JP2003064194A - ポリプロピレン系単層フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系単層フィルム

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JP2003064194A
JP2003064194A JP2001261162A JP2001261162A JP2003064194A JP 2003064194 A JP2003064194 A JP 2003064194A JP 2001261162 A JP2001261162 A JP 2001261162A JP 2001261162 A JP2001261162 A JP 2001261162A JP 2003064194 A JP2003064194 A JP 2003064194A
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film
polypropylene
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film according
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Application number
JP2001261162A
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English (en)
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Gen Kanai
玄 金井
Minoru Tsuyuki
実 露木
Yasunori Nakamura
康則 中村
Hiroshi Omori
浩 大森
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂組成物よりなる下記
特性1−4を満足する無延伸単層フィルム。特性1:フ
ィルムのヒートシール温度(THSが116℃未満であ
り、フィルムの流れ方向(MD)または流れ方向に直角
の方向(TD)のいずれか低い方の引張弾性率(YM)
と当該ヒートシール温度(THS)との関係が次式を満
たす。0.04×YM+80<THS<0.04×YM
+102、特性2 フィルムのヘイズ値(HZ)とフィ
ルムの厚み(d)が次式を満たす。0.04×d<HZ
<0.04×d+2.0 特性3 フィルムの静摩擦係
数が0.50以下。特性4 フィルムのブロッキング強
度が500g/10cm2以下。 【効果】剛性、ヒートシール性、透明性、滑り性、アン
チブロッキング性など、フィルムの各種にわたる実用物
性のバランスを高度に向上させたフィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性が高く、か
つ剛性とヒートシール性に優れたポリプロピレン系単層
フィルムに関する。更には摩擦係数が小さく、ブロッキ
ング強度の小さな、無延伸のポリプロピレン系単層フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン触媒を用いて製造されたプロ
ピレン系樹脂は、従来のTi、Mg、Cl等を主成分と
するチーグラー触媒によって得られるプロピレン系樹脂
に比べて、コモノマー含量に対する融点降下が大きく、
Tダイ成形によって得られたフィルムはブロッキングが
小さく且つ低温ヒートシール性に優れていることから、
シーラントフィルム用途への展開に大きな期待が寄せら
れている。
【0003】しかしながら、本発明者等が検討した結
果、メタロセン触媒によるプロピレン系樹脂は、Tダイ
を用いてフィルムに成形した場合、引き取り速度を低速
にする等、フィルムの除熱に充分な時間をかけて成形す
るときは、優れた透明性が得られるのに対して、成形速
度を高速にする等によって冷却が充分でなくなると透明
性が低下することが判明した。すなわち、フィルム性能
のフィルム製造条件依存性が大きいと言う問題がある。
【0004】その原因は、メタロセン触媒によるポリプ
ロピレン系樹脂は一般的に分子量分布が狭く、フィルム
を成形する際、配向結晶が小さいために結晶化が遅くな
り冷却条件によってはフィルム中の球晶が大きく成長
し、フィルム表面に凹凸が形成されてフィルム透明性が
低下することによるものと推定される。
【0005】フィルムを充分に冷却するためには成形速
度を低くすることが望ましいが、商業生産ラインでは生
産性が重要であり成形速度を低下することは望ましい方
法ではない。また冷却温度を下げることも考えられる
が、冷却温度を下げるためには大型の冷却装置を必要と
し、製造コストが上昇する問題がある。従って、成形条
件に依存せず品質を確保し得る樹脂を開発することが必
要となる。
【0006】この目的のために、核剤を添加して結晶核
を生成させることが考えられる(例えば、特開平11-158
4号公報)が、核剤を添加する場合は、核剤を効果的に
樹脂中に分散させることが重要となり、分散不良に基づ
くフィルムの品質低下が発生し易いという問題がある。
また、核剤の添加では充分な透明性改良効果が得られな
い問題がある。
【0007】このため、生産速度を大としたときも透明
性の優れたフィルムが得られるプロピレン系樹脂の開発
が要請されている。上記のような各種のフィルム特性を
バランスよく同時に満足させ、かつ生産性よく製造する
ことはむずかしく、従って特性の異なる複数のフィルム
を積層することなどが提案されている。
【0008】具体的な従来技術を例示すると、例えば、
特開平11-91046号公報には、特定のプロピレン系ランダ
ム共重合体を複数組み合わせて、基材層と表層とした多
層フィルムが記載されている。基材層の結晶性を高く、
表層の結晶性を低くすることにより、剛性と低温ヒート
シール性を改良し、更に耐ブロッキング性、滑り性な
ど、高度にバランスがとれているとされるが、多層フィ
ルムである点において本発明と異なる。
【0009】また、特開平11-263812号公報には、プロ
ピレンとプロピレン以外のα−オレフィンが特定の配列
で結合したプロピレンランダム共重合体、そのフィルム
及びその金属蒸着フィルムが記載されている。融点と曲
げ弾性率が特定の関係にあり、剛性、ヒートシール性、
耐ブロッキング性、蒸着性の向上が目的とされている。
しかし引張弾性率や透明性について記載がなく、その実
施例によれば金属を蒸着した多層構造フィルムを念頭に
置いたものとみられる。
【0010】また、特開2000-31806号公報には、特定の
組成と特定の昇温分別溶出特性をを有するプロピレン系
ランダム共重合体に静電防止剤及び/又は防曇剤を配合
した組成物からなるフィルムが記載されている。しかし
このプロピレン系ランダム共重合体はチーグラー触媒で
製造されるものであって、ヘイズ値が4%レベルで透明
性に劣るものである。
【0011】また、特開2001-59027号公報には、アンチ
ブロッキング強度とヒートシール温度が特定の関係にあ
るポリプロピレン系フィルムが記載されている。特定の
組成と分子量分布特性を有するプロピレン単独重合体又
はプロピレン・α−オレフィ共重合体が示されている
が、該重合体はチーグラー触媒で製造されるものであ
る。主として積層体としての用途向けであり、ヘイズ値
が5%弱と透明性に劣るものである。また、特開2000-1
36274号公報には、特定の樹脂組成物を用いた剛性とヒ
ートシール性のバランスを改良したフィルムを提案して
いるが、ヒートシール温度と引張弾性率のバランスが劣
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルム透
明性の製造条件依存性が軽減され、表面平滑性がよく、
透明性の優れたポリプロピレン系フィルムを提供する。
また、剛性、ヒートシール性、透明性、滑り性、アンチ
ブロッキング性など、フィルムの各種にわたる実用物性
のバランスを高度に向上させたフィルムを提供するもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等が鋭意研究し
た結果、メタロセン系触媒によって重合された特定のプ
ロピレン・α−オレフィン共重合体にポリオレフイン系
エラストマーを少量添加することによって、透明性の優
れたフィルムを得ることができることを見出し、本発明
に至ったものである。即ち本発明は、ポリプロピレン系
樹脂よりなる実質的に無延伸の単層フィルムであって、
下記特性1〜4を満足することを特徴とするポリプロピ
レン系単層フィルムに存する。 特性1:JIS Z−1707に準拠したフィルムのヒ
ートシール温度(THS)が116℃未満であり、JIS
K−7127に準拠して測定したフィルムの流れ方向
(MD)または流れ方向に直角の方向(TD)のいずれ
か低い方の引張弾性率(YM)と当該ヒートシール温度
(THS)との関係が数式1を満たす。 0.04×YM+80<THS<0.04×YM+102 数式1 特性2:JIS K―7105に準拠したフィルムのヘ
イズ値(HZ)とフィルムの厚み(d)が数式2を満た
す。 0.04×d<HZ<0.04×d+2.0 数式2 特性3:ASTM D1894−90に準拠したフィル
ムの静摩擦係数が0.50以下。 特性4:ASTM D1893に準拠したフィルムのブ
ロッキング強度が500g/10cm2以下。
【0014】
【発明実施の形態】本発明のポリプロピレン系単層フィ
ルムは、通常、メタロセン触媒によって重合されたプロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体と特定のゴム
成分とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物から製造
される。
【0015】プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体を構成するα−オレフィンとしては、エチレン、炭
素数4〜18の1−オレフィンが用いられ、具体的に
は、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテ
ン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチル
ペンテン−1等を挙げることができる。共重合体中のプ
ロピレン単位の割合は、好ましくは80モル%以上であ
り、コモノマーは20モル%以下である。コモノマーと
して、上記のα−オレフィンは1種類に限られず、ター
ポリマーのように2種類以上を用いた多元系共重合体と
することもできる。
【0016】メタロセン触媒としては、上記のポリプロ
ピレン系樹脂が得られる限りいかなるものであってもよ
いが、一般的には、Zr、Ti、Hf等の4〜6族遷移
金属化合物、特に4族遷移金属化合物と、シクロペンタ
ジエニル基あるいはシクロペンタジエニル誘導体の基を
有する有機遷移金属化合物を使用することができる。
【0017】シクロペンタジエニル誘導体の基として
は、ペンタメチルシクロペンタジエニル等のアルキル置
換体基、あるいは2以上の置換基が結合して飽和もしく
は不飽和の環状置換基を構成した基を使用することがで
き、代表的にはインデニル基、フルオレニル基、アズレ
ニル基、あるいはこれらの部分水素添加物を挙げること
ができる。また、複数のシクロペンタジエニル基がアル
キレン基、シリレン基、ゲルミレン基等で結合されたも
のが望ましい。
【0018】本発明によるプロピレン系樹脂を製造する
ために好ましいメタロセン触媒としては化学式(1)で
表される遷移金属化合物を用いることができる。
【0019】
【化2】
【0020】[ここで、Qは2つの共役五員環配位子を
架橋する結合性基を、Mはチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムから選ばれる金属原子を、XおよびYはMと結合
