JP2005104151A - ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、腰感が良好で、一方向にカールすることのなく、包装用途に好適に用いることができるヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】 結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層をもつ多層延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、一方の表面層がα−オレフィン共重合体からなる樹脂を含む融点150℃以下の熱融着層からなり、基材層を挟む両側に基材層を構成する樹脂とプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂を含む層を有し、ヒートシール強度が10N/15mm以上であり、フィルムの直交する両方向の引張弾性率がそれぞれ1.45GPa以上であることを特徴とするヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム。

Description

本発明は、ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム及び包装体に関し、さらに詳しくは、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、透明性が良好で包装用途に好適に用いることができるヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム及びかかるフィルムを用いてなる包装体に関する。
従来から、包装用に使用するヒートシーラブルフィルムとしては、一般的に、ポリプロピレン系樹脂に低融点のポリオレフィン系樹脂を積層した共押出し積層ポリプロピレン系樹脂フィルム、無延伸ポリエチレン系樹脂フィルム又はポリプロピレン系樹脂フィルムと延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとをラミネートした積層ポリプロピレン系樹脂フィルムが多用されている。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂に低融点のポリオレフィン系樹脂を積層した共押出し積層ポリプロピレン系樹脂フィルムでは、ある程度のシール強度はあるものの、水物などの重量物を包装するまでのシール強度はなく、無延伸ポリエチレン系樹脂フィルム又はポリプロピレン系樹脂フィルムと延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとをラミネートした積層ポリプロピレン系樹脂フィルムにおいては、十分なシール強度はあるものの、有機溶剤等を使用するラミネート工程が必要であり、経済的にも地球環境に与える影響の面からも好ましくない。
また、共押出し積層ポリプロピレン系樹脂フィルムのシール強度を改善する方策として、ポリプロピレン系樹脂を基材層とし、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を熱融着層に使用するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、異種素材を積層する為、その層間強度が弱く本件が目的とする十分なヒートシール強度は得られるものではない。
さらに、ポリプロピレン系樹脂層と直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂層の間に接着層を設けるものもある(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、これらはポリエチレン系樹脂を積層する為、フィルムの腰感が無くなり、製袋加工時や内容物充填後の取り扱い性に支障をきたすものである。また、この様に異種素材を積層する場合、溶融、フィルム状に成形時の結晶化の違い、収縮率の違いより一方向にカールするという問題がおこり、製袋加工等の際支障をきたすものである。
特開平9−207294号公報 特開平10−76618号公報
本発明は、上記従来の積層ポリプロピレン系フィルムの有する問題点を解決し、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、腰感が良好で、一方向にカールすることのなく、包装用途に好適に用いることができるヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム及びかかるフィルムを用いてなる包装体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層をもつ多層延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、一方の表面層がα−オレフィン共重合体からなる樹脂を含む融点150℃以下の熱融着層からなり、基材層を挟む両側に基材層を構成する樹脂とプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂を含む層(以下、単に「中間層」と称する場合がある)を有し、ヒートシール強度が10N/15mm以上であり、フィルムの直交する両方向の引張弾性率がそれぞれ1.45GPa以上であることを特徴とする。
すなわち、基材層と熱融着層との間に中間層を設けるとともに、基材層を構成する樹脂成分の少なくとも一部と、熱融着層が含有するα−オレフィン共重合体と同種のプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂成分とを前記中間層に含有させることによって、各層間の密着性が向上して、ヒートシール強度を高めることができる。さらに、基材層の両側に中間層が設けられているので、フィルムが一方向にカールするのを抑制できる。また、本発明のフィルムのヒートシール強度を10N/15mm以上とすることによって、水物などの重量物を包装できる強度を確保することができるとともに、フィルムの直行する両方向の引張弾性率をそれぞれ1.45GPa以上とすることによって、腰のあるフィルムが得られる。
上記構成からなる本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、製袋加工性が良好で、商品包装後の取り扱い性を向上させることができる。
この場合において、前記プロピレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂の冷キシレン可溶分が3質量%以下であることが好適である。
