JP2016198346A - 医療用包装シートおよび医療用包装材 - Google Patents

医療用包装シートおよび医療用包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】互着防止性を備えた医療用包装シートを提供するとともに、上記医療用包装シートを用いて形成した医療用包装材を提供する。【解決手段】少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含む層を有する医療用包装シート30であって、一の当該医療用包装シート31の前記熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シート32の前記熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、前記一の当該医療用包装シートと前記他の当該医療用包装シートとを用い、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、前記一の当該医療用包装シートにおける前記熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数が、0.1以上2.5以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、医療用包装シートおよび医療用包装材に関する。
医療用途の内容物の包装材を形成するために用いられるシート材料には、従来、以下に説明する2つの性能が要求されていた。第一に要求される性能は、包装した内容物を視認できること、すなわち透明性である。第二に要求される性能は、内容物を包装したとしても当該包装材が破損しない程度の強度である。医療用途の内容物の包装材を形成するために用いられるシート材料について上述した2つの特性を向上させることは、従来から、種々の検討がなされてきた。
医療用途の内容物の包装材を形成するために用いられるシート材料に要求される上記2つの特性の向上に着目した技術として、たとえば、以下のものがある。
特許文献1には、2種類の水添ブロック共重合体とポリオレフィン樹脂とを特定の比率で含む樹脂組成物を成形して得られた、包装材の形成に用いられるシート材料が開示されている。
特開2010―106200号公報
上記従来のシート材料は、内容物を包装したとしても当該包装材が破損しない程度の強度を有し、かつ当該シート材料を用いて包装材を形成した場合に内容物を視認できる程度の透明性を実現できるという点では、ある程度の効果が期待できる。しかし、本発明者は、従来のシート材料を用いたとしてもなお、当該シート材料同士の密着性滑り性と、十分な透明性とを両立した包装材の歩留りが十分に向上しないことを知見した。そこで、本発明者は、従来のシート材料を用いて包装材を形成する際にについて鋭意検討した結果、以下のような課題を見出した。
従来のシート材料は、包装材を製造する際に、当該シート材料の表面状態が微妙に変化してしまうことがあった。本発明者は、従来のシート材料に生じる表面状態の微妙な変化が、包装材の生産性や品質に影響を及ぼすことを知見した。そこで、本発明者は、シート材料の表面状態に微妙な変化が生じることを抑制すべく鋭意検討した結果、包装材の生産性や品質を向上させるためには、当該シート材料同士の互着防止性を向上させることが重要であることを見出した。このように、従来のシート材料は、当該シート材料同士の互着防止性という点において改善の余地を有していた。
なお、加工前のシート材料は、通常、ロール状に巻き取られた状態、すなわち、原反の状態であることがほとんどであり、包装材を製造するためには、上記原反から必要量のシート材料を巻き出して使用する必要があった。
そこで、本発明は、互着防止性を備えた医療用包装シートを提供するとともに、上記医療用包装シートを用いて形成した医療用包装材を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で測定した当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数の値を制御することが、互着防止性を向上させるための設計指針として有効である知見を得て、本発明を完成させた。
本発明によれば、少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含む層を有する医療用包装シートであって、
一の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、前記一の当該医療用包装シートと前記他の当該医療用包装シートとを用い、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、前記一の当該医療用包装シートにおける前記熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数が、0.1以上2.5以下である、医療用包装シートが提供される。
さらに、本発明によれば、上記医療用包装シートにより形成された医療用包装材が提供される。
