JP4857093B2 - 深絞り容器 - Google Patents
深絞り容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4857093B2 JP4857093B2 JP2006321411A JP2006321411A JP4857093B2 JP 4857093 B2 JP4857093 B2 JP 4857093B2 JP 2006321411 A JP2006321411 A JP 2006321411A JP 2006321411 A JP2006321411 A JP 2006321411A JP 4857093 B2 JP4857093 B2 JP 4857093B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- deep
- ethylene
- sheet
- propylene
- gloss
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
熱可塑性樹脂の中でも、プロピレン系重合体は、耐熱性、剛性、耐衝撃性、あるいは、衛生面に優れていることから、食品等の容器として好適に用いられており、特に、高い耐熱性を必要とする電子レンジでのレンジアップ容器、高温充填が必要な容器等に使用範囲が広がってきている。
また、表層にシンジオタクチックポリプロピレンを用いる方法(例えば、特許文献3参照。)や、環状ポリオレフィンを用いる方法(例えば、特許文献4参照。)も提案されているが、これらは、材料コストが高くなるという欠点がある。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、メタロセン触媒は、ハフニウムとシクロペンタジエニル基またはシクロペンタジエニル誘導体基との錯体を使用した触媒であることを特徴とする深絞り容器が提供される。
(1)前記熱成形は、真空成形又は圧空成形であること、特に、プラグアシスト圧空成形であることを特徴とする上記の深絞り容器が提供される。
(2)前記メタロセン触媒は、助触媒として、イオン交換性層状珪酸塩及び有機アルミニウム化合物を用いることを特徴とする上記の深絞り容器が提供される。
(3)前記プロピレン系重合体(B)は、塩化マグネシウム担持チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたものであることを特徴とする上記の深絞り容器が提供される。
(4)前記シート(C)には、さらに、核剤、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、無機顔料、有機顔料、金属不活性剤、過酸化物又は充填剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤が配合されることを特徴とする上記の深絞り容器が提供される。
(5)前記シート(C)は、単層シート又は多層シートであることを特徴とする上記の深絞り容器が提供される。
(6)前記深さ/口径が1.3倍以上であることを特徴とする上記の深絞り容器が提供される。
(1)エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の製造方法
本発明の深絞り容器で用いるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、メタロセン触媒を使用して重合した共重合体である。
メタロセン触媒は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の周期律表第4〜6族遷移金属と、シクロペンタジエニル基あるいはシクロペンタジエニル誘導体基との錯体を使用した触媒である。
メタロセン触媒において、シクロペンタジエニル誘導体基としては、ペンタメチルシクロペンタジエニル等のアルキル置換体基、あるいは2以上の置換基が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成した基を使用することができ、代表的にはインデニル基、フルオレニル基、アズレニル基、あるいはこれらの部分水素添加物を挙げることができる。また、複数のシクロペンタジエニル基がアルキレン基、シリレン基、ゲルミレン基等で結合したものも好ましく用いられる。
(1)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(4)エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(5)メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、(6)エチレンビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、(7)エチレン1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、(8)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、(9)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(10)ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、(11)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、(13)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ハフニウムジクロリド、(14)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾ(インデニル)]ハフニウムジクロリド、(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ハフニウムジクロリド、(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、(17)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、(18)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、(19)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、(20)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、(21)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ハフニウムジクロリド、(22)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]ハフニウムジクロリド、(23)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、(24)ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド。