またこの場合において、前記フィルムは2軸延伸されてなるものであることが好適である。
さらに、前記フィルムを用いてなる包装体も本発明に包含される。
本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムによれば、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、腰感が良好でカールのない包装用途に好適なフィルムとして用いることができる。
本発明の包装体によれば、重量物の包装が可能な十分なヒートシール強度を有し、腰感がよく取り扱いが良好な包装体とすることができる。
以下、本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム及び包装体の実施の形態を説明する。
本発明において、基材層に用いる結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、通常の押出成形などで使用するアイソタクチックのプロピレン単独重合体又はプロピレンを70質量%以上含有する他のα−オレフィンとの共重合体であればよく、より好ましくはn−ヘプタン不溶性のものである。n−ヘプタン不溶性は、ポリプロピレンの結晶性を指標すると同時に食品包装用として使用する際の安全性を示すものであり、本発明では、昭和57年2月厚生省告示第20号によるn-ヘプタン不溶性(25℃、60分抽出した際の溶出分が150ppm以下(使用温度が100℃を越えるものは30ppm以下))のものを使用することが好ましい態様である。
共重合成分としてのα−オレフィンは、炭素数が2〜8のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテンなどが好ましい。ここで共重合体には、ランダム又はブロック共重合体が含まれる。また、メルトフローレート(MFR)は0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜20g/10min、さらに好ましくは、1.0〜10g/10minの範囲のものを例示することができる。さらに、基材層の結晶性ポリプロピレン系樹脂は、2種以上の混合物であってもよい。
本発明において、熱融着層に用いる樹脂は、融点が150℃以下の熱可塑性樹脂であって、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が2〜10のα−オレフィン系モノマーからから選ばれた2種以上を重合して得られたα−オレフィン共重合体であり、より好ましくは、α−オレフィンランダム共重合体又はα−オレフィンブロック共重合体である。これらの共重合体は単独で、又は混合して使用することができる。
熱融着層に使用するα−オレフィン共重合体としては、中間層に使用するプロピレン−α−オレフィン共重合体とは異なるものを使用することができるが、中間層に使用するプロピレン−α−オレフィン共重合体と同種若しくは同一のものを使用することが好ましい態様である。同種若しくは同一のものを使用することによって、熱融着層と中間層との密着性が高くなるからである。
熱融着層に使用するα−オレフィン共重合体として特に好ましいのは、例えば、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体とプロピレン−ブテンランダム共重合体との混合物である。プロピレン−ブテンランダム共重合体を使用することによって、ヒートシール時の融着力が一層向上するからである。また、前記混合物中における各樹脂成分の配合比率は、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体:プロピレン−ブテンランダム共重合体=8:2〜1:9であることが好ましく、さらに好ましくは6:4〜1:9である。
熱融着層を形成する熱可塑性樹脂の融点は150℃以下であり、好ましくは60〜150℃である。このような熱可塑性樹脂を用いることにより、ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムに十分なヒートシール強度を与えることができる。熱融着層を形成する熱可塑性樹脂の融点が60℃未満ではヒートシール部の耐熱性が劣るようになり、150℃を越えるとヒートシール強度の向上が期待できない。熱融着層を形成する熱可塑性樹脂のMFRは、好ましくは0.1〜100g/10min、より好ましくは0.5〜20g/10min、さらに好ましくは1.0〜10g/10minである。
基材層の両側には、基材層を構成する樹脂とプロピレン−α−オレフィン共重合体からなり基材層を構成する樹脂とは異なる樹脂を含む層(中間層)を設ける必要がある。基材層を構成する樹脂とプロピレン−α−オレフィン共重合体よりなる樹脂の配合量は、特に限定されるものではなく、同種のポリプロピレン系樹脂及び他の熱可塑性樹脂を含有しても良い。前記中間層を構成する樹脂として好ましいのは、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体とプロピレン単独重合体との混合物である。前記混合物中の各樹脂成分の配合比率は、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体:プロピレン単独重合体=9:1〜1:9であるのが好ましく、さらに好ましくは4:6〜1:9である。
中間層における、基材層を構成する樹脂の好ましい配合量は、10質量%から90質量%であり、10質量%未満だと腰がなくなる傾向にあり、商品の取り扱い上、好ましくない。また、90質量%を越える場合は、基材層と熱融着層との接着が不十分となり、シール強度が低下する場合があり好ましくない。同様に、プロピレン−α−オレフィン共重合体よりなる樹脂の配合量としては、10質量%から90質量%であり、10質量%未満だと基材層と熱融着層との接着が不十分となり、シール強度が低下する場合があり好ましくない。また、90%を越える場合は、腰がなくなる傾向にあり、商品の取り扱い上、好ましくない。ここで、基材層を挟んだ両側の層同士はそれぞれ同じ配合組成であっても、異なる配合組成であっても良いが、極度に異なる場合は、カールする傾向にあり、あまり好ましくない。また、ここで用いるプロピレン−α−オレフィン共重合体は特に限定されるものではないが、冷キシレン可溶分(CXS)が3質量%以下のプロピレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましい。冷キシレン可溶分(CXS)が3質量%を越えるプロピレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合は、腰がなくなる傾向にあり好ましくない。ここで、冷キシレン可溶分とは、試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間放置後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した際の質量を測定し、供試試料1gに対する質量%で表したものをいう。
