JP2001293828A - ポリプロピレン二軸延伸複層フイルム - Google Patents

ポリプロピレン二軸延伸複層フイルム

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JP2001293828A
JP2001293828A JP2000113662A JP2000113662A JP2001293828A JP 2001293828 A JP2001293828 A JP 2001293828A JP 2000113662 A JP2000113662 A JP 2000113662A JP 2000113662 A JP2000113662 A JP 2000113662A JP 2001293828 A JP2001293828 A JP 2001293828A
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JP
Japan
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component
weight
propylene
biaxially stretched
random copolymer
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JP2000113662A
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English (en)
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Hiroshi Omori
浩 大森
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性,光沢と共に低温におけるヒートシール
性に優れ、フイルムのベタツキ(ブロッキング性)や傷
つき性に問題がない、高速自動包装に適したポリプロピ
レン二軸延伸複層フイルムを提供すること。 【解決手段】二軸延伸されて成る結晶性ポリプロピレン
系重合体の基材層の少なくとも片面に、下記成分A及び
成分Bを含む樹脂組成物の接着層が積層されて成ること
を特徴とするポリプロピレン二軸延伸複層フイルム。 成分A:下記(a)〜(d)の特性を有するメタロセン
系触媒によって重合されたプロピレン系ランダム共重合
体100重量部 (a)融解ピーク温度Tmpが110〜140℃ (b)メルトフローレートMFRが1〜20g/ 10
分 (c)分子量分布Q値が4.0以下 (d)溶剤抽出量が2重量%以下 成分B:下記(e)、(f)の特性を有するシリカ粒子
0.05〜0.4重量部(e)平均粒径1.7〜5μm (f)細孔容積PVが0.8〜1.7ml/g

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン二軸
延伸複層フイルムに関する。詳しくは高速自動包装適性
を有し、透明性、光沢、耐ブロッキング性、耐傷つき
性、低温ヒートシール性に優れたポリプロピレン二軸延
伸複層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、二軸延伸複層フイルム、例え
ば、ヒートシール層を積層した二軸延伸複層ポリプロピ
レンフイルムは、透明性、剛性等の諸特性と相まって、
食品、タバコ、カセットテープ等のオーバーラップ包装
用フイルムとして広く使用されているが、近年の高速自
動包装機の発達により、従来にも増して自動包装適性に
対するフイルムの要求品質が高度化している。すなわ
ち、オーバーラップ包装用フイルムにおける最も重要な
要求性能としては低温ヒートシール性があげられる。低
温ヒートシール性を付与する方法としては、二軸延伸ポ
リプロピレンフイルムを製造する際に低温ヒートシール
性を有する樹脂、例えば、プロピレン・エチレンランダ
ム共重合体樹脂やプロピレン・エチレン・ブテンー1ラ
ンダム共重合体樹脂等を積層する方法が開発されてい
る。
【0003】近年の自動包装機の高速化に対して、フイ
ルムの包装特性の向上策として、上記のヒートシール層
に微細分割シリカとシリコンオイルを配合する方法(特
公平4−30347)、非溶融型シリコーン樹脂粉末を
配合する方法(特開平62−233248)、無機又は
有機系微粒子を配合する方法(特開平10−18096
4)等が提案されており、自動包装機の高速化に対し
て、改良効果が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の方法では、なお低温におけるヒートシール性が不充
分であり、これを改良する目的でエチレン等のα―オレ
フィンの共重合量を増加させても、低温ヒートシール性
については改善されるものの、フイルムのベタツキ(ブ
ロッキング性)が問題となる。更に、ブロッキング性を
改良しようとしてシリカ等無機微粒子を添加するとフイ
ルム同士のこすれによる傷つきが問題となる。即ち、傷
つき耐性が悪くなる。本発明は総合的に優れた高速自動
包装に適したポリプロピレン二軸延伸複層フイルムを提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はポリプロピレン
二軸延伸複層フイルムにおいて、結晶性ポリプロピレン
を基材層に用い、メタロセン系触媒で製造され、特定の
シリカを含有する接着層を組み合わせることにより完成
されたものである。すなわち、本発明は、二軸延伸され
て成る結晶性ポリプロピレン系重合体の基材層の少なく
とも片面に、下記成分A及び成分Bを含む樹脂組成物の
接着層が積層されて成ることを特徴とするポリプロピレ
ン二軸延伸複層フイルムである。成分A:下記(a)〜
(d)の特性を有するメタロセン系触媒によって重合さ
れたプロピレン系ランダム共重合体100重量部 (a)融解ピーク温度Tmpが110〜140℃ (b)メルトフローレートMFRが1〜20g/ 10
分 (c)分子量分布Q値が4.0以下 (d)溶剤抽出量が2重量%以下 成分B:下記(e)、(f)の特性を有するシリカ粒子
0.05〜0.4重量部(e)平均粒径1.7〜5μm (f)細孔容積PVが0.8〜1.7ml/g
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、基
材層となる結晶性ポリプロピレン系重合体としては、プ
ロピレン単独重合体あるいはプロピレンを主体とし、こ
れとエチレン、または1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−
ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジ
メチル−ペンテン−1等のα―オレフィンとの共重合体
が挙げられる。α−オレフィンの代わりに不飽和カルボ
ン酸又はその誘導体(アクリル酸、無水マレイン酸
等)、芳香族ビニル単量体(スチレン等)を用いること
ができる。
【0007】結晶性ポリプロピレン系重合体のアイソタ
クチックインデックス(I.I)は、80%以上、好ま
しくは90%以上である。特にフイルムの腰の強さ、高
速自動包装適性の観点からI.Iが95%以上が好まし
い。また、メルトフローレート(MFR:230℃、
2.15kg荷重)は0.5〜10g/10分、特に1
〜5g/10分のものが好ましい。
【0008】基材層には結晶性ポリプロピレン系重合体
と共に20重量%以下の範囲で、エチレン重合体、ブテ
ン重合体、石油樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂等の
炭化水素重合体を配合することができる。更に、ポリオ
レフィンに用いられる補助添加成分、例えば、酸化防止
剤、中和剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、防曇剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
抗菌剤、着色剤等を配合することができる。これら添加
剤の中でも、特に帯電防止剤を0.2〜1.5重量%含
有しているものが好ましい。好ましい帯電防止剤として
グリセリン脂肪酸エステル、アルキルアミン、アルキル
アミンのエチレンオキサイド付加物及びその脂肪酸エス
テル、アルキルアマイド、アルキルアマイドのエチレン
オキサイド付加物及びその脂肪酸エステル等を挙げるこ
とができる。良好な帯電防止性能が付与されていないフ
イルムでは、フイルム走行中に静電気が蓄積し、高速包
装適性が不良となる場合がある。
【0009】結晶性ポリプロピレン系重合体からなる基
材層は二軸延伸されて、配向されたものである。無延伸
ないし一軸延伸のものでは腰が劣る。延伸倍率は、通
常、縦方向(長さ方向)に3〜8倍、横方向(幅方向)
に3〜12倍の範囲が選択される。
【0010】本発明のポリプロピレン二軸延伸複層フイ
ルムは、基材層の少なくとも片面に、特定の樹脂組成物
からなる接着層を積層したものである。かかる樹脂組成
物は下記成分A及び成分Bを含有するものである。 成分A:下記(a)〜(d)の特性を有するメタロセン
系触媒によって重合されたプロピレン系ランダム共重合
体100重量部 (a)融解ピーク温度Tmpが110〜140℃ (b)メルトフローレートMFRが1〜20g/ 10
分 (c)分子量分布Q値が4.0以下 (d)溶剤抽出量が2重量%以下 成分B:下記(e)、(f)の特性を有するシリカ粒子
0.05〜0.4重量部(e)平均粒径1.7〜5μm (f)細孔容積PVが0.8〜1.7ml/g
【0011】プロピレン系ランダム共重合体は、プロピ
レンと他のα―オレフィンとをメタロセン系触媒によっ
て重合することにより製造される。メタロセン系触媒
は、メタロセン系遷移金属化合物<成分a>と、無機珪
酸塩又はイオン交換性層状化合物<成分b>とから構成
される。必要に応じて有機アルミニウム化合物<成分c
>が使用される。以下、<成分a>、<成分b>、<成
分c>について説明する。
【0012】メタロセン系遷移金属化合物 <成分a> Q(C54-a1 a)(C54-b2 b)MeXY [ここで、C54-a1 aおよびC54-b2 bは、それぞ
れ共役五員環配位子を示し、Qは二つの共役五員環配位
子を架橋する結合性基であって、炭素数1〜20の2価
の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシ
リレン基または炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲ
ルミレン基を示し、Meはジルコニウムまたはハフニウ
ムを示し、XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハ
ロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜2
0のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド
基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20
のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含
有炭化水素基を示す。
【0013】R1およびR2は、共役五員環配位子上の置
換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭
化水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、ケイ素含有炭化
水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基また
はホウ素含有炭化水素基を示す。隣接する2個のR1
たは2個のR2がそれぞれ結合して環を形成していても
よい。aおよびbは0≦a≦4、0≦b≦4を満足する
整数である。ただし、R1およびR2を有する2個の五員
環配位子は、基Qを介しての相対位置の観点において、
Meを含む平面に関して非対称である。]
【0014】Qは、上記したように、二つの共役五員環
配位子C54-a1 aおよびC54-b2 bを架橋する結合
性基であって、具体的には、例えば(イ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜6、の2価の炭化水素基、具体的に
は、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アリー
レン等、(ロ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、
の炭化水素基を有するシリレン基、(ハ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有するゲルミ
レン基がある。なお、2価のQ基の両結合手間の距離
は、その炭素数の如何に関わらず、Qが鎖状の場合には
4原子程度以下、就中3原子以下、であることが、Qが
環状基を有するものである場合は当該環状基+2原子程
度以下、就中当該環状基のみであることが、それぞれ好
ましい。従って、アルキレンの場合はエチレンおよびイ
ソプロピリデン(結合手間の距離は2原子および1原
子)が、シクロアルキレン基の場合はシクロヘキシレン
(結合手間の距離がシクロヘキシレン基のみ)が、アル
キルシリレンの場合は、ジメチルシリレン(結合手間の
距離が1原子)が、それぞれ好ましい。 Meは、ジル
コニウムまたはハフニウムである。
【0015】XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち
同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲ
ン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩
素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素
数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のア
ルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化
水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基
または(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
【0016】R1およびR2は、共役五員環配位子上の置
換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭
化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2
〜20のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含
有炭化水素基または炭素数2〜20のホウ素含有炭化水
素基を示す。また、隣接する2個のR1同士または2個
のR2同士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタジ
エニル基の一部と共に環を形成していてもよい。そのよ
うな場合の代表例としてはシクロペンタジエニル基上の
隣接する2つのR1(あるいはR2)が当該シクロペンタ
ジエニル基の二重結合を共有して縮合六員環を形成して
いるもの(すなわちインデニル基およびフルオレニル
基)および縮合七員環を形成しているもの(すなわちア
ズレニル基)がある。aおよびbは0≦a≦4、0≦b
≦4を満足する整数である。上記メタロセン化合物の非
限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
なお、これらの化合物は、単に化学的名称のみで示称さ
れているが、その立体構造が本発明で言う非対称性を持
つものであることは言うまでもない。
【0017】(a1)シリレン架橋五員環配位子を2個
有する遷移金属化合物、例えば、(1)メチルシリレン
ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス{1−(2,4−ジメチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0018】(6)ジメチルシリレンビス{1−(2−
メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラ
ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(7)
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−(4−
クロロフェニル)−4H−アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(8)ジメチルシリレンビス{1−(2−
メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,
7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニウムジク
ロリド、(9)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチ
ル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(10)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチ
ル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウム
ジクロリド、
【0019】(11)ジメチルシリレンビス〔1−{2
−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−ア
ズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(12)ジメチ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(13)メチルフェニ
ルシリレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、(14)メチルフェニルシリレンビス{1−
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、(15)メチルフェニルシリレンビ
ス{1−(2,4−ジメチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、
【0020】(16)メチルフェニルシリレンビス{1
−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(17)メチルフェニルシリレンビス
{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(18)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4
H−5,6,7,8,−テトラヒドロアズレニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(19)メチルフェニルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(20)メチルフェニ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、
【0021】(21)メチルフェニルシリレンビス〔1
−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレ
ニル}〕ジルコニウムジクロリド、(22)メチルフェ
ニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフ
チル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、(24)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムメチルクロリド、(25)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジメチル、
【0022】(26)ジメチルシリレンビス{1−(2
−メチル−4−フェニル−4H−アズレニルジルコニウ
ムジメチル、(27)ジメチルシリレンビス{1−(2
−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムク
ロロジメチルアミド、(28)ジメチルシリレンビス
{1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(29)ジメチルシリレンビス
{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、(30)ジメチルシリレンビス
{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、
【0023】(31)ジメチルシリレンビス{1−(2
−エチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テト
ラヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
2)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−
(クロロフェニル)−4H−アズレニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、(33)ジメチルシリレンビス{1−
(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(34)ジメチルシリレン{1−(2
−エチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2