さらに、上記のハフニウムの代わりに、チタン、ジルコニウム等に代わった化合物も、例示することができる。
その中でも溶融張力、透明性、成形性に優れたエチレン−プロピレンランダム共重合体が得られ、シートの肌荒れがおきにくい、ハフニウムを使用した触媒が本発明には好適である。
また、必要に応じて、これら化合物と共に、有機アルミニウム化合物を添加することができる。
これらの珪酸塩は、化学処理を施したものであることが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と層状珪酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。
また、必要に応じてこれら化合物と共にトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化合物を使用してもよい。
また、本発明に用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、プロピレンから誘導される構成単位(以下、「プロピレン単位」という)の好ましい割合は、全構成単位中90〜99.9重量%であり、エチレンから誘導される構成単位(以下、「エチレン単位」という)は、0.1〜10重量%であることが望ましい。
なかでも、ブテン−1は好適であり、エチレン−プロピレンランダム共重合体において、プロピレン単位は、全構成単位中90〜99.9重量%であり、エチレンおよびα−オレフィンから誘導される構成単位(以下、「コモノマー単位」という)は0.1〜10重量%であるエチレン−ブテン−1−プロピレン3元ランダム共重合体が好ましい。
本発明の深絞り容器に用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、次の物性を有している。
(i)メルトフローレート(MFR)
本発明に用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜7g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分、さらに好ましくは0.8〜3g/10分である。MFRが7g/10分を超えると、シートのドローダウン性が悪化し、熱成形が困難になり、一方、MFRが0.5g/10分未満では、シートの透明性が悪化する。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件M:230℃、2.16kg荷重で測定される値である。
ポリマーのMFRを調整するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量などを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過酸化物の添加により調整する方法がある。
本発明に用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC:DifferentialScanning Calorimeter)により、測定された融解ピーク温度である融点が135〜150℃、好ましくは137〜145℃のものである。融点が135℃未満の場合は、容器の剛性および耐熱性が低下する。一方、融点が150℃を超える場合は、容器成形温度範囲が狭くなり、成形が難しくなる。
融点を調整するには、重合反応系へ供給するエチレンの量を制御することにより、容易に調整することができる。
なお、融点の具体的測定は、セイコー社製DSCを用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点とした(単位:℃)。
本発明に用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、Q値が、2.5〜4.0、好ましくは2.6を超え3.4以下、さらに好ましくは2.7〜3.3の範囲のものである。
Q値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC:Gel Permeation Chromatography)により、測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として求められる値であり、この値は、小さいほど分子量が均一で、分子量分布が狭いことを意味する。
本発明に用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のQ値は、2.5未満では、シートの表面荒れが発生し、透明性および光沢が悪化する。一方、Q値が4.0を超えると、シートの光沢が悪化する。
Q値の具体的測定は、以下の条件により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比を測定して求める。
GPC装置:ウォーターズ社製ISOC−ALC/GPC
溶媒:O−ジクロルベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1ml/min
標準材:東ソー社製単分散ポリスチレン
(1)プロピレン系重合体(B)の製造方法
本発明で用いられるプロピレン系重合体(B)の重合用触媒としては、チーグラーナッタ型触媒、メタロセン触媒等が挙げられ、特に限定はされないが、160℃以上の融点の重合体を得るためには、塩化マグネシウム担持チーグラーナッタ触媒が好ましい。
これら共重合体に用いるα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等が挙げられ、このα−オレフィンは、一種類でなく、二種類以上の多元系共重合体でもよい。
また、本発明で用いられるプロピレン系重合体(B)は、融点の高いプロピレンホモ重合体が好ましく、例えば、日本ポリプロ社製「ノバテックPP」が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン系重合体(B)のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜10g/10分、好ましくは0.5〜8g/10分、さらに好ましくは0.5〜5g/10分である。
MFRが10g/10分を超えると、シートのドローダウン性が悪化し、熱成形が困難になり、一方、MFRが0.5g/10分未満では、シートの透明性が悪化する。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件M:230℃、2.16kg荷重で測定される値である。
なお、融点の具体的測定は、セイコー社製DSCを用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点とした(単位:℃)。
(1)シート(C)の組成
