JP2003118041A - 熱収縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを装着した容器 - Google Patents

熱収縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを装着した容器

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JP2003118041A
JP2003118041A JP2001319896A JP2001319896A JP2003118041A JP 2003118041 A JP2003118041 A JP 2003118041A JP 2001319896 A JP2001319896 A JP 2001319896A JP 2001319896 A JP2001319896 A JP 2001319896A JP 2003118041 A JP2003118041 A JP 2003118041A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱収縮率、特に低温収縮性を向上させ、尚か
つ自然収縮率を低下させ、低比重化によりシュリンク包
装適性とリサイクル効率のバランスを向上させたポリオ
レフィン系シュリンクラベル用積層フィルム並びにそれ
が装着された容器の提供。 【解決手段】表面層として環状オレフィン系樹脂を用
い、基材層として特定の物性を有する結晶性プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体50〜95重量%
と、特定の脂環式炭化水素樹脂5〜50重量%とを含む
樹脂組成物を用い、少なくとも一軸方向に2倍以上延伸
され、基材層の厚みが全フィルム厚みの50〜99%で
あり、積層フィルムの比重が0.95以下であり、自然
収縮率収縮率が3%以下である熱収縮性ポリオレフィン
系シュリンクラベル用積層フィルム並びに該フィルムか
らなるシュリンクラベルを装着してなる容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性ポリオレ
フィン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを
装着した容器に関し、特に、低比重で、低温収縮性およ
び耐自然収縮性の向上した熱収縮性ポリオレフィン系シ
ュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを装着した容
器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、包装物品の、外観向上のための外
装、内容物の直接衝撃を避けるための包装、タイト包
装、ガラス瓶又はプラスチックボトルの保護と商品の表
示を兼ねたラベル包装などを目的として、シュリンクラ
ベルが広汎に使用されている。これらの目的で使用され
るプラスチックラベルの素材としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレンなどが知られている。しかしながら、ポリ塩
化ビニルラベルは、加熱収縮性には優れるものの、焼却
時に塩素ガスを発生するなどの環境汚染の問題を抱えて
いる。また、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレー
トラベルについては、加熱収縮性は良好であるものの、
ポリエチレンテレフタレートボトル(以下、「PETボ
トル」と略す。)との比重差が小さいため、浮遊分離が
困難であり、PETボトルのリサイクル化を妨げる。さ
らに、十分な加熱収縮性を得るために、耐熱性の悪い樹
脂を使用しており、レトルト殺菌を行うと溶融樹脂によ
る印刷インキ流れを生ずるという問題も有する。
【0003】ポリプロピレンラベルは、PETボトルと
の比重差が大きく、浮遊分離がしやすい上、耐熱性にも
優れるが、加熱収縮性が不十分である。特に、低温収縮
性を改良する目的にて、ポリプロピレンにプロピレン・
ブテン−1共重合体を添加する方法および石油樹脂やテ
ルペン樹脂を添加する方法(特開昭62−62846号
公報)などが知られているが、未だその効果は不十分で
あり、ベースとなるポリプロピレン系樹脂の収縮性能の
さらなる向上が望まれている。また、上記石油樹脂を添
加した樹脂組成物は、フィルムの成形加工時、特に未延
伸シートの押出し時に、該未延伸シートが冷却ロールに
くっつきやすくなり、成形性が悪化する。成形性を改良
するために、表面層に石油樹脂を添加しないポリプロピ
レン系樹脂を積層すると、基材層が十分な加熱収縮特性
を有しないため、加熱収縮率が低下する問題を生じる。
上記問題を解決するために、優れた加熱収縮率を発現す
る基材層の出現が望まれていた。
【0004】さらに、従来のポリオレフィン系シュリン
クラベルは、加熱収縮率を向上させると比重が大きくな
り、リサイクル時に水によるPETボトルとの浮遊分離
の効率が悪化しやすくなる。この問題を解決するため、
でき得る限り低比重で、且つ加熱収縮率の向上したポリ
オレフィン系シュリンクラベル用フィルムの出現が望ま
れていた。
【0005】また、従来のポリオレフィン系シュリンク
ラベル用フィルムは、加熱収縮率を向上させるとフィル
ムの保管、輸送時に相当する室温から40℃程度での自
然収縮が大きくなりやすく、印刷などの二次加工時や、
包装時にトラブルが発生しやすくなる。このような問題
を改良する目的で特開2000−159946号に特定
の非晶質樹脂を配合若しくは積層したフィルムが提案さ
れているが、十分に加熱収縮させるために長い時間を要
したり、比重が大きくなる等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
ような状況下において、加熱収縮率、特に低温収縮性を
向上させ、尚かつ自然収縮率を低下させ、低比重化によ
りシュリンク包装適性とリサイクル効率のバランスを向
上させたポリオレフィン系シュリンクラベル用積層フィ
ルム並びにそれが装着されたPETボトル、ポリオレフ
ィン製ボトル、瓶などの容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々の研究を重ねた結果、表面層とし
て特定の環状オレフィン系樹脂を用い、基材層として特
定の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体と特定の脂環式炭化水素樹脂とを含む樹脂組成物を用
いた積層フィルムとすることにより、上記の課題を解決
し得る、熱収縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用
積層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
基材層の片面又は両面に表面層が積層され、少なくとも
一軸方向以上に2倍以上延伸された積層フィルムであっ
て、表面層が下記式〔A〕で表される環状オレフィン化
合物およびエチレンからなる環状オレフィン系重合体、
又は、下記式〔A〕で表される環状オレフィン化合物を
開環重合してなる重合体若しくはその水素添加物を主成
分とする環状オレフィン系樹脂であって、下記特性(a
−1)〜(a−2)を満足する環状オレフィン系樹脂か
らなり、基材層が下記特性(b−1)〜(b−3)を満
足する結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重
合体50〜95重量%と、石油樹脂、テルペン樹脂、ロ
ジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、並びにそれらの水
素添加誘導体から選ばれる軟化点温度が110℃以上の
脂環式炭化水素樹脂5〜50重量%とを含有する樹脂組
成物からなり、且つ基材層の厚みが全フィルム厚みの5
0〜99%であり、積層フィルムの比重が0.95以
下、自然収縮率が3%以下であることを特徴とする熱収
縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用積層フィルム
が提供される。 (a−1)メルトフローレート(260℃、2.16k
g荷重)が10〜50g/10分。 (a−2)ガラス転移温度が40℃〜100℃。 (b−1)メルトフローレート(230℃、2.16k
g荷重)が0.5〜10g/10分であること。 (b−2)示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク
温度(TP)が、100〜140℃の範囲にあること。 (b−3)T50≦125℃ (但し、T50はDSCで求めた結晶性プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体の総融解熱量をΔHmとし
た時、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%と
なる時の温度(℃)を表す。)
【化2】 (式中、R1〜R12は、水素原子、炭化水素基であっ
