JP2002273839A - 熱収縮性ポリプロピレン系積層フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリプロピレン系積層フィルムInfo
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Abstract
適性とリサイクル効率のバランスが向上し、成形性に優
れた熱収縮性ポリプロピレン系フィルムの提供 【解決手段】基層Bに表面層A、Cが積層され、基層B
が厚み50%以上、下記特性(イ)を、表面層A、Cが
下記特性(ロ)を満たし、かつ、主収縮方向の収縮率が
式(ハ)〜(ホ)を、自然収縮率が3%未満で、比重が
0.94以下、の熱収縮性ポリプロピレン系積層フィル
ム。 (イ)基層B:下記の共重合体50〜95重量%と、軟
化点温度が110℃以上である脂環式炭化水素樹脂5〜
50重量%。 (a)メルトフローレートが0.5〜10g/10分、
(b)融解ピーク温度(Tp)が、100〜140℃、
(c)融解中間温度T50が125℃以下、 (ロ)表面層A、C:下記特性(d)〜(e)のランダ
ム共重合体。(d)メルトフローレートが0.5〜50
g/10分、(e)主たる融解ピーク温度(Tp)が、
100〜150℃。 (ハ)S80>251d−215、(ニ)S90>531d
−462、(ホ)S100>627d−541。
Description
低温収縮性に優れ、低比重で、シュリンク包装適性とリ
サイクル効率のバランスに優れた熱収縮性ポリプロピレ
ン系フィルムに関する。
ムは、スリーブ包装、シュリンクラベルとしてその需要
は大きく増加している。かかる熱収縮性ポリプロピレン
系フィルムで包装し、あるいはラベル付けした場合、作
業の効率を上げ、出来上がりを綺麗にするためには、熱
収縮性ポリプロピレン系フィルムの熱収縮率を高くする
ことが必要となる。
縮率を高くするする手段として、ポリプロピレン系フィ
ルムに石油樹脂を配合することが知られている(特開平
2−251549)。
の成形加工時、特に未延伸シートの押出時に未延伸シー
トが冷却ロールに添着して剥離性が悪くなるために成形
性が悪化する問題がある。
脂を添加しないポリプロピレン系樹脂層を積層すること
が提案されている(特開平11−245350)が、基
層となる熱収縮性ポリプロピレン系フィルムの加熱収縮
特性が充分でないため、表面に他の樹脂層を積層すると
積層フィルムの加熱収縮率が低下する問題が生じる。こ
の問題を解決するために、優れた加熱収縮率を発現する
基層の出現が望まれていた。
をシュリンクラベルとして使用する場合、従来のポリプ
ロピレン系シュリンクラベルは、収縮率を向上させると
比重が大きくなり、リサイクル時に水によるPETボト
ルとの浮遊分離の効率が悪化し易くなる。この問題を解
決するために、可及的低比重で加熱収縮率の高い熱収縮
性ポリプロピレン系フィルムの出現が望まれていた。
率、特に低温収縮性に優れ、低比重で、シュリンク包装
適性とリサイクル効率のバランスが向上し、かつ、成形
性に優れた熱収縮性ポリプロピレン系フィルムを提供す
るものである。
決するために鋭意検討した結果なされたもので、基層B
の一方の面に表面層Aが積層され、他方の面に必要に応
じて表面層Cが積層されたポリプロピレン系積層フィル
ムであって、基層Bの厚みが全フィルム厚みの50%以
上であり、基層Bが下記特性(イ)を、表面層A、Cが
下記特性(ロ)を満たす樹脂組成物よりなり、主収縮方
向の収縮率が式(ハ)〜(ホ)を満たし、40℃・7日
間における主収縮方向の自然収縮率が3%未満で、か
つ、比重が0.94以下、の熱収縮性ポリプロピレン系
積層フィルムを提供するものである。
α−オレフィンランダム共重合体50〜95重量%と、
軟化点温度が110℃以上である脂環式炭化水素樹脂5
〜50重量%とからなる基層樹脂組成物。 (a)メルトフローレートが0.5〜10g/10分で
あること、(b)示差走査型熱量計で求めた主たる融解
ピーク温度(Tp)が、100〜140℃の範囲にある
こと、(c)融解中間温度T50が125℃以下であるこ
と、但し、T50はDSCで求めたポリプロピレン系樹脂
組成物の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起
算して融解熱量がΔHmの50%となる時の温度(℃)
を示す。 (ロ)表面層A、C 下記特性(d)〜(e)を満足するプロピレンを主体と
するプロピレン系ランダム共重合体99.9〜95重量
%と、軟化点温度が110℃以上である脂環式炭化水素
樹脂0.1重量%以上5重量%未満とからなる表面層樹
脂組成物。
g/10分であること (e)示差熱走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク温
度(Tp)が、100〜150℃の範囲にあること。 (ハ)S80>251d−215 (ニ)S90>531d−462 (ホ)S100>627d−541 但し、S80、S90、S100は、各々80℃、90℃、1
00℃において10秒間温水浴させたときの主収縮方向
の収縮率(%)、dは熱収縮性ポリプロピレン系積層フ
ィルムの比重を示す。
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体と、表面層
A、Cを構成するプロピレン系ランダム共重合体が、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体である上記の請熱
収縮性ポリプロピレン系積層フィルム、及び、基層Bの
結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が
メタロセン触媒により重合されたものである上記の熱収
縮性ポリプロピレン系積層フィルムを提供するものであ
る。
積層フィルム 本発明熱収縮性ポリプロピレン系積層フィルムは、樹脂
層Bと樹脂層Aとの積層体、あるいは、樹脂層Bの両面
に樹脂層Aと樹脂層Cが積層された積層体とされる。従
って、本発明においては、樹脂層Bを基層B、樹脂層A
と樹脂層Cをそれぞれ表面層A、表面層Cと称す。
である。0.94より大きいと、PETボトルのラベル
として用いたとき、フィルムに印刷など二次加工を施す
際に生じる比重増加によって、水によってPETボトル
と浮遊分離する際の効率が悪くなる。
然収縮率は、3%未満であり、好ましくは2%未満、特
に好ましくは1%未満とされる。3%より大きいと、フ
ィルムの輸送、保管中に収縮を起こしやすくなり、巻き
締まり、タルミ等が発生し商品価値が著しく低下する。
(ホ)を満たすように構成される。式(ハ)〜式(ホ)
を満たさないものは、収縮率と比重のバランスが悪く、
包装適性、リサイクル適性のいずれかが悪化する。 (ハ)S80>251d−215 (ニ)S90>531d−462 (ホ)S100>627d−541 (S80、S90、S100は、各々80℃、90℃、100
℃において10秒間温水浴させたときの主収縮方向の収
縮率(%)、dは熱収縮性ポリプロピレン系積層フィル
ムの比重を示す。) また、基層Bの厚みは、全フィルム厚みの50%以上、
好ましくは70%〜97%、更に好ましくは90%〜9
5%とされる。表面層AとCの厚みの和が全フィルム厚
みの50%以上になると収縮特性、特に低温収縮特性が
悪化し、表面層AとCの厚みの和が全フィルム厚みの1
%未満では、未延伸シートの押出時に未延伸シートが冷
却ロールに添着して剥離性が悪くなる傾向にある。
が、フィルムのカールを防止するためには表面層A、B
を両面に設けることが好ましく、また、表面層A、Bを
同一厚さとすることが望ましい。
ィルムの表面に、成形後もしくは成形途中に接着性の向
上、ガスバリア性の付与などの目的で種々のコート材を
コートすることができる。成形途中にコートを行う場合
はシート成形工程と延伸工程の間に(逐次二軸延伸の場
合は、1段目延伸工程と2段目延伸工程の間)コート剤
をコートすることが望ましい。
ピレン系積層フィルムの密着強度向上を目的として、本
発明の熱収縮性ポリプロピレン系積層フィルムの少なく