本発明におけるフィルムの縦方向及びそれと直交する横方向の引張弾性率はそれぞれ1.45GPa以上、好ましくは1.5〜3.5GPaである。1.45GPa未満の場合はフィルムの腰感がなくなり、包装体の取り扱い性が著しく悪くなる。3.5GPaを越える場合は、包装体を開封する際にフィルムに入る亀裂が伝播しやすくなり、内容物がこぼれ易くなる場合があり好ましくない。前記引張弾性比率は、例えば、フィルムを構成する各層の樹脂の種類や樹脂成分の比率等を適宜調整することにより制御することができる。
本発明におけるフィルムのヒートシール強度は、10N/15mm以上、好ましくは11N/mm以上、さらに好ましくは12N/mm以上である。ヒートシール強度を一定以上として、水物などの重量物も包装できるようにするためである。前記ヒートシール強度の上限は、特に限定されないが、35N/15mmであることが好ましく、より好ましくは33N/mm、更に好ましくは30N/mmである。ヒートシール強度が35N/mmを超えると、袋を開封する際にヒートシール強度が強すぎるため開封が困難になるからである。
本発明において、各層を形成する樹脂には、必要に応じて各層の特性を阻害しない範囲で、各種添加材、充填材、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレー等を添加することができる。さらにまた、その他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を本発明のフィルムの特性を害さない範囲で配合してもよい。
本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムの各層の厚み構成は、特に限定されるものではないが、基材層は5〜100μm、熱融着層は2〜20μm、基材層の両側を構成する層はそれぞれ3〜30μmを例示することができる。
本発明のヒートシール性の良好な積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、公知の方法で任意に製造することができ、特に制限されるものではない。例えば、積層数に見合う数の押出し機を用いてTダイ法又はインフレーション法等で溶融積層した後、冷却ロール法、水冷法又は空冷法で冷却して積層フィルムとし、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法、チューブ延伸法等で延伸する方法を例示することができる。
本発明のヒートシール性の良好な積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、熱融着層とは反対側の表面に同種のポリプロピレン系樹脂層及び他の樹脂層、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂層をさらに積層してもよく、また、基材層と中間層、中間層と熱融着層の間に同様に積層することも、その特性を害さない限り、特に制限されない。
本発明のヒートシール性の良好な積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、濡れ張力を向上させるために表面処理を行うことが好ましい。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特に制限はない。連続処理が可能であり、このフィルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理が好ましく行われる。
本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、透明性が良好であり、小麦粉、米、麦などの穀物類や板・糸こんにゃく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬などの各種漬物類、各種味噌類、だしのもと、めんつゆ、醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなどの包装材料として好適であり、また、これらは、ペーパーカートン、チューブ用、袋用、カップ用、スタンディングパック用、トレイ用などの包装体として用いることができる。
以下、本発明の具体例を実施例によってさらに説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性は下記の方法により評価を行った。
(ヒートシール強度)
ヒートシール温度140℃、圧力1kg/cm2、ヒートシール時間1秒の条件で、積層フィルムの熱融着層C面同士を重ね合わせて熱板シールを行い、15mm幅の試験片を作製した。この試験片の180度剥離強度を測定し、ヒートシール強度(N/15mm)とした。
(引張弾性率)
JIS−K−7127法に準じて測定した。
(カール性)
100mm角のシート状試験片を準備し、カールの程度を目視で測定した。
○:カール性なし
△:ややカール性あり
×:著しいカール性あり
(商品取り扱い性)
質量約4g、大きさ25mm×75mmの米菓を、厚み25μm、大きさ80mm×140mmのポリエチレンフィルムでひねり包装したものを、下記の各積層フィルムを用いて作成したサイズ190mm×250mmの袋に120g入れた商品を用意して、取り扱い性の評価をした。
評価5級:フィルムに腰があり、箱詰め、箱出し、陳列作業が容易にできる。
評価4級:袋を持ったとき、多少たよりなく感じるが、作業は問題なく行い得る。
評価3級:腰がない感じがして、手に持った際に、たよりなく感じ、多少作業がしづらくなる。
評価2級:腰がなく、手に持った際たよりなく感じ、作業しづらい。
評価1級:腰がまったくなく、作業が困難である。
(実施例1)
