JP5896714B2 - パックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム、及びパックインボックス包装体とその包装方法。 - Google Patents

パックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム、及びパックインボックス包装体とその包装方法。 Download PDF

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Description

本発明は、日用品、雑貨、雑誌、化粧品などを通信販売等で輸送するためのパックインボックス包装において、商品を損傷することがなく、収縮包装の際は低温収縮性であるために商品を過度に高熱にさらすことなく、収縮トンネルの消費電気量を低減でき、更に、フィルム厚みが薄いためにゴミ等の減容化ができるパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム、及びパックインボックス包装体とその包装方法に関するものである。
近年、雑貨や日用品など通信販売で購入するケースが増え、商品を段ボールに入れて購入者へ配送する形態が取られていることが多く、商品を保護するために緩衝材も一緒に段ボールに入れることが多い。緩衝材には紙や樹脂等の様々な素材があり、その多くは廃棄されている。最近になって、廃棄処理の減量、緩衝材を詰める作業の効率化、コストダウン等を図るため、1枚の段ボールに商品をフィルムで固定するパックインボックス包装が採用されている。パックインボックス包装は、商品が大きさや形などが多種多様であるため、余裕率の調整が簡易的であるスリーブ包装形態で行われることが多い。オーバーラップ包装では商品の大きさや形状に合わせて余裕率を個々に調整する必要があり、商品の押さえ付けが弱いためである。
ところで、スリーブ包装形態の場合、一般的にはポリエチレンを主原料としたインフレーション法で製造されたフィルムが用いられている。インフレーション法で製造されたフィルムは、原料の融点以上の温度で延伸されるため、原料の融点付近の高温でなければ収縮包装できず、透明性や光沢性に劣る。また、柔らかくて伸び易く、十分な結束力と強度を得るためには、30μm以上の厚みが必要であり、包装後は多量のゴミとなっている。
一方、上述したようなオーバーラップ包装用ポリエチレン系熱収縮性フィルムでスリーブ包装形態のパックインボックス包装を行うと、MDとTDの収縮率と収縮力がほぼ同じであるため、MDの収縮力は不足して十分な結束力が得られず、反対にTDの収縮が大きくなりすぎて被包装物を十分に覆うことができずに商品が落下してしまうことあった。
特開2008−13197号公報
本発明は、商品の梱包や輸送においてフィルムの破れや緩みによって商品を損傷することがなく、収縮包装の際は低温収縮性であるために商品を過度に高熱にさらすことなく、収縮トンネルの消費電気量を低減でき、更に、フィルム厚みが薄いためにゴミ等の減容化ができる、パックインボックス用ポリエチレン系の熱収縮性フィルム、及びパックインボックス包装体とその包装方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、フィルムの原料と層構成、及び延伸加工条件を特定することによって、このような要求特性を満足するフィルムが得られることを見出した。
即ち、本発明は、
(1)ポリエチレン系多層フィルムを二軸延伸によりMD及びTD共に延伸倍率3.0倍以上で延伸した後、熱ロール処理により60〜100℃の温度でMDに1.2〜2.0倍に延伸して得られるパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム。
(2)前記ポリエチレン系多層フィルムが、少なくとも片方の表層が密度0.910〜0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンからなり、芯層が密度0.915〜0.925g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%と、密度0.915〜0.925g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン0〜50重量%との組成物からなることを特徴とする前記(1)記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム。
(3)前記芯層に用いる高圧法低密度ポリエチレンのMFRが0.3〜1.0g/10分であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム。
(4)フィルム全体の厚みが25μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム。
(5)フィルムのヘーズが5%以下、グロスが120%以上であり、80℃の熱収縮率のMDが10〜20%且つTDが5%未満であり、80℃の熱収縮力のMDが0.40N/cm以上且つTDが0.20N/cm未満であることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれか一項に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム。
