物には、必要に応じて、滑剤及び/又はアンチブロッキング剤を添加することができる。
【0060】
本発明において、必要に応じて用いることのできる滑剤としては、たとえば、直鎖状のモノカルボン酸モノアミド化合物または直鎖状のモノカルボン酸ビスアミド化合物の中から1種または2種以上組み合わせて使用することができる。直鎖状のモノカルボン酸モノアミド化合物としては、たとえばオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ラウリン酸アミドなどが挙げられる。
【0061】
直鎖状のモノカルボン酸ビスアミド化合物としては、たとえばエチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
【0062】
滑剤の添加量は、プロピレン・α−オレフィン共重合体組成物100重量部に対して、好ましくは0.01〜1.0重量部、より好ましくは0.02〜0.5重量部、特に好ましくは0.04〜0.25重量部である。
【0063】
特に、融点が70〜90℃の不飽和脂肪酸アミド、融点が100〜125℃の飽和脂肪酸アミドが好ましく、中でも両者を併用することが好ましい。不飽和脂肪酸アミドと飽和脂肪酸アミドとの配合割合は(不飽和脂肪酸アミド/飽和脂肪酸アミド)は重量基準で1/99〜99/1、好ましくは2/98〜98/2、さらに好ましくは10/90〜90/10の範囲が用いられる。このような配合系にすることによって単独系の場合より少量の滑剤量で良好な性能を発揮させることができる。
【0064】
融点が70℃〜90℃の範囲の不飽和脂肪酸アミドとしては、C18〜C22の不飽和脂肪酸アミドを用いることができる。具体的には、例えばオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ブライジン酸アミド、エライジン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、N−(2−ハイドロキシエチル)ラウリン酸アミド等を主成分とするものが例示される。不飽和脂肪酸アミドの融点が70℃未満のものでは、45℃以上の高温下での滑り性が悪化するために好ましくなく、また融点が90℃を越えるものでは、飽和脂肪酸アミドとの併用効果が小さいため好ましくない。
【0065】
融点が100〜125℃の飽和脂肪酸アミドとしては、C16〜C22の飽和脂肪酸アミドとその誘導体を用いることができる。具体的には、例えばステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−(2−ハイドロキシメチル)・ステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、オクタメチレンビスエルカ酸アミド等を主成分とするものが例示される。
【0066】
飽和脂肪酸アミドの融点が100℃未満のものでは、初期滑り性は良好な場合が多いが、45℃以上の高温下での滑り性の改良効果が低いために好ましくなく、また融点が125℃を越えるものでは、初期滑り性そのものが発現しないため好ましくない。飽和脂肪酸アミドは、融点107℃〜120℃の飽和脂肪酸アミドが製膜時のロール汚れ性などの点から更に好ましい。
【0067】
本発明において、必要に応じて用いることのできるアンチブロッキング剤としては、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4〜1.6ml/gの微粉体が好ましい。
【0068】
アンチブロッキング剤の具体例としては、たとえば、無機系としては、合成または天然のシリカ(二酸化珪素)、ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、タルク、ゼオライト、硼酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム等が使用される。
【0069】
また、有機系としては、ポリメチルメタクリレート、ホリメチルシリルトセスキオキサン(シリコーン)、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド(ユリア樹脂)、フェノール樹脂等を用いることができる。これらのアンチブロッキング剤の平均粒径がこのような範囲内においては、透明性および耐スクラッチ性が良好なポリプロピレンフィルムが得られる。
【0070】
アンチブロッキング剤は、プロピレン・α−オレフィン共重合体組成物100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.7重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.05〜0.3重量部の割合で用いられる。
【0071】
また、アンチブロッキング剤は表面処理されたものが望ましく、表面処理剤としては、界面活性剤、金属石鹸、アクリル酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、フッソ樹脂、シランカップリング剤、ヘキサメタリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、トリメタリン酸ソーダ等の縮合リン酸塩等を用いることができ、特に有機酸処理なかでもクエン酸処理されたものが好適である。
【0072】
処理方法は特に限定されるものではなく、表面噴霧、浸漬等公知の方法を採用することができる。アンチブロッキング剤はいかなる形状であってもよく球状、角状、柱状、針状、板状、不定形状等任意の形状とすることができる。
【0073】
