JP2002020431A - プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体 - Google Patents

プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体

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JP2002020431A
JP2002020431A JP2000212976A JP2000212976A JP2002020431A JP 2002020431 A JP2002020431 A JP 2002020431A JP 2000212976 A JP2000212976 A JP 2000212976A JP 2000212976 A JP2000212976 A JP 2000212976A JP 2002020431 A JP2002020431 A JP 2002020431A
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JP
Japan
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group
propylene
carbon atoms
hydrocarbon group
catalyst component
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Pending
Application number
JP2000212976A
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English (en)
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Minoru Tsuyuki
実 露木
Yasunori Nakamura
康則 中村
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低温ヒートシール性、耐ブロッキング性、滑り
性、透明性の優れたフィルムを与えるプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体の提供。 【解決手段】下記の条件(1)〜(6)を充足すること
を特徴とするプロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体。 (1)MFRが0.5〜50g/10分、(2)DSC
で求めた融点[TP]が110〜150℃、(3)DS
Cで求めた融解終了温度[TE]と融点[TP]との関
係が、 [TE]−[TP]≦8℃ (4)Q値が2〜4、(5)23℃キシレン可溶分≦2
重量%、(6)23℃デカン可溶分≦1重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体に関する。さらに詳しくは低
温ヒートシール性、耐ブロッキング性、滑り性、透明性
に優れ、包装用フィルム用途に好適なプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体は、剛性、透明性および防湿性に優れるため、食
品包装用フィルムや容器などの種々の用途に広く用いら
れている。
【0003】近年はフィルムの二次加工性向上のため、
低温ヒートシール性が強く求められており、これに応え
て、低温ヒートシール性の優れたフィルムを得るため
に、例えば原料プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のα−オレフィン含量を増加して融点を下げる方
法が提案されている。しかし、この方法によるときは、
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体中の溶媒
可溶分が増加し、これがベタツキの原因となって、フィ
ルムの滑り性、耐ブロッキング性が悪化するという問題
が生じる。
【0004】このため、低融点でありながら、溶媒可溶
分の少ないプロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体やそのフィルムの開発が進められており、例えば、特
表平8−510492、特開平9−241439などに
提案されているが、これらの方法においても満足し得る
ものを得ることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温ヒート
シール性、低耐ブロッキング性、滑り性、透明性に優れ
たフィルムを得ることのできるプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために鋭意検討をした結果なされたもので、従来
のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体に比し
て、溶媒可溶分の少ないプロピレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体を提供するものである。
【0007】具体的には、本発明は、下記の要件(1)
〜(6)を充足するプロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体を提供するものである。
【0008】(1)MFRが0.5〜50g/10分、
(2)DSCで求めた融点[TP]が110〜150
℃、(3)DSCで求めた融解終了温度[TE]と融点
[TP]との関係が、 [TE]−[TP]≦8℃ (4)Q値が2.0〜4.0、(5)23℃キシレン可
溶分≦2.0重量%、(6)23℃デカン可溶分≦1.
0重量%
【0009】また、本発明は、下記の触媒成分(A)、
触媒成分(B)及び必要に応じて触媒成分(C)からな
る触媒を用いてプロピレンとα−オレフィンとを共重合
することにより得られる上記のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体を提供するものである。
【0010】触媒成分(A):一般式(1)で示される
メタロセン化合物 Q(C54-a1 a)(C54-b2 b)MeXY (1)
【0011】[ここで、C54-a1 aおよびC54-b
2 bは、それぞれ共役五員環配位子を示し、Qは二つの共
役五員環配位子を架橋する結合性基であって、炭素数1
〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素
基を有するシリレン基または炭素数1〜20の炭化水素
基を有するゲルミレン基を示し、Meはジルコニウムま
たはハフニウムを示し、X及びYは、それぞれ独立し
て、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアル
キルアミド基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素
数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20
のケイ素含有炭化水素基を示す。R1およびR2は、共役
五員環配位子上の置換基であって、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ
基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。隣
接する2個のR1または2個のR2がそれぞれ結合して環
を形成していてもよい。aおよびbは0≦a≦4、0≦
b≦4を満足する整数である。ただし、R1およびR2
有する2個の五員環配位子は、基Qを介しての相対位置
の観点において、Meを含む平面に関して非対称であ
る。]
【0012】触媒成分(B):イオン交換性層状珪酸塩 触媒成分(C):有機アルミニウム化合物
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いるプロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体は、MFRが0.5〜50
g/10min.、好ましくは1〜30g/10mi
n.、より好ましくは2〜20g/10min.とされ
る。MFRが上記範囲より低い場合はフィルムの表面性
状に不良が生じるため好適な生産性が得られず、上記範
囲より高い場合は連続的なフィルムの生産が困難とな
る。
【0014】また、本発明のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体はDSCで求めた融点[TP]
(℃)が110〜150℃、好ましくは115〜145
℃、より好ましくは120〜140℃とされる。[T
P]が上記範囲より低い場合は本発明においても好適な
耐ブロッキング性が得られず、上記範囲より高い場合は
低温ヒートシール特性が得られない。
【0015】また、本発明のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体はDSCで求めた融解終了温度[T
E](℃)と融点[TP](℃)との関係が、[TE]
−[TP]≦8、好ましくは[TE]−[TP]≦6よ
り好ましくは[TE]−[TP]≦5.5を満たすもの
である。[TE]−[TP]が8℃を超える場合は、ヒ
ートシール温度が高くなる。
【0016】また本発明のプロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体のQ値は、2.0〜4.0、好ましく
は2.3〜3.8、さらに好ましくは2.6〜3.6と
される。Q値が上記範囲より低い場合はフィルムの成形
性が低下し、上記範囲より高い場合はフィルムの表面状
態が悪くなると共に耐ブロッキング性が悪化するため好
ましくない。
【0017】また本発明のプロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体は、23℃キシレン可溶分が2.0重
量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましく
は1.0重量%以下である。可溶分が上記より多いと、
耐ブロッキング性、滑り性が低下する。
【0018】また本発明のプロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体は23℃デカン可溶分が1.0重量%
以下、好ましくは0.7重量%以下、より好ましくは
0.5重量%以下である。可溶分が上記より多いと、耐
ブロッキング性、滑り性が低下する。
【0019】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、上記の条件を充足することによって、
それぞれに記載した効果が得られる他、溶媒可溶分が少
ないにもかかわらず低温ヒートシール性に優れたフィル
ムを得ることができる。
【0020】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、上記要件を満たすものであれば、何ら