3台の溶融押出機を用い、第1の押出機にて結晶性プロピレン単独重合体(密度0.90g/cm3、MFR2.5g/10分、融点157℃、冷キシレン可溶分3.3質量%)を基材層Aとして、第2の押出機にて、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(密度0.89g/cm3、MFR4.6g/10分、融点128℃、冷キシレン可溶分4.6質量%)を30質量%、プロピレン−ブテンランダム共重合体(密度0.89g/cm3、MFR9.0g/10分、融点130℃、冷キシレン可溶分14.0質量%)を70質量%とした混合樹脂を熱融着層Cとして、第3の押出機にて、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(密度0.89g/cm3、MFR3.1g/10分、融点133℃、冷キシレン可溶分1.6質量%)を70質量%、プロピレン単独重合体(密度0.90g/cm3、MFR2.5g/10分、融点157℃、冷キシレン可溶分3.3質量%)を30質量%とした混合樹脂を基材層の両側に位置する層Bとして、ダイス内にてB/A/B/Cとなるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、チルロールにて冷却固化し、縦方向(フィルム長手方向)に4.5倍、横方向(フィルム幅方向)に8倍延伸し、B/A/B/C構成の厚みがそれぞれ順に5μm、32μm、5μm、3μmである積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。得られた積層フィルムは本発明の要件を満足するものであり、十分なヒートシール強度と腰感、耐カール性を有するものであった。
(比較例1)
基材層Aの熱融着層Cとは反対面側の面にB層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。得られた積層フィルムは、極度にカールするものであり、製袋時の加工性が悪いものであった。
(比較例2)
基材層Aの両側に位置するB層が基材層Aを構成するプロピレン単独重合体のみからなるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。得られた積層フィルムは、ヒートシール強度が不足し、製袋実包品の輸送、取り扱い時にシール部から破袋し、実用上問題のあるものであった。
(比較例3)
基材層Aの両側に位置するB層がプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体のみからなるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。得られた積層フィルムは、腰がなく、製袋実包品の取り扱い性が悪いものであった。
(実施例2)
基材層Aの両側に位置するB層を構成するプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体の代わりにプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(密度0.89g/cm3、MFR4.6g/10分、融点128℃、冷キシレン可溶分4.6質量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。得られた積層フィルムは、本発明の要件を満足するものであり、十分なヒートシール強度と腰感、耐カール性を有するものであった。
表1において、Prはプロピレンを、Etはエチレンを、Buはブテン−1を意味している。また、樹脂欄の「B層、A層、B層、C層」は、積層順に記載している。
表1から明らかなように、本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、所望のヒートシール強度及び引張弾性率を満足するとともに、商品取扱性、カール性に優れ、腰感のあるものが得られた。また、実施例1と実施例2とを比較すると、中間層に冷キシレン可溶分の低いプロピレン−α−オレフィン共重合体を採用することによって、腰のあるフィルム(商品取扱性の良いフィルム)が得られることが分かる。比較例1は、基層の片側に中間層を設けない場合であり、カール性が著しく低下した。比較例2は、中間層にプロピレン−α−オレフィン共重合体を使用しない場合であり、ヒートシール強度が著しく低下した。また、比較例3は、中間層が基材を構成する樹脂を含有しない場合であり、腰がなくなり商品取扱性が悪くなった。
本発明のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有し、透明性が良好であり、小麦粉、米、麦などの穀物類や板・糸こんにゃく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬などの各種漬物類、各種味噌類、だしのもと、めんつゆ、醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなどの包装材料として好適であり、また、これらは、ペーパーカートン、チューブ用、袋用、カップ用、スタンディングパック用、トレイ用などの包装体として用いることができる。

Claims (4)

  1. 結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層をもつ多層延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、一方の表面層がα−オレフィン共重合体からなる樹脂を含む融点150℃以下の熱融着層からなり、基材層を挟む両側に基材層を構成する樹脂とプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂を含む層を有し、ヒートシール強度が10N/15mm以上であり、フィルムの直交する両方向の引張弾性率がそれぞれ1.45GPa以上であることを特徴とするヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム。
  2. 請求項1記載のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、前記プロピレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂の冷キシレン可溶分が3質量%以下であることを特徴とするヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、2軸延伸されてなるものであることを特徴とするヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルムを用いてなるものであることを特徴とする包装体。

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