本発明によれば、互着防止性を備えた医療用包装シートを提供するとともに、上記医療用包装シートを用いて形成した医療用包装材を提供できる。
本実施形態に係る医療用包装シートの製造方法を説明するための図である。 本実施形態に係る医療用包装シートの層構造を示す模式的な断面図である。 本実施形態に係る包装材を有する輸液バッグを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
<医療用包装シート>
本実施形態における医療用包装シートは、少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含む層を有するものである。この医療用包装シートは、一の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、上記一の当該医療用包装シートと上記他の当該医療用包装シートとを用い、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、上記一の当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数1が、0.1以上2.5以下である。こうすることで、原反からの巻き出し時に当該シート材料同士が互着してしまうことを抑制することができる程度に十分な互着防止性を備えた医療用包装シートを実現することができる。
上述した本実施形態における医療用包装シートは、医療用途の内容物の包装材を形成するために用いられる。ここで、本実施形態における医療用途の内容物とは、たとえば、生理食塩水、ブドウ糖液、リンゲル液等の医療現場において点滴として使用する輸液製剤、医療現場において輸血する際に使用する血液成分等の液体や、たとえば、注射器、メス、ゴム栓等の医療器具等を指す。
背景技術の項で述べたように、従来から医療用包装シートには、以下の2つの性能が要求されていた。医療用包装シートに要求される第一の性能は、包装した内容物を視認でき程度の透明性である。医療用包装シートに要求される第二の性能は、内容物を包装したとしても当該医療用包装シートを用いて形成した包装材が破損しない程度の強度である。具体的に、本実施形態において上記強度とは、包装材を形成する医療用包装シートの密着性、すなわち、シール強度と材料自体の破袋強度のことを指す。
ただし、医療用包装シートについて要求される技術水準は、近年、ますます高くなっている。そのため、医療用包装シートには上述した2つの性能にくわえて、以下に説明する2つの性能も要求されている。医療用包装シートに要求される第三の性能は、医療用包装シートを用いて形成した包装材の内表面から、当該包装材中に収容した内容物に対して不純物が移らないこと、すなわち低溶出性である。医療用包装シートに要求される第四の性能は、滅菌処理を施す前後において当該シートの物性が大きく変化しないことである。
こうした医療用包装シートについて要求される技術水準を踏まえ、本発明者は、従来の医療用包装シートには、当該シート同士の互着防止性という点に、改善の余地があることを見出した。
本実施形態に係る医療用包装シートは、上述したように特定の条件で測定した当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数1が特定の値となるように制御したものである。こうすることで、医療用包装シート表面の滑り性を向上させることができる。そのため、本実施形態に係る医療用包装シートは、原反からの巻き出し時に当該シート材料同士が互着してしまうことを抑制することができる程度に十分な互着防止性を実現することが可能となる。また、本実施形態に係る医療用包装シートは、当然のことながら、上述した4つの要求性能を満たすことも可能である。
本実施形態に係る医療用包装シートについて、一の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、上記一の当該医療用包装シートと上記他の当該医療用包装シートとを用い、JIS K 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、上記一の当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数1は、0.1以上2.5以下であるが、好ましくは、0.1以上2以下である。こうすることで、当該医療用包装シートにおける互着防止性をより一層向上させることができる。本実施形態に係る医療用包装シートを原反に加工する場合、当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面と、当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面とが重ねあうように巻きつけられる。そのため、上述した特定の条件で測定した当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数の値を制御することができ、当該医療用包装シートに対して良好なシート滑り性を付与することが可能となる。