限定されるものではなく、一成分であっても二成分以上
の混合物であってもよい。
【0021】プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体におけるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素
数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えばエチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4
−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−
1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレ
フィンは一種類でも二種類以上を用いてもよい。このう
ちエチレン、ブテン−1が好適である。
【0022】プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体におけるα−オレフィンの含有量は、一般に0.1
〜20重量%、好ましくは0.3〜15重量%程度であ
る。
【0023】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、後述する触媒成分(A)、触媒成分
(B)、並びに、必要に応じて用いられる触媒成分
(C)からなるいわゆるメタロセン触媒の存在下でプロ
ピレンと少量成分であるα−オレフィンとを共重合させ
ることによって製造することができる。
【0024】<触媒成分(A)>触媒成分(A)として
望ましい化合物は次の一般式(1)で示される化合物で
ある。
【0025】 Q(C54-a1 a)(C54-b2 b)MeXY (1)
【0026】[ここで、C54-a1 aおよびC54-b
2 bは、それぞれ共役五員環配位子を示し、Qは二つの共
役五員環配位子を架橋する結合性基であって、炭素数1
〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素
基を有するシリレン基または炭素数1〜20の炭化水素
基を有するゲルミレン基を示し、Meはジルコニウムま
たはハフニウムを示し、X及びYは、それぞれ独立し
て、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアル
キルアミド基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素
数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20
のケイ素含有炭化水素基を示す。R1およびR2は、共役
五員環配位子上の置換基であって、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ
基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。隣
接する2個のR1または2個のR2がそれぞれ結合して環
を形成していてもよい。aおよびbは0≦a≦4、0≦
b≦4を満足する整数である。ただし、R1およびR2
有する2個の五員環配位子は、基Qを介しての相対位置
の観点において、Meを含む平面に関して非対称であ
る。]
【0027】Qは、上記したように、二つの共役五員環
配位子C54-a1 aおよびC542 bを架橋する結合性
基であって、具体的には、例えば(イ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜6の2価の炭化水素基、具体的に
は、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アリー
レン基等、(ロ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12
の炭化水素基を有するシリレン基、(ハ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有するゲルミ
レン基がある。なお、2価のQ基の両結合手間の距離
は、その炭素数の如何に関わらず、Qが鎖状の場合には
4原子程度以下、就中3原子以下、であることが、Qが
環状基を有するものである場合は当該環状基+2原子程
度以下、就中当該環状基のみであることが、それぞれ好
ましい。
【0028】従って、Qがアルキレンの場合はエチレン
およびイソプロピリデン(結合手間の距離は2原子およ
び1原子)が、シクロアルキレン基の場合はシクロヘキ
シレン(結合手間の距離がシクロヘキシレン基のみ)
が、アルキルシリレンの場合は、ジメチルシリレン(結
合手間の距離が1原子)が、それぞれ好ましい。Me
は、ジルコニウムまたはハフニウムである。
【0029】X及びYは、それぞれ独立に、すなわち同
一でも異なってもよく、(イ)水素、(ロ)ハロゲン
(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩
素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素
数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のア
ルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化
水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基
または(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
【0030】R1及びR2は、共役五員環配位子上の置換
基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化
水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭
素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2〜20
のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含有炭化
水素基または炭素数2〜20のホウ素含有炭化水素基を
示す。また、隣接する2個のR1同士または2個のR2
士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタジエニル基
の一部と共に環を形成していてもよい。
【0031】そのような場合の代表例としてはシクロペ
ンタジエニル基上の隣接する2つのR1(あるいはR2
が当該シクロペンタジエニル基の二重結合を共有して縮
合六員環を形成しているもの(すなわちインデニル基お
よびフルオレニル基)および縮合七員環を形成している
もの(すなわちアズレニル基)がある。aおよびbは0
≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
【0032】上記メタロセン化合物の非限定的な例とし
て、下記のものを挙げることができる。なお、これらの
化合物は、単に化学的名称のみで示称されているが、そ
の立体構造が本発明で言う非対称性を持つものであるこ
とはいうまでもない。
【0033】(A1)シリレン架橋五員環配位子を2個
有する遷移金属化合物、例えば、(1)ジメチルシリレ
ンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス{1−(2,4−ジメチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4
H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジル
コニウムジクロリド、(7)ジメチルシリレンビス{1
−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(8)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−(4−クロロ
フェニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズ
レニル)}ジルコニウムジクロリド、(9)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、(10)ジメチルシ
リレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)
インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、(11)ジメ
チルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフ
チル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド、(12)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル
−4−(1−ナフチル)−4H−5,6,7,8−テト
ラヒドロアズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(1
3)メチルフェニルシリレンビス(1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(14)メチルフェニルシリレ
ンビス{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(15)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2,4−ジメチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(16)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(17)メチルフ
ェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(1
8)メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−
4−フェニル−4H−5,6,7,8,−テトラヒドロ
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(19)メチ
ルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−
ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(2
0)メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−
4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジク
ロリド、(21)メチルフェニルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(22)メチルフェニ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、(24)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムメチルクロリド、(25)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジメチル、(26)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジメチル、(27)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムクロロジメチルアミド、(28)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4,5−ベ
ンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(29)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(30)ジ
メチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
1)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(32)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(33)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4
−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,8−テ
トラヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(34)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フ
ェニルインデニル)}{1−(2,3,5−トリメチル
シクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
(35)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル)}{1−(2,3,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)}ジルコニウムジクロリド、(36)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4,4−ジメチル−
シラ−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(37)ジメチルシリレンビス
{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジル
コニウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、(3
8)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムビス(トリ
フルオロメタンスルホン酸)、(39)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−5,
6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、(40)ジメ
チルシリレンビス{1−(2−エチル−4−(ペンタフ
ルオロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(41)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル
−4−フェニル−7−フルオロインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(42)ジメチルシリレンビス{1−
(2−エチル−4−インドリルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(43)ジメチルシリレンビス{1−
(2−ジメチルボラノ−4−インドリルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、
【0034】(A2)アルキレン基で架橋した五員環配
位子を2個有する遷移金属化合物、例えば、(1)エチ
レン−1,2−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、(2)エチレン−1,2−ビス{1−(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(3)エチレン−1,2−ビス{1−
(2,4−ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(4)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−メチ
ル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジル
コニウムジクロリド(5)エチレン−1,2−ビス{1
−(2,4−ジメチル−4H−アズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(6)エチレン−1,2−ビス{1−
(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、(7)エチレン−1,2−ビス{1−
(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(8)エチレン−1,2−ビス
{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(9)エチレン−1,2−ビス
〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)エチレン−
1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフ
ェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド等が挙げられる。
【0035】(A3)ゲルマニウム、アルミニウム、ホ
ウ素、リンあるいは窒素を含む炭化水素残基で架橋した
五員環配位子を有する遷移金属化合物、例えば、(1)
ジメチルゲルミレンビス(1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(2)ジメチルゲルミレンビス{1−
(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、(3)ジメチルゲルミレンビス{1−
(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(4)ジメチルゲルミレンビス
{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(5)メチルアルミニウムビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(6)フ
ェニルホスフィノビス(1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(7)エチルホラノビス(1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(8)フェニルアミノビ
ス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(9)ジ
メチルゲルミレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−
クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウム
ジクロリド等が例示される。
【0036】これらの錯体の中で特に好ましいものは、
アズレン骨格を有する錯体である。
【0037】<触媒成分(B)>触媒成分(B)として
は、イオン交換性層状珪酸塩が用いられる。イオン交換
性層状珪酸塩は、イオン結合等によって構成される面が
互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる
珪酸塩化合物であり、含有するイオン交換可能なものを
指称する。
【0038】大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然
には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、
イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然産のものに限ら
ず、人工合成物であってもよい。イオン交換性層状珪酸
塩の具体例としては、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物
学」朝倉書店(1995年)、等に記載される公知の層
状珪酸塩であって、ディッカイト、ナクライト、カオリ
ナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサ
イト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、ア
ンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコ
ナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、
ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニ
オライト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバ
ーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑
石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリ
ゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タル
ク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を形成して
いてもよい。
【0039】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。なお、触媒成分(B)として、
水銀圧入法で測定した半径が20オングストローム以上
の細孔容積が0.1cc/g未満の化合物を用いた場合
には、高い重合活性が得られ難い傾向があるので、0.
