JP5147283B2 - ポリプロピレン系発泡延伸フィルム - Google Patents

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本発明は、ポリプロピレン系発泡延伸フィルムに関し、詳しくは均一微細な発泡セルよりなり、断熱性、外観、リサイクル性に優れ、真珠様光沢を有したポリプロピレン系発泡延伸フィルムに関する。
ポリスチレン系樹脂に替わるガラス瓶、金属缶、プラスチック瓶等の熱収縮ラベルあるいは衛生用品、化粧品等の個包装にプロピレン系樹脂の提案がなされているが、プロピレン系樹脂は、一般的に結晶性が高いこと、押出時の溶融粘度が調整し難いことから、均一微細発泡セルが得難く、特に薄膜発泡体の場合、発泡セル径が不均一なため良好な製品が得られない。そのため、プロピレン系樹脂のみで発泡フィルム、特に延伸することを目的とする発泡フィルムを得ることは困難とされていた。
プロピレン系樹脂を用いる発泡フィルムの検討としては、発泡セルの均一微細化の手法として他樹脂成分(ポリエチレン、エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)を添加することによっての提案が種々なされている(例えば、特許文献1、2参照。)ものの、他樹脂成分添加においても高度に均一な微細発泡セルが得られない。そのため、1軸延伸あるいは2軸延伸を行った際、発泡セルの破壊による外観不良あるいは穴明きが生じる等の問題が発生する。
また、均一微細発泡セルを得るために、プロピレン系樹脂に対し電子線放射による自由末端長鎖分岐を持たせるという極めて特殊なプロピレン系樹脂を得る提案もなされている(例えば、特許文献3、4参照。)。この様なプロピレン系樹脂は、独立気泡率および外観等に優れた低密度の発泡体が得られる。
しかしながら、この様なプロピレン系樹脂は、特殊な改質工程を経ているため、経済性が悪く、その上、得られる発泡体は架橋しているために、再び溶融混練りするとゲルが多量に発生し、リサイクル使用は困難であるという欠点を持っている。
特開昭59−176335号公報 特開平1−286834号公報 特開昭62−121704号公報 特開平2−69533号公報
本発明の目的は、上記問題点を鑑み、均一微細発泡セルを有し、延伸することによっても発泡セルの破壊がなく、外観に優れ、真珠様光沢を有し、リサイクル性に優れた無架橋タイプのポリプロピレン系発泡延伸フィルムを提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のプロピレン−エチレンブロック共重合体に特定量の発泡剤を配合したプロピレン系樹脂組成物より得られる発泡未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸させることよって、前記の優れた性能を有するポリプロピレン系発泡延伸フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記条件(i)〜(v)を満たすプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対し、発泡剤を0.05〜6.0重量部配合したポリプロピレン系樹脂組成物より得られる未延伸シートもしくは未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸させることよって得られるポリプロピレン系発泡延伸フィルムが提供される。
(i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でプロピレン単独又はエチレン含量7重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を30〜95重量%、第2工程で成分(A)よりも3〜20重量%多くのエチレンを含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を70〜5重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体であること
(ii)メルトフローレート(MFR:230℃ 2.16kg)が0.5〜10g/10分の範囲にあること
(iii)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が110〜150℃の範囲にあること
(iv)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4の範囲にあること
(v)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において、tanδ曲線が0℃以下に単一のピークを有すること
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、平均気泡径が1000μm以下であることを特徴とするポリプロピレン系発泡延伸フィルムが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、少なくとも片面に無発泡層を有することを特徴とするポリプロピレン系発泡延伸フィルムが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、発泡倍率が1.1〜3倍であることを特徴とするポリプロピレン系発泡延伸フィルムが提供される。
本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、特定のプロピレン−エチレンブロック共重合体に発泡剤を配合したポリプロピレン系樹脂組成物より得られる発泡未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸させたものであるので、均一微細な発泡セルおよび真珠様光沢を有した外観に優れたものである。
本発明は、プロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対し、発泡剤を0.05〜6.0重量部配合したポリプロピレン系樹脂組成物より得られる発泡未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸させることよって得られるポリプロピレン系発泡延伸フィルムである。以下に、ポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分、発泡剤、延伸等について詳細に説明する。
[1]ポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分
1.プロピレン−エチレンブロック共重合体
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、プロピレン単独重合体又はプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)(以下、成分(A)という。)と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)(以下、成分(B)という。)から構成され、下記条件(i)〜(v)を満たすものである。
なお、ここでいうプロピレン−エチレンブロック共重合体とは、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)(以下、成分(A)という。)と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)(以下、成分(B)という。)より構成される通称でのブロック共重合体であり、必ずしも成分(A)と成分(B)とが完全にブロック状に結合されたものでなくても良い。
(i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でプロピレン単独又はエチレン含量7重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を30〜95重量%、第2工程で成分(A)よりも3〜20重量%多くのエチレンを含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を70〜5重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体であること
(ii)メルトフローレート(MFR:230℃ 2.16kg)が0.5〜10g/10minの範囲にあること
(iii)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が110〜150℃の範囲にあること
(iv)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4の範囲にあること
(v)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において、tanδ曲線が0℃以下に単一のピークを有する。
以下に上記条件について説明する。
(1)成分(A)中のエチレン含量([E]A)
第1工程で製造される成分(A)は、フィルムのべたつきを抑制し、耐熱性を発現するために、融点が比較的高く、結晶性を有するプロピレン単独重合体、もしくはエチレン含量([E]A)が7重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体である必要がある。[E]Aは、7重量%以下である必要があり、5重量%以下が好ましく、3重量%以下が更に好ましい。[E]Aが7重量%を超えると融点が低くなりすぎ、フィルムの耐熱性を悪化させる恐れがある。
(2)成分(B)中のエチレン含量([E]B)
第2工程で製造される成分(B)は、プロピレン−エチレンブロック共重合体中でゴム弾性成分の役割を有し、発泡時のセル径を微細化するために必要な成分である。
成分(B)のエチレン含量([E]B)は、上記効果を十分に発揮するために、成分(A)のエチレン含量との差[E]B−[E]A([E]gap)によって規定される。[E]gapは、3〜20重量%の範囲であることが必要であり、好ましくは6〜18重量%、更に好ましくは8〜16重量%である。