本実施形態における医療用包装シートは、一の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、上記一の当該医療用包装シートと上記他の当該医療用包装シートとを用い、上記一の当該医療用包装シートと上記他の当該医療用包装シートとに対して1kgの荷重を24時間かけた後、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、上記一の当該医療用包装シートにおける前記熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数2が、0.1以上2.5以下であることが好ましく、0.1以上2以下であるとさらに好ましい。こうすることで、当該シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面の有する互着防止性をより一層良好なものとすることが可能となる。
本実施形態における医療用包装シートは、一の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面を重ね合わせて、上記一の当該医療用包装シートと上記他の当該医療用包装シートとを用い、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、上記一の当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数3が、0.1以上2.0以下であることが好ましく、0.1以上1.8以下であることがより好ましく、0.1以上1.6以下であるとさらに好ましい。こうすることで、当該シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面の有する互着防止性をより一層良好なものとすることが可能となる。
本実施形態における医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面には、複数の凹凸が形成されていることが好ましい。以下、熱可塑性樹脂を含む層の表面に複数の凹凸が形成されている医療用包装シートを例に挙げて説明する。
本実施形態に係る医療用包装シートは、当該医療用包装シートの厚さをTとしたとき、単位シート厚さ当たりの凹凸が形成されている表面の算術平均粗さ(Ra)の値、Ra/Tが、4×10−4以上2×10−2以下であり、かつ単位シート厚さ当たりの凹凸が形成されている表面の凹凸平均間隔(Rsm)の値、Rsm/Tが、0.4以上4.5以下であることが好ましい。上記Ra/Tの値と、上記Rsm/Tの値は、Ra/Tの値が、6.6×10−4以上1.3×10−3以下であり、かつRsm/Tの値が、0.6以上2.7以下であるとさらに好ましい。こうすることで、当該医療用包装シートにおける互着防止性を向上させることができる。
ここで、算術平均粗さ(Ra)とは、一般的に、表面に形成された複数の凹凸について、測定対象物の断面に形成された粗さ曲線において平均線を引いたとき、当該平均線からの凸部と凹部の高さの平均値をμmで示した値のことを指す。なお、上記平均線とは、当該平均線よりも上側に位置する凸部の面積の和をS1とし、当該平均線よりも下側に位置する凹部の面積の和をS2としたときに、S1=S2となるように、粗さ曲線に引いた線のことである。以上に述べた算術平均粗さ(Ra)の定義を踏まえると、本実施形態におけるRa/Tという尺度は、医療用包装シートの表面に形成されている複数の凹凸について、凹部の頂点から凸部の頂点までの高さが、シート厚みに対してどの程度の割合を占めるものであるかを示す指標となる。なお、算術平均粗さ(Ra)は、JIS−B0601(1994年)に準じて測定することができる。
凹凸平均間隔(Rsm)とは、一般的に、測定対象物の断面に形成された粗さ曲線における凹凸周期の平均値を指す。以上に述べた凹凸平均間隔(Rsm)の定義を踏まえると、本実施形態におけるRsm/Tという尺度は、医療用包装シートの表面に形成されている複数の凹凸について、当該シートの厚みと、当該シートの面内方向における上記凹凸の形成間隔とのバランスを示す指標となる。なお、凹凸平均間隔(Rsm)は、JIS−B0601(1994年)に準じて測定することができる。
以上を踏まえると、本実施形態に係る医療用包装シートの表面に形成されている複数の凹凸は、上述したように、Ra/Tの値と、Rsm/Tの値とがそれぞれ上記特定の値となるように制御した場合には、当該シートの表面に対して、原反からの巻き出し時に当該シート材料同士が互着してしまうことを抑制することができる程度に十分な互着防止性を付与できる程度に絶妙な状態で凹凸が形成することができる。
医療用包装シートの厚さTは、包装材を形成する当該シートの強度を向上させる観点から、好ましくは、100μm以上であり、より好ましくは、150μm以上である。
医療用包装シートの厚さTは、当該シートを用いて包装材を形成した場合における内容物の視認性を向上させる観点から、好ましくは、350μm以下であり、より好ましくは、300μm以下である。
医療用包装シートにおける凹凸が形成されている表面の算術平均粗さ(Ra)は、当該シートの互着防止性を向上させる観点から、好ましくは、0.15μm以上2μm以下であり、より好ましくは、0.2μm以上1μm以下である。