,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(35)ジメチルシリレン{1
−(2−エチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−
ペンタヒドロアズレニル)}{1−(2,3,5−トリ
メチルシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、
【0024】(36)ジメチルシリレンビス{1−(2
−メチル−4,4−ジメチル−シラ−4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(37)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4
−フェニルインデニル)}ジルコニウムビス(トリフル
オロメタンスルホン酸)、(38)ジメチルシリレンビ
ス{1−(2−エチル−4−フェニル−4,5,6,
7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホン酸)、(39)ジメチル
シリレンビス{1−(2−エチル−4−(ペンタフルオ
ロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(40)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4
−フェニル−7−フルオロインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、
【0025】(41)ジメチルシリレンビス{1−(2
−エチル−4−インドリルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(42)ジメチルシリレンビス{1−(2
−ジメチルボラノ−4−インドリルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド等が挙げられる。
【0026】(a2)アルキレン基で架橋した五員環配
位子を2個有する遷移金属化合物、例えば(1)エチレ
ン−1,2−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、(2)エチレン−1,2−ビス{1−(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(3)エチレン−1,2−ビス{1−
(2,4−ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(4)エチレン−1,2−ビス{1−(2,4−
ジメチル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(5)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル
−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、
【0027】(6)エチレン−1,2−ビス{1−(2
−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、(7)エチレン−1,2−ビス{1
−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、(8)エチレン−1,2−ビス〔1
−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニルジル
コニウムジクロリド、(9)エチレン−1,2−ビス
〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−ア
ズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)エチレ
ン−1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロ
ロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジク
ロリド等が例示される。
【0028】(a3)ゲルマニウム、アルミニウム、ホ
ウ素、リンあるいは窒素を含む炭化水素残基で架橋した
五員環配位子を有する遷移金属化合物、例えば(1)ジ
メチルゲルミレンビス(1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(2)ジメチルゲルミレンビス{1−(2
−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(3)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−
メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(4)ジメチルゲルミレンビス{1−
(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチル
ゲルミレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、
【0029】(6)メチルアルミニウムビス(1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、(7)フェニルホス
フィノビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(8)エチルホラノビス(1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、(9)フェニルアミノビス(1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド等が例示される。こ
れらの錯体のなかで特に好ましいものは、アズレン骨格
を有する錯体である。
【0030】<成分b>成分bとしては、イオン交換性
層状珪酸塩が用いられる。イオン交換性層状珪酸塩は、
イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力
で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物であ
り、含有するイオン交換可能なものを指称する。大部分
のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の
主成分として産出するが、これら、イオン交換性層状珪
酸塩は特に、天然産のものに限らず、人工合成物であっ
てもよい。イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、
例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995
年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、ディ
ッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイ
ト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、
クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋
石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライ
ト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチ
ーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等
のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、
海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、
パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、
タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を形成
していてもよい。
【0031】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。なお、成分bとして、水銀圧入
法を測定した半径が20オングストローム以上の細孔容
積が0.1cc/g未満の化合物を用いた場合には、高
い重合活性が得難い傾向があるので、0.1cc/g以
上、特には0.3〜5cc/gのものが好ましい。ま
た、成分bは特に処理を行うことなくそのまま用いるこ
とができるが、成分bに化学処理を施すことも好まし
い。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を
除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のい
ずれをも用いることができる。
【0032】具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は表面の不純
物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽
イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。
アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構
造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理では、
イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表
面積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を
利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオン
と置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質
を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが層状構
造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれ
る。また層状物質層間に別の物質を導入することをイン
ターカレーションという。
【0033】インターカレーションするゲスト化合物と
しては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合
物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3
B(OR)3[Rはアルキル、アリール等]等の金属ア