とも片面にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理などの
公知の表面処理を施すことができる。 (2)基層B (a)結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体 基層Bを形成する基層用樹脂としては、結晶性プロピレ
ン−α−オレフィンランダム共重合体が用いられ、中で
も結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体が好ま
しい。共重合するα−オレフィンは、エチレン、ブテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が挙げられるが、
エチレンが好ましい。
FRは0.5〜10g/10分、好ましくは1.0〜
8.0g/10分、さらに好ましくは1.5〜5.0g
/10分とされる。0.5g/10分未満では押出特性
が悪化する場合があり、また、10g/10分より大き
いと収縮特性が悪化したり、厚みムラが生じたりするお
それがある。
ク温度(Tp)は、100〜140℃、好ましくは10
0℃〜130℃、更に好ましくは100℃〜125℃で
ある。融解ピーク温度(Tp)が100℃未満のもの
は、未延伸シートが冷却固化し難く、フィルム成形が困
難となり、140℃より大きいと、収縮特性が不十分と
なる。
性プロピレン系ランダム共重合体の総融解熱量をΔHm
としたとき、低温側から起算して融解熱量がΔHmの5
0%となる時の温度(℃)を示し、125℃以下、好ま
しくは120℃以下、さらに好ましくは115℃以下と
される。125℃より大きいと、収縮特性が悪化する。
−オレフィンランダム共重合体は、メタロセン触媒を用
いて製造したものが好ましく、特に、下記の触媒成分
(A)、成分(B)、並びに、必要に応じて成分(C)
からなるメタロセン触媒の存在下でプロピレンとエチレ
ン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとをラン
ダム共重合させることにより製造したものが好ましい。
ロセン化合物が使用される。 Q(C5H4-aR1 a)(C5H4-bR2 b)MeXY [ここで、C5H4-aR1 aおよびC5H4-bR2 bは、それぞ
れ共役五員環配位子を示し、Qは二つの共役五員環配位
子を架橋する結合性基であって、炭素数1〜20の2価
の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシ
リレン基または炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲ
ルミレン基を示し、Meはジルコニウムまたはハフニウ
ムを示し、XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハ
ロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜2
0のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド
基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20
のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含
有炭化水素基を示す。
換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭
化水素基、ハロゲン、アルコキシ基、ケイ素含有炭化水
素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基または
ホウ素含有炭化水素基を示す。隣接する2個のR1また
は2個のR2がそれぞれ結合して環を形成していてもよ
い。aおよびbは0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整
数である。ただし、R1およびR2を有する2個の五員環
配位子は、基Qを介しての相対位置の観点において、M
eを含む平面に関して非対称である。]Qは、上記した
ように、二つの共役五員環配位子C5H4-aR1 aおよびC
5H4-bR2 bを架橋する結合性基であって、具体的には、
例えば(イ)炭素数1〜20、好ましくは1〜6、の2
価の炭化水素基、具体的には、例えばアルキレン基、シ
クロアルキレン基、アリーレン等、(ロ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有するシリレ
ン基、(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の
炭化水素基を有するゲルミレン基がある。なお、2価の
Q基の両結合手間の距離は、その炭素数の如何に関わら
ず、Qが鎖状の場合には4原子程度以下、就中3原子以
下、であることが、Qが環状基を有するものである場合
は当該環状基+2原子程度以下、就中当該環状基のみで
あることが、それぞれ好ましい。従って、アルキレンの
場合はエチレンおよびイソプロピリデン(結合手間の距
離は2原子および1原子)が、シクロアルキレン基の場
合はシクロヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキシ
レン基のみ)が、アルキルシリレンの場合は、ジメチル
シリレン(結合手間の距離が1原子)が、それぞれ好ま
しい。
ある。XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち、同一
でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲン
(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩
素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素
数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のア
ルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化
水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基
または(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭
化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2
〜20のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含
有炭化水素基または炭素数2〜20のホウ素含有炭化水
素基を示す。また、隣接する2個のR1同士または2個
のR2同士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタジ
エニル基の一部と共に環を形成していてもよい。そのよ
うな場合の代表例としてはシクロペンタジエニル基上の
隣接する2つのR1(あるいはR2)が当該シクロペンタ
ジエニル基の二重結合を共有して縮合六員環を形成して
いるもの(すなわちインデニル基およびフルオレニル
基)および縮合七員環を形成しているもの(すなわちア
ズレニル基)がある。
足する整数である。
て、下記のものを挙げることができる。なお、これらの
化合物は、単に化学的名称のみで示称されているが、そ
の立体構造が本発明で言う非対称性を持つものであるこ
とはいうまでもない。
有する遷移金属化合物、(1)ジメチルシリレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(2)ジ
メチルシリレンビス{1−(4,5,6,7−テトラヒ
ドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(3)ジ
