JP2002020430A - プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体 - Google Patents

プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体

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JP2002020430A
JP2002020430A JP2000212590A JP2000212590A JP2002020430A JP 2002020430 A JP2002020430 A JP 2002020430A JP 2000212590 A JP2000212590 A JP 2000212590A JP 2000212590 A JP2000212590 A JP 2000212590A JP 2002020430 A JP2002020430 A JP 2002020430A
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JP
Japan
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group
propylene
hydrocarbon group
random copolymer
melting point
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Application number
JP2000212590A
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English (en)
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Minoru Tsuyuki
実 露木
Yasunori Nakamura
康則 中村
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温ヒートシール性、ブロッキング性、剛性
および透明性に優れるプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体を提供すること。 【解決手段】 (a)特定のメルトフローレート、
(b)特定の融点、(c)特定の融解終了温度と融点と
の関係、(d)特定のQ値、および(e)特定の密度と
融点との関係を有するプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体、並びに特定の触媒を用いて共重合して得
られる、上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体に関し、さらに詳しくは、
低温ヒートシール性、耐ブロッキング性、剛性および透
明性に優れた包装用フィルム用途に好適なプロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は、剛性、透明性お
よび防湿性に優れるため、食品包装用フィルムや容器等
の種々の用途に広く用いられている。近年、フィルムの
二次加工性向上のため、低温ヒートシール性が強く求め
られており、低温ヒートシール性の優れたフィルムを得
るために、例えば、プロピレンと少量のα−オレフィン
とを共重合し、プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体とすることで、融点を下げる方法が提案されてい
る。しかし、この方法によると、α−オレフィン含量を
増加することにより融点が下がり、それに伴って低温ヒ
ートシール性は向上するものの、フィルムの腰が弱くな
ってしまうという問題が生じ、結局、低温ヒートシール
性と剛性のバランスを満足するフィルムは得られていな
いのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、低温ヒートシール性と剛性のバランスに優れた
フィルムを与え得る、プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために鋭意検討をした結果、なされたものであ
り、特定の構造を有するプロピレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体が、低温ヒートシール性と剛性のバラン
スに優れたフィルムを与え得ることを見出し、本発明に
到達した。
【0005】具体的に本発明は、下記の要件(1)〜
(5)を充足するプロピレン・α−オレフィンランダム
共重合体を提供するものである。
【0006】(1)MFRが、0.5〜50g/10
分、(2)DSCで求めた融点〔TP〕が、110〜1
50℃、(3)DSCで求めた融解終了温度〔TE〕と
融点〔TP〕との関係が、 〔TE〕−〔TP〕≦8℃、 (4)Q値が、2〜4、(5)密度〔D〕と融点〔T
P〕との関係が、式(I)を満たすこと、 8650>10000〔D〕―3〔TP〕>8570・・・(I)
【0007】また、本発明のもう一つの発明は、特定の
触媒を用いて、プロピレンとα−オレフィンとを共重合
することにより得られる、下記の要件(1)〜(5)を
充足するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
を提供するものである。
【0008】(1)MFRが、0.5〜50g/10
分、(2)DSCで求めた融点〔TP〕が、110〜1
50℃、(3)DSCで求めた融解終了温度〔TE〕と
融点〔TP〕との関係が、 〔TE〕−〔TP〕≦8℃、 (4)Q値が、2〜4、(5)密度〔D〕と融点〔T
P〕との関係が、式(I)を満たすこと、 8650>10000〔D〕―3〔TP〕>8570・・・(I)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体について、以下に、詳細に説明す
る。本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体のMFRは、0.5〜50g/10分、好ましくは
1〜30g/10分、より好ましくは2〜20g/10
分である。MFRが上記範囲より低い場合は、フィルム
の表面性状に不良が生じるため好適な生産性が得られ
ず、一方、上記範囲より高い場合は連続的なフィルムの
生産が困難となる。
【0010】また、本発明のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体は、DSCで求めた融点〔TP〕
(℃)が、110〜150℃、好ましくは115〜14
5℃、より好ましくは120〜140℃、である。〔T
P〕が上記範囲より低い場合は、本発明においても好適
な耐ブロッキング性が得られず、一方、上記範囲より高
い場合は好適な低温ヒートシール特性が得られない。
【0011】さらに、本発明のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体は、DSCで求めた融解終了温度
〔TE〕(℃)と融点〔TP〕(℃)との関係が、〔T
E〕−〔TP〕≦8℃、好ましくは〔TE〕−〔TP〕
≦6℃、より好ましくは〔TE〕−〔TP〕≦5.5℃
を満たすものである。〔TE〕−〔TP〕が、8℃を超
える場合は、ヒートシール温度が高くなる。
【0012】また、本発明のプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体のQ値は、2〜4、好ましくは2.
