JP5722081B2 - 収縮仕上がり性に優れたポリエチレン系架橋シュリンクフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、収縮包装材料に使用される、収縮包装仕上がり性に優れたポリエチレン系架橋シュリンクフィルムに関する。
従来、熱収縮性包装材料としては、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリプロピレン系シュリンクフィルム、ポリエチレン系未架橋シュリンクフィルム、ポリエチレン系架橋シュリンクフィルム等が知られている。
その中で、ポリエチレン系架橋シュリンクフィルムは、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルムのように包装作業時や廃棄焼却時に有害な塩化水素ガスを発生することもなく、また、ポリプロピレン系シュリンクフィルム、ポリエチレン系未架橋シュリンクフィルムに比べ、収縮包装仕上がり性に優れるという特徴を有していることから、食品、化粧品、薬品、文房具等の収縮包装に広く用いられている。しかしながら、開示されている特許文献1〜5記載の従来のフィルムでは、静電シール包装機で小型容器を包装する時など、包装機の製袋条件の制限で製袋の余裕率を通常よりも大きくしなければならない場合や、コーナーシワを極力無くす目的で製袋の余裕率を通常よりも大きくする場合などに、収縮包装体がタイトに仕上がらず、収縮したフィルムと被包装物とのフィット感が不足したり、収縮包装体の天面部分に収縮不足による波状シワが発生し、十分な収縮包装仕上がり性が得られないという課題を有していた。ここでいう製袋の余裕率とは、(製袋フィルム周長−被包装物の周長)/被包装物の周長×100(%)で表されるものであり、通常は10〜20%程度であるが、30〜70%程度に比較的大きく設定する場合に、前記の様な収縮包装仕上がり性不良が見られていた。
これらの課題を解決すべく、特許文献6記載のフィルムでは、高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレンを芯層に配合することで、製袋の余裕率を通常よりも大きくする場合などにおいても、収縮したフィルムと被包装物とのフィット感が不足したり、収縮包装体の天面部分に収縮不足による波状シワが発生することなく、美麗な仕上がりが得られるフィルムに改良がなされている。しかしながら、低温収縮性が不十分な為、包装後のコーナーシワや四隅の角立ちがやや目立ち、収縮仕上がりに対して要求の厳しいDVD包装ユーザー等からは、さらなる改善を求められていた。
特開平5−84826号公報 特開平5−162270号公報 特開平8−169093号公報 特開平6−106668号公報 特開平10−250012号公報 特開2010−167762号公報
本発明は、低温収縮性に優れ、収縮包装体のコーナーシワや四隅の角立ちの発生が殆ど無い為、収縮仕上がり性に対して評価の厳しいユーザーの要求を満足でき、且つ、包装機の製袋条件の制限等で、包装機での製袋の余裕率を通常よりも大きくする場合においても、収縮したフィルムと被包装物とのフィット感が不足したり、収縮包装体の天面部分に収縮不足による波状のシワが発生すること無く、美麗な収縮包装仕上がり性が得られるポリエチレン系架橋シュリンクフィルムを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、密度0.915〜0.930g/cm3、MI(メルトインデックスを示す)0.2〜2.0g/10分である高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(以下、低密度ポリエチレン(A)と記す)10〜50重量部、密度0.910〜0.930g/cm3、MI1.0〜3.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(以下、直鎖状低密度ポリエチレン(B)と記す)50〜90重量部からなる樹脂組成物(以下、ブレンド組成物(a)と記す)を主成分とする両表面層、及び密度0.865〜0.925g/cm3、MI0.5〜4.0g/10分であるエチレン−αオレフィン共重合体から選ばれる1種または2種以上の混合物(C)(以下、エチレン−αオレフィン共重合体(C)と記す)を主成分とする芯層を有する少なくとも3層以上の構成であり、20〜60kGyの電子線照射により架橋せしめ、縦横同時に3〜6倍の延伸加工を行うことによって得られるポリエチレン系架橋シュリンクフィルムを提供し、好ましくは、エチレン−αオレフィン共重合体(C)の密度が0.865〜0.910g/cm3、ブレンド組成物(a)中の低密度ポリエチレン(A)の200℃における溶融張力が10g以上であり、また電子線架橋処理後、延伸して得られるフィルムの250℃、21.6kg荷重条件でのMFRが7〜25g/10分である事を特徴とするポリエチレン系架橋シュリンクフィルムを提供するものである。
本発明のポリエチレン系架橋シュリンクフィルムは、低温収縮性に優れた特定のエチレン−αオレフィン共重合体を主成分とする層を芯層、高余裕率時の収縮包装仕上がり性に優れた特定の低密度ポリエチレンと、透明性、滑り性に優れた特定の直鎖状低密度ポリエチレンとのブレンド組成物を主成分とする層を両表面層として積層、電子線照射、延伸することで、収縮包装体のコーナーシワや四隅の角立ち等の低温収縮仕上がり性に対して要求の厳しいユーザーを満足させる事ができ、且つ、包装機の製袋条件の制限等で、包装機での製袋の余裕率を通常よりも大きくする場合においても、収縮したフィルムと被包装物とのフィット感が不足し、収縮包装体の天面部分に収縮不足による波状のシワが発生すること無く、美麗な収縮包装仕上がり性が得られる、という効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、両表面層の主成分に用いられるブレンド組成物(a)の内、低密度ポリエチレン(A)は、密度0.915〜0.930g/cm3、MI0.2〜2.0g/10分の範囲のもので、高圧法により製造される長鎖分岐を有するポリエチレンからなり、両表面層の主成分であるブレンド組成物(a)中に10〜50重量部配合され、主に、高余裕率時の収縮包装仕上がり性に優れた特徴を付与する作用を成す。