本発明で用いられるシート(C)は、上記のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)が50〜90重量%と、上記のプロピレン系重合体(B)が50〜10重量%から構成される。エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)が90重量%を超えると、成形温度幅が狭くなり、一方、50重量%未満では、光沢が低下する。
本発明で用いられるシート(C)には、上記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)に加えて、他の付加的成分(任意成分)を、本発明の効果を著しく損なわない範囲で配合することもできる。
この付加的成分としては、通常のポリオレフィン樹脂用配合剤として使用される核剤、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、無機顔料、有機顔料、金属不活性剤、過酸化物、充填剤、及び、本発明に使用する以外の樹脂、エチレン・プロピレン系ゴム、エチレン・ブテン系ゴム、エチレン・ヘキセン系ゴム、エチレン・オクテン系ゴム等を挙げることができるが、これら添加剤において、本発明の主用途である飲料食品容器分野における要求を満足させるものを選択することが好ましい。
核剤の具体例としては、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、タルク、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトール系化合物、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸アルミニウム、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸と炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩混合物(旭電化(株)製 商品名NA21)などを挙げることができる。
また、不飽和脂肪酸モノアマイドとして、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、リシノール酸アマイド等が挙げられる。
置換アマイドの具体例としては、N−ステアリルステアリン酸アマイド、N−オレイルオレイン酸アマイド、N−ステアリルオレイン酸アマイド、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−オレイルパルチミン酸アマイド等が挙げられる。
飽和脂肪酸ビスアマイドとして、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N’−ジステアリルセパシン酸アマイド等が挙げられる。
不飽和脂肪酸ビスアマイドとして、エチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N’−ジオレイルセパシン酸アマイド等が挙げられる。
芳香族系ビスアマイドとして、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アマイド等が挙げられる。
上記添加剤成分の配合方法としては、重合で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)のパウダーに、直接添加剤を予備混合して溶融混練混合する方法、また予め添加剤を高濃度にしたマスターバッチをブレンドする方法等で、配合物を得ることができる。
本発明で用いられるシート(C)は、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.5〜5g/10分のものである。MFRが5g/10分を超えると、シートのドローダウン性が悪化し、熱成形が困難になり、一方、MFRが0.5g/10分未満では、シートの透明性が悪化する。
尚、溶融張力(MT)は、東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、下記の条件で測定した値である。
加熱炉:長さ:350mm、試料挿入孔:9.55mmφ
ピストン:外径:9.474mm、先端:90°円錐
ダイ:長さ:8.0mm、内径:2.095mm
試験温度:230℃
予熱:230℃、5min
ピストン移動速度:1.0cm/min
引き取り速度:3.9m/min
シート(C)のヘイズ値が30%を超える場合は、深さ/口径比1倍以上の深絞り成型容器の透明性は悪く、シートのグロス値100%未満の場合は、光沢は悪くなる。また、曲げ弾性率2000MPa未満のシート(C)を用いた場合では、深絞り成形をした場合の容器剛性が不足し、容器を強く握ったときに、容易に潰れてしまう等の実用性能に劣る。
尚、ヘイズ値は、JIS K7136(ISO 14782)の「プラスチック―透明材料のヘーズの求め方」に準拠して求めた値であり、また、グロス値は、JIS K7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、60度鏡面光沢度を求めた値であり、さらに、弾性率は、JIS K7171(ISO 178)の「プラスチック−曲げ特性の試験方法」に準拠して、曲げ弾性率を求めた値である。
本発明で用いられるシート(C)は、前述の添加剤配合方法により得られた配合物を用いて、公知の成形方法、例えば、押出成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、注型成形法等により製造することができる。
中でも押出成形法が好ましく、具体的にはTダイ法、インフレーション法等を用いた押出法が挙げられる。
押出されたシート(C)は、ポリッシング法、エアーナイフ法、金属鏡面ベルト法、等の公知の方法で冷却固化される。
多層シ−トの場合は、プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)、プロピレン系重合体(B)および必要に応じて配合される添加剤からなるシート(プロピレン系複合樹脂層という場合もある)を、ガスバリア性を付加すべくガスバリアー樹脂層の両面に配した積層シ−トを挙げることができる。
層構成として、例えば、プロピレン系複合樹脂層/接着樹脂層/ガスバリアー樹脂層/接着樹脂層/プロピレン系複合樹脂層の3種5層構成が好適な層構成として挙げられる。
多層シートの場合、各層を積層する方法は、前記した各層を形成する樹脂材料を溶融状態で積層する方法が層間接着性の点で好ましい。一般的には、各材料をそれぞれの押出機で溶融混練した後にダイス内で積層するマルチマニホールド方式や、ダイスに流入させる前に積層するフィードブロック方式(コンバイニングアダプター方式)等が好ましい。
成型可能温度幅が10℃未満では、成型条件の振れで深絞り容器の透明性や光沢に振れが発生し、成形品の歩留まりが悪化する。深絞り成形可能温度幅は、後述する非接触式放射温度計で測定することができる。
(1)深絞り容器の成形方法
本発明の深絞り容器は、シート(C)を熱成形することにより得られる深さ/口径が1倍以上の深絞り容器である。好ましくは、深さ/口径が1.2倍以上、さらに好ましくは、深さ/口径が1.3倍以上の深絞り容器であることが望ましい。