メチルシリレンビス{1−(2,4−ジメチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズ
レニル)}ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−
5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(7)ジメチルシリレンビス{1−
(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(8)ジメチル
シリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、
(9)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−
(1−ナフチル)−4H−5,6,7,8−テトラヒド
ロアズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)メ
チルフェニルシリレンビス(1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、(11)メチルフェニルシリレンビス
{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、(12)メチルフェニルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(13)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジメチル、(14)ジメチル
シリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、(15)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−
5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(16)ジメチルシリレンビス{1−
(2−エチル−4−(クロロフェニル)−4H−アズレ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、(17)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−エチル−4−(4−クロロフェ
ニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(18)ジメチルシリ
レン{1−(2−エチル−4−フェニル−4,5,6,
7,8−ペンタヒドロアズレニル)}{1−(2,3,
5−トリメチルシクロペンタジエニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(19)ジメチルシリレンビス{1−(2
−エチル−4−フェニルアズレニル)}ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホン酸)、(20)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−エチル−4−(ペンタフル
オロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(21)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル
−4−インドリルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(22)ジメチルシリレンビス{1−(2−ジメチ
ルボラノ−4−インドリルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド等が挙げられる。
位子を2個有する遷移金属化合物、(1)エチレン−
1,2−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(2)エチレン−1,2−ビス{1−(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、(3)エチレン−1,2−ビス{1−(2,4
−ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(4)エチレン−1,2−ビス{1−(2,4−ジメチ
ル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(5)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル−4
−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(6)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル−4
−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(7)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチ
ル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(8)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−メチ
ル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウム
ジクロリド、(9)エチレン−1,2−ビス〔1−{2
−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)エチレン−
1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフ
ェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド等が例示される。
ウ素、リンあるいは窒素を含む炭化水素残基で架橋した
五員環配位子を有する遷移金属化合物、(1)ジメチル
ゲルミレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、(2)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−メチ
ル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(3)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−メチル
−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(4)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−
メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルゲルミ
レンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(6)メチルアルミニ
ウムビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)フェニルホスフィノビス(1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、(8)エチルホラノビス(1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、(9)フェニルア
ミノビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド等
が例示される。これらの錯体のなかで特に好ましいもの
は、アズレン骨格を有する錯体である。
交換性層状珪酸塩が用いられる。イオン交換性層状珪酸