て、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、R5
とR10、又は、R11とR12とは一体化して2価の炭化水
素基を形成してもよい。また、R3若しくはR10と、R
11若しくはR12とは互いに環を形成してもよい。nは0
又は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される
場合には、これらはそれぞれ同一であっても異なってい
てもよい。)
【0009】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、結晶性プロピレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体が、メタロセン触媒により重合された共
重合体であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン
系シュリンクラベル用積層フィルムが提供される。
【0010】また、本発明の第3の発明によれば、第1
又は第2の発明において、α−オレフィンが、エチレン
であることを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系シュ
リンクラベル用積層フィルムが提供される。
【0011】また、本発明の第4の発明によれば、第1
〜3のいずれかの発明に記載の熱収縮性ポリオレフィン
系シュリンクラベル用積層フィルムからなる比重1.0
未満の熱収縮性ラベルが提供される。
【0012】また、本発明の第5の発明によれば、第4
の発明に記載の熱収縮性ラベルが装着された容器が提供
される。
【0013】
【発明の実際の形態】以下に本発明の熱収縮性ポリオレ
フィン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを
装着した容器について詳細に説明する。
【0014】[I]表面層 1.環状オレフィン系樹脂 環状オレフィン系樹脂とは、下記式〔A〕で表される環
状オレフィン化合物をモノマーとする重合物である。
【0015】
【化3】
【0016】なお、上記の化学式中、R1〜R12は、水
素原子、炭化水素基であって、それぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。また、R5とR10、又は、R11とR12
は一体化して2価の炭化水素基を形成してもよい。ま
た、R3若しくはR10と、R11若しくはR12とは互いに
環を形成してもよい。nは0又は正の整数であって、R
5〜R8が複数回繰り返される場合には、これらはそれぞ
れ同一であっても異なっていてもよい。
【0017】上記式〔A〕で表される環状オレフィン化
合物の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.
2.5.17.1 6]−3−ドデセン誘導体、ヘキサシクロ
[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4
−ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.1
2.9.14 .7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5
−ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.
3.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、ヘ
プタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5
−ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.1
2.5]−3−ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6.
5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン誘
導体、ペンタシクロペンタデカシエン誘導体、ペンタシ
クロ[7.4.0.12.5.19.12.03.13]−3−ペ
ンタデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.
3.6.110.17.112.16.02.7.011.16]−4−エ
イコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14.7
13.20.115.18.03.8.02.10.012.21
14.19]−5−ペンタコセン誘導体、ペンタシクロ
[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサ
デセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.1
11.18.113.18.03.8.0 12.17]−5−ヘイエイコセ
ン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15.8.1
14.12.118.19.02.11.04.9.012.22.015.20
−5−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセ
ナフチレン付加物等が挙げられる。
【0018】環状オレフィン系樹脂としては、上記式
〔A〕で表される環状オレフィン化合物およびエチレン
からなる環状オレフィン系重合体、又は、上記式〔A〕
で表される環状オレフィン化合物を開環重合してなる重
合体若しくはその水素添加物を主成分とするものが挙げ
られる。
【0019】特性(a−1):メルトフローレート 環状オレフィン系樹脂のメルトフローレート(260
℃、2.16kg荷重、以下、「MFRA」と略す。)
は10〜50g/10分、好ましくは10〜40g/1
0分が好ましい。MFRAが10g/10分未満では、
押出特性が悪化し、生産性が低下する場合があり、一
方、MFRAが50g/10分を超えると成形性が悪化
したり、厚みムラが生じたりする。
【0020】特性(a−2):ガラス転移温度 環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は40
℃〜100℃、好ましくは50〜90℃である。ガラス
転移温度(Tg)が40℃未満では、加熱収縮率向上効
果が不十分であったり、自然収縮率が大きくなりやす
い。100℃を超えると収縮包装時に相当する温度(8
0〜100℃)での加熱収縮率が悪化しやすい。
【0021】環状オレフィン系樹脂としては、市販品と
して三井化学社製アペル等が例示できる。
【0022】2.その他の成分 本発明の表面層に用いる環状オレフィン系樹脂には、本
発明の効果を阻害しない範囲内で、酸化防止剤、帯電防
止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤など
の添加剤、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン
系エラストマーなどの樹脂成分を添加することができ
る。
【0023】[II]基材層 1.結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体 特性(b−1):メルトフローレート 本発明の積層フィルムの基材層で用いる結晶性プロピレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体のメルトフローレ
ート(230℃、2.16kg荷重、以下、「MF
P」と略す。)は、0.5〜10g/10分、好まし
くは1.0〜10g/10分である。MFRPが0.5
g/10分未満では、押出し特性が悪化し、生産性が低
下する場合があり、一方、MFRPが10g/10分を
超えると収縮特性が悪化したり、厚みムラが生じたりす
る。
【0024】特性(b−2):DSCで求めた主たる融
解ピーク温度(TP) 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体のDSCで求めた主たる融解ピーク温度
(TP)は、100〜140℃、好ましくは100〜1
30℃、さらに好ましくは100〜125℃である。融
解ピーク温度(T P)が100℃未満では、未延伸シー
トが冷却固化しにくく、フィルム成形が困難となり、一
方、融解ピーク温度(TP)が140℃を超えると収縮
特性が不十分となる。
【0025】特性(b−3):融解熱量と温度の関係 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体は、下記の式を満足することが必要であ
る。 T50≦125℃ (但し、T50は、DSCで求めた結晶性プロピレン・α
−オレフィンランダム共重合体の総融解熱量をΔHmと
した時、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%