また、高余裕率時の収縮包装仕上がり性や、収縮トンネル内でのフィルムの耐熱性を高める観点から、低密度ポリエチレン(A)の200℃における溶融張力が10g以上である事が好ましい。
低密度ポリエチレン(A)の密度が0.915g/cm3未満のものは、滑り性、耐熱性が低下し、0.930g/cm3 を超えるとヒートシール性が低下するため好ましくない。MIが0.2g/10分未満や、2.0g/10分を超えると、透明性や耐熱性が低下するため、好ましくない。またブレンド組成物(a)中の組成が20重量部未満では、高余裕率時の収縮包装仕上がり性が低下するので好ましくなく、50重量部を超えると透明性や溶断シール性が低下するため好ましくない。
本発明の両表面層の主成分に用いられるブレンド組成物(a)の内、直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、密度0.910〜0.930g/cm3、MI1.0〜3.0g/10分の範囲のものであり、主に滑り性、透明性を付与する作用を成す。
密度が0.910g/cm3未満のものは滑り性、耐熱性が低下し、0.930g/cm3 を超えるとヒートシール性が低下するため好ましくない。MIが1.0g/10分未満の場合や、3.0g/10分を超える場合には、透明性が低下するので好ましくない。またブレンド組成物(a)中の組成が50重量部未満では、透明性が低下し、90重量部を超えると高余裕率時の収縮包装仕上がり性が低下するため好ましくない。
本発明の芯層の主成分に用いられるエチレン−αオレフィン共重合体(C)は、密度0.865〜0.925g/cm3、MI0.5〜4.0g/10分の範囲のものを1種、または2種以上を混合したものからなり、主に低温収縮性、引裂強度を付与する作用を成す。ここでいうエチレン−αオレフィン共重合体とは、プロピレン、ブテン−1、ペンテンー1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1から成る群から選ばれた1種又は2種以上のα−オレフィンとエチレンとを共重合させたものを示す。
また、低温収縮性を高める観点から、エチレン−αオレフィン共重合体(C)の密度は、0.865〜0.910gであることが好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体(C)の密度が、0.865g/cm3未満のものは、フィルムの引張弾性率が低くなり、包装機での走行性が低下し、0.925g/cm3 を超えると低温収縮性が不十分であるため好ましくない。MIが0.5g/10分未満のものは、押出時のモーター負荷が増大し、4.0g/10分を超えると延伸加工性、耐熱性の低下や、溶断シール時にピンホールやシール開きが発生するため好ましくない。
両表面層及び/又は芯層は、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、他の樹脂を混合することもできる。たとえば、両表面層にはエチレン−αオレフィン共重合体(C)を混合して、芯層にはブレンド組成物(a)を混合して用いる事が出来、これにより、要求される特性に応じて諸物性の調整を行う事が出来、またトリムや格外品等の再利用樹脂を混合使用する事も出来る。
本発明の層構成は、少なくとも3層以上の層構成であり、例えば(b)/(a)/(b)の3層構成、(b)/(a)+(b)/(a)/(a)+(b)/(b)、(b)/(a)/(a)+(b)/(a)/(b)等の5層構成が挙げられる。
中でも、(a)+(b)層を設けた層構成は、諸物性の調整や再利用樹脂の混合使用がやりやすくなり、好適である。
(a)+(b)層における、ブレンド組成物(a)と直鎖状低密度ポリエチレン(C)の混合比率は、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、特に制限はない。
本発明の各層の厚み構成比については特に限定されないが、芯層の厚み比率が全体厚みに対し40〜80%の範囲内であることが好ましい。芯層の厚み比率が40%未満では低温収縮性が低下し易くなるので好ましくなく、80%を超えると、高余裕率時の収縮包装仕上がり性が低下し易くなるので好ましくない。フィルムの全体厚みも特に限定されないが、熱収縮性包装材料用途としては7〜35μmであることが好ましい。
本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤等の添加剤がそれぞれの有効な作用を具備させる目的で適宜使用することができる。
本発明における架橋処理としては、20〜60kGyの範囲の電子線をフィルムに照射することにより成されるものである。20kGy未満では、耐熱性、延伸加工性の低下や、溶断シール時にピンホールやシール開きが発生するため好ましくなく、60kGyを超えると溶断カット性が低下するので好ましくない。
本発明において、20〜60kGyの範囲の電子線架橋処理後、延伸して得られるフィルムの250℃、21.6kg荷重条件でのMFR(以下、MFRと記す)は、7〜25g/10分の範囲であることが好ましい。MFRは、原料種や線量の組み合わせによって変化するが、7g/10分未満では溶断カット性が低下し易くなるため好ましくなく、25g/10分を超えると、熱収縮トンネル内での耐熱性や、嵩高な被包装物を高速で包装するような条件での溶断シール性が低下し易くなるため好ましくない。
本発明において、架橋処理によって得られる各層の架橋度については、各層ともに同等であることが好ましい。各層の架橋度や溶融粘度が違いすぎると、透明性が低下し易く、好ましくない。
各層の架橋度を合わせる目的での、架橋助剤、架橋抑制剤等の添加や、加速電圧の調整等については、本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、行っても何ら問題ない