ルコラート、[Al134(OH)247+、[Zr4(O
H)142+、[Fe3O(OCOCH36+等の金属水
酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は、単一
で用いても、また2種類以上共存させて用いてもよい。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si
(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属ア
ルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO2等の
コロイド状無機化合物等を共存させることもできる。ま
た、ピラーの例としては上記水酸化物イオンを層間にイ
ンターカレーションした後に加熱脱水することにより生
成する酸化物等が挙げられる。成分bはそのまま用いて
もよいし、加熱脱水処理した後用いてもよい。また、単
独で用いても、上記固体の2種以上を混合して用いても
よい。
【0034】本発明において使用されるイオン交換性層
状珪酸塩としては、塩類で処理される前の、イオン交換
性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属陽イオンの
40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類
より解離した陽イオンと、イオン交換することが好まし
い。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用い
られる塩類は、2〜14族原子から成る群より選ばれた
少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化合物
であり、好ましくは、2〜14族原子から成る群より選
ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲ
ン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少
なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に
好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少
なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、
I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C24、OCO
CH3、CH3COCHCOCH3、OCl3、O(N
32、O(ClO42、O(SO4)、OH、O2Cl
2、OCl3、OCOH、OCOCH2CH3、C244
およびC657から成る群より選ばれる少なくとも一
種の陰イオンとからなる化合物である。
【0035】具体的には、CaCl2、CaSO4、Ca
24、Ca(NO32、Ca3(C6572、Mg
Cl2、MgBr2、MgSO4、Mg(PO42、Mg
(ClO42、MgC24、Mg(NO32、Mg(O
COCH32、MgC44 4、Sc(OCOC
32、Sc2(CO33、Sc2(C243、Sc
(NO33、Sc2(SO43、ScF3、ScCl3
ScBr3、ScI3、Y(OCOCH33、Y(CH3
COCHCOCH33、Y2(CO33、Y2(C24
3、Y(NO33、Y(ClO43、YPO4、Y2(S
43、YF3、YCl3、La(OOCH33、La
(CH3COCHCOCH33、La2(CO33、La
(NO33、La(ClO43、La2(C243、L
aPO4、La2(SO43、LaF3、LaCl3、La
Br3 、LaI3、Sm(OCOCH33、Sm(CH
3COCHCOCH33、Sm2(CO33、Sm(NO
33、Sm(ClCO43、Sm2(C243、SmP
4、Sm2(SO43、SmF3、SmCl3、SmBr
3、SmI3、Yb(OCOCH33、Yb(NO33
Yb(ClO43、Yb(C243、Yb(S
43、YbF3、YbCl3、Ti(OCOCH34
Ti(CO32、Ti(NO34、Ti(SO42、T
iF4、TiCl4、TiBr4、TiI4、Zr(OCO
CH34、Zr(CO32、Zr(NO34、Zr(S
42、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4、Z
rOCl2、ZrO(NO32、ZrO(ClO42
ZrO(SO4)、Hf(OCOCH34、Hf(C
32、Hf(NO34、Hf(SO42、HfOCl
2、HfF4、HfCl4、HfBr4、HfI4、V(C
3COCHCOCH 33、VOSO4、VOCl3、V
Cl3、VCl4、VBr3、Nb(CH3COCHCOC
35、Nb2(CO35、Nb(NO35、Nb2(S
45、ZrF 5、ZrCl5、NbBr5、Nbl5、T
a(OCOCH35、Ta2(CO3)5、Ta(NO)
5、Ta2(SO45、TaF5、TaCl5、TaB
5、TaI5、Cr(OOCH32OH、Cr(CH3
COCHCOCH33、Cr(NO3 3、Cr(ClO
43、CrPO4、Cr2(SO43、CrO2Cl2、C
rF3、CrCl3、CrBr3、CrI3、MoOC
4、MoCl3、MoCl4、MoCl5、MoF6、M
oI2、WCl4、WCl6、WF6、WBr5、Mn(O
OCH32、Mn(CH3COCHCOCH32、Mn
CO3、Mn(NO32、MnO、Mn(ClO42
MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2、Fe(OC
OCH32、Fe(CH3COCHCOCH33、Fe
CO3、Fe(NO33、Fe(ClO43、FeP
4、FeSO4、Fe2(SO43、FeF3、FeCl
3、FeBr3、FeI2、FeC657、Co(OCO
CH32、Co(CH3COCHCOCH33、CoC
3、Co(NO32、CoC24、Co(Cl
42、Co3(PO42、CoSO4、CoF2、Co
Cl2、CoBr2、CoI2、NiCO3、Ni(N
32、NiC24、Ni(ClO42、NiSO4
NiCl2、NiBr2、Pb(OCOCH34、Pb
(OOCH32、PbCO3、Pb(NO32、PbS
4、PbHPO4、Pb(ClO42、PbF2、Pb
Cl2、PbBr2、PbI2、CuI2、CuBr2、C
u(NO32、CuC24、Cu(ClO42、CuS
4、Cu(OCOCH32、Zn(OOCH32、Z
n(CH3COCHCOCH32、ZnCO3、Zn(N
32、Zn(ClO42、Zn3(PO42、ZnS
4、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、Cd
(OCOCH32、Cd(CH3COCHCOC
32、Cd(OCOCH2CH32、Cd(N
32、Cd(ClO42、CdSO4、CdF 2、Cd
Cl2、CdBr2、CdI2、AlF3、AlCl3、A
lBr3、AlI3、Al2(SO43、Al2(C24
3、Al(CH3COCHCOCH33、Al(N
33、AlPO4、GeCl4、GeBr4、GeI4
Sn(OCOCH 34、Sn(SO42、SnF4、S
nCl4、SnBr4、SnI4等が挙げられる。酸処理
は表面の不純物を除くほか、結晶構造のAl、Fe、M
g等の陽イオンの一部または全部を溶出させることがで
きる。
【0036】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択され
る。処理に用いる塩類および酸は、2種以上であっても
よい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合において
は、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を
行った後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処
理を同時に行う方法がある。
【0037】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜3
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜
24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に
含有される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を
溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および
酸は、一般的には水溶液で用いられる。
【0038】本発明では、好ましくは上記塩類処理およ
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および
層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水
および層間水を除去して成分bとして使用するのが好ま
しい。
【0039】ここで吸着水とは、イオン交換性層状珪酸
塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水
で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明で
は、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間
水を除去して使用することができる。イオン交換性層状
珪酸塩の吸着水および層間水の加熱処理方法は特に制限
されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下
の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水等の方法が用い
られる。加熱の際の温度は、イオン交換性層状珪酸塩お
よび層間イオンの種類によるために一概に規定できない
が、層間水が残存しないように、100℃以上、好まし
くは150℃以上であるが、構造破壊を生じるような高
温条件(加熱時間にもよるが例えば800℃以上)は好
ましくない。また、空気流通下での加熱等の架橋構造を
形成させるような加熱脱水方法は、触媒の重合活性が低
下し、好ましくない。加熱時間は0.5時間以上、好ま
しくは1時間以上である。その際、除去した後の成分b
の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件
下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした
時、3重量%以下、特に1重量%以下であることが好ま
しい。
【0040】以上のように、本発明において、成分bと
して、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸
処理を行って得られた、水分含有率が1重量%以下の、