[E]gapが、3重量%未満の場合、発泡時のセル径を微細化するためのゴム弾性が不足し好ましくない。また、20重量%を超えると第1工程で製造される成分(A)との相溶性が悪くなるため、発泡時のセル径が粗くなり好ましくない。
(3)成分(A)および成分(B)の割合
プロピレン−エチレンブロック共重合体を構成する成分(A)の割合(W(A))および成分(B)の割合(W(B))の含有量比は、W(A)が30〜95重量%であり、W(B)が70〜5重量%の範囲にある必要があり、好ましくは、W(A)の割合が40〜90重量%、更に好ましくは50〜80重量%の範囲である。
W(A)の割合が30重量%未満であると、フィルムのべたつき発生、かつ耐熱性が低下する恐れがある。他方、W(A)の割合が95重量%を超えるとゴム弾性が不十分となり発泡セルの微細化が出来ない恐れがある。
(4)[E]Aと[E]B及びW(A)とW(B)の測定
[E]Aと[E]B及びW(A)とW(B)の測定は、製造時の物質収支(マテリアルバランス)によって特定することも可能であるが、より正確にこれらを特定するためには、以下の分析を用いることが望ましい。
(i)温度昇温溶離分別(TREF)によるW(A)とW(B)の特定
プロピレン−エチレンランダム共重合体の結晶性分布をTREFにより評価する手法は、当該業者によく知られるものであり、例えば、次の文献などで詳細な測定法が示されている。
G.Glockner,J.Appl.Polym.Sci.:Appl.Polym.Symp.;45,1−24(1990)
L.Wild,Adv.Polym.Sci.;98,1−47(1990)
J.B.P.Soares,A.E.Hamielec,Polymer;36,
8,1639−1654(1995)
本発明におけるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、成分(A)と(B)の各々の結晶性に大きな違いがあり、また、メタロセン触媒を用いて製造されることで各々の結晶性分布が狭くなっていることから双方の中間的な成分は極めて少なく、双方をTREFにより精度良く判別することが可能である。
具体的な方法を図1のTREFによる溶出量及び溶出量積算を示す図を用いて説明する。TREF溶出曲線(温度に対する溶出量のプロット)において、成分(A)と(B)は結晶性の違いにより各々T(A)とT(B)にその溶出ピークを示し、その差は十分大きいため、中間の温度T(C)(={T(A)+T(B)}/2)においてほぼ分離が可能である。
また、TREF測定温度の下限は、本測定に用いた装置では−15℃であるが、成分(B)の結晶性が非常に低いあるいは非晶性成分の場合には本測定方法において、測定温度範囲内にピークを示さない場合がある。(この場合には、測定温度下限(すなわち−15℃)において溶媒に溶解した成分(B)の濃度は検出される。)
このとき、T(B)は測定温度下限以下に存在するものと考えられるが、その値を測定することが出来ないため、このような場合にはT(B)を測定温度下限である−15℃と定義する。
ここで、T(C)までに溶出する成分の積算量をW(B)重量%、T(C)以上で溶出する部分の積算量をW(A)重量%と定義すると、W(B)は結晶性が低いあるいは非晶性の成分(B)の量とほとんど対応しており、T(C)以上で溶出する成分の積算量W(A)は結晶性が比較的高い成分(A)の量とほぼ対応している。TREFによって得られる溶出量曲線と、そこから求められる上記の各種の温度や量の算出の方法は図1に例示するように行う。
(ii)TREF測定方法
本発明においては、TREFの測定は具体的には以下のように測定を行う。
試料を140℃でo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mL BHT入り)に溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で−15℃まで冷却し、60分間保持する。その後、溶媒であるo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLBHT入り)を1mL/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で−15℃のo−ジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。
(iii)各成分中のエチレン含量[E]Aと[E]Bの特定
(イ)成分(A)と成分(B)の分離
上述のTREF測定により求めたT(C)を基に、分取型分別装置を用い昇温カラム分別法により、T(C)にける可溶成分(B)とT(C)における不溶成分(A)とに分別し、NMRにより各成分のエチレン含量を求める。
昇温カラム分別法とは、例えば、Macromolecules、21 314〜319(1988)に開示されたような測定方法をいう。具体的には、本発明において以下の方法を用いる。
(ロ)分別条件
直径50mm、高さ500mmの円筒状カラムにガラスビーズ担体(80〜100メッシュ)を充填し、140℃に保持する。次に、140℃で溶解したサンプルのo−ジクロロベンゼン溶液(10mg/mL)200mLを前記カラムに導入する。その後、該カラムの温度を0℃まで10℃/時間の降温速度で冷却する。0℃で1時間保持後、10℃/時間の昇温速度でカラム温度をT(C)まで加熱し、1時間保持する。なお、一連の操作を通じてのカラムの温度制御精度は±1℃とする。
次いで、カラム温度をT(C)に保持したまま、T(C)のo−ジクロロベンゼンを20mL/分の流速で800mL流すことにより、カラム内に存在するT(C)で可溶な成分を溶出させ回収する。
次いで10℃/分の昇温速度で当該カラム温度を140℃まで上げ、140℃で1時間静置後、140℃の溶媒(o−ジクロロベンゼン)を20mL/分の流速で800mL流すことにより、T(C)で不溶な成分を溶出させ回収する。
分別によって得られたポリマーを含む溶液は、エバポレーターを用いて20mLまで濃縮された後、5倍量のメタノール中に析出される。析出ポリマーをろ過して回収後、真空乾燥器により一晩乾燥する。
(ハ)13C−NMRによるエチレン含量の測定
上記分別により得られた成分(A)と(B)それぞれについてのエチレン含有量はプロトン完全デカップリング法により以下の条件に従って測定した13C−NMRスペクトルを解析することにより求める。
機種:日本電子(株)製 GSX−400または、同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上)
溶媒:o−ジクロロベンゼン/重ベンゼン=4/1(体積比)
濃度:100mg/mL
温度:130℃
パルス角:90°
パルス間隔: 15秒
積算回数:5,000回以上
スペクトルの帰属は、例えばMacromolecules,17 1950(1984)等を参考に行えばよい。
上記条件により測定されたスペクトルの帰属は下表1の通りである。表1中Sαα等の記号はCarmanら(Macromolecules,10 536(1977))の表記法に従い、Pはメチル炭素、Sはメチレン炭素、Tはメチン炭素をそれぞれ表わす。
Figure 0005147283
以下、「P」を共重合体連鎖中のプロピレン単位、「E」をエチレン単位とすると、連鎖中にはPPP、PPE、EPE、PEP、PEE、およびEEEの6種類のトリアッドが存在し得る。Macromolecules,15 1150 (1982)などに記されているように、これらトリアッドの濃度と、スペクトルのピーク強度とは、以下の(1)〜(6)の関係式で結び付けられる。
[PPP]=k×I(Tββ) …(1)
[PPE]=k×I(Tβδ) …(2)
[EPE]=k×I(Tδδ) …(3)
[PEP]=k×I(Sββ) …(4)
[PEE]=k×I(Sβδ) …(5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4} … (6)
ここで[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。従って、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE]=1
…(7)
である。
また、k は定数であり、Iはスペクトル強度を示し、例えばI(Tββ)は、Tββに帰属される28.7ppmのピークの強度を意味する。
上記(1)〜(7)の関係式を用いることにより、各トリアッドの分率が求まり、さらに下式によりエチレン含有量が求まる。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])×100
なお、本発明のプロピレンランダム共重合体には少量のプロピレン異種結合(2,1−結合及び/または1,3−結合)が含まれ、それにより、以下の微小なピークを生じる。
Figure 0005147283
正確なエチレン含有量を求めるにはこれら異種結合に由来するピークも考慮して計算に含める必要があるが、異種結合由来のピークの完全な分離・同定が困難であり、また異種結合量が少量であることから、本願発明のエチレン含有量は実質的に異種結合を含まないチーグラー触媒で製造された共重合体の解析と同じく(1)〜(7)の関係式を用いて求めることとする。
エチレン含有量のモル%から重量%への換算は以下の式を用いて行う
エチレン含有量(重量%)=(28×X/100)/{28×X/100+42×(1−X/100)}×100
ここでXはモル%表示でのエチレン含有量である。
また、プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のエチレン含量[E]Wは、上記より測定された成分(A)と(B)それぞれのエチレン含量[E]Aと[E]B及びTREFより算出される各成分の重量比率W(A)とW(B)重量%から以下の式により算出される。
[E]W={[E]A×W(A)+[E]B×W(B)/100 (重量%)
(2)メルトフローレート(MFR)
本発明で使用されるプロピレン−エチレンブロック共重合のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜10g/10分であり、好ましくは1〜8g/10分、更に好ましくは2〜5g/10分である。MFRが0.5g/10分未満では溶融樹脂の粘度が高くなり、発泡セルが形成し難いため発泡倍率が上がらず、10g/10分を超えると溶融樹脂の粘度が低くなり、発泡セル径の微細化が難しくなり、かつ過熱延伸時にドローダウンが大きくなるため好ましくない。