次に、本発明のフィルムの製造方法を示す。前記の樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する方法は、公知の縦横同時2軸延伸方法で行うことができ、延伸倍率は縦横とも3〜6倍が好ましい。3倍未満では、モジュラスが低下して収縮トンネル内での製袋フィルムの膨らみが大きいことによる耐熱性不良や、収縮包装後に見られる縦筋状の外観不良が発生するため好ましくなく、6倍を超えると、引裂強度が低下し好ましくない。
以下、3層積層環状製膜延伸の場合を例に挙げ、具体的に説明する。
まず、ブレンド組成物(a)を主体とする樹脂組成物を両表面層、エチレン−αオレフィン共重合体(C)を主体とする樹脂組成物を芯層となるように、3台の押出機により溶融混練し、3層環状ダイより環状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。次いで、電子線照射装置にて、20〜60kGyの照射条件にて、チューブ状未延伸フィルムの両面に電子線を照射し、架橋チューブ状未延伸フィルムを作製する。得られた架橋チューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば芯層樹脂の融点以下10℃よりも低い温度で、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により、縦横とも延伸倍率3〜6倍で同時二軸配向を起こさせる。延伸装置から取り出したフィルムは、希望によりアニーリングすることができ、このアニーリングにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
なお、実施例及び比較例おける測定及び評価の方法は、以下に示す通りに行った。
1.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
2.厚み比:フィルムの断面を顕微鏡で観察することにより測定した。
3.ヘイズ:JIS−K7105に準じて測定した。
4.MI:JIS−K7210に準じて、190℃、2.16kg荷重条件で測定した。
5.溶融張力:200℃、せん断速度27sec-1で孔径2.09mm(L/D=3.8)のオリフィスより押し出される溶融状態のストランドを2m/minの速度で引き取るときの引取張力を測定した。
6.MFR:JIS−K7210に準じて、250℃、21.6kg荷重条件で測定した。
7.引張弾性率:JIS−Z7127に準じて測定した。
8.100℃熱収縮率:縦横それぞれ100mmの正方形に切り取ったフィルムを100℃のグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、水中で急冷し、縦横それぞれの長さを測定し、数1によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
(数1)
熱収縮率 (%)=100−A
(但し、Aは、急冷後の縦、又は横の長さ (mm)を示す。)
9.高余裕率仕上がり性:協和電機(株)製のL型シール式半折自動包装機(型式:AT-500)
にて、市販のスタンディングチューブを余裕率70%の条件で予備包装し、フィルム
の耐熱限界5℃手前に設定した収縮トンネル内を15秒滞留させ、トンネル通過後の
包装サンプルの中から無作為に5つを選び、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:収縮フィルムと被包装物とのタイト感は十分あり、また包装サンプルの四隅の角立ちが小さく、小ジワも殆ど無い。
×:収縮フィルムと被包装物とのタイト感が不十分で、特に包装サンプルの天面部分に波シワ状の収縮不足が見られる。または、包装時にフィルムが走行不良を起こし、傷などが入って外観を損ねる。
10.低温仕上がり性:協和電機(株)製のL型シール式半折自動包装機(型式:TCL-3030)にて、市販のDVDトールケースを余裕率5%の条件で予備包装し、DVDケース外面のPET製カバーが熱変形しない上限温度に設定した収縮トンネル内を10秒滞留させ、トンネル通過後の包装サンプルの中から無作為に5つを選び、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:包装サンプルの四隅の角立ちが小さく、タイトル面やコーナーの小ジワも殆ど無い。
×:包装サンプルの四隅の角立ちが大きく、タイトル面やコーナーの小ジワが目立つ。または、包装時にフィルムが走行不良を起こし、傷などが入って外観を損ねる。

11.溶断シール性、静電シール性:(株)ハナガタ製のオーバーラップ自動包装機(型式:HP-20SA)にて、一辺15cmの立方体の箱を40個/分の包装速度で包装し、フィルムの耐熱限界5℃手前に設定した収縮トンネル内を5秒間滞留させ、トンネル通過後の包装サンプルの中から無作為に10個を選び、横シールの溶断シール性と縦シールの静電シール性を以下の基準にて評価した。
<溶断シール性−評価基準>
○:包装サンプルの溶断シール部に、ピンホールやシール開きが見られない。
×:包装サンプルの溶断シール部に、ピンホールやシール開きが見られる。または、230℃以上にシール温度を上げないと溶断出来ない。
<静電シール性−評価基準>
○:包装サンプルの静電シール部が開かず、綺麗にシールされている。
×:包装サンプルの静電シール部に開きが見られる。
実施例1