医療用包装シートにおける凹凸が形成されている表面の凹凸平均間隔(Rsm)は、当該シートの互着防止性を向上させる観点から、好ましくは、150μm以上450μm以下であり、より好ましくは、200μm以上400μm以下である。
医療用包装シートに形成する凹凸は、当該シートの両面に形成してもよいが、上述した4つの要求特性を満たす観点から、当該シートの片面に対してのみ形成されていることが望ましい。なお、凹凸がシートの片面に対してのみ形成されている場合、上記凹凸は、上述した4つの要求特性を満たす観点から、当該シートを用いて形成した包装材における内容物と接する側に配される方が望ましい。
凹凸形状は、Ra/Tの値と、Rsm/Tの値が上述した特定の条件を満たすものであれば制限されない。この凹凸形状は、矩形状、ダイヤ形状、三角形状、波状、楕円形状、円形状、台形状等の断面構造となる形状であっても、ピラミッド状、錐体状等の各種幾何学的形状であっても、皮紋、梨地、布目、合成皮革様思慕模様、縞模様等の各種絵模様であってもよい。
本実施形態における医療用包装シートは、当該医療用包装シートの厚さをTとしたとき、単位シート厚さ当たりの、凹凸が形成されている表面の最大突起高さ(Rp)の値、すなわち、Rp/Tの値が、好ましくは、1.1×10−3以上2×10−2以下であり、より好ましくは、1.6×10−3以上1×10−2以下である。こうすることで、当該シートを用いて良好な原反を作製でき、かつ当該シートを用いて、透明性およびシール強度のバランスに優れた包装材を作製することが可能であるとともに、当該シートの互着防止性を向上させることができる。なお、最大突起高さ(Rp)は、JIS−B0601(1994年)に準じて測定することができる。
ここで、最大突起高さ(Rp)とは、一般的に、表面に形成された複数の凹凸について、測定対象物の断面に形成された粗さ曲線において平均線を引いたとき、当該平均線よりも上側に位置する凸部の最大高さを示す値のことを指す。なお、上記平均線とは、当該平均線よりも上側に位置する凸部の面積の和をS1とし、当該平均線よりも下側に位置する凹部の面積の和をS2としたときに、S1=S2となるように、粗さ曲線に引いた線のことである。以上に述べた最大突起高さ(Rp)の定義を踏まえると、本実施形態に係る医療用包装シートの表面に形成されている複数の凹凸について、Rp/Tの値を制御した場合には、シート厚みに対する凹凸の程度にバラつきが生じることを抑制することが可能となる。そのため、本実施形態に係る医療用包装シートについて、Rp/Tの値が特定の条件を満たすように制御した場合には、当該シートの互着防止性をより一層向上させることができる。
医療用包装シートにおける凹凸が形成されている表面の最大突起高さ(Rp)は、当該シートの互着防止性を向上させる観点から、好ましくは、0.4μm以上2μm以下であり、より好ましくは、0.5μm以上1.5μm以下である。
また、本実施形態に係る医療用包装シートは、一方の表面に凹凸が形成されたものであれば、単層構造であっても、多層構造を有したものであってもよいが、シートの滑り性を向上させる観点から、外層処方を変更できる多層構造を形成したものであることが好ましい。
以下、本実施形態に係る医療用包装シートを形成する材料成分について、当該シートが、表面に凹凸が形成されている面を有する凹凸層と、上記凹凸が形成されている面とは反対側に位置し、凹凸が形成されていない面を有する非凹凸層とからなる2層構造である場合を例に挙げて説明する。
凹凸層の表面を形成する材料は、本実施形態に係る医療用包装シートを用いて形成した包装材の低溶出性を高める観点から、実質的に添加剤を含まないものであることが好ましい。なお、本実施形態に係る添加剤としては、たとえば、エルカ酸アミド、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等の滑剤、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク等の抗ブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステル、ソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル等の帯電防止剤、染料、着色剤等が挙げられる。また、添加剤を含む際は日本薬局方のプラスチック製医薬品容器の試験である溶出試験および灰化試験に適合する範囲であれば含んでいても構わない。
非凹凸層の表面を形成する材料は、原反から巻き出した際に当該非凹凸層の表面から凹凸層の表面に不純物が付着してしまうことを抑制し、本実施形態に係る医療用包装シートを用いて形成した包装材の低溶出性を高める観点から、上記添加剤を含まないものであることが好ましい。
また、本実施形態に係る医療用包装シートにおいて、少なくとも一方の面を形成する熱可塑性樹脂は、上述した医療用包装シートに要求される4つの特性を向上させる観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含むことが好ましい。そして、凹凸層の表面を形成する材料と、非凹凸層の表面を形成する材料についても、いずれも、上述した医療用包装シートに要求される4つの特性を向上させる観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含むことが好ましい。