となる時の温度(℃)を表す。) T50は、125℃以下、好ましくは80〜120℃、さ
らに好ましくは85〜115℃である。T50が125℃
を超えると収縮特性が悪化する。
【0026】本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体のプロピレンとランダム共重
合されるα−オレフィンとしては、エチレン又は炭素数
4〜20のα−オレフィンが挙げられ、エチレン、ブテ
ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などを用いること
が好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0027】本発明の結晶性プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体は、上記特性(b−1)〜(b−
3)を満たすものであれば、限定されないが、通常、ラ
ンダム共重合体中のα−オレフィン含有量は、2.0〜
30重量%程度であり、特にα−オレフィンがエチレン
である場合は、2.0〜10重量%程度、好ましくは
2.0〜6.0重量%程度である。また、上記特性(b
−1)〜(b−2)を満たせば、結晶性プロピレン・α
−オレフィンランダム共重合体は、2種類以上の混合物
であってもよい。
【0028】本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体は、下記の触媒成分(A)、
成分(B)、並びに、必要に応じて成分(C)からなる
メタロセン触媒の存在下でプロピレンとエチレン又は炭
素数4〜20のα−オレフィンとをランダム共重合する
ことにより製造することができる。
【0029】(i)メタロセン触媒 触媒成分(A) Q(C54-a13 a)(C54-b14 b)MeXY (C54-a13 aおよびC54-b14 bは、それぞれ共役
五員環配位子を示す。Qは二つの共役五員環配位子を架
橋する結合性基を示す。Meはジルコニウム又はハフニ
ウムを示す。XおよびYは、それぞれ独立して、水素、
ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜2
0のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミド
基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数1〜20
のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20のケイ素含有
炭化水素基を示す。R13およびR14は、共役五員環配位
子上の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜
30の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ基、ケイ素含
有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素
基又はホウ素含有炭化水素基を示す。隣接する2個のR
13又は2個のR14がそれぞれ結合して環を形成していて
もよい。aおよびbは0≦a≦4、0≦b≦4を満足す
る整数である。但し、R13およびR14を有する2個の五
員環配位子は、基Qを介しての相対位置の観点におい
て、Meを含む平面に関して非対称である。)
【0030】Qは、二つの共役五員環配位子C54-a
13 aおよびC54-b14 bを架橋する結合性基である。具
体的には、例えば(イ)炭素数1〜20、好ましくは1
〜6のアルキレン基、(ロ)炭素数1〜20、好ましく
は1〜12の炭化水素基を有するシリレン基、(ハ)炭
素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基を有す
るゲルミレン基がある。なかでもアルキレン基、シリレ
ン基が好ましい。
【0031】Meは、ジルコニウム又はハフニウムであ
る。
【0032】XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち
同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲ
ン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくは塩
素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素
数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のア
ルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化
水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基
又は(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
【0033】R13およびR14は、共役五員環配位子上の
置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の
炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2
〜20のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含
有炭化水素基又は炭素数2〜20のホウ素含有炭化水素
基を示す。これらの置換基は、側鎖にさらに置換基を有
していてもよい。また、隣接する2個のR13同士又は2
個のR14同士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタ
ジエニル基の一部と共に環を形成していてもよい。その
ような場合の代表例としてはシクロペンタジエニル基上
の隣接する2つのR13(あるいはR14)が当該シクロペ
ンタジエニル基の二重結合を共有して縮合六員環を形成
しているもの(すなわちインデニル基および置換インデ
ニル基、およびフルオレニル基および置換フルオレニル
基)および縮合七員環を形成しているもの(すなわちア
ズレニル基および置換アズレニル基)がある。好ましく
は、1つあるいは2つのシクロペンタジエニル基上の隣
接する2つのR13あるいはR14が縮合七員環を形成して
いることが望ましい。
【0034】aおよびbは、0≦a≦4、0≦b≦4を
満足する整数である。
【0035】上記メタロセン化合物の非限定的な例とし
て、下記のものを挙げることができる。なお、これらの
化合物は、単に化学的名称のみで示称されているが、そ
の立体構造が本発明で言う非対称性を持つものであるこ
とはいうまでもない。
【0036】(1)ジメチルシリレンビス{1−(2−
メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(2)ジメチルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(3)ジメチル
シリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ
フェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロ
リド、(4)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル
−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕
ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシリレンビス
〔1−{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4
H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(6)ジ
メチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナ
フチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド、(7)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−
4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニ
ウムジクロリド、(8)ジメチルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H
−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(9)ジメ
チルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フル
オロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニ
ウムジクロリド、(10)ジメチルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(4−フルオロ−2−ナフチル)−
4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(1
1)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(12)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル
−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕
ジルコニウムジクロリド、(13)ジメチルシリレンビ
ス〔1−{2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)
−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(1
4)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−
(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコ
ニウムジクロリド、(15)ジメチルシリレンビス〔1
−{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレ
ニル}〕ジルコニウムジクロリド、(16)ジメチルシ
リレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセ
ニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド、(17)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル
−4−(1−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕
ジルコニウムジクロリド、(18)ジメチルシリレンビ
ス{1−(2−ジメチルボラノ−4−インドリル−4H
−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(19)ジ
メチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、5−ベン
ゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(20)ジ
メチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド等が挙げられ
る。
【0037】成分(B) 本発明において、成分(B)としては、次の(B−1)
〜(B−4)から選ばれた成分が望ましい。 (B−1)アルモキサンが担持された微粒子状担体、
(B−2)成分(A)と反応して成分(A)をカチオン
に変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸が
担持された微粒子状担体、(B−3)固体酸微粒子、
(B−4)イオン交換性層状珪酸塩。
【0038】(B−1)アルモキサンが担持された微粒
子状担体:アルモキサンとしては、メチルアルモキサ
ン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示できる。微
粒子状担体としては、無機又は有機の化合物からなる微
粒子状担体が例示できる。無機担体としては、シリカ、
アルミナ、シリカ・アルミナ塩化マグネシウム、活性
炭、無機珪酸塩等が挙げられる。あるいは、これらの混
合物であってもよい。有機担体としては、例えば、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ベン
テン等の炭素数2〜14のα−オレフィンの重合体、ス
チレン、ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和炭化水素の
重合体等からなる多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げら
れる。あるいはこれらの混合物であってもよい。
【0039】(B−2)成分(A)と反応して成分
(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合
物又はルイス酸が担持された微粒子担体:成分(A)と
反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能な
イオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アン
モニウムカチオン等の陽イオンと、トリフェニルホウ
素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素
化合物のカチオンとの錯化物等が挙げられる。また、ル
イス酸、特に成分(A)をカチオンに変換可能なルイス
酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等が例示される。あ
るいは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の金属
ハロゲン化合物等が例示される。微粒子状担体は上述の
ものを適宜利用できる。
【0040】(B−3)固体酸:固体酸としては、アル
ミナ、シリカ−アルミナ等が挙げられる。
【0041】(B−4)イオン交換性層状珪酸塩:成分
(B−4)としては、イオン交換性層状珪酸塩が用いら
れる。イオン交換性層状珪酸塩は、イオン結合などによ
って構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重な
った結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオ
ン交換が可能なものを示称する。イオン交換性層状珪酸
塩の好ましい具体例としては、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイ
ト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト族、雲
母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族が挙げ
られる。
【0042】成分(B)は特に処理を行うことなくその
まま用いることができるが、成分(B)に化学処理を施
すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着し
ている不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を
与える処理のいずれをも用いることができる。
【0043】具体的には、塩類処理、酸処理、アルカリ
処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は表面の不
純物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mgなど
の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させ
る。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土
の構造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理で
は、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成
し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0044】本発明において使用されるイオン交換性層
状珪酸塩は、塩類で処理される前の、イオン交換性層状
珪酸塩の含有する交換可能な1族金属陽イオンの40%
以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解
離した陽イオンと、イオン交換して用いることが好まし
い。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用い
られる塩類は、2〜14族原子からなる群より選ばれた
少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原
子、無機酸および有機酸からなる群より選ばれた少なく
とも一種の陰イオンとからなる化合物である。
【0045】陽イオンとしては、Ca、Mg、Sc、
Y、La、Sm、Yb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、P
b、Cu、Zn、Cd、Al、Ge、Snなどの陽イオ
ンが挙げられる。