表1に示すように、密度0.920g/cm3、MI0.3g/10分、200℃における溶融張力(以下、Fmtと記す)が17gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A1)30重量部、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)70重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.885g/cm3、MI1.0g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C1)を芯層とし、3台の押出機で溶融混練した後、厚み比が1/5/1になるように各押出機の押出量を設定し、3層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムの両面に、日新ハイボルテージ社製の電子線照射装置を用いて、50kGyの照射条件で電子線照射を行った後、架橋チューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、90〜110℃で縦横それぞれ5倍に延伸し、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、高余裕率仕上がり性、低温仕上がり性に優れるもので、その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率、溶断シール性、静電シール等の特性も良好であった。
実施例2
実施例1において、密度0.918g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt20gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A2)10重量部、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)90重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.885g/cm3、MI3.6g/10分であるエチレン−ブテン−1共重合体(C2)を芯層として、照射条件を40kGy、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、高余裕率仕上がり性、低温仕上がり性に優れるもので、その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率、溶断シール性、静電シール等の特性も良好であった。
実施例3
実施例1において、密度0.922g/cm3、MI0.4g/10分、Fmt19gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A3)50重量部、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B2)50重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.905g/cm3、MI0.8g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C3)を芯層として、厚み比を1/8/1、照射条件を40kGy、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、高余裕率仕上がり性、低温仕上がり性に優れるもので、その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率、溶断シール性、静電シール等の特性も良好であった。
実施例4
実施例1において、密度0.920g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt17gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A1)20重量部、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)80重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.885g/cm3、MI1.0g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C1)50重量部、密度0.905g/cm3、MI0.8g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C3)50重量部からなる樹脂組成物を芯層として、厚み比を1/6/1、照射条件を45kGy、延伸倍率を縦横4.5倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、高余裕率仕上がり性、低温仕上がり性に優れるもので、その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率、溶断シール性、静電シール等の特性も良好であった。
実施例5
実施例1において、密度0.918g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt20gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A2)40重量部、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)60重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、照射条件を45kGyとした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、得られたフィルムは、高余裕率仕上がり性、低温仕上がり性に優れるもので、その他、ヘイズ、引張弾性率、100℃熱収縮率、溶断シール性、静電シール等の特性も良好であった。
比較例1