上記凹凸層の表面は、本実施形態に係る医療用包装シートのヒートシール時のシート強度を高め、かつシートの滑り性を向上させる観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等のポリオレフィン系樹脂等を含む材料により形成されていることが好ましい。
上記非凹凸層の表面は、本実施形態に係る医療用包装シートのシート滑り性を向上させる観点から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等のポリオレフィン系樹脂等を含む材料またはポリアミド系、ポリエステル系の樹脂により形成されていることが好ましい。
また、凹凸層の表面と、非凹凸層の表面は、配合組成が同一の材料を用いて形成されていてもよいが、シートの滑り性を向上させる観点から、少なくとも配合の異なる材料により形成されたものであることが望ましい。
<医療用包装シートの製造方法>
本実施形態における医療用包装シートの製造方法は、従来の製造方法とは異なるものであって、少なくとも熱可塑性樹脂を含む層の製造条件を高度に制御する必要がある。すなわち、以下の2つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって初めて、特定の条件で測定した当該医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数の値が、上記特定の数値となる医療用包装シートを得ることができる。
(1)熱可塑性樹脂を含む層を形成する樹脂材料の選択
(2)熱可塑性樹脂を含む層の形成方法
以下、本実施形態に係る医療用包装シートの製造方法の一例について説明する。ただし、本実施形態の医療用包装シートの製造方法は、以下の例に限定されない。また、本実施形態の医療用包装シートの製造方法の一例については、実施例にて具体的に後述する。
(1)熱可塑性樹脂を含む層を形成する樹脂材料の選択
本実施形態に係る互着防止性を備えた医療用包装シートを実現するためには、後述する凹凸の形成条件に合わせて適切な樹脂材料を選択する必要がある。具体的には、本実施形態に係る医療用包装シートを実現するためには、熱可塑性樹脂を含む層を形成する樹脂材料について、下記(2)で説明する熱可塑性樹脂を含む層の形成条件に合わせて、樹脂の種類、配合組成、密度、硬化状態等の各因子を適切に組み合わせる必要がある。
次に、(2)熱可塑性樹脂を含む層の形成方法について説明する。
本実施形態における医療用包装シートを得るためには、上記(1)で説明した熱可塑性樹脂を含む層を形成する樹脂材料に適した条件を採用する必要がある。具体的には、シートにエンボス加工を施す際におけるエンボスロールの冷却条件、エンボス加工を施す際に使用するエンボスロール表面に形成された凹凸形状等の各因子を高度に制御して組み合わせることが特に重要となる。なお、本実施形態における医療用包装シートの製造方法としては、上述した各因子を高度に制御して組み合わせることが可能であれば、インフレーション法で成膜しても、Tダイ法で成膜してもよいが、シートの生産性、シート厚さの制御、表面形状の制御に優れる観点から、Tダイ法で成膜する方法を採用することが好ましい。
以下、本実施形態に係る医療用包装シートの製造方法の一例を示す。ただし、本実施形態の医療用包装シートの製造方法は、以下の例に限定されない。
以下に説明する医療用包装シートの製造方法は、医療用途の内容物20を包装する包装材11(図3)を形成するために用いられる包装シート30(図2)を製造する方法である。
図1に示すように、この製造方法は、複数層または単層からなる包装シート30をTダイ40を用いて形成する工程と、包装シート30と最上流にて係合するロールである冷却ロール50により包装シート30を冷却する工程と、を有する。
包装シート30の一方の面30aを含む層(内層31)を構成する材料は、実質的に添加剤を含んでいない。
冷却ロール50の表面には凹凸が形成されている。
包装シート30を冷却する工程では、包装シート30の一方の面30aを含む層(内層31)に対し、冷却ロール50により凹凸加工(エンボス加工)を施す。
包装シート30の一方の面30aを含む層(内層31)に凹凸加工を施すことにより、当該層の表面の滑り性を良好にすることができる。
包装シート30は、医療用途の内容物20を包装する包装材を形成するために用いられる医療用包装シートである。なお、包装材は、内容物20に対して直接接する状態で内容物20を包装する。
図2および図3に示すように、包装シート30は、例えば、内層31と、外層32と、からなる二層構造とすることができる。
包装材11は、内層31が内側となり、外層32が外側となるように、ヒートシールによって内層31どうしを部分的に接着してシール部11aを形成することにより、内容物20を収容する収容部12を有する形態に加工されている。