3〜3.8、より好ましくは2.6〜3.6である。Q
値が、上記範囲より小さい場合は、フィルムの成形性が
低下し、上記範囲より大きい場合は、フィルムの表面状
態が悪くなるとともに耐ブロッキング性が悪化する。
【0013】さらに、本発明のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体は、密度〔D〕(g/cm)と
融点〔TP〕(℃)との関係が、式(I)を満たす必要
がある。 8650>10000〔D〕―3〔TP〕>8570・・・(I) 好ましくは、密度〔D〕と融点〔TP〕との関係が、式
(II)を満たす。 8630>10000〔D〕―3〔TP〕>8575・・・(II) より好ましくは、密度〔D〕と融点〔TP〕との関係
が、式(III)を満たす。 8610>10000〔D〕―3〔TP〕>8580・・(III) 10000〔D〕―3〔TP〕の値が、上記を下回ると
フィルムの腰が弱くなる。一方、上記の値を超えるとフ
ィルムの衝撃強度が弱くなり好ましくない。
【0014】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、上記要件を満たすものであれば、何ら
限定されるものではなく、一成分であっても二成分以上
の混合物であってもよい。プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体に用いられるα−オレフィンとして
は、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィン
が挙げられ、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4
−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、
4,4−ジメチルペンテン−1等を例示できる。プロピ
レンと共重合するα−オレフィンは、一種類でも二種類
以上を用いてもよい。このうちエチレン、ブテン−1が
好適である。該α−オレフィンの含有量は、プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体を100重量%とし
た場合、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましく
は0.3〜15重量%である。
【0015】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、後述する触媒成分(A)、触媒成分
(B)、並びに、必要に応じて用いられる触媒成分
(C)からなる、いわゆるメタロセン触媒の存在下に、
プロピレンと少量成分であるα−オレフィンとを共重合
することにより製造することができる。
【0016】<触媒成分(A)>触媒成分(A)は、下
記の一般式で示される化合物である。 Q(C4−a )(C4−b )Me
XY [ここで、C4−a およびC4−b
は、それぞれ共役五員環配位子を示し、Qは二つの共
役五員環配位子を架橋する結合性基であって、炭素数1
〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素
基を有するシリレン基または炭素数1〜20の炭化水素
基を有するゲルミレン基を示し、Meはジルコニウムま
たはハフニウムを示し、XおよびYは、それぞれ独立し
て、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキ
ルアミド基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数
1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20の
ケイ素含有炭化水素基を示す。RおよびRは、共役
五員環配位子上の置換基であって、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ
基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。隣
接する2個のRまたは2個のRがそれぞれ結合して
環を形成していてもよい。aおよびbは0≦a≦4、0
≦b≦4を満足する整数である。ただし、RおよびR
を有する2個の五員環配位子は、基Qを介しての相対
位置の観点において、Meを含む平面に関して非対称で
ある。]
【0017】Qは、上記したように、二つの共役五員環
配位子C4−a およびC を架橋
する結合性基であって、具体的には、例えば(イ)炭素
数1〜20、好ましくは1〜6の2価の炭化水素基、具
体的には、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、
アリーレン基等、(ロ)炭素数1〜20、好ましくは1
〜12の炭化水素基を有するシリレン基、(ハ)炭素数
1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有する
ゲルミレン基である。なお、2価である基Qの両結合手
間の距離は、その炭素数の如何に関わらず、Qが鎖状の
場合には4原子程度以下、なかでも3原子以下であるこ
とが、Qが環状基を有するものである場合は、当該環状
基+2原子程度以下、なかでも当該環状基のみであるこ
とが、それぞれ好ましい。
【0018】従って、Qがアルキレンの場合は、エチレ
ンおよびイソプロピリデン(結合手間の距離は2原子お
よび1原子)が、シクロアルキレン基の場合は、シクロ
ヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキシレン基の
み)が、アルキルシリレンの場合は、ジメチルシリレン
(結合手間の距離が1原子)が、それぞれ好ましい。M
eは、ジルコニウムまたはハフニウムである。
【0019】XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち
同一でも異なってもよい、(イ)水素、(ロ)ハロゲン
(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩
素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素
数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のア
ルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化
水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基
または(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
【0020】RおよびRは、共役五員環配位子上の
置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の
炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2
〜20のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含
有炭化水素基または炭素数2〜20のホウ素含有炭化水
素基を示す。また、隣接する2個のR同士または2個
のR同士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタジ
エニル基の一部と共に環を形成していてもよい。
【0021】そのような場合の代表例としては、シクロ
ペンタジエニル基上の隣接する2つのR(あるいはR
)が当該シクロペンタジエニル基の二重結合を共有し
て縮合六員環を形成しているもの(すなわちインデニル
基およびフルオレニル基)および縮合七員環を形成して
いるもの(すなわちアズレニル基)等がある。aおよび
bは0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
【0022】上記メタロセン化合物の非限定的な例とし
て、下記のものを挙げることができる。なお、これらの
化合物は、単に化学的名称のみで示されているが、その
立体構造が本発明で言う非対称性を持つものであること
は言うまでもない。
【0023】(A1)シリレン架橋五員環配位子を2個
有する遷移金属化合物、例えば、(1)ジメチルシリレ
ンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス{1−(2,4−ジメチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4
H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジル
コニウムジクロリド、(7)ジメチルシリレンビス〔1
−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(8)ジメチ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロ
フェニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズ
レニル}〕ジルコニウムジクロリド、(9)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、(10)ジメチルシ
リレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)
インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、(11)ジメ
チルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフ
チル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド、(12)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル
−4−(1−ナフチル)−4H−5,6,7,8−テト
ラヒドロアズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(1