実施例1において、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)を両表面層とし、密度0.920g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt17gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A1)60重量部、密度0.885g/cm3、MI1.0g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C1)40重量部からなる樹脂組成物を芯層とし、照射条件を40kGyとした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、低温仕上がり性に劣るものであり、100℃熱収縮率が不十分な為、DVDトールケース包装において、四隅の角立ちが大きく、またタイトル面やコーナーの小ジワが目立ち、外観を損ねる結果であった。
比較例2
実施例1において、密度0.920g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt17gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A1)5重量部、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)95重量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、高余裕率時の収縮包装仕上がり性に劣るものであり、収縮フィルムと被包装物とのタイト感が不十分で、特に包装サンプルの天面部分に波シワ状の収縮不足が見られ、外観を損ねる結果であった。
比較例3
実施例1において、密度0.920g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt17gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A1)60重量部、密度0.920g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B1)40重量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、透明性や溶断シール性に劣るもので、収縮包装体の外観を損なう結果であった。
比較例4
実施例1において、密度0.920g/cm3、MI0.3g/10分、Fmt17gである高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A1)50重量部、密度0.935g/cm3、MI1.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B3)50重量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.930g/cm3、MI1.0g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C4)を芯層として、厚み比を1/4/1、照射条件を70kGy、延伸倍率を縦横4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、低温仕上がり性、溶断シール性、静電シール性が劣るために、収縮包装体の外観を損ねる結果であった。
比較例5
実施例1において、密度0.862g/cm3、MI1.2g/10分であるエチレン−オクテン−1共重合体(C5)を芯層として、厚み比を1/6/1、照射条件を40kGy、延伸倍率を縦横4.5倍とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、得られたフィルムは、得られたフィルムは、滑り性が良くないため、包装機でのフィルムの走行トラブルが散発し、収縮包装体に傷が入って外観を損ねる結果であった。
Figure 0005722081
Figure 0005722081
本発明の熱収縮性包装材料は、収縮包装体のコーナーシワや四隅の角立ち等の低温収縮仕上がり性に対して要求の厳しいユーザーを満足させる事ができ、且つ、包装機の製袋条件の制限等で、包装機での製袋の余裕率を通常よりも大きくする場合においても、収縮したフィルムと被包装物とのフィット感が不足したり、収縮包装体の天面部分に収縮不足による波状のシワが発生すること無く、美麗な収縮包装仕上がり性が得られるポリエチレン系架橋シュリンクフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 下記(a)を主成分とする両表面層、及び下記(b)を主成分とする芯層を有する少なくとも3層以上の構成であり、20〜60kGyの電子線照射により架橋せしめ、縦横同時に3〜6倍の延伸加工を行うことによって得られるポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
    (a)密度0.915〜0.930g/cm3、MI0.2〜2.0g/10分である高圧法により製造される長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A)10〜50重量部、密度0.910〜0.930g/cm3、MI1.0〜3.0g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン(B)50〜90重量部からなる樹脂組成物。
    (b)密度0.865〜0.910g/cm 3 (0.910g/cm 3 を除く)、MI0.5〜4.0g/10分であるエチレン−αオレフィン共重合体から選ばれる1種または2種以上の混合物(C)
  2. 前記長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(A)の200℃における溶融張力が10g以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
  3. 前記ポリエチレン系架橋シュリンクフィルムの250℃、21.6kg荷重条件でのメルトフローレートが、7〜25g/10分である事を特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
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