ここで、MFRは、JIS K7210に準拠し、加熱温度230℃、荷重21.2Nで測定する値である。
(3)融解ピーク温度(Tm)
本発明で使用されるプロピレン−エチレンブロック共重合の示差走査熱量計(DSC)により測定された融解ピーク温度(Tm)は、110〜150℃の範囲である必要があり、120〜140℃であるのが好ましい。Tmが110℃未満のものは溶融されたプロピレン系樹脂の冷却固化速度が遅く、発泡セル径の調整が困難となる恐れがあるため好ましくなく、150℃を超えると押出時の負荷・圧力が大きくなり、押出温度が下げられなくなり、発泡セル径を微細化するのに支障がでる恐れがあるため好ましくない。Tmを調整するには重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御することにより容易に調整することができる。
ここで、Tmの具体的測定は、示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル量5mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピーク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
本発明で使用されるプロピレン−エチレンブロック共重合のゲルパーミエーション(GPC)法により測定された分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜4の範囲である必要があり、1.8以上3未満であるのが好ましい。Mw/Mnが1.5未満のものは現在の重合技術では得難く、4を超えるとポリマー中の粘度が不均一となり、発泡セル径の均一化が困難となる恐れがあるため好ましくない。プロピレン系樹脂の分子量分布を調整する方法は、好ましくは2種以上のメタロセン触媒成分の併用した触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用した触媒系を用いて重合する、または重合時に2段以上の多段重合を行うことにより制御することができる。逆に分子量分布を狭く調整するためには、プロピレン系重合体を重合後、有機過酸化物を使用し溶融混練することにより調整することができる。
ここで、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の比率(Mw/Mn)で求められ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定して得られるものとする。
保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。 F380,F288,F128,F80,F40,F20,F10,F4,F1,A5000,A2500,A1000
各々が0.5mg/mlとなるようにo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mlのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2ml注入して較正曲線を作成する。
較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する、粘度式の[η]=K×Mα は以下の数値を用いる。
PS : K=1.38×10−4 α=0.7
PP : K=1.03×10−4 α=0.78
なお、GPCの測定条件は、以下の通りである。
装置:WATERS社製 GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製 MIRAN 1A IR検出器(測定波長 :3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/min
注入量:0.2ml
試料の調製:試料はo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mlのBHTを含む)を用いて1mg/mlの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
(5)tanδ曲線のピークによる規定
本発明においては、フィルムの相溶性を良好に保ち、発泡セル径を微細に維持するために、使用するプロピレン−エチレンブロック共重合体を構成する成分(A)と成分(B)とが相分離していないことが必要である。相分離の条件は、エチレン含量のみならず、分子量や組成によっても影響を受けるため、上記のエチレン含量に関する規定に加えて、固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、tanδ曲線のピークに関する規定が必要となる。
プロピレン−エチレンブロック共重合体が相分離構造を取る場合には、成分(A)に含まれる非晶部のガラス転移温度と成分(B)に含まれる非晶部のガラス転移温度が各々異なるため、ピークは複数となる。逆に相溶性である場合には、両成分は分子のオーダーで混合しており、両成分のガラス転移温度の中間的な温度に単一のピークを有する。すなわち、相分離構造を取っているかどうかは、固体粘弾性測定における温度−tanδ曲線において判別可能であり、発泡セル径を微細に維持するためには、tanδ曲線が0℃以下に単一のピークを有することが必要である。
固体粘弾性測定とは、具体的には、短冊状の試料片に特定周波数の正弦歪みを与え、発生する応力を検知することで行う。ここでは、周波数は1Hzを用い測定温度は−60℃から段階状に昇温し、サンプルが融解して測定不能になるまで行う。また、歪みの大きさは0.1〜0.5%程度が推奨される。得られた応力から、公知の方法によって貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”を求め、これの比で定義される損失正接(=損失弾性率/貯蔵弾性率)を温度に対してプロットすると0℃以下の温度領域で鋭いピークを示す。一般に0℃以下でのtanδ曲線のピークは非晶部のガラス転移を観測するものであり、ここでは本ピーク温度をガラス転移温度Tg(℃)として定義する。
(6)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法
(i)メタロセン系触媒
本発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する方法は、メタロセン系触媒の使用を必須とするものである。
プロピレン−エチレンランダム共重合体において分子量及び結晶性分布が広いとベタツキやブリードアウトが悪化することは当該業者に広く知られるところであるが、本願発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体においても、ベタツキ及びブリードアウトを抑制するために、分子量及び結晶性分布が狭くなるメタロセン系触媒を用いて重合されることが必要である。
メタロセン系触媒の種類は、本発明の性能を有する共重合体を生成できる限りは、特に限定はされるものではないが、本発明の要件を満たすために、例えば、下記に示すような成分(a)、(b)、及び必要に応じて使用する成分(c)からなるメタロセン系触媒を用いることが好ましい。
成分(a):下記の一般式で表される遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種のメタロセン遷移金属化合物
成分(b):下記(b−1)〜(b−4)から選ばれる少なくとも1種の固体成 分
(b−1)有機アルミオキシ化合物が担持された微粒子状担体、
(b−2)成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸が担持された微粒子状担体
(b−3)固体酸微粒子
(b−4)イオン交換性層状珪酸塩、
成分(c):有機アルミニウム化合物。
(a)成分
成分(a)としては、下記一般式で表される遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種のメタロセン遷移金属化合物を使用することができる。
Q(C−aR)(C−bR)MeXY
[ここで、Qは2つの共役五員環配位子を架橋する2価の結合性基を示し、Meはチタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる金属原子を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示し、XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち同一でも異なっていてもよい。R、Rは水素、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、又は、リン含有炭化水素基を示す。a 及びb は置換基の数である。]
詳しくは、Qは2つの共役五員環配位子を架橋する2価の結合性基を表し、例えば、2価の炭化水素基、シリレン基ないしオリゴシリレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基あるいはオリゴシリレン基、又は炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基などが例示される。この中でも好ましいものは2価の炭化水素基と炭化水素基を置換基として有するシリレン基である。
X及びYは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示し、このうちで好ましいものとしては、水素、塩素、メチル、イソブチル、フェニル、ジメチルアミド、ジエチルアミド基などを例示することができる。X及びYは、それぞれ独立に、すなわち同一でも異なっていてもよい。