具体的には、シート(C)を熱成形することにより、各種容器、カップ等に賦形される。
これらの熱成形法の組み合わせ等による成形法であれば、特に限定されないが、本発明の深絞り容器には、プラグアシスト圧空成形が好適である。熱成形温度や真空度、圧空の圧力または成形速度等の各種条件は、プラグ形状や金型形状またはシート(C)の性質等により、適宜設定される。
本発明の深絞り容器は、ヘイズ値が1.5%以下、グロス値が140%以上である、深さ/口径が1倍以上の深絞り容器である。
ヘイズ値が1.5%を超えると、内容物の視認性が低下する。また、グロス値が140%未満では、光沢感に欠けるため、商品価値が低下する。
1.メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(ISO 1133)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法の試験条件Mに従い、以下の条件で測定した。
試験温度:230℃
公称荷重:2.16kg
ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mm
セイコー社製DSCを用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点(Tm)とした(単位:℃)。
本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したものをいう。
保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380,F288,F128,F80,F40,F20,F10,F4,F1,A5000,A2500,A1000
較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する、粘度式の[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4 α=0.7
PE:K=3.92×10−4 α=0.733
PP:K=1.03×10−4 α=0.78
なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
装置:WATERS社製 GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製 MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製:試料は、o−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
キャピログラフ(東洋精機社製)を用い、以下の条件で測定した。
加熱炉:(長さ)350mm、(試料挿入孔)9.55mmφ
ピストン:(外径)9.474mm、(先端)90°円錐
ダイ:(長さ)8.0mm、(内径)2.095mm
試験温度:230℃
予熱:230℃、5min
ピストン移動速度:1.0cm/min
引き取り速度:3.9m/min
試験片の透明性を、以下の条件により評価した。
規格番号:JIS K7136(ISO 14782)「プラスチック―透明材料のヘーズの求め方」と、JIS K7361−1(ISO 13468−1)「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法」準拠
測定機:曇り度計NDH2000(日本電色工業株式会社製)
試験片厚み:200μm
試験片の作成方法: シートを50×50mmに切り出し
状態の調節:成形後に室温23℃、湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置
試験片の数:3
評価項目:曇り度(Haze)
試験片の光沢を、以下の条件により評価した。
規格番号:JIS K7105「プラスチックの光学的特性試験方法」
測定機:スガ試験機製デジタル変角光沢性計 UGV−5K
試験片厚み:200μm
試験片の作成方法: シートを50×50mmに切り出し
状態の調節:成形後に室温23℃ 、湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置
試験片の数:3
評価項目:60度鏡面光沢度
以下の条件で評価した。
規格番号:JIS K7171(ISO 178)「プラスチック−曲げ特性の試験方法」準拠
試験機:精密万能試験機オートグラフAG−20kNG(島津製作所製)
試験片の採取方向:流れ方向
試験片の形状:厚み2.0mm、幅25.0mm、長さ40.0mm
試験片の作成方法:圧縮成形平板を上記寸法に打ち抜き
状態の調節:室温23℃、湿度50%に調節された恒温室内に24時間以上放置
試験室:室温23℃、湿度50%に調節された恒温室
試験片の数:5
支点間距離:32.0mm
試験速度:1.0mm/分
評価項目:曲げ弾性率
容器の透明性を、以下の条件により評価した。
規格番号:JIS K7136(ISO 14782)「プラスチック―透明材料のヘーズの求め方」と、JIS K7361−1(ISO 13468−1)「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法」準拠
測定機:曇り度計NDH2000(日本電色工業株式会社製)
試験片厚み:200μm
試験片の作成方法:容器から50×50mmの試験片を切り出し
状態の調節:成形後に室温23℃、湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置
試験片の数:3
評価項目:曇り度(Haze)
容器の光沢を、以下の条件により評価した。
規格番号:JIS K7105「プラスチックの光学的特性試験方法」
測定機:スガ試験機製デジタル変角光沢性計 UGV−5K
試験片厚み:200μm
試験片の作成方法: 容器から50×50mmの試験片の切り出し
状態の調節:成形後に室温23℃ 、湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置
試験片の数:3
評価項目:60度鏡面光沢度
容器成形機中で加熱された容器成形直前のシートを、非接触式放射温度計で測定し、該シートが110℃に達した時に、圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)を用いて口径95mmφ、深さ/口径が1.3倍の深絞り容器を成形し、該容器の光沢値と容器底コーナー部の曲率半径を測定する。これを110〜160℃の範囲において、1℃刻みで同様の測定を繰り返し実施し、下記T1とT2を求め、深絞り成形可能温度幅(T1−T2)を算出する。深絞り成形可能温度幅が広い程、成形性に優れ、成形温度が多少振れても問題なく成形ができることを意味する。
T1:得られた個々の深絞り容器の光沢値において、最も高い光沢値に対し、10%以上低い光沢値を示した深絞り容器を成形できた時の最高温度。
T2:得られた個々の深絞り容器の底コーナー部の曲率半径をラジアスゲージで測定した時、曲率半径が2mm以上を示した深絞り容器を成形できた時の最高温度。