1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gのものが好
ましい。
【0040】また、触媒成分(B)は特に処理を行うこ
となくそのまま用いることができるが、触媒成分(B)
に化学処理を施すことも好ましい。ここで化学処理と
は、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘
土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることが
できる。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処
理、有機物処理等が挙げられる。
【0041】酸処理は表面の不純物を取り除く他、結晶
構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させるこ
とによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土
の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。
また塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複
合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変え
ることができる。イオン交換性を利用し、層間の交換性
イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することによ
り、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもでき
る。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的
な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。また層状物質
層間に別の物質を導入することをインターカレーション
という。
【0042】インターカレーションするゲスト化合物と
しては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合
物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3
B(OR)3[Rはアルキル、アリール等]等の金属ア
ルコラート、[Al134(OH)247+、[Zr4(O
H)142+、[Fe3O(OCOCH36+等の金属水
酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は、単一
で用いても、また2種類以上共存させて用いてもよい。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si
(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属ア
ルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO2等の
コロイド状無機化合物等を共存させることもできる。ま
た、ピラーの例としては上記水酸化物イオンを層間にイ
ンターカレーションした後に加熱脱水することにより生
成する酸化物等が挙げられる。触媒成分(B)はそのま
ま用いてもよいし、加熱脱水処理した後用いてもよい。
また、単独で用いても、上記固体の2種以上を混合して
用いてもよい。
【0043】本発明において使用されるイオン交換性層
状珪酸塩としては、塩類で処理される前の、イオン交換
性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属陽イオンの
40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類
より解離した陽イオンと、イオン交換することが好まし
い。
【0044】このようなイオン交換を目的とした塩類処
理で用いられる塩類は、2〜14族原子から成る群より
選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有す
る化合物であり、好ましくは、2〜14族原子から成る
群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオン
と、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より
選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物で
あり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より
選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、C
l、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C2
4、OCOCH3、CH3COCHCOCH3、OC
3、O(NO3)、O(ClO42、O(SO4)、O
H、O2、Cl2、OCl3、OCOH、OCOCH2CH
3、C244およびC657から成る群より選ばれる
少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。
【0045】具体的には、CaCl2、CaSO4、Ca
24、Ca(NO32、Ca3(C6572、Mg
Cl2、MgBr2、MgSO4、Mg(PO42、Mg
(ClO42、MgC24、Mg(NO32、Mg(O
COCH32、MgC444、Sc(OCOC
32、Sc2(CO33、Sc2(C243、Sc
(NO33、Sc2(SO43、ScF3、ScCl3
ScBr3、ScI3、Y(OCOCH33、Y(CH3
COCHCOCH33、Y2(CO33、Y2(C24
3、Y(NO33、Y(ClO43、YPO4、Y2(S
43、YF3、YCl3、La(OOCH33、La
(CH3COCHCOCH33、La2(CO33、La
(NO33、La(ClO43、La2(C243、L
aPO4、La2(SO43、LaF3、LaCl3、La
Br3、LaI3、Sm(OCOCH33、Sm(CH3
COCHCOCH33、Sm2(CO33、Sm(N
33、Sm(ClCO43、Sm2(C243、Sm
PO4、Sm2(SO43、SmF3、SmCl3、SmB
3、SmI3、Yb(OCOCH33、Yb(N
33、Yb(ClO43、Yb(C243、Yb
(SO43、YbF3、YbCl3、Ti(OCOC
34、Ti(CO32、Ti(NO34、Ti(SO
42、TiF4、TiCl4、TiBr4、TiI4、Zr
(OCOCH34、Zr(CO32、Zr(NO34
Zr(SO42、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、Z
rI4、ZrOCl2、ZrO(NO32、ZrO(Cl
42、ZrO(SO4)、Hf(OCOCH34、H
f(CO32、Hf(NO34、Hf(SO42、Hf
OCl2、HfF4、HfCl4、HfBr4、HfI4
V(CH3COCHCOCH33、VOSO4、VOCl
3、VCl3、VCl4、VBr3、Nb(CH3COCH
COCH35、Nb2(CO35、Nb(NO35、N
2(SO45、ZrF5、ZrCl5、NbBr5、Nb
5、Ta(OCOCH35、Ta2(CO35、Ta
(NO35、Ta2(SO45、TaF5、TaCl5
TaBr5、TaI5、Cr(OOCH32OH、Cr
(CH3COCHCOCH33、Cr(NO33、Cr
(ClO43、CrPO4、Cr2(SO43、CrO2
Cl2、CrF3、CrCl3、CrBr3、CrI3、M
oOCl4、MoCl3、MoCl4、MoCl5、MoF
6、MoI2、WCl4、WCl6、WF6、WBr5、Mn
(OOCH32、Mn(CH3COCHCOCH32
MnCO3、Mn(NO32、MnO、Mn(ClO4
2、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2、Fe
(OCOCH32、Fe(CH3COCHCOC
33、FeCO3、Fe(NO33、Fe(ClO4
3、FePO4、FeSO4、Fe2(SO43、Fe
3、FeCl3、FeBr3、FeI2、FeC6
57、Co(OCOCH32、Co(CH3COCHC
OCH33、CoCO3、Co(NO32、CoC
24、Co(ClO42、Co3(PO42、CoS
4、CoF2、CoCl2、CoBr2、CoI2、Ni
CO3、Ni(NO32、NiC24、Ni(ClO4
2、NiSO4、NiCl2、NiBr2、Pb(OCOC
34、Pb(OOCH32、PbCO3、Pb(N
32、PbSO4、PbHPO4、Pb(ClO42
PbF2、PbCl2、PbBr2、PbI2、CuI2
CuBr2、Cu(NO32、CuC24、Cu(Cl
42、CuSO4、Cu(OCOCH32、Zn(O
OCH32、Zn(CH3COCHCOCH32、Zn
CO3、Zn(NO32、Zn(ClO42、Zn3(P
42、ZnSO4、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2
ZnI2、Cd(OCOCH32、Cd(CH3COCH
COCH32、Cd(OCOCH2CH32、Cd(N
32、Cd(ClO42、CdSO4、CdF2、Cd
Cl2、CdBr2、CdI2、AlF3、AlCl3、A
lBr3、AlI3、Al2(SO43、Al2(C24
3、Al(CH3COCHCOCH33、Al(N
33、AlPO4、GeCl4、GeBr4、GeI4