とRは、水素、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、又は、リン含有炭化水素基を表す。炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基などが例示される。また、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、又は、リン含有炭化水素基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホウ素基などを典型的な例として例示できる。これらの中で、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であることが特に好ましい。ところで、隣接したRとRは、結合して環を形成してもよく、この環上に炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、又は、リン含有炭化水素基からなる置換基を有していてもよい。
Meは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの中から選ばれる金属原子であり、好ましくはジルコニウム、ハフニウムである。
以上において記載した成分(a)の中で、本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体の製造に好ましいものは、炭化水素置換基を有するシリレン基、ゲルミレン基あるいはアルキレン基で架橋された置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換フルオレニル基、置換アズレニル基を有する配位子からなる遷移金属化合物であり、特に好ましくは、炭化水素置換基を有するシリレン基、あるいはゲルミレン基で架橋された2,4−位置換インデニル基、2,4−位置換アズレニル基を有する配位子からなる遷移金属化合物である。
非限定的な具体例としては、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−イソプロピル−4−(3,5−ジイソプロピルフェニル)インデニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−プロピル−4−フェナントリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)アズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−イソプロピル−4−フェニルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロビフェニル)アズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−クロロフェニル)アズレニル}ジルコニウムジクロリドなどがあげられる。これらの具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物も好適な化合物として例示される。なお、触媒成分は本願発明の重要要素ではないので、煩雑な列記を避け、代表的な例示に限定しているが、これにより本願発明の有効範囲が制限されることが無いのは自明のことである。
(b)成分
成分(b)としては、上述した成分(b−1)〜成分(b−4)から選ばれる少なくとも1種の固体成分を使用する。これらの各成分は公知のものであり、公知技術の中から適宜選択して使用することができる。その具体的な例示や製造方法については、特開2002−284808公報、特開2002−53609号公報、特開2002−69116号公報、特開2003−105015号公報などに詳細な例示がある。
ここで、成分(b−1)、成分(b−2)に用いられる微粒子状担体としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグネシアなどの無機酸化物、塩化マグネシウム、オキシ塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化ランタンなどの無機ハロゲン化物、さらには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンジビニルベンセン共重合体、アクリル酸系共重合体などの多孔質の有機担体を挙げることができる。
また、成分(B)の非限定的な具体例としては、成分(b−1)として、メチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン、ブチルボロン酸アルミニウムテトライソブチルなどが担持された微粒子状担体を、成分(b−2)として、トリフェニルボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが担持された微粒子状担体を、成分(b−3)として、アルミナ、シリカアルミナ、塩化マグネシウムなどを、成分(b−4)として、モンモリロナイト、ザコウナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライトなどのスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族などが挙げられる。これらは、混合層を形成しているものでもよい。
上記成分(b)の中で特に好ましいものは、成分(b−4)のイオン交換性層状珪酸塩であり、さらに好ましい物は、酸処理、アルカリ処理、塩処理、有機物処理などの化学処理が施されたイオン交換性層状珪酸塩である。
(c)成分
必要に応じて成分(c)として用いられる有機アルミニウム化合物の例は、下記一般式で示される化合物が好ましい。
AlR3−a
(式中、Rは、炭素数1から20の炭化水素基、Pは水素、ハロゲン、アルコキシ基、aは0<a≦3の数)
具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム又はジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウムである。またこの他に、メチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類なども使用できる。これらのうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
(ii)触媒の形成
成分(a)と成分(b)および必要に応じて成分(c)を接触させて触媒とする。その接触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。
(イ)成分(a)と成分(b)を接触させる
(ロ)成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(c)を添加する
(ハ)成分(a)と成分(c)を接触させた後に成分(b)を添加する
(ニ)成分(b)と成分(c)を接触させた後に成分(a)を添加する
その他、三成分を同時に接触させてもよい。
本発明で使用する成分(a)と(b)及び(c)の使用量は任意である。例えば、成分(b)に対する成分(a)の使用量は、成分(b)1gに対して、好ましくは0.1μmol〜1,000μmol、特に好ましくは0.5μmol〜500μmolの範囲である。成分(b)に対する成分(c)の使用量は、成分(b)1gに対し、好ましくは遷移金属の量が0.001〜100μmol、特に好ましくは0.005〜50μmolの範囲である。したがって、成分(a)に対する成分(c)の量は、遷移金属のモル比で、好ましくは10−5〜50、特に好ましくは10−4〜5の範囲内である。
本発明で使用される触媒は、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。予備重合温度と時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分(b)に対し、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行うことも可能である。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
(iii)重合方法
(イ)逐次重合
本発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するに際しては、成分(A)と成分(B)を逐次重合することが必要である。
プロピレン−エチレン共重合体が単にプロピレンにエチレンを共重合させたランダム共重合体のときには、エチレン含量が少ない場合には柔軟性と透明性が十分でなく、柔軟性と透明性を向上させるためにエチレン含量を増加させると耐熱性が悪化し、これらの全てを満たすことは困難である。
そこで、本発明においてプロピレン−エチレンブロック共重合体は、第1工程と第2工程でエチレン含量が異なる成分を逐次重合したブロック共重合体であることが透明性と柔軟性、耐熱性全てをバランスさせるために必要である。
また、本発明では、成分(B)として分子量が低く単独ではべたつきやすい共重合体を用いる場合があるので、反応器への付着等の問題を防止するために、成分(A)を重合した後で成分(B)を重合する方法を用いることが必要である。
逐次重合を行う際には、バッチ法と連続法のいずれを用いることも可能であるが、一般的には生産性の観点から連続法を用いることが望ましい。
バッチ法の場合には時間と共に重合条件を変化させることにより単一の反応器を用いて成分(A)と成分(B)を個別に重合することが可能である。本願発明の効果を阻害しない限り、複数の反応器を並列に接続して用いても良い。
連続法の場合には成分(A)と成分(B)を個別に重合する必要から2個以上の反応器を直列に接続した製造設備を用いる必要があるが、本願発明の効果を阻害しない限り成分(A)と成分(B)のそれぞれについて複数の反応器を直列及び/又は並列に接続して用いても良い。
(ロ)重合プロセス
重合プロセスは、スラリー法、バルク法、気相法など任意の重合方法を用いることができる。バルク法と気相法の中間的な条件として超臨界条件を用いることも可能であるが、実質的には気相法と同等であるため、特に区別することなく気相法に含める。
成分(B)は炭化水素等の有機溶媒や液化プロピレンに溶けやすいため、成分(B)の製造に際しては気相法を用いることが望ましい。