I.エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の作製
1.触媒の調製
(1)メタロセン化合物の合成
(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムの合成は、特開平11−240909号公報に記載の方法に準じて行った。
撹拌翼と還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、純水1,700gを投入し、98%硫酸500gを滴下した。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:19.5μm)を300g添加後撹拌した。その後90℃で2時間反応させた。このスラリーを、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、洗浄した。
回収したケーキに硫酸リチウム1水和物325gの水900mL水溶液を加え90℃で2時間反応させた。このスラリーを、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、pH>4まで洗浄した。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、270gの化学処理体を得た。その後、1Lフラスコに全量投入し、200℃にて2hr減圧乾燥を行った。
内容積13リットルの攪拌機の付いた金属製反応器に、上記で得た乾燥珪酸塩0.223kgと日石三菱社製ヘプタン(以下、ヘプタンという。)1.45リットルの混合物を導入し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)0.79リットルを加え、系内温度を25℃に維持した。1時間の反応後、ヘプタンにて十分に洗浄し、珪酸塩スラリーを3.1リットルに調製した。
上記スラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.39M)を34.4ミリリットル加えて10分間攪拌した。さらに、予め(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム2.73gに、ヘプタン0.55リットルを添加した混合物を導入して、室温にて1時間反応させた後、ヘプタンを追加して5.6リットルに調整した。
続いて、温度40℃にて、プロピレンを111.8g/時間の速度で供給し、4時間予備重合を行った。さらに1時間、後重合した。
予備重合終了後、残モノマーをパージした後、触媒をヘプタンにて十分に洗浄した。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M)のヘプタン溶液95mL添加した後に、40℃で減圧乾燥を実施した。この操作により、乾燥した予備重合触媒0.688kgを得た。
内容積200リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これに、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液を470ml(0.12mol)、水素を2.3NL、さらにエチレン0.68kgを加え、30℃を維持した。その後、上記触媒成分1.87gをアルゴンで圧入し、40分かけて70℃まで昇温し、2時間重合を行った。
その後エタノール100mlを圧入して、反応を停止し、残ガスをパージし、生成物を乾燥して、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のパウダーを20kg得た。得られたエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、MFR=2.0g/10分、Tm=145℃、Q値=2.8であった。
日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP EA8W(MFR=0.8g/10分、Tm=165℃)を使用した。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)パウダー80重量部と、プロピレン系重合体(B)20重量部との混合物100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤として、ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャルティケミカルズ(株)社製;イルガノックス1010)0.05重量部、トリス―(2,4―ジ―t―ブチルフエニル)フオスフアイト(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製;イルガフォス168)0.1重量部、中和剤として、ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)社製;DHT−4A)0.05重量部、核剤として、ビス(2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−オキソ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩(アデカ(株)製;マークNA21)0.2重量部を、スーパーミキサーに添加し、窒素シール後、3分間混合した。その後、スクリュー系40mmDの単軸押出機を用いホッパーを窒素シールしながら230℃で溶融混練し造粒(ペレット化)した。このペレット空気循環型乾燥機に入れ80℃、2hr乾燥した。このペレットは、MFR=1.7g/10分、溶融張力=5.0gであった。
このようにして得られたシート(C)は、ヘイズ値=25%、グロス値=110%、曲げ弾性率=2100MPaであった。
次いで、容器成形機中で加熱された容器成形直前のシート(C)を非接触式放射温度計で測定し、該シートが110℃に達した時に、圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)を用いて、口径95mmφ、深さ/口径が1.3倍の深絞り容器を成形した。
これを110〜160℃の範囲において、1℃刻みで同様の測定を繰り返し実施し、各深絞り容器のヘイズ値とグロス値を求め、グロス値が最も大きい値を示した深絞り容器のヘイズ値とグロス値を求めたところ、ヘイズ値が1.0%、グロス値が155%であった。また、その成形可能温度幅は、13℃であった。