(6)フィルム内面の摩擦係数が0.15以上であり、衝撃強度が0.5J以上であり、突刺強力が4.0N以上であることを特徴とする(2)〜(5)のいずれか一項に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム。
(7)(1)〜(6)のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムを用いたパックインボックス包装体。
(8)(7)の包装体を製造するときに用いる台紙について、当該台紙の端部に切欠部を有する台紙を用いるパックインボックス包装体。
(9)(8)に記載した包装体を製造するパックインボックスの包装方法。
に係るものである。
本発明のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮フィルム、及びパックインボックス包装体とその包装方法は、商品を結束することができるため荷崩れや破れを起こすことなく、輸送等において好適である。また、従来から使用されているインフレーション法で製造されたフィルムよりも、収縮包装後の透明性光沢性が良好であるためにディスプレイ効果が高く、また低温収縮性であるため収縮時の収縮トンネルの消費電力が削減でき、さらに、十分な強度を有するためフィルムを薄くすることができ、その結果、包装後に廃棄されるフィルムの量を減量することもできるため、環境に対する負荷が軽減されるものである。
パックインボックス包装の形態の例1、例2である。 本発明のポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造工程の1例であるチューブラー延伸工程図である。
以下に本発明の実施の形態を以下説明する。
本発明は、まず未延伸のポリエチレン系多層フィルムについて二軸延伸を行う。二軸延伸のMDおよびTDの延伸倍率はそれぞれ3.0倍以上がよく、延伸温度は原料であるポリエチレンの融点より10〜30℃低い温度、好ましくは10〜20℃低い温度が良い。延伸倍率が3.0倍未満、延伸温度がポリエチレンの融点から0〜10℃低い温度であると、良好な透明性と光沢性、十分なフィルム強度が得られず、延伸温度がポリエチレンの融点から30℃以上低い温度であると横の収縮率が大きくなりすぎて好ましくない。
次いで二軸延伸後のフィルムについて、MDのみに一軸延伸を行う。この一軸延伸は、熱ロールを用いて60〜100℃の温度範囲でMDに1.2〜2.0倍に延伸することによって、低温収縮性、特にMDの収縮性に優れ、パックインボックス包装における結束力に優れたフィルムが得られる。一軸延伸を行う温度は60〜100℃が好ましく、70〜90℃が更に好ましい。60℃未満の温度では熱ロール等のモーター負荷上昇で一軸延伸が困難となり、100℃を超える温度、特に芯層の融点に近い温度で一軸延伸するとMDの収縮性が十分得られず、収縮力が小さくなるため十分な結束力が得られなくなってしまう。一軸延伸の倍率は、1.2〜2.0倍が好ましく、1.2〜1.5倍が更に好ましい。一軸延伸の倍率が1.1倍未満の場合パックインボックス包装時の結束力が不足する。一軸延伸倍率が2.0倍を超える場合は、熱ロール上のフィルム切れ防止やロールモーター負荷上昇を防止するために熱ロール温度を高く設定しなければならず、本発明の効果を失ってしまう。
本発明に用いる原料は、ポリエチレン系の原料であれば耐引き裂き性等十分な強度を有し、一軸延伸によってMDの収縮性と結束力に優れるパックインボックス包装用フィルムを得ることができる。
特にパックインボックス包装を行う場合は、十分な結束力と強度、更に低温収縮性が必要であり、ポリエチレン系フィルムの層構成を特定するとこれらの要求特性を満足するフィルムが得られる。即ち、前記ポリエチレン系多層フィルムが、少なくとも片方の表層が密度0.910〜0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンからなり、芯層が密度0.915〜0.925g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%と、密度0.915〜0.925g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン0〜50重量%との組成物からなることを特徴とするパックインボックス包装用熱収縮性フィルムである。
表層の樹脂は、低温シール性を得る目的では高圧法低密度ポリエチレンでも良いが、フィルムの強度や透明性から直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、更には低温シール性やホットタック性、耐ブロッキング性等が両立するメタロセン系触媒の直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、密度0.910〜0.920g/cm3が好ましい。密度0.910g/cm3未満では、フィルム状態でのブロッキングが著しくなって包装工程におけるトラブルの要因となりやすく、0.920g/cm3超では低温シール性が得られない。