成分(A)の製造に対してはどのプロセスを用いても特に問題はないが、比較的結晶性の低い成分(A)を製造する場合には、付着等の問題を避けるために気相法を用いることが望ましい。
従って、連続法を用いて、まず成分(A)をバルク法もしくは気相法にて重合し、引き続き成分(B)を気相法にて重合することが最も望ましい。
(ハ)その他の重合条件
重合温度は、通常用いられている温度範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0℃〜200℃、より好ましくは40℃〜100℃の範囲を用いることができる。
重合圧力は、選択するプロセスによって差異が生じるが、通常用いられている圧力範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0より大きく200MPaまで、より好ましくは0.1MPa〜50MPaの範囲を用いることができる。この際窒素などの不活性ガスを共存させてもよい。
第1工程で成分(A)、第二工程で成分(B)の逐次重合を行う場合、第二工程にて系中に重合抑制剤を添加することが望ましい。プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する場合には、第二工程のエチレン−プロピレンランダム共重合を行う反応器に重合抑制剤を添加すると、得られるパウダーの粒子性状(流動性など)やゲルなどの製品品質を改良することができる。この手法については各種技術検討がなされており、一例として特公昭63−54296号、特開平7−25960号、特開2003−2939号などの公報を例示することができる。本発明にも当該手法を適用することが望ましい。
(vi)プロピレン−エチレンブロック共重合体の構成要素の制御方法
本発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体の各要素は、以下のように制御され、本発明の共重合体に必要とされる構成要件を満たすよう製造することができる。
(イ)成分(A)
成分(A)については、エチレン含量[E]AとT(A)を制御する必要がある。
本発明では、[E]Aを所定の範囲に制御するためには、第1工程における重合槽に供給するプロピレンとエチレンの量比を、適宜調整すればよい。供給比率と得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体中のエチレン含量の関係は、用いるメタロセン触媒の種類によって異なるが、供給比率の調整により必要とするエチレン含量[E]Aを有する成分(A)を製造することができる。
例えば、[E]Aを7重量%未満に制御する場合には、プロピレンに対するエチレンの供給重量比を0.3以下の範囲、好ましくは0.2以下の範囲とすればよい。
このとき、成分(A)は結晶性分布が狭く、T(A)は[E]Aの増加に伴い低下する。
そこで、T(A)が本発明の範囲を満たすようにするためには、[E]Aとこれらの関係を把握し、目標とする範囲を取るよう調整する。
(ロ)成分(B)
成分(B)については、エチレン含量[E]BとT(B)と[η]cxsを制御する必要がある。
本願発明では、[E]Bを所定の範囲に制御するためには、[E]Aと同様に、第二工程におけるプロピレンに対するエチレンの供給量比を制御すればよい。例えば、[E]Bを3〜27重量%に制御する場合には、プロピレンに対するエチレンの供給重量比を0.005〜6の範囲、好ましくは0.01〜3の範囲とすればよい。
このとき、成分(B)もエチレン含量の増加に伴い若干結晶性分布の増加が見られるものの、成分(A)と同様に、T(B)は[E]Bの増加に伴い低下する。
そこで、T(B)が本発明の範囲を満たすようにするためには、[E]BとT(B)との関係を把握し、[E]Bを所定の範囲になるように制御すればよい。
(ハ)W(A)とW(B)
成分(A)の量W(A)と成分(B)の量W(B)は、成分(A)を製造する第1工程の製造量と成分(B)の製造量の比を変化させることにより制御することができる。例えば、W(A)を増やしてW(B)を減らすためには、第1工程の製造量を維持したまま第二工程の製造量を減らせばよく、それは、第二工程の滞留時間を短くしたり、重合温度を下げたり、重合抑制剤の量を増やしたりすることにより容易に制御することができる。その逆も又同様である。
実際に条件を設定する際には、活性減衰を考慮する必要がある。すなわち、本願発明にて実施するエチレン含有量[E]A及び[E]Bの範囲においては、一般にエチレン含有量を高くするためにプロピレンに対するエチレン供給量比を高くすると重合活性が高くなり、同時に活性減衰が大きくなる傾向にある。したがって、第二工程の活性を維持するために第1工程の重合活性を抑制する必要があり、具体的には、 第1工程にてエチレン含有量[E]Aを下げ、生産量W(A)を下げ、必要に応じて、重合温度を下げる及び/又は重合時間(滞留時間)を短くする、あるいは第二工程にてエチレン含有量[E]Bを上げ、生産量W(B)を上げ、必要に応じて、重合温度を上げる及び/又は重合時間(滞留時間)を長くするような方法で条件を設定すればよい。
(ニ)ガラス転移温度Tg
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において求められるtanδ曲線がピークを示す温度であるガラス転移温度Tgが、0℃以下で単一のピークを持つ必要がある。Tgが単一のピークを持つためには、成分(A)中のエチレン含有量[E]Aと成分(B)中のエチレン含有量[E]Bの差の[E]gap(=[E]B−[E]A)を20重量%以下、好ましくは16重量%以下にし、実際の測定においてTgが単一のピークとなる範囲まで[E]gapを小さくすればよい。
成分(A)中のエチレン含有量[E]Aに応じて、成分(B)中のエチレン含量[E]Bを適正範囲に入るよう、成分(B)の重合時のプロピレンに対するエチレンの供給重量比を設定することで、所定の[E]gapを有するプロピレン−エチレンブロック共重合体を得ることができる。
また、本発明に用いられるような相分離構造を取らないプロピレン−エチレンブロック共重合体のTgは、成分(A)中のエチレン含有量[E]Aと成分(B)中のエチレン含有量[E]B、及び両成分の量比の影響を受ける。本発明においては、成分(B)の量は5〜70重量%であるが、この範囲においてTgは成分(B)中のエチレン含有量[E]Bの影響をより強く受ける。
すなわち、Tgは非晶部のガラス転移を反映するものであるが、本願発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体において、成分(A)は結晶性を持ち比較的非晶部が少ないのに対し、成分(B)は低結晶性あるいは非晶性であり、そのほとんどが非晶部であるためである。したがって、Tgの値は、ほぼ[E]Bによって制御され、[E]Bの制御法は前述したとおりである。
2.発泡剤
本発明で用いる発泡剤は、熱分解型化学発泡剤であり、公知のものであれば如何なるものでも良く、無機化合物、有機化合物のいずれの熱分解型化学発泡剤でも良い。
無機化合物の具体例としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が例示される。一方、有機化合物の具体例としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、イソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼンなどのアジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタテトラミン、N,N’−ジメチル−ジニトロテレフタルアミドなどのニトロソ化合物が例示される。なお、該発泡剤は、単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
本発明における発泡剤の配合量は、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対し、0.05〜6.0重量部の範囲であり、好ましくは0.05〜3.0重量部、より好ましくは0.5〜2.5重量部、更に好ましくは1.0〜2.0重量部である。6.0重量%より著しく多いと、過発泡となり発泡セルの均一微細化が困難となり、0.05重量%より著しく少ないと真珠様光沢が発現しないため好ましくない。
3.その他の配合剤
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂組成物には、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体、前記発泡剤の他に通常ポリオレフィンに使用する公知の酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤およびチオ系酸化防止剤などが例示でき、中和剤としてはステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩類が例示でき、光安定剤および紫外線吸収剤としてはヒンダードアミン類、ニッケル錯化合物、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類などが例示できる。
また、無機充填剤およびブロッキング防止剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどが例示でき、滑剤としてはステアリン酸アマイドなどの高級脂肪酸アマイド類が例示できる。
更に、帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸モノエステルなどの脂肪酸部分エステル類が例示でき、金属不活性剤としてはトリアジン類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類などが例示できる。
[2]ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂組成物は、パウダー状もしくはペレット状の前記プロピレン−エチレンブロック共重合体、発泡剤および必要に応じて用いるその他の配合剤をドライブレンド、ヘンシェルミキサー等で混合する方法を挙げることができる。状況に応じて、発泡剤のみ、ポリプロピレン系発泡延伸フィルムの製造時に別フィードしても良い。