包装材11には、必要に応じて、収容部12から内容物20を吐出するための導管14や、導管14の先端を開閉するための栓15が設けられている。
また、シール部11aには、必要に応じて、包装材11、ひいては輸液バッグ10を吊り下げるための吊り下げ穴13が形成されている。
図1に示される製造装置100は、Tダイ40と、冷却ロール50と、原反ロール90を巻き取る巻取ロール110と、冷却ロール50と巻取ロール110との間で包装シート30に係合する複数のロール60、70、80と、を有している。
Tダイ40には、外層32を構成する材料が導入される第1導入口41aと、内層31を構成する材料が導入される第2導入口41bと、が形成されている。
なお、製造装置100は、外層32を構成する材料を溶融及び混練して押し出す第1押出機(図示略)と、内層31を構成する材料を溶融及び混練して押し出す第2押出機(図示略)と、を有している。第1押出機から押し出された材料が、第1導入口41aに導入され、第2押出機から押し出された材料が、第2導入口41bに導入される。
Tダイ40には、更に、第1導入口41aに連通している第1流路42aと、第2導入口41bに連通している第2流路42bと、が形成されている。
第1流路42aは、外層32を構成する材料をシート状(フィルム状)に広げつつ下流側に流動させる。第2流路42bは、内層31を構成する材料をシート状(フィルム状)に広げつつ下流側に流動させる。
更に、Tダイ40には、合流流路43が形成されている。合流流路43の上流側端には、第1流路42aの下流側端と第2流路42bの下流側端とが接続されている。
第1流路42aと第2流路42bとが1つの合流流路43に合流することにより、第1流路42aにより広げられた外層32を構成する材料と、第2流路42bにより広げられた内層31を構成する材料と、が相互に積層される。
合流流路43は、第1流路42aにより広げられた外層32を構成する材料と、第2流路42bにより広げられた内層31を構成する材料と、を相互に積層した状態で、下流側に流動させる。
合流流路43の下流側端は、包装シート30をダイ40の外部に吐出する吐出口44となっている。
吐出口44からは、外層32と内層31とが相互に積層されてなる包装シート30が吐出される。
なお、本図は、1例として2層のマルチマニホールドダイスを図示したものであるが、2層以上に積層させるダイスを使用し、複数台の押出機から同一の樹脂を流して2層にしてもよい。また、異なる3種以上の樹脂を用いて3層以上にしてもよい。さらに、フィードブロックを用いて多層シートにする手法を用いてもよい。
冷却ロール50は、Tダイ40から吐出された包装シート30に対して、最上流にて係合し(最初に係合し)、該包装シート30を冷却するロールである。
この冷却ロール50には、内層31の表面が係合する。
冷却ロール50の表面には、凹凸が形成されている。よって、冷却ロール50によって包装シート30を冷却する際に、冷却ロール50の表面の凹凸が内層31の表面に転写されることにより、内層31の表面に凹凸が形成される。
冷却ロール50によって冷却されるとともに表面に凹凸が形成された包装シート30は、その後、複数のロール60、70、80に順次係合した後、巻取ロール110に巻き取られる。
包装シート30が巻取ロール110に巻き取られることにより、包装シートの原反をロール状に巻回してなる原反ロール90が得られる。
ここで、冷却ロール50の温度は、例えば、内層31(包装シート30の一方の面30aを含む層)を構成する材料の溶融温度よりも150℃以上低い温度(当該溶融温度−150℃以下)、より好ましくは当該溶融温度よりも180℃以上低い温度(当該溶融温度−180℃以下)に設定することが好ましい。
このようにすることにより、包装シート30の十分な冷却と、所望の形状の凹凸の形成と、を行うことができ、且つ、冷却ロール50およびその後段の各ロール60、70,80に対する包装シート30の密着を抑制することができる。しかも、巻き取られた包装シート30の繰り出し時におけるブロッキングも抑制することができる。
また、このように冷却ロール50の温度を十分低く設定することにより、包装シート30に凹凸加工(エンボス加工)を行っても、包装シート30の透明性を担保することができる。
ここで、好ましくは、包装シート30において冷却ロール50に係合している部分は、冷却ロール50とともに包装シート30を挟持するようなロールではなく、エアナイフにより冷却ロール50に対して付勢される。このように、エアーにより包装シート30を冷却ロール50に対して付勢することにより、包装シート30の表面粗さが大きくなりすぎてしまうことを抑制し、包装シート30の透明性を良好にすることができ、なおかつ必要な表面粗さの凹凸加工を包装シート30に施すことができる。
なお、冷却ロール50の温度は、15℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。このようにすることにより、製膜時に包装シート30を冷却ロール50に対して安定的に係合させることができ、安定して包装シート30を製膜できるため、包装シート30の厚みのバラつきを抑制することができる。