芯層の樹脂は直鎖状低密度ポリエチレン、もしくは直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合物が好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は0.915〜0.925g/cm3が好ましい。密度0.915g/cm3未満ではフィルム全体の耐熱性が不足するため、収縮包装の際の収縮トンネル内でフィルムが白化や溶融穴開き状態になりやすく、密度0.925g/cm3超では低温収縮性が得られにくくなり、高温で収縮包装するために商品を損傷する可能性や収縮トンネルの消費電力が大きくなってしまうため好ましくない。高圧法低密度ポリエチレンの密度は0.915〜0.925g/cm3が好ましく、更には0.915〜0.920g/cm3がより好ましい。高圧法低密度ポリエチレンは低温収縮性を向上させるために混合するが、密度0.915g/cm3未満では耐熱性を著しく低下させ、密度0.925g/cm3超ではフィルムの機械的強度を著しく低下させ、二軸延伸の際には均一な延伸ができずに厚薄精度が低下してしまうため好ましくない。
直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンを混合する場合、直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%と高圧法低密度ポリエチレン0〜50重量%の混合物が好ましい。高圧法低密度ポリエチレンを混合すると収縮包装後の結束力が得られやすくなるが、50wt%超混合されるとフィルムの機械的強度が著しく低下してしまうため好ましくない。
また、フィルム製造する際にチューブラー同時二軸延伸を行う場合は、延伸バブルの安定性を得るため、高圧法低密度ポリエチレンのMFRは0.3〜1.5g/10分が好ましい。
これらのポリエチレン系樹脂には、必要に応じて滑剤、アンチブロッキング剤、粘着性付与剤、帯電防止剤、防曇剤等の添加剤を必要に応じて加えてもよいが、後述するように摩擦係数が低くなりすぎると商品が振動等で動きやすくなるため注意が必要である。
本発明における二軸延伸法とロール一軸延伸法について、以下に詳細に説明するが、フィルムを製造する際の二軸延伸は公知の方法で行うことができ、本報ではチューブラー延伸法にて具体的に説明する。
直鎖状低密度ポリエチレンが両表層、直鎖状低密度ポリエチレン、若しくは直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合物が芯層となるように3台の押出機により溶融混練し、三層環状ダイより管状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。得られたチューブ状未延伸フィルムを例えば図2で示すようなチューブラー延伸装置に供給し、高度な配向が可能な温度範囲、例えば芯層の融点より20℃、好ましくは融点より10℃低い温度で、2つのニップロール間の周速比でMDに延伸すると同時に、チューブ内部にガス圧を適用して膨脹させてTDに延伸することにより同時二軸配向を起こさせる。延伸倍率は、優れた強度、透明性などの特性を得るためにはMDとTD共に3.0倍以上に延伸するのが好適である。
チューブラー延伸工程の後に、60〜100℃の加温ロールと20〜40℃の冷却ロール間にてMDに1.2〜2.0倍に延伸し、その後アニーリングを行う。加温ロールと冷却ロールの組み合わせは1対に限らず、2対以上になってもよい。製品厚みは、チューブラー延伸やロール一軸延伸の延伸倍率を考慮して、チューブ状未延伸フィルムの厚みで調整され、最終厚み25μm以下にする。本発明の効果を十分に得るには10μm以上25μm以下、更に好ましくは15μm以上25μm以下が好ましい。
本発明のフィルムは、ヘーズが5%以下、グロスが120%以上であり、80℃の熱収縮率のMDが10〜20%且つTDが5%未満であり、80℃の熱収縮力のMDが0.40N/cm以上且つTDが0.20N/cm未満であることが特徴である。原料の融点よりも低い温度で延伸されるため良好な透明性及び光沢性が得られ、従来のインフレーション法で製造されたフィルムより優位となる
熱収縮率は、芯層原料の密度や融点、チューブラー延伸やロール一軸延伸の温度と延伸倍率によって調整されるが、MD一軸延伸温度を60〜100℃でMD延伸倍率を1.2〜2.0倍にすることによって、80℃の熱収縮率のMDが10〜20%且つTDが5%未満、80℃の熱収縮力のMDが0.40N/cm以上且つTDが0.20N/cm未満のアンバランスなフィルムが得られ、MDに結束性とタイト感がある収縮が可能となり、同時にTDに過剰収縮がないため、パックインボックス包装に好適なフィルムが得られるようになる。更に、例えば図1に示すような包装では、天面のフィルムが収縮せずに余り、大変見栄えが悪くなってしまうため、120℃の熱収縮率のMDとTDが共に50%以上であることが好ましい。