本発明に使用されるプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物には、さらに必要に応じて、付加的成分を添加することができる。付加的成分としては、例えば、酸化防止剤(フェノール系、燐系、硫黄系等)、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、帯電防止剤、流動性改良剤、分子量調整剤(過酸化物)、粘着防止剤、、衝撃改良剤、気泡防止剤、分散剤、金属不活性化剤、防菌剤、蛍光増白剤、着色剤(酸化チタン、チタンイエロー、亜鉛華、弁柄、群青等の無機系顔料、縮合アゾ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、ペリノン系、ペリレン系、キノフタロン系、アントラキノン系、フタロシアニン系等の有機系顔料)等の配合剤、あるいは、上記以外の樹脂やエラストマー成分を挙げることができる。
【0074】
本発明に使用されるプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物の製造は、上記成分(A)プロピレン・α−オレフィン共重合体と成分(B)ポリエチレンに、必要に応じて各種配合剤成分を配合し、先ず、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の押出機等の通常の混合又は混練機にて混合或いは溶融混練し、好適には、温度160〜300℃、好ましくは180〜280℃で溶融混練してペレタイズすることによって成形用材料とすることができる。
【0075】
上記プロピレン・α−オレフィン共重合体組成物をシーラント層(I)に使用することで、透明性の製膜速度依存性が小さく、高速で成形するときも透明性の優れた多層フィルムを得ることができる。
【0076】
2.基層(II)
基層(II)は、成分(C)の結晶性ポリプロピレンを含む層であって、成分(C)は、以下の性能を有する。
【0077】
1)メルトインデックス(MIPC)
結晶性ポリプロピレンは、230℃(2.16kg)メルトインデックス(MIPC)が2〜30g/10min、好ましくは3〜15g/10minのものが用いられる。メルトインデックスが2g/10min未満では吐出性が劣りTダイ成形性が低下し、30g/10minを超えるときはフィルム強度が低下するため好ましくない。
【0078】
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)
結晶性ポリプロピレンは、DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)が170℃以下、好ましくは125〜167℃のものが使用される。融解ピーク温度(Tm2)が170℃を超えるときは低温ヒートシール性が損なわれるため同様に望ましくない。
【0079】
3)Tm2>Tm1
結晶性ポリプロピレンのDSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)は、成分(A)で用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体のDSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm1)を超えていることが必要である。Tm2がTm1より小さいとフィルムの腰が低く、ドライラミネート等の加工では取り扱い難くなる。
【0080】
本発明の基層(II)で用いる結晶性ポリプロピレンは、従来公知の固体状チタン触媒成分あるいはメタロセン化合物触媒成分を用いて、公知の方法により製造することができる。
【0081】
また、上記結晶性ポリプロピレンには、物性に影響のない範囲で必要に応じて、成分(A)で説明した場合と同様の付加的成分とアンチブロッキング剤、スリップ剤を添加することができる。
【0082】
3.多層フィルム
本発明の多層フィルムは、プロピレン・α−オレフィン共重合体組成物からなるシーラント層(I)と、結晶性ポリプロピレンの基層(II)からなる。基層(II)は、1層でも2層以上でも良い。2層以上の場合、結晶性ポリプロピレンのTm2は、シーラント層に直接対向する層のTm2を指すものとする。多層フィルムの層構成としては、シーラント層(I)/基層(II)、シーラント層(I)/基材層(II−1)/基材層(II−2)などが例示される。
【0083】
本発明の多層フィルムの厚さは、5〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜200μmである。多層フィルムの内、シーラント層の厚さは、1〜200μmが好ましく、より好ましくは1〜100μmである。なお、用途によってはこの多層フィルムの基層(II)のさらに外側にドライラミ、押出ラミなど従来公知の方法により、さらなる層を積層することができる。
【0084】
本発明の多層フィルムは、各々の層を構成する各成分を各種のブレンダーを用いて混合した後、通常の成形法によって製造される。すなわち、成分(A)と成分(B)とを含むプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物と成分(C)とを2台の押出機にそれぞれダイリップを備えた多層Tダイフィルム成形機へ供給して共押出しして製造される。
【0085】
このような多層フィルム(未延伸フィルム)の押出成形体を製造するキャスト法としては、押出機で溶融混練された樹脂がTダイから押し出され、水等の冷媒を通したロールに接触させられることにより冷却されて、一般に透明性が良く、厚み精度の良いフィルムを製造することができる。
【0086】
また、成形されたフィルムには、通常のフィルム成形に用いられるフィルムの処理方法、例えば、コロナ放電処理、延伸処理、液剤塗布処理等を行なっても良い。
【0087】