塩は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い
結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合
物であり、含有するイオン交換可能なものを指称する。
大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土
鉱物の主成分として産出するが、これら、イオン交換性
層状珪酸塩は特に、天然産のものに限らず、人工合成物
であってもよい。イオン交換性層状珪酸塩の具体例とし
ては、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1
995年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であっ
て、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノー
キサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリ
ン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等
の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデ
ライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、
スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライ
ト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイ
ト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライ
ト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライ
ト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を
形成していてもよい。
ナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、
ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニ
オライト等のスメクタイト族、バーミキュライト族、雲
母族が好ましい。なお、成分(B)として、水銀圧入法
を測定した半径が20オングストローム以上の細孔容積
が0.1cc/g未満の化合物を用いた場合には、高い
重合活性が得難い傾向があるので、0.1cc/g以
上、特には0.3〜5cc/gのものが好ましい。
くそのまま用いることができるが、成分(B)に化学処
理を施すことも好ましい。ここで化学処理とは、表面に
付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に
影響を与える処理のいずれをも用いることができる。
処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は表面の不純
物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽
イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。
アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構
造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理では、
イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表
面積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を
利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオン
と置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質
を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが層状構
造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれ
る。また層状物質層間に別の物質を導入することをイン
ターカレーションという。
しては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合
物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、
B(OR)3[Rはアルキル、アリール等]等の金属ア
ルコラート、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(O
H)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+等の金属水
酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は、単一
で用いても、また2種類以上共存させて用いてもよい。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si
(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属ア
ルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO2等の
コロイド状無機化合物等を共存させることもできる。
オンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水す
ることにより生成する酸化物等が挙げられる。成分
(B)はそのまま用いてもよいし、加熱脱水処理した後
用いてもよい。また、単独で用いても、上記固体の2種
以上を混合して用いてもよい。
状珪酸塩としては、塩類で処理される前のイオン交換性
層状珪酸塩が含有する交換可能な1族金属陽イオンの4
0%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類よ
り解離した陽イオンと、イオン交換することが好まし
い。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用い
られる塩類は、2〜14族原子から成る群より選ばれた
少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化合物
であり、好ましくは、2〜14族原子から成る群より選
ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲ
ン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少
なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に
好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少
なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、
I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C2O4、OCO
CH3、CH3COCHCOCH3、OCl3、O(N
O3)2、O(ClO4)2、O(SO4)、OH、O2Cl
2、OCl3、OCOH、OCOCH 2CH3、C2H4O4
およびC6H5O7から成る群より選ばれる少なくとも一
種の陰イオンとからなる化合物である。
O4、Ca(NO3)2、Ca3(C6H 5O7)2、MgCl