本発明の構成を有する深絞り容器は、成形性、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)重合時の水素供給量を3.2NLおよびエチレン供給量を0.68kgに調整し得た、表1記載の物性を有するエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)を用い、プロピレン系重合体(B)に日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP FY6H(MFR=2.0g/10分、Tm=165℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、成形性、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)重合時の水素供給量を1.4NLおよびエチレン供給量を0.68kgに調整し得た、表1記載の物性を有するエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、成形性、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のプロピレン系重合体(B)に日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP FY4(MFR=5.0g/10分、Tm=165℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、成形性、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)重合時の水素供給量を2.6NLおよびエチレン供給量を1.58kgに調整し得た、表1記載の物性を有するエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、成形性、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のプロピレン系重合体(B)に日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP EA7DAT(MFR=1.0g/10分、Tm=161℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のエチレン−プロピレン重合体(A)とプロピレン系重合体(B)の比率を変えた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、成形性、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
I.エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の作製
1.触媒の調製
(1)メタロセン化合物の合成
(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムの合成は、特開平11−240909号公報に記載の方法に準じて行った。
撹拌翼と還流装置を取り付けたガラス製3Lセパラブルフラスコに、純水1,750gを投入し、続いて98%硫酸1160gをゆっくり添加した。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:18.5μm)を400g添加後、撹拌した。その後90℃に昇温し、9時間その温度を維持した。所定時間反応後、40℃まで冷却し、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。
このケーキに純水を2リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を、洗浄液(ろ液)のpHが、4.0超えるまで実施した。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、280gの化学処理体を得た。その後、1Lフラスコに全量投入し、200℃にて2hr減圧乾燥を行った。
内容積13リットルの攪拌機の付いた金属製反応器に、上記で得た乾燥珪酸塩0.223kgと日石三菱社製ヘプタン(以下、ヘプタンという。)1.45リットルの混合物を導入し、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.04M)13.94リットルを加え、系内温度を25℃に維持した。1時間の反応後、ヘプタンにて十分に洗浄し、珪酸塩スラリーを2.0リットルに調製した。
(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム2.18g(3.00mmol)に、ヘプタンを0.86リットル加え、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)を10.6ミリリットル加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、ヘプタンを追加して5.6リットルに調整した。
続いて、温度40℃にて、プロピレンを111.8g/時間の速度で供給し、4時間予備重合を行った。さらに1時間、後重合した。
予備重合終了後、残モノマーをパージした後、触媒をヘプタンにて十分に洗浄した。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M)のヘプタン溶液84.6mL添加した後に、40℃で減圧乾燥を実施した。この操作により、乾燥した予備重合触媒0.68kgを得た。
内容積200リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これに、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液を470ml(0.12mol)、水素2.0NLを、さらにエチレン0.23kgを加え、30℃を維持した。その後、上記触媒成分1.11gをアルゴンで圧入し、40分かけて70℃まで昇温し、2時間重合を行った。
その後、エタノール100mlを圧入して、反応を停止し、残ガスをパージし、生成物を乾燥して、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のパウダー20kgを得た。
得られたエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、MFR=5.0g/10分、Tm=145℃、Q値=2.60であった。
本発明の構成を有する深絞り容器は、剛性、透明性および光沢に優れた深絞り容器であることが解る。
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)重合時の水素供給量を4.2NLおよびエチレン供給量を0.68kgに調整し得た、表2記載の物性を有するエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例1は、用いるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のMFRが本発明の範囲を超えているため、シート(C)が成形不能であった。押出されたシート(C)の断辺のMFRと溶融張力を測定したところ、いずれも本発明の範囲を外れるものであり、シートが得られていたとしても、深絞り成形性の劣るものであった。
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)重合時の水素供給量を4.2NLおよびエチレン供給量を7.0kgに調整し得た、表2記載の物性を有するエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例2は、用いるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の融点が本発明の範囲(下限)を超えているため、シート(C)の剛性が不足し、得られる深絞り容器は、剛性および耐熱性の劣るものであった。