3)メチルフェニルシリレンビス(1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(14)メチルフェニルシリレ
ンビス{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(15)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2,4−ジメチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(16)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(17)メチルフ
ェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(1
8)メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−
4−フェニル−4H−5,6,7,8,−テトラヒドロ
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(19)メチ
ルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−
ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(2
0)メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−
4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジク
ロリド、(21)メチルフェニルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(22)メチルフェニ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、(24)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムメチルクロリド、(25)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジメチル、(26)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジメチル、(27)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムクロロジメチルアミド、(28)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4,5−ベ
ンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(29)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(30)ジ
メチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
1)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(32)ジメチルシリ
レンビス〔1−{2−エチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(33)ジメチルシリレンビス〔1−(2−エチル−4
−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,8−テ
トラヒドロアズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(34)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フ
ェニルインデニル}{1−(2,3,5−トリメチルシ
クロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
5)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニ
ル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル)}{1−(2,3,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)}ジルコニウムジクロリド、(36)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4,4−ジメチル−
シラ−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(37)ジメチルシリレンビス
{1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジル
コニウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、(3
8)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムビス(トリ
フルオロメタンスルホン酸)、(39)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−5,
6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、(40)ジメ
チルシリレンビス{1−(2−エチル−4−(ペンタフ
ルオロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(41)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル
−4−フェニル−7−フルオロインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(42)ジメチルシリレンビス{1−
(2−エチル−4−インドリルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(43)ジメチルシリレンビス{1−
(2−ジメチルボラノ−4−インドリルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0024】(A2)アルキレン基で架橋した五員環配
位子を2個有する遷移金属化合物、例えば、(1)エチ
レン−1,2−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、(2)エチレン−1,2−ビス{1−(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(3)エチレン−1,2−ビス{1−
(2,4−ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(4)エチレン−1,2−ビス{1−(2,4−
ジメチル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(5)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル
−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(6)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル
−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(7)エチレン−1,2−ビス{1−(2−
メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(8)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−
メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニ
ウムジクロリド、(9)エチレン−1,2−ビス〔1−
{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)エチレン−
1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフ
ェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド等が例示される。
【0025】(A3)ゲルマニウム、アルミニウム、ホ
ウ素、リンあるいは窒素を含む炭化水素残基で架橋した
五員環配位子を有する遷移金属化合物、例えば、(1)
ジメチルゲルミレンビス(1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(2)ジメチルゲルミレンビス{1−
(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、(3)ジメチルゲルミレンビス{1−
(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、(4)ジメチルゲルミレンビス
〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4
H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(5)ジ
メチルゲルミレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベ
ンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(6)メ
チルアルミニウムビス(1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(7)フェニルホスフィノビス(1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、(8)エチルホラノ
ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)フェニルアミノビス(1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド等が例示される。
【0026】これらの錯体の中で特に好ましいものは、
アズレン骨格を有する錯体である。
【0027】<触媒成分(B)>触媒成分(B)として
は、イオン交換性層状珪酸塩が用いられる。イオン交換
性層状珪酸塩とは、イオン結合等によって、構成される
面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を
とる珪酸塩化合物であり、含有するイオン交換可能なも
のである。
【0028】大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然
には、主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら
イオン交換性層状珪酸塩は、特に天然産のものに限ら
ず、人工合成物であってもよい。イオン交換性層状珪酸
塩の具体例としては、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物
学」朝倉書店(1995年)等に記載される公知の層状
珪酸塩であって、ディッカイト、ナクライト、カオリナ
イト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイ
ト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アン
チゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオ
ライト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバー
ミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石
等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴ
ルスカイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等が
挙げられる。これらは、混合層を形成していてもよい。
【0029】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。なお、触媒成分(B)として、
水銀圧入法で測定した、半径が20オングストローム以
上の細孔容積が0.1cc/g未満の化合物を用いた場
合には、高い重合活性が得られ難い傾向があるので、
0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gの細孔
容積を有するものが好ましい。
【0030】また、触媒成分(B)は、特に処理を行う
ことなくそのまま用いることもできるが、触媒成分
(B)に化学処理を施すことが好ましい。ここで化学処
理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理
と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いるこ
とができる。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理等が挙げられる。
【0031】酸処理は、表面の不純物を取り除く他、結
晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させる
ことによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘
土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたら
す。また塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分
子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を
変えることができる。イオン交換性を利用し、層間の交
換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することに
より、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもでき
る。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的
な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。また層状物質
層間に別の物質を導入することをインターカレーション
と言う。
【0032】インターカレーションするゲスト化合物と
しては、TiCl、ZrCl等の陽イオン性無機化
合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)
、B(OR)[Rはアルキル、アリール等]等の金
属アルコラート、[Al13(OH)247+
[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCH
等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。こ
れらの化合物は、単一で用いても、また2種類以上共存
させて用いてもよい。これらの化合物をインターカレー
ションする際に、Si(OR)、Al(OR)、G
e(OR)等の金属アルコラート等を加水分解して得
た重合物、SiO等のコロイド状無機化合物等を共存
させることもできる。また、ピラーの例としては、上記
水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に
加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられ
る。触媒成分(B)はそのまま用いてもよいし、加熱脱
水処理した後に用いてもよい。また、単独で用いても、
上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】本発明において使用するイオン交換性層状
珪酸塩としては、塩類で処理される前の、イオン交換性
層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属陽イオンの4
0%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類よ
り解離した陽イオンと、イオン交換することが好まし
い。
【0034】このようなイオン交換を目的とした塩類処
理で用いられる塩類は、2〜14族原子からなる群より
選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有す
る化合物であり、好ましくは、2〜14族原子からなる
群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオン
と、ハロゲン原子、無機酸および有機酸からなる群より
選ばれた少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物で
あり、さらに好ましくは、2〜14族原子からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、C
l、Br、I、F、PO、SO、NO、CO
、OCOCH、CHCOCHCOCH
OCl、O(NO)、O(ClO 、O(SO
)、OH、O、Cl、OCl、OCOH、OC
OCHCH、CおよびCから
なる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからな
る化合物である。
【0035】具体的には、CaCl、CaSO、C
aC、Ca(NO、Ca(C
、MgCl、MgBr、MgSO、M
g(PO、Mg(ClO、MgC
Mg(NO、Mg(OCOCH、MgC
、Sc(OCOCH3、Sc(CO
、Sc(C、Sc(NO、Sc
(SO、ScF、ScCl、ScBr、S
cI、Y(OCOCH、Y(CHCOCHC
OCH、Y(CO、Y(C
、Y(NO、Y(ClO、YP
、Y(SO、YF、YCl、La(O
OCH、La(CHCOCHCOCH
La(CO、La(NO、La(ClO
、La(C、LaPO、La
(SO、LaF、LaCl、LaBr
LaI、Sm(OCOCH、Sm(CHCO
CHCOCH、Sm(CO、Sm(NO
、Sm(ClCO、Sm(C
、SmPO、Sm(SO、SmF
、SmCl、SmBr、SmI、Yb(OCO
CH、Yb(NO、Yb(ClO
Yb(C、Yb(SO、YbF、Y
bCl、Ti(OCOCH、Ti(C
、Ti(NO、Ti(SO、Ti
、TiCl、TiBr、TiI、Zr(OC
OCH、Zr(CO、Zr(NO
Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrB
、ZrI、ZrOCl、ZrO(NO
ZrO(ClO、ZrO(SO)、Hf(OC
OCH、Hf(CO、Hf(NO
Hf(SO 、HfOCl、HfF、HfCl
、HfBr、HfI、V(CHCOCHCOC
、VOSO、VOCl、VCl、VCl
、VBr、Nb(CHCOCHCOCH
Nb(CO、Nb(NO 、Nb(SO
、ZrF、ZrCl、NbBr、Nb
、Ta(OCOCH、Ta(CO
Ta(NO、Ta(SO、TaF、T
aCl、TaBr、TaI、Cr(OOCH
OH、Cr(CHCOCHCOCH、Cr
(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr
(SO、CrOCl、CrF、CrCl
、CrBr、CrI、MoOCl、MoC
、MoCl、MoCl、MoF、MoI
WCl、WCl、WF、WBr、Mn(OOC
、Mn(CHCOCHCOCH、Mn
CO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO
、MnF、MnCl、MnBr、MnI、F
e(OCOCH、Fe(CHCOCHCOCH
、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO
、FePO、FeSO、Fe(S
、FeF、FeCl、FeBr、Fel
、FeC、Co(OCOCH、Co
(CHCOCHCOCH、CoCO、Co
(NO、CoC、Co(ClO、C
(PO、CoSO、CoF、CoC
、CoBr、CoI、NiCO、Ni(NO
、NiC、Ni(ClO、NiSO
、NiCl、NiBr、Pb(OCOC
、Pb(OOCH、PbCO、Pb
(NO、PbSO、PbHPO、Pb(Cl
、PbF、PbCl、PbBr、PbI
、CuI、CuBr、Cu(NO、CuC
、Cu(ClO、CuSO、Cu(OC
OCH、Zn(OOCH、Zn(CH
OCHCOCH、ZnCO、Zn(N
、Zn(ClO、Zn(PO
ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、Zn
、Cd(OCOCH、Cd(CHCOCH
COCH、Cd(OCOCHCH、Cd
(NO、Cd(ClO、CdSO、Cd
、CdCl、CdBr、CdI、AlF
AlCl、AlBr、AlI、Al(SO
、Al(C、Al(CHCOCHCO
CH、Al(NO、AlPO、GeCl
、GeBr、GeI、Sn(OCOCH
Sn(SO、SnF、SnCl、SnB
、SnI等が挙げられる。酸処理は、表面の不純
物を除く他、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオン
の一部または全部を溶出させることができる。
【0036】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択され
る。処理に用いる塩類および酸は二種以上であってもよ
い。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、
塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行っ
た後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処理を
同時に行う方法がある。
【0037】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は0.1〜30
重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は5分〜24
時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に含有
される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を溶出
する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸
は、一般的には水溶液で用いられる。
【0038】本発明では、好ましくは上記塩類処理およ
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理等の化学処理を併用してもよい。こ
れらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水および
層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水
および層間水を除去して触媒成分(B)として使用する
のが好ましい。
【0039】ここで吸着水とは、イオン交換性層状珪酸
塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水
で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明で
は、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間
水を除去して使用することができる。
【0040】イオン交換性層状珪酸塩の吸着水および層
間水の加熱処理方法は,特に制限されないが、加熱脱
水、気体流通下での加熱脱水、減圧下での加熱脱水およ
び有機溶媒との共沸脱水等の方法が用いられる。加熱の
際の温度は、イオン交換性層状珪酸塩および層間イオン
の種類によるために一概に規定できないものの、層間水
が残存しないように、100℃以上、好ましくは150
℃以上であるが、構造破壊を生じるような高温条件(加
熱時間にもよるが、例えば800℃以上)は、好ましく
ない。また、空気流通下での加熱等の架橋構造を形成さ
せるような加熱脱水方法は、触媒の重合活性が低下し、
好ましくない。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは
1時間以上である。その際、除去した後の触媒成分
(B)の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHg
の条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%
とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下であ
ることが望ましい。
【0041】上記のように、本発明において、触媒成分
(B)として、特に好ましいものは、塩類処理および/
または酸処理を行って得られた、水分含有率が1重量%
以下のイオン交換性層状珪酸塩である。
【0042】また,触媒成分(B)は、平均粒径が5μ
m以上の球状粒子を用いるのが好ましい。より好ましく
は、平均粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。さら
に好ましくは、平均粒径が10μm以上100μm以下
の球状粒子を用いる。ここで言う平均粒径とは、粒子の
光学顕微鏡写真(倍率100倍)を画像処理して算出し
た数平均の粒径で表したものである。また触媒成分
(B)は、粒子の形状が球状であれば天然物あるいは市
販品をそのまま使用してもよいし、粉砕、造粒、分級等
により粒子の形状および粒径を制御したものを用いても
よい。
【0043】ここで用いられる造粒法としては、例え
ば、攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッテ
ィング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒
法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等を挙げ
ることができ、触媒成分(B)を造粒することが可能な
方法であれば特に限定されない。造粒法として好ましく
は、攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動層造粒
法が挙げられ、特に好ましくは、攪拌造粒法、噴霧造粒
法が挙げられる。なお、噴霧造粒を行う場合、原料スラ
リーの分散媒として水あるいはメタノール、エタノー
ル、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用い
る。好ましくは水を分散媒として用いる。
【0044】球状粒子が得られる噴霧造粒用原料スラリ
ー液の触媒成分(B)濃度は0.1〜70%、好ましく
は1〜50%、特に好ましくは5〜30%である。球状
粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口温度は、分散媒
により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ま
しくは100〜220℃である。
【0045】また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機
塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバイン
ダーとしては、例えば、砂糖、デキストローズ、コーン
シロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロ
ース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネ
シウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マ
グネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイ
ン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレ
ンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲ
ル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
【0046】上記のようにして得られた球状粒子は、重
合工程での破砕や微粉発生の抑制をするために、0.2
MPa以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。こ
のような粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合
に、粒子性状改良効果が有効に発揮される。
【0047】<触媒成分(C)>必要に応じて用いられ
る触媒成分(C)は、有機アルミニウム化合物である。
本発明で触媒成分(C)として用いられる有機アルミニ
ウム化合物は、一般式(AlR 3−nで示さ
れる化合物が適当である。本発明では、この式で表され
る化合物を単独で、複数種混合して、あるいは併用して
使用することができることは言うまでもない。また、こ
の使用は、触媒調製時だけでなく、予備重合あるいは重
合時においても可能である。
【0048】上記式中、Rは炭素数1〜20の炭化水
素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、ア
ミノ基を示す。nは1〜3の、mは1〜2の整数であ
る。R としてはアルキル基が好ましく、またXは、そ
れがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合に
は炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には
炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。したがって、好ま
しい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルア
ルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニ
ウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマ
ルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチル
アルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチ
ルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、
m=1、n=3のトリアルキルアルミニウムおよびジア
ルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましく
は、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウ
ムである。
【0049】<触媒の形成>上記のプロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体を製造する際に用いられる触
媒は、上記触媒成分(A)、触媒成分(B)並びに、必
要に応じて用いられる触媒成分(C)からなる触媒を、
重合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマ
ーの存在下あるいは不存在下にて接触させることにより
調製することができる。
【0050】また、上記触媒は、オレフィンの存在下で
予備重合を行ったものであってもよい。予備重合に用い
られるオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1
−ブテン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニル
ベンゼン等が用いられるが、これらと他のオレフィンと
の混合物であってもよい。
【0051】上記触媒の調製において、触媒成分
(A)、触媒成分(B)、触媒成分(C)の使用量は、
任意の比で使用することができる。
【0052】<重合>本発明のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体の重合は、触媒成分(A)、触媒
成分(B)、並びに必要に応じて触媒成分(C)からな
る触媒とプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20の
α−オレフィンとを混合接触させることにより行われ
る。反応系中の各モノマーの量比は経時的に一定である
必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給すること
も便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に
変化させることも可能である。また、共重合反応比を考
慮してモノマーのいずれかを分割添加することもでき
る。
【0053】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒とし
て用いるバルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶
媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法を採用する
ことができる。また、連続重合、回分重合のいずれであ
ってもよい。
【0054】スラリー法の場合には、不活性溶媒として
ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の
単独あるいは混合物を用いることができる。
【0055】重合条件としては、重合温度が−78℃〜
160℃、好ましくは0℃〜150℃であり、その際
に、分子量調節剤として補助的に水素を用いることがで
きる。また、重合圧力は0〜90kg/cm・G、好
ましくは0〜60kg/cm・G、特に好ましくは1
〜50kg/cm・Gである。
【0056】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体には、本発明の目的が損なわれない範囲
で、各種添加剤、例えば、造核剤、耐熱安定剤、酸化防
止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッ
キング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマー等を
配合することができる。配合は、通常、溶融混練機を用
いて190℃〜350℃で加熱溶融混練し、粒状に裁断
されたペレット状態で成形材料として提供される。
【0057】本発明のプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、包装用フィルム用途に好適に用いられ
る。フィルムの成形は、上述のプロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体をキャスト法、インフレーション
成形法等の溶融押出し成形法により製膜することにより
行う。該フィルムの厚みは、通常、5〜500μm程度
である。また、本発明のプロピレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体は、フィルムへの単層での使用のみなら
ず、共押出し製膜法による複層フィルムにも好適に使用
できる。さらに、得られたフィルムを二軸延伸して用い
ることもできる。複層フィルムの場合、本発明のプロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体は、フィルムの
表面層に用いることが好ましい。
【0058】
【実施例】本発明のプロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体を、さらに詳細に説明するため、以下に実施
例を挙げて具体的に説明する。なお、実施例および比較
例における物性の測定方法、フィルムの製造方法および
フィルムの試験方法は、以下の通りである。
【0059】(1)物性の測定方法 a.MFRの測定 JIS−K6758に準拠して測定を行った(温度:2
30℃、荷重:2.16kgf)。
【0060】b.DSC(示差走査熱量測定)による融
点〔TP〕および融解終了温度〔TE〕の測定 セイコー社製DSCを用い、サンプル量5mgを採り、
200℃にて5分間保持した後、40℃まで10℃/分
の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度
で融解させたときに描かれる曲線のピーク位置を、DS
Cで求めた融点〔TP〕、ピーク位置を越えベースライ
ンとの接点を、DSCで求めた融解終了温度〔TE〕と
した。
【0061】c.Q値の測定 GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によ
り測定した、重量平均分子量と数平均分子量との比をQ
値とした。測定条件は次の通りである。 装置:ウオーターズ社製 GPC 150C型 カラム:昭和電工社製 AD80M/S 3本 測定温度:140℃ 濃度:20mg/10ml 溶媒:オルソジクロロベンゼン
【0062】d.密度の測定 JIS−K7112に準拠して測定を行った。
【0063】(2)フィルムの製造方法 樹脂パウダー100重量部に、以下の添加剤を処方し混
合した後、池貝製作所製二軸押出機PCM(スクリュー
径30mm)を用いて、造粒を行った。Ir1010/
Ir168/CaSt/合成シリカ(平均粒径2.7μ
m)/エルカ酸アミド=0.05/0.05/0.05
/0.15/0.08[重量部] 得られたペレットにつき、プラコー社製Tダイ成形機
(35mmφ)を使用して、厚み25μmの単層フィル
ムを得た。なお、この際の冷却ロールの表面温度は30
℃であった。得られたフィルムの片面に、40dyne
/cmのコロナ処理を施した。
【0064】(3)フィルムの試験方法 a.ヒートシール性 5mm×200mmのヒートシールバーを用い、各温度
設定において、ヒートシール圧力2kg/cm2、ヒー
トシール時間1秒の条件下にてシールした試料から15
mm幅のサンプルを取り、ショッパー型試験機を用いて
引張速度500mm/分にて引き離し、その荷重を読み
とった。荷重300gになるシール温度をヒートシール
性の指標とした。この値が小さい程、ヒートシール性が
優れていることを意味する。
【0065】b.剛性 ISO−R1184に準拠して、MD方向の引張り弾性
率を測定した。
【0066】実施例1 [プロピレン系ランダム共重合体Aの製造] (i)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコ
ニウムジクロリドのラセミ体の合成 (a)ラセミ・メソ混合物の合成 1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6m
mol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテ
ル(10ml)との溶液に、−78℃にて、t−ブチル
リチウムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml
(19.2mmol)を滴下した。得られた溶液を、−
5℃で1.5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレ
ン1.2g(8.6mmol)を添加して反応を行っ
た。この反応溶液を、徐々に室温まで戻しながら1.5
時間攪拌した。その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−
メチルイミダゾール15μl(0.19mmol)を添
加し、さらに、ジクロロジメチルシラン0.52ml
(4.3mmol)を添加した。反応溶液を室温で1.