した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ
基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素
基又はケイ素含有炭化水素基を示し、R1、R3はそれぞ
れ水素、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭素
数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホ
ウ素含有炭化水素基、又はリン含有炭化水素基を示し、
さらに、R2はそれぞれ水素、炭素数1〜20の炭化水
素基、ハロゲン、炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水
素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸
素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、又はリン含
有炭化水素基を示す。]
【0021】Qは、2つの共役5員環配位子を架橋する
2価の結合性基を表し、たとえば、(イ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基、(ロ)シ
リレン基ないしオリゴシリレン基、(ハ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12の炭化水素基を置換基として有
するシリレンあるいはオリゴシリレン基、(ニ)ゲルミ
レン基、または(ホ)炭素数1〜20の炭化水素基を置
換基として有するゲルミレン基、等が例示される。この
中でも好ましいものはアルキレン基、炭化水素基を置換
基として有するシリレン基である。
【0022】XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち
同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲ
ン、(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭
化水素基、または、(二)酸素、窒素、あるいはケイ素
を含有する炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭
化水素基を示す。このうちで好ましいものは、水素、塩
素、メチル、イソブチル、フェニル、ジメチルアミド、
ジエチルアミド基等を例示することができる。
【0023】R1、R3は、炭素数1〜20の炭化水素
基、又は炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケ
イ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭
化水素基、ホウ素含有炭化水素基、もしくはリン含有炭
化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニ
ル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基等が例
示される。また、炭化水素基以外に、ハロゲン、ケイ
素、窒素、酸素、ホウ素、リン等を含有する、メトキシ
基、エトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、
ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル
基、インドリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニ
ルフォスフィノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホ
ウ素基、等を典型的な例として例示できる。これらの内
で、炭化水素基であることが好ましく、特に、メチル、
エチル、プロピル、ブチルであることが特に好ましい。
【0024】R2はそれぞれ水素、炭素数1〜20の炭
化水素基、ハロゲン、炭素数が1〜20のハロゲン化炭
化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素
基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、リン
含有炭化水素基を示し、それらの中でも好ましくは炭素
数が6〜16のアリール基であり、具体的にはフェニ
ル、α−ナフチル、β−ナフチル、アントラセニル、フ
ェナントリル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニ
ル、アセアントリレニルなどである。また、これらのア
リール基は、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、窒素含有炭
化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素
基、リン含有炭化水素基で置換されたものであってもよ
い。これらのうち、好ましいのは、フェニル、ナフチ
ル、ハロゲン化フェニル、ハロゲン化ナフチルである。
Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムの中から選ばれ
る金属であり、好ましくはジルコニウム、ハフニウムで
ある。
【0025】上記遷移金属化合物の非限定的な例として
は、下記のものを挙げることができる。 (1)メチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド (2)メチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリド (3)メチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウムジクロリド (4)メチレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド (5)メチレンビス[1,1’−{2−エチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリド (6)メチレンビス[1,1’−{2−エチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウムジクロリド (7)エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド (8)エチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリド (9)エチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウムジクロリド (10)エチレンビス{1,1’−(2−エチル−4−
フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリ
【0026】(11)エチレンビス[1,1’−{2−
エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (12)エチレンビス[1,1’−{2−エチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}]
ジルコニウムジクロリド (13)イソプロピリデンビス{1,1’−(2−メチ
ル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリド (14)イソプロピリデンビス{1,1’−(2−エチ
ル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリド (15)ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチ
ル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリド (16)ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチ
ル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (17)ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチ
ル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレ
ニル}]ジルコニウムジクロリド (18)ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチ
ル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリド (19)ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−エチ
ル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (20)ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−エチ
ル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレ
ニル}]ジルコニウムジクロリド
【0027】(21)フェニルメチルシリレンビス
{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズ
レニル)}ジルコニウムジクロリド (22)フェニルメチルシリレンビス[1,1’−{2
−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレ
ニル}]ジルコニウムジクロリド (23)フェニルメチルシリレンビス[1,1’−{2
−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−
アズレニル}]ジルコニウムジクロリド (24)フェニルメチルシリレンビス{1,1’−(2
−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコ
ニウムジクロリド (25)フェニルメチルシリレンビス[1,1’−{2
−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレ
ニル}]ジルコニウムジクロリド (26)フェニルメチルシリレンビス[1,1’−{2
−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−
アズレニル}]ジルコニウムジクロリド (27)ジフェニルシリレンビス{1,1’−(2−メ
チル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウ
ムジクロリド (28)ジメチルゲルミレンビス{1,1’−(2−メ
チル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウ
ムジクロリド (29)ジメチルゲルミレンビス[1,1’−{2−メ
チル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (30)ジメチルゲルミレンビス[1,1’−{2−メ
チル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズ
レニル}]ジルコニウムジクロリド
【0028】(31)ジメチルゲルミレンビス{1,
1’−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド (32)ジメチルゲルミレンビス[1,1’−{2−エ
チル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (33)ジメチルゲルミレンビス[1,1’−{2−エ
チル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズ
レニル}]ジルコニウムジクロリド等が例示される。
【0029】これらの中では、特にジメチルシリレンビ
ス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレ
ンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロフ
ェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−
4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビ
ス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミ
レンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロ
フェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルゲルミレンビス{1,1’−(2−エチ
ル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリドが好ましい。
【0030】また、水素添加物としては、 (1)メチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フ
ェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロ
リド (2)メチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロアズレニル}]ジ
ルコニウムジクロリド (3)メチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)ヘキサヒドロアズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (4)メチレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フ
ェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロ
リド (5)メチレンビス[1,1’−{2−エチル−4−
(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロアズレニル}]ジ
ルコニウムジクロリド (6)メチレンビス[1,1’−{2−エチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)ヘキサヒドロアズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (7)エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フ
ェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロ
リド (8)エチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロアズレニル}]ジ
ルコニウムジクロリド (9)エチレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロ−2−ナフチル)ヘキサヒドロアズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (10)イソプロピリデンビス{1,1’−(2−メチ
ル−4−フェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド
【0031】(11)ジメチルシリレンビス{1,1’
−(2−メチル−4−フェニルヘキサヒドロアズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド (12)ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチ
ル−4−(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロアズレニ
ル}]ジルコニウムジクロリド (13)ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチ
ル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)ヘキサヒドロア
ズレニル}]ジルコニウムジクロリド (14)フェニルメチルシリレンビス{1,1’−(2
−メチル−4−フェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジ
ルコニウムジクロリド (15)フェニルメチルシリレンビス[1,1’−{2
−メチル−4−(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロア
ズレニル}]ジルコニウムジクロリド (16)ジフェニルシリレンビス{1,1’−(2−メ
チル−4−フェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジルコ
ニウムジクロリド (17)ジメチルゲルミレンビス{1,1’−(2−メ
チル−4−フェニルヘキサヒドロアズレニル)}ジルコ
ニウムジクロリド (18)ジメチルゲルミレンビス[1,1’−{2−メ
チル−4−(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロアズレ
ニル}]ジルコニウムジクロリド (19)ジメチルゲルミレンビス[1,1’−{2−メ
チル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)ヘキサヒドロ
アズレニル}]ジルコニウムジクロリド等が例示され
る。
【0032】また、これらの化合物のクロリドの一方あ
るいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベ
ンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド
等に代わった化合物も例示することができる。さらに、
上記のジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム等
に代わった化合物も例示することができる。
【0033】助触媒としては、アルミニウムオキシ化合
物、メタロセン化合物と反応してメタロセン化合物成分
をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物もし
くはルイス酸、固体酸、あるいは、イオン交換性層状珪
酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物で
ある。また、必要に応じてこれら化合物と共に有機アル
ミニウム化合物を添加することができる。
【0034】上記のアルミニウムオキシ化合物として
は、具体的には次の化学式(2)、(3)又は(4)で
表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化3】
【0036】上記の各式中、R4は、水素原子又は炭化
水素残基、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは
炭素数1〜6の炭化水素残基を示す。また、複数のR4
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0
〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
【0037】化学式(2)及び(3)で表される化合物
は、アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、一種類
のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアル
キルアルミニウムと水との反応により得られる。具体的
には、(a)一種類のトリアルキルアルミニウムと水か
ら得られる、メチルアルモキサン、エチルアルモキサ
ン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソ
ブチルアルモキサン、(b)二種類のトリアルキルアル
ミニウムと水から得られる、メチルエチルアルモキサ
ン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアル
モキサン等が例示される。これらの中では、メチルアル
モキサン又はメチルイソブチルアルモキサンが好まし
い。
【0038】化学式(4)で表される化合物は、一種類
のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアル
キルアルミニウムと次の化学式(5)で表されるアルキ
ルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応によ
り得ることができる。化学式(5)中、R5は、炭素数
1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素残基また
はハロゲン化炭化水素基を示す。 R5B(OH)2 (5)
【0039】具体的には以下の様な反応生成物が例示で
きる。 (a)トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:
1の反応物 (b)トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の
2:1反応物 (c)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物 (d)トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:
1反応物 (e)トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:
1反応物
【0040】メタロセン化合物と反応して該化合物をカ
チオンに変換することが可能なイオン性化合物およびル
イス酸においては、ルイス酸のある種のものは、メタロ
セン化合物と反応してメタロセン化合物をカチオンに変
換することが可能なイオン性化合物として把握すること
もできる。従って、上記のルイス酸およびイオン性化合
物の両者に属する化合物は、何れか一方に属するものと
する。
【0041】メタロセン化合物と反応して該化合物をカ
チオンに変換することが可能なイオン性化合物として
は、化学式(6)で表される化合物が挙げられる。 〔K〕e+〔Z〕e- (6)
【0042】化学式(6)中、Kはカチオン成分であっ
て、例えば、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチ
オン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、
スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙
げられる。また、それ自身が還元され易い金属の陽イオ
ンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。
【0043】上記のカチオンの具体例としては、トリフ
ェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロ
ヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモ
ニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモ
ニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、ジプロピルア
ンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェ
ニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリス
(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリス(メチルフ
ェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、ト
リフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピ
リリウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オン等が挙げられる。
【0044】上記の化学式(6)中、Zは、アニオン成
分であり、メタロセン化合物が変換されたカチオン種に
対して対アニオンとなる成分(一般には非配位の成分)
である。Zとしては、例えば、有機ホウ素化合物アニオ
ン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化
合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合
物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げら
れる。固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ等
の固体酸が挙げられる。
【0045】層状ケイ酸塩とは、イオン結合等によって
構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった
結晶構造をとるケイ酸塩化合物を言う。本発明では、層
状ケイ酸塩は、イオン交換性であることが好ましい。こ
こでイオン交換性とは、層状ケイ酸塩の層間陽イオンが
交換可能なことを意味する。大部分の層状ケイ酸塩は、
天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これ
ら層状ケイ酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成
物であってもよい。
【0046】層状ケイ酸塩の具体例としては、例えば、
白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記
載される公知の層状ケイ酸塩であって、ディッカイト、
ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロ
イサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイ
ル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モン
モリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロ
ナイト、サポナイト、テニオライト、ヘクトライト、ス
チーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト
等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイ
ト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライ
ト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライ
ト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を
形成していてもよい。
【0047】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。スメクタイト族の代表的なもの
としては、一般にはモンモリロナイト、バイデライト、
サポナイト、ノントライト、ヘクトライト、ソーコナイ
ト等である。「ベンクレイSL」(水澤化学工業社
製)、「クニピア」、「スメクトン」(いずれもクニミ
ネ工業社製)、「モンモリロナイトK10」(アルドリ
ッチ社製、ジュートヘミー社製)、「K−Catalystsシ
リーズ」(ジュートヘミー社製)等の市販品を利用する
こともできる。
【0048】雲母族の代表的なものとしては、白雲母、
パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト等があ
る。市販品の「合成雲母ソマシフ」(コープケミカル社
製)、「フッ素金雲母」、「フッ素四ケイ素雲母」、
「テニオライト」(いずれもトピー工業社製)等の市販
品を利用することもできる。
【0049】これらのケイ酸塩は化学処理を施したもの
であることが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付
着している不純物を除去する表面処理と層状ケイ酸塩の
結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用
いることができる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)
アルカリ処理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が
挙げられる。これらの処理は、表面の不純物を取り除
く、層間の陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、F
e、Mg等の陽イオンを溶出させ、その結果、イオン複
合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層
間距離、固体酸性度等を変えることができる。これらの
処理は単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合
わせてもよい。
【0050】化学処理に用いられる(イ)酸としては、
合目的的な無機酸あるいは有機酸、好ましくは例えば、
塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等があげられ、
(ロ)アルカリとしては、NaOH、KOH、NH3
があげられる。(ハ)塩類としては、2族から14族原
子からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む
陽イオンと、ハロゲン原子または無機酸もしくは有機酸
由来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも1種
の陰イオン、とからなる化合物が好ましい。(ニ)有機
物としては、アルコール(炭素数1〜4の脂肪族アルコ
ール、好ましくは例えばメタノール、エタノール、プロ
パノール、エチレングリコール、グリセリン、炭素数6
〜8の芳香族アルコール、好ましくは例えばフェノー
ル)、高級炭化水素(炭素数5〜10、好ましくは5〜
8のもの、好ましくは例えばヘキサン、ヘプタン等)が
あげられる。また、ホルムアミド、ヒドラジン、ジメチ
ルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアニリン等が好ましい化合物として挙げられる。
【0051】塩類及び酸は、2種以上であってもよい。
塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、塩類
処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行った
後、塩類処理を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時
に行う方法がある。
【0052】重合法としては、これらの触媒の存在下不
活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いない
気相法や、溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とする
バルク重合法等が挙げられる。
【0053】本発明が特定するプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体を得る方法としては、例えば、重
合温度やコモノマー量を調節して、分子量および結晶性
の分布を適宜制御することにより、所望のポリマーを得
ることができる。以下,該プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体の物性について説明する。
【0054】230℃(2.16kg荷重)で測定した
メルトフローレート(MFR)は、2〜30g/10
分、好ましくは3〜15g/10分、さらに好ましくは
5〜10g/10分の範囲から選択される。上記未満で
は吐出性が劣りTダイ成形性が低下し、一方上記範囲を
超えるとフィルム強度が低下するため好ましくない。
【0055】プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体は、DSCで求めた主たる融解ピーク温度(Tm)
が110〜145℃、好ましくは115〜140℃、更
に好ましくは117〜130℃のものが使用される。融
解ピーク温度(Tm)が110℃より低いときは、フィ
ルムとしての実用環境内であっても高温時にはフィルム
同士のブロッキングが生じ易くなるため好ましくなく、
145℃を超えるときは低温ヒートシール性が損なわれ
るため同様に望ましくない。
【0056】本発明においては、フィルム原料としてプ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体それ自体を
100%で使用してもよいが、好ましくは、プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体50〜100重量部
とポリオレフィン系エラストマー0〜50重量部からな
る樹脂組成物が使用される。
【0057】ポリオレフィン系エラストマーとしては、
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム、プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム、ブテン
−1・α−オレフィンランダム共重合体ゴムなどが挙げ
られる。ここで、エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体ゴムとは、エチレンを50重量%以上含み、密度
が0.92g/cm3以下であることを特徴とするエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体の総称である。
同様にプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴ
ムとは、プロピレンを50重量%以上含み密度が0.8
9g/cm3以下であることを特徴とするプロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体の総称であり、ブテン
−1・α−オレフィンランダム共重合体ゴムとは、ブテ
ン−1を50重量%以上含み、密度が0.92g/cm
3以下であることを特徴とするブテン−1・αオレフィ
ンランダム共重合体の総称である。
【0058】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体ゴムとしては、三井化学社製タフマーPシリーズ、タ
フマーAシリーズ、JSR社製EBMシリーズ、EPシ
リーズが挙げられ、プロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体ゴムとしては、三井化学社製タフマーXRシ
リーズが挙げられ、ブテン−1・α−オレフィンランダ
ム共重合体ゴムとしては、三井化学社製タフマーBLシ
リーズが挙げられる。これらポリオレフィン系エラスト
マーは密度が0.86〜0.92g/cm3のものが好
ましく、0.86〜0.90g/cm3のものがより好
ましい。また、MFR(190℃、2.16kg荷重)
は0.5〜10g/10分のものが好ましい。これらポ
リオレフィン系エラストマーの配合量は、プロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対し
て、50重量部以下、通常5〜30重量部、好ましくは
10〜30重量部である。ポリオレフィン系エラストマ
ーの配合量が5重量部未満では、フィルムのヒートシー
ル性の改良効果が十分でなく、一方、50重量部を越え
るとフィルムの剛性が低下したり、透明性が悪化し、実
用上問題がある。
【0059】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物にお
いて、更に、高密度ポリエチレンもしくは高密度ポリエ
チレンワックスを配合することができる。密度としては
0.94〜0.98g/cm3 のものが好ましい。密度
がこの範囲より大きいときは、ポリエチレン(ワック
ス)の分散径が充分小さくならず、フィルム表面に分散
粒子が凹凸として反映して透明性が低下する。密度が上
記よりも小さいときは、透明性の改良効果が小さくな
る。
【0060】上記ポリエチレンの190℃(2.16k
g荷重)で測定したメルトフローレート(MFR)は1
0g/10分以上、好ましくは10〜500g/10分
である。MFRが10g/10分より小さいときはポリ
エチレンの分散径が充分に小さくならず、フィルム表面
に分散粒子が凹凸として反映されてしまうため透明性の
悪化につながる。また、ポリエチレンが微分散するため
には、好ましくはポリエチレンのMFRがプロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体のMFRより大きい方
がよい。
【0061】本発明においてポリエチレンワックスは、
−CH2−の重合体を指称し、ポリエチレン、エチレン
とα−オレフィンとの共重合体もしくはそれらを酸変性
することによって極性基を導入したものが用いられる。
その数平均分子量は500〜15,000、好ましくは
1,000〜10,000程度のものが使用される。1
40℃における溶融粘度としては、通常10cps以
上、好ましくは15〜30000cpsのものが使用さ
れる。溶融粘度が10cpsより低いときは、透明性の
改良効果が小さくなり好ましくない。具体的に、ポリエ
チレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、酸化型
ポリエチレンワックスを単独で使用するほか、これらの
混合物あるいはこれらとポリプロピレンワックスの混合
物を用いることができる。市販品として、三井化学社製
ハイワックス、三洋化成社製サンワックスなどが使用で
きる。
【0062】ポリエチレン(ワックス)との配合割合
は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、通常
0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部であ
る。0.1重量部未満ではフィルム透明性改良効果が充
分ではなく、一方、5重量部を超えるとポリエチレンが
フィルム中で連続層を形成し、フィルム透明性が損なわ
れる。ここに、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体単独、またはプロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体とポリオレフィ
ン系エラストマーとの混合物を指す。
【0063】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
上記の特性を有するため、透明性に優れると共にアンチ
ブロッキング性に優れる。従って、高透明性が要求さ
れ、アンチブロッキング剤の添加が制限される場合に効
果的である。しかし、本発明においてもアンチブロッキ
ング剤を添加することを排除するものではなく、目的に
応じて添加することができる。アンチブロッキング剤と
しては、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4
〜1.6ml/gの無機系または有機系の微粉体が好ま
しい。
【0064】無機系としては、合成または天然のシリカ
(二酸化珪素)、ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケ
ート、タルク、ゼオライト、硼酸アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシ
ウム等が使用される。また、有機系としては、ポリメチ
ルメタクリレート、ホリメチルシリルトセスキオキサン
(シリコーン)、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチ
レン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナ
ミン・ホルムアルデヒド(ユリア樹脂)、フェノール樹
脂等を用いることができる。これらのアンチブロッキン
グ剤の平均粒径がこのような範囲内においては、透明性
および耐スクラッチ性が良好なポリプロピレンフィルム
が得られる。
【0065】アンチブロッキング剤は、ポリプロピレン
系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜
0.7重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量
部、特に好ましくは0.05〜0.3重量部の割合で用
いられる。また、アンチブロッキング剤は表面処理され
たものが望ましく、表面処理剤としては、界面活性剤、
金属石鹸、アクリル酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸等
の有機酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、フ
ッ素樹脂、シランカップリング剤、ヘキサメタリン酸ソ
ーダ、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、トリ
メタリン酸ソーダ等の縮合リン酸塩等を用いることがで
き、特に有機酸処理なかでもクエン酸処理されたものが
好適である。
【0066】処理方法は特に限定されるものではなく、
表面噴霧、浸漬等公知の方法を採用することができる。
アンチブロッキング剤はいかなる形状であってもよく球
状、角状、柱状、針状、板状、不定形状等任意の形状と
することができる。
【0067】また本発明においては滑剤を添加すること
が好ましい。滑剤としては、脂肪酸アミドを使用するこ
とができる。たとえば直鎖状のモノカルボン酸モノアミ
ド化合物または直鎖状のモノカルボン酸ビスアミド化合
物の1種または2種以上組み合わせて使用することがで
きる。直鎖状のモノカルボン酸モノアミド化合物として
は、たとえばオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、
エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸アミ
ド、ラウリン酸アミドなどが挙げられる。直鎖状のモノ
カルボン酸ビスアミド化合物としては、たとえばエチレ
ンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸ア
ミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられ
る。
【0068】滑剤の添加量は、ポリプロピレン系樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.01〜1.0重量
部、より好ましくは0.02〜0.5重量部、特に好ま
しくは0.04〜0.25重量部である。
【0069】特に、融点が70〜90℃の不飽和脂肪酸
アミド、融点が100〜125℃の飽和脂肪酸アミドが
好ましく、中でも両者を併用することが好ましい。不飽
和脂肪酸アミドと飽和脂肪酸アミドとの配合割合は(不
飽和脂肪酸アミド/飽和脂肪酸アミド)は1/100〜
100/1、好ましくは2/100〜100/2、さら
に好ましくは10/100〜100/5の範囲が用いら
れる。このような配合系にすることによって単独系の場
合より少量の滑剤量で良好な性能を発揮させることがで
きる。
【0070】融点が70〜90℃の範囲の不飽和脂肪酸
アミドとしては、C18〜C22の不飽和脂肪酸アミドを用
いることができる。具体的には、例えばオレイン酸アミ
ド、エルカ酸アミド、ブライジン酸アミド、エライジン
酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、ラウリン酸
アミド、N−(2−ハイドロキシエチル)ラウリン酸ア
ミド等を主成分とするものが例示される。不飽和脂肪酸
アミドの融点が70℃未満のものでは、45℃以上の高
温下での滑り性が悪化するために好ましくなく、また融
点が90℃を越えるものでは、飽和脂肪酸アミドとの併
用効果が小さいため好ましくない。
【0071】融点が100〜125℃の飽和脂肪酸アミ
ドとしては、C16〜C22の飽和脂肪酸アミドとその誘導
体を用いることができる。具体的には、例えばステアリ
ン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸アミド、
N−(2−ハイドロキシメチル)・ステアリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチ
レンビスエルカ酸アミド、オクタメチレンビスエルカ酸
アミド等を主成分とするものが例示される。
【0072】飽和脂肪酸アミドの融点が100℃未満の
ものでは、初期滑り性は良好な場合が多いが、45℃以
上の高温下での滑り性の改良効果が低いために好ましく
なく、また融点が125℃を越えるものでは、初期滑り
性そのものが発現しないため好ましくない。飽和脂肪酸
アミドは、融点107〜120℃の飽和脂肪酸アミドが
製膜時のロール汚れ性などの点から更に好ましい。
【0073】更に付加的成分として、例えば、酸化防止
剤(フェノール系、燐系、硫黄系等)、光安定剤、紫外
線吸収剤、中和剤、滑剤(シリコーン油等)、帯電防止
剤、流動性改良剤、分子量調整剤(過酸化物)、粘着防
止剤、、衝撃改良剤、気泡防止剤、分散剤、金属不活性
化剤、防菌剤、蛍光増白剤、着色剤(酸化チタン、チタ
ンイエロー、亜鉛華、弁柄、群青等の無機系顔料、縮合
アゾ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、ペリノ
ン系、ペリレン系、キノフタロン系、アントラキノン
系、フタロシアニン系等の有機系顔料)等の配合剤を使
用することもできる。
【0074】プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体とゴム成分その他、必要に応じて各種配合剤成分を
配合し、先ず、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサ
ー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又
は二軸の押出機等の通常の混合又は混練機にて混合或い
は溶融混練する。好適には、温度160〜300℃、好
ましくは180〜280℃で溶融混練してペレット化す
ることによって成形用材料とすることができる。本発明
プロピレン系樹脂組成物は,透明性の温度依存性が小さ
く、高速で成形するときも透明性の優れたフィルムを得
ることができる。
【0075】フィルムの製造は、上記ポリプロピレン系
樹脂組成物を原料樹脂としてキャスト法、インフレーシ
ョン法等の公知の技術による。未延伸フィルムの押出成
形体を製造するキャスト法としては、押出機で溶融混練
された樹脂がTダイから押し出され、水等の冷媒を通し
たロールに接触して冷却されて、一般に透明性が良く、
厚み精度の良いフィルムを製造することができる。ま
た、インフレーション法としては、空冷式、水冷式が例
示できるが、より急冷となる水冷式の方が、結晶サイズ
を小さく制御でき、透明性の良好なフィルムを得やすく
なるので好ましい。
【0076】本発明においては、上記方法で製造された
フィルムが、そのまま未延伸の状態で、かつ単層フィル
ムとして成形され利用されるものである。単層フィルム
の厚みは通常5〜500μm、好ましくは10〜200
μmである。厚みがこの範囲よりも薄すぎると、加工が
困難となる。一方、厚すぎると加工が困難な上に、ヒー
トシール性が発揮されなくなる。
【0077】本発明のフィルムは下記特性1〜4を具備
することが重要である。 特性1:JIS Z−1707に準拠したフィルムのヒ
ートシール温度(THS)が116℃未満であり、JIS
K−7127に準拠して測定したフィルムの流れ方向
(MD)または流れ方向に直角の方向(TD)のいずれ
か低い方の引張弾性率(YM)と当該ヒートシール温度
(THS)との関係が数式1を満たす。 0.04×YM+80<THS<0.04×YM+102 数式1
【0078】フィルムのヒートシール温度(THS)につ
いて更に詳しく述べると、JISZ−1707に準拠し
た下記測定法Aによるものである。 [測定法A]5mm×200mmのヒートシールバーを
用い、得られたフィルムのコロナ未処理面同士を各設定
温度において、圧力2kg/cm2、時間1秒のヒート
シール条件下で溶融押出しした方向(MD)に垂直にな
るようにシールした試料から15mm幅のサンプルを切
り取り、引張試験器を用いて引張速度500mm/分に
て引き離し、300gの強度となる温度を求めた。
【0079】本発明によれば、ヒートシール温度
(THS)は116℃未満であるので極めてヒートシール
操作が容易である。更に、ヒートシール温度(THS)と
引張弾性率(YM)が数式1を満足しているので物性の
バランスが良い。ヒートシール温度(THS)が数式1の
右辺を超える場合はヒートシール温度が高くなりヒート
シール操作が困難となる。一方、ヒートシール温度(T
HS)が数式1の左辺を下回る場合は実用上の困難はない
が、製造上困難であるので、通常は上記範囲から選択さ
れる。
【0080】特性2:JIS K―7105に準拠した
フィルムのヘイズ値(HZ)とフィルムの厚み(d)が
数式2を満たす。 0.04×d<HZ<0.04×d+2.0 数式2 ヘイズが上記範囲を上方に外れる場合は、透明性に劣
り、下方に外れる場合は、製造上困難であるので、通常
は上記範囲から選択される。
【0081】特性3:ASTM D1894−90に準
拠したフィルムの静摩擦係数が0.50以下。静摩擦係
数が0.50を超える場合は、フィルムのロールへの巻
き上げ、印刷、折り曲げ、製袋などフィルムの2次加工
に際して操作性が悪化する。静摩擦係数は、好ましくは
0.20以下、最も好ましくは0.15以下である。
【0082】特性4:ASTM D1893に準拠した
フィルムのブロッキング強度が500g/10cm2
下。ブロッキング強度について詳しく述べるに、AST
M D1893に準拠した下記測定法Bによるものであ
る。 [測定法B]フィルムより、2cm(幅)×15cm
(長)の試料フィルムを長さ5cmにわたり重ね、50
g/cm2の荷重下、40℃の雰囲気下で24時間放置
した後、荷重を除き、23℃の温度に十分調整した後、
引張試験機を用いて500mm/分の速度で試料の剪断
剥離に要する力を測定した。フィルムの重ね方として
は、フィルムの表面同士、フィルムの裏面同士、フィル
ムの表面と裏面の3通りあり、それぞれ測定値を異にす
ることがある。本発明においては、それらの測定値の
内、最も大きい数値でブロッキング強度を定義するもの
とする。ブロッキング強度が500g/10cm2を超
える場合は、貯蔵、運搬など取り扱い上問題がある。ブ
ロッキング強度は好ましくは400g/10cm2
下、特に好ましくは300g/10cm2以下である。
【0083】更に好ましくは、特性5を満足することで
ある。 特性5:JIS Z−1707に準拠したフィルムのヒ
ートシール温度(THS)が116℃未満であり、JIS
K−7127に準拠して測定したフィルムの流れ方向
(MD)または流れ方向に直角の方向(TD)のいずれ
か低い方の引張弾性率(YM)と当該ヒートシール温度
(THS)との関係が数式1を満たす。 0.04×YM+80<THS<0.04×YM+100 数式3
【0084】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。 (重合体の物性測定)
【0085】(1)メルトフローレート(MFR) プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体につい
て、JIS K−7210−1995(条件:230
℃、荷重2.16kgf)に従って測定した(単位:g
/10分)。 ポリエチレン及びポリオレフィン系エラストマーにつ
いて、JIS K−7210−1995(条件:190
℃、荷重2.16kgf)に従って測定した(単位:g
/10分)。
【0086】(2)融解ピーク温度(Tm)、結晶化ピ
ーク温度(Tc) 示差走査型熱量計(セイコー社製DSC)を用い、サン
プル量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した
後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化さ
せ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたとき
の融解ピーク温度及び結晶化ピーク温度を測定した。単
位℃。 (3)密度 厚さ1mmの金型を用い、230℃にて7分間予熱をか
けた後、プレス成形機にて30kg/cm2の圧力で3
分間プレス成形した。3分経過の後、直ちに30℃に調
整された別のプレス成形機にて50kg/cm2の圧力
で2分間冷却した。得られたプレスシートを23℃にて
12時間以上状態調整した後、およそ5mm×5mmの
大きさにカットした。カットしたプレスシートを105
℃にて90分間状態調整した後、更に23℃にて12時
間以上状態調整した後にJISK7112−1980に
準拠して密度勾配管法により測定した。
【0087】(フィルムの物性測定)測定対象のフィル
ムとしては、温度23℃、湿度50%の雰囲気下7日間
調整したフィルムを用いた。 (1)引張弾性率(YM) JIS K7127−1989に準拠し、サンプル長さ
150mm、サンプル幅15mm、チャック間距離10
0mm、クロスヘッド速度1mm/分の条件にて測定し
た。単位MPa。 (2)ヘイズ(HZ) JIS K7105−1981に準拠し、測定した。単
位%。
【0088】(3)ヒートシール温度(THS) JIS Z1707−1995に準拠し、下記の方法に
より測定した。単位℃。23℃、湿度50%に調整され
た恒温恒湿室内に設置された、東洋精機製作所製熱傾斜
試験機にトーマス循環式恒温油槽T−201Pより熱媒
体として信越シリコーン製シリコーン油KF96を導入
し、5mm×200mmのヒートシールバーに温度傾斜
を付けないように、シールバーの温度調節を行った。各
設定温度にて圧力2kg/cm2、時間1秒のヒートシ
ール条件でシールした試料から15mm幅のサンプルを
切り取り、ショッパー型引張試験機を用いて引張速度5
00mm/分にて引き離し、300gの強度となる温度
を求めた。
【0089】(4)静摩擦係数 ASTM D1894−90に準拠し、フィルムの表面
同士、裏面同士、表裏の三条件測定した。 (5)ブロッキング性 2cm(幅)×15cm(長さ)の試料フィルムの表面
同士、裏面同士、表裏を長さ5cmにわたり重ね、50
g/cm2の荷重下、40℃の雰囲気下で24時間放置
した後、荷重を除き、23℃の温度に十分調整した後、
ショッパー型引張試験機を用いて500mm/分の速度
で試料の剪断剥離に要する力を測定した。単位はg/1
0cm2 であり、数値の小さい方が良好である。
【0090】(6)帯電半減期 23℃、湿度50%の下、宍戸商会社製スタティックオ
ネストメーターTYPE S−5109を用い、成形後
40℃にて24時間調製したフィルムサンプルのうち4
0mm×40mmの範囲に印加電圧がかかるようにコロ
ナ処理面に印加電圧がかかるようサンプルをセットし、
10kvの印加電圧を、受電部下端と校正板上面の間隔
20mm、回転数155rpm、2分間かけた後、印加
電圧を切った直後から帯電圧が半減するまでの時間(単
位秒)を測定した。30秒以下ならば、帯電防止性能が
実用上十分といえる。
【0091】(樹脂の製造) メタロセン触媒の調整 イ。化学処理粘土の製造 硫酸(96%)218.1gと硫酸マグネシウム13
0.4gを脱塩水909ミリリットルと混合した水溶液
に市販のモンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピア
F)200.03gを分散させ、100℃で2時間攪拌
した。このモンモリロナイトの水スラリー液を固形分濃
度12%に調製し、スプレードライヤーにより噴霧造粒
を行って、粒子を得た。その後、この粒子を200℃で
2時間減圧乾燥した。
【0092】ロ。固体触媒成分の調整 内容積1リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレ
ンで十分に置換した後、脱水・脱酸素したヘプタン23
0ミリリットル導入し、系内温度を40℃に維持した。
ここに、トルエンにてスラリー化した化学処理粘土10
gを添加した。更に別容器にてトルエン下で混合したジ
メチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリド0.15ミリモルとトリイソブチルア
ルミニウム1.5ミリモルを添加した。
【0093】ハ。予備重合 ここで、プロピレンを10g/hrの速度で120分導
入し、その後120分重合を継続した。さらに、窒素下
で溶媒を除去・乾燥し固体触媒成分を得た。この固体触
媒成分は、固体成分1gあたり1.9gのポリプロピレ
ンを含有していた。
【0094】プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体の製造(その1) 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピ
レン45kgを導入した。これにトリイソブチルアルミ
ニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mo
l)、エチレン2.25kg、水素8.0NLを加え、
内温を30℃に維持した。次いで、上記固体触媒成分を
1.2gをアルゴンで圧入して重合を開始させ、30分
かけて70℃に昇温し、1時間その温度を維持した。こ
こでエタノール100mlを添加して反応を停止させ
た。残ガスをパージし、プロピレン・エチレン共重合体
の粉末21kgを得た。得られたプロピレン・エチレン
ランダム共重合体のMFRは7.2g/10分、Tmは
124.3℃、Tcは88.5℃、エチレン含有量3.
7重量%であった。以下,この共重合体粉末をPP−1
と略称する。その物性値を表1にまとめた。
【0095】プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体の製造(その2) 上記において、エチレンを1.22kg、水素を5.
2NLとした以外はと同様にしてプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体の粉末19kgを得た。得られたプ
ロピレン・エチレンランダム共重合体のMFRは6.2
g/10分、Tmは134.7℃、Tcは98.9℃、
エチレン含有量2.4重量%であった。以下、この共重
合体粉末をPP−2と略称する。その物性値を表1にま
とめた。
【0096】プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体の製造(その3) 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分に置換した後、脱水・脱酸素n−ヘプタン6
0Lを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド16g、
三塩化チタン触媒(エム・アンド・エス社製)4.1g
を55℃でプロピレン雰囲気下で導入した。更に気相水
素濃度を6.0容量%に保ちながら、55℃の温度で、
プロピレン5.7kg/時及びエチレン0.28kg/
時の速度で4時間フィードした後、更に1時間重合を継
続した。その後、残ガスをパージし、生成物を濾過・乾
燥してプロピレン・エチレンランダム共重合体の粉末2
kgを得た。得られたプロピレン・エチレン共重合体の
MFRは6.2g/10分、Tmは139.9℃、Tc
は102.4℃、エチレン含有量4.0重量%であっ
た。以下、この共重合体粉末をPP−3と略称する。そ
の物性値を表1にまとめた。
【0097】[実施例1]PP−1パウダー100重量
部に対して、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルテ
ィー・ケミカルズ社製、商品名イルガノックス101
0)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−t―ブ
チルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティー
・ケミカルズ社製、商品名イルガフォス168)を0.
05重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(耕
正製、商品名Ca−St)を0.05重量部、スリップ
剤としてエルカ酸アマイド(日本精化社製、商品名ニュ
ートロンS)を0.05重量部、ベヘニン酸アマイド
(日本精化社製、商品名BNT)を0.1重量部、アン
チブロッキング剤として合成シリカ(富士シリシア社
製、商品名サイリシア550)を0.19重量部を配合
し、ヘンシェルミキサーにて750rpm、2分間混合
後、池貝製作所製PCM30mmφ二軸押出機を用い、
押出温度230℃にてペレット化した。得られたペレッ
ト80重量%とプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体ゴム(ER−1:三井化学社製タフマーXR11
0T、密度0.89g/cm3、MFR3.2)20重
量%よりなる樹脂混合物をリボンミキサーにて60rp
m、2分間撹拌し、ペレット混合物を得た。
【0098】得られたペレット混合物をプラコー社製3
5mmφTダイ成形機にて押出温度230℃で幅300
mmのTダイから溶融押出し、30℃に調整された直径
300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、
毎分17mの製膜速度で厚さ30μmのキャストフィル
ムを製造した。引き続きフィルムのエアナイフ面に成形
直後のJIS K6768による濡れ張力が42mN/
mとなるようにコロナ処理を施した。以下、このコロナ
処理面を表面、反対面を裏面と称する。表2に得られた
フィルムの評価結果をまとめた。尚、表2中、「PPラ
ンダム共重合体」はプロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体、「ゴム成分」はポリオレフィン系エラスト
マー、「HDPE」は高密度ポリエチレン、「HDPE
ワックス」は高密度ポリエチレンワックス、「phr」
はポリプロピレン系樹脂(PPランダム共重合体単独、
またはPPランダム共重合体とポリオレフィン系エラス
トマーとの混合物)100重量部に対して配合された各
成分の重量部を示す。
【0099】[実施例2]PP−1パウダー100重量
部に対して、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルテ
ィー・ケミカルズ製、商品名イルガノックス1010)
を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−t―ブチル
フェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティー・ケ
ミカルズ製、商品名イルガフォス168)を0.05重
量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(耕正製、
商品名Ca−St)を0.05重量部、スリップ剤とし
てエルカ酸アマイド(日本精化社製、商品名ニュートロ
ンS)を0.05重量部、ベヘニン酸アマイド(日本精
化社製、商品名BNT)を0.10重量部、アンチブロ
ッキング剤として合成シリカ(富士シリシア社製、商品
名サイリシア550)を0.19重量部を配合し、ヘン
シェルミキサーにて750rpm、2分間混合後、池貝
製作所製PCM30mmφ二軸押出機を用い、押出温度
230℃にてペレット化した。得られたペレット80重
量部とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴ
ム(ER−1:三井化学社製タフマーXR110T)2
0重量部よりなる樹脂混合物に対して高密度ポリエチレ
ン(日本ポリケム社製HE490)を0.5重量部配合
し、リボンミキサーにて60rpm、2分間撹拌し、ペ
レット混合物を得た。得られたペレット混合物を実施例
1と同様にフィルム成形し、コロナ処理を施した。表2
に得られたフィルムの評価結果をまとめた。
【0100】[実施例3]実施例2の高密度ポリエチレ
ンHE490をポリエチレンワックス(三井化学社製P
Eワックス800P)に変更した以外は実施例2と同様
な操作を行った。表2に得られたフィルムの評価結果を
まとめた。
【0101】[実施例4]実施例2のペレット化の際、
帯電防止剤として花王社製エレクトロストリッパーTS
3を0.625重量部添加した以外は、実施例2と同様
な操作を行った。表2に評価結果をまとめた。
【0102】[実施例5]PP−1パウダー100重量
部にテトラキス[メチレン−3−(3‘、5’−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商
品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリ
ス−(2,4−ジ−t―ブチルフェニル)ホスファイト
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名イ
ルガフォス168)を0.05重量部、中和剤としてス
テアリン酸カルシウム(耕正製、商品名Ca−St)を
0.05重量部、スリップ剤としてエルカ酸アマイド
(日本精化社製、商品名ニュートロンS)を0.045
重量部、ベヘニン酸アマイド(日本精化社製、商品名B
NT)を0.09重量部、アンチブロッキング剤として
合成シリカ(富士シリシア社製、商品名サイリシア55
0)を0.17重量部配合し、ヘンシェルミキサーにて
750rpm、2分間混合後、池貝製作所製PCM30
mmφ二軸押出機を用い、押出温度230℃にてペレッ
ト化した。得られたペレット90重量%とブテン−1・
α−オレフィンランダム共重合体ゴム(ER−2:三井
化学社製タフマーBL2481 密度0.90g/cm
3、MFR4.0)10重量%よりなる樹脂混合物10
0重量部に対して高密度ポリエチレン(日本ポリケム社
製HE490)を0.5重量部配合し、リボンミキサー
にて60rpm、2分間撹拌し、ペレット混合物を得
た。得られたペレット混合物を実施例1と同様にフィル
ム成形し、コロナ処理を施した。表2に得られたフィル
ムの評価結果をまとめた。
【0103】
【実施例6】実施例2において、プロピレン・α−オレ
フィンランダム共重合体ゴム(ER−1:三井化学社製
タフマーXR110T)をブテン−1・α−オレフィン
ランダム共重合体ゴム(ER−2:三井化学社製タフマ
ーBL2481、密度0.90g/cm3、MFR4.
0)に変更した以外は実施例1と同様な操作を行った。
表2に評価結果をまとめた。
【0104】[比較例1]PP−1パウダー100重量
部に対して、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルテ
ィー・ケミカルズ製、商品名イルガノックス1010)
を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−t―ブチル
フェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティー・ケ
ミカルズ製、商品名イルガフォス168)を0.05重
量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(耕正製、
商品名Ca−St)を0.05重量部、スリップ剤とし
てエルカ酸アマイド(日本精化社製、商品名ニュートロ
ンS)を0.04重量部、ベヘニン酸アマイド(日本精
化社製、商品名BNT)を0.08重量部、アンチブロ
ッキング剤として合成シリカ(富士シリシア社製、商品
名サイリシア550)を0.15重量部を配合し、ヘン
シェルミキサーにて750rpm、2分間混合後、池貝
製作所製PCM30mmφ二軸押出機を用い、押出温度
230℃にてペレット化した。得られたペレット100
重量部に対して、高密度ポリエチレン(日本ポリケム社
製HE490)を0.5重量部配合し、リボンミキサー
にて60rpm、2分間撹拌し、ペレット混合物を得
た。ゴム成分は配合しなかった。得られたペレット混合
物を実施例1と同様にフィルム成形し、コロナ処理を施
した。表3に得られたフィルムの評価結果をまとめた。
ヒートシール温度が本発明の範囲外である。
【0105】[比較例2]実施例1のPP−1をPP−
2に変更した以外は実施例1と同様な操作を行った。表
3に評価結果をまとめた。ヒートシール温度が本発明の
範囲外である。
【0106】[比較例3]比較例1のPP−1をPP−
3に変更した以外は比較例1と同様な操作を行った。表
3に評価結果をまとめた。ヒートシール温度が本発明の
範囲外である。また、引張弾性率とヒートシール温度の
バランスが悪化した。
【0107】[比較例4]比較例1から高密度ポリエチ
レンを除いた以外は比較例1と同様な操作を行った。表
3に評価結果をまとめた。ヒートシール温度が本発明の
範囲外である。また、引張弾性率とヒートシール温度の
バランスが悪化した。
【0108】[比較例5]比較例4のPP−1をPP−
2に変更した以外は比較例4と同様な操作を行った。表
3に評価結果をまとめた。ヒートシール温度が本発明の
範囲外である。また、引張弾性率とヒートシール温度の
バランスが悪化した。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【発明の効果】剛性、ヒートシール性、透明性、滑り
性、アンチブロッキング性など、フィルムの各種にわた
る実用物性のバランスを高度に向上させたフィルムが得
られる。ポリエチレンが結晶核として機能し、結晶化温
度が上昇し、結晶の成長による透明性低下を防止するこ
とができ、高速成形する際に問題となる除熱不足による
ロール跡転写を改善することができる。また、メタロセ
ン触媒を用いて得られたポリプロピレン系樹脂は分子量
分布が狭く、低融点化されたものはTダイフィルム成形
工程中のニップロール跡が転写し易い問題もあるが、ポ
リエチレンを微量添加することで結晶化温度が上昇し、
低温ヒートシール性を損なうことなくロール転写に関し
て改良効果を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 10/06 C08F 10/06 (C08L 23/10 C08L 23:02 23:02 23:26 23:26) C08L 101:00 (C08L 23/10 101:00) (72)発明者 中村 康則 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 (72)発明者 大森 浩 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 4F071 AA01 AA14 AA16 AA20 AB21 AB26 AB27 AC12 AE11 AE22 AF28Y AF30Y AF53Y AF59Y AH04 AH19 BC01 BC17 4J002 AA004 BB033 BB052 BB141 BB142 BB172 BB213 BD154 BG064 CC034 CC194 CD004 CF004 CL004 CP034 DE237 DG047 DH047 DJ007 DJ017 DJ047 DK007 EP016 EP026 FD176 FD204 FD207 GG02 GT00 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC09A AC10A AC27A AC28A BA00A BA01B BA02B BB00A BB01B BB02B BC12B BC14B BC25B BC29B CA30B CB86B CB97B CB98B EA01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB08 EB09 EC02 FA01 FA02 FA04 GA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂よりなる実質的に無
    延伸の単層フィルムであって、下記特性1〜4を満足す
    ることを特徴とするポリプロピレン系単層フィルム。 特性1:JIS Z−1707に準拠したフィルムのヒ
    ートシール温度(THS)が116℃未満であり、JIS
    K−7127に準拠して測定したフィルムの流れ方向
    (MD)または流れ方向に直角の方向(TD)のいずれ
    か低い方の引張弾性率(YM)と当該ヒートシール温度
    (THS)との関係が数式1を満たす。 0.04×YM+80<THS<0.04×YM+102 数式1 特性2:JIS K―7105に準拠したフィルムのヘ
    イズ値(HZ)とフィルムの厚み(d)が数式2を満た
    す。 0.04×d<HZ<0.04×d+2.0 数式2 特性3:ASTM D1894−90に準拠したフィル
    ムの静摩擦係数が0.50以下。 特性4:ASTM D1893に準拠したフィルムのブ
    ロッキング強度が500g/10cm2以下。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂がプロピレン・α−
    オレフィンランダム共重合体である請求項1記載のポリ
    プロピレン系単層フィルム。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂がプロピレン・α−
    オレフィンランダム共重合体50〜100重量部とポリ
    オレフィン系エラストマー0〜50重量部からなる樹脂
    組成物である請求項1記載のポリプロピレン系単層フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
    て、0.1〜5重量部の高密度ポリエチレンもしくは高
    密度ポリエチレンワックスが配合されてなる請求項1〜
    3いずれか1項記載のポリプロピレン系単層フィルム。
  5. 【請求項5】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
    て、0.01〜1.0重量部の脂肪酸アミドが配合され
    てなる請求項1〜4のいずれか1項記載のポリプロピレ
    ン系単層フィルム。
  6. 【請求項6】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
    て、平均粒径1.0〜7.0μm、細孔容積0.4〜
    1.6ml/gのアンチブロッキング剤が0.01〜
    0.7重量部配合されてなる請求項1〜5いずれか1項
    記載のポリプロピレン系単層フィルム。
  7. 【請求項7】ポリプロピレン系樹脂がメタロセン触媒に
    より重合されたものである請求項1〜6いずれか1項記
    載のポリプロピレン系単層フィルム。
  8. 【請求項8】下記特性5を満足することを特徴とする請
    求項1〜7いずれか1項記載のポリプロピレン系単層フ
    ィルム。 特性5:JIS Z−1707に準拠したフィルムのヒ
    ートシール温度(THS)が116℃未満であり、JIS
    K−7127に準拠して測定したフィルムの流れ方向
    (MD)または流れ方向に直角の方向(TD)のいずれ
    か低い方の引張弾性率(YM)と当該ヒートシール温度
    (THS)との関係が数式3を満たす。 0.04×YM+80<THS<0.04×YM+100 数式3
  9. 【請求項9】メタロセン触媒として化学式(1)で表わ
    される化合物またはその部分水素添加物が使用されてな
    る請求項7記載のポリプロピレン系単層フィルム。 【化1】
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