以上のようにして得られた多層フィルムは、結晶の成長による透明性低下を防止することができ、高速でTダイ成形する際に問題となる除熱不足によるスウィパーロール跡の転写を改善することができる。このため、多層フィルムの透明性を著しく向上できる。シーラント層を構成するポリエチレン成分が結晶核として機能するため、プロピレン・α−オレフィン共重合体組成物の結晶化温度が上昇するためと推察される。したがって、透明性の改良されたプロピレン・α−オレフィン共重合体樹脂組成物フィルムをシーラント層として用いた多層フィルムは、透明性が高く、ブロッキング性、低温ヒートシール性のバランスが優れ、低温ヒートシールにも係わらず、成形性の優れた多層フィルムとなり、Tダイ成形における成形性に優れているため、特に、包装用多層フィルムとして最適である。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた物性評価方法及び原料は次の通りである。
【0089】
1.物性評価方法
(1)メルトインデックス(MI):成分(A)プロピレン・α−オレフィン共重合体の測定(MIPA)は、成分(B)結晶性ポリプロピレンの測定(MIPC)は、JIS K6758(条件:230℃、荷重2.16kgf)に従って測定した(単位:g/10分)。成分(B)ポリエチレンの測定(MIE)は、JIS K7210(条件:190℃、荷重2.16kgf)に従って測定した(単位:g/10分)。
【0090】
(2)示差走査型熱量計(DSC)による融解ピーク温度、結晶化ピーク温度(Tc):セイコー社製DSCを用い、サンプル量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの結晶化ピーク温度(Tc)及び融解ピーク温度(Tm)を測定した。(単位℃)
【0091】
(3)HAZE(透明性):ASTM−D1003に準拠して、得られた多層フィルムをヘイズメータにて測定した(単位:%)。この値が小さい程、透明性が優れていることを意味する。
【0092】
(4)スリップ性(滑り性):冷却ロール温度35℃の条件で得られた多層フィルムを温度23℃の雰囲気下に1日間状態調整した試料と、温度40℃の雰囲気下に7日間状態調整した試料をそれぞれASTM−D1894に準拠して、試料フィルムのシーラント層面同士の摩擦をスリップテスター法にて静摩擦係数で評価した。この値が小さいほど滑り性が優れていることを意味する。
【0093】
(5)ブロッキング性:冷却ロール温度35℃の条件で得られた多層フィルムより2cm(幅)×15cm(長)の試料フィルムを採り、シーラント層面同士を長さ5cmにわたり重ね(接触面積10cm2)、50g/cm2の荷重下で温度40℃の雰囲気下に1日間と7日間状態調整した後、それぞれの荷重を除き、23℃の温度に十分調整した後ショッパー型引張試験機を用いて500mm/分の速度で試料のせん断剥離に要する力を求めた(単位:g/10cm2)。この値が小さいほど耐ブロッキング性はよい。
【0094】
(6)HS性(ヒートシール温度):5mm×200mmのヒートシールバーを用い、冷却ロール温度35℃の条件で得られた多層フィルムのシーラント層面同士を各温度設定においてヒートシール圧力2kg/cm2 、ヒートシール時間1秒の条件下でフィルムの溶融押出した方向(MD)に垂直になるようにシールした試料から15mm幅のサンプルを取り、ショッパー型引張試験機を用いて引張速度500mm/分にてMD方向に引き離し、その荷重を読みとった。荷重300gになるにシール温度にてヒートシール性を評価した(単位:℃)。この値が小さい程ヒートシール性が優れていることを意味する。
【0095】
(7)成形性スウィパーロール跡評価:厚み30μmのフィルムを冷却ロール温度45℃、成形速度40m/min、ダイスからのスウィパーロール設置距離300mm、エアナイフ風速8m/secの構成の装置で成形し、スウィパーロールの跡がフィルム上に転写されたかどうかを次の基準で評価した。
○:スウィパーロールの跡ない
×:スウィパーロールの跡あり
【0096】
2.プロピレン・α−オレフィン共重合体の合成
(1)触媒の調整
(i)触媒成分(A)の製造
(r)−ジクロロ{1,1−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムの合成は、特開平11−240909号公報に記載の方法で合成した。
【0097】
(ii)触媒成分(B)の調製
イオン交換性層状珪酸塩の調製
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm、粒度分布=10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を、洗浄液(ろ液)のpHが、3.5を超えるまで実施した。
【0098】
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は705gであった。得られたイオン交換性層状ケイ酸塩をの組成(モル)比は、Al/Si=0.129、Mg/Si=0.018、Fe/Si=0.013であった。
【0099】
さらに、10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水1.72リットル、続いて硫酸リチウム1水和物(700g)を加えて溶液とした後、上記で得たイオン交換性層状ケイ酸塩を加えた。このスラリーを室温で240分撹拌した。このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水7リットル加え再スラリー化した後に、ろ過した。この操作を3回繰り返した。
【0100】
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は695gであった。得られたイオン交換性層状ケイ酸塩をの組成(モル)比は、Al/Si=0.127、Mg/Si=0.020、Fe/Si=0.013、Li/Si=0.018であった。