2、MgBr2、MgSO4、Mg(PO4)2、Mg(C
lO4)2、MgC2O4、Mg(NO3)2、Mg(OOC
CH3)2、MgC4H4O4等。
Ti(NO3)4、Ti(SO4)2、TiF4、TiC
l4、Zr(OOCCH3)4、Zr(CO3)2、Zr
(NO3)4、Zr(SO4)2、ZrF4、ZrCl4、Z
rOCl2、ZrO(NO3)2、ZrO(ClO4)2、
ZrO(SO4)、HF(OOCCH3)4、HF(C
O3)2、HF(NO3)4、HF(SO4)2、HFOCl
2、HFF4、HFCl4、V(CH3COCHCOC
H3)3、VOSO4、VOCl3、VCl3、VCl4、V
Br3等、Cr(CH3COCHCOCH3)3、Cr(O
OCCH3)2OH、Cr(NO3) 3、Cr(Cl
O4)3、CrPO4、Cr2(SO4)3、CrO2Cl2、
CrF3、CrCl3、CrBr3、CrI3、Mn(OO
CCH3)2、Mn(CH3COCHCOCH3)2、Mn
CO3、Mn(NO3)2、MnO、Mn(ClO4)2、
MnF2、MnCl2、Fe(OOCCH3)2、Fe(C
H3COCHCOCH3)3、FeCO3、Fe(N
O3)3、Fe(ClO4)3、FePO4、FeSO4、F
e2(SO4)3、FeF3、FeCl3、FeC6H5O
7等。
CHCOCH3)3、CoCO3、Co(NO3)2、Co
C2O4、Co(ClO4)2、Co3(PO4)2、CoS
O4、CoF2、CoCl2、NiCO3、Ni(N
O3)2、NiC2O4、Ni(ClO4) 2、NiSO4、
NiCl2、NiBr2等。
CHCOCH3)2、ZnCO3、Zn(NO3)2、Zn
(ClO4)2、Zn3(PO4)2、ZnSO4、Zn
F2、ZnCl2、AlF3、AlCl3、AlBr3、A
lI3、Al2(SO4)3、Al2(C2O4)3、Al(C
H3COCHCOCH3)3、Al(NO3)3、AlP
O4、GeCl4、GeBr4、GeI4等が挙げられる。
造のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部または全部を
溶出させることができる。
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択され
る。処理に用いる塩類および酸は、2種以上であっても
よい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合において
は、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を
行った後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処
理を同時に行う方法がある。
限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜3
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜
24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に
含有される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を
溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および
酸は、一般的には水溶液で用いられる。
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および
層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水
および層間水を除去して成分(B)として使用するのが
好ましい。
塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水
で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明で
は、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間
水を除去して使用することができる。イオン交換性層状
珪酸塩の吸着水および層間水の加熱処理方法は特に制限
されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下
の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水等の方法が用い
られる。加熱の際の温度は、イオン交換性層状珪酸塩お
よび層間イオンの種類によるために一概に規定できない
が、層間水が残存しないように、100℃以上、好まし
くは150℃以上であるが、構造破壊を生じるような高
温条件(加熱時間にもよるが例えば800℃以上)は好
ましくない。また、空気流通下での加熱等の架橋構造を
形成させるような加熱脱水方法は、触媒の重合活性が低
下し、好ましくない。加熱時間は0.5時間以上、好ま
しくは1時間以上である。その際、除去した後の成分
(B)の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHg
の条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%
とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下であ
ることが好ましい。
(B)として、特に好ましいものは、塩類処理および/
または酸処理を行って得られた、水分含有率が1重量%
以下の、イオン交換性層状珪酸塩である。また成分
(B)は、平均粒径が5μm以上の球状粒子を用いるの
が好ましい。ここでいう平均粒径は、粒子の光学顕微鏡
写真(倍率100倍)を画像処理して算出した数平均の
粒径で表す。
法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが成分
(B)を造粒することが可能な方法であれば特に限定さ
れない。造粒法として好ましくは、攪拌造粒法、噴霧造
粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられ、特に好ま
しくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。尚、噴霧
造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として水あるい
はメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレ
ン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として
用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液
の成分(B)の濃度は0.1〜70%、好ましくは1〜
50%、特に好ましくは5〜30%である。球状粒子が
得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒によ
り異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましく
は100〜220℃で行う。
塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバイン
ダーとしては例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロ
ップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース
類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネ
シウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、
ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、
アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
ウム化合物である。本発明で成分(C)として用いられ
る有機アルミニウム化合物は、一般式(AlR
4 nX3-n)mで示される化合物が適当である。本発明では
この式で表される化合物を単独で、複数種混合してある
いは併用して使用することができることはいうまでもな
い。また、この使用は触媒調製時だけでなく、予備重合
あるいは重合時にも可能である。この式中、R4は炭素
数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水
素、アルコキシ基、アミノ基を示す。nは1〜3の、m
は1〜2の整数である。R4としてはアルキル基が好ま
しく、またXは、それがハロゲンの場合には塩素が、ア
ルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、
アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が、好まし
い。したがって、好ましい化合物の具体例としては、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
ノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマ
ルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミ
ニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキク
ロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチル
アミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブ
チルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらの
うち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアル
ミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドであ
る。さらに好ましくは、R4が炭素数1〜8であるトリ
アルキルアルミニウムである。
−オレフィンランダム共重合体を製造する際に用いられ
る触媒としては、上記の成分(A)、成分(B)ならび
に必要に応じて用いられる成分(C)からなる触媒を、
重合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマ
ーの存在下あるいは不存在下に接触させることにより調
整することができる。
予備重合を行ったものであっても良い。予備重合に用い
られるオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1
−ブテン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニル
ベンゼン等が用いられるが、これらと他のオレフィンと
の混合物であってもよい。上記触媒の調整において使用
される成分(A)、成分(B)、成分(C)の使用量は
任意の比で使用することができる。
の重合は、成分(A)、成分(B)、並びに必要に応じ
て成分(C)からなる触媒とプロピレンとエチレンまた
は炭素数4〜20のα−オレフィンとを混合接触させる
ことにより行われる。反応系中の各モノマーの量比は経
時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合
比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの
混合比を経時的に変化させることも可能である。また、
共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加
することもできる。
よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒とし
て用いるバルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶
媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を
採用することができる。
る。スラリー重合の場合には、重合溶媒としてヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あ
るいは混合物を用いることができる。
160℃、好ましくは0℃〜150℃であり、そのとき
の分子量調節剤として補助的に水素を用いることができ
る。また、重合圧力は0〜90kg/cm2・G、好ま
しくは0〜60kg/cm2・G、特に好ましくは1〜
50kg/cm2・Gが適当である。本発明範囲に入る
限りにおいて、2種以上のプロピレン−α−オレフィン
ランダム共重合体を用いることができる。
ム共重合体と、脂環式炭化水素樹脂とからなる基層樹脂
組成物が使用される。脂環式炭化水素樹脂の含有量は5
〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%、更
に好ましくは15〜30重量%である。50重量%より
大きいと、比重が0.94を越える場合が多く、更に成
形性が悪化し、また得られたラベル用フィルムがべたつ
く問題が生じる。
樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン
樹脂、またはそれらの水素添加誘導体が挙げられる。こ
れらの中で極性基を有しないものや、水素を付加して9
5%以上の水添率にしたものが好ましく、更には石油樹
脂又は石油樹脂の水素添加誘導体がより好ましい。石油
樹脂としては、例えば荒川化学工業(株)製のアルコ
ン、トーネックス(株)製のエスコレッツなどの市販品
が挙げられる。
以上である。好ましくは115℃以上、更に好ましくは
125℃以上である。110℃未満ではフィルムがべた
ついたり、経時的に白濁が生じたりする。
防止剤、中和剤、造核剤、アンチブロッキング剤、スリ
ップ剤等を添加することができる。また、本発明の効果
を阻害しない範囲内で、より一層の収縮特性向上を目的
として、プロピレン−ブテン1共重合体、ポリブテン−
1、線状低密度ポリエチレン等既知の収縮特性向上成分
を添加することができる。
レンを主体とするプロピレン系ランダム共重合体が使用
され、具体的には、プロピレン−α−オレフィンランダ
ム共重合体よりなる表面層樹脂組成物で構成される。
0.5〜50g/10分、好ましくは1.0〜20g/
10分、更に好ましくは1.0〜10g/10分、特に
好ましくは1.0〜5.0g/10分である。メルトフ
ローレートが、0.5未満では押出特性が悪化する場合
がある。また、50より大きいと成形性が悪化したり、
厚みムラが生じたりする。示差熱走査型熱量計で求めた
主たる融解ピーク温度(Tp)は、100〜150℃の
範囲である。示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピー
ク温度(TP)が100〜140℃、好ましくは100
℃〜130℃、更に好ましくは100℃〜125℃が望
ましい。100℃未満のものは、未延伸シートが冷却固
化し難く、フィルム成形が困難となり、また、150℃
より大きいと、外観が悪化したり収縮特性が不十分とな
る。
でもよく、2種類以上の混合物でもよい。混合物の場合
は混合物のメルトフローレートとTpが本発明範囲内と
なるようにされる。
α−オレフィンランダム共重合体でも、異なった結晶性
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体でもよ
い。 (b)樹脂組成物 表面層A、Cには、プロピレン系ランダム共重合体と、