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)重合時の水素供給量を2.1NLに調整し得た、表2記載の物性を有するエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例3は、用いるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の融点が本発明の範囲の上限を超えているため、得られる深絞り容器のグロスが不足し、また、深絞り成形可能温度幅も狭いものであった。
実施例1のプロピレン系重合体(B)に、日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP MA3(MFR=11.0g/10分、Tm=165℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例4は、用いるプロピレン系重合体(B)のMFRが本発明の範囲の上限を超えているため、シート(C)が成形不能であった。押出されたシート(C)の断辺の溶融張力を測定したところ、本発明の範囲を外れるものであり、シート(C)が成形できたとしても、深絞り成形性が劣るものであった。
実施例1のプロピレン系重合体(B)に、日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP EA7DBT(MFR=1.0g/10分、Tm=155℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例5は、用いるプロピレン系重合体(B)の融点が本発明の範囲を下回っているため、シート(C)の曲げ弾性率が不足し、得られる深絞り容器は、剛性の乏しいものであった。また、深絞り成形可能温度幅も狭いものであった。
実施例1のエチレン−プロピレン重合体(A)とプロピレン系重合体(B)の比率を変えた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例6は、用いるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の配合割合が本発明の範囲の下限を下回っていたため、シート(C)のヘイズが不足し、得られる深絞り容器は、視認性の乏しいものであった。
実施例1のプロピレン系重合体(B)を配合しなかった以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例7は、プロピレン系重合体(B)が配合されていないため、シート(C)の曲げ弾性率が不足し、深絞り成形可能温度幅の狭いものであった。
実施例1のエチレン−プロピレン共重合体(A)に、日本ポリプロ(株)社製商品名ノバテックPP EG6F(MFR=2.0g/10分、Tm=145℃、Q値=3.5:チーグラー触媒仕様)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価、成形を行った。その結果を表2に示す。
比較例8は、用いるエチレン−プロピレン共重合体(A)がメタロセン触媒によって得られたものではなかったため、得られる深絞り容器のヘイズが高く、グロスが不足し、透明性が悪く、光沢の乏しいものとなった。
Claims (3)
- メタロセン触媒を用いて得られたメルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.5〜7g/10分、融点が135〜150℃およびMw/Mnが2.5〜4.0であるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)50〜90重量%と、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.5〜10g/10分および融点が160℃以上であるプロピレン系重合体(B)50〜10重量%とからなる、メルトフローレート(MFR)(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.5〜5g/10分、溶融張力が3.0g以上、ヘイズ値が30%以下、グロス値が100%以上および曲げ弾性率が2000MPa以上であるシート(C)を、熱成形することにより得られ、且つ、ヘイズ値が1.5%以下及びグロス値が140%以上であることを特徴とする深さ/口径が1倍以上である深絞り容器。
- シート(C)の深絞り成形可能温度幅が10℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の深絞り容器。
- メタロセン触媒は、ハフニウムとシクロペンタジエニル基またはシクロペンタジエニル誘導体基との錯体を使用した触媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の深絞り容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006321411A JP4857093B2 (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 深絞り容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006321411A JP4857093B2 (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 深絞り容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008133020A JP2008133020A (ja) | 2008-06-12 |
JP4857093B2 true JP4857093B2 (ja) | 2012-01-18 |
Family
ID=39558151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006321411A Active JP4857093B2 (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 深絞り容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4857093B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5604807B2 (ja) | 2008-05-21 | 2014-10-15 | 日産自動車株式会社 | 燃料ホース |
US8378045B2 (en) * | 2008-12-31 | 2013-02-19 | Dow Global Technologies Llc | Thermoformed article with high stiffness and good optics |