[3]ポリプロピレン系発泡延伸フィルム
本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂組成物を公知の押出機に供給して溶融し、冷却固化した未延伸シートを、少なくとも1方向に延伸して製造される。
未延伸シートの製造は、公知の方法を用いることができ、例えば、Tダイから溶融押出した樹脂を冷却ロールに巻き付ける方法や、円形ダイスから溶融押出した樹脂を空冷もしくは水冷により冷却固化方法が挙げられる。
延伸方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、チューブラー法、テンター式延伸法、ロール間の速度差を利用したロール延伸法、パンタグラフ式バッチ延伸法などが挙げられる。これらの方法の内、フィルムの厚み精度、生産効率の観点からTダイ法により得られたシートを1.0〜5.0倍程度ロール延伸した後、テンター法により3.0〜10.0倍程度延伸する方法が好ましい。
延伸倍率は、特に制限はないが、面倍率3倍を超える倍率で延伸するのが好ましい。面倍率3倍以下の延伸では、得られるポリプロピレン系発泡延伸フィルムに優れた真珠様光沢を持たせることができ難くなる。
本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、平均気泡径が1000μm以下であることが好ましく、800μm以下がより好ましく、500μm以下が更に好ましい。発泡セル径が1000μmを大きく超えると穴明き等の外観不良が発生し、更には真珠様光沢も発現しないため好ましくない。
本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、発泡倍率が1.1〜3倍が好ましく、1.2〜2倍がより好ましい。発泡倍率が1.1倍未満であると、発泡倍率が不足し、得られるポリプロピレン系発泡延伸フィルムに真珠様光沢が発現し難くなる。また、3倍を大きく超えると発泡セル径の均一微細化が困難となり、得られるポリプロピレン系発泡延伸フィルムの外観不良が発生する。
また、本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、少なくとも片面に無発泡層を有していることが望ましい。無発泡層を有していると、溶融押出時にダイスリップ部に目脂が発生し難くなり、生産性が向上する。
無発泡層に使用される樹脂としは、本発明では特に限定しないが、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの真珠様光沢を更に映えさせるためには、融点が110〜160℃のプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。
さらに、本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、厚みが20〜500μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、フィルム表面にコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理をしても何ら差し支えない。
[3]ポリプロピレン系発泡延伸フィルムの用途
本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、均一微細な発泡セルよりなり、断熱性、リサイクル性に優れ、さらに、真珠様光沢を有した外観に優れたものである。したがって、ガラス瓶、金属缶、プラスチック瓶等の熱収縮性シュリンクラベル、或いは衛生用品、化粧品等の個包装等に好適に利用できる。
以下、本発明を、実施例および比較例を挙げて、詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例で限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、ポリプロピレン系発泡延伸フィルムまたはその構成成分についての諸物性は、下記の評価方法に従って測定、評価し、使用した樹脂として下記のものを用いた。
1.測定法
(1)TREF
TREF測定方法は、下記の装置を用い、前述した通りである。
(i)TREF部
TREFカラム:4.3mmφ × 150mmステンレスカラム
カラム充填材:100μm 表面不活性処理ガラスビーズ
加熱方式:アルミヒートブロック
冷却方式:ペルチェ素子(ペルチェ素子の冷却は水冷)
温度分布:±0.5℃
温調器:(株)チノー デジタルプログラム調節計KP1000(バルブオーブン)
加熱方式:空気浴式オーブン
測定時温度:140℃
温度分布:±1℃
バルブ:6方バルブ 4方バルブ
(ii)試料注入部
注入方式:ループ注入方式
注入量:ループサイズ 0.1ml
注入口加熱方式:アルミヒートブロック
測定時温度:140℃
(iii)検出部
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A
検出波長:3.42μm
高温フローセル:LC−IR用ミクロフローセル 光路長1.5mm 窓形状2φ×4mm長丸 合成サファイア窓板
測定時温度:140℃
(iv)ポンプ部
送液ポンプ:センシュウ科学社製 SSC−3461ポンプ
(v)測定条件
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)
試料濃度:5mg/mL
試料注入量:0.1mL
溶媒流速 :1mL/分
(2)固体粘弾性測定
試料は下記の試験片の作成条件により射出成形した厚さ2mmのシートから、10mm幅×18mm長×2mm厚の短冊状に切り出したものを用いた。装置はレオメトリック・サイエンティフィック社製のARESを用いた。周波数は1Hzである。測定温度は−60℃から段階状に昇温し、試料が融解して測定不能になるまで測定を行った。歪みは0.1〜0.5%の範囲で行った。
規格番号:JIS−7152(ISO294−1)
成形機:東洋機械金属社製TU−15射出成形機
成形機設定温度:ホッパ下から 80,80,160,200,200,200℃
金型温度:40℃
射出速度:200mm/s(金型キャビティー内の速度)
射出圧力:800kgf/cm
保持圧力:800kgf/cm
保圧時間:40秒
金型形状:平板(厚さ2mm 幅30mm 長さ90mm)
(3)各成分量の算出
TREFを用いて、前述した方法によって算出した。
(4)エチレン含有量の算出
NMRを用いて、前述した方法によって算出した。
(5)tanδ曲線のピーク
固有粘弾性測定により測定した。
(6)MFR:JIS K7210に準じて加熱温度230℃、荷重21.2Nにて測定した。
(7)融解ピーク温度:セイコー社製DSCを用い、サンプル5.0mgを採り、200℃で5分間保持後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度を測定した。
(8)分子量分布:前述の方法で測定した。
(9)発泡セル径:実体顕微鏡(ニコン製:SMZ−1000−2型)を用いて、成形して得られたフィルム或いはシートの上面から倍率8倍で撮影し、無作為に10ケの発泡セルを選択し、MD方向とTD方向のセル径を測定した。
(10)発泡倍率:同配合、同厚みで成形した未発泡フィルム或いはシート及び発泡フィルム或いはシートの10cm×10cmサイズでの重量を測り、その比にて、下記の計算式で求めた。
発泡倍率=未発泡フィルム或いはシート重量/発泡フィルム或いはシート重量
(11)フィルム外観:下記基準にて外観を判断した。
○:穴明きもなくフラットなフィルム
×:穴明きが発生し、フィルムの凹凸も激しい
(12)延伸性:下記基準にて判断した。
○:破膜することなく延伸可能
△:破膜はするが、延伸は可能
×:全く延伸不可能
2.使用材料
下記の製造例1、製造例2および製造例3で製造したプロピレン系樹脂(PP−1)、プロピレン系樹脂(PP−2)およびプロピレン系樹脂(PP−3)、市販のポリプロピレン樹脂(LE3300、WSX02、WFX4、BC4ASW)を用いた。
(製造例1)
(1)予備重合触媒の調製(イオン交換性層状珪酸塩の化学処理)
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm 粒度分布=10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。(イオン交換性層状珪酸塩の乾燥)先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の通りである。
回転筒:円筒状 内径50mm 加温帯550mm(電気炉) かき上げ翼付き
回転数:2rpm
傾斜角:20/520
珪酸塩の供給速度:2.5g/分
ガス流速:窒素 96リットル/時間
向流乾燥温度:200℃(粉体温度)
(2)触媒の調製
撹拌及び温度制御装置を有する内容積16リットルのオートクレーブを窒素で充分置換した。ここに、該珪酸塩200gを導入し、混合ヘプタン1,160ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.60M)840mlを加え、室温で攪拌した。1時間後、混合ヘプタンにて洗浄し、珪酸塩スラリーを2,000mlに調製した。次に、先に調製した珪酸塩スラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71ML)9.6mlを添加し、25℃で1時間反応させた。平行して、(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム2,180mg(0.3mM)と混合ヘプタン870mlに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)33.1mlを加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して5,000mlに調製した。(予備重合/洗浄)続いて、槽内温度を40℃昇温し、温度が安定したところでプロピレンを100g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。 予備重合終了後、残モノマーをパージし、撹拌を停止させ約10分間静置後、上澄みを2,400mlデカントした。続いてトリイソブチルアルミニウム(0.71ML)のヘプタン溶液9.5ml、さらに混合ヘプタンを5600ml添加し、40℃で30分間撹拌し、10分間静置した後に、上澄みを5600ml除いた。さらにこの操作を3回繰り返した。最後の上澄み液の成分分析を実施したところ有機アルミニウム成分の濃度は、1.23mモル/リットル、Zr濃度は8.6×10−6g/Lであり、仕込み量に対する上澄み液中の存在量は0.016%であった。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71ML)のヘプタン溶液を170ml添加した後に、45℃で減圧乾燥を実施した。触媒1g当たりポリプロピレンを2.0g含む予備重合触媒が得られた。この予備重合触媒を用いて、以下の手順に従ってプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。