Sn(OCOCH34、Sn(SO42、SnF4、S
nCl4、SnBr4、SnI4等が挙げられる。酸処理
は表面の不純物を除くほか、結晶構造のAl、Fe、M
g等の陽イオンの一部または全部を溶出させることがで
きる。
【0046】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択され
る。処理に用いる塩類および酸は2種以上であってもよ
い。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、
塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行っ
た後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処理を
同時に行う方法がある。
【0047】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は0.1〜30
重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は5分〜24
時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に含有
される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を溶出
する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸
は、一般的には水溶液で用いられる。
【0048】本発明では、好ましくは上記塩類処理およ
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および
層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水
および層間水を除去して触媒成分(B)として使用する
のが好ましい。
【0049】ここで吸着水とは、イオン交換性層状珪酸
塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水
で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明で
は、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間
水を除去して使用することができる。
【0050】イオン交換性層状珪酸塩の吸着水および層
間水の加熱処理方法は特に制限されないが、加熱脱水、
気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶
媒との共沸脱水等の方法が用いられる。加熱の際の温度
は、イオン交換性層状珪酸塩および層間イオンの種類に
よるために一概に規定できないが、層間水が残存しない
ように、100℃以上、好ましくは150℃以上である
が、構造破壊を生じるような高温条件(加熱時間にもよ
るが例えば800℃以上)は好ましくない。また、空気
流通下での加熱等の架橋構造を形成させるような加熱脱
水方法は、触媒の重合活性が低下し、好ましくない。加
熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上であ
る。その際、除去した後の触媒成分(B)の水分含有率
が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱
水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%
以下、好ましくは1重量%以下であることが好ましい。
【0051】以上のように、本発明において、触媒成分
(B)として、特に好ましいものは、塩類処理および/
または酸処理を行って得られた、水分含有率が1重量%
以下の、イオン交換性層状珪酸塩である。
【0052】また触媒成分(B)は、平均粒径が5μm
以上の球状粒子を用いるのが好ましい。より好ましく
は、平均粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。更に
好ましくは平均粒径が10μm以上100μm以下の球
状粒子を用いる。ここでいう平均粒径は、粒子の光学顕
微鏡写真(倍率100倍)を画像処理して算出した数平
均の粒径で表す。また触媒成分(B)は、粒子の形状が
球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用して
もよいし、粉砕、造粒、分級等により粒子の形状および
粒径を制御したものを用いてもよい。
【0053】ここで用いられる造粒法は例えば攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げることができ
触媒成分(B)を造粒することが可能な方法であれば特
に限定されない。造粒法として好ましくは、攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げら
れ、特に好ましくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられ
る。なお、噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒
として水あるいはメタノール、エタノール、クロロホル
ム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ト
ルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水
を分散媒として用いる。
【0054】球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリ
ー液の触媒成分(B)の濃度は0.1〜70%、好まし
くは1〜50%、特に好ましくは5〜30%である。球
状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分
散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、
好ましくは100〜220℃で行う。
【0055】また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機
塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバイン
ダーとしては例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロ
ップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース
類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネ
シウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、
ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、
アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
【0056】上記のように得られた球状粒子は、重合工
程での破砕や微粉発生の抑制をするためには0.2MP
a以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。このよ
うな粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、
粒子性状改良効果が有効に発揮される。
【0057】<触媒成分(C)>触媒成分(C)は有機
アルミニウム化合物である。本発明で触媒成分(C)と
して用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式(A
lR4 n3-nmで示される化合物が適当である。本発明
ではこの式で表される化合物を単独で、複数種混合して
あるいは併用して使用することができることはいうまで
もない。また、この使用触媒調製時だけでなく、予備重
合あるいは重合時にも可能である。
【0058】この式中、R4は炭素数1〜20の炭化水
素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、ア
ミノ基を示す。nは1〜3の、mは1〜2の整数であ
る。R4としてはアルキル基が好ましく、またXは、そ
れがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合に
は炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には
炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。したがって、好ま
しい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルア
ルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニ
ウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマ
ルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチ
ルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、
m=1、n=3のトリアルキルアルミニウムおよびジア
ルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは
4が炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムで
ある。
【0059】<触媒の形成>上記のプロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体を製造する際に用いられる触
媒としては、上記の触媒成分(A)、触媒成分(B)な
らびに必要に応じて用いられる触媒成分(C)からなる
触媒を、重合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべ
きモノマーの存在下あるいは不存在下に接触させること
により調製することができる。
【0060】また、上記触媒は、オレフィンの存在下で
予備重合を行ったものであってもよい。予備重合に用い
られるオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1
−ブテン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニル
ベンゼン等が用いられるが、これらと他のオレフィンと
の混合物であってもよい。
【0061】上記触媒の調製において使用される触媒成
分(A)、触媒成分(B)、触媒成分(C)の使用量は
任意の比で使用することができる。
【0062】<重合>本発明に用いるプロピレン系重合
体の重合は、触媒成分(A)、触媒成分(B)、並びに
必要に応じて触媒成分(C)からなる触媒とプロピレン
とエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとを
混合接触させることにより行われる。
【0063】反応系中の各モノマーの量比は経時的に一
定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給
することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を
経時的に変化させることも可能である。また、共重合反
応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加すること
もできる。
【0064】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒とし
て用いるバルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶
媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保って行なわ
れる気相法を採用することができる。
【0065】また、連続重合、回分式重合にも適用され
る。スラリー法の場合には、不活性溶媒としてヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あ
るいは混合物を用いることができる。
【0066】重合条件としては重合温度が−78℃〜1
60℃、好ましくは0℃〜150℃である。重合の際の
分子量調節剤として補助的に水素を用いることができ
る。
【0067】また、重合圧力は0〜90kg/cm2
G、好ましくは0〜60kg/cm2・G、特に好まし
くは1〜50kg/cm2・Gが適当である。
【0068】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体には本発明の目的が損なわれない範囲で、
各種添加剤、例えば造核剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、
耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング
剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマーなどを配合
することができる。配合は通常溶融混練機を用いて19
0℃〜350℃で加熱溶融混練し、粒状に裁断されたペ
レット状態で成形材料として提供される。
【0069】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、包装用フィルム用途に好適に用いられ
る。フィルムへの成形は上述のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体をキャスト法、インフレーション
成形法などの溶融押出し成形法により製膜することがで
きる。該フィルムの厚みは通常5〜500μm程度であ
る。またフィルムは単層での使用だけでなく、共押出し
製膜法による複層フィルムにも好適に使用できる。さら
に得られたフィルムを二軸延伸して用いることもでき
る。複層フィルムの場合、本発明のプロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体は、フィルムの表面層に用い
ることが好ましい。
【0070】
【実施例】a.MFRの測定 JIS−K6758に準拠し測定した(条件:温度/2
30℃、荷重2.16kgf)。
【0071】b.DSCで求めた融点[TP]、[T
E]の測定 セイコー社製DSCを用い、サンプル量5mgを採り、
200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の
降温速度で冷却して結晶化させ、更に10℃/分の昇温
速度で融解させたときに描かれる曲線のピーク位置をD
SCで求めた融点[TP]、ピーク位置を越えベースラ
インとの接点をDSCで求めた融点[TE]とする。
【0072】c.Q値の測定 GPCにより測定した重量平均分子量と数平均分子量と
の比をQ値とした。測定条件はつぎの通りである。
【0073】 装置:ウオーターズ社製GPC 150C型 カラム:昭和電工社製AD80M/S 3本 測定温度:140℃ 濃度:20mg/10ml 溶媒:オルソジクロロベンゼン
【0074】d.23℃キシレン可溶分の測定 140℃のキシレン300ミリリットルに1gのサンプ
ルを一時間かけて溶解した後、23℃まで冷却したとき
に、23℃キシレンに溶解しているプロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体の重量を測定して求める。
【0075】e.23℃デカン可溶分の測定 170℃のデカン300ミリリットルに5gのサンプル
を一時間かけて完全に溶解した後、23℃まで冷却した
ときに23℃デカンに溶解しているプロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体の重量を測定して求める。
【0076】(フィルムの製造)樹脂パウダー100重
量部に以下の添加剤を処方し混合の後、池貝製作所製二
軸押出機PCM(スクリュー径30mm)を用いて、造
粒を行なう。Ir1010/Ir168/CaSt/合
成シリカ(平均粒径2.7μm)/エルカ酸アミド=
0.05/0.05/0.05/0.15/0.08
[重量部]
【0077】得られたペレットを使用し、プラコー社製
Tダイ成形機(35mmφ)を使用し、厚み25ミクロ
ンの単層フイルムを得た。なお、この際の冷却ロールの
表面温度は30℃であった。得られたフィルムの片面に
40dyne/cmのコロナ処理を行なった。
【0078】(試験方法) a.透明性(Haze)の測定 ASTM−D1003に準拠して、得られたフィルムを
ヘイズメータにて測定した(単位:%)。この値が小さ
い程透明性が優れていることを意味する。
【0079】b.ブロッキング強度 ASTMD1893(CT法)に準拠して次の通り行な
った。
【0080】得られたフィルムから、幅2cm、長さ1
5cmの試料を採取し、コロナ処理面同士を長さ5cm
にわたって重ね、50g/cm2の荷重下で温度40℃
の雰囲気下に24時間静置した後、荷重を除き、温度2
3℃、湿度50%RH下に充分調整した後、引張試験機
を用いて重ねた部分を500mm/minの速度で開い
た際の剥離に要する力を求めた。この値が小さいほど、
耐ブロッキング性はよい。
【0081】c.滑り性の測定 得られたフィルムを温度40℃の雰囲気下に7日間、次
いで温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下に7日間状
態調整した試料を、ASTM−D1894に準拠して、
スリップテスター法によってコロナ処理面同士の静摩擦
係数を測定した。この値が小さい程、滑り性が優れてい
ることを意味する。
【0082】d.ヒートシール性の測定 5mm×200mmのヒートシールバーを用い、各温度
設定においてヒートシール圧力2kg/cm2、ヒート
シール時間1秒の条件下でシールした試料から15mm
幅のサンプルを取り、ショッパー型試験機を用いて引張
速度500mm/分にて引き離し、その荷重を読みとっ
た。荷重300gになるシール温度をヒートシール性の
指標とした。この値が小さい程、ヒートシール性が優れ
ていることを意味する。
【0083】実施例1 [プロピレン系ランダム共重合体の製造] (i)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリドのラセミ体の合成 (a)ラセミ・メソ混合物の合成 1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6m
mol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテ
ル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウ
ムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml(19.
2mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.