更に本発明のフィルムは、フィルム内面の摩擦係数が0.15以上であり、衝撃強度が0.5J以上であり、突刺強力が4.0N以上であることが特徴である。フィルム内面の摩擦係数が0.15未満で滑りやすいと、商品をフィルムの結束力で固定しても商品がずれて緩んでしまい、また衝撃強度や突刺強力が十分でなければ商品によってはフィルムが破れてしまうためである。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明及び実施例における機械的性質及び物理的性質は以下の方法によって測定した。
<厚み> JIS Z 1709に準拠して、フィルムの厚みを測定した。
<ヘーズ> JIS K 7105に準拠して、フィルムの透明性について測定した。
<グロス> JIS K 7105に準拠して、フィルムの光沢性について測定した。
<収縮率> JIS Z 1709に準拠して、フィルムのMD及びTDについて測定した。
<収縮力> ASTM D 2838に準拠して、フィルムのMD及びTDについて測定した。
<摩擦係数>ASTM D 1894に準拠して、フィルムの滑り性について測定した。
<衝撃強度> JIS P 8134に準拠して、フィルムのMD及びTDについて測定した。
<突刺強力> JIS Z 1707に準拠して、フィルムの突刺強力について測定した。
<包装時の耐熱性> 加熱時にフィルムが溶融のため白化しているかどうかを目視で判断した。
○:白化無し。
△:全体的に白く曇ったように見える。
×:局部的に著しく白化が有り、フィルム強度が劣化若しくは穴が開いている。
<包装時の仕上がり> 包装後の天面の仕上がり状態を目視で評価した。
○:良好
△:天面に細かなシワが見られる。
×:天面やその他の箇所に皺やめくれがある、或いはフィルムに緩みがある。
<包装直後の結束性> 包装後の被包装物の結束状態で評価した。
○:良好。
△:ゆるみ小。
×:ゆるみ大、或いは被包装物がフィルムから落下している。
<輸送後の結束性> 包装した被包装物を輸送した後、結束状態を評価した。
○:良好。
△:ゆるみ小。
×:ゆるみ大、或いは被包装物がフィルムから落下している。
<輸送後の破れ> 包装した被包装物を輸送した後、破れ状態を評価した。
○:フィルムの破れなし。
△:フィルムに小さな破れがある。
×:フィルムに大きな破れがある。
また、実施例及び比較例に用いた原料種は、次の通りである。
LL1:メタロセン系触媒で重合された、C6コモノマーを有する直鎖状低密度ポリエチレンであり、密度は0.910g/cm3
LL2:チーグラー系触媒で重合された、C6コモノマーを有する直鎖状低密度ポリエチレンであり、密度0.920g/cm3
LL3:チーグラー系触媒で重合された、C8コモノマーを有する直鎖状低密度ポリエチレンであり、密度0.920g/cm3
LL4:チーグラー系触媒で重合された、C6コモノマーを有する直鎖状低密度ポリエチレンであり、密度0.925g/cm3
LD1:高圧法低密度ポリエチレンであり、密度0.915g/cm3
LD2:高圧法低密度ポリエチレンであり、密度0.924g/cm3
LD3:高圧法低密度ポリエチレンであり、密度0.920g/cm3
<実施例1>
表1に示すように、密度0.913g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を両表層とし、密度0.915g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂80重量%と密度0.924g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン樹脂20重量%を芯層として3台の押出機(芯層用、最内層用、最外層用)でそれぞれ170℃〜240℃にて溶融混練し、全層の厚みに対する芯層の厚みの割合が80%になるように各押出機の押出量を設定し、240℃に保った3層環状ダイスより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブ状溶融樹脂を、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。最終的に得られるフィルムの厚みが10μmになるように、押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度を調整することにより行った。このチューブ状未延伸フィルムを図2に示したチューブラー二軸延伸装置に導き、100〜110℃でMD3.0倍にTD3.0倍に延伸した後、40℃以下まで冷却し、2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムを熱ロール装置に導き、60℃加温ロールと30℃の冷却ロールの2つのロール間で1.2倍に延伸を行った後、更に30〜40℃に適宜調整された熱ロールで数%程度の弛緩処理を施した。チューブラー二軸延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、また熱ロール一軸延伸ではネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フィルムの特性は、表1に示したように、優れた透明性と光沢性を有し、極めて低温収縮性に優れるものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装した結果、本3冊はしっかりと固定されていて、破袋やフィルムの白化もなく、収縮トンネル温度も比較的低温側で十分な収縮仕上り状態であった。包装品を輸送しても、緩みや破れなどはなかった。