(3)重合
(i)第一工程
第一工程では、内容積0.4mの攪拌装置付き液層重合層を用いてプロピレン−エチレンランダム共重合を実施した。液化プロピレンと液化エチレン、トリイソブチルアルミニウムをそれぞれ90kg/時、4.2kg/時、21.2g/時で連続的に供給した。水素供給量は第一工程のMFRが目標の値となるように調節した。さらに、上記の予備重合触媒を、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)、7.9g/時となるように供給した。また、重合温度が45℃となるように重合槽を冷却した。
第一工程で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合を分析したところ、BD(嵩密度)は0.46g/cc、MFRは2.0g/10分、エチレン含有量は3.7重量%であった。
(ii)第二工程
第二工程では、内容積0.5m3の攪拌式気相重合槽を用いてプロピレン−エチレンランダム共重合を実施した。第一工程の液相重合槽より重合体粒子を含んだスラリーを連続的に抜き出し、液化プロピレンをフラッシングした後、窒素で昇圧して気相重合槽へ連続的に供給した。重合槽は温度が80℃、プロピレンとエチレンと水素の分圧の合計が1.5MPaとなるように制御した。その際にプロピレンとエチレンと水素の分圧の合計に占めるプロピレンとエチレン及び水素の濃度は、それぞれ66.99vol%、32.99vol%、150volppmとなるように制御した。さらに、活性抑制剤としてエタノールを気相重合槽に供給した。エタノールの供給量は、気相重合槽に供給される重合体粒子に随伴して供給されるTIBA中のアルミニウムに対して、0.3mol/molとなるようにした。
こうして得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体を分析したところ、活性が7.6kg/g−触媒、BDが0.41g/cc、MFRが2.0g/10分、エチレン含有量が8.7重量%の(PP−1)を得た。
また、該PP−1は、成分(A)のエチレン含量3.7重量%、組成比50重量%、成分(B)のエチレン含量13.7重量%、組成比50重量%、tanδ曲線が−16.4℃に単一のピークを有するものであった。製造条件を表3に示す。
(製造例2)
表3記載の条件で行った以外は、製造例1に準拠して、第一工程でBD(嵩密度)が0.46g/cc、MFRが1.3g/10分、エチレン含有量が1.3wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合を得、第二工程でBDが0.41g/cc、MFRが4.0g/10分、エチレン含有量が6.2wt%の(PP−2)を得た。
また、該PP−2は、成分(A)のエチレン含量1.3wt%、組成比50wt%、成分(B)のエチレン含量11.0wt%、組成比50wt%、tanδ曲線が−12.3℃に単一のピークを有するものであった。
(製造例3)
表3記載の条件で行った以外は、製造例1に準拠して、第一工程でBD(嵩密度)が0.46g/cc、MFRが25g/10分、エチレン含有量が1.4wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合を得、第二工程でBDが0.41g/cc、MFRが5.0g/10分、エチレン含有量が5.9wt%の(PP−3)を得た。
また、該PP−3は、成分(A)のエチレン含量1.4wt%、組成比44wt%、成分(B)のエチレン含量9.5wt%、組成比56wt%、tanδ曲線が−11.8℃に単一のピークを有するものであった。
Figure 0005147283
(市販品の特性)
(i)LE3300
日本ポリプロ社製のプロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体(チーグラー触媒使用、エチレン5.3wt%、ブテン0.8wt%、プロピレン93.9wt%、MFR=3.5g/10min、融点125℃)
(ii)WSX02
日本ポリプロ社製のプロピレン・エチレンランダム共重合体(メタロセン触媒使用、エチレン3.2wt%、プロピレン96.8wt%、MFR=25g/10min、融点127℃)
(iii)BC4ASW
日本ポリプロ社製のプロピレン・エチレンブロック共重合体(チーグラー触媒使用、エチレン6.7wt%、プロピレン93.3wt%、MFR=5.0g/10min、融点162℃)。なお、BC4ASWは、成分(A)がプロピレンの単独重合体、組成比84.0wt%、成分(B)はエチレン含量43.0wt%、組成比16.0wt%、tanδ曲線が5℃と−43℃に2つのピークを有するものである。
(iv)WFX4
日本ポリプロ社製のプロピレン・エチレンランダム共重合体(メタロセン触媒使用、エチレン3.2wt%、プロピレン96.8wt%、MFR=7g/10min、融点125℃)
(実施例1)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)100重量部に対し、フェノ−ル系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(商品名:IRGANOX1010、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.05重量部、フォスファイト系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名:IRGAFOS 168、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)0.05重量部、並びに中和剤であるステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレ−ト、日本油脂株式会社製)0.05重量部配合し、高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサ−、商品名)にて室温下で3分間混合した後、押出機にて溶融混練してペレットを得た。
スクリュウ口径75mmの押出機およびスクリュウ口径30mmの押出機を2台持つマルチマニホールド式多層シート押出機を用いて、スクリュウ口径75mm押出機に、発泡層を得るために、前記ペレット100重量部と無機系発泡剤(商品名:ポリスレンEE275F、永和化成社製)2重量部を投入し、スクリュウ口径30mm押出機に、無発泡層を得るために、プロピレン系樹脂(WFX4)をそれぞれ投入し、これらを樹脂温度190℃にて加熱溶融可塑化して、マルチマニホールド内で発泡層を無発泡層で挟む3層構造に積層した後、Tダイより押出した未延伸シートを、表面温度が15℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにエアーナイフによって未延伸シートを密着後、冷却水槽にて冷却固化させながら、6m/minの速度で連続的に引き取り、引き続き120℃のテンター式延伸機にて横方向に6倍延伸することにより、厚さ100μmの2種3層の一軸延伸したポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得た。このときの表層材:基層材:表層材の厚み比率は1:8:1であった。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの評価結果を表4に示す。また、発泡フィルムの表面拡大図を図2に示す。
本発明の構成を満足するポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、延伸性、フィルム外観、真珠様光沢に優れ、平均気泡径の緻密なものであった。
また、図2に示される発泡フィルムの表面拡大図を見ても、本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、均一緻密な極めて優れた発泡構造であることがわかる。
(実施例2)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)の代わりに、プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−2)を用いた以外は、実施例1と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層のポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得た。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの評価結果を表4に示す。
本発明の構成を満足するポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、延伸性、フィルム外観、真珠様光沢に優れ、平均気泡径の緻密なものであった。