5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.2g
(8.6mmol)を添加して反応を行った。この反応
溶液を徐々に室温まで戻しながら1.5時間攪拌した。
その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−メチルイミダゾ
ール15μl(0.19mmol)を添加し、更に、ジ
クロロジメチルシラン0.52ml(4.3mmol)
を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩
酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に
濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス状の
固体2.1gを得た。
【0084】次に、上記の反応生成物1.27gをジエ
チルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−
ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)2.
8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反
応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。
減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテ
ルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−78℃に
冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g(2.3
mmol)を添加した。
【0085】その後、直ちに室温まで戻し、室温で4時
間攪拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上
で濾過し、濾別された固体をトルエン3mlで洗浄して
回収した。回収した固体をジクロロメタンで抽出し、抽
出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス[1−
{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル}]ジルコニウムジクロリのラセミ・メソ混合
物906mg(収率56%)を得た。
【0086】(b)ラセミ体の精製 更に、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ混
合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を40
分照射することによりラセミ体の比率を高め、その後、
不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次い
で、得られた固体成分をトルエン22mlと共に攪拌
し、静置後に上澄み液を除去した、斯かる精製操作を4
回繰り返し、残った固体成分を乾燥し、ジメチルシリレ
ンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリのラ
セミ体275mgを得た。
【0087】(ii)粘土鉱物の化学処理 硫酸(96%)218.1gと硫酸マグネシウム13
0.4gを脱塩水909ミリリットルと混合した水溶液
に市販のモンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピア
F)200.03gを分散させ、100℃で2時間攪拌
した。このモンモリロナイトの水スラリー液を固形分濃
度12%に調製し、スプレードライヤーにより噴霧造粒
を行って、粒子を得た。その後、この粒子を200℃で
2時間減圧乾燥した。
【0088】(iii)固体触媒成分の調製 内容積1リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレ
ンで充分に置換した後、脱水・脱酸素したヘプタン23
0ミリリットルを導入し、系内温度を40℃に維持し
た。ここに、トルエンにてスラリー化した化学処理粘土
10gを添加した。更に別容器にてトルエン下で混合し
たジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4
−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウ
ムジクロリドのラセミ体0.15ミリモルとトリイソブ
チルアルミニウム1.5ミリモルを添加した。ここでプ
ロピレンを10g/hrの速度で120分導入し、その
後120分重合を継続した。さらに、窒素下で溶媒を除
去・乾燥し、固体触媒成分を得た。この固体触媒成分
は、固体成分1gあたり1.9gのポリプロピレンを含
有していた。
【0089】(iv)重合 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピ
レン45kgを導入した。これにトリイソブチルアルミ
ニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mo
l)、エチレン1.22kg、水素5.2リットル(標
準状態の体積として)を加え、内温を30℃に維持し
た。次いで、上記固体触媒成分2.4gをアルゴンで圧
入して重合を開始させ、30分かけて70℃に昇温し、
1時間その温度を維持した。ここでエタノール100m
lを添加して反応を停止させた。残ガスをパージし、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体(PCP−A)を
19kg得た。
【0090】[評価]プロピレン−エチレンランダム共
重合体(PCP−A)およびプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体(PCP−A)から得られたフィルムを評
価した結果を表1に示す。
【0091】実施例2 エチレンと水素の導入量及び触媒の使用量を変更し、実
施例1と同様の方法でプロピレン−エチレンランダム共
重合体(PCP−B)を製造した。プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体(PCP−B)およびそれから得ら
れたフィルムの評価結果は表1の通りであった。
【0092】比較例1 (i)触媒調製 充分にチッソ置換したフラスコに脱水及び脱酸素したn
−ヘプタン200ミリリットルを導入し、ついでMgC
20.4モル、Ti(O−n−C494を0.8モル
導入し、95℃に保ちながら2時間反応させた。反応終
了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン(20センチストークス)を48ミリ
リットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分
をn−ヘプタンで洗浄した。
【0093】次いで、充分にチッソ置換したフラスコに
精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記
で合成した固体成分をMg原子換算で0.24モル導入
した。さらに、n−ヘプタン25ミリリットルSiCl
40.4モルを混合して30℃に保ちながら60分間か
けてフラスコへ導入し、90℃で3時間反応させた。
【0094】これに、さらにn−ヘプタン25ミリリッ
トルにフタル酸クロライド0.016モルを混合して、
90℃に保ちながら30分間かけてフラスコに導入し、
90℃で1時間反応させた。
【0095】反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次
いでこれらにSiCl40.24ミリモルを導入して、
100℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタ
ンで充分洗浄した。充分にチッソ置換したフラスコに充
分精製したn−ヘプタン50ミリリットルを導入し、つ
いで上記で得た個体成分を5グラム導入し、さらに(C
33CSi(CH3)(OCH32を0.81ミリリ
ットル導入し、30℃で2時間接触させた。接触終了後
n−ヘプタンで洗浄した。さらに、プロピレンをフロー
させて予備重合を実施し、固体触媒を得た。
【0096】(ii)重合 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分に置換した後、精製したn−ヘプタン60
リットルを導入し、これにトリエチルアルミニウム15
g、上述の固体触媒1.8g(予備重合ポリマーを除い
た量として)を55℃でプロピレン雰囲気下で導入し