5時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、分液し
た有機相を減圧下に濃縮し、ジクロロメタンを添加した
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、アモルファス状の固体2.1gを得た。
【0067】次に、上記の反応生成物1.27gをジエ
チルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃にて、
n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)
2.8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了
後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌
した。減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチル
エーテルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−7
8℃に冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g
(2.3mmol)を添加した。
【0068】その後、直ちに室温まで戻し、室温で4時
間攪拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上
で濾過し、濾別された固体をトルエン3mlで洗浄して
回収した。回収した固体をジクロロメタンで抽出し、抽
出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル}〕ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混
合物906mg(収率56%)を得た。
【0069】(b)ラセミ体の精製 さらに、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ
混合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯にて
40分間照射することにより、ラセミ体の比率を高め、
その後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固し
た。次いで、得られた固体成分をトルエン22mlとと
もに攪拌し、静置後に上澄み液を除去した。かかる精製
操作を4回繰り返し、残った固体成分を乾燥して、ジメ
チルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロ
ロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジク
ロリドのラセミ体275mgを得た。
【0070】(ii)粘土鉱物の化学処理 硫酸(96%)218.1gと硫酸マグネシウム13
0.4gを脱塩水909mlと混合した水溶液に、市販
のモンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピアF)2
00.03gを分散させ、100℃で2時間攪拌した。
このモンモリロナイトの水スラリー液を固形分濃度12
%に調整し、スプレードライヤーにより噴霧造粒を行っ
て、粒子を得た。その後、この粒子を200℃で2時
間、減圧乾燥した。
【0071】(iii)固体触媒成分の調製 内容積1lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで充
分に置換した後、脱水および脱酸素したヘプタン230
mlを導入し、系内温度を40℃に維持した。ここに、
トルエンにてスラリー化した化学処理粘土10gを添加
した。さらに別容器にて、トルエン下で混合したジメチ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロ
フェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロ
リドのラセミ体0.15mmolとトリイソブチルアル
ミニウム1.5mmolを添加した。ここでプロピレン
を10g/時間の速度で120分導入し、その後120
分重合を継続した。さらに、窒素下で溶媒を除去・乾燥
し、固体触媒成分を得た。この固体触媒成分は、固体成
分1gあたり1.9gのポリプロピレンを含有してい
た。
【0072】(iv)重合 内容積200lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレン
で十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン4
5kgを導入した。これにトリイソブチルアルミニウム
・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mol)、エ
チレン1.22kg、水素5.2l(標準状態の体積と
して)を加え、内温を30℃に維持した。次いで、上記
固体触媒成分2.4gをアルゴンで圧入して重合を開始
させ、30分かけて70℃に昇温し、1時間その温度を
維持した。ここでエタノール100mlを添加して反応
を停止させた。残ガスをパージし、プロピレン・エチレ
ンランダム共重合体A19kgを得た。
【0073】(v)評価 プロピレン・エチレンランダム共重合体Aおよび該プロ
ピレン・エチレンランダム共重合体Aから得られたフィ
ルムを、前述の方法により評価した結果を表1に示す。
【0074】実施例2 [プロピレン系ランダム共重合体Bの製造]エチレンと
水素の導入量および触媒の使用量を変更したこと以外
は、実施例1と同様にして、プロピレン・エチレンラン
ダム共重合体Bを製造した。プロピレン・エチレンラン
ダム共重合体Bおよびそれから得られたフィルムの評価
結果を表1に示す。
【0075】比較例1 [プロピレン系ランダム共重合体Cの製造] (i)触媒の合成 充分に窒素置換したフラスコに、脱水および脱酸素した
n−ヘプタン200mlを導入し、次いでMgCl
を、0.4mol、Ti(O−nCを、
0.8mol導入し、95℃に保ちながら2時間反応さ
せた。反応終了後、40℃に温度を下げ、メチルハイド
ロジェンポリシロキサン(20センチストークスのも
の)を48ml導入し、3時間反応させた。生成した固
体成分をn−ヘプタンで洗浄した。次いで、充分に窒素
置換したフラスコに、精製したn−ヘプタンを50ml
導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.
24mol導入した。その後、n−ヘプタン25mlに
SiCl0.4molを混合したものを、30℃に保
ちながら60分間かけてフラスコへ導入し、90℃で3
時間反応させた。さらに、n−ヘプタン25mlにフタ
ル酸クロライド0.016molを混合したものを、9
0℃に保ちながら30分間かけてフラスコに導入し、9
0℃で1時間反応させた。
【0076】反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次
いで、これにSiCl0.24mmolを導入して、
100℃にて3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプ
タンで充分洗浄した。充分に窒素置換したフラスコに、
精製したn−ヘプタン50mlを導入し、上記で得た固
体成分を5g導入し、さらに(CHCSi(CH
)(OCHを0.81ml導入し、30℃で2
時間接触させた。接触終了後n−ヘプタンで充分に洗浄
した。さらに、プロピレンを流通させて予備重合を実施
し、固体触媒を得た。
【0077】(ii)重合 内容積200lの攪拌式オートクレーブをプロピレンで
充分に置換した後、精製したn−ヘプタン60lを導入
し、トリエチルアルミニウム15g、前述の固体触媒
(予備重合ポリマーを除いた量として)1.8gを55
℃にてプロピレン雰囲気下で導入した。さらに、気相部
水素濃度を6.0容量%に保ちながら、プロピレンを
5.8kg/時間のフィード速度で導入し重合を開始し
た。15分後、温度を60℃に昇温し、さらにエチレン
を155g/時間のフィード速度で導入し、さらに1−
ブテンを重合開始270分後まで570g/時間のフィ
ード速度で導入して6時間重合を実施した。その後、全
モノマーの供給を停止し1時間重合を継続した。その
後、ブタノールにより触媒を分解し、生成物の濾過、乾
燥を行って、表1に示すようなプロピレン・エチレン・
1−ブテンランダム共重合体C29.8kgを得た。プ
ロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体Cお
よびそれから得られたフィルムの評価結果を表1に示
す。
【0078】比較例2 [プロピレン系ランダム共重合体Dの製造]内容積20