<医療用包装材>
本実施形態に係る医療用包装材は、上記医療用包装シートにより形成されたものである。こうすることで、上述した4つの技術水準を満たし、かつ歩留りよく良好な品質の医療用包装材を実現することができる。
本実施形態に係る医療用包装材は、図3に示すように、たとえば、輸液バッグとして使用することができる。具体的には、図3は、医療用包装シートである包装シート30を用いて製造された包装材11に、内容物20としての医療用の液体(生理食塩水、ブドウ糖液、リンゲル液等の医療現場において点滴として使用する輸液製剤、医療現場において輸血する際に使用する血液成分等の液体など)を収容してなる輸液バッグ10を示している。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製、125FN)を用いて、押出Tダイ法にて厚さ250μmの単層シートを製膜した。得られた単層シートは、巻き取り装置にてシート原反の状態となるよう加工した。上述した押出Tダイ法には、押出Tダイ装置として、冷却ロールを片面エンボス冷却ロールに交換したものを使用した。また、上記片面エンボス冷却ロールは、成膜時に、冷却水で30℃となるように制御して使用した。
<実施例2>
実施例1に使用した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を内層にし、その外側に上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、F222NH)とのブレンド層を積層した点以外は、実施例1と同様にシートを作製した。
<比較例1>
押出Tダイ装置における冷却ロールを鏡面ロールに変更した点以外は、実施例1と同様にシートを作製した。
<比較例2>
押出Tダイ法ではなく、インフレーション法にてシートを製膜した点以外は、実施例1と同様にシートを作製した。
実施例及び比較例で得られた医療用包装シートを用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<評価>
・静摩擦係数1:一の医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層を有する面とは反対側の面を重ね合わせて、上記一の医療用包装シートと上記他の医療用包装シートとを用い、上記一の医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する表面の静摩擦係数を、JIS K7125に準じて摩擦試験を行い測定した。
・静摩擦係数2:一の医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層を有する面とは反対側の面を重ね合わせて、上記一の医療用包装シートと上記他の医療用包装シートとを用い、上記一の医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する表面の静摩擦係数を、上記一の医療用包装シートと上記他の医療用包装シートとに対して1kgの荷重を24時間かけた後、JIS K7125に準じて摩擦試験を行い測定した。
・静摩擦係数3:一の医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の医療用包装シートの熱可塑性樹脂を含む層の表面を重ね合わせて、上記一の医療用包装シートと上記他の医療用包装シートとを用い、上記一の医療用包装シートにおける熱可塑性樹脂を含む層を有する表面の静摩擦係数を、JIS K7125に準じて摩擦試験を行い測定した。
・算術平均粗さ(Ra):シートの凹凸層表面について、JIS B0601(1994年)に準じ、「株式会社東京精密製 ハンディサーフ E−35B」を用いて、中央n=3について測定した。なお、単位は、μmとした。
・凹凸平均間隔(Rsm):シートの凹凸層表面について、JIS B0601(1994年)に準じ、「株式会社東京精密製 ハンディサーフ E−35B」を用いて、中央n=3について測定した。なお、単位は、μmとした。
・最大突起高さ(Rp):シートの凹凸層表面について、JIS B0601(1994年)に準じ、「株式会社東京精密製 ハンディサーフ E−35B」を用いて、中央n=3について測定した。なお、単位は、μmとした。
・フィルム滑り性:一の医療用包装シートの凹凸が形成された表面に、他の医療用包装シートの凹凸が形成された面とは反対側の面を重ね合わせた上記一の医療用包装シートと上記他の医療用包装シートとを用い、上記一の医療用包装シートにおける凹凸が形成された静摩擦係数を、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した。得られた測定結果について、以下の評価基準に従って実施例及び比較例で得られた医療用包装シートを評価した。なお、医療用包装シートの表面に凹凸が形成されていない場合には、一の医療用包装シートの一方の表面に、他の医療用包装シートの上記一方の表面とは反対側の面を重ねあわせて摩擦試験を行う。
◎:静摩擦係数の値が0.1以上1.3以下であるもの
○:静摩擦係数の値が1.3より大きく2.0以下であるもの