イオン交換性層状珪酸塩である。また成分bは、平均粒
径が5μm以上の球状粒子を用いるのが好ましい。より
好ましくは、平均粒径が10μm以上の球状粒子を用い
る。更に好ましくは平均粒径が10μm以上100μm
以下の球状粒子を用いる。ここでいう平均粒径は、粒子
の光学顕微鏡写真(倍率100倍)を画像処理して算出
した数平均の粒径で表す。またb成分は、粒子の形状が
球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用して
もよいし、粒径、分径、分別等により粒子の形状および
粒径を制御したものを用いてもよい。
【0041】ここで用いられる造粒法は例えば攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが成分
bを造粒することが可能な方法であれば特に限定されな
い。造粒法として好ましくは、攪拌造粒法、噴霧造粒
法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられ、特に好まし
くは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。尚、噴霧造
粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として水あるいは
メタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレ
ン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として
用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液
の成分bの濃度は0.1〜70%、好ましくは1〜50
%、特に好ましくは5〜30%である。球状粒子が得ら
れる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒により異
なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは1
00〜220℃で行う。
【0042】また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機
塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバイン
ダーとしては例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロ
ップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース
類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネ
シウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、
ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、
アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。上記
のように得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉
の抑制をするためには0.2MPa以上の圧縮破壊強度
を有することが好ましい。このような粒子強度の場合に
は、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有
効に発揮される。
【0043】<成分c>成分cは、有機アルミニウム化
合物である。本発明で成分cとして用いられる有機アル
ミニウム化合物は、一般式(AlR4 n3-nmで示され
る化合物が適当である。本発明ではこの式で表される化
合物を単独で、複数種混合してあるいは併用して使用す
ることができることは言うまでもない。また、この使用
は触媒調製時だけでなく、予備重合あるいは重合時にも
可能である。この式中、R4は炭素数1〜20の炭化水
素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、ア
ミノ基を示す。nは1〜3の、mは1〜2の整数であ
る。R4としてはアルキル基が好ましく、またXは、そ
れがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合に
は炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には
炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。
【0044】好ましい化合物の具体例としては、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノル
マルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘ
キシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウ
ム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロラ
イド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミ
ド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチル
アルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのう
ち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミ
ニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。
さらに好ましくは、R4が炭素数1〜8であるトリアル
キルアルミニウムである。
【0045】<触媒の形成>上記のプロピレン系重合体
を製造する際に用いられる触媒としては、上記の成分
a、成分bならびに必要に応じて用いられる成分cから
なる触媒を、重合槽内であるいは重合槽外で、重合させ
るべきモノマーの存在下あるいは不存在下に接触させる
ことにより調整することができる。また、上記触媒は、
オレフィンの存在下で予備重合を行ったものであっても
良い。予備重合に用いられるオレフィンとしては、プロ
ピレン、エチレン、1−ブテン、3−メチルブテン−
1、スチレン、ジビニルベンゼン等が用いられるが、こ
れらと他のオレフィンとの混合物であっても良い。上記
触媒の調整において使用される成分a、成分b、成分c
の使用量は任意の比で使用することができる。
【0046】<重合>本発明に用いるプロピレン系重合
体の重合は、成分a、成分b、並びに必要に応じて成分
cからなる触媒とプロピレンとエチレンまたは炭素数4
〜20のα−オレフィンとを混合接触させることにより
行われる。反応系中の各モノマーの量比は経時的に一定
である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給す
ることも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経
時的に変化させることも可能である。また、共重合反応
比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することも
できる。
【0047】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒とし
て用いるバルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶
媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を
採用することができる。また、連続重合、回分式重合に
も適用される。スラリー重合の場合には、重合溶媒とし
てヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素
の単独あるいは混合物を用いることができる。重合時条
件としては、重合温度が−78〜160℃、好ましくは
0〜150℃であり、そのときの分子量調節剤として補
助的に水素を用いることができる。また、重合圧力は0
〜90kg/cm2・G、好ましくは0〜60kg/c
2・G、特に好ましくは1〜50kg/cm2・Gの範
囲から選択される。
【0048】本発明で使用されるプロピレン系ランダム
共重合体は、上記のメタロセン系触媒を用いて製造され
るものであって、かつ下記(a)〜(d)の諸特性を有
する。 (a)融解ピーク温度Tmpが110〜140℃ (b)メルトフローレートMFRが1〜20g/ 10
分 (c)分子量分布Q値が4.0以下 (d)溶剤抽出量が2重量%以下
【0049】(a)融解ピーク温度Tmp セイコー社製の示差走査熱量計DSCを用い、サンプル
量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、4
0℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さら
に10℃/分の昇温スピードで融解させたときのピーク
温度を測定した。本発明において融解ピーク温度Tmp
は110〜140℃、好ましくは115〜135℃が選
択される。融解ピーク温度が110℃未満ではフイルム
製造時のロールへのベタツキが問題となり、また140
℃を超えるとヒートシール性が不充分となる。
【0050】(b)メルトフローレートMFR ASTM―D−1238に準拠して230℃、2.16
kgの荷重を用いて測定した。本発明においてメルトフ
ローレートMFRは1〜20g/10分、好ましくは2
〜15g/10分が選択される。メルトフローレートは
1g/10分未満では押出負荷が大きくなり、また20
g/10分を超えると積層部の厚みムラが大きくなりヒ
ートシール性がばらつく。
【0051】(c)分子量分布Q値 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーGPCによる
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比である。
ウォーターズ社製の150c型GPC装置と、昭和電工
(株)製のカラムAD80M/Sを3本用いる。オルソ
ジクロルベンゼンを溶媒とし、サンプル濃度20mg/
10ml、温度140℃で測定した。本発明において分
子量分布Q値は4.0以下、好ましくは2.0〜3.5
が選択される。Q値が4.0を超えると分子量分布が広
く重合体が不均一となり好ましくない。
【0052】(d)溶剤抽出量 三菱化学(株)製のCFC T150A型クロス分別装
置と、昭和電工(株)製のカラムAD80M/Sを3本
用いる。オルソジクロルベンゼンを溶媒とし、サンプル
濃度40mg/10ml、温度40℃で測定した。本発
明において溶剤抽出量は2重量%以下、好ましくは1.