0lの攪拌式オートクレーブをプロピレンで十分に置換
した後、脱水および脱酸素したn−ヘプタン60lを導
入し、ジエチルアルミニウムクロリド45g、三塩化チ
タン触媒(エム・アンド・エス社製)16gを55℃に
て、プロピレン雰囲気下で導入した。さらに、気相水素
濃度を5.5容量%に保ちながら、55℃の温度にて、
プロピレン5.8kg/時間およびエチレン0.36k
g/時間の速度で4時間フィードした後、さらに1時間
重合を継続した。その後、残ガスをパージし、生成物を
濾過および乾燥して、表1に示す様なプロピレン・エチ
レンランダム共重合体C25kgを得た。プロピレン・
エチレンランダム共重合体Dおよびフィルムの評価を実
施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
【0079】比較例3 [プロピレン系ランダム共重合体Eの製造]内容積20
0lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換
した後、精製したn−ヘプタン60lを導入し、ジエチ
ルアルミニウムクロライド16g、三塩化チタン触媒
(エム・アンド・エス社製)4.1gを50℃にて、プ
ロピレン雰囲気下で導入した。さらに、気相部水素濃度
を5.1容量%に保ちながら、プロピレンを5.1kg
/時間のフィード速度で導入し重合を開始した。10分
後、温度を55℃に昇温し、さらにエチレンを0.1k
g/時間、1−ブテンを0.79kg/時間の速度で導
入して6時間重合を実施した。その後、モノマーの供給
を停止し、1時間重合を継続した。その後、ブタノール
により触媒を分解し、生成物の濾過および乾燥を行っ
て、表1に示すようなプロピレン・エチレン・1−ブテ
ンランダム共重合体E10.7kgを得た。プロピレン
・エチレン・1−ブテンランダム共重合体Eおよびそれ
から得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0080】比較例4 [プロピレン系ランダム共重合体Fの製造]導入するエ
チレンおよび1−ブテンのフィード速度を変更したこと
以外は、比較例1同様にしてプロピレン・エチレン・1
−ブテンランダム共重合体Fを製造した。プロピレン・
エチレン・1−ブテンランダム共重合体Fおよびそれか
ら得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明のプロピレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体は、低温ヒートシール性と剛性のバラン
スの極めて優れたフィルムを与える。従って、本発明の
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、フィ
ルムまたは容器としての使用に適し、特に包装用フィル
ム用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬詰 忠司 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 4J015 DA07 DA24 4J028 AA01A AB00A AC01A AC07A AC23A AC25A AC26A AC27A AC28A BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC16B BC19B BC24B BC27B CA02C CA14C CA15C CA16C CA30A CA30B CA30C CA36C CA38C CA44C CA49C CA54C CB55C CB56C CB89C CB92C CB95C DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DA08 DA09 DB10C EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EC02 EC04 FA01 FA02 FA04 FA07 FA09 GA06 GA07 GA08 GA19 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA07Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q CA03 CA04 DA04 DA24 DA43 FA10 JA58

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件(1)〜(5)を充足するこ
    とを特徴とする、プロピレン・α−オレフィンランダム
    共重合体。 (1)MFRが、0.5〜50g/10分、(2)DS
    Cで求めた融点〔TP〕が、110〜150℃、(3)
    DSCで求めた融解終了温度〔TE〕と融点〔TP〕と
    の関係が、 〔TE〕−〔TP〕≦8℃、 (4)Q値が、2〜4、(5)密度〔D〕と融点〔T
    P〕との関係が、式(I)を満たすこと、 8650>10000〔D〕―3〔TP〕>8570・・・(I)
  2. 【請求項2】 触媒成分(A)および触媒成分(B)か
    らなる触媒を用いて、プロピレンとα−オレフィンとを
    共重合することにより得られる、下記の要件(1)〜
    (5)を充足することを特徴とする、プロピレン・α−
    オレフィンランダム共重合体。 (1)MFRが、0.5〜50g/10分、(2)DS
    Cで求めた融点〔TP〕が、110〜150℃、(3)
    DSCで求めた融解終了温度〔TE〕と融点〔TP〕と
    の関係が、 〔TE〕−〔TP〕≦8℃、 (4)Q値が、2〜4、(5)密度〔D〕と融点〔T
    P〕との関係が、式(I)を満たすこと、 8650>10000〔D〕―3〔TP〕>8570・・・(I) <触媒成分(A)> Q(C4−a )(C4−b )Me
    XY で示される化合物。[ここで、C4−a およ
    びC4−b は、それぞれ共役五員環配位子を
    示し、Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基
    であって、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数
    1〜20の炭化水素基を有するシリレン基または炭素数
    1〜20の炭化水素基を有するゲルミレン基を示し、M
    eはジルコニウムまたはハフニウムを示し、XおよびY
    は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜2
    0の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素
    数1〜20のアルキルアミド基、トリフルオロメタンス
    ルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基また
    は炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を示す。R
    およびRは、共役五員環配位子上の置換基であって、
    それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロ
    ゲン、アルコキシ基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有
    炭化水素基、窒素含有炭化水素基またはホウ素含有炭化
    水素基を示す。隣接する2個のRまたは2個のR
    それぞれ結合して環を形成していてもよい。aおよびb
    は0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。ただ
    し、RおよびRを有する2個の五員環配位子は、基
    Qを介しての相対位置の観点において、Meを含む平面
    に関して非対称である。] <触媒成分(B)> イオン交換性層状珪酸塩
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002060566A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 Japan Polychem Corp 熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用樹脂組成物およびそれを用いたフィルム
JP2003286314A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Mitsui Chemicals Inc フィルム成形用ポリプロピレン樹脂、樹脂組成物およびそのフィルム

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