×:静摩擦係数の値が2.0より大きいもの
・シール性:一の医療用包装シートの凹凸が形成された表面に、他の医療用包装シートの凹凸が形成された面を重ね合わせた上記一の医療用包装シートと上記他の医療用包装シートに対して、熱板下降式のシール機を用い、200℃で0.3MPaの荷重を3秒間加え、シールサンプルを作製した。次いで、得られたシールサンプルを15mm幅の短冊状にカットして試験片を作製した。試験片を、引張・圧縮試験機(エー・アンド・デイ社製)により100mm/minの速度で剥離し、最大荷重を測定した。なお、単位は、N/15mmとした。
・耐衝撃性:JIS K7160(A法)に準拠して、得られた医療用包装シートの引張衝撃強度を測定した。なお、単位は、kJ/mとした。
・外部ヘイズ:医療用包装シートについて、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH−2000)を用いて、ヘイズ値を測定した。なお、へイズ値の測定は、医療用包装シートの凹凸が形成された面とは反対側の面側からの測定を実施した。なお、単位は、%とした。
・内部ヘイズ:医療用包装シートの両面に透明テープを張り、当該シート表面に形成された凹凸の影響をなくした状態のシートサンプルを作製した。得られたシートサンプルについて、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH−2000)を用いて、ヘイズ値を測定した。なお、単位は、%とした。
Figure 2016198346
実施例1〜2のシートは、いずれも、互着防止性に優れたものであったのに対し、比較例1〜2のシートは、互着防止性という点において不十分なものであった。
10 輸液バッグ
11 包装材
11a シール部
12 収容部
13 吊り下げ穴
14 導管
15 栓
20 内容液(内容物)
30 包装シート
30a 一方の面
31 内層
32 外層
40 Tダイ
41a 第1導入口
41b 第2導入口
42a 第1流路
42b 第2流路
43 合流流路
44 吐出口
50 冷却ロール
60 ロール
70 ロール
80 ロール
90 原反ロール
100 製造装置
110 巻取ロール

Claims (8)

  1. 少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含む層を有する医療用包装シートであって、
    一の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、前記一の当該医療用包装シートと前記他の当該医療用包装シートとを用い、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、前記一の当該医療用包装シートにおける前記熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数が、0.1以上2.5以下である、医療用包装シート。
  2. 一の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層とは反対側の面を重ね合わせて、前記一の当該医療用包装シートと前記他の当該医療用包装シートとを用い、前記一の当該医療用包装シートと前記他の当該医療用包装シートとに対して1.0kgの荷重を24時間かけた後、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、前記一の当該医療用包装シートにおける前記熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数が、0.1以上2.5以下である、請求項1に記載の医療用包装シート。
  3. 一の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層の表面に、他の当該医療用包装シートの前記熱可塑性樹脂を含む層の表面を重ね合わせて、前記一の当該医療用包装シートと前記他の当該医療用包装シートとを用い、JISK 7125に準じて摩擦試験を行い測定した時、前記一の当該医療用包装シートにおける前記熱可塑性樹脂を含む層を有する面の静摩擦係数が、0.1以上2以下である、請求項1または2に記載の医療用包装シート。
  4. 多層構造を有している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の医療用包装シート。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療用包装シート。
  6. 医療用途の内容物の包装材を形成するために用いられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療用包装シート。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療用包装シートにより形成された医療用包装材。
  8. 前記内容物が液体である、請求項7に記載の医療用包装材。
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