【0101】
先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機によりさらに乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の通りである。
【0102】
回転筒:円筒状、内径50mm、加温帯550mm(電気炉)、かき上げ翼付き
回転数:2rpm、傾斜角:20/520、珪酸塩の供給速度:2.5g/分、ガス流速:窒素、96リットル/時間、向流、
乾燥温度:200℃(粉体温度)
【0103】
(iii)触媒の調製
内容積13リットルの攪拌機のついた金属製反応器に、上記で得た乾燥珪酸塩0.20Kgと3%トルエンを含むヘプタン(以下、混合ヘプタン)0.74Lの混合物を導入し、さらにトリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.40M)1.26Lを加え、内温を25℃に維持した。1時間の反応後、混合ヘプタンにて十分に洗浄し、珪酸塩スラリーを2.0Lに調製した。
【0104】
平行して、(r)−ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムを2.18g(3.0mmol)にトルエンを0.80L加え、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)を33.1ml加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して5.0Lに調製した。
【0105】
続いて、内温を40℃まで昇温し安定したところで、プロピレンを100g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに1時間維持した。
【0106】
予備重合終了後、残モノマーをパージした後、触媒を混合ヘプタンにて十分に洗浄した。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M/L)のヘプタン溶液0.17L添加した後に、45℃で減圧乾燥を実施した。この操作により、乾燥した予備重合触媒0.60kgを得た。
【0107】
(2)重合
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これにトリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mol)、エチレン2.25kg、水素8.0NLを加え、内温を30℃に維持した。
【0108】
次いで、上記予備重合触媒1.2gをアルゴンで圧入して重合を開始させ、30分かけて70℃に昇温し、1時間その温度を維持した。ここでエタノール100mlを添加して反応を停止させた。残ガスをパージし、MIPが70g/10分、Tm1が124.5℃、Tcが88.7℃のプロピレン−エチレン共重合体21kgを得た。
【0109】
実施例1
成分(A)として、上記で製造したプロピレン−エチレン共重合体99.5重量%と、成分(B)として、MIE13g/10分、密度0.959g/cm3のポリエチレン0.5重量%とからなるプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1010(テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)を0.05重量部、イルガホス168(トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)を0.05重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.05重量部と、表1に示すようにアンチブロッキング剤として、クエン酸処理した合成シリカ0.15重量部、滑剤[A]としてエルカ酸アミド(EA)0.04重量部、滑剤[B]としてベヘニン酸アミド(BA)0.08重量部を添加したものをヘンシェルミキサーで750rpmで1分間室温で高速混合した後、二軸押出機(池貝PCM30)により230℃で溶融、混練して冷却、カットしてペレット状樹脂組成物を得た。
【0110】
得られた樹脂組成物をシーラント層に、また融点163℃、MIPC(230℃)=7.0g/10分のホモポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、商品名FB3GT)を基層に用い、基層/シーラント層の厚み比が5/1となる様に、2層各々独立した2台の押出機(基層/シーラント層=口径40mmφ/40mmφの押出機)及び、これに連絡した幅500mmの2層Tダイス、エアナイフ風速8m/sec、冷却ロール径500mmφおよびスウィパーロール(ダイスからのフィルム工程距離300mmに設置)を具備した2層Tダイ法フィルム製造装置を用いて、押出樹脂温度230℃でシーラント面が冷却ロールに接するように、溶融2層共押出した後、冷却ロール温度35℃、45℃、55℃で製膜引取速度40m/minで厚さ30μmの共押出し未延伸フィルムを得、その物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0111】
実施例2(参考例)