た。さらに気相部水素濃度を6.0容量%に保ちながら
プロピレンを5.8Kg/時間のフィード速度で導入
し、重合を開始した。15分後、温度を60℃に昇温
し、さらにエチレンを155g/時間のフィード速度で
導入し、さらに1−ブテンを重合開始270分後まで5
70g/時間のフィード速度で導入して6時間重合を実
施した。その後、全モノマーの供給を停止し1時間重合
を継続した。その後、ブタノールにより触媒を分解し、
生成物のろ過、乾燥を行なって、表1に示すようなプロ
ピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体(PC
P−C)を29.8Kg得た。プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体(PCP−C)及びそれから得られたフ
ィルムの評価結果は表1の通りであった。
【0097】比較例2 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分に置換した後、脱水・脱酸素n−ヘプタン6
0Lを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド16g、
三塩化チタン触媒(エム・アンド・エス社製)4.1g
を55℃でプロピレン雰囲気下で導入した。更に気相水
素濃度を6.0容量%に保ちながら、55℃の温度で、
プロピレン5.7kg/時及びエチレン0.28kg/
時の速度で4時間フィードした後、更に1時間重合を継
続した。その後、残ガスをパージし、生成物を濾過・乾
燥して、表1に示す様なプロピレン−エチレンランダム
共重合体(PCP−D)を2kg得た。プロピレン−エ
チレンランダム共重合体(PCP−D)およびフィルム
の評価は実施例1に従った。その結果は表1の通りであ
った。
【0098】比較例3 内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分に置換した後、精製したn−ヘプタン60
リットルを導入し、これにジエチルアルミニウムクロラ
イド16g、三塩化チタン触媒(エム・アンド・エス社
製)4.1gを50℃でプロピレン雰囲気下で導入し
た。さらに気相部水素濃度を5.1容量%に保ちながら
プロピレンを5.1Kg/時間のフィード速度で導入
し、重合を開始した。10分後、温度を55℃に昇温
し、さらにエチレンを100g/時間、1−ブテンを7
90g/時間のフィード速度で導入して6時間重合を実
施した。
【0099】その後、全モノマーの供給を停止し、1時
間重合を継続した。その後、ブタノールにより触媒を分
解し、生成物のろ過、乾燥を行なって、共重合体(PC
P−E)を10.7Kg得た。なお、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体(PCP−E)およびフィルム評
価は実施例1に従った。その結果は表1の通りであっ
た。
【0100】比較例4 比較例2において、重合を終了して残ガスをパージした
後、85℃に加熱し、85℃で重合体と可溶性ポリマー
を含有する重合溶媒とを分離し、重合体を乾燥してプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体(PCP−F)を得
た。
【0101】比較例5 触媒に、rac−ジメチルシリレンビス{1−(2−メ
チル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リドを、助触媒にメチルアルモキサンを使用した以外は
実施例2に従って重合を行ないプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体(PCP−G)を得た。
【0102】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬詰 忠司 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AC01A AC27A AC28A BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC16B BC19B BC24B CA30C EA01 EB04 EB05 EB08 EB09 EB10 EC02 FA02 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA07Q AA16Q AA17Q AA19Q CA04 DA04 DA24 DA40 DA43 FA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の要件(1)〜(6)を充足すること
    を特徴とするプロピレン・α−オレフィンランダム共重
    合体。 (1)MFRが0.5〜50g/10分、 (2)DSCで求めた融点[TP]が110〜150
    ℃、 (3)DSCで求めた融解終了温度[TE]と融点[T
    P]との関係が、 [TE]−[TP]≦8℃ (4)Q値が2.0〜4.0、 (5)23℃キシレン可溶分≦2.0重量%、 (6)23℃デカン可溶分≦1.0重量%
  2. 【請求項2】下記の触媒成分(A)、触媒成分(B)及
    び必要に応じて触媒成分(C)からなる触媒を用いてプ
    ロピレンとα−オレフィンとを共重合することにより得
    られたものである請求項1記載のプロピレン・α−オレ
    フィンランダム共重合体。 触媒成分(A):一般式(1)で示されるメタロセン化
    合物 Q(C54-a1 a)(C54-b2 b)MeXY (1) [ここで、C54-a1 a及びC54-b2 bは、それぞれ
    共役五員環配位子を示し、Qは二つの共役五員環配位子
    を架橋する結合性基であって、炭素数1〜20の2価の
    炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリ
    レン基または炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲル
    ミレン基を示し、Meはジルコニウムまたはハフニウム
    を示し、X及びYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲ
    ン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の
    アルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド基、ト
    リフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン
    含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化
    水素基を示す。R1およびR2は、共役五員環配位子上の
    置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の
    炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ基、ケイ素含有炭化
    水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基また
    はホウ素含有炭化水素基を示す。隣接する2個のR1
    たは2個のR2がそれぞれ結合して環を形成していても
    よい。aおよびbは0≦a≦4、0≦b≦4を満足する
    整数である。ただし、R1およびR2を有する2個の五員
    環配位子は、基Qを介しての相対位置の観点において、
    Meを含む平面に関して非対称である。] 触媒成分(B):イオン交換性層状珪酸塩 触媒成分(C):有機アルミニウム化合物
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006082830A1 (ja) * 2005-02-01 2006-08-10 Prime Polymar Co., Ltd. 樹脂組成物、透明弾性回復性フィルム又はシート並びにラップフィルム
JP2013533347A (ja) * 2010-07-01 2013-08-22 ボレアリス エージー 第4族のメタロセンを触媒として用いるオレフィン重合化方法

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JP2013533347A (ja) * 2010-07-01 2013-08-22 ボレアリス エージー 第4族のメタロセンを触媒として用いるオレフィン重合化方法
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