<実施例2>
表1に示すように、密度0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を両表層とし、密度0.925g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂50重量%と密度0.915g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン樹脂50重量%を芯層として、実施例1と同様に未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムを実施例1と同様にチューブラー二軸延伸を行い、次いで100℃加温ロールと30℃の冷却ロールの2つのロール間で2.0倍に延伸を行った後、更に30〜70℃に適宜調整された熱ロールで数%程度の弛緩処理を施した。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フィルムの特性は、表1に示したように、優れた透明性と光沢性を有し、極めて低温収縮性に優れるものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装した結果、本3冊はしっかりと固定されていて、破袋やフィルムの白化もなく、収縮トンネル温度も比較的低温側で十分な収縮仕上り状態であった。包装品を輸送しても、緩みや破れなどはなかった。
<実施例3>
表1に示すように、密度0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を両表層とし、密度0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を芯層として、実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。最終的に得られるフィルムの厚みが15μmになるように、押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度を調整することにより行った。このチューブ状未延伸フィルムを図2に示したチューブラー二軸延伸装置に導き、100〜110℃でMD4.0倍にTD4.0倍に延伸した後、40℃以下まで冷却し、2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムを熱ロール装置に導き、80℃加温ロールと30℃の冷却ロールの2つのロール間で1.5倍に延伸を行った後、更に30〜40℃に適宜調整された熱ロールで数%程度の弛緩処理を施した。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フィルムの特性は、表1に示したように、優れた透明性と光沢性を有し、極めて低温収縮性に優れるものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装した結果、本3冊はしっかりと固定されていて、破袋やフィルムの白化もなく、収縮トンネル温度も比較的低温側で十分な収縮仕上り状態であった。包装品を輸送しても、緩みや破れなどはなかった。
<実施例4>
表1に示すように、密度0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を両表層とし、密度0.925g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂80重量%と密度0.920g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン樹脂20重量%を芯層として、実施例1と同様にして、未延伸フィルムを得た。最終的に得られるフィルムの厚みが25μmになるように、押出機のスクリュー回転数及び引き取り速度を調整することにより行った。このチューブ状未延伸フィルムを熱ロール装置で1.2倍に延伸を行った以外は、実施例2と同様に延伸フィルムを得た。延伸フィルムの特性は、表1に示したように、優れた透明性と光沢性を有し、極めて低温収縮性に優れるものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装した結果、本3冊はしっかりと固定されていて、破袋やフィルムの白化もなく、収縮トンネル温度も比較的低温側で十分な収縮仕上り状態であった。包装品を輸送しても、緩みや破れなどはなかった。
<比較例1>