脂環式炭化水素樹脂とからなる表面層樹脂組成物が使用
される。脂環式炭化水素樹脂の含有量は0.1重量%以
上5重量%未満であり、好ましくは0.1〜3重量%で
ある。5重量%より大きいと、フィルム成形時にTダイ
から溶融押出されて成形された未延伸シートが冷却ロー
ルから剥がれ難くなり、また、得られたラベル用フィル
ムがべたつく問題がある。
樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン
樹脂、またはそれらの水素添加誘導体が挙げられる。こ
れらの中で極性基を有しないものや、水素を付加して9
5%以上の水添率にしたものが好ましく、更には石油樹
脂又は石油樹脂の水素添加誘導体がより好ましい。石油
樹脂としては、例えば荒川化学工業(株)製のアルコ
ン、トーネックス(株)製のエスコレッツなどの市販品
が挙げられる。
以上のものが使用される。好ましくは115℃以上、更
に好ましくは125℃以上である。110℃未満ではフ
ィルムがべたついたり、経時的に白濁が生じたりする。
防止剤、中和剤、造核剤、アンチブロッキング剤、スリ
ップ剤等を添加することができる。また、本発明の効果
を阻害しない範囲内で、より一層の収縮特性向上を目的
として、プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン
−1、線状低密度ポリエチレン等既知の収縮特性向上成
分を添加することができる。
ルム 上記の基層Bを構成する基層樹脂組成物は、フィルム状
に成形され、その片面に表面層樹脂組成物からなる表面
層Aが積層され、また、必要に応じて、他の面に表面層
樹脂組成物からなる表面層Cが積層されて原反とされ
る。
と表面層A、Cを構成する樹脂組成物をそれぞれフィル
ム状に成形し、これを熱ロールを用いて熱圧着してもよ
く、基層Bを構成する基層樹脂組成物をフィルム状に成
形した後、表面層A、C構成する表面層樹脂組成物をそ
れぞれ押出ラミすることによって積層することができ、
さらに、基層Bと表面層A、Cを構成するそれぞれの樹
脂組成物を共押出することによって原反とすることがで
きる。目的に応じては、基層Bを構成する基層樹脂組成
物をフィルム状に成形して延伸処理、印刷を行った上で
表面層A、Cを構成する表面層樹脂組成物をそれぞれ押
出ラミすることによって積層することもできる。フィル
ムの成形方法は、インフレーション法、Tダイ法を採用
することができる。
が延伸操作を受けていないものについては延伸がなされ
る。延伸は、インフレーション法、フラット状延伸法な
ど公知の方法を用いることができるが、フラット状延伸
法、特にテンター式一軸延伸法が好ましい。延伸方向
は、一軸以上であればよいが、フィルムの流れ方向に対
して直角方向へ一軸方向のみ延伸することが好ましい。
少なくとも一軸以上に2倍以上延伸される。
で延伸することが好ましく、特に未延伸シートに予熱を
かける工程がある場合は、予熱温度を成形可能な範囲内
でできる限り低くすることが収縮率向上の観点から好ま
しい。 (5)熱収縮性フィルムの用途 本発明の熱収縮性ポリプロピレン系フィルムは、スリー
ブ包装等の包装材料として使用することができ、特に本
発明熱収縮性フィルムは、熱収縮率と比重のバランスが
大幅に向上しているため、リサイクル特性に優れたペッ
トボトル用表示ラベル用材料、瓶容器用表示ラベル材料
などとして好適に用いることができる。。
方向に長さ22.5cm、主収縮方向に直角方向に20
cm切り出した。主収縮方向が円周方向となるよう、円
周長21.5cmとなるよう筒状に丸め、重なり合う部
分をヒートシールすることにより筒状のラベルを得た。
得られたラベルの一端と市販のペットボトル(500m
l、キリンビバレッジ Supli用)の下端が揃うよ
うにかぶせた。ラベルを装着したペットボトルに500
mlの水(25℃)を入れ、キャップをした後、90℃
に調整した水槽に5秒間浸けた。5秒経過後直ちに90
℃の水槽から取り出し、別途用意した25℃の水槽に1
分以上浸けることにより、ラベル包装を実施した。ラベ
ル包装後のペットボトルの下端から15.7cmの部分
(市販ペットボトルのラベル上端位置。周長18.0c
m、収縮率16.3%)のラベルの密着状態を調べ、下
端から15.7cmの部分が完全に密着しているものを
良好、密着が不十分のものを不良とした。 (2)比重:JIS K−7112に準拠して、ペット
ボトルへラベル包装した後のサンプルを密度勾配管法に
より測定した。
した後のラベル用フィルムを一辺10cmの正方形に切
り出し、更に一辺1cmの正方形に裁断し、フィルム片
を得た。得られたフィルム片を、予め25℃の蒸留水8
00ミリリットルが入った1リットルビーカーに入れ
た。ビーカーに長さ3cmの回転子を入れ、マグネチッ
クスターラーにてフィルム片がビーカー内全体に分散す
るように回転数を設定した。(分離性評価は、全サンプ
ル同じ回転数で実施した)。20秒間マグネチックスタ
ーラーを回転させた後、回転を停止させ、回転を停止し
てから全てのフィルム片が水面近傍まで浮き上がるまで
の時間を測定した。この操作を1試料につき10回繰り
返し、最大値、最小値を除いた平均値をもって分離性の
尺度とした。フィルム片が水面近傍まで浮き上がる時間
が短いほど分離性に優れる。
ら溶融押出により成形された未延伸シートの冷却ロール
(鏡面仕上げ)からのはがれ易さを下記の基準で評価し
た。 ○:容易にはがれ、成形に支障がない。 △:はがれにくいが、成形には支障がない。 ×:はがれにくく、成形困難。 (5)外観:成形したフィルムの外観を下記の基準で評
価した。 ○:均一に延伸されている。 ×:部分的に不均一に延伸されており、表面割れが見ら
れる。 (6)MFR:JIS K−6758(条件230℃、
荷重2.16kg)に準拠して測定した。
い、サンプル樹脂5.0mgを採り、200℃で5分間
保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで冷
却し、更に10℃/分の昇温スピードで融解させて融解
熱量曲線を得、得られた融解熱量曲線によりTpおよび
T50を求めた。 (8)軟化点温度:JIS K−2207に準拠して測
定した。 (9)加熱収縮率:延伸フィルムを40℃で24時間エ
ージングした後、10cm×10cmの正方形状に、そ
の一辺がフィルムの流れ方向と平行になるよう切り出
し、これを所定の温度に加熱した水槽に10秒間浸漬し
た。10秒経過後直ちに別途用意した25℃の水槽に2
0秒間浸漬したのちフィルムの流れ方向、直交方向各々
の長さを測定した。
℃で24時間エージングした後、10cm×10cmの
正方形状に、その一辺がフィルムの流れ方向と平行にな
るよう切り出し、これを40℃のギヤオーブンに入れ7
日間放置した。7日間放置したフィルムの流れ方向、直
交方向各々の長さを測定した。
リ単軸押出機および20ミリ単軸押出機から各々表面層
A、C用樹脂組成物を240℃でTダイ法により各々所
定の厚みになるように溶融共押出し、15℃の冷却ロー
ルで冷却固化させ厚さ300μmの未延伸シートを得
た。
低温度で30秒間予熱をかけ、予熱温度と同等の温度雰
囲気下に幅方向に30秒かけて6.5倍延伸し、引き続
き同テンター内で幅方向に7.5%弛緩させつつ、87
℃で30秒アニールし、延伸倍率6倍、厚さが50μm
の熱収縮性ラベル用フィルムを得た。
合体およびポリプロピレン系樹脂: PP−1:特願2000−055456の方法で重合し
てPP−1パウダーを得た。エチレン含量は3.4重量
%、MFR2.6、Tp122.7℃、T50=113℃
であった。 PP−2:MgCl2担持型Ti系触媒によって製造さ
れた、MFR2.3、エチレン含量3.6重量%、Tp
138.3℃のプロピレン−エチレンランダム共重合
体。T50=130℃であった。 PP−3:MgCl2担持型Ti系触媒によって製造さ
れた、MFR2.5、Tp160.3℃のプロピレン単
独重合体。
%、石油樹脂(トーネックス(株)製、エスコレッツE
CR228F(軟化点温度137℃))25重量%より