シーラント層用樹脂組成物として、表1に示す合成シリカを用いる以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物をシーラント層に、また融点163℃、MIPC(230℃)=7.0g/10分のホモポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、商品名FB3GT)を基層(II)−1(中間層)に、また融点140℃、MIPC(230℃)=7.0g/10分のランダムポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、商品名(FW3E)を基層(II)−2(表層)に用い、表層/中間層/シーラント層を1/4/1となる様に、3層各々独立した3台の押出機(表層/中間層/シーラント層=口径40mmφ/40mmφ/40mmφの押出機)及び、これに連絡した幅500mmの3層Tダイス、エアナイフ(風速8m/sec)、冷却ロール(径500mmφ)およびスウィパーロール(ダイスからのフィルム工程距離300mmに設置)を具備した3層Tダイ法フィルム製造装置を用いて、押出樹脂温度230℃でシーラント面が冷却ロールに接するように、溶融3層共押出した後、冷却ロール温度35℃、45℃、55℃で製膜引取速度40m/minで厚さ30μmの共押出し未延伸フィルムを得、その物性を評価した。結果を表1に示す。
【0112】
実施例3〜7(実施例5は参考例)
表1に示すプロピレン系樹脂組成物からなるシーラント層を用いる以外は、実施例2と同様にして3層からなる共押出し未延伸フィルムを得、その物性を評価した。結果を表1に示す。
【0113】
比較例1
シーラント層において、成分(B)を用いない以外は、実施例2と同様にして3層からなる共押出し未延伸フィルムを得、その物性を評価した。結果を表1に示す。
【0114】
比較例2〜3
シーラント層において、表1に示す成分(B)を用いる以外は、実施例2と同様にして3層からなる共押出し未延伸フィルムを得、その物性を評価した。結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【発明の効果】
本発明の多層フィルムは、上記のように透明性が高く、ブロッキング性、低温ヒートシール性のバランスが優れている樹脂組成物をシーラント層として用いているため、特に、包装用多層フィルムとして最適である。
Claims (5)
- シーラント層(I)と基層(II)をもった少なくとも2層の共押出しフィルムからなる包装用多層フィルムであって、
シーラント層(I)は、成分(A)メタロセン系触媒によって重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体96.0〜99.999重量%と、成分(B)ポリエチレン0.001〜4.0重量%とからなる組成物100重量部に対し、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4〜1.6ml/gの、有機物で表面処理されてなるアンチブロッキング剤を0.01〜0.7重量部を含むプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物からなり、
基層(II)が成分(C)結晶性ポリプロピレンからなり、
成分(A)、成分(B)、成分(C)がそれぞれ以下の条件を満たすことを特徴とする包装用多層フィルム。
成分(A):プロピレン・α−オレフィン共重合体
1)メルトインデックスMIPA(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm1)が110〜145℃、
成分(B):ポリエチレン
1)密度が0.94〜0.98g/cm3、
2)190℃メルトインデックスMIEが10g/10min以上、
成分(C):結晶性ポリプロピレン
1)メルトインデックスMIPC(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)が170℃以下、
3)Tm2>Tm1 - シーラント層(I)の成分(A)と成分(B)からなる組成物100重量部に対し、滑剤として、脂肪酸アミドを0.01〜1.0重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の包装用多層フィルム。
- 滑剤としての脂肪酸アミドが、融点70〜90℃の不飽和脂肪酸アミドおよび/または融点100〜125℃の飽和脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項2に記載の包装用多層フィルム。
- 有機物が、クエン酸であることを特徴とする請求項1に記載の包装用多層フィルム。
- 以下の条件を満足する、成分(A)メタロセン系触媒によって重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体96.0〜99.999重量%と、成分(B)ポリエチレン0.001〜4.0重量%とからなる組成物100重量部に対し、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4〜1.6ml/gの、有機物で表面処理されてなるアンチブロッキング剤を0.01〜0.7重量部を含むプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物と成分(C)結晶性ポリプロピレンとを共押出することを特徴とする包装用多層フィルムの製造方法。
成分(A):プロピレン・α−オレフィン共重合体
1)メルトインデックスMIPA(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm1)が110〜145℃、
成分(B):ポリエチレン
1)密度が0.94〜0.98g/cm3、
2)190℃メルトインデックスMIEが10g/10min以上、
成分(C):結晶性ポリプロピレン
1)メルトインデックスMIPC(230℃)が2〜30g/10min、
2)DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm2)が170℃以下、
3)Tm2>Tm1
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