0重量%以下である。2重量%を超えるものは生産時の
発煙が多くなり好ましくない。
【0053】本発明ではプロピレン系ランダム共重合体
に下記(e)及び(f)の特性を有するシリカ粒子(成
分B)を該プロピレン系ランダム共重合体100重量部
当たり0.05〜0.4重量部配合してなる樹脂組成物
が接着層として用いられる。 (e)平均粒径1.7〜5μm (f)細孔容積PVが0.8〜1.7ml/g
【0054】平均粒径はコールターカウンター法によ
り、また細孔容積はBET法にそれぞれ準拠して測定し
た。平均粒径が1.7μm未満ではブロッキング性など
包装適性を改良することが難しく、一方5μmを超える
場合は透明性が悪化する。好ましい平均粒径は2〜4μ
mの範囲から選択される。細孔容積PVが0.8ml/
g未満では配合剤として硬すぎてフイルムに傷をつけ易
く、一方、1.7ml/gを超える場合は柔らかすぎて
ブロッキング性を改良することができない。好ましい細
孔容積PVは0.9〜1.6ml/gである。シリカ粒
子の配合量は、プロピレン系ランダム共重合体100重
量部当たり0.05〜0.4重量部、好ましくは0.1
〜0.3重量部の範囲から選択される。配合量が0.0
5重量部未満では配合効果が充分発揮できず、また0.
4重量部を超えて使用しても耐ブロッキング性はそれ以
上改良されず、透明性やヒートシール性などが損なわれ
る。
【0055】シリカ粒子(成分B)は、粒子の分散性、
安定性等を更に高めるために、シランカップリング剤や
チタネートカップリング剤を等のカップリング剤、各種
界面活性剤、アクリル酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸
等の有機酸、フッ酸、リン酸等の無機酸、それらのポリ
マー、塩又はエステル類等で表面処理することができ
る。リン酸のポリマーとして、ヘキサメタリン酸ソー
ダ、ピロリン酸、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸、
トリポリリン酸ソーダ、トリメタリン酸、トリメタリン
酸ソーダ、ハイポリリン酸、ハイポリリン酸ソーダ等の
縮合リン酸及びその塩が例示される。これらカップリン
グ剤、有機酸、無機酸等は2種以上併用することができ
る。有機酸、特にクエン酸は好適である。
【0056】プロピレン系ランダム共重合体(成分A)
とシリカ粒子(成分B)は、ヘンシェルミキサー、Vブ
レンダー、リボンブレンダーの如き混合機で混合・配合
した後、押出機で混練して樹脂組成物を調整することが
好ましい。この際、一般的にポリオレフィンに用いられ
る補助添加成分、例えば、酸化防止剤、中和剤、熱安定
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、滑
剤、抗菌剤、着色剤等を配合することができる。
【0057】本発明のポリプロピレン二軸延伸複層フイ
ルムは、基材層の片面又は両面に接着層が積層される。
接着層を片面のみとするか、両面とするかはフイルムの
用途により任意である。二軸延伸複層フイルム全体の厚
さも、その用途に応じてきめられるが、通常5〜100
μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。そして
接着層の厚さは、通常0.2〜5μm、好ましくは0.
3〜3μmの範囲から選択される。接着層の厚さが上記
範囲を超える場合は包装特性が不良になる傾向がある。
また該厚さが上記未満の場合には均一なヒートシール強
度が付与されない傾向がある。
【0058】本発明の成分Aおよび成分Bから成る樹脂
組成物を、二軸延伸された基材層へ積層する方法として
は、例えば、基材層の結晶性ポリプロピレン系重合体の
片面又は両面に、該樹脂組成物を溶融共押出することに
よってシート状となし、次いでこれらを二軸延伸する方
法が、この組成物を容易に、均一かつ薄く積層できるこ
とから好ましい。しかし、未延伸又は一軸延伸した基材
層シートに該樹脂組成物を溶融押出し被覆した後、二軸
延伸又は基材層の延伸方向と直角方向に一軸延伸する方
法も採用することができる。
【0059】上記二軸延伸のうちの先ず縦延伸について
は、ロール周速差を利用して行うことができる。すなわ
ち、90〜140℃、好ましくは95〜135℃の温度
で3〜8倍、好ましくは4〜6倍に延伸し、次に引き続
いて横方向にテンターオーブン中で3〜12倍、好まし
くは4〜11倍に延伸する。ヒートシール時の熱収縮防
止のため、横延伸に引き続き、120〜170℃の温度
で熱セットするのが好ましい。その他の方法として、テ
ンター法やバブル法による同時二軸延伸も可能である。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例における評価は以下の
方法によって行った。
【0061】1.フイルム物性の評価 (1)ヘイズ HAZE ASTM―D−1003に準拠して測定した。単位%。 (2)光沢 GLOSS JIS―K−7105に準拠して、20℃で測定した。
単位%。
【0062】(3)ブロッキング性 2枚のフイルムを接触面積が10cm2となるように重
ねて、2枚のガラス板の間に挟み、50g/cm2の荷
重をかけて40℃の雰囲気下、72時間処置後、ショッ
パー型試験機で引き剥がすときの最大荷重を測定した。
単位g/10cm2。 (4)スクラッチ性(傷つき性) 一辺63cmの正方形のスリップテスター用そりにサン
プルフイルムを巻き付け、荷重3kgにて、別のサンプ
ルフイルム上に30回ヒートシール面同士を滑らした後
の、ヘイズの変化量を測定した。単位%。
【0063】(5)ヒートシール温度 5mm×200mmのヒートシールバーを用い、各設定
温度において、ヒートシール圧力1kg/cm2、ヒー
トシール時間0.5秒の条件でヒートシールした試料か
ら15mm幅の試験サンプルを切り取り、ショッパー型
試験機を用いて、引張速度500mm/分にて引き剥が
し、シール強度が200gとなる温度を測定した。単位
℃。
【0064】[プロピレン系ランダム共重合体(樹脂
A)の製造例] (i)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリドのラセミ体の合成 (a)ラセミ・メソ混合物の合成 1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6m
mol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテ
ル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウ
ムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml(19.
2mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.
5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.2g
(8.6mmol)を添加して反応を行った。この反応
溶液を徐々に室温まで戻しながら1.5時間攪拌した。
その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−メチルイミダゾ
ール15μl(0.19mmol)を添加し、更に、ジ
クロロジメチルシラン0.52ml(4.3mmol)
を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩
酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に
濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス状の
固体2.1gを得た。
【0065】次に、上記の反応生成物1.27gをジエ
チルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−
ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)2.
8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反
応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。
減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテ
ルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−78℃に
冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g(2.3
mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、
室温で4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液を
セライト上で濾過し、濾別された固体をトルエン3ml
で洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで
抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビ
ス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−
4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリのラセミ・
メソ混合物906mg(収率56%)を得た。
【0066】(b)ラセミ体の精製 更に、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ混
合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を40
分照射することによりラセミ体の比率を高め、その後、
不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次い
で、得られた固体成分をトルエン22mlと共に攪拌
し、静置後に上澄み液を除去した、斯かる精製操作を4
回繰り返し、残った固体成分を乾燥し、ジメチルシリレ
ンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリのラ
セミ体275mgを得た。
【0067】(ii)粘土鉱物の化学処理 硫酸(96%)218.1gと硫酸マグネシウム13
0.4gを脱塩水909ミリリットルと混合した水溶液
に市販のモンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピア
F)200.03gを分散させ、100℃で2時間攪拌
した。このモンモリロナイトの水スラリー液を固形分濃
度12%に調製し、スプレードライヤーにより噴霧造粒
を行って、粒子を得た。その後、この粒子を200℃で
2時間減圧乾燥した。
【0068】(iii)触媒成分の調製 内容積1リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレ
ンで充分に置換した後、脱水・脱酸素したヘプタン23
0ミリリットルを導入し、系内温度を40℃に維持し
た。ここに、トルエンにてスラリー化した化学処理粘土
10gを添加した。更に別容器にてトルエン下で混合し
たジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4
−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウ
ムジクロリドのラセミ体0.15ミリモルとトリイソブ
チルアルミニウム1.5ミリモルを添加した。ここでプ
ロピレンを10g/hrの速度で120分導入し、その
後120分重合を継続した。さらに、窒素下で溶媒を除
去・乾燥し、固体触媒成分を得た。この固体触媒成分
は、固体成分1gあたり1.9gのポリプロピレンを含
有していた。
【0069】(iv)重合 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピ
レン45kgを導入した。これにトリイソブチルアルミ
ニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mo
l)、エチレン1.22kg、水素5.2リットル(標
準状態の体積として)を加え、内温を30℃に維持し
た。次いで、上記固体触媒成分2.4gをアルゴンで圧
入して重合を開始させ、30分かけて70℃に昇温し、
1時間その温度を維持した。ここでエタノール100m
lを添加して反応を停止させた。残ガスをパージし、表
1に示す様なプロピレン−エチレン共重合体(樹脂A)
19kgを得た。
【0070】[プロピレン系ランダム共重合体(樹脂
B)の製造例]エチレンと水素の導入量及び触媒の使用
量を変更し、樹脂Aの製造例に従って樹脂Bを製造し
た。即ち、内容積200リットルの攪拌式オートクレー
ブ内をプロピレンで十分に置換した後、十分に脱水した
液化プロピレン45kgを導入した。これにトリイソブ
チルアルミニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.
12mol)、エチレン2.25kg、水素8.0リッ
トル(標準状態の体積として)を加え、内温を30℃に
維持した。次いで、上記固体触媒成分1.2gをアルゴ
ンで圧入して重合を開始させ、30分かけて70℃に昇
温し、1時間その温度を維持した。ここでエタノール1
00mlを添加して反応を停止させた。残ガスをパージ
し、表1に示す様なプロピレン−エチレン共重合体(樹
脂B)21kgを得た。
【0071】[プロピレン系ランダム共重合体(樹脂
C)の製造例]内容積200リットルの攪拌式オートク
レーブをプロピレンで十分に置換した後、脱水・脱酸素
n―ヘプタン60Lを導入し、ジエチルアルミニウムク
ロリド45g、三塩化チタン触媒(エム・アンド・エム
社製)16gを55℃でプロピレン雰囲気下で導入し
た。更に気相水素濃度を5.5容量%に保ちながら、5
5℃の温度で、プロピレン5.8kg/時及びエチレン
0.36kg/時の速度で4時間フィードした後、更に
1時間重合を継続した。その後、残ガスをパージし、生
成物を濾過・乾燥して、表1に示す様なプロピレン−エ
チレン共重合体(樹脂C)25kgを得た。樹脂A〜C
の物性を表1にまとめた。
【0072】
【表1】
【0073】[ポリプロピレン二軸延伸複層フイルムの
製造] 実施例1 基材層用樹脂として、ポリプロピレン単独重合体(日本
ポリケム社製、ノバテックPP FL6CK、MFR
2.5g/10分、I.I95.5%)100重量部に
対して、グリセリンモノステアレート0.4重量部、
N,N’―ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミ
ン0.1重量部及びポリオキシエチレンアルキルアミン
の脂肪酸エステル0.3重量部を混合した組成物を使用
した。接着層用樹脂として、上記樹脂A100重量部に
平均粒径が2.7μm、細孔容積PVが1.0ml/g
の微粉シリカを0.2重量部配合した組成物を使用し
た。
【0074】上記両組成物を3層ダイを用いて3層構成
の積層シートとなるよう共押出成形した。得られた積層
シートを引き続きロール周速差を利用して、115℃の
温度で長さ方向に5倍延伸し、次に165℃のテンター
オーブン中で幅方向に9倍延伸し、中心の基材層厚さが
22μm、両表面の接着層の厚さが共に1.5μmであ
る2種3層のフイルムとした。最後にフイルムの片側表
面をコロナ放電処理しポリプロピレン2軸延伸複層フイ
ルムを得た。フイルム物性を表2に示す。
【0075】実施例2 実施例1において、接着層用樹脂として使用した樹脂A
の代わりに,上記樹脂Bを使用して同様にポリプロピレ
ン2軸延伸複層フイルムを得た。フイルム物性を表2に
示す。
【0076】実施例3 実施例2において、平均粒径が2.2μm、細孔容積P
Vが1.6ml/gの微粉シリカを使用した以外は実施
例2と同様にしてポリプロピレン2軸延伸複層フイルム
を得た。フイルム物性を表2に示す。
【0077】実施例4 実施例1において、接着層用樹脂として使用した樹脂A
の代わりに,上記樹脂B100重量部に対して10重量
部のプロピレン・ブテンー1共重合体(表2において樹
脂Xと表示)を配合した混合樹脂組成物を使用して同様
にポリプロピレン2軸延伸複層フイルムを得た。フイル
ム物性を表2に示す。
【0078】比較例1 実施例2において、平均粒径が2.5μm、細孔容積P
Vが1.8ml/gの微粉シリカを使用した以外は実施
例2と同様にしてポリプロピレン2軸延伸複層フイルム
を得た。フイルム物性を表2に示す。これは接着層に配
合した微粉シリカの細孔容積PVが大きく、柔らか過ぎ
るためブロッキング性が改善されないことを示すもので
ある。
【0079】比較例2 実施例2において、平均粒径が3.0μm、細孔容積P
Vが0.44ml/gの微粉シリカを使用した以外は実
施例2と同様にしてポリプロピレン2軸延伸複層フイル
ムを得た。フイルム物性を表2に示す。これは接着層に
配合した微粉シリカの細孔容積PVが小さく、硬過ぎ、
また平均粒径もやや大きく、フイルムが傷つき易いこと
を示すものである。
【0080】比較例3 実施例1において、接着層用樹脂として使用した樹脂A
の代わりに,上記樹脂Cを使用して同様にポリプロピレ
ン2軸延伸複層フイルムを得た。フイルム物性を表2に
示す。これは接着層がチーグラー系触媒で製造された樹
脂である場合は、微粉シリカの物性が良好であってもブ
ロッキング性が改善されないことを示すものである。
【0081】比較例4 実施例2において、平均粒径が1.6μm、細孔容積P
Vが1.6ml/gの微粉シリカを使用した以外は実施
例2と同様にしてポリプロピレン2軸延伸複層フイルム
を得た。フイルム物性を表2に示す。これは接着層に配
合した微粉シリカの平均粒径が小さ過ぎてブロッキング
性が改善されないことを示すものである。
【0082】
【表2】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン二軸延伸複層フ
イルムは、透明性,光沢と共に低温におけるヒートシー
ル性に優れ、フイルムのベタツキ(ブロッキング性)や
傷つき性に問題がない。本発明により、高速自動包装に
適したポリプロピレン二軸延伸複層フイルムが提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AA20B AA20C AK07A AK07B AK07C AK64B AK64C AK67B AK67C AL03B AL03C AL05B AL05C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 BA15 DE01B DE01C EH20 EJ01B EJ01C EJ38 EJ38A EJ38B EJ38C EJ55 GB15 JA04B JA04C JA06B JA06C JA07B JA07C JK14 JL00 JL08B JL08C JL12 JN01 JN21 YY00B YY00C 4F210 AA04H AA11 AA11H AB17 AG03 QA02 QA03 QC05 QG15 QG18 4J002 BB141 BB151 DJ016 FB236 GF00 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸延伸されて成る結晶性ポリプロピレン
    系重合体の基材層の少なくとも片面に、下記成分A及び
    成分Bを含む樹脂組成物の接着層が積層されて成ること
    を特徴とするポリプロピレン二軸延伸複層フイルム。 成分A:下記(a)〜(d)の特性を有するメタロセン
    系触媒によって重合されたプロピレン系ランダム共重合
    体100重量部 (a)融解ピーク温度Tmpが110〜140℃ (b)メルトフローレートMFRが1〜20g/ 10
    分 (c)分子量分布Q値が4.0以下 (d)溶剤抽出量が2重量%以下 成分B:下記(e)、(f)の特性を有するシリカ粒子
    0.05〜0.4重量部(e)平均粒径1.7〜5μm (f)細孔容積PVが0.8〜1.7ml/g
  2. 【請求項2】成分Aのプロピレン系ランダム共重合体
    が、プロピレン・エチレンランダム共重合体又はプロピ
    レン・ブテン−1ランダム共重合体である請求項1記載
    のポリプロピレン二軸延伸複層フイルム。
  3. 【請求項3】成分Aのプロピレン系ランダム共重合体
    が、エチレン含有量1〜6重量%のプロピレン・エチレ
    ンランダム共重合体である請求項2記載のポリプロピレ
    ン二軸延伸複層フイルム。
  4. 【請求項4】シリカ粒子が、平均粒径2〜4μm、細孔
    容積PV0.9〜1.6ml/gである請求項1乃至3
    いずれか1項記載のポリプロピレン二軸延伸複層フイル
    ム。
  5. 【請求項5】シリカ粒子が、有機酸で処理されたもので
    ある請求項1乃至4いずれか1項記載のポリプロピレン
    二軸延伸複層フイルム。
  6. 【請求項6】有機酸がクエン酸である請求項5記載のポ
    リプロピレン二軸延伸複層フイルム。
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