なる樹脂混合物100重量部に対してステアリン酸カル
シウム0.05重量部、Ir1010 0.1重量部、
Ir168 0.1重量部、アンチブロッキング剤とし
て平均粒径2.5μmの合成シリカ0.1重量部をヘン
シェルミキサーで混合した後、50ミリ単軸押出機で造
粒して基層B用樹脂組成物を得た。
対してトーネックス(株)エスコレッツECR228F
(軟化温度137℃)0.3重量%よりなる樹脂組成物
100重量%に対して、ステアリン酸カルシウム0.0
5重量%、Ir1010=0.1重量%、Ir168=
0.1重量%、アンチブロッキング剤として平均粒径
2.5μmの合成シリカ0.1重量%をヘンシェルミキ
サーで混合した後、50ミリ単軸押出機で造粒して表面
層A、C用樹脂組成物を得た。
ル用フィルムに成形した。フィルムの全厚みは50μ
m、基層Bの厚みは44μm、表面層A、Cの厚みは共
に3μmであった。フィルム成形時の成形可能最低予熱
温度は60℃であった。得られたフィルムの評価結果を
表1に示した。
脂組成物のベースPPをPP−2とした外は実施例1と
同様にラベル用フィルムを得た。フィルム成形時の成形
可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフィルム
の評価結果を表1に示した。
脂組成物のベースPPを、PP−1パウダー97重量
%、トーネックス(株)エスコレッツECR228F
(軟化温度137℃)3重量%に変えた以外は実施例1
と同様にラベル用フィルムを得た。フィルム成形時の成
形可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフィル
ムの評価結果を表1に示した。
脂組成物を基層Bと同じものに変えた以外は実施例1と
同様にラベル用フィルムを得た。フィルム成形時の成形
可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフィルム
の評価結果を表1に示した。実施例に比べ成形性が悪化
した。
スPPをPP−2に、表面層A、C用樹脂組成物のベー
スPPをPP−2に変えた以外は実施例1と同様にラベ
ル用フィルムを得た。フィルム成形時の成形可能最低予
熱温度は80℃であった。得られたフィルムの評価結果
を表1に示した。実施例に比べ、包装適性が悪化した。
脂組成物のベースPPをPP−3に変えた以外は実施例
1と同様にラベル用フィルムを得た。得られた樹脂組成
物を前述の方法にてラベル用フィルムに成形した。フィ
ルム成形時の成形可能最低予熱温度は60℃であった。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。実施例に
比べ外観が悪化した。
%、石油樹脂(トーネックス(株)エスコレッツECR
228F(軟化点温度137℃))50重量%よりなる
樹脂混合物100重量部に対してステアリン酸カルシウ
ム0.05重量部、Ir1010 0.1重量部、Ir
168 0.1重量部、アンチブロッキング剤として平
均粒径2.5μmの合成シリカ0.1重量部をヘンシェ
ルミキサーで混合した後、50ミリ単軸押出機で造粒し
て基層B用樹脂組成物を得た。
対してトーネックス(株)エスコレッツECR228F
(軟化温度137℃)0.3重量%よりなる樹脂組成物
100重量部に対してステアリン酸カルシウム0.05
重量部、Ir1010 0.1重量部、Ir168
0.1重量部、アンチブロッキング剤として平均粒径
2.5μmの合成シリカ0.1重量部をヘンシェルミキ
サーで混合した後、50ミリ単軸押出機で造粒して表面
層A、C用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を前
述の方法にてラベル用フィルムに成形した。フィルムの
全厚みは50μm、基層Bの厚みは44μm、表面層
A、Cの厚みは共に3μmであった。フィルム成形時の
成形可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフィ
ルムの評価結果を表1に示した。実施例に比べ比重が増
大し、成形性が若干悪化し、分離性が悪化した。
0μm、表面層A、Cの厚みを共に15μmに変えた以
外は実施例1と同様にラベル用フィルムを得た。得られ
た樹脂組成物を前述の方法にてラベル用フィルムに成形
した。フィルム成形時の成形可能最低予熱温度は70℃
であった。
た。実施例に比べ外観が悪化し、また包装適性が悪化し
た。
Claims (3)
- 【請求項1】基層Bの一方の面に表面層Aが積層され、
他方の面に必要に応じて表面層Cが積層されたポリプロ
ピレン系積層フィルムであって、基層Bの厚みが全フィ
ルム厚みの50%以上であり、基層Bが下記特性(イ)
を、表面層A、Cが下記特性(ロ)を満たす樹脂組成物
よりなり、主収縮方向の収縮率が式(ハ)〜(ホ)を満
たし、40℃・7日間における主収縮方向の自然収縮率
が3%未満で、かつ、比重が0.94以下、の熱収縮性
ポリプロピレン系積層フィルム。 (イ)基層B 下記特性(a)〜(c)を満足する結晶性プロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体50〜95重量%と、
軟化点温度が110℃以上である脂環式炭化水素樹脂5
〜50重量%とからなる基層樹脂組成物。 (a)メルトフローレートが0.5〜10g/10分で
あること、 (b)示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク温度
(Tp)が、100〜140℃の範囲にあること、 (c)融解中間温度T50が125℃以下であること、 但し、T50はDSCで求めたポリプロピレン系樹脂組成
物の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算し
て融解熱量がΔHmの50%となるときの温度(℃)を
示す。 (ロ)表面層A、C 下記特性(d)〜(e)を満足するプロピレンを主体と
するプロピレン系ランダム共重合体99.9〜95重量
%と、軟化点温度が110℃以上である脂環式炭化水素
樹脂0.1重量%以上5重量%未満とからなる表面層樹
脂組成物。 (d)メルトフローレートが0.5〜50g/10分で
あること (e)示差熱走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク温
度(Tp)が、100〜150℃の範囲にあること。 (ハ)S80>251d−215(ニ)S90>531d−
462 (ホ)S100>627d−541 但し、S80、S90、S100は、各々80℃、90℃、1
00℃において10秒間温水浴させたときの主収縮方向
の収縮率(%)、dは熱収縮性ポリプロピレン系積層フ
ィルムの比重を示す。 - 【請求項2】基層Bを構成する結晶性プロピレン−α−
オレフィンランダム共重合体と、表面層A、Cを構成す
るプロピレン系ランダム共重合体が、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体である請求項1に記載の熱収縮性
ポリプロピレン系積層フィルム。 - 【請求項3】基層Bを構成する結晶性プロピレン−α−
オレフィンランダム共重合体が、メタロセン触媒により
重合されたものである請求項1又は2に記載の熱収縮性
ポリプロピレン系積層フィルム。
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JP2001078640A JP2002273839A (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 熱収縮性ポリプロピレン系積層フィルム |
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- 2001-03-19 JP JP2001078640A patent/JP2002273839A/ja active Pending
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