チューブラー同時二軸延伸の延伸倍率をMD2.5倍にTD2.5倍にした以外は、実施例3と同様にして延伸フィルムを得た。延伸フィルムの特性は表2に示したように、優れた透明性と光沢性を有するものであったが、衝撃強度や突刺強力が低いものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装したが、ややフィルムの収縮が不足していて見映えが悪い印象となった。また、本3冊はしっかりと固定されていたが、包装品を輸送すると本の角からフィルムが破れていた。
<比較例2>
105℃の熱ロールでMDに1.5倍に延伸にした以外は、実施例3と同様にして延伸フィルムを得た。延伸フィルムの特性は表2に示したように、優れた透明性と光沢性を有するものであったがMDの収縮率と収縮力が低いものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装したが、収縮が不足していて見映えが悪く、本3冊の固定は十分でなかった。包装品を輸送すると更に緩み、本の角からもフィルムが破れて、内容物がフィルムからでてしまっていた。
<比較例3>
50℃の熱ロールでMDに1.5倍に延伸にした以外は、実施例3と同様にしたが、熱ロールの駆動モーター負荷が大きくなりすぎて、延伸フィルムを得ることができなかった。
<比較例4>
80℃の熱ロールでMDに1.0倍に延伸にした以外は、実施例3と同様にして延伸フィルムを得た。延伸フィルムの特性は表2に示したように、優れた透明性と光沢性を有するものであったがMDの収縮率と収縮力が低いものであった。このフィルムで、コミック本3冊を図1に示した包装形態でパックインボックス包装したが、収縮が不足していて見映えが悪く、本3冊の固定は十分でなかった。包装品を輸送すると、破れはなかったが、更にフィルムが緩んで内容物がフィルムからでてしまうものもあった。
<比較例5>
100℃の熱ロールでMDに2.5倍に延伸にした以外は、実施例3と同様にしたが、熱ロールの駆動モーター負荷が大きくなりすぎるとともに、フィルムが破断してしまい、延伸フィルムを得ることができなかった。
Figure 0005896714
本発明のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルム、及びパックインボックス包装体とその包装方法は、輸送を目的としたパックインボックス包装に用いることができる。特に、低温収縮性で収縮トンネルの消費電力が低く、薄膜であるため減容化ができ、透明光沢性にも優れる為に商品の視認が容易で見映えの良い包装を可能とするものである。
1 パックインボックス包装時のフィルム
2 パックインボックス包装時の被包装物(商品)
3 パックインボックス包装時の段ボール
4 パックインボックス包装時のフィルムの溶断シール箇所
5 チューブラー延伸装置のニップロール
6 チューブラー延伸装置の予熱ヒーター
7 チューブラー延伸装置の主熱ヒーター
8 チューブラー延伸装置の冷却エアーリング
9 チューブラー延伸時のフィルム

Claims (7)

  1. ポリエチレン系多層フィルムにおいて、少なくとも片方の表層が密度0.910〜0.920g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン、芯層が密度0.915〜0.925g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%と、密度0.915〜0.925g/cmの高圧法低密度ポリエチレン0〜50重量%(0重量%を除く)との組成物である、ポリエチレン系多層フィルムを二軸延伸によりMD及びTD共に延伸倍率3.0倍以上で延伸した後、熱ロール処理により60〜100℃の温度でMDに1.2〜2.0倍に延伸して得られるパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造方法。
  2. 前記芯層に用いる高圧法低密度ポリエチレンのMFRが0.3〜1.0g/10分であることを特徴とする請求項1に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造方法。
  3. フィルム全体の厚みが25μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造方法。
  4. フィルムのヘーズが5%以下、グロスが120%以上であり、80℃の熱収縮率のMDが10〜20%且つTDが5%未満であり、80℃の熱収縮力のMDが0.40N/cm以上且つTDが0.20N/cm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造方法。
  5. フィルム内面の摩擦係数が0.15以上であり、衝撃強度が0.5J以上であり、突刺強力が4.0N以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜5のパックインボックス包装用ポリエチレン系熱収縮性多層フィルムの製造方法により製造されたポリエチレン系熱収縮性多層フィルムを用いたパックインボックスの包装方法
  7. 請求項6の包装体を製造するときに用いる台紙について、当該台紙の端部に切欠部を有する台紙を用いるパックインボックスの包装方法
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