(実施例3)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)の代わりに、プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−3)を用いた以外は、実施例1と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層のポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得た。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの評価結果を表4に示す。
本発明の構成を満足するポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、延伸性、フィルム外観、真珠様光沢に優れ、平均気泡径の緻密なものであった。
(実施例4)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−3)100重量部に対し、フェノ−ル系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(商品名:IRGANOX1010、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.05重量部、フォスファイト系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名:IRGAFOS 168、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)0.05重量部、並びに中和剤であるステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレ−ト、日本油脂株式会社製)0.05重量部配合し、高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサー、商品名)にて室温下で3分間混合した後、押出機にて溶融混練してペレットを得た。
スクリュウ口径75mmの押出機およびスクリュウ口径30mmの押出機を2台持つマルチマニホールド式多層シート押出機を用いて、スクリュウ口径75mm押出機に、発泡層を得るために、前記ペレット100重量部と無機系発泡剤(商品名:ポリスレンEE275F、永和化成社製)2重量部を投入し、スクリュウ口径30mm押出機に、無発泡層を得るために、プロピレン系樹脂(WFX4)を投入し、これらを樹脂温度190℃にて加熱溶融可塑化して、マルチマニホールド内で発泡層を無発泡層で挟む3層構造に積層した後、Tダイより押出した未延伸シートを、表面温度が15℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにエアーナイフによって未延伸シートを密着後、冷却水槽にて冷却固化させながら、6m/minの速度で連続的に引き取り、続いてこのシートを、ロールの周速差を利用して115℃の温度で縦方向に4倍延伸し、引き続き120℃のテンター式延伸機にて横方向に6倍延伸した以外は実施例1と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層の二軸延伸したポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得た。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの評価結果を表4に示す。
本発明の構成を満足するポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、延伸性、フィルム外観、真珠様光沢に優れ、平均気泡径の緻密なものであった。
(比較例1)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)の代わりに、本発明において特定するプロピレン−エチレンブロック共重合体とは異なるプロピレン系樹脂(LE3300)を用いた以外は、実施例1と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層のポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得た。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの評価結果を表4に示す。また、発泡フィルムの表面拡大図を図3に示す。
本発明の構成を満たさないポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、延伸性、フィルム外観、真珠様光沢に劣り、平均気泡径の大きく不均一なものであった。
また、図3に示される発泡フィルムの表面拡大図を見ても、本発明の構成を満たさないポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、極めて不均一で大きい気泡からなる発泡構造であることがわかる。
(比較例2)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−3)の代わりに、本発明において特定するプロピレン−エチレンブロック共重合体とは異なるプロピレン系樹脂(LE3300)を用いた以外は、実施例4と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層のポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得ようとしたが、テンター式延伸機内での破膜が著しく、該フィルムを得ることができなかった。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られた結果を表4に示す。
(比較例3)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)の代わりに、本発明において特定するプロピレン−エチレンブロック共重合体とは異なるプロピレン系樹脂(WSX02)を用いた以外は、実施例1と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層のポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得ようとしたが、テンター式延伸機内での破膜、ドローダウンが著しく、該フィルムを得ることができなかった。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られた結果を表4に示す。
(比較例4)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)の代わりに、本発明において特定するプロピレン−エチレンブロック共重合体とは異なるプロピレン系樹脂(BC4ASW)を用いた以外は、実施例1と同様に実施し、厚さ100μmの2種3層のポリプロピレン系発泡延伸フィルムを得た。用いた樹脂の物性、層構成、発泡剤量等を表4に示し、得られたポリプロピレン系発泡延伸フィルムの評価結果を表4に示す。
本発明の構成を満たさないポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、延伸性、フィルム外観、真珠様光沢に劣り、平均気泡径の大きく不均一なものであった。
Figure 0005147283
本発明のポリプロピレン系発泡延伸フィルムは、均一微細な発泡セルおよび真珠様光沢を有した外観に優れたものであり、ガラス瓶、金属缶、プラスチック瓶等の熱収縮性シュリンクラベル、或いは衛生用品、化粧品等の個包装等に好適に利用できる。
TREFによる溶出量及び溶出量積算を示す図である。 実施例1のポリプロピレン系発泡延伸フィルムの表面拡大図である。 比較例1のポリプロピレン系発泡延伸フィルムの表面拡大図である。

Claims (4)

  1. 下記条件(i)〜(v)を満たすプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対し、発泡剤を0.05〜6.0重量部配合したポリプロピレン系樹脂組成物より得られる未延伸シートもしくは未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸させることよって得られるポリプロピレン系発泡延伸フィルム。
    (i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でプロピレン単独又はエチレン含量7重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を30〜95重量%、第2工程で成分(A)よりも3〜20重量%多くのエチレンを含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を70〜5重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体であること
    (ii)メルトフローレート(MFR:230℃ 2.16kg)が0.5〜10g/10分の範囲にあること
    (iii)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が110〜150℃の範囲にあること
    (iv)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4の範囲にあること
    (v)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において、tanδ曲線が0℃以下に単一のピークを有すること
  2. 平均気泡径が1000μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系発泡延伸フィルム。
  3. 少なくとも片面に無発泡層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系発泡延伸フィルム。
  4. 発泡倍率が1.1〜3倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系発泡延伸フィルム。
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