【0046】陰イオンとしては、Cl、Br、I、F、
PO4、SO4、NO3、CO3、C24、OCOCH3
CH3COCHCOCH3、OCl3、O(NO32、O
(ClO42、O(SO4)、OH、O2Cl2、OC
3、OCOH、OCOCH2CH3、C244およびC
657などの陰イオンが挙げられる。
【0047】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択され
る。処理に用いる塩類および酸は、それぞれ2種以上で
あってもよい。
【0048】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜3
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜
24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に
含有される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を
溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および
酸は、一般的には水溶液で用いられる。
【0049】成分(B−4)として、特に好ましいもの
は、塩類処理および/又は酸処理を行って得られた、水
分含有率が1重量%以下の、イオン交換性層状珪酸塩で
ある。
【0050】成分Bとしては、(B−4)が好ましい。
【0051】成分(C) 成分(C)は、有機アルミニウム化合物である。本発明
で成分(C)として用いられる有機アルミニウム化合物
は、一般式(AlR15 p3-pqで示される化合物が適
当である。この式中、R15は炭素数1〜20の炭化水素
基を示し、Zは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミ
ノ基を示す。pは1〜3の、qは1〜2の整数である。
成分(C)の具体例としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルア
ルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニ
ウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマ
ルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチル
アルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチ
ルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライドなどが挙げられる。
【0052】触媒の形成 本発明の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体を製造する際に用いる触媒としては、上記の成分
(A)、成分(B)並びに、必要に応じて用いられる成
分(C)からなる触媒を、重合槽内であるいは重合槽外
で、重合させるべきモノマーの存在下あるいは不存在下
に接触させることにより調製することができる。また、
上記触媒は、オレフィンの存在下で予備重合を行ったも
のであってもよい。予備重合に用いられるオレフィンと
しては、プロピレン、エチレン、1−ブテン、3−メチ
ルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼンなどが用い
られるが、これらと他のオレフィンとの混合物であって
もよい。上記触媒の調製において使用される成分
(A)、成分(B)、成分(C)の量は任意の比で使用
することができる。
【0053】(ii)重合 本発明に用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体の重合は、成分(A)、成分(B)、並び
に、必要に応じて成分(C)からなる触媒とプロピレン
とエチレン又は炭素数4〜20のα−オレフィンとを混
合接触させることにより行われる。Tp、T50は、用い
る触媒の組合わせや重合条件に応じて変化するものであ
るが、共重合するα−オレフィンの種類や量などによっ
て調整することが可能である。
【0054】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒とし
て用いるバルク法、溶液法あるいは実質的に液体溶媒を
用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を採用
することができる。また、連続重合、回分式重合のいず
れを用いてもよい。
【0055】重合条件としては重合温度が−78℃〜1
60℃であり、また、重合圧力は0〜90kg/cm2
・Gである。そのときの分子量調節剤として補助的に水
素を用いることができる。
【0056】2.脂環式炭化水素樹脂 本発明の積層フィルムの基材層に用いるもう一つの成分
は、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロン
インデン樹脂、並びにそれらの水素添加誘導体から選ば
れる脂環式炭化水素樹脂である。これらの中で、極性基
を有さないものや、あるいは、水素を添加して95%以
上の水添率とした樹脂が好ましい。さらに好ましい樹脂
は、石油樹脂又は石油樹脂の水素添加誘導体である。該
石油樹脂又は石油樹脂の水素添加誘導体としては、例え
ば、荒川化学工業(株)製のアルコン又はトーネックス
(株)製のエスコレッツなどの市販品が挙げられる。
【0057】該脂環式炭化水素樹脂の軟化点は、110
℃以上であることが必要であり、好ましくは、115℃
以上、さらに好ましくは、125℃以上である。脂環式
炭化水素樹脂の軟化点が、110℃未満であるとフィル
ムがべたついたり、経時変化によりしたり、自然収縮率
が大きくなりやすい。
【0058】3.その他の成分 本発明の基材層で用いる樹脂組成物には、本発明の効果
を阻害しない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、中和
剤、造核剤、スリップ剤などの添加剤、ポリエチレン、
ポリプロピレン、オレフィン系エラストマーなどの樹脂
成分を添加することができるが、透明性確保の観点より
アンチブロッキング剤は、使用しない方が好ましい。ま
た、造核剤として5重量%以下の高密度ポリエチレンを
添加してもよい。さらに、本発明の効果を阻害しない範
囲で、より一層の収縮特性向上を目的として、プロピレ
ン・ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、線状低密度
ポリエチレンなど、公知の収縮特性向上成分を添加して
もよい。
【0059】4.樹脂組成物 本発明で基材層として用いる樹脂組成物中の結晶性プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体と脂環式炭化
水素樹脂の配合割合は、結晶性プロピレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体が50〜95重量%、好ましくは
60〜90重量%、さらに好ましくは70〜85重量
%、脂環式炭化水素樹脂が5〜50重量%、好ましくは
10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%
である(ただし結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体と脂環式炭化水素樹脂との合計量は100
重量%である)。該樹脂組成物中の結晶性プロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体が95重量%を超える
と(脂環式炭化水素樹脂が5重量%未満であると)、収
縮特性が悪化する。一方、結晶性プロピレン・α−オレ
フィンランダム共重合体が50重量%未満であると(脂
環式炭化水素樹脂が50重量%を超えると)、比重が
0.94を超える場合が多く、さらにフィルムの成形性
が悪化するとともに、得られるラベル用フィルムがべた
つく。
【0060】[III]シュリンクラベル用積層フィル
ム 本発明のシュリンクラベル用積層フィルムは、基材層の
片面又は両面に表面層が積層されて少なくとも一軸以上
に延伸された積層フィルムである。シュリンクラベル用
積層フィルムの厚みは、特に限定されないが、100μ
m以下であり、好ましくは30〜80μmである。
【0061】本発明のシュリンクラベル用積層フィルム
は、基材層の厚みが、全フィルム厚みの50〜99%、
好ましくは60〜96%、より好ましくは80〜93%
である。基材層の厚みが全フィルム厚みの50%未満で
は、フィルムの比重が0.95を超えやすい。一方、基
材層の厚みが全フィルム厚みの99%を超えると、加熱
収縮率が改良されない。フィルムのカール防止の点で基
材の両面に表面層が積層されていることが好ましく、両
表面層の厚さが同一であることがより好ましい。
【0062】本発明のシュリンクラベル用積層フィルム
は、少なくとも一軸方向に2倍以上、好ましくは4倍以
上延伸されている必要がある。延伸方向は、フィルムの
流れ方向に対して直角である方向へのみ一軸延伸するこ
とが好ましい。延伸倍率が2倍未満であると、十分な収
縮率が得られない。
【0063】また、本発明のシュリンクラベル用積層フ
ィルムの比重は、0.95以下である。比重が0.95
を超えると、フィルムに印刷など二次加工を施す際に生
じる比重増加によって、水によるPETボトルなどとの
浮遊分離の効率が悪化する。
【0064】さらに、本発明のシュリンクラベル用積層
フィルムは、自然収縮率が3%未満、好ましくは2%未
満、さらに好ましくは1%未満である。自然収縮率とは
40℃、7日間における主収縮方向の収縮率をいう。該
主収縮方向の収縮率が3%以上であると、フィルムの輸
送、保管中に収縮を起こしやすくなり、巻き締り、タル
ミなどが発生し商品価値が著しく低下する。
【0065】本発明の熱収縮性シュリンクラベル用積層
フィルムの表面には、成形後若しくは成形途中に接着性
の向上、ガスバリヤー性の付与の目的で種々のコート材
をコートすることができる。成形途中にコートを行う場
合は、シート成形工程と延伸工程の間に(逐次二軸延伸
の場合は、1段目延伸工程と2段目延伸工程の間に)コ
ート材をコートするのが好ましい。さらに、印刷性、各
種コート材との密着強度向上を目的に、ラベル用積層フ
ィルムの少なくとも片面にコロナ処理、火炎処理、プラ
ズマ処理等の公知の表面処理を施すことができる。
【0066】[IV]シュリンクラベル用積層フィルム
の成形方法 本発明の熱収縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用
積層フィルムは、上記の基材層および表面層を積層し、
次いで延伸して得られる。積層フィルムの成形方法とし
ては、溶融共押出し法などの公知の方法を使用し、ま
た、フィルムの延伸は、インフレーション法、フラット
状延伸法などの公知の方法を用いて延伸することができ
るが、本発明においては、フラット状延伸法、特にテン
ター式一軸延伸法を用いることが好ましい。
【0067】さらに、収縮率を向上させる目的より、で
き得る限り低温で延伸することが好ましく、特に未延伸
シートに予熱をかける工程がある場合は、予熱温度を成
形可能な範囲内で、でき得る限り低くすることが好まし
い。
【0068】[V]熱収縮性シュリンクラベル 本発明の熱収縮性シュリンクラベルは、上記のシュリン
クラベル用積層フィルムを筒状に加工することにより得
られる。加工方法は、特に限定されず公知の方法を用い
ることができる。例えば、フラット状のシュリンクラベ
ル用積層フィルムを、フィルムの主収縮方向が円周方向
となるようにセンターシールを施すことによりシュリン
クラベルを得ることができる。該センターシールの方法
としては、有機溶剤塗布によるシール、接着剤塗布によ
るシール、ヒートシールなどが挙げられるが、これらに
限定されない。また、シュリンクラベル用積層フィルム
を筒状に加工する前に、印刷を施してもよい。
【0069】本発明の熱収縮性シュリンクラベルは、印
刷などの二次加工を施した後も比重が1.0未満である
ので、種々の容器の軽量化に寄与し、且つPETボトル
との水による浮遊分離が可能である。さらに、従来のポ
リオレフィン系シュリンクラベルと比べて、収縮特性、
特に低温収縮性に優れるのでシュリンク包装適性に優
れ、且つ外観の美しい容器包装が可能となる。
【0070】[VI]熱収縮性シュリンクラベルを装着
した容器 本発明の熱収縮性シュリンクラベルを種々の容器に装着
し、加熱収縮させることにより熱収縮性シュリンクラベ
ルを装着した容器を得ることができる。装着される容器
は、特に限定されないが、例えば、PETボトル、ポリ
プロピレン製ボトル、瓶容器、弁当容器などが挙げられ
る。
【0071】
【実施例】本発明を以下に実施例を示して具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法、
ラベル用積層フィルムの成形方法、使用した結晶性プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造方法
は、以下に示す通りである。
【0072】1.試験法 (1)比重:JIS K−7112−1980に準拠し
て、PETボトルへラベル包装した後のサンプルを用い
て密度勾配管法により測定した。
【0073】(2)MFR:プロピレン系樹脂について
はJIS K−7210−1995に準拠し、230
℃、荷重2.16kgにて測定した。環状オレフィン系
樹脂についてはASTM D1238に準拠し、260
℃、荷重2.16kgにて測定した。
【0074】(3)TPおよびT50:セイコー社製示差
走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル(結晶性プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体)5.0mg
を採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10
℃/分の降温スピードで冷却し、さらに10℃/分の昇
温スピードで融解させて融解熱量曲線を得、得られた融
解熱量曲線によりTPおよびT50を求めた。
【0075】(4)軟化点温度:JIS K−2207
に準拠して測定した。
【0076】(5)加熱収縮率:延伸したフィルムを4
0℃にて24時間エージングした後、10cm×10c
mの正方形状に、その一辺がフィルム流れ方向と平行に
なるように切り出し、これを所定の温度に加熱した水槽
に10秒間浸漬した。10秒経過後、直ちに別途用意し
た25℃の水槽に20秒間浸漬した後、フィルムの流れ
方向、直交方向各々の長さを測定し、加熱収縮率を求め
た。主収縮方向の値をもって加熱収縮率とした。
【0077】(6)自然収縮率:延伸したフィルムを4
0℃にて24時間エージングした後、10cm×10c
mの正方形状に、その一辺がフィルム流れ方向と平行に
なるように切り出し、これを40℃のギヤオーブンに入
れ7日間放置した。7日間放置後のフィルムの流れ方
向、直交方向各々の長さを測定し、自然収縮率を求め
た。主収縮方向の値をもって自然収縮率とした。
【0078】(7)引張弾性率(単位 MPa):下記
の条件にて、フィルムの流れ方向(MD)および直交方
向(TD)各々について測定した。引張弾性率の計算方
法は、JIS K−7127−1989に準拠した。 サンプル長さ:150mm サンプル幅:15mm チ
ャック間距離:100mmクロスヘッド速度:1mm/
min
【0079】2.フィルムの成形 (i)未延伸シートの成形 75ミリ単軸押出機から、基材層用樹脂組成物を、30
ミリ単軸押出機および20ミリ単軸押出機から各々、両
表面層用樹脂組成物を、240℃にて、Tダイ法により
各々所定の厚みになるように溶融共押出しし、15℃の
冷却ロールにて冷却固化させ、厚さ300μmの未延伸
シートを得た。
【0080】(ii)延伸フィルムの成形 上記で得た未延伸シートをテンター炉に導入し、成形可
能な最低である温度にて30秒間予熱をかけ、該予熱温
度と同等の温度雰囲気下、幅方向に30秒かけて6.5
倍延伸し、引き続き同テンター炉内にて幅方向に7.5
%弛緩させつつ、87℃にて30秒間アニールし、延伸
倍率6倍で、厚さが50μmの熱収縮性シュリンクラベ
ル用フィルムを得た。
【0081】3.ペットボトルへのラベル包装 ラベル用フィルムを主収縮方向に長さ22.5cm、主
収縮方向に直角方向に20cm切り出した。主収縮方向
が円周方向となるよう、円周長21.5cmとなるよう
筒状に丸め、重なり合う部分をヒートシールすることに
より筒状のラベルを得た。得られたラベルの一端と市販
のペットボトル(500ml、キリンビバレッジ Su
pli用)の下端が揃うようにかぶせた。ラベルを装着
したペットボトルに500mlの水(25℃)を入れ、
キャップをした後、90℃に調整した水槽に5秒間浸け
た。5秒経過後直ちに90℃の水槽から取りだし、別途
用意した25℃の水槽に1分以上浸けることにより、ラ
ベル包装を実施した。
【0082】4.結晶性プロピレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(PP−1)の製造 (i)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリドのラセミ体の合成 (a)ラセミ・メソ混合物の合成 1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6m
mol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテ
ル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウ
ムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml(19.
2mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.
5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.2g
(8.6mmol)を添加して反応を行った。この反応
溶液を徐々に室温まで戻しながら1.5時間攪拌した。
その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−メチルイミダゾ
ール15μl(0.19mmol)を添加し、さらに、
ジクロロジメチルシラン0.52ml(4.3mmo
l)を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、
希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧
下に濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス
状の固体2.1gを得た。
【0083】次に、上記の反応生成物1.27gをジエ
チルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−
ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)2.
8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反
応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。
減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテ
ルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−78℃に
冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g(2.3
mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、
室温で4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液を
セライト上で濾過し、濾別された固体をトルエン3ml
で洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで
抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビ
ス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−
4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリドのラセミ
・メソ混合物906mg(収率56%)を得た。
【0084】(b)ラセミ体の精製 さらに、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ
混合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を4
0分照射することによりラセミ体の比率を高め、その
後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次
いで、得られた固体成分をトルエン22mlと共に攪拌
し、静置後に上澄み液を除去した、かかる精製操作を4
回繰り返し、残った固体成分を乾燥し、ジメチルシリレ
ンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリドの
ラセミ体275mgを得た。
【0085】(ii)粘土鉱物の化学処理 硫酸(96%)218.1gと硫酸マグネシウム13
0.4gを脱塩水909mlと混合した水溶液に市販の
モンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピアF)20
0.03gを分散させ、100℃で2時間攪拌した。こ
のモンモリロナイトの水スラリー液を固形分濃度12%
に調製し、スプレードライヤーにより噴霧造粒を行っ
て、粒子を得た。その後、この粒子を200℃で2時間
減圧乾燥した。
【0086】(iii)触媒成分の調製 内容積1lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十
分に置換した後、脱水・脱酸素したヘプタン230ml
を導入し、系内温度を40℃に維持した。ここに、トル
エンにてスラリー化した化学処理粘土10gを添加し
た。さらに別容器にてトルエン下で混合したジメチルシ
リレンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェ
ニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド
のラセミ体0.15mmolとトリイソブチルアルミニ
ウム1.5mmolを添加した。ここでプロピレンを1
0g/hの速度で120分導入し、その後120分重合
を継続した。さらに、窒素下で溶媒を除去・乾燥し、固
体触媒成分を得た。この固体触媒成分は、固体成分1g
あたり1.9gのポリプロピレンを含有していた。
【0087】(iv)重合 内容積200lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレン
で十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン4
5kgを導入した。これにトリイソブチルアルミニウム
・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mol)、エ
チレン2.0kg、水素3.5l(標準状態の体積とし
て)を加え、内温を30℃に維持した。次いで、上記固
体触媒成分1.45gをアルゴンで圧入して重合を開始
させ、30分かけて70℃に昇温し、1時間その温度を
維持した。ここでエタノール100mlを添加して反応
を停止させた。残ガスをパージし、下記の物性を有する
プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP−1)1
3.7kgを得た。上記重合を繰り返し、必要量を得て
試料とした。 MFRP=2.58g/10分、エチレン含量=3.4
2重量%、TP=122.7℃、T50=113℃。
【0088】5.その他の使用樹脂 PP−2:プロピレンエチレンランダム共重合体 MF
P=2.3g/10分、エチレン含量=3.6重量
%、TP=138.3℃、T50=130℃ AP−1:環状オレフィン系樹脂 三井化学(株)製ア
ペル APL6509T MFRA=30g/10分(260℃)、密度=1.0
2g/cm3、Tg=80℃(カタログ値) AP−2:環状オレフィン系樹脂 三井化学(株)製ア
ペル APL8008T MFRA=15g/10分(260℃)、密度=1.0
2g/cm3、Tg=70℃(カタログ値) AP−3:環状オレフィン系樹脂 三井化学(株)製ア
ペル APL6013T MFRA=315g/10分(260℃)、密度=1.
04g/cm3、Tg=125℃(カタログ値)
【0089】
【実施例1】基材層用樹脂組成物 PP−1パウダーが75重量%、トーネックス(株)エ
スコレッツE5320(軟化点温度125℃)(以下P
R−1)が25重量%よりなる樹脂混合物100重量部
に対して、ステアリン酸カルシウムが0.05重量部、
テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ンが0.1重量部、トリス(2,4―ジ―t―ブチルフ
ェニル)フォスファイトが0.1重量部をヘンシェルミ
キサーで混合した後、50ミリ単軸押出機で造粒して基
材層用樹脂組成物を得た。 表面層用樹脂 AP−1を用いた。得られたフィルムの全厚みは50μ
m、基材層の厚みは44μm、表面層の厚みは、両面そ
れぞれ3μmであった。該フィルムの成形可能最低予熱
温度は60℃であった。得られたフィルムの評価結果を
表1に示す。
【0090】
【実施例2】実施例1の表面層用樹脂をAP−1からA
P−2に変更した以外は実施例1と同様にしてシュリン
クラベル用フィルムを得た。該フィルムの成形可能最低
予熱温度は60℃であった。得られたフィルムの評価結
果を表1に示す。
【0091】
【実施例3】実施例1の基材層用樹脂組成物調製におい
て、PR−1を荒川化学(株)アルコンP125(軟化
点温度125℃)(以下PR−3)に変えた以外は実施
例1と同様な操作を行った。該フィルムの成形可能最低
予熱温度は60℃であった。得られたフィルムの評価結
果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【比較例1】実施例1の表面層用樹脂をAP−1から実
施例1の基材層用樹脂に変更した以外は実施例1と同様
にしてシュリンクラベル用フィルムを得た。該フィルム
の成形可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフ
ィルムの評価結果を表1に示す。表面層が本発明の範囲
外であったため、実施例に比べ80℃での加熱収縮率が
劣るものとなった。また、フィルムの剛性も低下した。
【0094】
【比較例2】実施例1の基材層用樹脂組成物調製におい
て、PR−1を三井化学(株)製タフマーXR110T
(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム)
に変えた以外は実施例1と同様な操作を行った。該フィ
ルムの成形可能最低予熱温度は60℃であった。得られ
たフィルムの評価結果を表1に示す。基材層が本発明の
範囲外であったため実施例に比べ、加熱収縮率が劣るも
のとなった。また、フィルムの剛性が大幅に悪化した。
【0095】
【比較例3】実施例1の基材層用樹脂組成物調製におい
て、PR−1をトーネックス(株)エスコレッツE53
00(軟化点温度105℃)(以下PR−2)に変えた
以外は実施例1と同様な操作を行った。該フィルムの成
形可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフィル
ムの評価結果を表1に示す。基材層が本発明の範囲外で
あったため実施例に比べ、自然収縮率が悪化した。
【0096】
【比較例4】実施例1の基材層用樹脂組成物調製におい
て、PP−1をPP−2に変えた以外は実施例1と同様
な操作を行った。該フィルムの成形可能最低予熱温度は
80℃であった。得られたフィルムの評価結果を表1に
示す。基材層が本発明の範囲外であったため実施例に比
べ、加熱収縮率が劣るものとなった。
【0097】
【比較例5】実施例1の表面層用樹脂をAP−1からA
P−3に変更した以外は実施例1と同様にしてシュリン
クラベル用フィルムを得た。該フィルムの成形可能最低
予熱温度は90℃であった。得られたフィルムの評価結
果を表1に示す。表面層が本発明の範囲外であったた
め、実施例に比べ加熱収縮率が劣るものとなった。
【0098】
【表2】
【0099】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリオレフィン系シュ
リンクラベル用積層フィルムは、加熱収縮率、特に低温
収縮性が向上し、また、自然収縮率抑制し、更には、低
比重化が達成されたことにより包装適性と保管、輸送適
性とリサイクル効率のバランスが向上しているため、容
器用のシュリンクラベルとしての使用に好適である。ま
た、本発明の熱収縮性ラベルを装着した容器は、比重が
1.0未満であるシュリンクラベルを使用しているの
で、従来のポリスチレン系シュリンクラベルやPET系
シュリンクラベルに比べ軽量化が達成でき、尚かつPE
Tボトルとの水による比重分離が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 BRL B65D 65/40 BRL BSG BSGD 71/08 71/08 A G09F 3/04 G09F 3/04 C // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 3E062 AA09 AB01 AC02 AC06 DA07 JA01 JB05 JC07 3E067 AA22 AC01 BA03B BA21C BB08B BB14B BB25C BC03B BC03C CA01 CA30 EE04 FB01 FC01 GD09 GD10 3E086 AA22 AD16 BA04 BA15 BA33 BB67 BB90 CA40 DA08 4F100 AK02A AK02B AK04A AK66B AL05B BA02 BA07 EH20 GB16 JA03 JA05A JA06A JA13 JL16 4F210 AA04E AA12E AA49 AE01 AG01 AG03 QC03 QG01 QG15 QG18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層の片面又は両面に表面層が積層さ
    れ、少なくとも一軸方向以上に2倍以上延伸された積層
    フィルムであって、表面層が下記式〔A〕で表される環
    状オレフィン化合物およびエチレンからなる環状オレフ
    ィン系重合体、又は、下記式〔A〕で表される環状オレ
    フィン化合物を開環重合してなる重合体若しくはその水
    素添加物を主成分とする環状オレフィン系樹脂であっ
    て、下記特性(a−1)〜(a−2)を満足する環状オ
    レフィン系樹脂からなり、基材層が下記特性(b−1)
    〜(b−3)を満足する結晶性プロピレン・α−オレフ
    ィンランダム共重合体50〜95重量%と、石油樹脂、
    テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、
    並びにそれらの水素添加誘導体から選ばれる軟化点温度
    が110℃以上の脂環式炭化水素樹脂5〜50重量%と
    を含有する樹脂組成物からなり、且つ基材層の厚みが全
    フィルム厚みの50〜99%であり、積層フィルムの比
    重が0.95以下、自然収縮率が3%以下であることを
    特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル
    用積層フィルム。 (a−1)メルトフローレート(260℃、2.16k
    g荷重)が10〜50g/10分。 (a−2)ガラス転移温度が40℃〜100℃。 (b−1)メルトフローレート(230℃、2.16k
    g荷重)が0.5〜10g/10分であること。 (b−2)示差走査型熱量計で求めた主たる融解ピーク
    温度(TP)が、100〜140℃の範囲にあること。 (b−3)T50≦125℃ (但し、T50はDSCで求めた結晶性プロピレン・α−
    オレフィンランダム共重合体の総融解熱量をΔHmとし
    た時、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%と
    なる時の温度(℃)を表す。) 【化1】 (式中、R1〜R12は、水素原子、炭化水素基であっ
    て、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、R5
    とR10、又は、R11とR12とは一体化して2価の炭化水
    素基を形成してもよい。また、R3若しくはR10と、R
    11若しくはR12とは互いに環を形成してもよい。nは0
    又は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される
    場合には、これらはそれぞれ同一であっても異なってい
    てもよい。)
  2. 【請求項2】結晶性プロピレン・α−オレフィンランダ
    ム共重合体が、メタロセン触媒により重合された共重合
    体であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポ
    リオレフィン系シュリンクラベル用積層フィルム。
  3. 【請求項3】α−オレフィンが、エチレンであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリオレフ
    ィン系シュリンクラベル用積層フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱収
    縮性ポリオレフィン系シュリンクラベル用積層フィルム
    からなる比重1.0未満の熱収縮性ラベル
  5. 【請求項5】請求項4記載の熱収縮ラベルが装着された
    容器
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