BRPI0918706B1 (pt) | 2008-12-31 | 2019-10-29 | Dow Global Technologies Llc | processo de polimerização, composição de propileno/a-olefina e artigo |
JP5651329B2 (ja) * | 2009-12-15 | 2015-01-14 | 日本ポリプロ株式会社 | 熱成形容器 |
JP5915592B2 (ja) * | 2012-06-05 | 2016-05-11 | 日本ポリプロ株式会社 | 熱成形体及びその製造方法並びに加熱処理方法 |
JP5915593B2 (ja) * | 2012-06-05 | 2016-05-11 | 日本ポリプロ株式会社 | 熱成形体及びその製造方法並びに加熱処理方法 |
JP5928323B2 (ja) * | 2012-12-17 | 2016-06-01 | 日本ポリプロ株式会社 | ポリプロピレン系樹脂成形品 |
JP2015203065A (ja) * | 2014-04-14 | 2015-11-16 | 日本ポリプロ株式会社 | プロピレン系樹脂組成物からなる熱成形体 |
JP6492909B2 (ja) * | 2014-06-02 | 2019-04-03 | 日本ポリプロ株式会社 | 深絞り容器 |
JP6365084B2 (ja) * | 2014-08-04 | 2018-08-01 | 日本ポリプロ株式会社 | プロピレン系重合体組成物及びそれを用いた熱成形体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003668A (ja) * | 2000-06-26 | 2002-01-09 | Chisso Corp | 熱成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた成形体 |
JP3772769B2 (ja) * | 2002-03-15 | 2006-05-10 | 三井化学株式会社 | ポリプロピレン樹脂組成物および延伸ブロー容器 |
JP2003286377A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-10 | Mitsui Chemicals Inc | ポリプロピレン樹脂組成物および延伸ブロー容器 |
JP2004176061A (ja) * | 2002-11-14 | 2004-06-24 | Japan Polypropylene Corp | プロピレン樹脂組成物の製造方法 |
-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006321411A patent/JP4857093B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008133020A (ja) | 2008-06-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4857093B2 (ja) | 深絞り容器 | |
JP5845756B2 (ja) | プロピレン系樹脂シートおよびそれを用いた加熱処理用包装体 | |
JP4156491B2 (ja) | プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体 | |
JP2009120797A (ja) | 押出しシートおよびそれからなる包装製品 | |
JP5135190B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびそれを用いた多層シート | |
JP2009209348A (ja) | ポリプロピレン系包装用フィルム | |
JP5487024B2 (ja) | プロピレン系樹脂多層シートおよびそれを用いた加熱処理用包装体 | |
JP2011098762A (ja) | 保存用嵌合容器部材 | |
JP4156492B2 (ja) | プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体及びその製造方法 | |
JP4928742B2 (ja) | ポリプロピレン系二軸延伸ブロー成形体 | |
JP5509008B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびその成形品 | |
JP2006188562A (ja) | プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体による樹脂組成物及びそれを用いた積層材料 | |
JP2011219519A (ja) | プロピレン系樹脂シート | |
JP5577137B2 (ja) | プロピレン系樹脂フィルムの製造方法 | |
JP5489166B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物を空冷インフレーション法に用いる方法およびそれより得られるフィルム | |
JP4359517B2 (ja) | プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体樹脂組成物 | |
JP4892392B2 (ja) | 低光沢容器 | |
JP2010240933A (ja) | プロピレン系表面保護用フィルム | |
JP2013208166A (ja) | 医療用チューブ | |
JP2009096846A (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびそれを用いてなる成形体 | |
JP5880153B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム | |
JP6492909B2 (ja) | 深絞り容器 | |
JP2012006251A (ja) | プロピレン系樹脂多層シートおよびそれを用いた加熱処理用包装体 | |
JP2012006249A (ja) | プロピレン系樹脂多層シートおよびそれを用いた加熱処理用包装体 | |
JP2006307060A (ja) | 空冷インフレーション成形ポリプロピレン系フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090911 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111011 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111031 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4857093 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |