JP2010064369A - ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム - Google Patents

ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム Download PDF

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明広 宮本
Kazuhiro Hamada
和宏 浜田
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徹 松本
Kunihiko Takei
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Abstract

【課題】弾性率、低温収縮性と平面性が共に優れ、自動包装機における高速包装適性と収縮包装仕上がり性とを両立できるポリプロピレン系多層シュリンクフィルムを提供する。
【解決手段】示差走査熱量計(DSC)によって測定される融解ピーク温度が130〜165℃、メルトフローレート(MFR、測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分であるプロピレン系樹脂(A)からなる層(X)と、DSCによって測定される融解ピーク温度が110〜120℃であり、MFRが1.0〜10.0g/10分であるメタロセン触媒によって重合された結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B:以下、メタロセンPP)を主体とする層(Y)を有し、少なくとも3層以上からなり、縦横とも延伸倍率3倍以上の延伸加工を施し、100℃における熱収縮率が縦横とも25%以上であるポリプロピレン系多層シュリンクフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はオーバーラップ用の熱収縮性包装材料に関し、より詳しくは、弾性率、低温収縮性と平面性が共に優れ、自動包装機における高速包装機適性と収縮包装仕上がり性とを両立する事ができるポリプロピレン系多層シュリンクフィルムに関する。
従来、熱収縮性包装材料として、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエチレン系フィルム等が知られているが、低価格、使用後の廃棄処理の容易さなどの点でポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系シュリンクフィルムが好んで用いられている。しかしながら、ポリプロピレン系シュリンクフィルムは弾性率、耐熱性等に優れるものの、低温収縮性に乏しく、一方、ポリエチレン系シュリンクフィルムは、低温収縮性に優れるものの、弾性率、耐熱性に乏しい等の欠点を有している。このような問題を解決すべく、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂を積層したポリオレフィン系多層シュリンクフィルムが開示(特許文献1)されている。
本出願人も、先に、高弾性率と低温収縮性が共に優れたポリオレフィン系多層シュリンクフィルム(特許文献2)を提案した。一方、市場では、更なる高速包装の要求が高まり、従来、カップ麺等の分野で40m/分程度で包装されていたものが、60m/分の包装速度が望まれつつある。しかしながら、該シュリンクフィルムは、部分的にポリエチレン層を有しているため、チューブラー延伸加工時の延伸バブルの揺れやネッキング等が観察確認できるほどではないが、得られたフィルムには、タルミが見られ、更なる高速包装化の要求に対しては、平面性が劣るという問題があった。
特開昭58−166049号公報、同63−17361号公報、同63−214446号公報、同64−56547号公報、同64−1535号公報、特開平4−5044号公報、同4−211936号公報、同6−50096号公報、同8−99393号公報、同11−254610号公報等 特開2005−144725号公報
本発明は、上記状況を鑑みてなされたもので、弾性率、低温収縮性と平面性が共に優れ、自動包装機における高速包装適性と収縮包装仕上がり性とを両立できるシュリンクフィルムを提供する事を課題とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のプロピレン系樹脂からなる層とメタロセン触媒によって重合された結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を主体とする層を有する少なくとも3層以上の多層フィルムを延伸する事により、課題を解決できる事を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、示差走査熱量計(以下、DSCと記す。)によって測定される融解ピーク温度が130〜165℃、メルトフローレート(以下MFRと記す、測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分であるプロピレン系樹脂(A)からなる層(X)と、DSCによって測定される融解ピーク温度が110〜120℃であり、MFRが1.0〜10.0g/10分であるメタロセン触媒によって重合された結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B:以下、メタロセンPPと記す。)を主体とする層(Y)を有し、少なくとも3層以上からなり、縦横とも延伸倍率3倍以上の延伸加工を施し、100℃における熱収縮率が縦横とも25%以上であるポリプロピレン系多層シュリンクフィルムを提供するものである。
本発明のポリプロピレン系多層シュリンクフィルムは、高弾性率と耐熱性に優れた特定のプロピレン系樹脂からなる層と、高弾性率と低温収縮性に優れた特定のメタロセンPPからなる層を積層、延伸する事で、弾性率、低温収縮性と平面性に優れる、という効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、層(X)に用いられるプロピレン系樹脂(A)は、DSCによって測定される融解ピーク温度が130〜165℃、MFRが1.0〜10.0g/10分の範囲のもので、プロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、例えばプロピレン−エチレン、プロピレン−ブテン共重合体等、及びプロピレン−エチレン−ブテン3元共重合体の中から選ばれる少なくとも1種以上からなり、主に耐熱性、高弾性率を付与する作用を成す。これらの内、耐熱性、高弾性率、熱収縮特性と透明性のバランスを考慮して、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。
プロピレン系樹脂(A)の融解ピーク温度が130℃未満では耐熱性が低いため好ましくなく、165℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。また、MFRが1.0g/10分未満では、溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると自動包装機使用時の溶断シール性が低下するため好ましくない。
本発明の層(Y)の主体であるメタロセンPP(B)は、特開2006−52313号等に開示された方法により製造され、融解ピーク温度が110〜120℃の範囲のものであり、110℃未満では多層フィルム全体としての耐熱性が低くなるため好ましくなく、120℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。MFR(測定温度230℃、荷重2.16kgf)は、0.5〜10.0g/10分のものが好適に用いられる。0.5g/10分未満では溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると溶断シール性が低下するため好ましくない。
本発明に用いられるメタロセンPP(B)は、低温収縮性の特性を有しており、ポリエチレン系樹脂を積層せずとも、ポリエチレン並みの熱収縮特性を発現することができる。
層(X)及び/又は層(Y)は、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、層(X)にはメタロセンPP(B)を混合して、層(Y)にはプロピレン系樹脂(A)を混合して用いる事が出来る。これにより、要求される特性に応じて熱収縮性等の物性の調整を行う事が出来、またトリムや格外品等の再利用樹脂を混合使用する事も出来る。
本発明の層構成は、少なくとも3層以上の層構成であり、例えばA/B/A、B/A/Bの3層構成、A/B/A+B/B/A、B/A/A+B/A/B、B/A+B/A/A+B/B、A/A+B/B/A+B/A等の5層構成が挙げられる。中でも、A+B層を設けた層構成は、諸物性の調整や再利用樹脂の混合使用がやりやすくなり、好適である。A+B層における、プロピレン系樹脂(A)とメタロセンPP(B)の混合比率は、不相溶による透明性低下の問題もなく、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、特に制限はない。
本発明における、プロピレン系樹脂(A)を主体とする層(X)及びメタロセンPP(B)を主体とする層(Y)の厚みは、それぞれ1μm以上が好ましく、1μm未満では、本発明の目的とする各々の層の特徴が発現しにくい恐れがある。
本発明におけるプロピレン系樹脂(A)とメタロセンPP(B)の全層における組成比は、低温収縮性や弾性率等に関する個々の要求度合いに応じて、層比及び混合層の配合比によって調整する事が出来、プロピレン系樹脂(A):メタロセンPP(B)=10:90〜90:10の範囲で用いられる。
層(X)及び/又は層(Y)には、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤等の添加剤がそれぞれの有効な作用を具備させる目的で適宜使用することができる。
本発明において、層(X)及び/又は層(Y)には、自動包装機使用時の溶断シール性を向上させる目的で、造核剤あるいは造核効果を有する化合物や樹脂を添加する事が出来る。自動包装機の条件にもよるが、溶断シール後の固化が遅い事に起因すると思われるシール部の糸引き、シール部のピンホール発生を抑制する事が主な狙いとなる。造核剤あるいは造核効果を示す化合物としては、例えば、タルク、リン酸等の無機系、あるいは高分子系、有機カルボン酸金属塩、ソルビトール系誘導体等が好適に用いられる。最適な造核剤の添加量としては、高分子系結晶化促進剤を例にとると、添加する層に対して0.5〜10重量%である。添加量が0.5重量%未満では期待した効果が得られにくく、10重量%を超えると、熱収縮性や透明性等の他の物性への支障があり好ましくない。かかる高分子系結晶化促進剤の例としては、特許2529310号に示されるようなポリプロピレン系樹脂が用いられる。
本発明の特徴の一つとして良好な平面性があるが、フィルム製品ロールの長期保管中に、自然収縮による平面性のくずれがないことも重要な性質である。自然収縮の目安となる40℃雰囲気中での1週間保管後の収縮率は、縦横とも3%以下が好ましく、更に、夏場等の長期保管を考えると、1.7%以下が好ましい。保管中の自然収縮による平面性のくずれが大きくなると、本発明の目的とする高速包装適性を十分に得る事ができない。
本発明の特徴である高い熱収縮率を有するにも関わらず、自然収縮率を低く抑えたフィルムが得られるのは、特開2006−52313号に開示されたメタロセンPPの特徴もあるが、特定のポリプロピレン系樹脂(A)と特定のメタロセンPP(B)を積層することによって、より良好な自然収縮が達成できるものである。
本発明における、プロピレン系多層シュリンクフィルムの厚みは用途に応じて適宜、選択すればよいが、本発明の特徴である収縮仕上がり性や高速包装適性を有効に発現させるという点では、7〜35μm程度が好ましい。
次に、本発明のフィルムの製造方法を示す。前記の樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する方法は、公知の縦横2軸延伸方法で行うことができ、延伸倍率は縦横とも3〜7倍が好ましく、3倍未満では100℃における熱収縮率が縦横とも25%以上を得られず、熱収縮性が不足する。7倍以上では、引裂強度が低下し好ましくない。縦横の延伸倍率は必ずしも同じである必要はないが、被包装物の全体を包み込むオーバーラップ包装においては、その収縮仕上がりの観点から、縦横ほぼ同じ延伸倍率が好ましい。
以下、3層積層環状製膜延伸の場合を例に挙げ、具体的に説明する。
まず、ポリプロピレン系樹脂(A)を両表面層、メタロセンPP(B)を主体とする樹脂組成物を芯層となるように、3台の押出機により溶融混練し、3層環状ダイより環状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。
得られたチューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば芯層樹脂の融点以下10℃よりも低い温度で、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により、縦横とも延伸倍率3〜7倍で同時二軸配向を起こさせる。延伸装置から取り出したフィルムは、希望により熱処理やアニーリングすることができ、これにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例の中で示した各物性測定は以下の方法によった。
1.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
2.平面性:フィルムの平面性を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:フィルムにタルミが全くない、或いはほとんど目立たない。
△:フィルムにタルミが見られるが、軽く伸ばせば目立たなくなる。
×:フィルムにタルミが見られ、軽く伸ばしてもタルミが残る。
3.厚み比:フィルムの断面を顕微鏡で観察することにより測定した。
4.ヘイズ:JIS−K7105に準じて測定した。
5.グロス(60°):JIS−Z7105に準じて測定した。
6.引張弾性率:JIS−Z7127に準じて測定した。
7.自然収縮率:縦横それぞれ200mmの正方形に切り取ったフィルムを40℃のオーブンに7日間保管後、縦横それぞれの長さを測定し、数1によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
<数1>
熱収縮率(%)=(200−A)/200×100
(但し、Aは、7日間保持後の縦、又は横の長さ(mm)を示す。)
8.100℃熱収縮率:縦横それぞれ100mmの正方形に切り取ったフィルムを100℃のグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、水中で急冷し、縦横それぞれの長さを測定し、数2によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
<数2>
熱収縮率(%)=100−A
(但し、Aは、急冷後の縦、又は横の長さ(mm)を示す。)
9.収縮包装仕上がり性:協和電機(株)製のL型シール式半折自動包装機(型式:AT−500)にて、市販のガムテープ(円筒形)を包装し、フィルムの耐熱限界5〜20℃手前に設定した収縮トンネル内を15秒滞留させ、トンネル通過後の包装サンプルの中から無作為に5つを選び、包装仕上がり性を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が20℃を越える。
△:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が5〜20℃。
×:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が5℃未満。
(注:角高さとは、適度に余裕率を持たせた長方形の包装予備体を収縮トンネルで熱収縮させた後、包装体の四隅にできる角状突起物の突起高さを意味する。)
実施例1
表1に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン―エチレンランダム共重合体(A1)を両表面層とし、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPP(B1)を内部層として、3台の押出機で溶融混練し、厚み比が1/2/1になるように各押出機の押出量を設定し、3層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、縦横それぞれ4倍に延伸し、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、ヘイズ、グロスが良好で、引張弾性率、自然収縮性、100℃熱収縮率共に優れていた。半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。
実施例2
実施例1において、厚み比を1/6/1にし、縦横それぞれ5倍で延伸した以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、ヘイズ、グロスが良好で、引張弾性率、自然収縮性、100℃熱収縮率共に優れていた。半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。
実施例3
実施例1において、融解ピーク温度が138℃、MFRが2.5g/10分の特性を有するプロピレン―エチレンランダム共重合体(A2)を両表面層とし、内部層に造核効果を有するポリプロピレン系樹脂(C)を6重量%添加した以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、ヘイズ、グロスが良好で、引張弾性率、自然収縮性、100℃熱収縮率共に優れていた。半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。
実施例4
表1に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体(A1)を両表面層とし、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPP(B1)と実施例1で得られたスクラップ(D)を配合比50:50でブレンドした層を内部層とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、ヘイズ、グロスが良好で、引張弾性率、自然収縮性、100℃熱収縮率共に優れていた。半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。
実施例5
表1に示すように、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPP(B1)を両表面層とし、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体(A1)と実施例1で得られたスクラップ(D)を配合比50:50でブレンドした層を内部層とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、ヘイズ、グロスが良好で、引張弾性率、自然収縮性、100℃熱収縮率共に優れていた。半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。
比較例1
表2に示すように、融解ピーク温度が142℃、MFRが2.8g/10分の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体(A3)を両表面層とし、融解ピーク温度が125℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPP(B2)を両内部層(1)とし、密度が0.920g/cm3、メルトインデックス(以下MIと記す、測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0g/10分の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレン(E)を内部層(2)として、5台の押出機で溶融混練し、厚み比が1/1/4/1/1になるように各押出機の押出量を設定し、5層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された5層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、縦横それぞれ4倍に延伸し、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、引張弾性率、自然収縮性、100℃熱収縮率共に優れており、半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。また、延伸時に延伸点の上下動や延伸チューブの揺動はなく、良好であった。しかしながら、得られたフィルムはタルミがみられた。
比較例2
表2に示すように、融解ピーク温度が125℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPP(B2)を内部層(1)としとした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、ヘイズ、グロスが良好で、自然収縮性、引張弾性率に優れる。しかしながら、100℃熱収縮率が不十分で、半折包装機を用いた包装評価でも、美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が狭い。
比較例3
表2に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン―エチレンランダム共重合体(A1)を単層として、押出機にて溶融混練し、環状ダイスにより下向きに共押出した。形成されたチューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、縦横それぞれ4倍に延伸し、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。また、得られたフィルムは、自然収縮性、引張弾性率に優れる。しかしながら、ヘイズ、グロス、100℃熱収縮率が不十分で、半折包装機を用いた包装評価でも、美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が狭い。
比較例4
表2に示すように、融解ピーク温度が115℃、MFRが2.0g/10分の特性を有するメタロセンPP(B1)を単層として、押出機にて溶融混練し、環状ダイスにより下向きに共押出した。形成されたチューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、縦横それぞれ4倍に延伸し、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、100℃熱収縮率に優れており、半折包装機を用いた包装評価でも、熱収縮性に優れるために美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が広く、良好なものであった。また、延伸時に延伸点の上下動や延伸チューブの揺動はなく、良好であった。しかしながら、得られたフィルムは、自然収縮率が大きめで、タルミがみられ、十分な引張弾性率も得る事はできなかった。
比較例5
表2に示すように、延伸倍率を縦横それぞれ2.5倍にした以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。しかしながら、ヘイズ、グロス、100℃熱収縮率が不十分で、半折包装機を用いた包装評価でも、美麗な仕上がりが得られるトンネル範囲が狭い。
Figure 2010064369
Figure 2010064369
本発明の熱収縮性包装材料は、弾性率、低温収縮性と平面性が共に優れ、自動包装機における高速包装機適性と収縮包装仕上がり性とを両立することができるポリプロピレン系多層シュリンクフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 示差走査熱量計(以下、DSCと記す。)によって測定される融解ピーク温度が130〜165℃、メルトフローレート(以下MFRと記す、測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分であるプロピレン系樹脂(A)からなる層(X)と、DSCによって測定される融解ピーク温度が110〜120℃であり、MFRが1.0〜10.0g/10分であるメタロセン触媒によって重合された結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B:以下「メタロセンPP」と記す。)を主体とする層(Y)を有し、少なくとも3層以上からなり、縦横とも延伸倍率3倍以上の延伸加工を施し、100℃における熱収縮率が縦横とも25%以上であるポリプロピレン系多層シュリンクフィルム。
  2. 層(X)及び/又は層(Y)に、造核剤あるいは造核効果を有する化合物や樹脂が0.5〜10%添加されたものである、請求項1記載のポリプロピレン系多層シュリンクフィルム。
  3. 弾性率が0.8GPa以上、且つ、40℃雰囲気中で7日間保管後の収縮率が縦横とも3%以下である、請求項1又は2に記載のポリプロピレン系多層シュリンクフィルム。
  4. 弾性率が0.8GPa以上、且つ、40℃雰囲気中で7日間保管後の収縮率が縦横とも1.7%以下である、請求項1又は2に記載のポリプロピレン系多層シュリンクフィルム。
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